【表紙】 千葉県 房総 初夏の日差しが、じわりと肌を焦がす 緑豊かな小道は湿っぽく、葉の匂いが色を深める。 トコトコとまっ赤なトラクターが通り過ぎ、軽く頭を下げる のどかないいひと時も夏の良さだ。 【もくじ】 社会福祉NOW 重い病気や障害をかかえた 子どもの成長を支えられる地域社会へ トピックス ●日の出町の取組み  ―高齢者施設と子育てサロンの    世代間交流を社協がつなぐ ●でたでたDATA  日本障害フォーラム(JDF)とNHKによる  当事者アンケート 連載 地域の課題解決力を高めるC ●誰もが“地域人”としてかがやきながら  NPO法人ももの会 大井妙子さん 福祉のおしごと通信 ●社会福祉法人大和会  特別養護老人ホーム愛生苑  介護職員兼ケアマネジャー 伊藤敏さん 【NOW】 重い病気や障害をかかえた 子どもの成長を   支えられる地域社会へ 在宅で医療的ケアが必要な 病気・障害を持つ子どもと その家族が、地域で安心して 暮らせるよう支える 取組みについて、 当事者のニーズを 明らかにするとともに、 福祉と医療が連携した 支援のあり方について考えます。 医療の進歩によって日本の小児医療における救命率は大きく上昇しており、多くの重い病気・障害を持って生まれてきた子どもを救うことができるようになりました。しかし、急性期の治療が終了して退院した後も医療的ケアを常に必要とする子どもの数は増加傾向にあります。常時医療的ケアを必要としながら在宅で生活する子どもは、全国で約20万人いると考えられています。その症状の程度はさまざまで、寝たきりの子どももいれば、気管切開等をしていても走ることやしゃべることができる子どもも増えてきています。しかし、このような子どもとその家族を支える包括的な支援や専門家はまだ少ないため、家族は休む間もなく子どものケアに追われ、地域でも孤立しがちです。 24時間365日続く 家族による在宅ケア 姫と王子の医ケアの会(要医療的ケア児の親の会) 平成27年に設立された「姫と王子の医ケアの会(要医療的ケア児の親の会)」では、当事者の親が月に1回集まり、情報交換や交流を行っています。 参加者のAさんは「特に最初の頃は24時間365日、終わりの見えないケアに常に迫られている。自分が倒れたらこの子はどうなるのだろうと、毎日不安で眠れなかった」と、医療的ケアを全面的に家族が背負う身体的、精神的な負担の大きさを話します。しかし、このような負担を軽減できる制度や施設、地域の支援は多くありません。親は子どもと地域に出ていきたくても、医療的ケアの必要な子どもをつれていける親子サロンや児童館等の地域の居場所はなく、受入れてくれる保育所、幼稚園もほとんどありません。児童向けデイサービスについても対象年齢が「未就学児」の施設が大半を占め、就学後もさまざまな場面で保護者の同伴を求められます。Bさんは、「社会のすべてから『あなたのお子さんの居場所はここにはない』と言われている気持ちがする」と話します。 Cさんは、「子どもは『大人のミニチュア』ではない。支援者には、大人とは違う、子どもの成長発達や自立という視点を持ってほしい。親が求めているのは、親の代わりになんでもやってくれる人ではなく、親に寄り添って一緒に子どもの将来を考え、成長の段階にあわせた支援を行ってくれる人。親がいなくなっても生きていけるような支援をしてほしい」と強調します。 Dさんは、「今、息子が通う幼稚園では、車いすに乗り気管切開で話せない息子を、同級生が『ちょっと変わっているけどふつうの子』と認識してくれるようになったと感じる。外の世界へ出ていき、親から離れて生活することを実現するには非常に大きなエネルギーが必要だが、それが当事者にとっても周囲の人たちにとっても、お互いの視野や考え方を変えるきっかけになる。地域づくりに関わる人たちには、いろいろな子どもたちを受入れる土壌づくりをすすめてほしい」と話します。 Eさんは、「親は子どもの可能性を信じている。その可能性をつぶすことだけはしたくない。支援をする側にも、『生命を維持する』支援から一歩踏み出して、『成長を促す』支援をしてほしい」と話しました。 子どもと家族のための短期入所施設 国立成育医療研究センター「もみじの家」 そのような中、平成28年4月、世田谷区の国立成育医療研究センター内に「もみじの家」が開設されました。もみじの家は障害者総合支援法に基づいた医療型短期入所施設で、0〜18歳の在宅で医療ケアが必要な子どもを主に受入れています。 運営を支える専門職には、医師や看護師等の医療従事者に加えて、保育士や介護福祉士等の福祉職が参画し、毎週ケア会議を行っています。賀藤均病院長は、「今まで分野が違うというだけで、医療と福祉は緊密で有効な協力体制が築けてこなかった。話し合いの場を重ねてお互いへの理解を深め、連携して支援にあたっている」と話します。 施設には寄付でよせられた絵本やおもちゃが並び、絵画が飾られています。プレイルームや図工コーナー、音楽室、学習コーナー等があり、子どもたちの成長にあわせた遊びや学習の機会が設けられています。賀藤均病院長は、「現在、子どもへのケアは『生命を維持する』ことに焦点が置かれ、年相応に遊んだり、学んだり、音楽や美術にふれたり、家族以外の人と交流する等、『人間らしい生活をする』ことを通じた成長が考えられていない。子どもたちには医療的なケアだけでなく、社会的、文化的な成長を促す刺激が必要だ」と、子どもの成長に着目したプログラムを今後積極的に行っていくと話しました。 病気や障害のために、子どもたちは地域で遊んだり、学校で学んだり、同世代の友だちをつくったりすることが難しい場合が多く、家族も地域から孤立しがちです。そのためもみじの家では、地域のボランティアを幅広く募集しており、現在76名が登録しています。もみじの家のハウスマネージャーを務める内多勝康さんは、「もみじの家を利用するのに、自宅と同じような閉鎖的な空間でケアを受けるだけでは意味がない。地域の人々と交流をもつことで、その子の世界が大きく広がる。ボランティアの方の世界も、子どもたちとの出会いによって大きく変化するだろう。ここで見たこと、感じたことが周囲の人に少しずつでも伝わり、社会の意識を変えるきっかけになってほしいと思っている」と話します。 医療・福祉関係者のチームによる 在宅支援 訪問看護ステーション そら 医療法人財団はるたか会の「訪問看護ステーション そら」では、23区内の在宅医療を必要とする子どもについて、同財団の「子ども在宅クリニックあおぞら診療所墨田」とともに、24時間、電話による対応と、緊急時の往診を実施しています。 そらの所長を務める看護師の木内昌子さんは、「ほとんどの利用者について、それぞれのヘルパーと日々連携しながら支援をしている。