【もくじ】 社会福祉NOW 暴力・虐待を防ぐために 地域住民ができること    施設と地域の連携による取組み トピックス ●「ふくしえほん あいとぴあ」の取組み ●板橋区福祉施設・関係団体等連絡会 社会福祉法人の社会貢献・地域貢献@ ●社会福祉法人大田幸陽会 み〜つけた ●社会福祉法人練馬豊成会 長崎県 上五島 島に29カ所あるカトリック教会が集落の中心にあり、 人々は平和に暮らしている。 子どもたちはのびやかだ。 【NOW】 暴力・虐待を防ぐために 地域住民ができること 施設と地域の連携による取組み 東社協 第3期3か年計画では 「暴力・虐待を生まない社会づくり推進事業」 に取組んでいます。平成26年度は 地域住民等が暴力・虐待を防ぐための ヒントをまとめた小冊子 「こんなことに気づいてあげて 〜暴力・虐待を防ぐためにあなたにできること〜」 を作成しました。今号では、 暴力・虐待を未然に防ぐために 地域住民ができることをテーマに考えます。 暴力・虐待の相談件数は右肩あがり 児童虐待防止法、DV防止法、高齢者虐待防止法に続き、障害者虐待防止法が施行され、法整備は徐々にすすんでいます。しかし、児童虐待、DVの相談件数は右肩あがりで増加し、児童虐待による死亡事例も高い水準で推移し続けています。 東社協では第3期3か年計画において、「暴力・虐待を生まない社会づくり検討委員会(以下、本委員会)」を設置しました。平成25年に実施した暴力・虐待を未然に防ぐアプローチに関する調査では、児童・女性福祉施設の利用者の半数以上が「入所前に暴力・虐待を受けた経験がある」と回答しています。また、施設に入所する前に暴力・虐待を受けたことがある約500名の実情を調べました。「どうして早く見つけてあげられなかった」を調べると、「暴力・虐待を相談できる人・機関を知らなかった」が4割、「自分が受けていることが、暴力・虐待だと認識していなかった」が34%でした。 施設の専門性と住民の力をつなぐ 東社協では、児童・女性にかかわる施設部会が集まり、児童・女性福祉連絡会を構成しています。前述した本委員会の取組みを報告するため、3月5日に連絡会は、シンポジウム「暴力・虐待を未然に防ぐためにできること〜福祉施設の専門性を地域で活かす〜」を開催しました。福祉施設職員だけでなく、民生児童委員やボランティアなど約100名が参加しました。 基調講演を行った本委員会委員長である石渡和実さん(東社協理事・東洋英和女学院大学教授)は、「川崎市で中学生が殺害され、少年3名が殺人容疑で逮捕される事件が起きた。厳しい状況にいる人からのSOSを地域で受けとめ、未然に防げなかったのが悔やまれる。福祉施設の専門性と地域住民の力をつなぐ取組みが求められる。そこには、区市町村社協の地域福祉コーディネーターの力が期待される」と課題提起しました。 福祉施設の実践 シンポジウムでは、虐待を未然に防ぐ福祉施設による実践報告を行いました。報告を行った一つの母子生活支援施設新宿区立かしわヴィレッジでは、DV等で入所した親子が退所しても遊びに来たくなる施設を目指しています。その想いから、退所した子どもや地域の子どもたちが学びにくる「かしわ塾」を週2回開いています。大学生ボランティア等が勉強を教え、年間延べ1,500人が訪れています。施設長の渋谷行成さんは「ともに学び、苦労を経験することで『人間関係も捨てたもんじゃない。人って悪くないな』と感じてもらうことを目標にしている」と話します。 また、「食」を通した場づくりも展開しています。退所者でひきこもりだったA君を外に連れ出すために、近くのラーメン屋で一番安かったチャーハンを皆で食べました。そこから、「チャーハンの会」と呼ばれるようになりました。週1回、10名くらいの思春期の子どもたちが参加します。渋谷さんは「そこは、学校(社会)か「引きこもっている部屋」の二者択一ではない中間の場所で、人とのつながりに慣れていく場所」と話しました。この他にも福祉施設では、暴力・虐待を未然に防ぐ取組みを実践しています。本委員会ではそれらの取組みをヒアリングし、27年度に実践事例集として発刊する予定です。 こんなことに気づいてあげて 平成26年度、本委員会は、小冊子「こんなことに気づいてあげて〜暴力・虐待を防ぐためにあなたにできること」を作成しました。これは、地域住民に「暴力・虐待は身近で起きていること」と実感してもらい、住民自身ができることを地域で考えるための小冊子です。平成25年度に実施した調査から得られた事例を加工し、マンガで紹介しています。例えば、母親が小学生の子どもから「同じクラスの子がほっぺたにケガをしていた。お母さんにぶたれたのかもしれない。助けてあげて」と相談されます。お母さんは「どこかに相談したほうがよいのかしら」「よその家のことだから…。学校がなんとかしてくれるかも…」と気持ちが揺れ動きます。そして、勇気を出して行動を起こしたパターンと、何もしなくて悲しい結果になってしまったパターンの2つを提示しています。そこからできることを考える構成です。 地域住民にできること 暴力・虐待の場面を発見したとき、私たちは何ができるでしょうか。平成25年度に実施した調査では、9割を超える福祉施設が「地域住民にもできることがある」と回答しています。自分と関係性がある人であれば、「困ったことがあったらいつでも相談してね」などと話かけられるかもしれません。突然声をかけるのが難しい場合は、隣近所の人と挨拶くらいはできるかもしれません。挨拶から顔なじみになり、そこからできることが見つかるかもしれません。 そして、暴力・虐待を発見したら「空振り」をおそれないで通告することが大切です。通告のハードルが高ければ、役所などに情報を知らせるだけでも良いのです。通告すると、様々な機関が事実確認を行い、必要に応じて立ち入り調査や一時保護することもあります。もちろん、事実確認を行った結果、何もなかった「空振り」のケースもあります。また、DVなどの相談をされた場合は、否定したり疑ったりしないでありのままを受けとめてください。なお、通告した人の情報は、相談先の関係者以外に知られないことになっています。匿名でも構いません。 通告への迷い 先に紹介したシンポジウムの質疑応答では、通告する悩みについて話されました。民生児童委員から「近所にひとり親の家族がいる。お母さんが出かけると2〜3日帰ってこなくなり、小学生の子どもが赤ちゃんの世話をしていた。悩みながら通告した。通告した後も本当にこれで良かったのか、自分の通告で家族がバラバラになってしまうのではないかと悩んだ」と、揺れ動いた気持ちを話しました。 かしわヴィレッジ施設長の渋谷さんは質問に対し、「通告した後に家族がバラバラになるケースはそれほど多くはない。