【表紙】 東京都 中野区 屋外販売を務める川田さんと小野寺さん 「どれも美味しいですよ!」 選んだパンを手にとるとお腹も鳴るやさしい生地の匂いと笑顔に和み穏やかな空気に包まれるお昼時 【もくじ】 社会福祉NOW 他分野での経験も活かされる福祉職場づくり トピックス 来るべき災害時に備えて互いに連携し考える 【連載】質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・育成・定着(8) 分野をこえて未来の人材へ種をまく(日の出町) (社福)芳洋会/ひのでホーム 施設長 齋藤郁子さん (社福)芳洋会/ひのでホーム 施設長 嶋崎美咲さん 福祉のおしごと通信 (社福)松栄福祉会 まつぼっくり保育園(羽村市)保育士 北嶋明貴さん 【NOW】 他分野での経験も活かされる福祉職場づくり 福祉を専門的に学んだことのない方が福祉職場に就業する機会が増えています。 本会が28年度に実施した調査(※)においては、7割の施設で応募者数が減っている中、施設長からの回答で「他の業界からの転職が増えている」は26.6%、「福祉以外の学校からの新卒者の応募が増えている」は8.7%でした。また、福祉の仕事に対する「具体的なイメージがない人が増えている」(22.5%)ことも指摘されています。今号では、新たに福祉に関心をもち専門職をめざした職員の背景と、多様な人材が成長し活躍していける福祉職場づくりについて考えます。 ※質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・育成・定着に関する調査 「聞き馴染みのない専門用語や略語が分からない」「知識不足により利用者の生活状況の把握が遅れる」「何が分からないかが分からず、何を聞けばいいかが分からない」・・・。これまでに福祉を専門的に学んだことのない職員が業務を行っていく上で、困ることとしてこのような声があります。また、「ある程度は分かっているだろうと思われるが、学んでないので分からない」「福祉といっても、どのような知識を学んでいけばいいのか分からない」「上司が自分に求める成長が自分には見えない」など、これから身につけていくべき知識や成長のイメージが分からないという声もあります。 多くの福祉事業所では福祉系以外の専攻で学んできた新卒者や、他分野からの転職者も積極的に採用しています。東京都福祉人材センター研修室では、平成29年度より独自の取組みとして「はじめて社会福祉を学ぶ福祉職員のためのスタートアップ研修」(3日間)を新たに開始しました。東京都内の社会福祉施設・事業所(都外施設を含む)の職員で、これまでに社会福祉の基礎を学んだことのない方を対象にした研修です。6月に開催された第一回目の研修では、高齢者施設や障害者施設、保育所、社協などさまざまな福祉分野の事業所で働く職員が、3日間の講義やグループディスカッションを通して学びを深めました。 研修受講者からは、事例検討を通して「一つの事例に対してさまざまな意見や考えが出てきて興味深かった」「話し合うことで見方が変わったり共感してもらったり良い刺激があった」「皆で話し合って解決していく事がためになった」という感想や、援助技術について「立ち位置や角度によって相手に与える印象が変わる」「人によって心地よい距離感が違うことに気づいた」「ノーマライゼーションの捉え方が勉強になった」「悪いことをよいことに言い替えるワークがためになった」などの感想がありました。そして、グループワークなどを通じて「さまざまな職種の方が、共通して〝ありがとう〟や〝笑顔〟をもらえることにやりがいを感じていた」という福祉職場の魅力が共有できた点などが印象的なこととして挙げられていました。 これまでの専攻分野に関わらず、自分らしく活躍できる 平成28年度に本会が実施した調査では、初任者が現在の仕事を選んだ具体的な経緯と、最終学歴における専攻分野について尋ねました。そこでは、福祉(社会学系)や家政、医療・看護・薬学、心理などの専攻以外にも、「教育」「文・人文・外国語」「経済・経営」「法学」「理工」「美術・デザイン」「農学」など幅広い分野で学んできた職員が、初任者として勤務している実態がありました。 中学生での職場体験や、これまでのボランティア体験、身近に福祉に関わる方がいた経験などが関心を持つきっかけになった方が多くいます。一方で、前職での経験を通して関心をもったという回答もありました。具体的には、「集合住宅のユニットバスリフォームで地域のケアマネやデイサービスの職員と話す事があり、介護の世界に入ってみようと思った(30代・高齢者在宅SC)」「美容師として働いている時、障がい者や高齢者など、たくさんのお客さまと接する中で、福祉の仕事をして社会に貢献したいと感じた(40代・障害)」「前職で飲食店勤務の経験があり、お客様の高齢化が進んだ時に高齢者に対する関心を持った(30代・特養)」などです。 また、「業務の簡素化、システム化により技能や知識、経験があまり必要とされなくなり、仕事のやりがいが薄れた時、人でないと出来ない福祉の職場で自分の持っている技能等を生かせ、長年やりがいを持ち続けられると考えた(40代・障害)」「一般企業で働いていた時は自分のために働いているという意識が強かったが、この仕事は他人のために働け、結果として社会貢献できていると思える(30代・障害)」「この先どのような仕事が長く続けても必要とされるかを考えた時に、福祉職のニーズの高さが気になった(20代・特養)」「前職では将来に不安があり、『資格が欲しい』『人と接する仕事がしてみたい』『将来性がある』等のことで、前職を退職する時に福祉の仕事が自分のニーズに合っていた(20代・特養)」など、前職では得られなかった「やりがい」や「人とのかかわり」、「ニーズの高い仕事」に魅かれて仕事を選んだという回答もありました。 採用前に福祉を専門的に学んだことがない職員の育成について、施設長向けに尋ねた設問では、費用負担や勤務調整を行いながら、研修や資格取得などを支援している状況がありました。また職場においては、OJTをはじめとする育成プログラムを取り入れていたり、研修内容や項目を個別に設定したり、採用後の教育期間を長めに設定する等の対応も行われていました。 組織の一員として成長を見届ける 昭島市にある(社福)ゆりかご会特別養護老人ホーム「もくせいの苑」では、介護職員は3日間の個別の研修を経てから現場に配属されます。「これまでに何を経験してきたかは面接でもじっくり聞く」と施設長の和泉克郎さんは話します。