【表紙】 静岡県 富士川市 真っ青に澄みきった空の下 富士山を間近にみて育つ子ども達。 夢は大きく 笑い声は空へ響き渡る 【もくじ】 社会福祉NOW 災害時の要配慮者をめぐる福祉   関東・東北豪雨、熊本地震より トピックス ●でたでたDATA  奨学金の延滞継続理由  「本人の低所得」が5割 連載 質と量の好循環をめざした    福祉人材の確保・育成・定着㈫ ●養成校生徒の入学から卒業まで  〜保育士養成校の立場より 福祉のおしごと通信 ●鈴木綾子さん  社会福祉法人東京都福祉事業協会  母子生活支援施設 ハイツ尾竹  支援員   【NOW】 災害時の要配慮者をめぐる福祉 関東・東北豪雨、 熊本地震より 近年さまざまな災害が 全国各地で発生しています。 福祉施設・事業所においても、 BCP作成や、具体的な被害を想定した 各種訓練など災害時要配慮者の リスクを想定した取組みが行われています。 本号では、目の前のできごとに対応した 「平成27年9月関東・東北豪雨」および 「平成28年熊本地震」の3つの事例から、 災害発生時の要配慮者をめぐる 福祉について考えます。 突然の豪雨による浸水被害、局所的な大地震……。近年さまざまな災害が全国各地で発生しており、災害時の要配慮者支援を強化するためには、災害に強い福祉の構築が求められています。発災時の利用者と職員の安全確保、利用者避難から施設復旧、そして、要配慮者が避難することが想定されている福祉避難所の運営、一般の避難者に含まれる要配慮者への対応等、「災害に備える」と一言では表現しきれない、その時、その瞬間に福祉が何をすべきかが問われてきます。 被害を最小限に抑え利用者を守る 平成27年9月関東・東北豪雨で浸水被害を 受けた(社福)筑水会 特養「筑水苑」 平成27年9月9日から9月10日にかけて、関東地方北部から東北地方南部を中心として記録的な大雨となりました。各観測所で観測史上最多雨量を記録し、常総市三坂町地先で堤防が決壊。それに伴う氾濫により、常総市の約三分の一の面積に相当する約40 平方キロメートルが浸水しました。 (社福)筑水会 特別養護老人ホーム「筑水苑」は、平成16年8月に開設した常総市内で一番規模の大きい、110床(入所90名、ショート20名)のユニット制の施設です。「平成27年9月関東・東北豪雨」では施設で浸水被害が発生しました。水が引くまで屋内に留まることを決意し、水が引いた直後より全利用者を一旦、同グループの施設に避難させ、利用者を守りました。そして、被災から約1か月後の10月13日に事業を再開し、利用者と職員が戻るまで、懸命に施設を守りました。 施設長の長尾智恵子さんは、「豪雨による水害には津波とはまた違う備えが必要。ライフラインが徐々に使えなくなるなど、豪雨災害の発生から実際に施設で影響を受けるまでのタイムラグがあった」と当時をふり返ります。堤防決壊は9月10日午後12時50分でしたが、実際に筑水苑の敷地に浸水が始まったのは、11日の早朝5時27分でした。普段、夜間は7人の体制ですが、10日の堤防決壊で自宅が流された職員や道路の封鎖等で帰宅できなかった職員、そして、被災により出勤できないとの連絡が相次いだため、中堅職員を中心に、栄養士、事務員などを含め計15名の職員が当時筑水苑にいました。 5時27分の浸水開始後、6時56分には、敷地内にあった職員の車が水没する水かさとなりました。その後、7時少し前に近隣一帯が停電となりました。浸水開始から水没、停電までの間はわずか1時間強でした。その間に職員は、1階の利用者を2階に避難させ、1階倉庫の備蓄を運び出し、普段は1階にある医務室の機能を2階の研修室に移しました。利用者の健康にかかわるカルテや薬を一か所に集約し、鍵がかかる場所で安全に管理するためです。その他にも、事務室にある利用者に関する書類、事務作業にかかわるコピー機、プリンター、PC、サーバー……優先順位を迫られながら時間の許す限り対応しました。調理に使う大きな鍋などの調理器具も2階に運び、お風呂には断水に備えて水を張りました。全利用者の避難と3日分の備蓄など最低限の物品の2階避難を完了したことから、長尾施設長は、利用者の安全を確保するため「水が引くまで屋内待機すること」を決断しました。9時には、申し送りにて利用者の状況を確認し、透析の方や脱水症状のある方の救助を要請しました。利用者の体調の変化等を注視しつつ、長尾施設長は法人本部や、県、県老施協と連絡を取り合い、孤立解消後の利用者の避難先の調整を行いました。 副施設長の高橋富江さんは、浸水時は施設の外におり、状況を知って駆けつけました。施設周辺はすべて水没し、筑水苑だけがぽっかりと浮かんで見える状態でした。14時36分に、高橋副施設長を含む交代要員職員が、発災後初めてボートで筑水苑に入り、デイ職員3人が帰宅しました。17時52分には、要請していた3名の利用者が自衛隊によりヘリ搬送されました。 浸水から1日半後の、12日12時頃から水が引きはじめ孤立が解消したため、利用者避難を開始しました。同グループの福祉施設に依頼していた福祉車両6台を利用し、家族が引き取りにきた方などを除いて96名が、浸水から33時間後、近隣の守谷市内の有料老人ホームへ一次避難しました。その後、14日より県老施協等を通じて受入れを表明してくれた県内13施設に28名を移送しました。その際には、仲の良い人は一緒にする等、利用者の人間関係にも配慮しました。利用者にかかわる書類は、守谷市の施設で作業を行い受入れ施設に引き継ぎました。受入れの申し出を複数受けた中で、会いに行ける場所、顔の見える関係での受入れをお願いしたいとの職員の声を採用し、県内かつ面識がある施設に受入れをお願いしました。但し、医療ニーズの高い方や認知症の重度の方、意思表示の不可能の方は対象外としました。後々、介護報酬の手続き等で調整が生じた際に、受入れ先をこのように決めていたことが活きました。 長尾施設長が筑水苑の事業再開に向けて奔走する一方、高橋副施設長は守谷市の施設を拠点に、利用者や家族、職員への対応を担当し、避難した利用者が寂しそうにしていると耳に入れば、顔を見に行くこともありました。長尾施設長とは、毎日連絡を取り合いお互いの状況を共有しました。 「初動が大切」と長尾施設長は言います。