通告することで子どもだけでなく、親も救うことにつながる。揺れ動く気持ちは共感するが、勇気を出して通告してほしい」と通告を後押ししました。 小冊子は地域で考えるツール 小冊子は読んでもらうだけでなく、地域や施設で活用してもらうツールとして作成しています。地域の子育てサークルや勉強会、施設内で活用いただき、「自分の地域で起きたらどんなことができるか」などと、暴力・虐待について考えるきっかけづくりになることを目指しています。 平成27年度、本委員会においても小冊子を活用し、福祉施設と社協・民生児童委員が協働しながら地域でモデル勉強会を開催する予定です。そして、暴力・虐待を地域で考え、住民の力を引き出せるしくみづくりを検討していきます。 ●    ●    ● 暴力・虐待はマスコミ報道の中の事件ではなく、わたしたちの生活のすぐ近くに起きていることです。あなたの隣近所、保育園や幼稚園、学校、街を歩く中でも出会うことがあるかもしれません。勇気を出して行うあなたの一歩で暴力・虐待を防ぐことができるかもしれません。 暴力・虐待を防ぐためにあなたができること(例) ■近隣に関心をもち、挨拶や声かけなどのできることから始めて、  孤独を感じさせない ■ある程度の関係ができれば、相談できる機関を伝える ■地域で「暴力・虐待を許さない意識」を高める ■気軽に立ち寄れる場所を地域に作っていく ■気になるときに、「どう思う」と身近な人と話してみる ■暴力・虐待を見かけたら、勇気をもって通告する ■通告のハードルが高ければ、役所などに情報を知らせるだけでも良い 小冊子は4月上旬に 関係機関に送付するとともに、 東社協図書係にて頒布します。 あわせて東社協ホームページ にも掲載します。 【トピックス】 「ふくしえほん あいとぴあ」の 取組み 狛江市 社会福祉協議会 「ふくしえほん あいとぴあ」(以下、「ふくしえほん」)とは、狛江市の幼稚園・保育園等に通う5歳児に向けた福祉教材です。「ふくしえほん」の取組みは20年以上続いています。平成2年3月、狛江市社協は市民とともに地域福祉活動計画を策定しました。計画の柱の一つである「ボランティア活動・福祉教育の推進」の具体的な実践の一つが、この「ふくしえほん」です。平成4年に小学校教員、保育関係者、ボランティア関係者、学識経験者等で構成する「ふくしえほん編集委員会」を設置し、翌年に初めて発行しました。 「ふくしえほん」は、毎月異なるテーマについて1シートで取り上げています。例えば、車いすで道を通る際に困るものは何かを考えたり、手話等のいろいろな言葉があることを知らせたりするものです。それを毎月ボランティア・センターの職員が、市内の幼稚園・保育園へ直接届け、具体的な活用は各園が独自に取組んでいます。 「ふくしえほん編集委員会」から発展した「ふくしえほん活用委員会」では、改訂・編集作業の他、活用のためのしくみづくりをしています。効果的な取組みを公募し、福祉教育研究園として選定します。選ばれた園には狛江市社協が助成をします。また、担当職員研修会の企画・実施も行い、ここで研究園の実践報告や、各テーマに沿った講和等を行っています。こうしたしくみの中であがってきた現場の声を踏まえ、担当職員が実践しやすくするための情報等をまとめた「ふくしえほん活用ヒント集」を作成しました。 このような工夫と、現場職員のアイディアが発揮されています。ボランティア・センターを通して視覚障がい者の方を園に招き、子ども達に話をしてもらったり、点字の絵本の読み聞かせをしてもらったりする園や、手話サークルの方に手話を教えに来てもらう園など様々な実践が行われています。これが「ふくしえほん」という形として残り、家庭に帰って親と共有できることや、大きくなってからいつでも振り返ることができ、保護者にも好評を得ています。 各月のシートは下記のURLから 見ることができます。 http://vc.komae.org/〜ehon/ 板橋区福祉施設・関係団体等 連絡会 地域でつながるために 板橋区社協 主催 「地域でつながるために」をテーマに、板橋区内の福祉施設・関係団体による連絡会が2月12日に開催されました。高齢・児童・障害等の施設や団体の職員48名のほか、区職員11名、社協職員11名が参加し、分野や立場を越えた交流、情報交換がなされました。 まず、東社協職員が社会貢献事業や地域公益活動について、国の検討状況や東社協社会貢献事業検討委員会の検討内容などを説明しました。また、東社協社会福祉法人協議会が昨年9月に実施したアンケート結果から、「都内の法人や施設が既に取組んでいる制度外の支援や事業」を紹介し、関係者を取り巻く背景や情報を共有しました。 続いて、地域のニーズに応じて社会貢献事業を実践している、社会福祉法人村山苑むらやまえん生活相談所の責任者である本間克也さんから、事例発表がありました。村山苑では平成25年12月から、対象者や内容を限定せず総合相談事業を実施しています。 始めた経緯や開設までの法人内の検討や準備の状況、地域とのやり取り等、苦労し、積み重ねてきた担当者ならではの発表がありました。「できるかなではなく、まずはやってみよう。一歩踏み出してみることが大切」と本間さん。参加者アンケートには、「少人数でも工夫すれば新たなことができると感じた」「地域で必要な活動に気づいても受け身になっていると気づかされた」など、「気づき」が見られました。また、「取組みを時系列で整理してあり素晴らしい。事業には不可欠」と、社会貢献事業の情報発信で重要な点に着目した感想もありました。 連絡会のメインであるグループワークは、様々な方が交流できるよう9グループに分かれ、それぞれ区職員と社協職員も加わり、テーマに沿った情報交換をしました。「公園で遊ぶ親子に紙芝居を読み聞かせる活動から、アウトリーチの重要性を伝える保育士」「園庭解放を子育て相談につなげる保育園」「配食サービスで地域の高齢者の見守りを続ける特養」「18歳を過ぎて自立したものの、地域で生活困窮に陥る卒園生の支援が続く児童養護施設」。お互いの取組みを伝えるなかで、「色々な施設の視点から地域について意見が聞けてよかった」「知らない制度が多く驚いた」等の声が聞かれました。 また、「障害者本人の能力低下よりも、家族の生活力の低下で社会生活に支障を来たすケースの家族支援の必要性」「障害者が高齢者となる時に、本人を中心とした制度の違いを乗り越える支援の必要性」等、『複合的な課題』や『制度の狭間の課題』を具体的にとらえた発言もありました。一方で、「通常業務もある中での地域支援は回数に限界がある」「現場の職員が負担感だけ持たぬよう、正しく情報提供することが必要」といった社会貢献事業を実施する上での課題もあげられました。 