そして、「『組織』を知っているかは大きい要素。福祉の業界は養成の過程で組織について学ぶ機会がないが、異業種からの転職者などは、福祉の専門的な知識はなくても、組織を知っていることが多い。『木を見て森を見ず』という状態にならないように民間と福祉業界での組織の違いや、法人・施設がめざしているもの、施設の事業計画および活動目標を丁寧に伝える。担っていただく業務についても、組織の中の一員として役割を認識してもらう。そのことが、今後働いて行く上でも職員自身の立ち位置や、考え方の依り拠になると考えている」と言います。 「組織」を意識する方針は、他の職員に対しても同様です。もくせいの苑では、「中・長期計画」と「事業計画」以外に「マネジメントレビュー」を作成しています。施設内には「品質管理」「危機管理」「業務管理」の3つの側面から13の委員会を設置していますが、その中の一つで、施設長を委員長とし、主任職など10名の職員で構成される「マネジメントレビュー委員会」が取りまとめをしています。各フロアや職種ごとの担当業務のレビューや、当年度の施設利用者の入退所の状況、職員の研修受講状況、各委員会の取組みなど組織全体の課題や今後の目標を、年2回の職員全体会議(3月・9月)で報告します。「施設全体の状況についてわからない人には説明し、わかるようになってもらわないといけない」と和泉さんは言います。 また、介護業務など基本的な技術について、「これまでは年2回の自己チェックの実施で終わっていたが、29年度よりできていない部分をどうしたらできるようにしていけるのかを上司と話し計画的に成長していく体制に変更した」と説明します。和泉さんは、さまざまな背景をもった職員がキャリアビジョンを持って成長していくためには「施設の理念と目標を共有したり研修体系の策定も必要だが、個別の育成計画の視点も必要」と言います。そして、「施設の中だけでは足りない部分もあるが、その人の成長のためならどんな方法でもいい。大切なのは、誰がその成長を見届けるのかということ。成長しているのか、何が足りないのか、それがあって初めて一人ひとりの個別育成計画が活かされる」と言います。 さらに、昭島市では、市内5施設の特養が横の連携も図っています。施設長会から派生し、介護職員や生活相談員の研修など同職種間の交流研修も行っています。和泉さんは、「次世代リーダーの育成のために、主任クラスの勉強会も開催している。経営力、統率力、指導力、部下育成力、そして人間性。市内の横のつながりも活かし職員を大切にしながら、少数精鋭で頑張っていきたい」と話します。 これまでの経験で培ってきた得意分野で自信を持ち、新たな専門性を身につけていける。多職種が活躍する福祉職場だからこそ、多様な人材が活躍していける職場づくりが期待されます。 「はじめて社会福祉を学ぶ福祉職員のためのスタートアップ研修」(29年度新規) 一日目:現代社会における社会福祉の位置と役割 二日目:社会福祉の援助技術 三日目:社会福祉の歴史と理念・思想 (社福)ゆりかご会 特別養護老人ホームもくせいの苑 施設長 和泉克郎さん 【トピックス】 来るべき災害時に備えて互いに連携し考える~被災者支援の担い手の集いの場 JVOAD主催「災害時の連携を考える全国フォーラム」 平成29年5月26日〜27日の2日間にわたり、両国の国際ファッションセンターKFCホールにて、特定非営利活動法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(略称:JVOAD)主催「第2回災害時の連携を考える全国フォーラム」が開催されました。NPO、ボランティア団体、行政の職員等総勢506名が集い、災害時の備えや連携について議論しました。 このフォーラムの目的は、災害時にさまざまな支援者の力が最大限に発揮され、被災した地域の実情にあった活動が行われるには、官と民、民と民の「連携」が不可欠であることから、全国各地からさまざまな団体が集う場を設け、災害に備えて平時からの連携をすすめることです。 まず初めに、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科研究科長教授の室崎益輝さんから、「多くの方が助け合いに加わりたいと思っている。しかし、必ずしもそういう状況ではない。〝志は高く、敷居は低く〟本当に参加したいと考えている人たちが参加できるようにボランティア活動の壁を低くしていきたい。また、各団体が尊重しあいながら、政府・行政・企業との距離感をとり、自立した立場を保ち、行政に対してしっかり意見を言い、提案していくことが大切」とボランティア活動がさらに広がることを期待するからこその激励がありました。 過去から学び次への備えを考える パネルディスカッションとして、「阪神・淡路大震災から今日までの災害対応の変遷を振り返る」をテーマに発表がありました。 最初に、主催団体であるJVOADの栗田暢之さんは「阪神大震災以降から振り返ると東日本大震災は特別だった」と話しました。 「社協は災害ボランティアセンターをすぐ設置したが、それだけでは必要とされる機能が発揮できない。災害ボランティア活動を支援する『災害ボランティア活動支援プロジェクト会議(支援P)』とNPO等の支援団体であるJVOADとの連携が深まることによって、はじめて全体的な連携の姿が確立されるのではないか」と話がありました。 次に、社会貢献活動に務める企業等の団体である1%(ワンパーセント)クラブ事務局次長の長沢恵美子さんからは、2つの企業による社会貢献活動の紹介がありました。 食品企業である公益財団法人味の素ファンデーションによる、仮設住宅での移動式料理教室「赤いエプロンプロジェクト」、航空会社ANAホールディングス株式会社による緊急支援時の航空機の無償提供や、顧客から寄付マイルを募ったりと本業を活かした支援活動について紹介しました。これらの事例紹介の中で長沢さんは、「企業が継続的に活動を続けていくためには、『支援の気運づくり』が大切。企業の職員や顧客、ひいては国民が関心・共感を持ち続けるための気運と基盤づくりをJVOADに期待したい」と話しました。 続いて、弁護士の津久井進さんからは、災害時の司法にかかわる支援の報告がありました。「阪神・淡路、東日本、熊本の大震災ではそれぞれ数千件から数万件の法律相談を実施した。発災時には、法律に詳しくない人の橋渡しをした」と話します。 具体的には、法律等の専門的資格を持つ専門職として、法律をわかりやすく伝える「情報提供」、法制度について正しい情報を集める「立法事実収集」機能等、独自の活動を展開しています。