福祉職を抜きにした支援は考えられない」と言い切ります。 少し前まで、重症心身障害児と言えば「呼吸器をつけた寝たきりの子ども」でした。しかし今、呼吸器をつけていても走れるような子ども、学校に通う子どもも増えてきています。木内さんは、「このような子どもたちは、医療の側が健康面や身体的機能の基盤を保障し、ヘルパー等の福祉職が発達を促すようなはたらきかけをすることで、学校に通う等、外の世界に出ていくことができる。事業所によっては『受入れたことがないから無理』、『医療的ケアに関わるのは怖い』と敬遠されることもあるが、今後このような支援を必要とする子どもはますます増えて行く」と言います。そのような連携を行うなかで大切なのは、顔の見える関係づくりだと言います。「福祉職の方は、医師や看護師に対して、一歩引いてしまう面があると感じる。しかし、私たちはひとりの子どものために、対等な立場で支援を行う専門職同士だ。遠慮することなく、気づいたこと、改善すべき点を伝えあい、よりよい支援を行うことが大切ではないか」と木内さんは指摘し、「この子を学校に通わせよう」等の具体的な目標を共有することで、医療の側も福祉の側もお互いにできることを持ち合い、適切に連携することができると話しました。 木内さんは、「私たちが実現したいのは、重い病気や障害を持っていても『ふつうの暮らし』ができる社会」と話します。今の日本では、重い病気や障害をもつ子どもが生まれると、とたんにその家庭は『ふつうの世界』からはじきだされてしまいます。ふつうなら、学校に行く、勉強をする、友達をつくる、毎日お風呂に入る。それが重い病気や障害がある子どもにとっても当たり前の社会になれば、歳を取って介護が必要になった人も、事故にあって障害をもった人も、安心して、自分らしく生きることができるはずです。 ●    ●    ● 重度の病気・障害を持ちながら在宅で支援を受ける子どもへの支援はまさに制度の谷間にあり、現在、家族や一部の事業者・団体によってなんとか子どもたちの生活を守っている状態です。このような支援体制は、熱意だけで続けられるものではありません。医療と福祉の連携体制、地域社会全体の理解と協力が必要になります。障害や病気があっても個人として尊重され、「ふつう」に生きることができる地域社会が、今、一日も早く求められています。 姫と王子の医ケアの会での集まりのようす 訪問看護 ステーションそらの 木内さん もみじの家の一室 【トピックス】 日の出町の取組み 高齢者施設と子育てサロンの世代間交流を社協がつなぐ 日の出町にある社会福祉法人芳洋会が運営する高齢者施設で、地域の子育てサロンと連携した取組みが新たにはじまりました。子育てに追われて忙しいお母さんたちが別室でリフレッシュする間、デイサービスのスペースでデイサービスの利用者が子どもたちとふれあい、交流して過ごします。 社協がサロンと施設をマッチング 子育てサロン「おやこの会ハミング♪(以下‥ハミング)」代表の金子緑さんは、サロンの立ち上げに伴ってお母さんたちが集える場所と、お母さんたちがリフレッシュしている間に子どもたちを見守ってくれるボランティアを探していました。 金子さんから相談を受けた日の出町社協福祉推進課地域福祉係の青木建治さんは、近隣にあり、以前からボランティアの受入れや場所の貸し出しなど施設の開放に積極的だったひのでホームで、ハミングが活動するための場所を提供しつつ、子どもたちと施設の利用者との交流ができないかとひのでホームの嶋崎美咲さんに提案しました。 青木さんは「数年前から子育てサークルと高齢者施設で一緒にサロンができないか考えていた。しかし、感染症などの問題、縦割りの福祉システムによる連携の難しさや、社協が子育て支援の関係者にかかわる機会が少なく、実現できずにいた。そこで、ひのでホームに相談してみることにした」とその経緯について話します。 はじめてのサロンは、平成27年12月、お母さん6名と5か月〜3歳の子ども9名が参加しました。ひのでホームのデイサービスで使用している和室スペースを子どもたちに開放し、別室でお母さんたちがアロマ教室を受けました。青木さん、嶋崎さんと2名のボランティアが、怪我やトラブルのないように子どもたちと利用者を見守りました。 地域の方は新しい風 はじめは慣れない場所に戸惑う子どもたちと、普段は聞こえることのない子どもたちのかわいい声に利用者も戸惑っていましたが、すぐに利用者が子どもたちのもとに集まり、抱っこしたりあやしたりと人だかりができました。「もう孫も大きくなっているからこんな赤ちゃんは本当に懐かしい」と利用者から嬉しそうな声が聞こえてきます。「あっ、今笑ったね」と利用者同士の会話も自然に生まれています。 「法人の取組みを通して、地域の方が施設に新しい風をいれてくれ、それがご利用者の生活の潤いになっている」と嶋崎さんは話します。そして「ご利用者にありのまま過ごしてもらいたいので、ホームにある売店や廊下でご利用者が子どもたちや地域の方と会う自然な交流も大切にしている」と言います。 金子さんは「ひのでホームにはじめて行った時、施設の中はとてもきれいで過ごしやすく、職員の方がみんな明るくて素敵という印象を持った。実際に行ってみて施設がどういうところなのかわかったし、場所の貸し出しをしているということも知らなかった。次はお母さんたちから施設にできることはないかを考えている」と話します。 地域公益活動を見える化 ―それぞれの取組みが地域福祉に活きる 28年5月に、日の出町社協主催「ボランティア受入れ施設向け研修」がひのでホームで開催されました。町内の保育園や幼稚園、高齢者施設の職員などが集まり、参加者が保育サポーターボランティアを体験しながら、地域のボランティアを受け入れる意味を考えました。同時に、ひのでホームが行う場所の貸出しの取組みを紹介しました。 青木さんは「研修を通して、施設に利用者以外の方が入ることや、施設を地域のために有効活用することで生まれる効果を感じてもらい、新しい気づきがあったと思う。また、参加者同士の垣根を越えた横のつながりができればと企画した。それぞれの施設が『うちの施設には何ができるだろう』と考えたり、ひのでホームの取組みを見て『これならうちにもできるかも』という思いを持ち帰ってくれたのではないいか」と話します。 研修の参加者からは『こういうやり方があるんだとわかった』『地域福祉につながっているという見方をはじめて知った』などの感想がありました。 日本一の福祉のまちづくりへ 嶋崎さんは「今後も社協や他団体との横のつながりを大切にしながら、垣根なく幅広い年代で地域に貢献していきたい。