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福祉広報 2014年6月 666号 テキストデータ

【もくじ】

社会福祉NOW

暴力・虐待を経験した
子どもと女性たち

9割を超える児童・女性福祉施設が
「暴力・虐待を未然に防ぐ上で地域住民が
できることがある」と回答。
暴力・虐待を未然に防ぐために
地域でできることを考えます。


トピックス
●地域包括ケア病棟協会設立総会
 および設立記念特別座談会

地域の「みまもり」と「居場所づくり」③
●墨田区社会福祉協議会 大倉祐子さん
 民生委員・児童委員 皆川 仁さん

福祉職が語る
●特定非営利活動法人すずらん理事長
 高橋恵美子さん


北海道 江別市
おどけてはしゃぐ子ども達。
北の大地にも爽やかな季節がおとずれた。


【NOW】

暴力・虐待を経験した
子どもと女性たち

地域で未然に
防ぐことを
めざして


平成25年度にスタートした
東社協第3期3か年計画では、
重点事業の一つとして
「暴力・虐待を生まない社会づくり推進事業」に
取組んでいます。施設入所に至る前に
地域社会で暴力・虐待を未然に防ぐ
取組みをすすめる事業です。
初年度は、まずは暴力・虐待を経験して
児童・女性福祉施設に入所してきた
ケースを対象とした実態調査を実施しました。
本号では、調査結果をもとに
地域社会でできることを考えます。

 

東社協における「暴力・虐待を生まない社会づくり」の検討は、児童・女性福祉連絡会の活動に始まります。同連絡会は、児童養護施設、母子生活支援施設、婦人保護施設、乳児院、更生施設(女性単身)、宿所提供施設が所属する部会が集まり、共通課題の解決に向けた活動を行っています。同連絡会では、利用者が入所前に経験した暴力・虐待を話題にしたとき、それが施設種別を超えた深刻な課題であることがわかりました。そのため、連絡会として暴力・虐待を地域社会で未然に防ぐ必要性を提起するに至りました。
そして、この問題は施設関係者だけで取組むのではなく、広く地域社会に訴えていくため、地域の関係者とともに取組むことにしました。そこで、平成25年7月に東社協として「暴力・虐待を生まない社会づくり検討委員会」(委員長‥石渡和実 東洋英和女学院大学大学院教授)を設置し、児童・女性福祉施設と区市町村社協、民生児童委員が協働した取組みが始まりました。
検討委員会では、施設と地域の関係者が議論する中で、「地域住民に自分たちの問題として理解してもらうには、具体的な事例を通じた共感とともに、地域住民に何ができるかを示すことが必要」ということになりました。「最近、虐待が増えた」というデータだけでなく、身近に起きていることを実感してもらう必要があります。
まずは実態を具体的に把握するため、検討委員会では11月に「暴力・虐待を未然に防ぐアプローチに関する調査」を実施しました。106施設が回答し(回収率‥
75・7%)、入所前に暴力・虐待を受けた経験のある495ケース(回答施設が5ケースを選定し、施設職員が回答)を分析しました。回答した106施設では、利用者総数4千191人のうち、過半数の2千240人が入所前に暴力・虐待を受けた経験がありました。
知られたくないのではなく…

入所前に暴力・虐待を受けた経験のある利用者にみられる影響では「自己肯定感が低い」「対人関係に不安を持ちやすい」などが挙げられました。これらはその後の生きづらさに影響するものです。入所後、安心・安全な環境を提供するとともに、「日常から些細なことでもほめたり認めたりすることで、自己肯定感を育んでいる」「気持ちの動きを常に言語化して感情のコントロールを教える」といった関わりが行われています。
一方、調査では495ケースについてそれぞれ「暴力・虐待を早期に見つけられなかった要因」を尋ねています。そこでは、図1のように「自分が受けている暴力・虐待を他の人に知られたくなかった」は12・8%に止まるのに対して、「暴力・虐待を相談できる人・機関を知らなかった」が40・0%、「自分が受けていることを暴力・虐待だと認識していなかった」が34・3%となっています。この結果は、「知られたくない」のではなく、支援が得られることを「知らない」という実態を表しています。暴力・虐待は「家庭の問題であり、口をはさむのは難しく、専門家の領域」というイメージがあります。今回の調査でみられた「知られたくないわけではない」という実情は未然の予防を考えていく上で、大きなポイントとなります。また、検討委員会では、この「知らない」ということについて「単に機関の情報を知ればよいのではなく、具体的に支援してもらえることを実感として知っていることが必要」と指摘されています。
地域住民にできることがある

