【もくじ】 社会福祉NOW 知的障害のある方への 家族等からの 暴力・虐待と不適切なかかわり トピックス ●「離職しない介護、できますか?」NHK厚生文化事業団 ●社会福祉法の一部を改正する法律が成立 連載 地域の課題解決力を高めるA ●高校生の気づき、発信する力を高める  東京都立練馬高等学校 正木成昭さん 東社協発 ●社会福祉法人の連携による地域公益活動 ●「平成28年熊本地震義援金」ほか 福祉のおしごと通信 ●(社福)恩賜財団 東京都同胞援護会 双葉園  自立支援コーディネーター 高木千乃さん 京都府 北嵯峨 北嵯峨の大地は、日本人が 心のふるさとに描きたくなるような風光明媚な山里。 子どもたちにしてみればここは遊びの山里だ。 【NOW】 知的障害のある方への 家族等からの暴力・虐待と     不適切なかかわり 東社協「暴力・虐待を生まない 社会づくり検討委員会」では、 平成28年1月に東社協 知的発達障害部会の協力を得て、 会員施設・事業所に 「知的発達障害児者への 暴力・虐待を地域で未然に 防ぐための調査」を実施しました。 このたび、調査結果の速報版が まとまりましたので、 今号では専門職と地域住民が 協働して何ができるのかを考えます。 なお、紹介する事例は 全て加工しています。 東社協「暴力・虐待を生まない社会づくり検討委員会」では、平成25年度に児童・女性福祉施設の各部会の協力を得て調査を実施し、暴力・虐待を経験して施設入所に至った495ケースの実情を明らかにしました。その調査では、例えば、暴力・虐待を経験した子どもや女性たちが早期に支援につながらなかった理由は、「知られたくなかった」のではなく、相談できることを「知らなかった」。具体的には「相談できる人・機関を知らなかった」(40・0%)と「自分が受けていることを暴力・虐待だと認識していなかった」(34・3%)が「知られたくなかった」(12・8%)を大きく上回っています。そして、9割の施設が地域において暴力・虐待を未然に防ぐためには、「地域住民にできることがある」と回答しました。 この結果をもとに、同委員会では、26年度に福祉施設、地域住民、民生児童委員等がともにこうした実情を身近な地域にある課題として学びあうための小冊子『こんなことに気づいてあげて』を作成し、委員の所属する地域を中心に学習会を開催してきました。それは、専門職と地域住民が協働した地域づくりに向けた取組みです。 一方、このような課題は子どもや女性に限らず、他の分野でも共通した課題として地域に存在しています。そこで、3年目の27年度は、東社協知的発達障害部会の会員施設・事業所の協力を得て、「知的発達障害児者への暴力・虐待を地域で未然に防ぐための調査」を実施し、施設・事業所が気づいた「家族等からの暴力・虐待や不適切なかかわりを受けた経験のある利用者」の151ケースの実情を把握しました。 「気づく」ためには… 事例1 虐待を受けている 認識がなかった「さらさん」 中度の知的障害をもつ40代のさらさん(仮名)は、両親が亡くなってから姉夫婦と3人暮らし。さらさんが何かに失敗すると、姉の夫から殴られたり蹴られたり、罰を受けるということが日常的に行われていた。それに対してさらさんは「怒られても仕方がない…」と思っていた。その後、グループホームへの入居が決まり、グループホームに入ってからさらさんの話をスタッフが聞き、初めてそういった虐待があったことがわかった。そのことを改めて尋ねると「つらかった」と感じていた。さらさんは、今でも不安になることが多く、グループホームでは、「大丈夫ですよ」と安心して過ごせるようにさらさんに関わっている。 調査では、45・7%のケースで本人に「暴力・虐待を受けた」という認識がありませんでした。一方で、さらさんのように「嫌な気持ちになった」という気持ちは、話を聴くことで表出されてきていました。 そして、151のケースが顕在化したきっかけは、「福祉サービスを利用する際に関係者が気づいた」(36・4%)、「関係者から連絡があった」(33・1%)となっています(図1)。たとえ明確な訴えがなくても関係者がそのことに気づくことが重要になっています。例えば、言葉の出ない重度の方でも「入所してきた方の目の前でさりげなく手を挙げてみると、それをよける反応をする方がいる」ということが指摘されています。言葉に出なくても、「嫌だ」という気持ちは当然に持っているということをふまえ、その気持ちを形にできるかが専門職に問われているといえます。 他にも、本人の年金をあたり前のように家族が生活費に充てていた経済的な虐待、また、実の父親から性的虐待を受けていたことを本人は『父親からの愛情』と思う一方で、自己肯定感が低くなり、抑うつ傾向がみられたケースもありました。 家族への積極的な支援が 必要なケース 事例2 かかわり方がわからず 「あゆみさん」を叩いてしまう 重度の知的障害のある30代のあゆみさん(仮名)は作業所に通っている。ある日、母親から「あゆみを叩いてしまう…」という相談が作業所スタッフにあった。あゆみさんは思い通りにならないときに自分の体を叩いたり、物を壊してしまう。母親は、あゆみさんへの愛情もあり障害も理解しているつもりなのに、「どうすればよいかわからなくなると、叩いてしまう」と悩んでいた。 調査では、「早急に専門機関による介入が必要なケース」が40・4%、「早急な介入は必要ないが、家族への積極的な支援が必要なケース」が21・2%、「継続的な見守りやかかわりが必要なケース」が34・4%でした(図2)。つまり、「専門機関が緊急に介入すべきケース」と「家族への支援が改めて必要なケース」が半々でした。 さらに、151ケースのうち、利用者本人の64・9%、利用者世帯の47・0%が「地域から孤立していた」となっています(図3)。障害のある子の子育てを孤立させることなく、正しいかかわり方への理解を広げることが求められています。 他にも「発達障害は治るもの」と信じ、「なんとか治してやりたい」と強く叩いてしまうというケースもありました。このケースでも、本人の問題行動を引け目に感じ、家族は相談できる知り合いができなかったという背景がありました。 地域住民に何ができるだろうか 事例3 「えみさん」の行動上の障害で 近隣との関係に悩む 集合住宅で暮らす20代のえみさん(仮名)には軽度の知的障害がある。通所サービスの利用中にえみさんがトラブルを起こし、母親は「迷惑をおかけしてすみません」と謝り、えみさんを強く叱りながら連れて帰った。