【表紙】 鹿児島県 奄美大島油井 豊年祭の日、海に存在する神がシマに上陸し広場に鎮座する。豊年踊りが奉納され相撲、8月踊り六調と祭りは夜中まで続く。 村人は酒を口にしては語り、そして笑う。 【もくじ】 社会福祉NOW 東京の地域福祉コーディネーターが地域共生社会を切り拓く! トピックス 福祉と司法の「文化」の違いを越えたネットワークづくり 【連載】質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・育成・定着(9) 共に学び、改善提案も共有する職員の声が届く職場づくり(国分寺市) (社福)国立保育会 西国分寺保育園 園長 奥野かよさん み~つけた デイサービス DAYS BLG!(NPO法人町田市つながりの開) 【NOW】 東京の地域福祉コーディネーターが地域共生社会を切り拓く! いま、制度だけでは解決できない課題が地域にあります。また、課題の複雑化、深刻化も見られます。 今号では、そうした地域の課題に対し、住民等とともに課題解決に取組み、資源開発や地域のしくみづくりをすすめてきた社協の「地域福祉コーディネーター」の役割・実践をふり返り地域共生社会の実現について考えます。 小地域福祉活動を推進していくために 東社協では、「地域福祉コーディネーター」を「(1)個別支援、(2)小地域の生活支援のしくみづくり・地区社協等の基盤づくり、(3)小地域で解決できない課題を解決していくしくみづくりという三つの役割を担い、一定の小地域圏域にアウトリーチして、住民と協働して問題解決に取組む社協のコミュニティワーカー(専門職)」と定義し、配置・活動促進に取組んでいます。 29年2月には、これまでに地域福祉コーディネーターを配置し貴重な実践を積み重ねてきた文京区社協、豊島区民社協、練馬区社協、立川市社協、調布市社協、西東京市社協の6名の方の座談会を実施しました。座長は都内の地域福祉コーディネーターの養成・活動促進に長く関わってきたルーテル学院大学名誉教授の和田敏明さんにお願いし、各地域から活動をご紹介いただきながら、地域福祉コーディネーターの役割や実践の特徴、今後の展開などについて、話し合いました。 6社協の地域福祉コーディネーターの配置・活動の根拠には、各区市行政の「地域福祉計画」や社協等が中心に策定する「地域福祉活動計画」への位置づけがあります。これにより、住民に身近な地域でのつながりをつくる小地域福祉活動をすすめるとともに、多様な人や団体、機関を柔軟につなぎ、住民とともに解決に向かう地域福祉コーディネーターの必要性が施策として計画に位置づけられ、その配置と活動がすすんできた背景があります。 相談を受け止め地域に返す 練馬区社協の佐藤修男さんは、地域福祉コーディネーターの配置により地域にアウトリーチして住民と顔を合わせる機会が増えたといいます。そして、「これまでは窓口に行かなければ相談できないと思っていた方から『こんなことを話していいのかしら?』と、本人も相談と思っていない相談を受けることや、『心配な高齢者の人がいる』等の地域で気になっていることを聞くことも増えた」と言います。地域福祉コーディネーターの配置で住民の気づきや相談を受け止める機会が増え、さらに次の気づきや相談を促すことにつながっています。 西東京市社協の大賀晴江さんによると、西東京市では、地域福祉コーディネーターを「困りごとなんでも相談窓口」と位置づけ、相談の種別、内容に関わらず、あらゆる相談をワンストップで受け止めています。相談内容として最も多いのはまちづくりや地域活動に関することですが、高齢者や障害者の生活課題、引きこもり、子どもの問題、ごみ屋敷など生活環境、近隣トラブルまで、あらゆる相談が寄せられているそうです。ただし、こうした制度の狭間や一機関では対応しにくい複合的な課題について、必ずしもコーディネーターのみで解決までつなげることが本来の役割ではありません。住民や関係機関と課題を共有し、一緒に考えることで活動や課題解決に向けた動き、新たなしくみづくりがすすみ、それによりさらに地域のあり方が変化することに大きな意味があります。 コーディネーターを支える協力者、理解者(登録ボランティア等)を募集し新たな地域の人材発掘につなげている社協も複数あります。 誰もが地域の一員として 豊島区民社協では、個別支援においてその方のこれまでの生き方を理解した寄り添い支援、ソーシャルサポートネットワークを支える支援を行っています。例えば、ごみ屋敷に住む方の支援を行う際、近隣の方が反発や排除の気持ちを持っていることがあります。大竹宏和さんは「そうした気持ちを持つ方たちに、当事者の方のこれまでの生き方を伝えるなどして、共感を持ってもらうことがとても大切。共感し理解してもらえれば具体的な次の活動につながる」と言います。 調布市社協の前田雄太さんも「福祉サービスが入ることでかえって地域から孤立してしまうこともある。だから、課題を抱える方を一方的に利用者、サービスを受ける側にしない。必ずその方にも地域の中で役割やできることがあるので、住民の一員として一緒になって地域づくりをしていきたい」。そして、「住民の方と何をめざすのか、どういう地域に住みたいのか、プロセスやストーリーを共有し、一緒に考えていくことが一番大事だと思っている」と話します。 このように、地域福祉コーディネーターの活動の特徴は、目の前の当事者の問題を解決することだけでなく、その方の役割創出までめざすこと、また、専門職や専門機関だけで完結せず、あえて住民を巻き込み、住民の「当事者性」や「住民主体」を引き出していくことにあります。 個別支援と地域支援の両輪で 文京区社協の上村紗月さんは「個人の支援と、地域の中で住民が活動するしくみを支援する地域支援の役割とは両輪」だと言います。個別支援で解決までの過程を共有したり、住民の活動を丁寧に支えることで信頼を得て協力者が広がっていくそうです。こうした積み重ねで、地域福祉コーディネーターの役割が認知され、相談や活動が増えています。今は多様な活動づくりや居場所づくりに力を入れており、区内では、住民による空き家活用の居場所づくりの事例も複数生まれています。さらに、区内全域に支援を広げるべき課題に関しては、行政の施策や社協の事業としてのしくみの構築についても提案しています。 立川市社協の枝村珠衣さんは「地域福祉コーディネーターだからこそ領域を超えて関係する人を増やしていくことができる」と言います。一つの事例として、地域包括支援センター(以下、「包括」)で把握した「食べ物に困っている高齢者がいる」という相談と、ホームレス支援のNPO法人とをつなぎ、そこから市内で初めてのフードバンク立上げの動きにつながりました。