ひのでホームとしても、日本一の福祉のまちづくりをめざす日の出町の町おこしに一役買いたい」と話します。 青木さんは「みんなが一緒に暮らせる当たり前のまちづくりをすすめるのは社協だけではなく地域。社協は音頭を取るだけではなく、地域の方の自主性を大切にしながら、上手にやっている団体をリーダーにして一緒に取組んでいけるようにしている」と話します。今後は子育てサロンにおいても、もっと個別のニーズに対応できるようにするとともに、ニーズを掘り起こしていくつもりです。また、「ボランティアの輪を広げて協力すれば、すべての人に地域の人の目が届くようになるはず。福祉施設もひとつの地域の社会資源としてみんなで活用してもらいたい。そしてそのお返しとして地域の方が施設の行事を手伝ってくれるような関係になれば施設が自然と地域になじんでいくことができる」と地域が協力してつくる共生社会への想いを語っていました。 子育てサロンの子どもを抱く デイサービス利用者 日の出町社協青木さん(右)と、 ひのでホーム嶋崎さん(左) 【データ】 障害当事者の36.4%が災害時に 避難所に「行かない」、または「わからない」 日本障害フォーラム(JDF)とNHKによる当事者アンケート 日本障害フォーラム(JDF)とNHKでは、「『障害者と防災』に関する当事者アンケート」を平成27年12月28日から28年2月10日に実施し、その結果を5月に公表しています。同アンケートは、障害者関係団体を通じて配布するとともにWEBでも公開して実施し、1,877件の回答がありました。 「避難行動要支援者(災害時要援護者)名簿」や「福祉避難所」の周知度は、それぞれ「知っている」は32.0%、27.9%となっています。実際に区市町村の名簿に自分自身を「登録している」は21.6%。「登録していない」理由には、「存在を知らない」「個人情報の取扱いが不安」「足手まといになりたくない」などが挙げられています。また、「災害で避難指示が出た場合に避難所へ行くか」では、「行く」が53.3%と半数を超えるものの、「わからない」が26.2%、「行かない」が10.2%。行かない理由には「避難所で迷惑をかける」、「(障害に配慮した)適切な情報が得られるかなどの懸念があり、自宅で過ごしたい」などが挙げられています。こうしたことから、要配慮者に配慮した避難所のあり方が課題となっています。 平成28年熊本地震では、発災前には熊本市内に176施設の福祉避難所が指定されていましたが、建物が被害を受けたり人員体制が確保できていないなどの理由で、すぐには開設できなかった施設がほとんどでした。 内閣府では、平成28年4月に「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」をまとめています。これは、平成20年のガイドラインを改訂したものです。そこでは、平常時からの取組み、要配慮者の特性に応じた支援団体や当事者団体との連携が必要であるとしています。また、日本で初めて福祉避難所を設置した石川県輪島市の経験をふまえた取組み、外部からの支援を得ながら設置した平成25年大島土石流災害時の大島老人ホームの事例、一般の避難所を要配慮者も過ごせるユニバーサルデザインにしていく京都市の「福祉避難コーナー設置ガイドライン」などを参考例に紹介しています。 【マンスリー】2016年5月26日〜6月25日 「改正障害者 総合支援法」成立 ●改正障害者総合支援法が参院本会議で可決、成立した。地域生活の支援としては、自立生活援助や就労定着支援の新設、65歳に至るまで長期間にわたり障害者福祉サービスを利用してきた低所得の高齢障害者が引き続き障害者福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用する場合に、当該介護保険サービスの利用者負担を障害社会福祉制度により軽減(償還)できる仕組みを設ける等。一部を除き施行は平成30年4月1日。 (5/25) ●都、大学生の防犯ボランティアを育成 ●都青少年・治安対策本部は、「新たな防犯力の確保」事業を開始する。「新たな担い手」として大学生を防犯ボランティアとして育成し、区市町村と連携して地域の活動に参加していくしくみを定着させるねらい。区部2、多摩地域2の計4自治体で実施予定。           (5/31) ●子どもの事故防止へ、政府が連絡会議を立ち上げ ●政府は、子どもの事故防止に向けて関係省庁が緊密に連携して取組みを推進するため「子供の事故防止に関する関係省庁連絡会議」を設置した。関係省庁の協力を得て消費者庁が子どもの事故防止に資する情報を集約・整理、分析や共有を行う。      (6/1) ●生活保護世帯、高齢者世帯が半数超え ●厚労省は、生活保護の被保護者調査(平成28年3月分概数)を取りまとめた結果を公表した。受給世帯のうち、高齢者世帯が50.8%と半数を超え、特に単身世帯は前年同月比5.3%増加した。高齢者世帯を除く世帯数は減少した。 (6/1) ●板橋区、子育て応援児童館CAP’S(キャップス)を始動 ●板橋区は、平成28年度から区内全26の児童館で乳幼児親子向けの支援を充実させた「子育て応援児童館CAP’S」を実施。専任相談員による子育て相談「エール」を5館、発達障害児の早期発見、早期支援に貢献するための「ほっとサロン」を2館で設置。             (6/1) ●福祉用具の代替手段、約2割がヘルパーを依頼 ●一般社団法人日本福祉用具供給協会は、「利用している福祉用具の代替手段に関する調査報告書」を公表した。福祉用具サービスの主要5品目を利用できなくなった場合、代替にヘルパーを依頼すると回答した人は約2割。移行による介護給付費の増加分は、低く見積もっても年間約1,370億円増え、約10万人の介護委人材が必要になるとした。     (6/3) ●世田谷区、福祉の相談窓口を設置 ●世田谷区は、7月1日から区内27地区のまちづくりセンターに、あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)と社協地区事務局が入り、「福祉の相談窓口」を設置する。家族の介護や子育て、病気や障害などさまざまな相談を身近な地区で受けられるよう関係機関の連携を強める。(6/20) 【連載】 誰もが ”地域人“として   かがやきながら NPO法人ももの会(以下、ももの会)は、 西荻窪で高齢者在宅サービスセンターを運営しながら、 制度外で多世代の居場所かがやき亭を開設しました。 今号では、住民の参画を得ながら   「地域で支え合う場」にかかわる     ももの会代表の     大井妙子さんに     お話をうかがいました。 