日常的にも、えみさんが大声を出したことで集合住宅の他の住民から苦情があり、近隣に迷惑をかけないよう強い口調で叱ったり、きつく制止していた。 151ケースのうち、65・6%に「行動上の障害」がみられました。そして、66・9%の施設・事業所が暴力・虐待、不適切なかかわりを未然に防ぐには「地域住民の障害の理解をもっと深める必要がある」と回答しています。具体的には、「障害のある人の暮らしをもっと地域で知ってもらいたい」「あいさつでもよいので、孤立させない」「家族の表情がいつもと違ったら、声をかけてみる」「『迷惑はおたがいさま』となれる関係づくり」などが挙げられていました。 この「おたがいさま」ということはどう理解すればよいのでしょうか。例えば、知的障害のある方が狭いエレベーターに乗って緊張しているところに、人がさらに乗ってきたことで緊張が高まり、思わず大声を出し、それをきつく叱る家族。「迷惑をかけてはいけない」という気持ちをつくってしまっているのは私たちの側かもしれません。それを少しでも和らげるために、地域でできることを改めて考えていくことが必要となってきます。 ●    ●    ● 3か年にわたる「暴力・虐待を生まない社会づくり検討委員会」の委員長を務めてきた石渡和実さん(東洋英和女学院大学大学院教授)は、「この検討を通して、改めて『地域づくり』の重要性を再認識させられた。そして、『地域にはこんなにも力がある。大きな可能性がある』ということも実感した。地域での学習会を重ねて、民生児童委員や施設の方々など関係者はもちろんのこと、PTA活動などから市民のパワーや気づきの鋭さに大きな期待を抱いた。この『地域の芽』を育て、見守りや支え合いが確実に行える地域を築くために、住民が力を合わせて歩みをすすめなくては、と改めて考えている」と話します。 はじめの一歩は、貴重な151ケースからみえてくることを伝えていくことかもしれません。 ※ 『知的発達障害児者への暴力・虐待を地域で未然に防ぐための調査報告書』(速報版)は、 本会ホームページに掲載しています。 【トピックス】 離職しない介護、できますか? 〜その実践と対策〜 4.14 NHK 厚生文化事業団 介護離職しないために 平成27年11月26日の一億総活躍国民会議において、新・三本の矢の一つとして「安心につながる社会保障」が掲げられ、「『介護離職ゼロ』に直結する緊急対策」が示されました。介護施設等の整備量の拡大や、介護人材の育成・確保、介護する家族への相談機能の強化・支援体制の充実など、介護サービスの受け皿の整備をすすめていくとしています。一方、施設・事業所としては、家族の介護に取組む職員が介護休業・介護休暇を取得しやすい職場環境の整備が求められています。 このような中、4月14日にNHK厚生文化事業団が、ハートカフェ「明日はわが身?介護離職しないために」を渋谷区勤労会館で開催し、36名が参加しました。会社帰りなどに関心のある方が集まり、お茶を飲みながら現代社会が抱えるさまざまな福祉の問題について考えられる場です。 この日のテーマは「離職しない介護、できますか?〜その実践と対策〜」。自身の家族介護の経験や介護職の経験から、家族だけの介護の難しさを目の当たりにしてきたNPOとなりのかいごの川内潤さん、フリーアナウンサーで家族介護の経験がある町亞聖さんが発言しました。 任せられるケアは専門職へ 家族にしかできないことを大切に 川内さんは、介護職として出会った方のエピソードとして、デイサービスで家に帰りたくないという方、家族に迷惑をかけているから早く死にたいと漏らす方などの話を紹介しました。「はじめは家族もよい介護をしようと対応していたはず。長引く在宅介護の延長線上にはこういうことがありうるんだと考えさせられた」と話します。介護を家族だけで抱え込むことは、介護される本人にとっても苦しい環境をつくってしまうことがあると指摘し、「任せられるケアはプロにお願いしてもよい。自分流の介護を積み重ねすぎると、人と共有しづらくなってしまう。家族は、それまでやっていた習慣など、その家族にしかできないことを大切にして欲しい」と、家族だけで抱え込まない重要性を指摘しました。また、訪問入浴などを例に、血圧・体温や皮膚の状態の確認、その日の気温や本人の体調から入浴の温度や時間を考えるなど、専門職にできることや視点について説明しました。そして、「私自身も喜びを感じられる大好きな仕事。このようなプロがいるので、安心して専門職の手も借りてほしい」と会場の参加者に投げかけました。 発信することの重要性 続いて川内さんは、介護と仕事を両立している方の話を紹介しました。難病で要介護5の配偶者を介護している35歳の商社勤務の男性は、家族の状況を職場に知られたらクビになったりいじめられたりするかと心配していたと言います。しかし、「発信しないと自分自身が回らない。職場に家族の状況を伝えるだけでなく、ケアマネジャーや事業所の方にも自分の気持ちを発信することで離職せずに両立できている。専門職にもお願いし、全部自分で抱え込まないことで配偶者に対しても、よい距離が保てている」という言葉とともに、「職場近くに引っ越し、何かあればすぐに駆けつけられるようにしながらも、任せられることはプロにも任せる。自分の生活を維持し、時には自己負担もかかるケアも選択できるように経済的基盤は重要」という言葉を紹介しました。 介護で夢や仕事をあきらめない 町さんは17歳のころに母が脳疾患になり3か月の病院生活ののちに在宅で10年間介護をしていた経験があります。「アナウンサーという職業だったからこそ在宅介護できたと思っている。当時では珍しいフレックスタイムの仕事。睡眠時間は削らざるを得なかったが、家族と分担しながら介護ができた」と話します。セミナーや講演会で自身の経験を話すと、「施設に入れてしまった」という声をいただくことがあるとしたうえで、「施設利用は悪いことではない。介護のために自分の配偶者や子どもが、夢や仕事などをあきらめたり、犠牲にしている姿を見るほうがつらいこともある。自分の場合も仕事を続けテレビにでている姿をみて母は喜んでくれた」と話しました。そして、「自分の経験からも発信することは大切。職場では家族や介護の状況を説明し、理解を得ていた」と話しました。 介護離職は、地域において、福祉サービス利用者や利用希望者およびその家族の課題であるとともに、福祉職場で働く職員自身の課題でもあります。「介護離職ゼロ」の受け皿の整備とともに、福祉施設・事業所においても、職員が働き続けるための工夫や対応をしていくことが求められます。 