さらにそのNPO法人の利用者に包括の登録ボランティアメンバーになっていただいたり、市内の社会福祉法人に課題を伝え、就労できる仕事をつくり出してもらったりと、ダイナミックに関係者をつないで、個人の支援や新たな地域内のしくみづくりにつなげています。こうした活動の広がりこそ、地域福祉コーディネーターの活動の醍醐味ともいえます。 連携と協働で地域を拓く 平成27年度から、第6期改正介護保険制度での生活支援体制整備事業における生活支援コーディネーターや、生活困窮者自立支援法上の自立相談支援事業の自立相談支援員等、地域福祉コーディネーターと役割が重なる、あるいは連携・協働する可能性の高い、地域をフィールドとした新たなコーディネーターや専門職が各所に配置されつつあります。また、各分野の専門機関にも、従来の機能や分野、対象を広げて地域に目を向けて活動する動きがあります。座談会では、座長の和田さんは、「役割が重なる部分があってもそのうちそれぞれの役割や協働の方向性が見えてくるので、今は地域をフィールドにする仲間が増えるという視点で、協力して活動するべきだ」と言います。 また現在、厚生労働省で検討がすすむ「我が事・丸ごと」地域共生社会の実現に向けては、地域における住民主体の課題解決力を強化し、包括的な相談支援体制をつくるため、他人事を「我が事」に変えていく働きかけをする機能と、相談を「丸ごと」受け止める場の両方をつくること等がめざされています。こうした動きは、これまで社協、また地域福祉コーディネーターがめざしてきたことと一致します。これまでの活動が今後各地での具体的な実践において大いに活きてくると思われます。 今回の座談会の模様や6社協の活動の状況は、本会にて発行した冊子に収録しています。ぜひご一読下さい。 ※東社協では「地域福祉コーディネーター」という名称で総称していますが、「コミュニティソーシャルワーカー」等、様々な名称で同様の活動をしている職員も含みます。 東京から『我が事・丸ごと』 地域共生社会を切り拓く! 地域福祉コーディネーターの役割と実践~コーディネーター座談会から~ (平成29年7月18日発行) 【トピックス】 福祉と司法の「文化」の違いを越えたネットワークづくり_一般社団法人 東京TSネット 知的障害や精神障害のある方の中には、その特性から犯罪などのトラブルに巻き込まれてしまう方がいます。東京TSネットは、こうした方が安心して地域で生活できるよう、トラブル解決や未然防止に取組む団体です。知的障害や発達障害のある方の権利擁護をすすめるNPO法人PandA|Jが平成20年に開始したトラブルシューター事業の東京版として、平成25年5月に設立されました。障害者施設の支援員などの福祉職や弁護士、当事者家族をはじめ、福祉・司法以外にも地域で暮らすさまざまな立場の方がメンバーとなり、月1回の定例会で勉強会や事例検討等を行っています。 司法と福祉の専門職「更生支援コーディネーター」 東京TSネットでは、福祉的支援が必要と思われる被疑者・被告人を支援する「更生支援コーディネーター」の養成に力を入れています。福祉現場で援助職をしていた方など、平成29年7月現在17名が研修を経て登録し、実際のケースにおいて、アセスメントや更生支援計画書の作成、証人出廷等を行う他、家族にも親の会を紹介するなどの支援をしています。依頼件数は年々増加しており、平成28年度は50件に対応しました。 こうした福祉と司法にまたがる専門職の存在は、双方の分野で求められているものでした。代表理事で社会福祉士・精神保健福祉士の及川博文さんは、「これまで福祉施設で働いてきて、トラブルに巻き込まれてしまう利用者に出会ってきた。オープンにしていないだけで、こうした方に出会ったことがない福祉職はいないと思う。司法と連携した支援の需要は以前からあったはず」と話します。理事で弁護士の浦崎寛泰さんは、障害のある依頼人との出会いから福祉による支援の必要性を感じました。社会福祉士の資格を取得し、福祉との連携を図りましたが、「一緒に活動できる福祉職を探すのが大変だった」と言います。そして、「独立した自営業者である弁護士と違って、事業所に所属し、本業を持つ多くの福祉職は活動に制約がある。弁護士と連携して柔軟に対応できる福祉職が必要だった」と、司法と福祉の違いがある中で、双方の専門性を持つコーディネーターの意義を伝えます。 司法から見た福祉との違いは、他にもあります。同じく理事で弁護士の山田恵太さんは、「勾留中の方の支援で、身体拘束の期間を短くしたいとまず考える弁護士と、丁寧にアセスメントを重ね支援を考えていきたい福祉職とのスピード感の違いを感じた」と話します。また、同じく理事で弁護士の中田雅久さんは、「福祉では再犯の際の引受先の責任を心配する声があるが、弁護士にはない発想だった」と言います。そして、「再犯の際の責任を他人が代わって取ることはできないし、逆に、生活は本人のものなので、本人の意思に沿った支援であることが重要だと考えている。本人が希望し、安心できる生活を送ってもらうことが直接の目的で、再犯防止はその結果だと考えている」と、その理由を話します。 「東京」でつながることから生まれる多様な取組み 福祉と司法の「文化」の違いを感じながらも、ともに取組みをすすめることで、新たな活動も出てきました。弁護士が福祉施設に出向き、触法や刑事事件について講義をする「出前講座」は、ケース対応だけでなく、日常的な相互理解の必要性を感じたことが始まりです。足立区や大田区等に立ち上げた「地域TSネット」では、障害のある方を受入れられる地域づくりについて、各地域の特色をふまえて検討を重ねています。平成29年6月より始動した「当事者の会」は、依存症の当事者ネットワークを参考にしています。前科・前歴を共通項とした当事者が、「今、地域で生活している強み」を実感しながら、主体的に活動することをめざしています。 さまざまな取組みが可能なのは、「福祉」や「司法」といった縦割りがないためです。「『東京』という地域でつながり、アメーバのように広がるネットワークをつくりたい。活動に関心のある人は誰でも参加してほしい」とメンバーは話します。メンバーの一人で社会福祉士の橋本久美子さんは「人が変わるにはタイミングが重要。色々な法律ができても、どうしても『隙間』は生じるので、その部分は市民活動で取組むことも大事」と指摘します。変幻自在で柔軟なネットワークは、制度の隙間を埋めるように地域へ広がり始めています。 毎月開催している定例会。ディスカッションの様子 【義援金】 「平成29年7月九州北部豪雨」における義援金のお知らせ  平成29年7月5日〜6日に九州地方北部で発生した「平成29年7月九州北部豪雨」により、大きな被害が発生しています。 ■大分県:大分県豪雨災害義援金−受付期間:平成29年8月31日まで  ●大分銀行県庁内支店 普通預金:7514445(口座名義は「大分県豪雨災害義援金」) ■福岡県共同募金会:「平成29年7月5日からの大雨災害義援金」−受付期間:平成29年8月31日まで  ●郵便振替(ゆうちょ銀行・郵便局) 口座番号:00980-0-332036(口座名義は「福岡県共同募金会7月大雨災害義援金」) ■大分県共同募金会:「大分県豪雨災害義援金」−受付期間:平成29年8月31日まで  ●郵便振替(ゆうちょ銀行・郵便局) 口座番号:00990-3-236117(口座名義は「大分県共同募金会豪雨災害義援金」) ■中央共同募金会:「平成29年7月5日からの大雨災害義援金」−平成29年8月31日まで  ●銀行振込  ・三井住友銀行 東京公務部 普通預金:0162529(口座名義は「(福)中央共同募金会 災害義援金口」)  ・りそな銀行  東京公務部 普通預金:0126781(口座名義は「(福)中央共同募金会」) ■東京都:平成29年九州北部豪雨東京都義援金−受付期間:平成29年8月31日まで  ●みずほ銀行  東京都庁出張所 店番号:777 普通預金:1067144(口座名義は「平成29年九州北部豪雨東京都義援金」) 「秋田県大雨災害義援金」のおしらせ  平成29年7月22日からの大雨により、秋田県では大きな被害が発生しています。 ■秋田県共同募金会:秋田県大雨災害義援金−受付期間:平成29年8月31日まで  ●郵便振替(ゆうちょ銀行・郵便局) 口座番号:00170-5-634690(口座名義は「秋田県共同募金会秋田県大雨災害義援金」)  ●銀行振込  ・秋田銀行 本店営業部 普通預金:902756(口座名義は「社会福祉法人秋田県共同募金会」)  ・北都銀行 本店    普通預金:304416(口座名義は「社会福祉法人秋田県共同募金会」) ※各義援金の詳細については、受付団体に直接お問合せください 【マンスリー】2017.6.26-7.25 7/5 平成29年7月九州北部豪雨が発生 7月5日から6日にかけて、対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって暖かく非常に湿った空気が流れ込んだ影響等により、線状降水帯が形成・維持され、同じ場所に猛烈な雨を継続して降らせたことから、九州北部地方で記録的な大雨となった。福岡県の2つの特養や、大分県の2つの社会福祉施設が一時孤立した。 6/28 都がユースボランティアバンクを開設 都は、都内の公立学校や児童・生徒を対象に「東京ユースボランティア・バンク」を新たに開設する。各種ボランティア関係機関が募集するボランティア活動や講座等に関する情報などを、登録者(学校、児童・生徒)に発信していく。 7/4 雇用環境・均等局、子ども家庭局を新設 厚労省は組織再編で、①医務技監の新設、②雇用環境・均等局の新設、③子ども家庭局の新設、④人材開発統括官の新設を実施した。「働き方改革」、「少子化対策・子育て支援・児童虐待防止」、「生産性向上」等の課題に的確に対応するための関係部局の再編が目的。 7/5 新オレンジプランが改訂 平成27年1月に関係12府省が共同で策定した認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が改訂され、認知症サポーターを現在の880万人から1,200万人にするなど、平成32年度末までの具体的な数値目標が更新された。 7/6 日本財団が第3の居場所を新設へ 日本財団は、生きにくさを抱える子どもを総合的に支援する拠点「家でも学校でもない第三の居場所」を全国5か所に新設する。すでに埼玉県戸田市、広島県尾道市に開設されてり、5年間かけて全国100拠点の整備をめざす。 7/19 「買い物弱者対策に関する実態」調査結果 総務省の調査によると、買い物弱者の統一的な定義はなく、定義によって推計値に大きな差が見られた。また、事業者等による買い物弱者に資する取組みの実態では、継続には行政の積極的な支援が求められるとし、実態把握と推進体制を整えるなどの環境整備を求めている。 7/20 東京都作成ヘルプマークが全国共通マークに 義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方など、外見からわからなくても援助や配慮を必要としている方々が周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができる「ヘルプマーク」がJIS(案内用図記号)に採用され、全国共通のマークとなった。 【連載】 共に学び、改善提案も共有する職員の声が届く職場づくり (社福)国立保育会は、都内で8か所の保育所を運営しています。法人内各園の職員が共に学ぶ場を設けたり業務改善提案を共有していくことは、職員の声が届く職場として職員の定着にもつながっています。また、職員が安心して働く職場の雰囲気は、受入れた実習生や保育士職場体験ボランティアにも伝わっていきます。 今号では、法人内のモデル園としても日々実践を深めている、西国分寺保育園の質と量の好循環をお伝えします。 西国分寺保育園は、一時保育を実施しているほか、病後児保育室(国分寺市委託事業)を併設しています。その他にも、園児と地域の交流など、地域とのつながりが深い保育園でもあり、日々の様子は、ホームページで紹介しています。 私たちの空気を感じて欲しい 新たな人材に働きかける取組みとして、国立保育会では平成28年度より「保育士職場体験ボランティア」の募集を始めました。新卒者と経験者(有資格者)双方に対して、1日コース(9〜16時)と、半日コース(9〜12時)を設けています。一定額の交通費を法人が負担し、参加回数に制限は設けていません。「日々の保育の中で保育士の姿を見てもらう。まずは、私たちの保育園に入り空気を感じていただきたい。体験者の中には、実習前に、園や保育士の雰囲気を知る機会として活用した学生もいた」と、28年度8名を受入れた西国分寺保育園園長の奥野かよさんは話します。 実習生に対しては、実習期間を通して達成感を得て「保育士になりたい」と思ってもらえることを重視しています。奥野さんは、「以前、『他園の実習が憂鬱な気持ちで終わった』という実習生がいた。本園では『実習が楽しかった。充実していた』と思えるように、職員からの積極的な声掛けと丁寧な指導を心掛けている」と言います。また、実習の内容では、「なるべく地域支援の場面が設定できるように意識している」と言います。