Ooi Taeko 大井妙子 NPO法人 ももの会代表 ももの会は、平成12年の介護保険開始を期に、前年に地域住民を中心とした団体を立ち上げ、その後NPO法人の認証を受けました。学校の余裕教室を活用したデイサービス事業の運営として、杉並区立桃井第三小学校の元理科室を改修した場所に高齢者在宅サービスセンター「桃三ふれあいの家」を杉並区から受託し、開設しました。地域の方と一緒に福祉に携わり、町の拠点がつくれるなんて!と沢山の可能性を感じました。 桃三ふれあいの家には、年間延べ2千人のボランティアが出入りします。習字や俳句を教えてくれる方、食事にかかわる方、利用者と囲碁や麻雀に興じる方など、それぞれが社会に発揮できる力を活かして過ごしています。昔あった商店の話や地域行事など、同年代だからこそ共感できる話も多々あります。そして、自分より年上のボランティアに教わったり、同世代の方との付き合いから、お互いに社会とのかかわりが更に広がっていきます。 市民としての共感を大切に 90歳のボランティアも年齢で断ることはありません。90歳になっても地域とのつながり方は多様です。ご本人が「ボランティアをしたい」と望むようであれば、その気持ちを応援します。天気が悪い日には、足元が心配なので職員が迎えに行くこともあります。ご本人の判断で「明日からはボランティアではなくて利用者になるわ」という方もいます。立場は変わっても、ふれあいの家でかがやいていることには変わりありません。 利用者もボランティアも職員もお互いに歩み寄ると重なる部分があります。それは、「市民としての共感」なのではないかと思います。それぞれが個で存在するのではなく、何もしなくてもそこにいていただくだけで同じ市民として時間や思いを共有することができます。桃三ふれあいの家は、高齢者在宅サービスセンターではありますが、地域の中で一緒に生活していく場所だと考えています。 地域の中での人とのふれあい 桃三ふれあいの家は、小学校内併設という特徴もあり、年間を通して小学生と交流の機会があります。大人が介入するよりも、子どもたちは自然に交流を深めていきます。 開設当初、年間15回の交流計画があった6年生との初回交流時の出来事です。私が自己紹介をした際にある男の子が「僕はお年寄りが嫌いだ」と発言しショックを受けました。そこで、15回の交流が終わった時に、みんなが見つけた「お年寄りのパワー」を伝えて欲しいと宿題を出しました。”尊敬や“”敬う“という言葉ではなく、あえて「パワー」という言葉を使いました。 卒業式前に、6年生が見つけたパワーを発表してもらいました。「優しかった」「なんでも知っていた」「よく話を聞いてくれた」などと共に、「歩くのが大変そうなのに、いつも休まないで来ていた」ことを発見した子どももいました。そして、「私がこの仕事や高齢者を大切にしたい気持ち伝わったかな?」と聞くと「わかった」と答えてくれました。また、7人の6年生が桃三ふれあいの家には歌がないからと、「きらきら」という歌を作詞作曲してプレゼントしてくれました。16年経った現在でも後輩に引き継がれ、毎年度初めの対面式で全校生徒が歌ってくれます。 学校からは、桃三ふれあいの家での発表準備中の子ども達の様子として、「大きな字にして見やすくしよう」、「大きな声ではっきり話そう」、「見やすいように高く掲示しよう」など、相手を意識した話し合いが行われていたと聞いています。また、地域からも「マンションのエレベーターで扉を押さえていてくれた」「ゴミ出しを手伝ってくれた」「挨拶をしてくれるようになった」などの声が学校に届くようになったと報告いただいています。地域とのかかわりのきっかけになっているようであれば嬉しいです。 地域への信頼が 自然と重なっていく 地域のさまざまな課題も見えてくる中で、福祉制度利用以前の居場所が少ないと感じていました。そこで、平成23年に地域のいろいろな年代の方の居場所づくりをめざして、「西荻・まちふれあい かがやき亭」を制度外で開設しました。桃三ふれいあいの家とかがやき亭の2つの拠点に関わる中で利用者やボランティアそして職員、どのような立場であっても一市民である「地域人」という意味では、境目があまりないと感じています。 かがやき亭は、地域の人に活用してもらっています。文化的な催し、被災地支援のチャリティコンサート開催など、市民として課題に共感できた際に具体的な行動に移せる場にもなっています。また、民生児童委員から子どもの居場所の必要性の提案があるなど、住民が必要としていることや地域課題などの、点と点が地域でつながっていきます。 子どもの居場所については、寺子屋食堂をイメージしており、平成28年7月から本格的に動き出します。先日は、地域の方のご厚意で庭の夏みかんをお裾分けいただき、マーマレードジャムをつくりました。材料の調達からジャムが完成するまでの作業を共にする中で、何かが重なっていくような、地域への信頼を自然な形でつくりたいと思っています。 次の世代につないでいく 現在は個々の家庭が分断され公園でも町内でも交流が少ないです。子どもが地域社会の愛情を感じられず、子どもと地域の信頼関係ができていないまま、この世代が社会をつくる立場になった時を想像した際に”寒い“と感じました。自身が幼いころを振り返ると、祭りや農作業などの共同作業を通して地域や地域の人の愛情を感じていたように思います。通学路では毎朝掃除をしている大人、帰り道に焼き芋やおはぎをもたせてくれる大人と会話を交わし、地域の人に育てられた実感があります。 現在、小学校だけでなく、中学校、都立高校でも福祉のことや命のことを話す機会があります。高校で桃井第三小学校卒業生と再会し、当時の交流をもとに話を聞いてもらうと、背景を理解した上で話が深まり「地域人の芽」を感じます。お互いが同じ地域人として意識し合え、いきいきとかがやいていられる、それが一番です。住民の参画・協働をすすめて行くことがNPOでもあります。間口を360度広げ、人と人とを繋ぎながら地域に根ざした福祉のまちづくりを行っていくことは面白いです。 かがやき亭での麻雀の会“雀の会” 3月には卒業を祝って、利用者さんがつくった 八角箱を卒業生に贈ります NPO法人 ももの会 平成11年(1999年)住み慣れた地域に安心して暮らしつづけるために、地域住民が集まり設立。平成12年(2000年)1月NPO法人の認証を受ける。杉並区デイサービス事業の運営を受託し4月に「桃三ふれあいの家」開設。平成18年(2006年)4月自主運営となる。平成23年(2011年)7月「西荻・まちふれあい かがやき亭」を開設。 「地域で支えあう場」として、さまざまなボランティアの参加を得ている他、保育園・幼稚園との交流の他、中学生の職場体験、介護等体験、企業研修での福祉体験を受入れている。 