NPOとなりのかいご 川内潤さん フリーアナウンサー町亞聖さん 社会福祉法の一部を改正する法律が成立 平成28年3月31日、改正社会福祉法が衆議院で可決、成立し公布されました。改正社会福祉法は福祉サービスの供給体制の整備・充実を図るため、社会福祉法人の制度改革と福祉人材の確保の促進を目的としています。 社会福祉法人制度改革の主な内容は次の通りです。 1)社会福祉法人の責務。社会福祉法人は、社会福祉事業及び公益事業を行うに当たっては、日常生活上の支援を必要とする者に対して、無料又は低額な料金で、福祉サービスを積極的に提供するように努めなければならないとされています。 2)経営組織のガバナンスの強化・経営組織の在り方。理事等の義務と責任を法律上規定しています。評議員会は法人運営の基本ルール・体制の決定と事後的な監督を行う機関として位置づけ、必置の議決機関としています。監事の権限、義務、責任を法律上規定するとともに、一定規模以上の法人には会計監査人の設置を義務づけています。 3)事業運営の透明性の向上。社会福祉法人の高い公共性に照らし、次の事項を法令上明記しました。定款、事業計画書などを新たに閲覧対象とし、閲覧請求者を国民一般にすること。定款、貸借対照表、収支計算書、役員報酬基準を公表対象とし、国民が情報入手しやすいホームページを活用して公表することを定めています。 4)社会福祉法人の財務規律の強化。公益性を担保する財務規律として次の3点が示されました。@適正かつ公正な支出管理として、法人による役員報酬基準の設定と公表。親族等関係者への特別の利益供与の禁止。A余裕財産の明確化では、純資産の額が事業の継続に必要な財産額(事業に活用する土地、建物等。建物の立替、修繕に要する資金。必要な運転資金。基本金及び国庫補助等特別積立金)を超える社会福祉法人は社会福祉事業又は公益事業の新規実施・拡充に関する計画(社会福祉充実計画)を作成し、所轄庁の承認を受けなければならないとしています。 5)行政の関与の在り方として、都道府県の役割や国による財務諸表等の全国的なデータベースの整備などが定められています。 福祉人材確保の促進として、福祉人材の確保等に関する基本的な指針の対象者の拡大し、福祉人材センターの機能強化として、離職した介護福祉士の届出制度の創設などが定められています。 法は平成28年3月31日、4月1日と、平成29年4月1日に施行される項目があります。平成29年4月1日施行の項目の内容(小規模法人の評議員の員数、会計監査人設置法人の規模、社会福祉充実計画の控除対象財産の算定方式など)は社会保障審議会福祉部会(4月19日に再開)において今後、検討され、順次政省令などが公布される予定です。 【マンスリー】2016年3月26日〜4月25日 熊本県を 震源とした 地震が発生 ●4月14日に熊本県熊本地方で最大震度7(M6.5)の地震が発生した。その後16日深夜にも熊本地方で最大震度7(M7.3)の本震とみられる地震が発生。熊本県を中心に大分県においても大きな人的被害や物的被害が起きている。  (4/14・16) ●高齢者のひとり暮らし、全体の2割 ●都福祉保健局の調査「高齢者の生活実態」結果(速報)で、平成27年10月時点、都内で「高齢者のみの世帯」は57.4%で、調査を開始した昭和55年から一貫して増え続けていることがわかった。そのうちひとり暮らし世帯の割合は初めて高齢者全体の2割を超えた。        (3/30) ●東京都障害者差別解消法ハンドブックを作成 ●都福祉保健局は、4月1日より施行された障害者差別解消法をふまえハンドブックを作成した。今後、都庁や、都内区市町村職員、民間事業者にも周知し活用していく。        (4/1) ●江戸川区、子ども家庭支援センターに貧困SOSダイヤルを開設 ●江戸川区は、子どもの貧困に関する区民からの通報や相談を受付ける専用電話「子どもの貧困SOS専用ダイヤル」を開設した。    (4/1) ●子どもの家庭養育推進官民協議会が発足 ●20の自治体と13の民間団体は、親と暮らせない子どもの里親委託や養子縁組の推進をめざす「子どもの家庭養育推進官民協議会」を設立した。官民のネットワーク形成や調査研究、国への政策提言などに取組む。           (4/4) ●成年後見制度利用促進法が成立 ●認知症や知的障害などにより十分な判断能力がない人の財産管理や契約行為を担う成年後見人を増やすため、「成年後見制度」の利用促進法が成立した。               (4/8) 【連載】 高校生の  気づき、発信する力を   高める 地域の課題解決力を高める際には、 これから社会の担い手となる次世代を育てていく視点も重要となります。 今号では、高校生の気づき・関心を高めていく視点について、 東社協第3期3か年計画の重点事業 「生きる力(生きていく力)を高める福祉教育(市民学習)の実践」の 市民学習共同研究校でもある 東京都立練馬高等学校 ボランティア同好会顧問の 正木成昭先生に お話をうかがいました。 *1 平成23年6月立ち上げ Masaki Naruaki 正木成昭 東京都立練馬高等学校教諭 ボランティア同好会顧問 教員歴15年 東京都奉仕・ボランティア教育研究会事務局長 高校生の発達段階で 将来に向けて必要な力 多くの企業が、就職する学生に求める力として、コミュニケーション能力や、(指示待ちでなく)主体性をもって行動できる人材を必要としています。そこで、東京都立練馬高等学校ボランティア同好会(以下、同好会)として共同研究に取組む際に、「自らの気づき」「自らのアクション」を重要なテーマとして、「コミュニケーション能力の向上」や「自らの行動に責任をもてるようになること」をめざし実践してきました。生徒の主体性は、卒業後、進学だけでなく就職する生徒もいる本校でも重視しています。高校生の発達段階で身につけられる力は何かを考えた場合に、少しでもこの部分を伸ばしていける環境や機会をつくれればと考えました。 コミュニケーションのための 特技を身につける 同好会では、ボランティア活動だけでなく、さまざまな方々との出会いを通し、コミュニケーションをとるための手法や特技を身につけることを意識させています。具体的な活動の一つがプロマジシャンを招いたコミュニケーション講習会です。マジシャンは、目の前の相手に合わせて見せ方や話法を変えて相手を引き込んでいきます。一対一の関係で目の前で披露する場合と、大舞台から多くの観客に向けてでは、見せ方も話法も違ってきます。相手との距離感を意識したコミュニケーションの方法を考える機会となっています。 