利用者に筑水苑に戻れる具体的な日にちを伝えられないジレンマや、事業再開までを長引かせると職員のモチベーションが下がってしまうことを指摘しながら、「職員にはあえて物資などを筑水苑に取りに来てもらい、直っていく施設の姿をみせ、『自分はここに戻るまで避難先で利用者を守らなければ』と感じてもらった。当初は、3か月かかると言われていた施設の再建も、毎日必死に対応し、1か月で再開にこぎつけた。利用者が筑水苑に戻ってくる日、移動のスピードは驚くほどだった。利用者も職員も『帰るんだ』という意識があったのがなにより嬉しかった」と話します。 都内においても、平成28年8月には、関東地方に上陸した「台風9号」の影響で、青梅市の特養「青梅療育院」で、豪雨による床上40センチ冠水の被害が発生しました。こうした災害は、身近に起こり得ることを改めて認識させられます。 うちが断ると行き場がない 平成28年熊本地震で福祉避難所を開設した 熊本県身体障がい者能力開発センター 平成28年4月14日(前震)・16日(本震)に発生した熊本地震で福祉避難所を開設した熊本市では、協定を結んでいた福祉施設等を対象に同年9月、アンケートを実施しています。福祉避難所の設置の有無に関わらず全体の31・5%の施設が「建物の一部が使用不可になった」としており、74・8%の施設が「断水」、33・9%の施設が「停電」になっています。そして、半数以上の59・8%の施設が「(職員が被災し)、一部に人手不足が生じた」と答えています。また、半数以上の53・5%の施設が「一般市民を受入れた」という状況がありました。そうした中でも、67・7%にあたる86施設が「要援護者」を受入れています。 熊本県身体障がい者能力開発センターでは、熊本地震に伴い、福祉避難所を開設して25人(家族4人を含む)を受入れています。同センター所長の吉田好範さんは「会員となっていた熊本県身体障害児者施設協議会が2年前に熊本市と福祉避難所の協定を結んで、会員である24施設は自動的に福祉避難所となっていた。確かに協議会の会議で説明を聞いた覚えはあったが、備えができていた訳ではない。市からの要請を受けて『とにかくやるしかない』と、できることを頑張ったというのが実情。幸いにも建物に被害は少なく、30人の入所利用者は建物が安全であることから落ち着いていた。職員の多くは自宅が損壊して自らが被災者でありながら頑張ってくれた。会議室などの受入れスペースはあったので、通所利用者の安否確認をして自宅に被害を受けた利用者を16日以降に9人受入れたが、それ以外に市から要請のあった方を受入れた」と話します。廃棄予定の介護ベッドがたまたまあったのが幸いしました。当初の想定では身辺が自立している人という前提でもっと少ない人数を考えていましたが、「『うちが断ると行き場がない』と聞くと、『お受けしましょう』と答えているうちに25人になった。入浴や排せつなどの支援が必要な方やてんかんによる救急搬送をした方もいた」と、副所長の中畑昭日出さんは話します。 避難者を受入れることで入所施設の夜間の生活支援員2人だけでは対応が困難な状況となったため、日中の職員の早出・遅出のシフトを組み対応しました。縁のあったリハビリ関係の学校の学生が夜間のボランティアで来てくれたり、退職した職員が応援に駆けつけてしのぎましたが、5月9日に他県からの障害者施設の職員の応援派遣が夜間対応で1人入ってくれたので福祉避難所の機能を維持することができました。 自宅に住めなくなった方のアパート探しの支援も行い、8月15日に避難所を閉じました。吉田さんは「もともと在宅で自分なりの生活をしていた方たち。障害に応じた避難所はやはり必要であろうし、福祉避難所でも慣れない集団生活に配慮が必要なことは多かった」と、4か月にわたる支援をふり返りました。 目前で起きたことに最前を尽くす 平成28年熊本地震で大学独自に「身近な 福祉避難所」を開設した熊本学園大学 熊本地震では、避難所の指定を受けていなかった熊本学園大学が地域住民を受入れる中で、独自の「身近な福祉避難所(スペース)」を開設しています。4月14日の午後9時26分の前震の直後。大学のグラウンドには地域住民と学生たちが避難してきました。余震が続く中、大学は14号館の教室を開放し、避難者たちに安全な場所を提供しました。翌日には落ち着きを取り戻しましたが、16日午前1時25分に本震が発生。14号館の軒下や廊下にあふれるように避難者が集まってきました。大学では前震と同様に4つの教室を開放し、ピーク時には750人が避難しました。 熊本学園大学社会福祉学部講師の吉村千恵さんは、本震直後に助けを求めてきた重度障害のある学生の自宅に駆けつけ、その学生とともに大学へ行きました。14号館の教室には、朝になると介助が必要な高齢者や障害者が増加しました。大学とつながりがあった障害当事者団体の車いすユーザーたちも余震が続く中、大学へ避難していました。教室は多くの避難者でいっぱいとなり、車いすで15時間も座りっぱなしの状況でした。そして、16日の午後2時。大学は14号館のホールの安全を確保した上、吉村さんたち教員や社会福祉学部の学生たちがホールに要配慮者専用の避難スペースをつくりました。前震から数えて5月28日までの45日間にわたる支援活動は、こうして始まりました。 14号館がバリアフリー施設であり、社会福祉学部があったというだけで熊本学園大学がこの取組みをできた訳ではありません。社会福祉学部長の宮北隆志さんは、「教職員と学生が一丸となって取組んだ。本学では、障害のある学生も積極的に受入れている。また、『水俣学』の研究を通じた学部を超えたつながりがあり、『目の前に起きたことに最前を尽くし、それを最後の一人まで』という精神がある。地域とのつながりもあり、社会福祉学部でも1年生が地域の障害当事者と車いすに乗って一緒に街に出て体験する授業を行っていた」と話します。 吉村さんも地域の障害当事者団体と長いつながりがあり、震災前から「当事者に寄り添う福祉」を大事にした授業を実施してきました。地震の前年度には学内に避難所をつくる訓練を学生と行い、高齢者や障害者を受入れるシミュレーションも行っていました。また、過去に災害のあった阿蘇地域での学生と高齢者と一緒に避難行動の個別支援計画を作成するワークショップでは、「位牌をもって行きたい」「あの牛を連れて行かないと避難できない」という当事者の想いを学んでいました。 そして、独自の福祉避難所の運営をふり返り、吉村さんは「介助スタッフを支えることが不可欠」と指摘します。「最初の介助体制は3日間で限界が来た。学生には学生にしかできない『明るく笑い、とにかく話すこと』をしなさいと伝えていた。