「今後は弁護士等の専門職能団体として〝士業〟の立場から災害マネジメント等新たな活動をめざしていく」と話します。 避難所生活を考える 分科会1では、「『避難所・避難生活における支援』について考える〜避難生活で一人ひとりの命と健康と尊厳を守るために〜」をテーマに、避難生活改善についての情報が共有されました。分科会の問題提起者である認定NPO法人レスキューストックヤードの浦野愛さんは、「災害発生後、医療や福祉が直ちに必要な人はそれぞれの専門職が対応する。緊急性は高くないが生活に支障のある『ハイリスク予備軍』ほど震災関連死が起こりやすい」と話しました。さらに、「この段階で支援に動ける人材が不足しているため、行政や医療・福祉、保健等の専門職能団体との連携が不可欠である。被災者の心身の健康被害の防止には、共感し、ともに活動していく方々とのつながり・協働の輪を広げていくことが大切。今後はNPOが支援できることの可視化、研修会の開催、職能・NPOの意見交換をめざすことを考えていきたい」と話がありました。 避難所での支援活動の内容に関するワークショップでは、2人のパネリストによる事例発表とワークショップが行われました。各グループでは、「避難してきた40代外国人男性」等の事例をテーマに、課題解決に向けた具体案を考えまとめ、発表しました。参加者からは「家族と避難出来るように」「宗教上の配慮」「通訳」等のさまざまな支援に関わる際の視点が出されました。同じ災害支援の団体・個人でも専門性や関心領域によって課題の捉え方はさまざまです。ワークを通じて支援者側も多様であり、それぞれの特性を活かしてできることがあることに気づきます。 支援者側も補い合いながら、一人ひとりの被災者の避難生活を支えることが大切です。また、それぞれの専門性を発揮するには、発災前に訓練や研修等普段の取組みを通して関係性をつくっていくことが望まれます。 JVOAD(ジェイボアード)とは 東日本大震災をふまえて、平成25年7月、NPO等の有志が集まり、連携・協働のためのしくみづくりとして「JVOAD準備会」が開始。その後、関東・東北豪雨水害や、平成28年熊本地震への対応を経て、全国規模の災害対応に関わるネットワークや中間支援組織が協力し、平成28年年11月1日にNPO法人化(平成29年6月の構成団体21団体) 災害時の被災者支援活動が効果的に行われるため、地域、分野、セクターを超えた関係者同士の連携の促進および支援環境の整備につとめ、将来の災害に対する脆弱性を軽減することをめざす。 パネルディスカッションの様子 会場内展示 災害関連の記事や新聞 分科会1の様子 ワークショップの様子 【マンスリー】 6/21 児童虐待防止法が改正 虐待を受けている児童等の保護者に対する指導への司法関与や家裁による一時保護の審査導入、接近禁止命令を行うことができる場合の拡大などを盛り込んだ改正児童福祉法及び児童虐待防止法が成立、公布された。 5/27 児童養護施設におけるLGBT対応調査を公表 一般社団法人レインボーフォスターケアは、児童養護施設職員から相談を受けたことをきっかけに、児童養護施設における性的マイノリティ児童の対応に関する調査を実施し報告書をまとめた。 https://rainbowfostercare.jimdo.com/ 5/30 民間企業の障害者雇用率2.3%に引き上げへ 厚労省の労働政策審議会は諮問を受けていた民間企業の障害者雇用率について、現行2.0%から2.3%へ引き上げることなどをおおむね了承した。平成30年4月1日施行。 6/2 ハローワークを通じた障害者の就職件数が増加 厚労省によると、平成28年度のハローワークを通じた障害者の就職件数は、前年9万191件から3.4%増の9万3,229件であった。また、就職率も48.6%と前年比0.4%増だった。精神障害者の新規求職申込件数及び就職件数が増加している。 6/2 政府が子育て安心プランを公表 政府は、自治体を支援し、2年間で待機児童を解消するための予算の確保や、女性の就業率80%に対応できる受け皿の整備をすすめるとして「子育て安心プラン」を公表した。遅くとも3年間で全国の待機児童を解消するとしている。 6/15 認知症とみられる行方不明者、過去最多に 警察庁によると、平成28年に届出を受けた行方不明者の中で認知症又はその疑いがある者は1万5,432人にのぼると発表した。統計をはじめた平成24年から4年連続で過去最多を更新した。 6/21 第7期介護保険事業計画、基本指針を公表 厚労省は来年度からの第7期介護保険事業計画に向けて自治体が計画を立てる際の基本指針の案を公表した。地域共生社会の実現や5月に成立した改正介護保険法の内容も反映されている。 6/21 ホームレス自立支援特別措置法が延長へ 自立の意思があるホームレスに対し、安定した雇用の場の確保、住宅への入居など総合的な支援を行うホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が改正され、平成39年まで延長されることになった。 【連載】 私たちの住んでいる町やこの町で働く人は輝いている―分野をこえて未来の人材へ種をまく 日の出町では町内23施設の協働により自分たちの手で企画から運営まで行う「日の出町ハートワークフェア」をはじめて開催し、大盛況で終了しました。 「未来の日の出町の人材への種まき」として開催されたフェアの様子と、町と仕事に愛着を持って働く福祉職の方の想いをご紹介します。 東京都西多摩郡日の出町は、地域住民が安心して暮らせるよう福祉施設や病院などの施設がたくさんある地域です。しかし、充実した施設数に対し、町の人口の少なさから福祉人材は不足しています。 未来の子どもたちへ種をまく 5月21日(日)、イオンモール日の出で、町内の保育園、障害事業所、介護事業所、病院など、23施設が協働で「日の出町ハートワークフェア(以下、フェア)」を初開催しました。 実行委員代表の(社福)芳洋会「ひのでホーム」施設長の齋藤郁子さんは、「私たちの仕事は人がする仕事であり、心でする仕事という意味を込めて、ハートワークと呼んでいる」として、「このフェアが、日の出町にたくさんのハートワークがあることを子どもたちへ知らせるための種まきと、今は福祉の仕事を離れている方や、これからやってみようかなと考えている方へのきっかけづくりになればと開催した」と話します。 