「施設が地域とつながるチャンス」と感じた施設職員。「多くの施設が集まってくれるのは社協の強み」と感じた社協職員。「区として場所の提供が可能かも。ぜひ情報をやり取りしたい」と区職員。それぞれの立場で顔を合わせて話し合う大切さを実感した連絡会でした。今後、板橋区の施設や団体の連携がすすむことが期待されます。 分野や立場の 異なるメンバーの 情報交換が好評 福祉職員 キャリアパス対応 生涯研修課程 平成27年度 中堅職員研修の ご案内 ▽研修目的‥中堅職員として必要な役割行動を遂行するための基本を習得するとともに、キャリアアップの方向を考えます。 ▽主催‥東社協 東京都福祉人材センター研修室 ▽対象‥概ね入職3〜5年の方 ▽日程‥@6月30日・7月1日、A7月8日・9日、B7月14日・15日 ※各日2日間とも10時〜17時、各回とも同じ内容です。 ▽講師‥「全社協福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程」指導者養成研修課程修了者 ▽会場(予定)‥東京都社会福祉保健医療研修センター又は日本社会事業大学文京キャンパス ▽受講料‥1万6千円(2日分) ▽定員‥@72名A108名B108名 ▽申込方法‥研修受付システム「けんとくん」でお申込みください。 ▽申込締切‥5月14日(木) ※研修課程は他に初任者、チームリーダー、管理職員向けがあります。詳細は東社協ホームページ「研修室」のページをご参照ください。 【資料ガイド】 施策・会議資料 ●『第27回社会保障審議会 資料』(厚生労働省/1月) ●『平成26年度全国厚生労働関係部局長会議(厚生分科会)資料』(厚生労働省/2月)  平成27年2月23日〜24日に開催された都道府県、指定都市及び中核市の全国厚生労働関係部局長会議資料。 調査結果 ●『平成25年度障害者雇用実態調査』(厚生労働省/12月)  民営事業所における障害者の雇用の実態を把握し、今後の障害者の雇用施策に役立てるため、5年ごとに実施している事業所調査と個人調査の結果。 ●『児童養護施設入所児童等調査(平成25年2月1日現在)』(厚生労働省/1月)  里親等に委託されている児童、児童養護施設等に措置されている児童等の実態を明らかにして、要保護児童の福祉のために基礎資料を得ることを目的として、おおむね5年ごとに実施している調査。今回の対象は、全国の里親委託児童、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、乳児院の入所児童、母子生活支援施設の児童及び保護者、ファミリーホーム委託児童並びに自立援助ホーム入居児童の全員。 ●『高齢者向けの住まいへの転居者を対象とした転居前の生活状況に関する調査』(高齢者住宅研究所/12月)  地域包括ケアシステムを構築するための一資料とすることを目的として、サービス付き高齢者向け住宅を中心とした高齢者向けの住まいへ転居した高齢者の転居前の生活状況調査を行い、転居に至った状況分析を実施した。 【マンスリー】2015年2月26日〜3月25日 75歳以上の 運転免許制度 を見直し ●政府は、75歳以上の高齢者を対象とした運転免許制度の見直しを柱とする道路交通法改正案を閣議決定した。認知機能検査で「認知症の恐れ」と判定されれば、医師の診断を受けること等を義務づける。認知症と診断されたり、検査を受けなかった場合は免許取り消し・停止される。運転できなくなった高齢者の移動手段の確保が課題。 (3/10) ●災害公営住宅の入居者 高齢化率36% ●毎日新聞の調査によると、岩手、宮城、福島県の災害公営住宅で、65歳以上の入居者が占める高齢化率が、全体で36%だった。各県の平均高齢化率より約10ポイント高い水準で、5割を超す自治体もあった。          (3/1) ●定員79人以下の施設の3割が赤字 ●独立行政法人福祉医療機構は、特養と老健の2013年度の経営状況に関する調査結果をまとめた。特養では、定員79人以下の施設では3割が赤字であること、老健では赤字施設の割合が年々増加していることがわかった。       (3/4) ●5年連続 自殺者減少 ●内閣府と警察庁は、平成26年度自殺状況分析結果を発表。自殺した人の数は5年連続で減少し、2万5427人。うち1万9025人の原因・動機を分析し、東日本大震災の影響とみられたのは22人だった。              (3/12) ●400人の児童が「生命や身体に被害が生じる恐れあり」 ●文部科学省は、川崎市の中学生殺害事件を受けて行った児童生徒の安全に関する緊急調査結果を公表。連絡がとれない等の理由で、小中高校等の計400人が「生命や身体に被害が生じる恐れがある」と報告された。         (3/13) ●発達障害者支援センターの相談 8年で4倍に ●厚生労働省のまとめによると、2013年度に全国の発達障害者支援センターに寄せられた相談は約6万8千件に上り、統計を取り始めた05年度から約4倍に増えたことがわかった。 (3/18) ●「仙台防災枠組」採択される ●仙台で開催された国連世界会議は、2030年までに災害に伴う全世界の死亡率を大幅削減等の目標を盛り込んだ国際行動指針「仙台防災枠組」を採択。国連が初めて具体的な項目や期限を示して減災目標を掲げる。         (3/18) ●サ高住の医療・介護連携のガイドラインまとまる ●東京都は高齢者が医療や介護が必要になっても安心して住み続けることができる住まいを充実させるため、「サービス付き高齢者向け住宅における医療・介護連携のガイドライン」を策定した。  (3/9) ●差別禁止と合理的配慮 指針まとまる ●厚生労働省は、改正障害者雇用促進法に基づき、すべての事業主を対象とした「障害者差別禁止指針」と「合理的配慮指針」を策定した。平成28年4月の施行に向けて準備をすすめる。 (3/25) 【連載】 社会福祉法人の社会貢献・地域貢献 地域で 暮らす障害者の 「働く」を支える 社会福祉法人大田幸陽会の取組み 今、社会福祉法人の 社会貢献・地域貢献活動が注目されています。 本連載では6回にわたり様々な分野で取組みを 行っている社会福祉法人の活動をご紹介します。 第1回では、 障害者の就労支援の 制度的枠組みができる前から20年間、 地域で生活する障害者の再就職や 就労の支援をすすめてきた大田幸陽会の取組みを 紹介します。 社会福祉法人大田幸陽会の「さわやかワークセンター」は現在、障害者総合支援法に基づく2事業を行っています。