鹿児島から施設職員が自主的に応援に来てくれたり、教員と学生だけでできた訳ではない。地域のボランティアが洗濯を手伝ってくれたりして、気分を落ち込ませない避難所になった」と話します。 この避難所支援に参加した学生たち自身も被災しています。学生からは「(炊き出しで)避難者の方に『おいしい』と言われてうれしかった。達成感があり、自分も被災者だということを忘れた」、「車いすからの移乗を介助したり、話し相手になったり、時には支援している私が、人生の先輩から教えられた」という感想が聞かれ、経験が学生たちの成長につながっていることがうかがえます。 そして、吉村さんは「帰宅支援を丁寧に行った。避難所を出ていくこと、新しい生活への不安。その不安を理解しながら、新しい環境につながりをつくる必要がある」と話します。目の前にあることに向き合いながら、その先にある暮らしを見据えた関わりが、この独自の取組みにみられます。 ●    ●    ● これらの3つの事例は、災害時に要配慮者をめぐり起こり得ることの一部ですが、目の前にいる要配慮者のことは自分たちが動くしかないと全力を注いだり、地域にいる要配慮者に想いを馳せる福祉の姿がそこにあります。そして、緊急事態をしのぐだけではなく、その先までを視野に入れた支援が福祉には特に求められていることがわかります。 3つの事例は、後日、 『福祉避難所等事例集(仮称)』により 詳細をご紹介する予定です。 左は筑水苑外観 施設長の 長尾智恵子さん(右)と、 副施設長の高橋富江さん(左) センター長の吉田好範さん(左)と、 副所長の中畑昭日出さん(右) 熊本学園大学 社会福祉学部長の 宮北隆志さん(左) 社会福祉学部講師の 吉村千恵さん(右) 【データ】 奨学金の延滞継続理由 「本人の低所得」が5割 日本学生支援機構調査より 独立行政法人日本学生支援機構によると、平成27年度高等教育機関*の学生等348万人のうち38%にあたる132万人が同機構の奨学金を利用しており、その割合は2.6人に1人となっています。 近年、奨学金を利用する学生が増えその返済の負担が注目を集めています。同機構が、奨学金返還を3か月以上延滞している延滞者に対して実施した「平成26年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」によると、奨学金の返済が滞る「延滞」が始まった理由(きっかけ)については、「本人の経済状況をあげる者が多い傾向は、この数年変化はない」としています。また、延滞が継続している理由については、「本人の低所得」が最多で51.6%の状況でした。また、「親の経済困難」(40.6%)、「本人の借入金の返済」(26.0%)などの回答が見られました。その他、「本人の失業・無職」、「本人の病気療養」、「家族の病気療養」などの状況も見られました。 平成28年12月22日に閣議決定した29年度予算では、30年度から学びのセーフティーネットの構築として本格実施が予定される「給付型奨学金の創設」が盛り込まれています。「給付額は月3万円を軸に、支出実態等を基に国公私の別、自宅・自宅外の別に配慮する」とされ、児童養護施設出身者には別途、入学時に24万円を給付することとしています。29年度予算には70億円が計上され、自宅外から私立大に通う経済的な負担が特に大きい学生を対象に29年度先行実施する予定です。 生活困窮者自立支援法の施行や子どもの貧困に注目が集まる中、地域における子どもの学習支援等で進学をめざす子どもを経済的に後押しする新しい動きに注目が集まります。一方、進学のための経済的な支援だけではなく、進学後および卒業後に、困りごとを抱えず安心して生活していくための“一人ひとりが安心して見通しを持って暮らせる地域づくり”の推進も欠かせない視点ではないでしょうか。 *大学、短期大学、 大学院、高等専門学校 及び専修学校(専門課程) をさす 【マンスリー】2016年11月26日〜12月25日 糸魚川市駅北 大火災害363世帯 に避難勧告 ●新潟県糸魚川市で大規模な火災が発生した。12月22日午前10時20分頃の出火後、強風にあおられ近隣建物に延焼。木造家屋の密集地だったこともあり大規模な火災となった。22日午後20時50分に鎮圧、翌23日午後16時30分に鎮火。25日時点での建物被害は、全焼120棟、半焼4棟、部分焼20棟の計144棟。災害救助法が適用(22日)されている。糸魚川市社会福祉協議会では、23日正午に「糸魚川市災害ボランティアセンター」を立ち上げた。           (12/25) ●民間公益活動に活用するための「休眠預金活用法案」が成立 ●金融機関に預けられたまま10年以上放置された預金等「休眠預金」を民間の公益活動に使うための「休眠預金活用法案」が参議院本会議で成立した。毎年500億円程度が、子ども及び若者の支援、日常生活を営む上で困難を有する者の支援、地域活性化等の支援の3分野に係わる民間公益活動に充てられる見込み。        (12/2) ●介護職員の賃金1万円増へ ●厚生労働省は、平成29年に実施する臨時の介護報酬改定で処遇改善加算を拡充する方針を正式に決めた。介護職員の賃金が平均で月1万円程度上がるよう、加算率の高い新たな区分を創設する。            (12/9) ●現役並み所得高齢者の利用者負担増が大筋容認 ●厚生労働省は来年の介護保険法の改正に向けた意見書をまとめた。現役並み所得のある高齢者に限って3割とすることと、一般的な課税世帯のひと月の上限額を引き上げることについて賛同ないしは容認する意見が多かった。     (12/9) ●小規模保育を5歳まで拡大可能にする方針 ●政府は、国家戦略特区諮問会議において、新たな規制緩和策として小規模保育所の対象年齢を2歳以下から5歳までに拡大することを可能にすると決めた。29年の通常国会に法案を提出する方針。 (12/12) ●障害者虐待相談支援専門員、事業所職員相談・通告が734件 ●厚生労働省は、「平成27年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果)」を公表した。市区町村等への相談・通告件数は、障害者福祉施設従事者等職員による障害者虐待の相談・通報件数が2,160件で、うち虐待の事実が認められた事例は339件だった。