西国分寺保育園の特徴を活かし、実習期間中に一時保育室と病後児保育室には必ず1日ずつ入ります。また、在園児が地域と交流する機会があれば同行します。奥野さんは、「最近の学生を見ていると、仕事に〝幅〟を求めているのを実感する」と言います。そして「実際に、実習で地域との関わりを体験した学生の『在園児のことだけでなく地域の方の声も聞けて感激した』という反応が印象的だった」と話します。 養成校に対しては、法人本部が作成するリストを基に、28年度は法人内の各園長が5、6校ずつ訪問しました。養成校から得た最近の学生の状況や特徴、各園が実習生から得た情報は、その後、法人内の園長会で共有し次の取組みに活かしています。 職員が互いに学び合う 国立保育会では、禁止語、否定語、命令語を使わず、子どもの自主性を引き出す保育を行っており、西国分寺保育園は法人内のモデル園となっています。日々の保育に追われがちな中、職員のスキルアップや法人統一の保育をすすめていく機会をどう持つか検討する中で、平成28年度より毎月、各園の指導職や職員が集まり共に学び合う「保育内容統一化研究室」を開始しました。 研究日には、法人内の各園から20名弱の職員が西国分寺保育園に集まり、外部講師として井上さく子先生にも参加いただき、午前は公開保育、午後はふり返り会議を行います。具体的な場面を基に「子どもの自主性を引き出す保育」として環境構成の人的環境、物的環境について、意見交換をします。参加した職員は西国分寺保育園の職員が子どもに穏やかに語りかけ相談し対話しながらすすめていく保育の心地よさを感じ、公開保育やふり返り会議を通じて、たくさんの気づきや学びを自園に持ち帰り、自園での実践につなげていきます。 園内においても同様に、「リーダー会議」「フロアー会議(月1回)」「職員全体会議(月1回)」を活用しながら、他のクラスやフロアーの様子を職員同士が把握し、日々のクラス運営の中で悩むことの意見交換や、ベテラン職員からの経験談を聞く機会となっており、気になることを一人で抱え込まない環境がつくられています。 「園長になりたい」と思えるように 入職1年目は、自分の園の業務をしっかり努めてもらい、2年目以降の職員へは、法人内の交換研修(1日)を実施しています。同期などから話を聞き、「是非、あの保育園の現場が見てみたい」と希望がある場合に手を挙げることが出来ます。現在は保育士のみが対象ですが、栄養士や調理師からも要望があり、現在検討しているところです。 人事異動に関しては、年1回、職員から理事長宛に異動希望や要望を出す機会を設けています。6年目から異動対象になりますが、6年目以下の職員でも異動希望があれば、なるべく希望に沿うようにしています。法人内でも年々運営保育園数が増える中、中堅職員からベテラン職員までが、これまでに培った力を新たな園で活かせる機会にもなっています。「指導職の職員に『園長になりたい』と思ってもらえることを意識している」と奥野さんは話します。 休暇面では、夏休みは5日間、健康休暇は月1回、園長も含め必ず取得しています。休暇の希望日については、行事等を考慮して月ごとに優先するクラスを決める工夫をしています。また、介護や看護、育児を理由とした短時間勤務者は西国分寺保育園では現在4名います。他の職員への朝夕の勤務負担の偏りを懸念しがちですが、法人では、朝7時から7時半と、夕方18時から20時半の時間帯は、1回500円の手当てをつけ、バランスよく平等に働ける方法を考えています。 職員の声が届く職場 国立保育会では、平成29年度から職員の業務改善の一つとして「業務改善提案票」をつくり、職員から業務改善提案があれば、その提案票に記載し園長に提出する取組みを開始しました。業務改善提案一件について、200円の手当てをつけています。西国分寺保育園では常勤職員全員が業務改善提案を提出しました。中間報告として法人内の提案事項約80項目を一覧にし、法人全園が職員へ回覧し周知しています。理事会でも中間報告を行いました。 職員の改善案から実施された一つが「短時間勤務の7時間勤務の枠を一枠から三枠に増やし時間帯の幅を広げて欲しい」という提案です。職員の声が届き、6月の理事会で承認され7月1日から運用が開始されています。また、平成29年4月からは、保育士の業務改善の一つとして書類作成に関わる業務を軽減させる目的で保育内容や児童票の作成をシステム化しました。項目を定め内容を記入する形式にしたところ、数日かかっていた作業が数十分で終わるようになったという声もあります。 職員の声が届く職場で安心して働けることは、保育園で過ごす子どもの安心感にもつながります。そして、その職員と子どもたちの雰囲気は、実習生や保育士職場体験ボランティアなど保育園に足をふみいれる方にも伝わります。こうして新たな人材の循環につながっていきます。 西国分寺保育園 園長 奥野 かよ さん (社福)国立保育会 西国分寺保育園 〒185-0013国分寺市西恋ヶ窪2-18-1(西国分寺駅徒歩4分) 平成20年4月開園 定員125名 「保育士職場体験ボランティアのお知らせ」チラシ 新卒向け(右)と、経験者向け(左) 実習生の様子もホームページで紹介 新年度、理事長もクラスに入りながら新任職員の様子を見守ります 研究日の様子。午前中の公開保育をふり返る。 外部講師として井上さく子先生に関わっていただいている。 【東社協発】 報告 地域のニーズに応える!― 東京都地域公益活動推進協議会 事業説明会 7月4日(火)、東京都地域公益活動推進協議会(以下、推進協)の事業説明会「地域のニーズに応える!」が、飯田橋セントラルプラザで開催され、約80名が参加しました。 推進協は、東京都における社会福祉法人の連携による地域公益活動を推進するため、平成28年9月に設立されました。東社協会員事業所等を運営する社会福祉法人296法人1千038事業所(平成29年6月末現在)に加入いただき、地域のニーズや制度の狭間の課題に取組んでいます。 当日は、推進協の概要や広域連携事業「はたらくサポートとうきょう(中間的就労推進事業)」に関する説明と、推進協がすすめる3層の取組みについて、板橋区内の社会福祉法人3法人から実践報告が行われました。 実践報告では、まず第1層(各社会福祉法人)の取組みとして、(社福)北野会「特養マイライフ徳丸」の高麗正道さんから、特養・障害者施設・保育園・社協によるイベント「わくわくまつり」の実施と日常的な連携について、次に第2層(区市町村域)の取組みとして、板橋区社協の富澤千恵さんから、「オール板橋」のネットワークづくりとその取組みについて、それぞれ報告がありました。 第3層(広域)「はたらくサポートとうきょう」については、(社福)三祉会の田中正己さんと三谷えり子さんから事例が紹介されました。