フェアの準備は、保育・障害・高齢の各分野の施設からそれぞれ1名の職員が実行委員となり、各施設の職員を巻き込みながらすすめました。 「何をやっているのかな」を入口に フェアの会場は、人が多く集まる1階メインコートを選びました。施設紹介や車いす体験、相談コーナーだけでなく、ステージでは、職員によるライブやトークセッションを行いました。また、中高生に来てもらおうと、お笑い芸人のものまねライブを企画しました。齋藤さんは「通りがかった人に『何をやっているのかな?』と、まずは足をとめてもらいたかった。その後で、ここが福祉を知るためのきっかけになってくれたらと思っていた」と話します。 当日は中高生、小さい子ども連れの家族、高齢者、家族に介護が必要な人がいる方などたくさんの来場がありました。 参加者に好評だった企画は、町亞聖さんを迎え、東京福祉専門学校生徒や福祉職場で働く職員が登壇し、座談会形式で行われたトークセッションです。専門学校生には「なぜ福祉の勉強をしようと思ったか」を尋ね、現役職員には「今の仕事を選んだきっかけ」や「仕事のやりがい」をテーマに、町さんが話を引き出していきました。 フェア実行委員の一人「ひのでホーム」の嶋崎美咲さんは、「トークセッションはステージを見ている学生が数年後の自分の姿と重ねられるようにと企画した。また、手づくりのマンガを入れた冊子を配布し、興味がわけばすぐに資料請求ができるよう福祉が学べる学校一覧を後ろにつけた。小学生には社協が実施している夏体験ボランティアを案内したり、転職を考えている方には、フェアに参加している職員にすぐ話が聞けるようにするなど、興味を持った方がスムーズに次の行動へすすめるように工夫した」と話します。 齋藤さんは、「地域の方にとって『福祉』=『資格が必要』『専門的』というイメージから敷居が高くなってしまうのではないかと考えた。日の出町の人が日の出町で働いてくれるなら、それが福祉職でなくても、地域の活性化につながる。そのために、今までにないような固くない方法で、福祉に興味のない人も巻き込みたかった」と話します。 分野をこえた連携が生み出す効果 嶋崎さんは、「当日フェアに参加した者だけでなく、裏方としても各施設からたくさんの職員が出てきて頑張った。日の出町は施設同士も、役場や社協などとも日頃から関係が深く、相談しやすくて距離が近い。今回23施設が協働できたのも、このような長年の関係性があるからこそだと思う」と話します。 フェアは大盛況で終了しました。齋藤さんは「すぐに採用に結びついたわけではないが、トークセッションを聞いていた学生が専門学校へ資料請求をしたり、オープンキャンパスに行ったという声も届いている」と話します。そして、「分野を越えて職員同士、法人同士のつながりが生まれたことはもちろん、普段職員が外に向けて発信する機会はあまりないので、やっている側も楽しんでいる姿が印象的だった」とふり返ります。 嶋崎さんは「アンケートの中で『参加している職員の笑顔がよかった』という回答があった。福祉の仕事をしている人の内側から出ている気持ちよさや、雰囲気は会えば感じてもらえるはず。そういうものが伝わってくれたら嬉しい」と話します。齋藤さんは、「職員の笑顔を見て、この仕事が幸せな仕事であることを感じ取ってくれたのかもしれない。日の出町で福祉の仕事をすることを将来の選択肢の一つとして、一人でも考えてくれる若者がいれば嬉しい」と話します。 町の人気者「お年寄リスペクト隊」 フェアのステージでもとても盛り上がりを見せた「お年寄リスペクト隊(以下、リスペクト隊)」は、町内の地域包括支援センターや、各居宅介護支援事業所で働くケアマネ有志職員で結成され、①町民と顔の見える関係づくり、②介護の啓蒙をテーマに活動しています。主に認知症サポーター養成講座や町内のイベントで活躍しており、地域の方から親しまれています。 認知症の方への対応の仕方を伝える寸劇はわかりやすいと大好評です。また、「お年寄リスペクト」の歌とダンスも地域の方にとても人気があります。作詞作曲は(社福)ほうえい会「栄光の杜指定居宅介護支援事業所」の田村泰志さんです。この歌を子どもたちが歌ったり踊ったりする中で、将来自然にお年寄りを大切にする気持ちを持ってくれたらという田村さんの想いが詰まっています。 目的はまじめだけど表現は明るく! リスペクト隊では、介護の仕事に対してポジティブな発信をめざしつつ、自分たちも楽しむことを大切にしています。(社福)芳洋会「在宅サービスセンターひので理想郷」の越沼研さんは、「介護の仕事をしている人たち楽しそうだな、自分も楽しくできるかなと感じてもらえれば嬉しい。そして、楽しいけど心に響くものをやり続けたい」と話します。 田村さんは「町内の三世代がお年寄リスペクトの歌を口ずさみ、踊ったりしながらお年寄りを大切にする心を持つとともに、少しでも介護に目を向けて関心を高めてくれるようこれからも頑張りたい」と話します。 住んでいる人も働いている人も日の出町が好きだから自然に連携できる 医療法人互生会「介護老人保健施設ファミリート日の出ケアセンター」管理者の岡部雅子さんは「日の出町で仕事していてよかったと思う。普段からメンバーに仕事の話を相談できる」と言います。また、「栄光の杜」の橋本真悟さんも「元々よい関係性があったので、自分が新人の時も入っていきやすく、仕事もやりやすかった」と普段からの関係の良さが仕事にも活きていると話します。 他事業所同士の上手な連携について、田村さんは「連携のしくみも大切だが、〝システムより人〟。私たちは皆で一つのものをつくるうちにコミュニケーションが取れていき、相談しやすい関係性ができていった。形式ばっていない連携ができていると思う。顔と顔が見える関係づくりは一番に町民の利益につながる。そして、未来の自分や家族の安心につながっていくと思う」と話します。 ハートワーカーたちがともに手をつなぎ、連携して地域や未来の町の人材へ積極的にはたらきかけをしている日の出町のこれからにますます期待が高まります。 (社福)芳洋会 特別養護老人ホームひのでホーム 施設長 齋藤 郁子 さん(右) 総務部 嶋崎 美咲 さん(左) トークセッションの様子。 進行は介護経験を持つフリーアナウンサーの町さん 23施設がそれぞれ10分間の施設紹介タイム。 「ひのでホーム」は男性職員がダンスを披露 R=Respect・E=Elderly・P=People HP http://www.hinode-love.com/ 【東社協発】 平成28年度 東社協事業報告 平成28年度事業報告及び決算が、5月29日開催の理事会、6月19日開催の評議員会で承認されました。