相談・通報者の種別では、相談支援専門員、事業所職員(他施設・当該施設)、当該施設事業所設置者・管理者からの相談・通報件数が増加し734件だった。                 (12/16) 【囲み】 「平成28年新潟県糸魚川市における 大規模火災義援金」のお知らせ  平成28年12月22日に発生した大規模火災で被災された方々を支援するために、下記のとおり義援金を募集しています。 ■糸魚川市「糸魚川市駅北大火」義援金募集  受付期間:平成28年12月26日から平成29年3月31日まで ●郵便振替(ゆうちょ銀行・郵便局)  口座記号番号:00130-2-587400  口座加入者名:糸魚川市災害義援金  *その他金融機関振込先等は以下をご確認ください。   http://www.city.itoigawa.lg.jp/item/19827.htm ■新潟県共同募金会  「平成28年新潟県糸魚川市における大規模火災義援金」  受付期間:平成28年12月26日から平成29年3月31日まで ●郵便振替(ゆうちょ銀行・郵便局)  口座記号番号:00140-4-587401  口座加入者名:新潟県共同募金会糸魚川市大規模火災義援金  *その他金融機関振込先等は以下をご確認ください。   http://www.h7.dion.ne.jp/~ni-kyobo/fr_info31.html 【連載】 養成校生徒の入学から   卒業まで 保育士養成校の立場より あらゆる種別で人材不足が喫緊の課題となる中で 本号では、保育士養成校の立場より、 養成校へ入学する生徒の 入学から卒業までの状況について、 彰栄保育福祉専門学校副校長の 加藤啓さんより ご寄稿いただきました。 加藤 啓 Kei Katou 彰栄保育福祉専門学校副校長。 公務員心理職として相談業務や 児童福祉業務に携わる。 退職後、特別養護老人ホーム 施設長などを経て養成校教員となる。 保育士養成施設(以下「養成校」)の多くは、全国保育士養成協議会(略称「保養協」)の会員となっています。平成28年6月現在、会員は全国で521校を数えます。東京都内の会員は60校、内訳は大学26、短大14、専門学校20となっています。都内では、この10年間で14校増えていますが、大学の増加が著しいことがわかります(表参照)。 当校は、保育士養成校であり、かつ文部科学省から幼稚園教員養成機関の指定を受けている修業年限2年、入学定員120人の専門学校です。大学、短大、専門学校という学校種それぞれに、教育の特徴や学生の状況などは異なると思いますが、以下当校の様子をお伝えすることを通して、養成校の理解を深めていただく手がかりの一つとしていただければ幸いです。 入学動機と学校選択 学生たちの入学動機は、大きく3つから成り立っています。一つ目は、自分が通っていた保育園や幼稚園の保育者にあこがれ、自分もそのようになりたいという気持ちを幼少の頃から抱き続けているというものです。二つ目は、自分の周りに小さな子がいて、その子たちの面倒を見るなどするうちに、子どもに興味を持ち保育者をめざすというものであり、三つ目は中学生時の職場体験等で保育園や幼稚園に行き、そこで保育に興味を抱いたというものです。 選択肢として大学や短大もある中で専門学校を選んだ理由ですが、「最短期間で資格を取得し、早く保育者として仕事がしたいから」、「職業に就くための教育という点では専門学校がいいと思ったから」といった声が多く聞かれます。かなり早い段階から保育への興味・関心を強く持ち、保育職に就くことへの意欲が高い学生が入学しているという状況です。 教育と学生指導 専門学校が行う教育の特色は、職業教育の一語に尽きます。厚労省の定める教科目を修めれば保育士資格は取得できるわけですが、それだけで保育にふさわしい人材養成ができるとは限りません。人として、社会人として、子どもの発達を支える専門職として身につけるべき事柄は、教科外の学校生活の中で培われる部分も多いと思います。 当校では、学年を3クラスに分け、それぞれに担任教員を配置し、日頃の学生生活のことはもちろん、個人的な悩み事から家庭問題に至るまで、クラス担任が主に対応します。それらのやり取りを通じて、学生は人間性を高めていくヒントをつかんでくれているものと思います。 また、いくつかの学校行事は、企画から遂行までを学生主体で行っています。学生たちもこれに積極的に取組む姿勢を持ち、初対面の者同士でもすぐに馴染み合い、互いに協力し合って作業をすすめる態勢をつくっていきます。こういった経験をもとにして、学生は、責任感や使命感を持ち、協調・協力して事を運ぶことの大切さを学んでいきます。 就職活動 養成校を卒業した者の就職先については、学校種による違いが見られます。大学では、4割強が保育所に就職するものの、保育・福祉分野以外に就職する者がおよそ25%となっています。短大、専門学校は、保育所に就職する者が半数を超え、保育・福祉分野以外への就職は、20%を切っています(図参照)。 当校では、就職希望者のほぼ全員が保育・福祉分野への就職を希望しており、おおよそ6割が保育所、2割が幼稚園、2割が施設等へ就職しています。このうち、学校と実習契約を結んでいる保育所・施設等に就職する学生は、全体の三分の一ほどを占めます。 人材不足が言われ始めた平成22年頃から学校に寄せられる求人件数が増加し、昨年度は卒業予定者約100人に対して、延べ1千件以上の求人をいただく状況でした。極端な「売り手市場」となっており、中には見学におじゃました時点で内々定をいただいてくるような学生もおります。しかし、学校としては、保育所や施設の運営方針等を十分に理解した上で採用試験を受けるよう指導しています。それは、この点が十分に理解、納得できていない状態での就職は、早期退職・離職につながるおそれがあると経験上感じているからです。 就職活動については、「就職活動の手引き」の配付や全体オリエンテーションの実施、時宜に応じた講座等を開いて、必要な基礎知識やマナーを教えています。また、就職担当の教職員や担任による個別的なサポートも行いながら、学生の希望する方向での活動をサポートしています。 学生たちが受験する際に注目しているポイントとしては、待遇面を気にしないわけではありませんが、むしろ「自分がめざそうとしている保育ができそうか」、「保育所の雰囲気が自分に合っているか」といった事柄、言ってみれば「働き心地」という、数値や目に見える形では表しにくいものを重視する傾向がうかがえます。