「はたらくサポートとうきょう」は、はたらきたいけれどはたらきにくい方に中間的就労の場を提供し、ともにはたらくことをめざす広域連携事業で、28法人93事業所(平成29年6月現在)にご登録いただいています。 三祉会の保育園では、清掃や花の水やりなど園内の仕事を切り出し、障害のある方の就労を受入れてきました。就労支援機関等と連携しながら、職員によるサポートチームを中心に園全体で取組みをすすめています。三谷さんは、「保育所として、子どもの安全や保護者の安心を得ながら何ができるか考えていたとき、『仕事の切り出し』を知り、受入れの可能性に気づくことができた。現在はたらいている方は、今までモップ掛けだけだった階段掃除で、雑巾掛けもする等、丁寧な掃除をしてくれていて、今では園になくてはならない存在である」と話しました。 推進協では、今後も研修会や実践事例発表会など、さまざまな企画を予定しています。 東京都地域公益活動推進協議会にご参加ください 推進協では、東京都における社会福祉法人の連携による地域公益活動を一層推進していくため、ご参加いただける法人を随時募集しております。 詳細はホームページをご参照ください。 「東京都地域公益活動推進協議会」へのご参加について(ご案内) https://www.tcsw.tvac.or.jp/kokenshien/koiki/tiikikouekikanyu.html 報告 平成29年度児童部会 養成校等との懇談会 6月30日、東社協児童部会「人材対策委員会」主催「社会福祉養成校等と児童養護施設との懇談会」が児童養護施設「星美ホーム」(北区)で開催されました。情報・意見交換や、学生の現状を知り今後の人材対策に役立て、実習受入れ等の相談の場とすることを目的に施設、養成校等の実習担当者が約100人集まりました。 児童部会では平成27年度から、「人材対策特別委員会」を設置し、人材の確保・育成・定着にかかわる課題について検討してきました。今年度から人材対策を長期的な取組みと捉え、新たに常設の「人材対策委員会」としました。 前半は、東京における社会的養護の現状ついて施設側から説明がありました。平成20〜25年度での社会的養護児童数は3千900人台と横ばい傾向にあり、近年では、発達や知的に課題がある子どもが増加しています。また大舎制から小舎へと施設の小規模化がすすみ、子どもに家庭的な生活支援ができるようになると同時に、多くの職員が必要になり、人材不足が発生しています。 実習生に望むこととして「生長の家神の国寮」の増子雄治さんは、「小規模化で職員と子どもとの関係が密になり、実習生等の外部の方が生活する場面に入る難しさが出てきている。しかし、子どもの気持ちに配慮し寄り添って、一つでも手応えを感じて欲しい」と言い、「そのためにも将来の担い手である学生の人材育成も大きな仕事だと肝に銘じていく」と話しました。 後半は、12グループに分かれての討議の時間でした。養成校からは、実習生への事前指導に必要なことや、実習受入れ時期等について質問が挙がりました。施設からは、実習生自身が就職先を選ぶ際の理由等、人材育成や定着のヒントを得るための具体的な質問・要望等がありました。 最後に、児童部会制度政策推進部部長で二葉むさしが丘学園施設長の黒田邦夫さんは「実習生は人材であり、実習は育成の場である。今後は実習体制をより整え、実習生の受入れ人数を増やし、人材を育てていく環境づくりに積極的に取組んでいきたい」と語りました。 今後は、施設見学会や説明会を開催するほか、要望に応じて養成校への講師派遣も行う予定です。 グループ討議の様子 【ゆーすけ】 祝100周年 全国民生委員児童委員大会を開催したよ! 7月9日〜10日、民生委員制度創設100周年記念 全国民生委員児童委員大会が東京で開催されました。 全国から集まった民生委員児童委員約1万人の皆さんにとっての実りある大会となるよう、東京の民生委員児童委員が一丸となってお迎えし、大会運営を支えました。 「福祉の仕事 就職フォーラム」を開催したよ! 7月17日(月・祝)、東京国際フォーラムにて「福祉の仕事 就職フォーラム」を開催しました。今回は都内104法人が出展し、来春卒業予定の学生や社会人など約480名にご来場いただきました。 【中期】Vol.4 重点目標3 「災害に強い福祉」の備わったまちづくり 「平成28~30年度東社協中期計画」では、共通目標「協働を進め、地域の課題解決力を高める」のもと「A:3つの重点目標に基づく6つの重点事業」と、「B:各部室中期事業目標・全ての事業の中期事業目標」、「C:法人基盤の強化」に取組んでいます。 今号では、「A:3つの重点目標に基づく6つの重点事業」の中より重点目標3の取組み状況についてご紹介します。 (1)「東京都災害ボランティアセンターアクションプラン推進会議」のプラン3年目の運営 5か年のアクションプランの3年目の取組みとして、社協のブロックに基づいたNPO・NGOの担当制の取組みなどにより、ネットワークの構築をすすめました。また、広域での災害ボランティアに関する訓練を引き続き、企画実施しました。 (2)「東京都災害福祉広域支援ネットワーク推進会議」の運営 27年度までの検討をふまえ、大規模災害における福祉専門職等の応援派遣等を行う施設部会、社協部会、職能団体、区市町村によるネットワークを推進しました。28年度は「施設部会との大規模災害発生時の福祉専門職等の広域派遣等に関する意見交換会」「職能団体のヒアリング」等を実施し、災害時の福祉専門職の派遣のしくみについて検討をすすめました。 (3)災害時要配慮者のニーズと支援対策に関する区市町村アンケートで、東京の特性を把握 28年9月に都内区市町村要配慮者対策に関する主管課を対象に「大都市東京の特性をふまえた災害時における要配慮者のニーズと支援対策に関する区市町村アンケート」を実施し、東京における災害時要配慮者と供給体制の課題を把握しました。 次回は、Vol.5 地域福祉推進委員会「提言2017」についてです 【みーつけた】 「働きたい」や「社会とつながりを持ちたい」を“かたち”に―心の底から通いたいと思える、次世代型デイサービスの可能性_デイサービス DAYS BLG! デイサービス DAYS BLG!(NPO法人町田市つながりの開) 町田市成瀬台3-15-19 B=バリア、L=ライフ、G=ギャザリング(集いの場)という意味を持つ。ちなみに「!=エクスクラメーション」には発信という意味を込めています。 町田市の静かな住宅街にあるデイサービス「DAYS BLG!」(以下、BLG!)は、「自分で選ぶ」を大切にした本人主体のデイサービス。