28年度は「協働を進め、地域の課題解決力を高める」を目標に中期計画の初年度として以下に取組みました。 1 安全・安心と自立生活支援の推進 ○地域福祉権利擁護事業は島嶼の町村を各社協による直接実施とし、全区市町村での実施となりました。 ○福祉サービス運営適正化委員会では、区市町村苦情対応機関を対象とした研修を充実強化しました。 ○教育支援資金は過去最高の2千484件の貸付件数となりました。 ○児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業と自立生活スタート支援事業の連携、ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業に取組みました。 ○塚田・太田奨学資金は、原資の全てを取崩し、事業を終了しました。 ○東日本大震災に伴う都内避難者支援として、孤立化防止事業、避難者総合相談事業を実施しました。 ○「生活困窮者自立支援法における地域のネットワークの活用に関するアンケート」を実施しました。 2 福祉水準の向上と幅広い参加の促進 ○経営相談等を通じて、改正社会福祉法に法人が円滑に対応できるよう情報提供の強化に努めました。 ○福祉人材情報事業では、就職フォーラム、次世代に向けた取組みなどを行いました。 ○「東京都福祉人材対策推進機構」の設立総会を開催し、専門部会では具体的な検討を行いました。 ○研修事業では、経営者向けの研修を「キャリアパス等構築経営支援研修」に再構築しました。 ○従事者共済会では、制度の適正な運営のため財政分析を行いました。 ○東京ボランティア・市民活動センターでは、WEBサイトのリニューアル、企業ボランティア、災害ボランティア等を推進しました。 ○東京善意銀行では、フェイスブックなどで情報発信を強化しました。 3 ネットワークの構築と協働 ○熊本地震に伴い、区市町村社協と協働した応援職員、部会を通じた施設職員の派遣を行いました。 ○施設部会では、「人材確保」「地域公益活動」「大規模災害」を共通テーマとした活動を行いました。 ○「東京都地域公益活動推進協議会」を設立し、46地区での地域連携のほか、各法人、地域、広域の三層での取組みをすすめました。 ○災害福祉広域支援ネットワークでは、発災後の具体的な取組みのスキームづくりをすすめました。 ○東京都民生児童委員連合会では、今後の10年間を見据えた「活動強化方策」を策定しました。 4 地域の取組みの支援と普及 ○地域福祉コーディネーターの配置、小地域福祉活動推進のための基盤組織の設置を促進しました。 5 情報発信と提言 ○「災害時における要配慮者のニーズと支援体制に関するアンケート」、「質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・定着・育成に関する調査」を実施しました。 ○地域福祉推進委員会の提言力の強化に向けた検討をすすめました。 東社協新会員のご紹介 ▽東京都高齢者福祉施設協議会 特別養護老人ホーム 桜の里/特別養護老人ホーム 癒しの里 西小松川/至誠ホーム アウリンコ ▽東京都介護保険居宅事業者連絡会 小金井あんず苑 通所リハビリテーション/あんずホームヘルプサービス小金井/ヘルスタウンむかいはら/ライフサポート練馬 ▽身体障害者福祉部会 ひなた和楽館 ▽知的発達障害部会 あだちの里希望の苑(通所)/小金井聖ヨハネ支援センター/障害福祉サービス事業所 ふらっと・すずかけ/妙義もみじ学園 ▽保育部会 北小岩おひさま保育園/桜の詩保育園/おともだち・ララ保育園/富坂まきば保育園/ナーサリー新井宿/明日香保育園/ゆりのこ保育園/鎌田のびやか園/このはな保育園 ▽更生福祉部会 東が丘荘 ▽住民参加型たすけあい活動部会 世田谷ホームヘルプサービス ▽情報連絡会員 コンフォート/上髙保育室/(福)仁生社 法人本部事務局/ボワ・エール/燦燦会/高三学童クラブ/宮代学園 相談支援センター/品川区品川児童学園/ぷっく旗の台教室 「地域福祉推進に関する提言2017」を発行 東社協「地域福祉推進委員会」では、地域住民の多様なニーズに対して、質と量の両面にわたって十分な福祉サービスを提供していくことが求められており、今、その取組みを可能にするための具体的な提言が求められていると認識しています。 そういった視点をふまえて検討を行い、このたび、地域福祉推進のために重点的に取り組むべき事項を「提言2017」としてまとめ、事業者が取り組むべき事項や施策提言として、整理を行っています。 第1部 委員会からの提言 【提言1】質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・定着・育成の促進 【提言2】生活困窮者自立支援法における地域のネットワークの活用に関する提言 第2部 部会・連絡会からの提言 【中期計画】Vol.3 重点目標2 地域の福祉力を高めるための福祉人材の確保・育成・定着と地域社会の担い手づくり 「平成28~30年度東社協中期計画」では、共通目標「協働を進め、地域の課題解決力を高める」のもと「A:3つの重点目標に基づく6つの重点事業」と、「B:各部室中期事業目標・全ての事業の中期事業目標」、「C:法人基盤の強化」に取組んでいます。 今号では、「A:3つの重点目標に基づく6つの重点事業」の中より重点目標2の取組状況についてご紹介します。 (1)福祉人材対策を施設部会連絡会の共通課題に 施設部会連絡会に「福祉人材確保に関する意見交換会」を設置し、部会ごとの工夫した取組みと福祉人材センターの取組みを共有しました。 (2)キャリアパス推進の研修体系の充実強化 経営者向け、職員向けのキャリアパス対応研修の充実強化を図り、メンター制度構築研修を新たに実施したほか、年度途中からの採用者向けの初任者研修等を増やしました。 (3) 「東京都福祉人材対策推進機構」での取組み開始 福祉人材対策のプラットフォームとなる「東京都福祉人材対策推進機構」に参画するとともに、その事務局を担うことにより、人材の掘り起こし、育成、職場定着を総合的に支援する取組みを開始しました。 (4)中高生向けのセミナーへの依頼が増 中学生・高校生を対象にした「フクシを知ろう!なんでもセミナー」では、近隣の施設に呼びかけて授業に出向くセミナー等を行い、のべ29校で2,415人の参加を得ました。 (5)局内プロジェクトで業種横断の調査を実施 施設部会の協力を得て、業種を横断し、かつ、階層を縦断した「質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・育成・定着に関する調査」を実施しました。 (6)ボランティア・市民活動推進機関のあり方を検討 (7)地域福祉コーディネーターの配置促進等を引き続き実施 区市町村社協における地域福祉コーディネーターの配置促進および小地域福祉活動推進のための基盤組織の設置促進に引き続き取組みました。 (8)次世代むけに「一日民生児童委員」を委嘱 「民生児童委員活動普及・啓発パレード」で交通少年団に「一日民生児童委員」を委嘱し、次世代を意識した取組みをすすめました。 次回は、Vol.4 重点目標3 災害に強い福祉の備わった地域づくり です 【おしごと通信】 大人の「楽しい」が子どもの主体性を高め、世界を広げる 絵や音楽などを子どもたちと楽しみながら保育士として働いている北嶋明貴さんのおしごとの魅力をお伝えします。 絵を通じて子どもとかかわりたい 小さいころから絵を描くことが好きでした。「勉強しなさい」と親に注意されても、ずっとノートに好きな漫画のキャラクターを描いているような子どもだったので、最初は絵を仕事にしようと、普通科と美術科が両方履修できる高校に進学しました。でも、勉強を始めると、デザインやインテリアコーディネーターなど、絵を描くこと以外にやりたいことが次々と出てきて、何を仕事にしようか決めかねていました。 そのような中、テーマパークのアルバイトを通じて、子どもと遊ぶ楽しさに気づき始めました。そこで次の仕事として、子どもとサッカーなどができる、幼稚園併設のスポーツクラブに就職しようと面接に行きました。その際、幼稚園を見学したら、子どもたちと先生が楽しそうに絵を描いたり絵本を読んでいて、「良いな」と感じたのです。やはり絵は大好きだったので、子どもとかかわりながら絵も描けて一石二鳥だなと思いました。さらに自分で絵本をつくって子どもと読めたら楽しいだろうと考えました。幼稚園でもアルバイトをしてみましたが、保育の活動時間が長く、よりたくさん子どもたちと触れあえる保育園で働きたいと思い、保育士をめざすことにしました。 大人が楽しんでいることが、子どもの関心を広げるきっかけに 保育士になってからは、マンガのキャラクターを模写した自作の塗り絵や、登場人物を芸能人にアレンジした「森のくまさん」の紙芝居をつくるなど、絵を通じて楽しみながら保育をしてきました。自分が楽しく絵を描いていると、「あき先生、何やっているの?」と子どもたちが集まってきて、「自分もやってみたい」と関心を持つようになります。得意なことでなくても、楽しんでいる気持ちは子どもにちゃんと伝わります。保育園の夏祭りの出し物で、三線という沖縄の楽器を初めて練習し、弾き語りをしたところ、それを見ていた子が、その後、食品の発泡スチロールトレイで三線に見立てた楽器をつくり、真似して歌っていました。どんなことでも、大人が「楽しい」見本を見せることで、子どもは自ら関心を広げ、行動に移していくことができるのだと気づきました。子どもたちには、いろいろなことを自発的に経験してほしいです。そこから好きなことやできることが増えていくといいなと思います。 子どもの成長に寄り添える 子どもが興味を持ったことにチャレンジし、成長していく姿に寄り添えるのは、テーマパークでのかかわり方とは違う、保育士の魅力だと感じます。テーマパークでは、子どもとの出会いは一期一会でしたが、保育士になると、その子の土台となる大事な時期に長くかかわることになります。昨年度まで担当していた子どもたちは3歳から卒園まで受け持たせていただきました。卒園式では泣かないと思っていたのですが、保護者の方が作成した動画を見たら、さすがにこみ上げるものがありました。家族同然の長い時間をともにしたことで、深いつながりができていることを実感しました。 他園の職員との交流 現在、羽村市にある男性保育士の会「ホップの会」に所属しています。メンバー同士交流を深めるだけでなく、父親向けの子育て講座に参加したり、コンサートなどもしています。市内の保育園が一堂に会し、各園の紹介や保育士と遊べるブース等が楽しめるイベント「はむら保育展」にも、ホップの会は劇や音楽の出し物で参加します。施設の枠を越えた横のつながりならではの、多様な活動を楽しんでいます。今はギターが弾けるメンバーから弾き方を教わりたいと思っています。新しい興味への良い刺激にもなっています。 「やってみたい」を諦めない 何事もまず「やってみる」というのは、大人でも大事だと思います。壁が高く感じることもあるかもしれません。私も、保育士になろうと思ったもののピアノが難しくて、実技試験は本当に大変でした。でも、本気で「やろう」と思うと、向き合い方は変わるものです。楽しいと感じることが見つかったら、諦めないでほしいと思います。 これからは、昔からの希望である絵本づくりを実現させていきたいです。登場人物は、先日送り出した卒園生です。卒園にあたり、全員の似顔絵を描いたらとても喜んでくれました。その笑顔が嬉しくて。絵本を通じて、子どもたちが、またさらに自分の世界を楽しく広げていくことを願っています。 北嶋明貴 Akitaka Kitazima 社会福祉法人松栄福祉会 まつぼっくり保育園(羽村市)保育士 羽村市内の私立保育園に在籍する男性保育士の有志団体「ホップの会」所属 木のぬくもり溢れる園舎 まつぼっくり保育園外観 ランチルームには北嶋さんの描いた絵が飾られています 【アンテナ】 助成金 障害児者に対する自立支援活動への助成 ▶申込締切 7月31日(月)消印有効 ▶助成対象 障害児者に対する自立支援活動(難病支援含む) ▶助成金額 200万円(1件あたり限度) ▶申込方法 下記ホームページより申込書をダウンロードし、必要書類を添付の上、郵送にて申込 ▶申込・問合せ先 洲崎福祉財団事務局 〒103-0027 中央区日本橋3-10-5オンワードパークビルディング ☎03-6870-2019 http://www.ntcltd.com/swf/ 講座・シンポジウム 安心な未来をめざして!!