【東社協発】 平成28年度 第60回 東京都保育研究大会を開催 東社協保育部会では、第60回東京都保育研究大会を6月7日、8日に国立オリンピック記念青少年総合センターで開催しました。都内の公私立保育所関係者、福祉・保健・教育・行政関係者等約530人が参加しました。 東京都保育研究大会は、昭和29年7月に東京・新宿で開催された東京都保育事業緊急大会を起源としています。開始以来、都内の公私立保育所関係者が集まり、保育と子ども・子育てのあり方の研究の場となっています。 今年度は、「子どもの育ちを保障する」「多様な連携と協働で、子育てライフを支援する」「子どもの未来を考える」の3つのテーマに基づき、新たな分科会「子育て支援の課題とその展望〜笑顔で子育てをできる明日を考える〜」を加えた9分科会において、16保育所が日々の実践、研究の成果を発表しました。 第6分科会「職員の資質向上を図る」では、雇用形態や就業形態が多様化する中、保育の質を確保し現場全体のスキルアップにつながる実践が発表されました。「感染症対策」に特化した情報システムや、整備された園庭を子どもが遊びこめる環境にするための園庭改造計画などの実践が報告されました。 地域にある身近な子育て支援の拠点として、質の高い保育についての研究を深め、具体的な実践を学び合う場となっています。 地域のニーズにこたえる 「地域における公益的な 取組」事例募集 ▼募集内容 厚生労働省社会・援護局福祉基盤課長通知『社会福祉法人の「地域における公益的な取組」について』(平成28年6月1日付社援基発0601第1号)をふまえ、「地域における公益的な取組」に該当する内容の事例を募集します。通知には以下1〜3のすべての要件を満たすことが必要とされ、その考え方が示されています。 1、社会福祉事業又は公益事業を行うに当たって提供される福祉サービスであること 2、日常生活又は社会生活上の支援を必要とする者に対する福祉サービスであること 3、無料又は低額な料金で提供されること ▼提出方法・取扱い方法 以下のいずれかの方法より、取組みやすい方法を選択しご連絡ください。 ●法人や事業所の広報誌等で取り上げた既存の記事の提供 ●寄稿記事の提供 ●取材を前提とした情報提供 いずれの場合も「社会福祉法人による地域公益活動事例提出様式」に必要事項を記入の上、メール、FAX、郵便にて下記連絡先へ提出してください。〈詳細はこちら〉 http://www.tcsw.tvac.or.jp/kokenshi en/koiki/20160615-jireiboshu.html ▼問合せ先 福祉部 経営支援担当 TEL 03(3268)7192 FAX 03(3268)0635 E-mail:koueki@tcsw.tvac.or.jp 開催 キャリアパスを活かした 人事管理と育成制度 人材育成と働きがいのある 職場づくりの構築に向けて ▽日時 9月2日(金)10時半〜16時半(受付9時50分〜) ▽会場 東京都社会福祉保健医療研修センター講堂(文京区小日向4|1|6) ▽対象 東京都民を利用対象とする社会福祉施設・事業所や当該施設・事業所を運営する社会福祉法人等の代表者、及び人事労務関係の実務を担当者 ▽内容 人事管理の基本、キャリアパスのベースとしてのコース・等級制度、法人・事業所の特性に応じたキャリアパスの構築、評価制度の基本的な理解、評価結果反映の賃金制度、配置活用と育成制度 ▽講師 綱川晃弘氏(東社協福祉施設経営相談室労務専門相談員、有限会社 HRM|LINKS 代表取締役、綱川労務管理センター 所長、人事コンサルタント・社会保険労務士) ▽締切日 8月4日(木)〈先着順〉 ▽募集人員 250名〈先着順〉 ▽受講料 一人5千円(税込) ※途中参加(退室)される場合も同一料金になります。 ▽申込方法 本会研修受付システム「けんとくん」(https://www.shakyosys.  jp/kensyu/tokyo/)より申込み。 ▽問合せ先 研修室  TEL 03(5800)3335 開催 福祉事業所向け 「メンター制度導入・      活用研修」 ▽日時 9月23日(金)13半〜16半(受付13時〜) ▽会場 東京都社会福祉保健医療研修センター(文京区小日向4|1|6) ▽対象 東京の社会福祉施設・事業所の施設長・管理者および中堅職員等 ▽内容 メンター制度とは、メンターに求められる力、メンター制度導入のポイントと課題(中途採用者への対応を含む)、メンター制度導入例・国の助成 ▽定員 250名〈先着順〉 ▽申込締切 8月8日(月)〈先着順〉 ▽講師 遠藤和氏(株式会社キャリアアンドブリッジ取締役) ▽参加費 4千円(税込) ▽参加申込み 研修受付システム「けんとくん」から申込み。 http://www.tcsw.tvac.or.jp/activity/ kensyu/ ▽問合せ先 研修室  TEL 03(5800)3335 社会福祉士国家試験 対策講座案内 第29回社会福祉士国家試験に向け、社会福祉士の試験科目(19科目)の内容を分野ごと(11コマ)に凝縮し、試験範囲の重要ポイントや学習の仕方を講義で確認します。最終日には中央法規出版の模擬試験を実施し本番の試験に備えます。講義と模試がセットになった5日間の受験対策講座です。 ▼講義‥9月10日(土)9時半〜16時15分、9月22日(木・祝)9時半〜17時45分、10月1日(土)9時半〜17時45分、10月9日(日)9時半〜17時45分 ▼模擬試験‥ 11月13日(日)9時半〜16時 ▼会場‥飯田橋セントラルプラザ12階会議室 ▼受講料‥4万円 ▼定員‥100名 ▼講師‥大学、専門学校等の教員の方々 ▼申込方法‥開催内容や申込方法等の詳細については、本会のホームページに掲載の「開催要項」をご覧ください。 ▼申込締切‥8月19日(金)〈先着順〉 ▼問合せ先‥「社会福祉士国家試験対策講座」係  TEL 03(5283)6894http://www.tcsw.tvac.or.jp/activi  ty/sikakusien.html 【ゆーすけ】 東社協 法人説明会を行ったよ! ●本会では、6月12日、平成29年4月の職員採用試験に向けた法人説明会を開催しました。 午前の部・午後の部とも、大勢の方にご参加いただき、ありがとうございました。東社協の役割や職場の雰囲気、職員の様子など少しでも伝わったようであれば幸いです。 社会福祉法人として 地域とつながる方法についての 研修を開催したよ! ●東京都高齢者福祉施設協議会軽費分科会では、6月15日に研修会「福祉で描くJAPAN WAY 社会福祉法人の地域づくりへの取り組み」を開催しました。  