1つは就労を希望する65歳未満の障害者で、一般企業への就職に向けた訓練等を行う就労移行支援事業(定員6名)です。もう1つは障害により企業等に就職することが困難な人に、働く場所を提供する就労継続支援B型事業(定員24名)を実施しています。 大田幸陽会は、こうした障害者の就労支援の法的枠組みができる前から、地域で暮らす障害者一人ひとりに寄り添った就労支援を行ってきました。 離職障害者支援を はじめる 大田幸陽会が設立された平成5年は、「平成不況」の最中で、法人がある大田区でも企業を辞めざるを得ない障害者が増えていました。「仕事を辞めた障害者が再び一般企業で就労できるためのUターン支援の場が必要」と考えていた大田幸陽会は、大田区と協議を重ね、翌年の平成6年に区独自の緊急対策として柔軟に事業を実施する「さわやかワークセンター」を法外の中間的就労の場として立ち上げました。 設立当初は趣旨を理解する親の会の会員が援助者となり、スタートしました。離職した障害者には、それぞれの能力に見合う仕事の量と質の確保が必要でした。そこで大田区の理解を得て、区立公園や施設の清掃作業等の一部を受託し、清掃を柱に作業を組み立てました。「障害者の再就職支援は施設内で行うだけでなく、地域に出て、地域の中で行おうという気づきがあった」と事務局長の佐藤功さんは話します。賃金も会社で雇用された際の額と大きな差が出ないように月6万円を支給しました。そして、開始から1年目には利用者9名中3名が再就労できました。 1か所で抱え込まない 当初は緊急対策として始まった離職障害者への支援でしたが、働く意欲はありながら企業を離職せざるを得なかった障害のある人たちへの就労支援のニーズは多いことがわかりました。しかし、離職障害者への支援は作業の提供だけでなく、一人ひとりのニーズに寄り添った支援、企業側との調整、再就職先の検討、就職後のフォローアップなど幅広い対応が必要でした。「親たちの草の根の力、法人職員のかかわり、区の理解、そして地域の関係者との制度を超えた結びつきが大事だった。一つの施設で抱え込まないようにしていた」と佐藤さんは話します。 また、個々の学校や施設で障害者の就職先を開拓するには限界があるため、「大田区では、区内の関係機関が連携して障害者の就労を支援する独自のネットワークづくりをしている。大田区方式と言っても良い。大田幸陽会も一員として参加している」と本部事務局次長の石塚春好さんは説明します。こうした重層的な連携を社会資源として活用することで、一機関だけではつながることのできない地域の多様な企業から仕事を受託することができ、離職障害者の就労の場を広げてきました。 事業所から 積極的に提案する さわやかワークセンターも、離職障害者の再就職支援のため、様々な工夫を行っています。例えば、利用者の再就職にあたり、週5日の勤務という企業側の求めに対し、その利用者は通院で平日1日休む必要がありました。そこで、さわやかワークセンターは区のシルバー人材センターに週1日分の仕事ができる人材を探してもらうよう調整し、利用者も希望の日数で採用され、企業側も目的を達成できました。 また、体調不良で利用者が休職した際、本人が行っていた業務を休職中は、さわやかワークセンターで受託し、他の利用者でチームを作り対応することを企業に提案しました。これにより企業は欠員なく業務を遂行でき、チームに入った利用者たちは社会で働く経験を積むことができました。休職した本人はその間、さわやかワークセンターに通って復職に向けた作業を少しずつ行い、3か月後には職場復帰できました。「私たちは企業に対して単に『仕事をください』ではなく、『このかたちで仕事をするのはどうですか』と方法も含めた提案をしている。障害のある人とともに働く方法を積極的に提案することで、本人にも企業にもプラスになるよう工夫している」とさわやかワークセンター所長の大迫正晴さんは話します。また、長年、就労支援に携わってきたのぞみ園施設長小林清一さんは、「すぐ職場に戻れる人も時間をかけて復職を目指す人もいるが、一貫して『会社で働くこと』を意識した環境づくりをしている」と話します。 こうした取組みを20年続けた結果、95名の利用者のうち63名が就労できました。「これまで築いてきた法外の支援のしくみに制度が追いつき、まず平成19年さわやかは自立支援法の下で法内化し、平成25年には就労移行支援と就労継続支援B型に多機能化した。法外事業が制度化され安定した運営を行えるようになったら、再び新たな分野に展開する。このサイクルで今後も尺取虫のように少しずつ取組みを広げていく」と大迫さんは話します。 地域を耕し、 ニーズを発見する 「大田幸陽会は入所施設がないこともあり、障害のある方が地域での生活が続けられることを目的に活動している。地域の中で関わることで課題やニーズを見つけられる」と佐藤さんは話します。社会福祉法人として地域のニーズに応えるためには、障害者本人に寄り添い、本人が作る社会との接点にかかわり、住民や企業、行政等の多様な関係者に積極的に働きかけることで地域を耕し、課題解決を目指す「まさにソーシャルワークそのもの」と佐藤さんは考えます。 現在は障害者総合支援法に基づく相談支援を事業の中心に置き、制度の枠組みでは収まらない様々な地域の課題と向き合っています。今後はグループホームの増設をはじめ、高齢化する障害者とその家族に対する支援、地域で一人暮らしに近い形で生活できるサテライト型住居の展開など、アイディアを組み合わせながら次なる取組みを検討しています。 障害者支援分野は措置から契約、障害者総合支援法へと変化してきました。こうした動きの中での社会・地域貢献活動は、日頃から継続的に地域づくりに関わることにより、その地域のニーズにあった活動につながります。 佐藤功 Sato Isao 理事・事務局長(中央右) 石塚春好 Ishizuka Haruyoshi 本部事務局次長(中央左) 大迫正晴 Osako Masaharu 理事・さわやかワークセンター所長(右) 小林清一 Kobayashi Seiichi 理事・のぞみ園施設長(左) 社会福祉法人 大田幸陽会 平成5年に 大田区知的障害者育成会(親の会)が 母体となり設立。現在、障害者の就労支援、 生活介護、グループホーム事業、 サービス付高齢者向け住宅、相談室など 19施設・事業所を運営。その一事業として 「さわやかワークセンター」を運営。 神輿で町を練り歩く、 まごめ園「まごめ幸陽祭」恒例の かっぱのパレードの様子。 大田幸陽会の施設祭りは 地域の町会・関係団体が実行委員となり 町ぐるみで取組む。 大田区役所1階「カフェコスモ」。さわやかワーク センターの利用者が接客や厨房に携わる。 