高次脳機能障害の啓発と支援 ▶申込締切 8月15日(火)24時 ▶日時 8月27日(日)12時~17時40分 ▶場所 浜離宮朝日ホール ▶定員 400名 ▶参加費1,000円 ▶内容 記念講演:「突然、妻が倒れたら~家族の視点から語る介護生活と社会の支え方」〈座長〉渡邉修氏(慈恵医大第三病院リハ科診療部長、教授、医師)、〈講師〉松本方哉氏(フジテレビ解説委員・キャスター、国際ジャーナリスト)、対談「ご本人たちに伺う~脳損傷からの回復」〈対談①〉長谷川幹氏(三軒茶屋リハクリニック、医師)、ご本人(脳卒中)、〈対談②〉渡邉修氏、ご本人(頭部外傷) ▶申込方法 メールにて申込 ▶申込・問合せ先 東京高次脳機能障害協議会(TKK) ☎03-3408-3798 http://www.brain-tkk.com 1510tkk@gmail.com 地域包括ケア全国実践研究集会 ▶申込締切 8月25日(金) ▶日時 10月7日(土)10時30分~17時 ▶場所 上智大学四谷キャンパス 6号館2階205号室 ▶定員180名 ▶参加対象 地域包括支援センター職員、社会福祉協議会職員、行政職員、サービス提供事業所等の職員、その他全ての相談機関の関係者など ▶参加費 都道府県社会福祉士会員:9,000円、会員以外:1万2,000円▶内容 講演①「社会的結束を促す地域共生社会を創るソ-シャルワーク」髙良麻子氏(東京学芸大学教授)、講演②「地域共生社会を拓くソーシャルワーク(仮)」島村聡氏(沖縄大学准教授)、シンポジウム「地域共生社会を目指して行動するソーシャルワーカー(仮)」〈コーディネーター〉竹田匡氏(日本社会福祉士会理事、釧路町地域包括支援センター)、〈コメンテーター〉髙良麻子氏、〈シンポジスト〉戸枝陽基氏((福)むそう、日本福祉大学客員教授)、三浦知人氏((福)青丘社)、佐藤正枝氏(地域包括ケア推進委員会、燕市分水地区地域包括支援センター管理者・主任介護支援専門員) ▶申込方法 申込書をFAX、又は郵送にて申込 ▶申込・問合せ先 日本社会福祉士会 生涯研修センター ☎03-3355-6541 03-3355-6543 社会福祉法人広報強化セミナー ▶申込締切 8月28日(月)必着 ▶日時 9月11日(月)~12日(火) ▶場所 全国社会福祉協議会 会議室 ▶定員 100名 ▶参加対象 都道府県・指定都市・市区町村社協ならびに社会福祉法人・福祉施設で広報活動を担当するリーダー等 ▶参加費 1万円▶内容 【1日目】基調説明「社会福祉法人等制度改革と社会福祉の広報活動(仮)」笹尾勝氏(全社協政策企画部長)、コース別講義・演習「社協、社会福祉法人・福祉施設のそれぞれの特性にそった広報活動の展開」〈社協職員コース〉河井孝仁氏(東海大学文学部広報メディア学科教授)、〈施設職員コース〉村井祐一氏(田園調布学園大学社会福祉学科学科長・教授)、【2日目】コース別講義・演習「地域における福祉課題の把握と支援展開における広報の役割(仮)」、実践報告:都道府県・指定都市社協の広報の現状と課題、意見交換:地域における公益的事業について都道府県(市)域での取組み ▶申込方法 下記ホームページより申込書をダウンロードし、郵送にて申込▶申込・問合せ先 【申込】名鉄観光サービス株式会社 新霞が関支店 03-3595-1119全国社会福祉協議会政策企画部 広報室 〒100-8980 千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル ☎03-3581-7889 http://www.shakyo.or.jp/ 障害福祉サービス経営セミナー ▶日時 9月8日(金)10時10分~16時半(9時半受付) ▶場所 全社協・灘尾ホール ▶定員 200名 ▶参加対象 障害福祉サービス事業所を経営する理事長、施設長、事務長など施設経営に携わる方 ▶参加費 8,640円 ▶内容 「障害保健福祉施策の現状と課題について(仮)」厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部、「福祉貸付事業の概要について(仮)」(独)福祉医療機構 福祉医療貸付部、「『三方良し』の福祉~作業所・企業・行政をつなぐコーディネート~(仮)」森浩昭氏((公財)広島県就労振興センター副会長、料亭久里川支配人)、「地域コミュニティを活かした障害福祉サービスとは(仮)」雄谷良成氏((福)佛子園理事長)、「経営分析参考指標からみた障害福祉サービスの経営状況(仮)」(独)福祉医療機構経営サポートセンター リサーチグループ ▶申込方法 下記ホームページより申込書をダウンロードし、FAXにて申込 ▶申込・問合せ先 【申込】名鉄観光サービス株式会社 新霞が関支店 ☎03-3595-1121 03-3595-1119 【問合せ】福祉医療機構 経営サポートセンター ☎03-3438-9932 http://hp.wam.go.jp/ その他 第16回定期コンサート新倉壮朗の世界 ▶日時 8月4日(金)19時~(18時半開場) ▶場所 和光大学ポプリホール鶴川 ▶参加費 大人:2,000円、小人:1,000円、幼児:無料 ▶内容 1部:即興セッションデュオ(タケオ&松永貴志)、2部:アフリカンパーカッション(タケオ&ワガン&ボガ&赤井浩) ▶申込方法 電話、FAX、メールにて申込 ▶申込・問合せ先 新倉壮朗コンサート実行委員会 ☎/042-734-7787 http://takeoyume.exblog.jp/26753801/ takeo_yume@excite.co.jp 東京都専門点訳奉仕員養成講習会 ▶申込締切 【請求期間】8月1日(火)~9月8日(金)必着、【申込期間】8月1日(火)~9月15日(金)必着 ▶日時 10月4日(水)~平成30年3月7日(水) ▶場所 日本盲人福祉センター ▶定員 各コース10名 ▶参加対象視覚障害者の福祉に理解と熱意があり、点訳に関する知識と経験を有するとともに、講習会終了後、都内で専門点訳奉仕活動ができる方▶参加費 無料(テキスト代・教材費は実費負担) ▶内容 【コース】英語コース、理数コース、楽譜コース、【内容】①視覚障害者福祉の概要、②ボランティア及び地域福祉概論、③専門図書に関する知識と取扱い、④専門図書の点訳実技、⑤専門図書の校正 ▶申込方法 郵送、又は来館で申込書を請求の上、郵送、又は来館にて申込 ▶申込・問合せ先 【申込】日本盲人会連合 東京都専門点訳奉仕員養成講習会係 〒169-8664 新宿区西早稲田2-18-2 ☎03-3200-6160、【問合せ】東京都福祉保健局障害者施策推進部 計画課社会参加推進担当 ☎03-5320-4147 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/ 第15回読売福祉文化賞 ▶申込締切 9月30日(土)当日消印有効 ▶募集部門 ①一般部門(福祉活動全般を対象)3件、②高齢者福祉部門(高齢者支援活動を対象)3件(活動支援金各100万円) ▶申込方法 下記ホームページより申請書をダウンロードし、郵送にて申込 ▶申込・問合せ先 読売光と愛の事業団 福祉文化賞係 〒100-8055 千代田区大手町1-7-1 ☎03-3217-3473 http://www.yomiuri-hikari.or.jp/ ※この他にも東社協ホームページに各種情報を掲載しています http://www.tcsw.tvac.or.jp/about/keyword/kakushu.html 【くらし】 チームでつくるおいしいパンを、地域に届けたい こだわりの材料と本格的な設備をそろえ、利用者と一緒に地域の笑顔を生み出すパンをつくっているコロニー中野の原順子さんにお話をうかがいました。 