就職してから後の昇格や組織内での地位などは、新卒者にとっては大きな関心事ではないのかもしれません。 就職した卒業生たちが、しばしば学校を訪ねてくるのですが、その際によく「仕事の大変さ」や「勤務条件・待遇面」が話題になります。どちらも学生時代の実習等で、ある程度は承知できていることではありますが、実際に現場に出てみたら自分の想像を超える経験があったということだと思います。些細な愚痴や悩みかもしれませんが、話に耳を傾けて対応することで、仕事に向けての志気が保たれていくように思えます。 学生にとっての出身校は、仕事を続けていく際のエネルギー等を補給する「母港」に例えることができます。卒業生には、もっと「母港」を活用してもらいたいと思うと同時に、就職先との連携も含めて、それに応えられるフォローアップ体制をつくる必要性を強く感じています。 学園祭教科発表の一場面 【東社協発】 初開催 東社協知的発達障害部会 「いいだばしフェスタ2016」 12月10日(土)、飯田橋セントラルプラザにて、本会知的発達障害部会主催「いいだばしフェスタ2016」を開催しました。本イベントは国連障害者週間の集いとして、今年はじめて開催されたものです。当日は講演会、音楽演奏、福祉施設の物産展、障害者アート展などさまざまな企画が行われ、障害のある当事者の方やその家族、関係者や一般の方など約100名が参加し、にぎわいました。 講演会では、イベントテーマである「いろんなくらしを楽しむ」をテーマに、本人が主体となり活動する本人部会のみなさんや、外部講師の方に講演いただきました。 本人部会の真鍋悦子さんと、社会福祉法人 正夢の会職員の青野修平さんによる「お金の話 年金について」の講演では、「今日セントラルプラザまではどうやってきましたか?交通費はいくらかかりましたか?お昼はいくらかかりましたか?」という切り口からはじまり、障害基礎年金はどのようなものなのか、どんな人がもらえるのか、いくらもらえるのか…と理解を深めていきます。 そして、例えば将来ひとり暮らしになった場合、毎月の生活費はいくら必要で、誰がどのように管理していくのがよいかをシュミレーションし、生活する上でのお金の大切さや管理方法を考えました。 音楽演奏では、クリスマスソングメドレーの他、「大きな栗の木の下で」にのせて体を動かしたり、「故郷」を一緒に歌って楽しみました。 物産展では、各福祉施設でつくったケーキ、せんべい、焼き菓子などの食品類、ストラップ、ビーズ作品、手芸品などの工芸作品などを販売しました。 アート展では、絵画や彫刻などの作品の展示が行われました。 講演の様子 物産展の様子 報告  第65回  東京都社会福祉大会       を開催 平成28年12月16日に東京都、東京都共同募金会、東京都社会福祉協議会の共催により、東京都庁第一本庁舎の大会議場にて東京都社会福祉大会が開催されました。当日は、東京の社会福祉の発展に功績のあった850名(団体)に、東京都社会福祉大会知事感謝状、福祉のまちづくり功労者に対する知事感謝状、東京都共同募金会会長表彰状、東京都社会福祉協議会会長表彰状・感謝状が贈呈されました。 式典では受賞者を代表して、磯野 輝夫様、ひの手話サークル様、傾聴ボランティア「ぐるーぷ・そらまめ」様、三菱電機株式会社様の功績がスライドで紹介されました。 東京都社会福祉協議会会長表彰を受賞された傾聴ボランティア「ぐるーぷ・そらまめ」様は、高齢者施設やひとりぐらしの高齢者のお宅で傾聴活動を行うほかに、福祉施設にて音楽療法を取り入れた「歌おう会」を開催するなど、町田市を中心にボランティア活動を行い、地域福祉の向上に尽力されています。 また、豊島岡女子学園中学校・高等学校 コーラス部による合唱が、大会に華を添えました。 なお、東社協会長表彰・感謝の受賞者名と功績概要は、本会ホームページ (http://www.tcsw.tvac.or.jp/acti vity/taikai.html)に掲載しております。 上:豊島岡女子学園中学校・高等学校   コーラス部による合唱 中:式典の様子 上:東京都民生児童・児童委員キャラクター   「ミンジー」くんも来てくれました 〈応募受付中〉 ゆめ応援ファンド 助成  都内におけるボランティア・市民活動の開発・発展を通じて市民社会の創造をめざすために、必要な資金の助成を行います。 ▼対象 ㈰ボランティア・市民活動団体、㈪㈰の活動を推進している民間非営利団体 ▼助成金額 単年度助成は上限50万円、継続助成は1年につき上限50万円(3年間助成) ▼助成内容 ㈰学習会・研修会の開催、㈪調査・研究の実施、㈫器具・器材の開発・購入、㈬市民への啓発、㈭先駆的・モデル的活動、㈮その他 ▼申込方法 募集要項を入手し、申請書に必要事項を記入し、郵送。申請書は都内のボランティア・市民活動センターやホームページで入手できます。 ▼申込締切 1月31日(火)消印有効(持込の場合は17時まで) ▼申込・問合せ 東京ボランティア・市民活動センター  TEL 03(3235)1171  http://www.tvac.or.jp/news/36874 開催 市民社会をつくる ボランタリーフォーラム  TOKYO2017 地域社会、子ども、貧困、障がいなど、今、社会で起こっているさまざまな課題を取り上げ、その解決に向けて、わたしたち市民にできることを一緒に考えるイベントを開催します。 ▼日時 2月10日(金)〜12日(日) ▼会場 飯田橋セントラルプラザほか(総合受付は10階) ▼参加費 2千円(1分科会のみ参加の場合は1千円)(当日、総合受付にてお支払い/学生割引あり/一部追加料金が必要な分科会あり) ▼内容 多様なテーマで28の分科会を実施します。詳細は、フォーラムホームページをご覧ください。 ▼申込方法 フォーラムホームページより申込み、または参加申込書に記入の上FAXまたは郵送。 ▼申込・問合せ先 東京ボランティア・市民活動センター  TEL 03(3235)1171  FAX 03(3235)0050  ホームページ:http://www.tvac.or.jp/vf/  参加申込書: goo.gl/mtrD9j 【ゆーすけ】 会員施設利用者、併走者、職員が走る 「福祉マラソン大会」を開催したよ! ●本会知的発達障害部会では、11月27日(日)、「第29回心をつなげる福祉マラソン大会」を開催し、ランナー203名、伴走者94名が参加しました。  