特に若年性認知症の方の利用が多く、現在50代~90代の方が25名通っています。 BLG!での過ごし方は他のデイサービスと比べて少し変わっています。NPO法人「町田市つながりの開」理事長の前田隆行さんは、「ここでは時間稼ぎのレクはしない」と言います。一例として、カーディーラーでの洗車、ポスティング、企業パンフレットの折り込み作業、八百屋の配達の手伝い、BLG!内の書類整理や清掃、昼食の買い出し等の活動から、本人がその日の過ごし方を決めます。働いて給料を得るのは自然なこととして、中には対価として謝礼が発生するものもあります。 昼食についても「どこで・何を食べるか」は自分次第。BLG!の中でお弁当を食べる方もいれば、もちろん外食もできます。人気があるのはカラオケ店で歌と昼食を楽しむ「カラオケランチ」です。 「認知症だけど、まだ働きたい」 前田さんは以前、ある若年性認知症の方から「働きたい」と言われたことをきっかけに、認知症の方が働くこと、その自然な流れとして給料を得ることについて考えるようになりました。しかし、その頃はまだ介護給付を使いながら利用者が対価を得ることは認められておらず、前田さんは国へ直談判を始めます。そして5年をかけてやっと、「最低賃金を越えない範囲で」という条件の下、介護保険サービス利用者が謝礼を得ることが可能になったのです。※1 社会とのつながりをつくる 平成24年、前田さんはBLG!を立ち上げます。前田さんは、「『仲間がいる場所をつくる』『働きたい、を形に』というベースは変わらずに、労働だけにこだわらず、『人や社会の役に立ちたい』、『家やBLG!など所属している場所の役に立ちたい』など、ここが通ってくる方の想いを形にする場所になることをめざしてやってきた」と話します。 洗車の仕事は、前田さんが何度も店舗に通って交渉し、現在は週6日、1日6~18台の洗車を行い月に3万円の謝礼を得ています。 聞いて終わりにしないで 6月28日(水)、めぐろパーシモンホールにて、「NPO法人認知症ラボ」と「町田市つながりの開」が共催した「認知症の私たちのスペシャルトーク 認知症になっても人生は終わらない」が開催され、約200人が集まりました。 若い頃は海外を飛び回って仕事をしていたAさんは、3年前に若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。Aさんは、「私もそうであったように、認知症の人は孤立しがち。BLG!のように社会とのつながりがキープできているという感触が持てる場が地域にたくさんできるともっと暮らしやすくなる」と話します。 また、若い頃からスポーツが好きだという小山伸朗さん(69歳)は、「普段、自分のことを『認知症だから』と不安になることはない。働いているし、なんでも話せる仲間もいる。だから自分が認知症であることを人前で話すことに抵抗はない」と言います。Aさんは「自分が話すことで人が変わっていくのなら、自分が認知症であることを隠したいと思わない」と当事者が発信する意義を話します。 前田さんは、「当事者が発信する場は増えてきているが、『聞いて終わりにしないで』ということを参加者に伝えていきたい」と話します。そして、「BLG!は来ることが目的ではなく、通って来る方の『働きたい』や『社会とつながりを持ちたい』という想いを実現してもらうことが目的のデイサービス。これからもメンバーが心の底から通いたいと思える場所をめざしていきたい」と熱い想いを話します。 ※1 2011.4.15厚生労働省老健局通知 www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000198ww.html 【資料ガイド】 施策・会議資料 ■高齢運転者交通事故防止対策に関する提言(警察庁/6月) ■人が生きる、人が輝く東京へ 重点政策方針2017(東京都/7月) 東京都は、ダイバーシティ実現に向けて都市の活力の源となる「人」に着目し、妊娠、出産、子育て期、中高年、高齢期などライフステージの移り変わりに応じて質、量ともに充実し、多様な選択が可能となる8つの戦略を展開するとしている。 ■第85回 社会保障審議会 障害者部会資料(厚生労働省/6月) ■第3・4回 社会保障審議会 生活困窮者自立支援及び生活保護部会 資料(厚生労働省/6~7月) ■全国介護保険担当課長会議 資料(厚生労働省/7月) ■第142・143回 社会保障審議会 介護給付費分科会資料(厚生労働省/7月) ■第2~5回 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(平成30年度改定)資料(厚生労働省/7月) 調査結果 ■平成28年 国民生活基礎調査の結果(厚生労働省/6月) 高齢者世帯は1,327万1千世帯で全世帯の26.6%となり、世帯数、割合ともに過去最高となった。また、相対的貧困率は15.6%で平成24年から0.5ポイント低下、子どもの貧困率も13.9%で24年から2.4ポイント低下となった。 ■『外国人患者受入れ医療機関認証制度』の認証取得後の受入れ対応状況に関する調査の結果(厚生労働省/6月) 認証を取得した医療機関へのヒアリング結果。日本語による意思疎通の難しい外国人患者を円滑に受け入れるため、コーディネーターが院内各部署を横断的にサポートし、受入れ課題に伴う課題を集約・共有化して解決する体制や、翻訳アプリなどのツールを活用していることがわかった。 ■平成28年度版 働く女性の実情(厚生労働省/6月) 平成28年4月に「女性活躍推進法」が全面施行されたが、女性の労働力率や役職者に占める割合、就業形態、働くことに対する意識などには地域ごとの特徴がみられることが明らかになり、女性の活躍をすすめる上では地域の実情に応じた施策の展開が重要であることがわかった。 