区内の障害者施設作成のコップやトレーを使う等 の連携をしている。 【東社協発】 平成27年度 東社協事業計画・予算 平成27年度は生活困窮者自立支援法、改正介護保険法、子ども・子育て支援新制度がスタートします。いずれの制度改革でも、地域福祉の一層の推進が求められています。こうした中、以下の9つの柱で各事業を推進します。 利用者支援・ 権利擁護の強化 ○60の基幹的社協等による地域福祉権利擁護事業の実施と区市町村成年後見制度推進機関への支援 ○区市町村苦情対応機関における『苦情対応事例集』の作成 ○「暴力・虐待を生まない社会づくり推進事業」による施設と地域住民が協働した未然防止の取組み ○「改正介護保険法対応プロジェクト」の実施 自立生活の支援 ○低所得世帯等の資金ニーズに応える生活福祉資金貸付事業の実施と生活困窮者自立支援法への対応 ○低所得世帯の子どものための学習塾等受講料、受験料の貸付や奨学金の給付 ○「低所得世帯の子どもの支援のしくみプロジェクト」による本人向け冊子を活用した取組み ○東日本大震災による都内避難者への支援として「孤立化防止事業」の引き続きの実施と「避難者総合相談事業」の新たな実施 区市町村社協等との協働による 地域福祉の推進 ○都内5区市における「地区社協設置運営モデル事業」の実施 ○小地域福祉活動を実践発表する「地域福祉フォーラム」の新たな実施 社会福祉関係者・市民活動関係者 とのネットワークの構築 ○区市町村域における社会福祉法人の連携支援、各法人や地域連携による社会貢献事業の広報活動の強化と社会福祉法人による社会貢献事業のスキーム、事業内容等の検討 ○災害時要配慮者支援センターの機能確立に向けた検討 ○介護保険法改正と介護報酬改定の影響等調査の実施と介護人材に関する施策要望と普及啓発活動 ○障害者への合理的配慮、意思決定支援、成年後見制度等の検証 ○子どもと女性に対する暴力・虐待を生まない社会づくり啓発イベント ○東京都民生児童委員連合会による民生・児童委員活動の普及・啓発活動や活動しやすい環境づくり 福祉サービスの水準の向上 ○東京都福祉人材センターによる相談窓口、求人・求職情報サイトの強化と養成校と連携した「介護人材確保に向けた説明会」の新たな実施 ○26年度に全社協キャリアパス対応課程に移行した「職務階層別研修」のキャリアパス構築に資する研修としての参加促進 ○「小規模事業所人材育成支援事業」、「事業所に対する各種育成支援事業」の実施 ○従事者共済会における安全・確実な資金運用 都民、ボランティア・市民活動 団体、企業の福祉参加の促進 ○東京善意銀行における福祉施設等のニーズと寄附者の意向の把握に基づく効果的な配分 ○東京ボランティア・市民活動センターにおける情報誌の拡充や新たな企業におけるボランティア活動推進による幅広い参加の促進 ○東京都災害ボランィアセンターアクションプランの推進 ○『市民学習ハンドブック』『地域の居場所づくりハンドブック』の作成 社会福祉に関する総合的企画・ 調査研究活動の推進 ○社会福祉法人改革への対応 ○第3期3か年計画事業の推進と新たな中期計画の策定 福祉情報活動の推進 ○東社協広報誌「福祉広報」の発行 ○東社協ホームページ、メールマガジン、フェイスブックによる情報発信 ○出版活動の充実 地域福祉施策や活動への提言 ○地域福祉推進委員会活動による行政、福祉事業者等に対する提言 東社協の法人運営の強化 ○経営改善の推進 平成27年度 資金収支予算総括表 T 一般会計 1社会福祉事業区分 2公益事業区分 事業区分間内部消去 一般会計合計 収 入 11,920,520千円 1,086,271千円 △137千円 13,006,654千円 支 出 11,988,145千円 1,086,271千円 △137千円 13,074,279千円 前期末 支払資金残高 806,148千円 − − 806,148千円 当期末 支払資金残高 675,544千円 − − 675,544千円 U 特別会計 1 生活福祉資金 2 生活福祉資金貸付事業 事務費 3要保護世帯向け 不動産担保型生活資金 4臨時特例つなぎ資金 5離職者支援資金 収 入 1,702,828千円 651,603千円 50,500千円 65千円 3,173千円 支 出 11,786,365千円 651,603千円 230,227千円 77,349千円 4,230千円 前期末 支払資金残高 10,083,537千円 0 1,060,175千円 347,648千円 4,230千円 当期末 支払資金残高 0 0 880,448千円 270,364千円 3,173千円 東京における社会福祉法人の  連携による社会貢献事業に関する     「中間のまとめ」を提言 3月20日、東社協社会貢献事業検討委員会の小林良二委員長(東洋大学教授)と、東社協社会福祉法人協議会の〓橋利一会長(当時)(社会福祉法人至誠学舎立川理事長)が、「中間まとめ」を青山〓東社協会長に提出しました。 引きこもり、社会的孤立、育児困難など、これまでの社会福祉事業や制度、単一の施設等では解決することが困難な「制度の狭間の課題」や「複合的課題」が増えています。これらの課題に東京都内の社会福祉法人が連携した取組みを行っていこうと東社協社会福祉法人協議会が検討してきました。その検討を引き継ぎ、東社協社会貢献事業検討委員会がこの度、「中間のまとめ」として提言しました。 このまとめに基づき、各地域での実践を踏まえ、東京都全体のスキームの検討を行い、28年度以降の取組み方針をまとめる予定です。この「中間のまとめ」の内容は5月号の社会福祉NOWでご紹介します。 東社協社会貢献事業検討委員会の小林良二委員長(中央)と 東社協社会福祉法人協議会の〓橋利一会長(左)から 青山〓東社協会長(右)に提言を渡す 東社協 新会員のご紹介 ▽東京都高齢者福祉施設協議会 品川区立杜松特別養護老人ホーム/特別養護老人ホーム足立万葉苑/特別養護老人ホーム江戸川さくらの杜/都市型軽費老人ホーム江戸川さくらの杜/特別養護老人ホームかりん・町田/特別養護老人ホームあかつき苑/エリザベート成城 ▽東京都介護保険居宅事業者連絡会 品川区立杜松倶楽部 グループホーム杜松/スマイルライフサポート/みんなのかいご練馬訪問介護事業所/善福寺愛の園/あいクリニック/ケアプラザ青梅/デイサービスさざ波/デイサービス豆の木/シニア生活エンジョイ訪問介護サービス/くめがわ翔裕園 ▽更生福祉部会 自立支援センター台東寮 ▽知的発達障害部会 作業所スカイ ▽保育部会 代々木至誠こども園/てんじん保育園/かがやき保育園/杉並の家ちゅうりっぷ保育園/みんなのおうち保育園/中葛西おひさま保育園/松島おひさま保育園/保育園コスモ・アレー ▽情報連絡会員 特別養護老人ホーム大野北誠心園/杉並区下井草カラフルホーム/小金井公園ハイジ保育園/りんごっこ駅前保育園/りんごっこ久米川駅前保育園/きららの杜小茂根小規模保育園 きららの杜西台小規模保育園/ヘルプ協会国分寺/放課後等デイサービスさくら/ぽむの樹/愛和小学童クラブ/びりぃぶ/放課後等デイサービス広尾てくてく/就労移行支援施設ラルゴ神楽坂 平成26年度 第2回 社会貢献事業に関する セミナー開催報告 社会福祉法人協議会(法人協)は3月6日、第2回社会貢献事業に関するセミナー「今、社会福祉法人が行動するときPart2」を都内法人・施設関係者向けに開催し、約300名の参加がありました。