また、東日本大震災の被災者の支援に取組むNPOの協力の下で、ハンドマッサージ講習も実施しました。マッサージをしながら相手の話をゆっくり聞くこと(傾聴)ができます。 このような活動を通して生徒たちが身につけた力が、今後の活動の中で、人を楽しませたり喜ばせたり、関わりたい相手とコミュニケーションを深めるきっかけが生まれることが期待できます。また、特技をもつことは、活動のきっかけを見つけた際に、それを活かして行動を起こす自信にもなります。今後も、このような活動を継続的に行う予定です。 地域の大人とのかかわりから 肯定的に気持ちを発信する 高校入学前までは、自分よりもっと頑張っている人、もっとすごい人が周囲にいて、認められたり褒められたりする経験をあまりしてこなかった生徒もいると思います。地域の施設・事業所のイベント等での活動を通して、お客様としての地域の方や、一緒にイベントに参加する大人から感謝されたり褒められたりする経験は、生徒の中でとても大きな成長をもたらします。 具体例として、あるイベントの模擬店で焼きそばを売っていた生徒が、売れ残りに気づき、移動販売を思いつきました。どうしたら売れるかを考え、運ぶためのおぼんを自ら主催者に借りに行き、売り文句を紙に書く工夫もしました。焼きそばを売り切り、一緒に活動していた大人に「すごいね」と褒められる経験をしました。生徒は、自分の気づきから売り切るためにとった行動が「褒められた!」と大変喜んでいたことが印象的でした。 高校生である自分の立場での気づきに、これまでの経験や自らの発想を織り交ぜ、具体的な行動に移します。そして、それを見ていてくれる大人がいて、高校生の行動力を認めてくれる方がいます。これにより、彼らは自分の気づきから行動に移すことを肯定的に捉えていきます。このような経験を積み重ね、また、同様の経験をする仲間の姿を見て、生徒は、どんどん力をつけていきます。 同好会の生徒は、ボランティア活動でも自分自身がやりたいことを最優先に決めています。「友人と一緒だから」という考え方ではありません。背景には、今までの活動の中で褒められたり、認められたり、多くの経験が生かされているのかも知れません。そして、これが主体性につながるものだと思います。高校生を認めてくれる地域の大人の存在がとても大きいです。 地域の一員としての学校 本校の生徒の半数以上は、地元の練馬区、隣接する板橋区から通学していますが、それ以外の区市から通う生徒もいます。放課後も部活動等で忙しい中、自分の居住地域で過ごす時間は少なく、特定の地域の活動に関わる生徒はあまりいません。 しかし、生徒は学校や同好会を通じて、本校の所在地である練馬区春日町地区の一員として、町会の防災訓練にも参加します。また、青少年育成*2第4地区委員会が主催するイベントボランティアの依頼にも声がかかり、生徒は自主的に参加しています。 さらに、近隣の障害者福祉施設である田柄福祉園さんなどを訪問すると施設職員さんは大歓迎してくれ、生徒たちは本当に嬉しそうにしています。 生徒たちにとって、居住地域とは異なりますが、学校の所在地である地域の中で認められ、地域から求められています。保護者からも、「子どもが認められる中で自信をつけて人が変わったようだ」という声もありました。 重要なのは振り返ること さまざまな体験や地域の人とのかかわりの中での成功体験を通じて、生徒は自分の気づきを大切にし、発信する力を高めています。その過程において大切にしているのは、活動の振り返りの場をきちんと設けることです。同好会では、経験した中で、よかったこと、課題、気をつけたいことをお互いに共有しています。課題や気をつけたいことについては、「気づいたからには責任をもってやっていこう」と声掛けをしています。同好会の生徒からは、「活動中に携帯電話を使うのはよくないと思う」など、お互いの態度への指摘もだされます。最近では、「私も気をつけなければいけないけど」と前置きをするなど、自分のことも含めて課題として捉え、指摘できるようになってきています。運動部でも、練習や試合の後にミーティングを行い、課題を見つけ整理し、次につなげていきます。やりっぱなしではなく、きちんと振り返ることでさらなる成長が期待できると考えています。 顧問である私自身も生徒から指摘されることもあるので良き学びへとつながります。顧問として一緒に学んでいる一方で、活動中に口出しをしすぎないようにしています。特にボランティア活動中に指摘すべきか気になったことでも、時間が経つにつれ、生徒が自ら気づき行動に移せることが多くあります。長い目で見て、認めて褒めることを大切にしています。 今後は、部活動で高めた力を、自分の居住地域で発揮していく方法もあることを伝えたいと考えています。 *2 次代を担う青少年の健全育成と、青少年をめぐる社会環境の浄化を目的に、区内の17出張所を単位に、青少年育成地区委員会が組織されています。 プロマジシャンを招いたコミュニケーション講習会 同好会での振り替りの時間 福祉施設での活動の様子 【囲み】 被災福祉施設等への 「平成28年熊本地震」義援金 ■全社協・社会福祉施設協議会連絡会……5月31日(火)まで  被災した福祉施設への義援金を各種別協議会等を通じて募る。  ●銀行振込 ・三井住友銀行東京公務部(096)  普通預金0167239  口座名義:社会福祉法人全国社会福祉協議会       社会福祉施設協議会連絡会(義援金口) ●郵便振替(ゆうちょ銀行)  振替口座:00170−3−708194  口座名義:全国社会福祉協議会施設協連絡会義援金口  ※振込手数料は振込人負担 ■保育三団体被災地支援募金……9月30日(金)まで  被災地の保育所等および子どもと子育て家庭等を支援するための募金を、保育三団体(全国保育協議会、全国私立保育園連盟、日本保育協会)で共同実施。 ●銀行振込 ・三菱東京UFJ銀行浅草橋支店(069)  普通預金0286561  口座名義:公益社団法人全国私立保育園連盟保育三団体       被災地支援募金 会長近藤遒(コンドウツヨシ) ※窓口では「保育三団体被災地支援募金」(ホイクサンダンタイヒサイチシエンボキン)で振込手続可能。 ※領収書の発行については「全国私立保育園連盟」(平成28年度幹事事務局)あてに、FAX・MAIL等で問合せ。 ※振込手数料は、振込人負担。 ■全国保育士会被災地支援スカンポ募金  被災当該県・市保育士会の運営を支援するとともに、子どもの育ちを支える仲間を支援するため、全国保育士会会員に呼びかけ。 ●銀行振込 ・三井住友銀行東京公務部(096)  普通預金168334  口座名義:全国保育士会被災地支援スカンポ募金       (ゼンコクホイクシカイヒサイチシエンスカンポボキン) 【東社協発】 社会福祉法人の    連携による地域公益活動 ◆社会福祉法人の連携による  地域公益活動〜報告書を発行〜 東京都における社会福祉法人の連携による地域公益活動を実施しようと検討してきた結果について、平成28年3月30日に東社協社会貢献事業検討委員会が報告書を取りまとめました。 報告書では、新たな「地域公益活動推進協議会(以下「推進協議会」という。)の設立および、@各社会福祉法人による取組み、A地域(区市町村域)の連携による取組み、B広域(東京都全域)の連携による取組みの3つの層による取組みを推進していくこと、社会福祉法人および法人が取組む地域公益活動の情報発信(見える化)が提案されています。 平成28年度は、推進協議会の早期設立をめざして、設立準備委員会による準備をすすめていきます。地域(区市町村域)におけるネットワーク化は、平成28年3月までに25地区で取組みが始まっており、今年度は、それぞれの地域のニーズに基づく具体的な活動・事業の開始が期待されます。推進協議会では、区市町村のネットワークと緊密に連携するとともに、取組む地区の増加をめざして推進する予定です。また、広域連携事業として、「はたらくサポートとうきょう(中間的就労推進事業)」への参加を呼びかけていく予定です。 ◆社会福祉法人協議会が  「はたらくサポートとうきょう」  ガイドブックおよび  パンフレットを発行 上記の報告書に基づき、広域連携事業「はたらくサポートとうきょう」を推進していくため、社会福祉法人協議会がガイドブックおよびパンフレットを発行しました。 各部会等を通じて配布しておりますが、さらに希望する法人には追加で配布可能ですので、ご連絡下さい。 ▼問合せ先 福祉部経営支援担当  TEL 03(3268)7192 E-mail kouekijimu@tcsw.tvac.or.jp 報告書 ガイドブック 介護支援専門員実務研修 受講試験対策講座 7月10日(日)と16日(土)の2日間で受験対策講座を実施します。7月10日(日)は各分野で求められるポイントや学習の仕方、制度改正や変更点等で試験対策上必要な内容をふまえた講義を行います。16日(土)は模擬試験と講師の解説講義で留意点や頻出分野を確認し、本番の試験に備えます。 本試験に向けて、早めに受験対策をスタートし、余裕をもってしっかり学習してみませんか。 ▼開催日 7月10日(日)9時半〜16時半、7月16日(土)9時40分〜17時 ▼会場 飯田橋セントラルプラザ12階会議室 ▼受講料 2万円 ▼定員 100名 ▼講師 野島正典氏(高齢社会権利擁護研究所 所長) ▼申込方法 開催内容や申込方法等の詳細については、本会ホームページに掲載している「開催要項」をご覧ください。お申込みは、同ホームページに掲載の「受講申込書」に必要事項をご記入の上、申込先までFAXまたは郵送でお送りください。「受講申込書」はホームページからダウンロードできます。 ▼申込締切 平成28年6月24日(金)ただし、定員に達し次第、締切ります。 ▼問合せ先 東京都社会福祉協議会「介護支援専門員実務研修受講試験対策講座」係  TEL 03(5283)6894 http://www.tcsw.tvac.or.jp/activity/sikakusien.html 福祉サービスに関する 苦情相談ポスターについて 福祉サービス運営適正化委員会では、利用者のサービス向上のため、社会福祉法第2条に規定する社会福祉事業を経営する事業者を中心に、苦情相談ご案内のポスターを配付しています。 「新年度になり担当者が変わった」「同じ法人内で新しい事業所ができた」「破れてしまったので取り換えたい」など、新しいポスターをご希望の場合は以下によりご連絡ください。 ※デザインはこれまでのものと変わりません。  ご希望の部数、送付先、ご担当者名をお知らせください。  ポスター、送料は無料です。 ▼問合せ先 福祉サービス運営適正化委員会 TEL.03(5283)7020 FAX.03(5283)6997 E-mail kaiketsu@tcsw.tvac.or.jp 【ゆーすけ】 里親制度支援委員会を開催したよ! ●東社協児童部会では、乳児部会と合同の里親制度支援委員会を、4月11日(月)に開催しました。当日は東京都の担当者から、里親制度の現状と新規事業、予定されている法改正等に関する説明がされました。質疑応答では、集まった里親支援専門相談員の方から、多数の質問や意見が出されました。特に、関係機関同士の情報共有のあり方については、子どもたちと里親のより良いマッチングにつながる課題であるため、高い関心をもって意見交換がされました。 福祉職場の“今”を知りたい! DVDを作成したよ。 ●東京都福祉人材センターと東京都福祉保健局は、次世代を担う中高生やその保護者、教職員等に対し、福祉のしごとの魅力を伝えるため「変わりゆく福祉職場の“今”(福祉学習・キャリア教育用DVD)」を作成しました。福祉のしごとの将来性やキャリアアップした場合の給料、働きやすい職場に向けた取組み等、新しい切り口で福祉のしごとを紹介しています。ぜひ、ご覧ください。ホームページやYou tubeからご覧いただけます。 http://www.tcsw.tvac.or.jp/jinzai/chukosei.html 【囲み】 「平成28年熊本地震」 義援金のお知らせ 4月14日・16日に発生した「平成28年熊本地震」で被災された方々を支援するため、以下の通り義援金を受付けています。各義援金の詳細については、受付団体に直接お問合せください。皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。 ■中央共同募金会……6月30日(木)まで  ●銀行振込 (口座名義は「(福)中央共同募金会熊本地震義援金(フク)チユウオウキヨウドウボキンカイクマモトジシンギエンキン)」) ・三井住友銀行東京公務部  普通預金:0162585 ■熊本県共同募金会……6月30日(木)まで  ●銀行振込 (口座名義はいずれも「社会福祉法人 熊本県共同募金会( シャカイフクシホウジンクマモトケンキョゥドウボキンカイ)」) ・肥後銀行水道町支店(スイドウチョウシテン)  普通預金:1281400 ・熊本銀行花畑支店(ハナバタシテン)  普通預金:0025449 ■日本赤十字社……6月30日(木)まで  ●郵便振替(ゆうちょ銀行・郵便局) (口座名義は「日赤平成28年熊本地震災害義援金」) 口座番号:00130-4-265072  ●銀行振込 (口座名義はいずれも「日本赤十字社(ニホンセキジュウジシャ)」) ・三井住友銀行すずらん支店  普通預金:2787530 ・三菱東京UFJ銀行やまびこ支店  普通預金:2105525 ・みずほ銀行クヌギ支店  普通預金:0620308  ●熊本県支部での受付 (口座名義は「日本赤十字社熊本県支部 支部長 蒲島郁夫(カバシマイクオ)」) ・肥後銀行三郎支店  普通預金:591893 ・熊本銀行日赤通支店  普通預金:3087071 ■熊本県……6月30日(木)まで  ●銀行振込 ・肥後銀行県庁支店(口座名義は「熊本地震義援金(クマモトジシンギエンキン)」)  普通預金:1639261 ・熊本銀行県庁支店(口座名義は「熊本地震義援金 熊本県知事 蒲島 郁夫(クマモトジシンギエンキン クマモトケンチジ カバシマイクオ)」  普通預金:3012170  ●ゆうちょ銀行 (口座名義は「熊本地震義援金(クマモトジシンギエンキン)」 口座番号:00940-0-174320 【おしごと通信】 子育てと仕事を両立しながら、児童養護施設で働く 高木千乃さんのおしごとの魅力をお伝えします。 たくさん人と出会い、 話を聞くことが原動力になる 高木千乃Takagi Chino 社会福祉法人恩賜財団 東京都同胞援護会 双葉園 自立支援コーディネーター 平成7年2月より双葉園にケアワーカーとして入職。平成25年4月から自立支援コーディネーター。  子どもは環境や施設を選べない 支援には「ここで終わり」というものがありません。「自分がどこまでできるかやってみたい」という想いでここまできました。 児童養護施設に入職したての頃は、勤務形態の面から「5年続くかな…」と不安でした。自分の未熟さや人間関係、また、現場の意見がつながらないと感じて悩んだ経験もあります。でも、職員は働く施設を選ぶことができるけれど、ここにいる子どもたちは自分で選んで施設に来たわけではありません。そう思うと、自分はまだ甘いのではないかと思い、踏みとどまりました。  子育てと仕事の両立と罪悪感 一人目の子を出産した時は、4か月で職場復帰しました。子どもが体調を崩した時も「仕事を続けるからには休んではいけない」と思い、病気の子を実家に預け、母親としての罪悪感を抱えることもありました。 二人目の子を出産して職場復帰した時に、同僚が「長い目で見れば子育ての期間は一時なのだから、みんなで協力していけばいいことだよ」と声をかけてくれました。私は、そのように思ってくれる人がいることで励まされ、子どもが大きくなったら還元していきたいと思えるようになり、引け目に感じていた気持ちが軽くなりました。  外に出て視野を広げて 子どもたちとのかかわりに悩み、行きづまったときは、外に出て人の話を聞くようにしています。研修への参加、資格取得のために通った通信制大学で異業種の方と出会ったこと、部会活動で他の施設の方とのつながりができたことは、私にとって仕事を続けるうえでの勇気やパワーになりました。自分たちの感覚では支援の限界と感じていることも、色々な立場の人から話を聞いてみると、自分や施設にできることが発見でき、時には笑わせてもらい、気持ちをリフレッシュできます。そこで聞いた話を施設に持ち帰って試し、知識として得たことが実践と一致したときや、別の気づきが生まれると、新しい引き出しが増えたように思えてとてもやりがいを感じます。 また、卒園生に「知ってる人がいないと遊びに来れないよ」と言われ、同じ場所に居続けることに意味があると思いました。子どもたちにとっても「昔こんなことがあったね」と自分の過去を確かめたり思い出して話せる場所があることは大切だと考えています。  やりがいと誇りを持てる仕事 私が仕事で大切にしていることは「想像力」と、「子どもや保護者のニーズと支援者側が考えるニーズが合致するようにすること」です。以前「働く」と言う子に対し、情報収集をしたり一緒にハローワークに通ったことがあります。その子がある日、ハローワークで「トイレに行く」と言い残しいなくなりました。その子の中で働くことへの心の準備ができていなくて、本人の心はそこにはありませんでした。その時に、支援者側の想いが一方的になっていたと気づかされました。 児童養護施設での仕事は、体力勝負の部分もありますが、やりがいがあり、誇りを持てる仕事です。もちろん疲れることも、くじけそうになることもありますが、視野を広げると、新しい発見や気づきがあります。 児童養護施設の子どもたちを取り巻く環境は、以前よりかかわる人や目を向ける人が増え、当事者の声が国に届きやすくなってきていると感じています。 自立支援コーディネーターの仕事は、より住みやすく、生きやすい社会に変わっていくように、社会と当事者をつなぎ、働きかける仕事だと思っています。 【資料ガイド】 施策・会議資料 ●『福祉先進都市・東京の実現に向けた地域包括ケアシステムの在り方検討会議』最終報告(東京都福祉保健局/3月)  「東京都長期ビジョン」及び「第6期東京都高齢者保健福祉計画」を踏まえ、東京にふさわしい地域包括ケアシステムの在り方を検討することにより、都の新たな施策形成につなげることを目的として設置された検討会議の最終報告。 ●『女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会報告書』(厚生労働省/4月) ●『第16回社会保障審議会福祉部会 資料』(厚生労働省/4月)  社会福祉法等の一部を改正する法律の概要及び審議経過について(報告)、社会福祉法等の一部を改正する法律の改正事項(平成28年4月1日施行分)について(報告)、今後の主な検討課題等について。 調査結果 ●『次世代育成支援東京都行動計画(後期)』実績(東京都福祉保健局/3月)  次世代育成支援対策推進法に基づき、次代を担う子供達が健やかに生まれ、かつ育成される社会の形成を目指し、平成17年4月に策定された前期計画を踏まえ、平成22年度から26年度までの5年間を計画期間(後期)とした「次世代育成支援東京都行動計画(後期)」の実績に関する取りまとめ。 その他 ●『都政2016 平成28年版』(東京都生活文化局/3月)  東京都の施策や事業を詳しく解説。 ●『首都直下地震等対処要領』改定(東京都総務局/3月) ●『平成27年HIV感染者・AIDS患者動向及びHIV検査・相談実績』(東京都福祉保健局/3月) ●『区市町村・事業者のための『心のバリアフリー』及び『情報バリアフリー』ガイドライン』(東京都福祉保健局/4月) ●『地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集』(保険外サービス活用ガイドブック)(厚生労働省老健局/3月) 【アンテナ】 助成金 東京障害児童福祉 助成基金 諮\込締切 5月31日ク消印有効 誌武ャ対象 東京都内における以下の事業(1)第1種社会福祉事業:第1種社会福祉事業のうち、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設を運営する社会福祉法人(2)第2種社会福祉事業:第2種社会福祉事業のうち、児童居宅介護等事業、児童デイサービス事業、児童短期入所事業、障害児相談支援事業を行う社会福祉法人又は民法第34条により設立された法人(社会福祉法第69条第1項の届け出をしたものに限る)(3)その他前号に準ずるサービス提供事業:東京都内において身体に障害のある児童又は知的障害のある児童を対象とする援助活動を行っているボランティア団体(営利団体は除く)(4)その他前各号の事業 誌武ャ金額 (1)〜(3)50万円(1件あたり)(4)50万円以内 誌武ャ内容 障害者本人の直接的・継続的な利益になる機材の購入費等 諮\込方法下記ホームページから申請書をダウンロードし、必要書類を添付の上、郵送にて申込 諮\込・問合せ先 三井住友信託銀行リテール受託業務部公益信託グループ 東京障害児童福祉助成基金申請口 〒105−8574 港区芝3−33−1 ・03(5232)8910(平日9時〜17時) http://www.smtb.jp/personal/entrustment/management/public/example/list.html 福祉作業所「食」助成事業 諮\込締切 6月3日サ消印有効 誌武ャ対象 「食」にかかわる事業に取組み、工賃アップを目指す福祉作業所 誌武ャ金額 上限100万円(1件あたり)誌武ャ内容 設備投資費等 諮\込方法 下記ホームページより申請書をダウンロードし、必要書類を添付の上、郵送にて申込 諮\込・問合せ先 読売光と愛の事業団・作業所係 〒100−8055 千代田区大手町1−7−1 ・03(3217)3473 http://yomiuri-hikari.or.jp/ 配食用小型電気自動車 寄贈事業 諮\込締切 6月10日サ必着誌武ャ対象 高齢者を主な対象とし、原則として1年以上継続して、週1回以上、調理・配食サービス等を一貫して行っている非営利民間団体等 誌武ャ金額 100万円(1件あたり) 誌武ャ内容 助成金にて購入した車両の寄贈 諮\込方法 下記ホームページから申請書をダウンロードし、社会福祉協議会、あるいは全国老人給食協力会の推薦を受けた後、郵送にて申込諮\込・問合せ先 みずほ教育福祉財団福祉事業部 〒100−0011 千代田区内幸町1−1−5みずほ銀行内 ・03(3596)4532 http://www.mizuho-ewf. or.jp/ 2016年度社会福祉事業 「研修会資金助成」 諮\込締切 6月15日ケ消印有効 誌武ャ対象 北海道、東北地区、関東地区に所在する活動実績1年以上の介護家族の会、介護家族等を支援するNPO法人 誌武ャ金額 上限15万円(1団体あたり) 誌武ャ内容 研修会の開催費用 諮\込方法下記ホームページから申込書をダウンロードし、郵送にて申込諮\込・問合せ先 損保ジャパン日本興亜福祉財団事務局 〒160−8338 新宿区西新宿1−26−1 ・03(3349)9570 http://www.sjnkwf.org/ 講座・シンポジウム 第35回こんぼ亭 「感情の調節がむずかしい! あなたとまわりの人が できること」 諮\込締切 5月20日サ 雌時 5月28日シ13時〜15時半(12時半開場) 誌齒梶@小岩アーバンプラザ 試Q加費 事前申込:3,000円、賛助会員:2,000円、当日:3,500円 雌燉e 感情の調節がむずかしい方やまわりの方ができることについて考える講演会〈講師〉遊佐安一郎氏(長谷川メンタルヘルス研究所代表理事) 諮\込方法 参加費を払込の上、はがき、電話、FAX、メールで申込 諮\込み・問合せ先 地域精神保健福祉機構 〒272−0031 千葉県市川市平田3−5−1トノックスビル2階 ・047(320)3870 I047(320)3871 http://comhbo.net comhbotei@gmail.com 第34回 医療・福祉フォーラム 「新たな介護政策と 人材確保」 雌時 6月9日コ13時〜17時(12時半開場) 誌齒梶@日本赤十字社2階大会議室 試Q加費 8,000円 雌燉e [基調講演]: 谷浩樹氏(厚生労働省大臣官房審議官)、〈進行〉京極 宣氏(社会福祉法人浴風会理事長)、[シンポジウム]:「新しい介護人材の養成と確保」〈コーディネーター〉京極 宣氏、〈シンポジスト〉榊原毅氏(厚生労働省社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長)、田中愽一氏(兵庫大学生涯福祉学部教授)、足立聖子氏(社会福祉法人伸こう福祉会理事長)、〈アドバイザー〉小林光俊氏(日本介護福祉士養成施設協会会長)諮\込方法 電話、FAX、メールにて申込 諮\込・問合せ先 医療・福祉フォーラム事務局(北隆館) ・03(5449)7061 I03(5449)4950 http//www.hokuryukan-ns.co.jp/ care@hokuryukan-ns.co. jp 2016年度年輪の会講演会 「最新の脳科学研究で 見えてきた精神疾患の 治療・診断法」 雌時 6月19日カ13時〜17時 誌齒梶@スクエア荏原3階大会議室 賜闊 50名(先着順) 試Q加対象 精神医学に関心のある方 試Q加費 無料 雌燉e 当事者体験発表会(さいたま市精神障害者当事者会ウィーズ会員2名)、講演会〈司会〉丹羽真一氏(福島県立医科大学会津医療センター 精神医学講座特任教授)、「精神疾患死後脳を用いたジェネティックニューロパソロジーの展開」、「ストレスと脳内の微小な炎症〜精神疾患病態改善法の開発に向けて〜」、「双極性障害の新しい動物モデルと原因脳部位の探索〜診断法・治療法の開発に向けて〜」 諮\込方法 電話、FAX、又はメールにて申込 諮\込み・問合せ先 年輪の会事務局 ・/I03(5875)0433 teikichi.satoh@gmail.com その他 施設見学会 練馬キングス・ ガーデン見学 諮\込締切 