その他 ■社協・生活支援活動強化方針(全国社会福祉協議会/7月) 【アンテナ】 助成金 ボランティア活動助成 ▶申込締切 9月15日(金)消印有効 ▶助成対象 (1)高齢者、障がい児者、児童等への支援活動及びその他の社会的意義が高いボランティア活動、(2)「東日本大震災」及び「平成28年熊本地震」の被災者支援のボランティア活動(社会福祉協議会等のコメント必須) ▶助成金額 30万円(1件1団体あたり限度) ▶申込方法 下記ホームページより申込用紙をダウンロードの上、郵送にて申込 ▶申込・問合せ先 大和証券福祉財団 〒104-0031 中央区京橋1-2-1大和八重洲ビル ☎03-5555-4640 http://www.daiwa-grp.jp/dsf/ チャリティプレート助成金 ▶申込締切 9月30日(土)必着 ▶助成対象障害者が通う小規模作業所、アクティビティセンターなどで、特に緊急性が明確である団体▶助成金額 50万円(1件あたり限度) ▶助成内容 設備・備品・車両費 ▶申込方法 所定の申請書に必要書類を添付の上、郵送にて申込 ▶申込・問合せ先 日本チャリティプレート協会 〒166-0012 杉並区和田1-5-18アテナビル2階 ☎03-3381-4071 http://www.jcpa.net/jcpa/ 東京海上日動あんしん生命 奨学金 ▶申込締切 10月31日(火)消印有効 ▶助成対象 疾病により保護者を失った遺児で、高等学校等から大学等への進学希望があり、経済的理由により援助を必要としている(1)平成30年4月に満21歳未満、(2)申請時における保護者の前年度の年間世帯収入金額が550万円を超えない方 ▶助成金額 年間30万円 ▶申込方法 下記ホームページから申請書をダウンロードし、郵送にて申込 ▶申込・問合せ先 日本フィランソロピー協会「東京海上日動あんしん生命 奨学金制度」事務局〒100-0004 千代田区大手町2-2-1新大手町ビル244 ☎03-5205-7580(平日9時半~18時) http://www.philanthropy.or.jp/ 講座・シンポジウム 最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会 ▶日時 9月3日(日)10時〜16時半(9時15分開場) ▶場所 東京富士大学二上講堂 ▶定員 500名 ▶参加対象 医療、介護職、および街づくりに興味を持った一般の方 ▶参加費 3,800円(当日:5,000円) ▶内容 【開会挨拶】唐澤剛氏(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局 地方創生総括官)【基調講演】「食支援による京の町づくり」荒金英樹氏(医師、京滋摂食嚥下を考える会代表)、【講演】「新宿流『最期まで食べることを楽しむ街づくり』実践法」五島朋幸氏(歯科医師、新宿食支援研究会代表)、【多職種フォーラム】「最期まで口から食べるためにすべきこと」木村晶子氏(看護師)、篠原弓月氏(歯科衛生士)、佐藤亜沙美氏(言語聴覚士)、越後雅史氏(理学療法士)、山上智史氏(福祉用具専門相談員)、赤木由紀子氏(管理栄養士)、【パネルディスカッション】 ▶申込方法 下記ホームページより申込 ▶申込・問合せ先 新宿食支援研究会 http://shinnshokukenn.org/ 若年性認知症フォーラム ▶申込締切 9月4日(月) ▶日時 9月16日(土)13時〜16時(12時半開場) ▶場所 目黒区役所2階 大会議室 ▶定員 100名 ▶参加対象 目黒区民、企業人事、産業医など ▶参加費 無料 ▶内容 【基調講演】「若年性認知症の早期診断と就労支援」荒井平伊氏(順天堂大学大学院医学研究科 精神・行動科学教授)、【情報提供】「若年性認知症と診断されたら〜活用できる制度とサービスを支える人〜」駒井由起子氏(NPO法人いきいき福祉ネットワークセンター理事長)、【ワイドミーティング】「若年性認知症になっても私らしく生きるには?働き続けるために支える、社会のために活躍したい」神山昭男氏(医療法人社団桜メデイスン有楽町桜クリニック院長)、清塚鉄夫氏(国家公務員共済組合連合会三宿病院神経内科部長)、佐藤こづえ氏(東芝総合人材開発株式会社管理部) ▶申込方法FAX、又は電話にて申込 ▶申込・問合せ先 目黒区役所地域ケア推進課 ☎03-5722-9702 03-5722-9062 日本早期認知症学会学術大会 ▶申込締切 事前参加登録:9月13日(水)正午 ▶日時 10月14日(土)~15日(日) ▶場所 KFCホール ▶参加費 【会員】医師・歯科医師・鍼灸師:9,000円(当日:10,000円)、他:4,000円(当日:5,000円)、【非会員】医師・歯科医師・鍼灸師:10,000円(当日:11,000円)、他:5,000円(当日:6,000円) ▶内容 (予定)【特別講演】①「アルツハイマー病に対する免疫療法の開発状況と機能性食品による補完」、②「認知症(AD、DLB、FTD)の診断:学際的アプローチ(バイオマーカーを中心に)」、③「認知症患者さんのための地域医療連携と在宅生活支援 地方における医療・福祉施設のこころみ」、【教育講演】「Dementia Friendly Communityとは何か」、【シンポジウム】(1)「早期診断と地域包括ケアシステム~認知症疾患医療センターとの連携~」、(2)大会長特別企画「FTD患者への今後の在宅医療・介護シンポジウム」、(3)「認知症と権利擁護」、【共催セミナー】(1)「認知症初期集中支援チーム事業と認知症リハビリ」、(2)「高次脳機能障害と認知症~ICTによる評価システムの有用性~」、【市民公開講座】「認知症に立ち向かうためのシンポジウム」 ▶申込方法 下記ホームページにて申込 ▶申込・問合せ先 【大会事務局】コーラルクリニック ☎03-5844-3133、【運営事務局】ウィアライブ コンベンション事業部内 ☎03-3552-4170 http://www.18jsed.com/ 介護サービス事業者支援研修会 ▶日時 (1)平成30年1月18日(木)12時半~16時05分(11時半受付)、(2)平成30年1月25日(木)12時半〜16時05分(11時半受付) ▶場所 (1)文京シビック大ホール、(2)ルネこだいら大ホール ▶定員 (1)1,800名、(2)1,200名▶参加対象 都内介護(予防)サービス事業所、介護予防・日常生活支援総合事業事業所の管理者等 ▶参加費 無料 ▶内容 「看取りについて考える〜平穏死のすすめ〜」石飛幸三氏(世田谷区立特別養護老人ホーム芦花ホーム常勤医師)、「改正、個人情報保護法を知っていますか?