きっかけは一台のオーブン購入 しばらく山口県に住んでいたのですが、8年前に東京に戻ってきました。何か仕事を探そうと思っていたところ、たまたま通りかかったコロニー中野でパート募集のちらしを見てすぐに応募しました。 当時はハンバーガーやホットドッグなどをつくっていて、まだパンづくりはやっていませんでした。利用者もスタッフも手が空く時間が結構あったので、「暇すぎて、時計の針が全然進まない!」と、よく話していました。 そんな折、事業所内で「施設整備費で冷蔵庫を買おうと思うんだけど……」という話があったので、「それならオーブンを買いましょう」と提案しました。私は福祉のことはまったく知らなかったのですが、山口にいた頃は身近に手に入る材料でできるパンづくりを教えていたので、小さくてもオーブン1台あればなんでもできると思ったのです。めでたくオーブンが手に入り、ホットドッグの店「ころ・ころ」のパンづくりが始まりました。当初は、週3日、午前中に菓子パン、午後に食パンをつくり、一日の売上げは1万円くらいだったと思います。 得意なことに着目した作業分担 パンづくりには工程がたくさんあります。材料を計量する、こねる、分ける、あんこを丸める、ナッツ類を割る、包む、袋に詰める、製造日のスタンプをシールに押す、シールを貼る……。こうした一つひとつのシンプルな作業を、6人の利用者さんと2人の職員と3人の非常勤職員で割り振っています。 メンバーは私も含めてみんな明るく、常に前向きに作業に取組んでいます。利用者さんの得意なことを伸ばしていこうというスタンスで作業を割り振っていますが、今でも試行錯誤しています。それぞれ得意なことも違うし、向き不向きもあります。本人のやってみたいという意欲があればまず取組んでもらって、それから特性を見るようにしています。個性あるメンバーが集まっていますが、共通しているのは仕事が丁寧で確実なところ。みんなボーっとする時間があるのが嫌なタイプなので、その分一つひとつの作業に手をかけることができます。それが、丁寧さや確実さにつながっているのかもしれません。 地域のフルーツアーティストの方から生フルーツゼリーのレシピを教えていただき、新たなメニューに加えたり、パンづくりと販売が安定してきた頃には、シフォンケーキやクッキーなどのお菓子づくりも始めました。そうするとまた別の作業が発生するので、商品の種類を増やしながら、作業工程のバリエーションも広がっていく形になりました。他にもカフェで提供する季節の食材を使ったジュースづくりに取組んでみたり、作業が単調にならないような工夫もしています。利用者さんには、「ころ・ころ」での一日を快適に過ごしほしいと思っています。一日の中で嫌なことや揉めることもあるけれど、仕事を終えて帰る時には笑顔になっていてほしいですね。 おいしいパンを地域に届けたい 販売時には積極的にお客様とコミュニケーションを取ることを大切にしています。「この間のあれ、おいしかったよ!」といった感想を笑顔で伝えられると嬉しいですし、街の中に顔見知りも増えていきます。実際、利用者さんの方が顔が広いんですよ。また、お客様との会話の中で自然食への関心が高いことがわかったので、それをきっかけに天然酵母のパンもつくりはじめ、今では主力商品の一つとなっています。 福祉作業所のパンだから買ってもらうのではなく、おいしいパンを地域に届けたいという思いから、イーストや小麦粉など材料にもこだわってつくっています。事業が軌道に乗って、売上げも伸びてきたので、製造体制強化のため企業寄付金にてドゥコンディショナー(生地の状態を管理する機械)を導入し、その後企業助成を受け、大型オーブンも設置することができました。利用者さんが「パン屋で働いています」と言っても差し支えない設備が整ったので、これでもっとおいしいパンがつくれます。 現在、コロニー中野は建て替えのため、中野区江原町から鷺宮に仮移転しています。鷺宮では店舗がないので、外部販売のほか週に3日ほど敷地内のキッチンカーで販売しています。売上げは相当落ち込むのではないかと心配していましたが、地域の方が受け入れてくださり、徐々に売り上げも伸びはじめ、感謝しています。 来年4月には元の場所で「ころ・ころ」がリニューアルオープンします。そこで今度は何をやろうか、そしてどんな新しい展開が待っているか、とても楽しみです。 【本】 よくわかる高齢者デイサービス2 デイサービスにおける機能訓練とは 付録CD-ROM付 本来のデイサービス(通所介護)の重要な役割である「機能訓練」に改めて着目し、機能訓練が目指すものや個別機能訓練計画書の作成ポイント等についてまとめました。デイサービスを利用する方々の「その人らしい」生活の実現に役立てていただければ幸いです。 ◆規格 A4判/120頁 ◆発売日 2017.7予定 ◆定価 1,620円(税込み) よくわかる高齢者デイサービス1 デイサービスの支援効果と支援技術がわかる本〔初版第2刷〕 「高齢者デイサービスにおける支援効果と支援技術」でまとめられた結果を実際のサービス現場で活用するために、デイサービス支援効果研究委員会が「職員の研修用テキスト」として作成した書籍です。本書は「ご利用者自らの言葉」を元に作成されており、ご利用者の笑顔を生み出し、在宅生活を支えるためにご活用下さい。 ◆規格 A4判/230頁 ◆発売日 2011.3.29 ◆定価 2,571円(税込み) 困りごとから探せる 介護サービス利用法 地域包括支援センターでよくある相談をもとに、困りごとから使えるサービスを探すことができる「悩み解決!介護サービスナビ」を新たに盛り込みました。 ◆規格 A5判/195頁 ◆発売日 2017.5.1 ◆定価 1,944円(税込み)