5月20日サ12時40分〜16時 雌時 6月8日ケ 詞ゥ学場所 練馬キングス・ガーデン東京 練馬キングスガーデン(指定介護老人福祉施設・短期入所生活介護) 賜闊 15名(申込順) 試Q加対象 高齢者福祉施設従事者・施設長、高齢者福祉を担っている方、関心のある方 試Q加費無料 雌燉e 施設内見学、講和「あたりまえの生活を支えるケア」関翼氏(生活相談員主任)、質疑応答・意見交換・振り返り諮\込方法 FAX、又はメールにて申込 諮\込み・問合せ先 愛恵福祉支援財団 事務局 ・03(5961)9711 I03(5961)9712 loveandgrace@jcom.zaq.ne.jp 電話相談員ボランティア募集 諮\込締切 6月30日コ 詞、修期間 前期:9月〜平成29年7月、後期:平成29年9月〜平成30年3月 誌齒梶@多摩地区の公民館・市民会館等 試Q加対象 2016年9月1日現在で満23歳以上65歳までの方 試Q加費 前期:40,000円、後期:30,000円 雌燉e 前期:グループ演習、ロールプレイ、スーパービジョン、講義、後期:インターンシップ、講義、ロールプレイ 諮\込方法 所定の書類を郵送し、申込 諮\込・問合せ先 東京多摩いのちの電話事務局 〒185−0012 国分寺本町郵便局留 ・042(328)4441 http://www.tamainochi.com 【くらし】 私にとって障害者スポーツは大好きな「スポーツ」のうちのひとつ さまざまなスポーツの 魅力を発信する、 ライターの 斎藤寿子さんに お話を伺いました。 片足でアルペンスキーが できるなんて! 私は小さいころからスポーツと文章を書くことが大好きで、小学生のころから周りに「スポーツライターになる!」と宣言していました。大学卒業後、スポーツとは関係のない業界紙や編集の仕事を経て、スポーツ専門サイトでのライターとなったのが10年前。昨年からは、スポーツ全般を扱うフリーライターとして活動しています。 障害者スポーツに強く興味を持ったのは、社会人になって数年後のことです。交通事故で左脚を切断した中学生の男の子がアルペンスキーをしている映像を見て、「すごい!どうやって片足でバランスを取っているんだろう」と疑問に思ったことが始まりでした。その男の子というのが、今やパラリンピックに3回も出場している三澤拓選手。数年後、彼を取材した時は感慨深いものがありました。 その後、スポーツサイトを運営する会社に勤めていた折、障害者スポーツ専門のサイトを立ち上げたNPO法人から会社に依頼があり、障害者スポーツの担当を務めることになりました。「いつかやりたい」と機会をうかがっていた私にとっては、願ってもないことでした。 しかし、私は知識や情報だけで書くことが苦手で、現場に行って、あるいは人に会って、何かを感じて初めて言葉が浮かんできます。そのため、最初は障害者スポーツを見て何も感じなかったらどうしよう、と不安でした。でも、実際に見てみたら、健常者のスポーツと同じように、熱中している自分がいたんです。そして、「何でこんなことができるんだろう」、「どんなふうに鍛えているんだろう」と、頭の中は取材したいことでいっぱいになっていました。 ●選手ひとり一人に向きあって  スポーツの感動を伝えたい ただ、いざ取材をするとなると、「車椅子の選手には、同じ目線になるように膝をついて話をしないと失礼になるのかな」と考えたり、文章を書く際にも、「障害のことって、どこまで書けばいいんだろう」と悩んだこともありました。でも、いろいろな選手と会って取材をして、「必要だと思えばやればいいし、書けばいい」と思うようになったんです。それからは、変に身構えたりしなくなりました。 私は「運」と「縁」だけは誰にも負けない自信があるんです。障害者スポーツと出会うことができたのも、念願のスポーツライターとして活動しているのも、「運」と「縁」でつながった、たくさんの人たちの応援や支えがあるからです。夢をあきらめかけたこともあったけれど、やっぱり私はスポーツが大好きで、スポーツライター以外の仕事なんて考えられないのです。だから健常者、障害者に関係なく、選手ひとり一人に向き合い、スポーツのすばらしさを精一杯伝えることが、支えてくれる人たちへの恩返しであり、私の役目だと思っています。 ●スポーツファンなら  一度は生で観戦してほしい 2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まってから、障害者スポーツに関する報道は急増しています。ただ、残念なのは、実際に会場に足を運んで観戦する人の数が以前とほとんど変わっていない気がすることです。ぜひこの機会に、生で障害者スポーツを見てほしいと思っています。特に自分が経験したことのある競技を見ると、難しさがわかる分、選手のすごさに気づきやすいかもしれません。おもしろいかおもしろくないかを判断するのは、一度自分の目で見てからでも遅くはないはずです。 2020年は、多くの人が障害者スポーツに実際にふれるきっかけの年になってほしいと思っています。そのためにもあと4年、ライターである私に何ができるかを考えながら、日々スポーツの魅力を発信していきたいと思っています。 【本】 新刊、改訂を中心に おすすめの本を 紹介します。 NEW  高齢者福祉施設 生活相談員業務指針'16 ●生活相談員の役割はいままで以上に重要なものとなり、利用者、家族、地域住民、他機関など多くの人々と関わりあいながら、良質なサービスを提供しなければなりません。生活相談員業務指針'16はそのための基本となる行動や方法論を示した手引書となっています。 ◆規格 A4判/434頁 ◆発売日 2016.4.22 ◆定価 3,780円 (税込み) NEW  改正社会福祉法資料集 ●平成28年3月に成立した改正社会福祉法について、平成28年4月施行にかかる資料ならびに4月19日に開催された社会保障審議会福祉部会の資料をもとに複製したものです。 ◆規格 A4判/310頁 ◆発売日 2016.5.2 ◆定価 1,080円 (税込み) 災害時要援護者支援ブックレット4 続・災害時要援護者支援活動 事例集 ●東日本大震災から4年経過する中での、経験をもとにした実効性のある備えを構築する取組みや、人材確保や施設の再開等の課題を紹介。平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害における取組み事例を含め、11事例を掲載しております。 ◆規格 A5判/125頁 ◆発売日 2015.4.2 ◆定価 864円 (税込み)