〜苦情対応、リスクマネジメント、介護記録の書き方まで、介護事業者が抑えるべきポイントについて〜」髙村浩氏(髙村浩法律事務所弁護士) ▶申込方法 下記ホームページにて申込 ▶申込・問合せ先 東京都国民健康保険団体連合会 介護福祉部介護相談指導課 ☎03-6238-0173 http://www.tokyo-kokuhoren.or.jp/ その他 第16回渋沢栄一賞 ▶申込締切 9月8日(金) ▶対象 渋沢栄一の精神を受け継ぐような企業活動と社会貢献を行っている、地域に根差した企業の経営者(国・地方公共団体、関係団体等からの推薦による) ▶申込方法 下記ホームページから書類をダウンロードの上、郵便(簡易書留)、メール、又はFAXにて申込 ▶申込・問合せ先埼玉県産業労働部産業労働政策課 渋沢栄一賞受付担当 〒330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1 ☎048-830-3726 048-830-4818 https://www.pref.saitama.lg.jp/ a3710-02@pref.saitama.lg.jp 第11回歯ミカップ大会 ▶申込締切 9月8日(金) ▶日時 10月19日(木)13時半〜15時 ▶場所 東大和市ロンドみんなの体育館 ▶参加対象 多摩立川保健所管内6市(立川市・昭島市・国分寺市・国立市・東大和市・武蔵村山市)の歯と口の健康づくりに熱心に取組んでいる障害者(児)及び施設 ▶参加費 無料 ▶内容 障害のある方の歯と口の健康づくりを応援するイベント(表彰・取組発表等) ▶申込方法 下記ホームページ、又は電話にて申込 ▶申込・問合せ先 歯ミカップ実行委員会事務局(多摩立川保健所内 企画調整課保健医療担当) ☎042-524-5171 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tthc/index.html 【くらし】 多くの人に正しい情報を届けたい 慢性疲労症候群(CFS)当事者として、同じ病気をもった人を支える活動をしている佐藤まゆ子さんにお話を伺いました。 私が発症したきっかけは、平成19年33才の時に罹患した「はしか」でした。回復後も異常な体調不良が続いたのですが、どの病院に行っても「異常なし」。休職もできませんでした。前年までフルマラソンを完走していた私が、会社までのたった15分の道のりで息が切れてしまう。また、仕事ではパソコンを使った作業や、経費精算等に以前の倍以上の時間がかかるようになりました。数字を理解する認知力や思考力も低下していたのです。 発症する以前の私を知る上司や同僚がいれば私の変化に気づいたかもしれませんが、異動したばかりだったので、仕事に対して周囲から誤解されないよう、無理して頑張っていました。しかし、その後職場で倒れたのをきっかけに35才から休職し、復職できず退職しました。36才の時に「慢性疲労症候群」(以下、CFS)と診断を受け、翌年に大阪市立大学の専門医から私の今後の見通しについて話がありました。それまで余計な不安を持たないように前向きに考えていましたが、「就労までは数年・十年単位で考えて」と言われ、はじめてCFSから回復する困難さを痛感しました。「もう少し早くCFSのことを知っておけば」と後悔しました。 患者同士のSNSが情報源 今後の収入のことなどを考え不安になった時、患者同士のSNSを使った情報交換の場で、指定難病でないCFSでも障害年金を受給できることを知りました。初めて申請した時はこの病気の認知度の低さのため、受付窓口でまで「そんな病気はない」と言われ申請用紙すらもらえないなどとても苦労しました。そこで、患者仲間から助言をもらい、CFSに理解のある社会保険労務士の方に複雑な手続きを代行してもらい、障害年金を受給することができました。 きちんとした情報を広めたい 患者は体調が悪い中、自ら病院情報や治療方法、福祉支援の手続き方法等の情報を探しまわらねばなりません。こうした問題を少しでも解決したいと考え、共同代表で「Action for ME/CFS Japan」(以下、AFCJ)という団体を立ち上げました。私たちは少し動くだけで激しく体力を消耗するため、活動に制限があり、インターネットを活用し情報発信を行っています。サイトでは、CFS研究の第一人者である先生の医療講演会の動画の掲載や、ポスター掲示を依頼したり、誰もが正しい情報を得られるよう活動しています。「きちんとした医学的・客観的な情報を患者のため、その周囲の方のために伝えたい」と思います。この病気の正しい情報を理解し知ることで、見た目ではわかりにくい病気の対応方法がわかります。CFSになり就業継続が難しいと思っても、周囲の少しの配慮があれば、時短勤務や在宅勤務で就労を継続できるかもしれません。 今の私は、外出は月数回で、徒歩移動は困難なため電動車椅子を利用しています。外出先で横になれるスペースを確保してもらう等の配慮で外出が可能になります。また、症状に合う薬を調合できる医師に出会え、1日に外出できる時間が増えました。メイクやオシャレをして、近所へ買い物に出かける時は、ウキウキした前向きな気持ちになり、日々の暮らしの質が高まります。 自分の人生を大事にできる環境を 今後は、福祉支援面の活動として、CFS患者でも利用できる制度や年金申請の方法等、自立した生活を送れる可能性と必要な情報をどう伝えるか方法を考えています。本人が「病気だけが人生ではない、自分らしい生きがいがある人生」を持ち、そうすることで自分も周囲も心地良い生活になるような取組みや活動を続けていきたいと思っています。 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(略称:ME/CFS) 慢性疲労症候群(CFS)は、健康な人が突然激しい全身の倦怠感におそわれる原因不明の病気。強い疲労感とともに、微熱・頭痛・筋肉痛・脱力感・思考力の障害、抑うつなどが長期にわたって続くため、健全な社会生活が送れなくなる。一般的な慢性疲労とは全く異なる疾患。 『Action for ME/CFS Japan』 http://actionforcfsjapan.com/ 【本】 NEW  東京から『我が事・丸ごと』地域共生社会を切り拓く!地域福祉コーディネーターの役割と実践~コーディネーター座談会から~ 本書では、都内の社協で活動する地域福祉コーディネーターの役割と具体的な実践について語る座談会の模様と参考資料等を掲載しています。 ◆規格 B5判/123頁 ◆発売日 2017.7.18 ◆定価 1,404円(税込み) NEW  よくわかる高齢者デイサービス2 デイサービスにおける機能訓練とは 付録CD-ROM付 高齢者の在宅生活を支えるデイサービス(通所介護)の重要な役割である「機能訓練」に改めて着目し、機能訓練が目指すものや個別機能訓練計画書の作成ポイント等についてまとめました。 ◆規格 A4判/120頁 ◆発売日 2017.7.25 ◆定価 1,620円(税込み) NEW  保育園における外部講師導入に関する調査報告書 社会環境の変化や新設保育園の増加等、保育の現場で様々な変化がみられるなか、専門性の高い外部講師を導入する保育園も増えています。都内認可保育園における導入の現状について調査しました。 ◆規格 A4判/126頁 ◆発売日 2017.7.24 ◆定価 1,080円(税込み)