本セミナーは第1回に続き、社会福祉法人をめぐる動向と、東京の社会福祉法人の連携による社会貢献事業実施案に関する説明を行いました。 まず、高橋利一法人協会長の開会挨拶のあと、全社協の笹尾勝政策企画部長が今年2月に公表された社会保障審議会福祉部会の報告から見えてくる社会福祉法人を取り巻く現状について講演しました。つづいて都内の法人が連携して取組む社会貢献事業の実施に関し、社会貢献事業推進委員会の相羽孝昭実行委員長と東社協福祉部長から説明が行われました。なお、社会福祉法人の社会貢献事業のさまざまな取組み事例は東社協ホームページ「地域のニーズにこたえる」で紹介しています。 http://www.tcsw.tvac.or.jp/kokenshien/index.html 約300名の参加があったセミナーの様子 【み〜つけた】 聞こえてくる 地域の声に応えて 社会福祉法人 練馬豊成会   特養と学童保育を運営 *おとなフローラ・こどもフローラ 練馬区下石神井にある「フローラ石神井公園」は、代々600年続く地主の本橋成夫さんが農地と私財を提供し、平成15年に開設した90床の特養です。法人理事長となった本橋さんは、長年、町会長を務めています。地域への想いが強く、下石神井に生まれ育った人が安心して老後を過ごせることを願って実現した施設です。 この年、下石神井にある公立学童保育で申込みが定員を上回り、入れない子どもが出ました。区は地域の地主さんに土地と建物を借りて民間学童保育を行うことにしました。区から打診があり、練馬豊成会は「こどもフローラ」の名で運営を始めました。今は40人ですが、初年度は4人からスタート。いつしか特養の方を「おとなフローラ」と呼ぶようになりました。 *2つの視点を  活かしていきたい フローラ石神井公園施設長の兒玉強さんは、学童保育の話が来たとき、「ぜひやりたい」と思いました。兒玉さんは特養で「特別なホームではなく、普通の住まいにしたい」という想いから、ゆとりがない中でもできることとして、毎朝必ず、全室の窓を開けて空気を入れ替えることを徹底しています。子どもの事業も手がけることは、高齢者もいれば子どももいる普通の暮らしへの一歩でした。「やってみて、高齢者福祉と児童福祉のそれぞれの職員が『あたり前』と思う視点はずい分違うんだなというのがよくわかった」と話します。資格要件も異なるので職員同士の交流は難しく、『もっと事業で相乗りができないものか』というのが悩みですが、法人として2つの”常識“を視点として持てることは財産です。また、地域の高齢・子育て世帯双方の拠点になれることは法人の理念にかなうことでした。 ニーズに応えた事業を展開することにより学童保育は実際には赤字ですが、法人全体でそれを補填しています。こどもフローラ施設長の平井剛史さんは「特養のバックアップは心強い。看護師がいるという安心感があるし、特養に厨房があるので、手作りおやつやお弁当も提供できる」と話します。 4年前の東日本大震災の日、最後の子どもを親が引き取れたのは23時25分。兒玉さんは、特養で対応に追われながら、近所のそば屋にお願いして残っている子どもたちに夕食を提供しました。 *広がる地域とのつながり 特養では、近隣の小中学校との付き合いも増えました。運動会の予行練習を見学したり、総合学習や職場体験で施設に来てくれたり、小学生の作品を借りて展覧会を開いています。近隣の幼稚園と保育所の園児たちが来て唄ってくれます。その歌声に涙を流して喜ぶ姿を見ると、「子どもの力はすごいな」と、兒玉さんは感じます。 職員2名で平日の毎夕、地域のボランティア団体による地域パトロール活動にも参加しています。地域の声が聞こえてくる中、地域の役に立つことをめざしています。 特養に来訪した幼稚園児から いただいたボード おやつの時間。 市販のお菓子も出すが、 特養の厨房で作った お菓子も一緒に。 こどもフローラの手前には地主さんが 提供した広場があり、外遊びもできる。 社会福祉法人 練馬豊成会 ●平成14年に法人認可。平成15年から「フローラ石神井公園」を開設して、特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、居宅介護支援事業所、デイサービスセンター、短期入所生活介護事業を運営している。翌16年から放課後健全育成事業「こどもフローラ」を開設。また、19年に地域包括支援センター、25年からは敬老館も運営している。 【図書ガイド】 【おすすめ新刊・3〜4月発行書籍】 @2015年版 介護報酬ハンドブック/シルバー産業新聞社/939円/持ち運べるA5判 A図解 2015年介護保険“大転換”で現場の仕事はこう変わる/ぱる出版/1,620円 B介護職・ケアマネジャーのための平成27年4月 介護保険改正のポイント 2015年4月号増刊/中央法規出版/1,285円 C2015〜2017年度版 ここが変わった!改正介護保険 〜サービス・しくみ・利用料がわかる本〜/自由国民社/1,512円 3年に1度の改正の時期もあり、介護保険・介護報酬関連書籍が各出版社にて刊行予定です。3月〜6月までを目処に順次刊行されます。ご予約はお電話にて承ります。 【ケアマネジャーおすすめ書籍】 ケアプラン文例集@/瀬谷出版/1,728円 ケアプラン文例集A/瀬谷出版/1,944円/@の続編として発行(最新刊です) 居宅ケアプランコンパクト文例集/TAC出版/2,808円/お手元に携帯すると便利 ケアマネジャーのための成年後見29事例/筒井書房/1,296円 今までなかった! ケアマネジャーのための医療職との連携ハンドブック/日本介護支援専門員協会/1,500円 早引きシリーズ第1弾/早引き ケアマネジャーのためのケアプランの書き方&文例ハンドブック/ナツメ社/1,944円 早引きシリーズ第2弾/早引き ケアマネジャーのための医療知識ハンドブック/ナツメ社/2,052円 【好評雑誌・特集】 月刊 ケアマネジメント2015年3月号/特集:ここだけは押さえたい!2015年介護報酬について/環境新聞社/1,234円 月刊ケアマネジャー2015年4月号/中央法規出版/1,028円/相談援助のスキルアップマガジンとして大幅リニューアル。