「無理せず、ゆっくりマイペースで」を合言葉に、荒川河川敷を5kmコースと10kmコースに分かれて、参加者それぞれが自分のペースで一生懸命にマラソンにチャレンジしました。 看護職向けの研修会を開催したよ! ●東京都高齢者福祉施設協議会では、12月9日(金)、看護職員向け研修会「いきいきと働き続けるために」を開催しました。  女性の多い看護職。仕事に加えて、子育てや、親の介護・看護など、一人きりで抱え込んでいる人が多いのでは…?複雑で、複合化した困難・課題に負けず、「看護師さんにいきいきと働いてほしい!」そんな思いから、今回、初めてこのような企画を開催しました。  少人数での参加型の講義から見えてきたものとは!? まず、私自身が幸せになること。そのことを諦めずに、悩み、学びつづけること…。  「シリーズ化を」との声も上がり、今後につなげていきたい研修会となりました。 東社協総務部企画担当では、Facebookで東社協のセミナーや研修の報告、出版物、社会福祉法人の取組みなどさまざまな情報を毎週発信しています。ぜひご覧ください。 https://www.facebook.com/soumu.kikaku.toushakyo/ 【囲み】 平成28年度地域福祉フォーラム 「東京力×無限大」を開催します! 日時:平成29年2月5日(日)午後1時〜5時(受付開始:午後0時30分) 会場(受付):飯田橋レインボービル7階 大会議室 参加費:500円(当日受付でお支払いください) 定員:270名 参加申込み:参加申込書に必要事項を記入の上       FAXまたは、メール(chiiki_07       @tcsw.tvac.or.jp)にて申込み       (1/20(金)締切) 問合せ先:地域福祉部 TEL:03-3268-7186 FAX:03-3268-7222 http://www.tcsw.tvac.or.jp/news/documents/28-chiiki-forum.pdf 【福祉のおしごと】 母子生活支援施設で2つの職種を経験した鈴木綾子さんの おしごとの魅力をお伝えします。 「人ってすごい」と感動できる。 利用者に向きあい寄り添ってきた 鈴木綾子Suzuki Ayako 社会福祉法人東京都福祉事業 協会母子生活支援施設 ハイツ尾竹 支援員 ハイツ尾竹に非常勤職員として入職し、支援員を務める。平成18年から正規職員となり、心理職を務めた後、28年4月から現職。  ジレンマを抱えながらも  利用者に寄り添ってきた 大学を卒業後、非常勤として勤務した後、正規職員となり、支援員から心理職、そして子どもの病気をきっかけにまた支援員に戻るなど、雇用形態や職種、勤務時間等が変わりながらも、ずっとこのハイツ尾竹で働いてきました。こうして続けてこられたのは、家族と職場の理解と協力があったからこそ。本当に感謝しています。 心理職を務めていた時は、利用者へのカウンセリングだけでなく、職員と利用者の間に立つ緩衝材になれるよう努力していました。心理職は施設に1人しかいなかったため、常に施設内にアンテナを張りめぐらせ、利用者はもちろん職員のメンタルヘルスにも気をつけていました。日中から夜遅くまで働いていたので、利用者には「子どものためにも、帰りが遅くなる仕事に就いてはだめだよ」と言いながら、自分は深夜に帰宅して子どもの寝顔を眺める日々が続きました。土日も仕事で遊んであげられなかったのはつらかったです。そのジレンマで、時には利用者に対して「あなたは子どもと一緒にいられるのに」と羨ましく思ったこともあります。それでも、傷ついた母子の回復を精神面から手助けできる、やりがいのある仕事でした。 今年から支援員になったのは、子どもの病気がきっかけです。仕事を辞めることも考えましたが、上司が一緒になって続ける方法を考えてくれて、日中働いて土日も休みやすい支援員に職種を変え、勤め続けています。支援員は職員が複数いるので、「1人じゃない」という安心感があります。ただ、1人の利用者と1対1で向き合い、生活や感情の深い部分まで立ち入る仕事なので、一歩離れて考えていた心理職の時とは違うスキルが求められていると感じています。  教科書と現場は違う世界だった 非常勤の支援員として勤め始めた最初の1年間は怒涛の日々でした。母子生活支援施設について教科書以上の知識がない中、利用者の不安ややり場のない怒りが、暴力や虐待と呼ばれる行為につながってしまうことに衝撃を受けました。授業で習ったマニュアル的な対応は通じないと身をもって知り、支援の難しさや責任を感じました。特に1人で宿直をしている時は、暴力的な行為や争いの場面に直面するのではと気が気ではなかったです。 しかし今振り返ってみると、度重なる緊急事態に対して自分で考え、行動し、反省することを繰り返すなかで、自信や度胸がついたのだと思います。また、数々の失敗を周囲の職員が責めたりせず、「仕方ないなあ」と見守ってくれ、挑戦の機会を与え続けてくれたことも、やる気を持ち続けられた理由です。  母子が立ち直っていく姿に  「人ってすごいな」 長く続けていると、立場や職種だけでなく、自分のもののとらえ方や考え方の変化を感じる場面も出てきます。たとえば自分に子どもができるまでは、仕事をする上で「子ども目線」で考えることが多く、お母さんの出来ないことに目が行きがちでした。しかし、自分自身が母親になってからは「お母さんも大変なんだ」ということが身に染みてわかって、「お母さんの目線」も得ることができました。 また、多くの母子と関わるなかで、子どもは親の状態に強く影響を受けること、母子という単位で支援する意義を実感しています。お母さんが支援を通じて精神的に落ち着くと、自然と子どもの問題行動も少なくなるのです。不安定な状態だった母子がさまざまな支援や経験を通じて立ち直っていく姿には、「人ってすごいな」と感動します。その過程に関われることは、この仕事の大きなやりがいです。 