石川県にある社会福祉法人佛子園の理事長、雄谷良成さんを招き、地域に応じたコミュニティ支援から、日本版CCRC政府認定モデルであるシェア金沢の事例についてご講演いただきました。青年海外協力隊の手法を参考にした地域資源の開発方法など、法人として地域とつながることを学ぶ機会となりました。 【囲み】 平成27年度 共同募金の御礼 平成27年度の共同募金は、多くの都民の皆様に支えられ、第69回目の運動を実施することができました。ご支援・ご協力を賜りました皆様に、心より厚く御礼を申し上げます。 本年度も、10月からの赤い羽根募金と12月の歳末たすけあい募金に加え、多数の法人企業が集中する東京の特性に対応するために運動期間を拡大し、年明けからは、企業からの寄付金や、福祉施設等で活用できる物品の寄付を呼びかけました。 お寄せいただいた寄付金は、社会福祉施設・団体への配分と同時に、大規模災害に備え、地域住民のための防災設備の整備やボランティアの連携訓練等にも積極的に対応いたしました。 また、共同募金の中核と位置づけた「地区配分推せん委員会」の各地区への設置が完了しました。今後も「地域で集め・地域に知らせ・地域で配る」という設置目的に沿い、住民の皆様の身近な福祉の向上に有効な福祉資金となるべく、その機能の充実を図ってまいります。 今後も皆様の変わらぬご理解・ご協力を心からお願い申し上げますとともに、平成27年度の募金活動および配分事業を完了いたしましたことを、ここにご報告申し上げます。 社会福祉法人 東京都共同募金会 会 長  三 村 明 夫 【おしごと通信】 看取りへの恐怖心を乗り越え、特別養護老人ホームで働く 伊藤敏さんのおしごとの魅力をお伝えします。 利用者、家族、共に働く仲間、地域… 大切に想う輪が広がっていく 伊藤敏Itou Tsutomu 社会福祉法人大和会  特別養護老人ホーム愛生苑 介護職員兼ケアマネジャー 平成16年愛生苑に 介護職員として入職。 平成25年度より介護職員兼 ケアマネジャーとなる。  夢中に取組む自分をみつけた 私は、幼いころ近所のおじいちゃんやおばあちゃんにとてもかわいがってもらいました。そんな経験を思い出してこの仕事を選んだのだと思います。学生時代は工業を学んでいましたが、大学2年生の時に思い切って介護の世界に飛び込むことを決めました。20歳で愛生苑に介護職員として入職し、現在12年目です。 入職時には介護の知識はほとんどなく、高齢者施設は利用者がゆったりと散歩やお茶を楽しむ場所だと思っていました。自力で食事が摂れない方を目の当たりにしたときは「こんな世界があったんだ…」と感じたことを覚えています。 はじめの頃は介助の際に他の職員より時間がかかったり、人間関係などで悩んだこともありました。でも一生懸命取組んでいると、だんだん周りの人が認めてくれるようになり、本音を言い合える仲間もできていきました。 また、働いていく中で、どうしたら利用者の普段の暮らしがもっとよくなるかを考え、勉強したり努力する自分がいました。こんな自分ははじめてでしたし、こんなに一生懸命になれる仕事につけた自分は幸せなのかもしれないと強く思うようになりました。  さみしい思いをさせたくない 私が介護の仕事をしていく中でぶつかった一番の壁は、利用者が亡くなることに向き合う恐怖心でした。利用者への想いが強くなるほど、利用者が亡くなってしまうことへの辛さが増し、はじめの頃は利用者が亡くなるたびに家で泣いていたこともありました。「どうか朝、みんなが来るまで息をしていて」と願いながら夜勤をする日もありました。 入職から5年目に自分が担当する利用者の看取りを経験しました。その方は食べ物をほとんど受けつけない状態でしたが、体調のよさそうな日にはその方の大好物のお寿司を買いに行きました。一貫だけしか食べられませんでしたが、自分の手でお寿司を食べている姿は印象的でした。また、ある日、私がその方の口腔ケアをしていると「本当にありがとうね」とおっしゃってくれました。私がその方を大切に想う気持ちが伝わったような気がして本当に嬉しかったです。 その方がいつ息を引き取るかわからない状態が続く中での夜勤の日。私は恐怖を感じていませんでした。暇を見つけてはその方の居室へ行って手を握り、「絶対にさみしい思いはさせないからね。もし何かあっても私が絶対にみつけてあげるからね」と思っていました。 その利用者とのかかわりを通して、職員が不安な気持ちでいるよりも、さみしい思いをさせたくないという気持ちでいた方が利用者も嬉しいのではないかと思えるようになり、看取りに対して前向きに考えられるようになりました。  南多摩から介護業界を  盛り上げたい 私は現在、東京都高齢者福祉施設協議会南多摩ブロックの幹事を務めています。部会活動へ参加し、経験を重ねるうちに、自分の働く施設の中のことだけでなく、施設の外に対しても目が向くようになっていきました。他施設の職員と悩みや良いところを交換し、互いの施設の良いところを取り入れながら協力して取組んでいます。 これからもっと他の施設で働く職員の仲間や地域の方、福祉の仕事をめざしている人たちなど、多くの人を巻き込んで協力しながら、みんなが笑顔で楽しく、よりよく暮らしていける地域をつくっていきたいと思っています。そして自分の生まれ育ったこの南多摩から介護業界をますます盛り上げていきたいです。 【資料ガイド】 施策・会議資料 ●『今後の高齢者向け住宅のあり方と施策の方向性についてとりまとめ』(国土交通省/5月) ●『国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する基本計画』(厚生労働省/5月)  医療機器政策に特化した政府の初めての基本計画。 ●『医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会 中間とりまとめ』(厚生労働省/6月)  医療従事者の確保策、地域偏在対策等に関する検討会の中間とりまとめ。 調査結果 ●『平成27年度障害者の職業紹介状況等』(厚生労働省/5月) ●『平成27年人口動態統計月報年計(概数)』(厚生労働省/5月) ●『平成27年度消費生活相談概要』(東京都生活文化局/6月) ●『医療施設動態調査(平成28年3月末概数)』(厚生労働省/6月) ●『平成27年度個別労働紛争解決制度の施行状況』(厚生労働省/6月)  労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルの未然防止や早期解決を支援する制度の施行状況。 ●『児童相談所における児童買春、児童ポルノ被害児童への対応状況の関する研究』(NPO法人 人身取引被害者サポートセンター ライトハウス/6月)  厚生労働省 平成27年度子ども・子育て支援推進調査研究事業によるもので、児相がかかわる子どもたちの性的搾取の被害についての初めての調査。 その他 ●『STOCK EFFECTS&TOKYO』(東京都建設局/6月)  東京の道路・河川・公園がもたらすストック効果(道路などの都市基盤施設の整備・供用により、中長期的に生産性の向上や日々の都民生活の安全性・快適性を高めるなどの効果)の主な事例を掲載。 ●『平成28年版障害者白書』(内閣府/6月) ●『平成28年版少子化社会対策白書』(内閣府/6月) 【アンテナ】 助成金 平成28年上期 洲崎福祉財団 障害者児に対する 自立支援活動助成金 諮\込締切 7月31日カ消印有効 誌武ャ対象 障害児者に対する自立支援活動(難病支援含む)を行う法人・団体 誌武ャ金額 200万円(1件あたり) 諮\込方法 下記ホームページより申込書をダウンロードし、必要書類を添付の上、郵送にて申込 諮\込・問合せ先 公益財団法人洲崎福祉財団 〒103−0027 中央区日本橋3−10−5オンワードパークビルディング ・03(6870)2019 http://www.ntcltd.com/swf/ 松の花募金 平成28年度助成 諮\込締切 8月末日必着 誌武ャ対象 知的障害児(者)の福祉向上を目的とする事業・調査研究を行う社会福祉法人、公益法人 誌武ャ金額 500万円(総額) 諮\込方法 下記ホームページより申込書をダウンロードし、必要書類を添付の上、郵送にて申込 諮\込・問合せ先 社会福祉法人松の花基金 〒103−0004 中央区東日本橋1−7−2長坂ビル ・03(5848)3645 http://matsunohana.jp/ 平成28年度 植山つる児童福祉研究 奨励基金 諮\込締切 9月2日サ必着 誌武ャ対象 研究A(自主研究):児童福祉に関する自主研究を行う、児童福祉施設に働く職員、研究B(専門研究):児童福祉に関する自主研究で、すでに基礎的研究を終了し、さらに成果を発展させるため、学識者の協力がある共同研究を行う、児童福祉施設に働く職員 誌武ャ金額 研究A(自主研究):20万円以内、研究B(専門研究):100万円以内(A・Bとも1研究あたり) 誌武ャ内容 児童福祉施設に働く職員の研究活動奨励費 諮\込方法 下記ホームページより申込書をダウンロードし、郵送にて申込 諮\込・問合せ先 社会福祉法人全国社会福祉協議会 児童福祉部 ・03(3581)6503 http://www.shakyo.or.jp/ ueyama-turu-fund@sha kyo.or.jp 講座・シンポジウム ピアサポ祭り2016 雌時 7月24日カ10時〜17時 誌齒梶@玉川区民会館ホール 試Q加費 前売:2,000円、当日:2,500円 雌燉e 自助・ピアサポートグループの仲間の体験談、リレーメッセージ等 諮\込方法 郵便振替口座に振込、又は下記事務所にて申込 諮\込・問合せ先 日本アノレキシア・ブリミア協会 NABA(ナバ) 〒156−0057 世田谷区上北沢4−19−12シャンボール上北沢212 ・03(3302)0710(祝日含む月・水・木・金13時〜16時) http://naba1987.web.fc2.com/ 発達が気になる子の育ちを考える夏季セミナー 諮\込締切 7月31日カ 雌時 8月20日シ10時15分〜16時45分、21日カ10時15分〜16時15分 誌齒梶@浜離宮朝日ホール(小ホール) 賜闊 各日250名 試Q加費 14,000円(1日のみ7,000円) 雌燉e1日目:「DSM-5 変更の意義と子どもと家族にとって診断の持つ価値」市川宏伸氏(日本発達障害ネットワーク)、「診断とは何か〜社会モデルに基づく子どものとらえ方〜」熊谷晋一郎氏(東京大学先端科学技術研究センター)、2日目:「診断を受ける価値〜ピアサポートの現場から〜、〜当事者の立場から〜」尾崎ミオ氏・当事者(NPO法人東京自閉症協会)、「発達支援において育てたい力〜レジリエンスの視点〜」藤野博氏(東京学芸大学) 諮\込方法 下記ホームページより申込 諮\込み・問合せ先 うめだ・あけぼの学園夏季セミナー係 ・03(3848)1190(平日10時半〜16時半) http://www.umeda-akebo no.or.jp/ seminar@umeda-akebono. or.jp 平成28年度 社会福祉法人広報 セミナー 諮\込締切 8月15日キ 雌時 9月5日キ〜6日ク 誌齒梶@全国社会福祉協議会会議室 賜闊 100名 試Q加対象 都道府県・指定都市・市区町村社会福祉協議会、社会福祉法人、福祉施設で広報活動を担当するリーダー等 試Q加費 10,000円 雌燉e 1日目:基調説明「社会福祉をめぐる政策動向と広報の役割について」笹尾勝氏(全国社会福祉協議会政策企画部長)、実践報告「社会福祉法人の本質と経営戦略〜地域公益活動の意義〜」浦野正男氏(全国社会福祉法人経営者協議会地域公益活動推進委員長、社会福祉法人中心会理事長)、講義・演習「社協、社会福祉法人・福祉施設の経営戦略と広報(仮)」[T:社協職員コース]河井孝仁氏(東海大学文学部広報メディア学科教授)、[U:施設職員コース]村井祐一氏(田園調布学園大学社会福祉学科教授)、2日目:講義・演習「広報ツールの効果的な活用の取り組み(仮)」[T]河井孝仁氏、[U]村井祐一氏/都道府県・指定都市社協広報担当連絡会議諮\込方法 下記ホームページより申込書をダウンロードし、FAXにて申込 諮\込・問合せ先 【申込】名鉄観光サービス(株)新霞が関支店 ・03(3595)1121 I03(3595)1119 【問合せ】社会福祉法人全国社会福祉協議会 政策企画部広報室 ・03(3581)7889 http://zseisaku.net/ActionReport/kaisaiyoko.pdf z-koho@shakyo.or.jp 高齢者虐待防止研修 雌時 セッションA・B:9月3日シ、セッションC:4日カ、いずれも10時〜17時 誌齒梶@首都圏大学東京南大沢キャンパス 試Q加費 セッションA:4,000円(テキスト代込)、セッションB・C:2,000円 雌燉e セッションA「家庭内虐待防止介入アプローチ基礎研修」松本葉子氏(田園調布学園大学)、副田あけみ氏(関東学院大学)、長沼葉月氏(首都大学東京)、石坂藍氏(国分寺地域包括支援センターなみき)、セッションB「施設内虐待予防研修」土屋典子氏(立正大学)、松尾隆義氏(スリーA研究会会員)、セッションC「機関間協働研修」赤嶺あや氏(国分寺市役所)、松本葉子氏、副田あけみ氏 諮\込方法 下記ホームページより申込 