読み応えのある雑誌にパワーアップしました。 【アンテナ】 助成金 東京障害児童福祉 助成基金 諮\込締切 5月29日サ消印有効 誌武ャ対象 @東京都内で知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設を運営する社会福祉法人 A東京都内で児童居宅介護等事業、児童デイサービス事業、児童短期入所事業、障害児相談支援事業を行う社会福祉法人又は民法第34条により設立された法人 B東京都内で身体又は知的障害のある児童を対象とする援助活動を行なっているボランティア団体 Cその他@〜Bの事業を行うために必要な事業 誌武ャ金額 50万円(1件1団体あたり) 誌武ャ内容 機器・車輛・器具・備品・什器・文具・視聴覚機器等、障害者本人の直接的な利益に寄与する資機材(パソコン及びその周辺機器は除く)の購入費用の助成 諮\込方法申請書に必要事項を記入の上、郵送 諮\込・問合せ先 三井住友信託銀行リテール受託業務部公益信託グループ東京障害児童福祉助成基金申請口 〒105−8574 港区芝3−33−1 ・03(5232)8910 http://www.smtb.jp/personal/entrustment/management/public/example/list.html 障害者福祉関係助成 諮\込締切 5月31日カ必着 誌武ャ対象 関東地区の法人格を有しない団体(特定非営利活動法人は可)で、障害児・者(身体・知的・精神障害)の小規模作業所、グループホーム及び自立生活支援団体等。 誌武ャ金額 30万円(総額800万円) 誌武ャ内容 施設の増改築・補修または備品等の購入に必要な資金の一部 諮\込方法 申請書類をホームページよりダウンロードし、FAXで申込 諮\込・問合せ先 社会福祉法人木下財団 ・03(6222)8927 I03(6222)8937 http://www.kinoshita-zai dan.or.jp/index.html 老後を豊かにする ボランティア活動資金 助成 諮\込締切 5月22日サ消印有効 誌武ャ対象 地域において、高齢者を主な対象として活動を行なっている法人格を有しない団体、又は老人クラブ内での活動グループでないボランティアグループで、以下全ての要件を満たす団体。@登録ボランティア数10〜50名A活動実績2年以上B過去3年以内に本助成を受けていないことCグループ名義の金融機関口座を保有していること 誌武ャ金額 1グループにつき10万円(計120グループ程度) 諮\込方法 申請書をホームページよりダウンロードし、必要書類と共に郵送 諮\込・問合せ先 公益財団法人みずほ教育福祉財団福祉事業部〒100−0011 千代田区内幸町1−1−5みずほ銀行内 ・03(3596)4532 http://www.mizuho-ewf.or.jp 講座・シンポジウム シンポジウム 「これからの児童虐待 防止法制度を考える 〜現場からの検証〜」 雌時 4月19日カ 誌齒梶@TKP市ヶ谷カンファレンスセンター8FバンケットB 賜闊 120名 雌燉e 基調講演「児童虐待対応の充実強化の課題」松原康雄氏(明治学院大学教授、NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事)、シンポジウム「これからの児童虐待防止制度を考える〜現場からの検証〜」シンポジスト:佐藤隆司氏(神奈川県中央児童相談所子ども支援課長)、鈴木秀洋氏(文京区男女協働・子ども家庭支援センター担当課長)、中板育美氏(公益社団法人日本看護協会常任理事)、コーディネーター:松原康雄氏 事竝せ先 認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク ・03(6380)6380 ソーシャルワーク講座 雌時 5月17日カ、6月21日カ 誌齒梶@砧総合支所4階集会室 賜闊 50名 試Q加費 一般:1講座3,800円、全4講座12,000円※学生割引(25歳未満)及び職場団体割引(5名以上):1講座1,800円、全4講座6,000円、学校団体割引(5名以上):1講座1,700円、全4講座5,800円 雌燉e 【5月17日】『少年の暴力をどう考えるか〜非行少年たちとの関わりの中で〜』寺出壽美子氏(ソーシャルワーカー)、『川崎市中1男子殺害事件〜「ある」が内在化されない子どもたち』芹沢俊介氏(社会評論家)【6月21日】『石川憲彦さんの実際の「治療」を聞いてみよう〜うつ病編〜』石川憲彦氏(児童精神科医)、『自閉症スペクトラム・AD/HDの現在〜子どもや青年たちへの真のサポートとは何か〜』関正樹氏(児童精神科医) 諮\込方法申込用紙をホームページよりダウンロードし、郵便、FAX、メールで申込 諮\込・問合せ先 NPO法人日本子どもソーシャルワーク協会事務局 〒157−0066 世田谷区成城2−29−12 ・03(5727)2133 I03(3416)6994 swkoza@jcsw.jp http://www.jcsw.jp/ その他 尾高ファミリーTalk&musicコンサート 雌時 4月19日カ 誌齒梶@トッパンホール 祉`ケット料金 3,000円 雌燉e 尾高忠明氏(指揮者)、尾高遵子氏(ピアノ)、尾高惇忠氏(作曲家)、尾高綾子氏(メゾ、ソプラノ)、吉井雅子氏(ヴァイオリン)、大橋容子氏、堀了介氏(チェロ)による演奏会 ※障害児・者とその家族をリハーサルに無料招待(下記問合せ先に申込) 諮\込方法 郵便振替にて通信欄に枚数・送り先を明記し、下記口座宛に振込 郵便振込口座:00110−7−484543 テクノシップ応援隊 事竝せ先 テクノシップ応援隊 ・/I03(5421)2477 mikojima@npo-technoship. com 障がい者の音楽コンテスト ゴールドコンサート 出場者募集 諮\込締切 関西予選会:4月30日コ、音源エントリー:5月7日コ※共に必着 雌時 関西予選会:5月16日シ、本選:10月12日キ 誌齒梶@関西予選会:スポニチプラザ大阪、本選:東京国際フォーラム 脂桾蜴相i 障がいを持っていること。障がいの種類(身体、知的、精神、発達等)不問。グループの場合、メンバーのうち障がい者が主な役割を占めていること。プロ・アマ、年齢、性別、住所、国籍不問 雌燉e 関西予選会:予選当日に歌唱又は演奏(オリジナル、コピー、カバー可)する5分以内(厳守)の1楽曲。