【資料ガイド】 施策・会議資料 ●『東京都児童福祉審議会提言『家庭的養護の推進について』』(福祉保健局/11月) ●『精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則第15条の2第2号の規定に基づき厚生労働大臣が定める研修に係る具体的事項について』(厚生労働省/12月) ●『第14回東京圏国家戦略特別区域会議資料』(内閣府/12月) ●『相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム報告書』(厚生労働省/12月) ●『第70回社会保障審議会介護保険部会資料』(厚生労働省/12月) ●『介護保険制度の見直しに関する意見書』(厚生労働省/12月) ●『第4回子ども家庭福祉人材の専門性確保ワーキンググループ 資料』(厚生労働省/12月) ●『第8回児童虐待対応における司法関与及び特別養子縁組の利用促進の在り方に関する検討会 資料』(厚生労働省/12月) ●『第8回社会保障審議会福祉部福祉人材確保専門委員会 資料』(厚生労働省/12月) ●『第4回地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会 資料』(厚生労働省/12月) ●『第4回・5回生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理のための検討会資料』(厚生労働省/12月) 調査結果 ●『都民生活に関する世論調査』(生活文化局/11月) その他 ●『いのちのバトン—だれかの、だれかの、だれかの私—』(社会福祉法人白十字会特別養護老人ホーム白十字ホーム/11月)  市内小中学校で取組まれている「いのちの授業」において行われた、高齢者介護の仕事を通じての命に関わる話をまとめたもの。 ●『平成28年熊本地震 支援の記録〜都の防災対策の実効性向上に向けて〜』(総務局/11月) 【アンテナ】 助成金 公益信託土肥記念 高齢者福祉基金 申込締切 2月1日〜3月31日 助成対象 板橋区内において、㈰健康増進、教養文化等高齢者の生きがいを高めるための諸活動、㈪介護等の援護を必要とする在宅高齢者及びその介護者の日常生活の負担軽減等を図るための諸活動、㈫施設入所の高齢者の福祉を図るための諸活動、㈬高齢者の福祉を増進するための先駆的な活動を行う団体・個人 助成金額 50万円(1件あたり限度) 助成内容 事業活動費、物品購入費 申込方法 下記ホームページから申請書をダウンロードし、必要書類を添付の上、郵送にて申込 申込・問合せ先 三井住友信託銀行リテール受託業務部公益信託グループ 公益信託土肥記念高齢者福祉基金申請口 ☎03(5232)8910(平日9時〜17時) http://www.smtb.jp/per sonal/entrustment/management/public/ 講座・シンポジウム 本人中心の支援と共生の まちづくり 申込締切 1月27日 日時 2月11日10時〜17時(受付9時半)、12日9時半〜15時半(受付9時) 場所 新宿NSビル NSスカイカンファレンス(30F) 定員 300名 参加費 【両日】正会員:10,000円、情報会員:11,000円、その他:12,000円、学生:6,000円、【1日のみ】正会員:6,000円、情報会員:6,500円、その他:7,000円、学生:3,500円 内容 【1日目】基調講演「歩んできた道」日浦美智江氏(横浜市栄区社会福祉協議会会長、訪問の家前理事長)、シンポジウム「本人中心の支援と共生のまちづくり」〈シンポジスト〉清水明彦氏(西宮市社会福祉協議会)、森川すいめい氏(精神科医)、加藤忠相氏(あおいけあ)、〈コーディネーター〉松永徹氏(翔の会)等 申込方法 所定の申込用紙を郵送、又はFAXにて申込 申込・問合せ先 【申込】京王観光調布支店 〒182−0024 調布市布田3−1−7池田ビル5階 ☎042(484)2881 042(484)1321、【問合せ】全国障害者生活支援研究所(サポート研)事務局 ☎044(271)8788 権利擁護・虐待防止 セミナー 申込締切 1月30日必着 日時 2月13日10時15分〜17時(受付9時半) 場所全社協・灘尾ホール 定員 200名(先着) 参加費 10,000円 内容 講演㈵「これからの成年後見制度〜利用促進と不正利用防止に向けて〜」須田俊孝氏(内閣府成年後見制度利用促進委員会事務局参事官)、講演㈼「障害者の地域生活と権利擁護」石渡和実氏(東洋英和女学院大学大学院教授)、講演㈽「高齢者の権利擁護・虐待防止」岸恵美子氏(東邦大学看護学部教授)、シンポジウム「包括的支援の展開のための関係機関の連携・協働—地域コミュニティの創造に向けて必要なこと」山下公明氏(大阪市住之江区社会福祉協議会地域包括支援センター)、山本繁樹氏(立川市社会福祉協議会地域あんしんセンターたちかわ)、髙木義昭氏(埼玉県社会福祉協議会生活支援課)、笹井康治氏(沼津市市民福祉部福祉事務所こども家庭課)、〈コーディネーター〉平田厚氏(明治大学法科大学院教授、弁護士)申込方法 所定の申込用紙に記入の上、FAXにて申込 申込・問合せ先 【申込】名鉄観光サービス株式会社新霞が関支店 ☎03(3595)1121 03(3595)1119、【問合せ】全国社会福祉協議会政策企画部 ☎03(3581)7889 児童養護施設 事例研究発表会 日時 2月22日10時〜16時半 場所 新宿区立角筈区民ホール 参加費 無料 内容 基調講演「虐待を受けた児童への生活援助の具体的実践(仮題)」玉井邦夫氏(大正大学心理社会学部臨床心理学科教授)、事例発表㈰石神井学園連携型専門ケア機能モデル事業経過報告、㈪事業団児童養護施設より 申込方法 下記ホームページ、又はFAXにて申込 申込・問合せ先 東京都社会福祉事業団 施設経営係 ☎03(5291)3614 03(5291)3616 http://job-gear.jp/jigyodan/ index.htm なぜ、自死の少ない 街には立ち話をする ひとが多いのか 日時 2月24日14時〜16時15分(開場13時) 場所 都庁第一本庁舎5階 大会議場定員 500名 参加費 無料 内容 講師:森川すいめい氏(みどりの杜クリニック院長) 申込方法 申込不要 申込・問合せ先 地域生活支援センターあさやけ ☎042(345)2077、就労支援センター北わくわくかん ☎03(3598)3337、精神保健医療課 ☎03(5320)4464 罪を犯した人の 社会復帰を支える 日時 2月25日13時〜17時 場所 早稲田大学早稲田キャンパス 8号館106教室 定員 700名 参加費 東京社会福祉士会会員・保護司・学生:1,000円、道府県社会福祉士会会員:1,500円等 内容 基調講演「『おかえり。』