諮\込み・問合せ先 スリーA(AAA)研究会事務局 http://www.elderabuse-aaa.com/ info@elderabuse-aaa.com その他 第51回 NHK障害福祉賞 諮\込締切 7月31日カ消印有効 雌燉e 障害のある人自身の体験記録や障害児・者の教育・福祉の実践記録の募集 諮\込方法 下記ホームページ内メールフォーム、又は郵送にて申込諮\込・問合せ先 社会福祉法人NHK厚生文化事業団「障害福祉賞」係 〒150−0041 渋谷区神南1−4−1第七共同ビル ・03(3476)5955 http://www.npwo.or.jp/ 東京都職員U類(福祉)職員募集 諮\込締切 持参:8月24日ケ、郵送:8月19日サ消印有効 雌時 選考(1次):9月11日カ 詩フ用予定人数 16名 飼N齢 平成29年4月1日現在、20歳以上36歳未満の方 詩フ用 平成29年4月1日(原則)試験資格 保育士、社会福祉士、介護福祉士、児童指導員、児童生活支援員、児童自立支援専門員のいずれかの資格(取得見込を含む)をもつ方、又は短大を卒業した方で社会福祉関連事業経験2年以上の方 視ホ務先 児童自立支援施設、児童相談所一時保護所、北療育医療センター、府中療育センター等 諮\込方法 必要書類を持参、又は郵送にて申込 諮\込・問合せ先 東京都福祉保健局総務部職員課人事担当 〒163−8001新宿区西新宿2−8−1 ・03(5320)4023 【くらし】 皆でかかわる 「犯罪や非行を させない地域」づくり 豊島区で保護司をされている 高埜秀典さんに お話をうかがいました。 保護司の活動は地域の活動 保護司になったのは49歳のときです。既に保護司をされていた先輩に声を掛けていただいたことがきっかけでした。それまでPTAや交通少年団の団長、商店街理事長など、地域でさまざまな活動をしていたものの、その責任の重さからはじめは迷いましたが、保護司の活動も地域のこと。やらなければと思い、お引き受けしました。保護司はボランティアで、本業はマンション賃貸の経営と婦人服の販売をしています。できる限り毎朝、販売店の開店に立ち会いつつ、保護司として犯罪や非行をした人との面接をしています。また「更生保護サポートセンター」での相談対応や他の保護司の活動をサポートしています。 ●保護司の活動を話せる時代に 保護司とその環境は、ここ10年でかなり変化しているように感じます。以前の保護司は、知名度が今ほどなく、守秘義務もあって、活動をあまり表立って言うことができませんでした。犯罪や非行のない地域づくりをめざす「社会を明るくする運動(以下、「運動」)」期間に駅前で旗を持っていると選挙活動かと思われたり、自宅で面接をするときも周りに気を遣いました。家族と面接者を会わせることもはばかられ、コーヒーを準備するところから自分ひとりで対応していました。 今は保護司のことをご存じの方が増えてきました。嬉しかったのは、野球観戦で訪れた東京ドームに、運動の広告看板があったことです。そのときは子どもに「お父さんは、あの活動をやっているんだ」と話せました。昔とは大違いで感激しました。 ●「犯罪をさせない地域」づくり  をめざして 変化の背景として、地域の声があります。「保護司とは何をしている人なのか」という疑問に答えるため、保護司の方から地域に出て、活動を伝えるようになりました。今は運動で掲げる「犯罪のない地域」づくりに留まらず、「犯罪をさせない地域」を保護司の力で生み出していこうとしています。保護司が活動する環境を整えることも、その一環です。「更生保護サポートセンター」は、地域で更生保護活動を行う拠点として、平成20年から整備が始まりました。保護司に面接場所や情報を提供することを柱の一つとしています。「周りに迷惑をかけるかも」「忙しくて」という理由で保護司になること、続けることが難しいという方が活動しやすくなりました。研修は定例研修、特別研修の他、保護司会でテーマを決める分区会を年6回実施しています。保護司が広く情報を持つことは、面接をする対象者のためにもなります。 ●地域活動の形は、さまざま 保護司はボランティアですが、ボランティアとは地域貢献活動です。これは個々で行う地域活動が発展したものだと考えています。地域活動の形はさまざまで良いと思います。保護司も団体の役員も、活動をする上では一員にすぎません。各々が思う活動をしていく中で、毎日ここで何かやっている、あそこでも…となっていけば、街の方のしっかりした目による、犯罪をさせない地域づくりにつながります。犯罪や非行をさせない地域づくりは、皆でかかわればできるのです。 活動をすることには、地域の課題に気づけるという意味もあります。ですので、まずはかかわってほしいと思います。保護司についても同じで、「保護司は何をするのですか」と聞いてくれるだけでも嬉しいです。 更生保護  犯罪や非行をした人が地域社会の一員として立ち直れるように支援する活動。保護観察所などの国の機関が、保護司をはじめとした民間のボランティア・団体と協働で取組む。保護司は、犯罪や非行をした人の生活環境の調整、面接による助言指導、地域の犯罪予防を担う。「社会を明るくする運動」は毎年7月を強化月間として実施。イベントや広報活動を全国的に展開する。 豊島区更生保護 サポートセンター 「青少年相談室」 【本】 NEW  地域のニーズにこたえる 社会福祉法人による地域公益活動の 取組み事例集 ●本事例集では東京の社会福祉法人による地域公益活動34事例を掲載しています。ニーズへの気づきの視点や創意工夫等、社会福祉法人の実践を可視化し、広く情報発信していくことが、地域における幅広い理解と参加の促進につながり、新たな地域公益活動への一翼を担うことを期待しています。 ◆規格 A4判/166頁 ◆発売日 2016.6.16 ◆定価 1,296円 (税込み) NEW  保育園と小学校との 連携に関する調査報告書 ●保小連携は発展の途中であり、連携の内容も相互理解も不十分であると思います。真に必要な情報を伝え、小学校側が子どもを正しく理解する移行・接続期の問題だけでなく、長期的な人間形成に保小連携の視点を置くのであれば、一歩進んだ新しい連携の形が始まるのではないかと思います。 ◆規格 A4判/140頁 ◆発売日 2016.6.13 ◆定価 1,080円 (税込み) NEW  改正社会福祉法資料集 【第2集】 ●平成28年6月20日付にて厚生労働省社会・援護局福祉基盤課から発出された事務連絡をまとめたもの。社会福祉法制度改革の施行に向けた留意事項(経営組織の見直しについて)や、FAQなど。 ◆規格 A4判/78頁 ◆発売日 2016.7.8 ◆定価 540円 (税込み)