音源エントリー:歌唱又は演奏(オリジナル、コピー、カバー可)する5分以内(厳守)の1楽曲を録音した音源(CD、DVD、カセットなど。映像も可)。共にジャンルは不問 諮\込方法 応募用紙を電話又はホームページよりダウンロードし、必要事項を記入の上、郵送。又はメールにて申込。音源エントリーの場合は、音源同封。 諮\込・問合せ先 NPO法人日本バリアフリー協会ゴールドコンサート事務局 〒102−0093千代田区平河町1−7−16ビュロー平河町801号 ・03(5215)1485 info@npojba.org http://gc.npojba.org 子育て家庭への 訪問ボランティア 養成講座及び事業説明会 【事業説明会】諮\込締切 4月15日ケ 雌時 4月17日サ誌齒梶@四谷地域センター12階多目的ホール 賜闊 80名雌燉e 基調講演「待つ支援から届ける支援へ」西郷泰之氏(大正大学教授、ホームスタートジャパン代表理事)、事業説明 諮\込方法 FAX又はメールで申込 【養成講座】諮\込締切 5月18日キ 雌時 5月22日サ〜7月10日サ 誌齒梶@社会福祉法人二葉保育園法人本部会議室 賜闊 16名試Q加対象 講座に全日程参加でき、受講後に訪問活動に携わることのできる方 諮\込方法電話・FAX・メールで申込 諮\込・問合せ先 社会福祉法人二葉保育園二葉乳児院地域子育て支援センター二葉 ・03(5363)2170 I03(3359)4596 hiroba@futaba-yuka.or.jp 【くらし】 できないことを嘆くより、 できるよろこびを 共有したい。 難病・シェーグレン症候群を かかえながらも 日々の生活を楽しむ、 北吉倫代さんにお話をうかがいました。 北吉さんは次男を妊娠していた平成2年、慢性の自己免疫疾患であるシェーグレン症候群との診断を受けました。眼や口の乾燥(ドライアイ、ドライマウス)とそれに伴う痛み、全身の疲労感等がその主な症状で、平成27年1月から国の指定難病に認定されています。 ●外見からはわからない  病気もある シェーグレン症候群は、外見からは病気だということがわかりません。「眼や口の乾燥くらいで」と思われるかもしれませんが、常に眼と口に痛みがあり、数十分おきに目薬をさしたり、口が渇いて話すこともできなかったりと、生活の質は著しく低下してしまいます。全身の疲労感も、ひどい時には朝起きたときに寝る前の疲れがそのまま残っているような状態で、起き上がることもできませんでした。 また、病名や症状が知られていないため、周囲の理解が得づらく、なまけているように見られるのは本当につらかったです。病気のことで困った時も、「病名を言ってもわからないだろうし、症状を一から説明するのも面倒だな」と思い、何も言わずにやり過ごしたことが何度もありました。 ●「お互いさま」の気持ちで  助けあえるような社会に この前、視覚障害のある女の子3人が駅で道に迷っていたので、ホームまで案内しました。誰でも病気や怪我はするし、その時は誰かに助けてもらうので、困っている人を見かけたら、「お互いさま」という気持ちで、できる範囲でお手伝いしています。 私自身、電車で立っているのはとてもつらいので、なるべく座るようにしているのですが、「なんで健康なのに座っているの」という反応をされることがあります。外見ではわからなくても、大きな病気を抱えている人や、いつもは健康でもその日は調子が悪いという人もいるはずです。見た目にとらわれず、思いやりのこころをもって接してほしいと思います。 ●根本的な治療方法は  見つかっていないけれど 今のところ、シェーグレン症候群の根本的な治療法は見つかっていません。新しい薬や治療法が見つかることを願いながら、対処療法を続けています。 「膠原病友の会」という患者会にも参加して、似たような症状をもつ人たちと交流したり、病院や薬について情報交換をしています。患者数が少ないために情報もなかなか得られないので、患者同士のやりとりは貴重な情報源になっています。 「治療方法がない」と考えると暗い気持ちになる患者さんもいますが、不確定な未来のことでくよくよ悩んでいては、今この時を楽しむことはできません。私は、病気のせいでできないことを嘆くより、できることのしあわせを感じられるような生き方をしたいと思っています。 ●大切な人たちと  楽しい日々を送りたい 病気を抱えながら仕事と子育てを両立させるのはとても大変で、毎日、必死の思いでした。二人の子どもたちが大学を卒業するまで見守ることができたことを、本当にうれしく思っています。二人が健康でいてくれるだけで充分ですが、自分の言動に責任を持って、しっかり生きていってほしいと願っています。 家族と海外旅行をしたり、お友達と食べ歩きに行ったり。病気と上手くつきあいながら、これからも楽しく日々をすごしていきたいです。 【新刊】 災害時要援護者支援ブックレット4 続・災害時要援護者支援活動事例集 ●震災から4年。その経験をもとに実効性のある備えを構築する取組みが数多く始まっています。一方、人材確保や施設の再開に大きな課題を抱える実情もあります。今回26年8月豪雨による広島市の土砂災害についても取り上げています。 ◆規格 A5判/123頁 ◆定価 864円 (税込み) 社会福祉施設・事業者のための 規程集2015年版 CD-ROM付き 【運営編】 ●法人統治チェックリスト・リスクマネジメント実施規程・改定介護報酬の運営規程等への反映等26の規程・書式を新たに加え、2015年版を発行。 ◆規格 A4判/1,925頁 ◆定価 5,184円 (税込み) 【人事労務編】 ●退職金制度実態調査・雇用指針等30の規程・書式を掲載。改正高齢者雇用安定法に係る経過措置、無期転換申込権の行使に対応して、関係規程を改訂。 ◆規格 A4判/1,554頁 ◆定価 5,184円 (税込み) 【会計経理編】 ●所有資金超過額及び計画的積立必要資産の充足、未充足額の算出・社会福祉施設設計の留意点等26の規程・書式を新たに掲載しました。 ◆規格 A4判/871頁 ◆定価 3,672円 (税込み) ※各編とも4月13日に発行予定です 東社協HPバナー& 「福祉広報」広告の募集 東社協ホームページに掲載するバナー広告と「福祉広報」の広告を募集しています。詳しくは東社協総務部企画担当までお問い合わせください。 ※今月号から「福祉広報」全ページをホームページに公開しています。 ※視覚障害を持つ方に読んでいただくため、テキストデータをホームページに掲載しています。 http://www.tcsw.tvac.or.jp/koho/textdata.html