と迎える—地域で支えるために」奥田知志氏(認定NPO法人抱樸理事長、生活困窮者支援全国ネットワーク共同代表、牧師)、シンポジウム「誰が、どのように支えるか?」永見光章氏(東京都保護司会連合会会長、僧侶)、福田順子氏(更生保護法人静修会・荒川寮施設長、社会福祉士)、才門辰史氏(NPO法人セカンドチャンス代表者、当事者)、〈指定発言〉山田憲児氏(日本社会事業大学特任教授)、〈座長〉松友了氏(法務省東京矯正管区専門職、公益社団法人日本社会福祉士会理事) 申込方法 必要事項を記載の上メール、又はFAXにて申込 申込・問合せ先 東京社会福祉士会/司法福祉委員会 ☎03(6907)0511/090(3108)0358(松友) 03(6907)0512 office@waseda-spike.jp その他 医療と福祉110番 日時 2月7日〜12日10時〜16時 参加費無料 内容 生活のことや病気のこと、どこに相談したらいいのか分からないこと等について、医療ソーシャルワーカーによる電話相談 申込・問合せ先 東京都医療社会事業協会 ☎03(6907)1781 /03(6907)1782 http://www.tokyo-msw. com/ 【本】 NEW  改正社会福祉法資料集 【第4集】 ●本資料集は、平成28年11月28日に開催された「社会福祉法人制度改革の施行に向けた全国担当者説明会」(厚生労働省社会・援護局福祉基盤課)資料です。 ◆規格 A4判/180頁 ◆発売日2016.12.9 ◆定価 864円(税込み) NEW  改正社会福祉法資料集 【第3集】 ●本資料集は、平成28年11月11日付にて厚生労働省社会・援護局福祉基盤課から発出された29年4月施行に向けた通知及び事務連絡をまとめたものです。 ◆規格 A4判/470頁 ◆発売日2016.11.29 ◆定価 1,080円(税込み) 【年頭所感】 東京都社会福祉協議会 会長 青山 佾  協働をすすめ、 地域の力を高める 新しい年の初めに皆様にご挨拶を申し上げます。去る年は4月には平成28年熊本地震が発生し、その後も各地で大きな災害が相次ぎました。その中には自然の猛威により入所者が命を落とすという痛恨の災害もあり、改めて我々も「災害に強い福祉」づくりを着実にすすめていかなければならないと感じるところです。 本年4月には改正社会福祉法が本格施行します。そこでは、ガバナンスの強化がうたわれた訳ですが、ガバナンスには二つの意味があり、一つは企業社会における経営の透明性の考え方、もう一つは行政と市民との協働における協治協働を表すものです。社会福祉法人には、この二通りのガバナンスが大切になります。これまでも地域に根差した活動を行ってきたことを正しく理解してもらうととともに、新たなニーズの解決に対して果敢に取組んでいくことが求められるでしょう。 本会においても、幅広いネットワークを活かし、東社協らしい取組みを皆様とすすめていけるよう、本年もご支援をお願いします。 【くらし】 多様な 価値観に寛容で ありたい 大好きな本を通じて、 さまざまな価値観に 触れる経験をした 山田舞さんに お話をうかがいました。 今から10年ほど前、31歳のときに、司書として青年海外協力隊に参加し、2年間タンザニアへ行きました。 小さいころから本が好きで、司書として図書館に勤めていましたが、海外でも自分ができることをやってみたいと思っていたときに知ったのが、青年海外協力隊でした。 ネパールでの司書の募集に応募し、結果は補欠(登録)でした。その後、タンザニアで欠員が出たと連絡がきました。場所も、公用語のスワヒリ語も知りませんでしたが、ここまで来たのだからと決心し、語学研修を受けた後、現地へ向かいました。 ●本の「楽しさ」を伝える タンザニアでは、図書館や学校で子どもに本の読み聞かせをしたり、お話を通じた情操教育に関するワークショップを学校の先生に行う等、さまざまな活動をしてきました。現地は個人で本を持っている人が少なく、辞書など学習に使う本はよく利用されていましたが、本を楽しみに図書館に来る子は少なかったです。また、子ども向けの良書やきれいなカラーの印刷物があまりありませんでした。そこで、本の楽しさに触れてもらおうと、日本の絵本をスワヒリ語に訳して読み聞かせをしました。 「おおきなかぶ」では、せっかくなら日本語も伝えたくて、「うんとこしょ、どっこいしょ」の部分を日本語で紹介したら、言葉の響きが面白かったようで、子どもたちの間でちょっとしたブームになりました。野菜を引っ張るときの掛け声という意味がきちんと伝わらなかったので、スワヒリ語で読み直したという反省点もありますが、楽しかった思い出の一つです。 ●初めて知る現地の風土 未知の場所だったタンザニアですが、出会った現地の方は皆気さくで、楽しく過ごすことができました。特に高齢者に優しくて、母が遊びに来たときは大歓迎してくれました。 価値観の違いにも触れました。先程の「おおきなかぶ」は、「もっと力のある動物を呼べばいいのに」と、子どもと一緒に読み聞かせ会に参加していた先生が言っていて、現実的な考え方をするなと感じました。折り紙をまっすぐ折らない子を不思議に思いましたが、タンザニアは家の柱が斜めだったので、それなら折り紙も斜めかなと納得しました。他にも、生活のさまざまな場面で、今まで「当たり前」だと思っていたことに、別の見方があると気づかされました。 ●世界が身近な存在に 帰国後、勤めていた図書館に戻りました。国外で大勢の子どもたちと本を通じたかかわりを持てたことから、「本が持つ力」を実感し、日本での仕事の自信につながっています。 また、タンザニアや他の国のニュースに目が向くようになり、世界が身近になったように感じます。こうした変化は、職場の人、友人や家族にとっても同様のようです。タンザニアが「まったく知らない国」から「知り合いが行った国」になり、「仕事で会った人がタンザニアの人だった」など教えてくれます。周りの方にとっても、世界に関心を持つきっかけになったことを嬉しく思います。 ●他者の文化に寛容でいてほしい 現在、司書の仕事をしながら、小学生以下3人の子育てをしています。まだ小さいので、経験を伝える等のことは特にしていませんが、スワヒリ語の数字を教えたことがあります。子どもは英語を覚えたと思っているようで、いつ気づくかなと見守っています。 子どもには、相手の文化に寛容でいてほしいと思っています。広い世界に触れて、自分の考え方以外に多様な価値観があることを知ってくれればと願っています。