さらに、9割を超える施設が「受け入れている利用者以外に暴力・虐待を受けている子どもや女性が地域にいる」と回答しています。施設がそう感じる理由には、「地域の子どもが直接、施設に『入所させてほしい』と来ることがある」「入所に至るまでに相当の時間がかかっている。地域でギリギリまで我慢している」などの実態が挙げられています。地域で早期に対応できることが重要です。
そして、調査では「暴力・虐待を地域で未然に防ぐ上で、専門機関以外に地域住民にできることがあるか」を尋ねたところ、図2のように、90・6%の施設が「ある」と答えました。前述のように、暴力・虐待は「専門家の領域」「家庭の問題」というイメージが強くあります。今回の調査では、495ケースの「暴力・虐待の発生要因」を把握し、それぞれ複数の要因が挙げられています。それらの要因は、医療面や経済面など、専門的なアプローチが必要な要因もありますが、「地域社会とのつながりの少なさ」「相談の仕方がわからない」など、身近な人が少なからず力になれる可能性のある要因もみられます。地域住民にできることには、「近隣に関心をもち、挨拶や声かけなど、できることから始めて孤独を感じさせない」という取組みも挙げられています。「特別な家庭」としてみることが、なお一層、孤立を深めることにつながります。
今回の調査では、50・8%と過半数のケースで「家族内に支配的な関係がある」、37・8%のケースで「家族内のコミュニケーションが少ない」となっています。「支配的な関係」がコミュニケーションそのものとなっていることが想像されます。暴力・虐待で相手を自分に従わせるのは誤ったコミュニケーションの手段です。その意識を地域社会に浸透させていくことが何よりも大切です。
また、発生要因の一つに虐待された人の26・2%が「発達障害がある」という結果でした。そうしたケースでは、「こだわりが強く、それを両親に認めてもらえず虐待につながった」という背景がありました。障害に対する理解、障害のある子どもの養育に対する支援の必要性をうかがうことができます。
●    ●    ●
これらの調査結果は、報告書『暴力・虐待を経験した子どもと女性たち』として関係機関に配付し、東社協図書係にて頒布しています(800円〔税別〕)。また、報告書概要版を本会ホームページに掲載しています。平成26年度は地域社会において住民とともに実践をすすめるための具体的な取組みを行っていく予定です。


図1 暴力・虐待を早期に見つけられなかった要因(複数回答、単位:%)
図2 暴力・虐待を未然に防ぐ上で
         地域住民にできることはあるか

 


暴力・虐待を未然に防ぐ実践例


地域と施設をつなぐ
ホームスタート
児童養護施設希望の家
児童養護施設希望の家園長の麻生信也さんは、虐待そのものを無くすには、入所児童だけではなく、地域の子ども、母親への支援の必要性を感じていました。その想いから、平成24年度に「家庭訪問型子育て支援ホームスタート」を開始しました。
研修を受けたボランティアが週に1回、2時間程度、無償で未就学児がいる家庭を訪問します。子どもと遊んだり、子育ての悩みや疑問を傾聴して、お母さんが元気に子育てできるように応援しています。オーガナイザーが訪問先とボランティアの調整をします。専門職ではないボランティアの訪問は、同じ目線で話せるので子育ての悩みを話しやすい強みがあります。
麻生さんは「ホームスタートをはじめたことで、ボランティアが施設に入る機会が多くなり、地域とかかわりが増えた。入所児童と地域とのかかわりも生まれた」と話します。子どもたちは施設だけでなく、学校や児童館、商店街でも生活しています。児童館や学校の帰り道に顔を覚えてくれたボランティアに声かけてもらえたりすることで、子どもたちの生活がより一層豊かになります。


民生児童委員が訪問する
「こんにちは赤ちゃん事業」
三鷹市では、平成23年度から民生・児童委員との協働により、生後4か月までのお子さんのいる家庭に絵本を携えて訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」を実施しています。目的は、①子育て情報を伝え、②子育ての悩みを傾聴し、③民生・児童委員の存在を知ってもらうことです。赤ちゃんのいる家庭と地域社会をつなぐ最初の機会を作り、孤立を防いでいます。訪問先では家族皆で出迎えてくれるなど、歓迎されています。子ども家庭支援センターが事務局を担い、訪問先で気になった家庭の情報を報告してもらっています。
民生・児童委員が訪問するメリットは、指導的立場ではなく、子育ての先輩として出産や育児について安心して話せることです。保健師等の新生児訪問とあわせて一体的に子育て家庭を支えています。訪問した民生・児童委員は「赤ちゃんが産まれたときからかかわれるのは幸せ」と話します。長年住んでいて地域のことを知っているから、ベビーカーで入れるお店などの細かい情報を伝えることができます。道ですれ違って話がはずむこともあります。


希望の家園長の
麻生信也さん

訪問時に渡す
子育て情報と絵本

 

【トピックス】

地域包括ケア病棟協会設立総会
および設立記念特別座談会

日本
慢性期医療協会
が主催


団塊の世代が75歳以上となる2025年を目指し、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築をすすめられています。
診療報酬改定で
「地域包括ケア病棟が誕生」
平成26年度診療報酬改定は、「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実」を目標に行われました。病床の機能分化をすすめるため、「地域包括ケア病棟」が創設されました。その役割は、急性期医療と在宅医療の橋渡し機能を有する病棟として、3つの機能を担います。図1のように、①急性期病床から患者を受け入れ、②自宅やグループホームなどの居宅系施設の患者が急変した際に受け入れます。そして、③自宅や居宅系施設、在宅復帰機能を有した療養病床、在宅復帰支援型の介護老人保健施設等に入院患者を在宅復帰します。介護老人保健施設は在宅復帰に向けた取組みがより一層求められるようになり、在宅にはこれまで以上に医療依存度の高い高齢者が増える流れとなりました。また、地域包括ケア病棟となるには、看護配置13
‥1以上で専従の理学療法士や作業療法士等を配置し、自宅や在宅復帰の機能を有した療養病床等に退院した患者が7割を超えている必要があります。
そのような中、日本慢性期医療協会は「地域包括ケア病棟協会設立総会および設立記念特別座談会」を開催し、全国各地の医療関係者250名が参加しました。
地域包括
ケア病棟協会が
設立
はじめに、地域包括ケア病棟協会設立総会が開催され、仲井培雄氏(医療法人社団和楽仁 芳珠記念病院理事長)が会長に就任しました。平成26年度診療報酬改定で「地域包括ケア病棟」が創設され、1か月半の短い期間で協会が設立されました。今後、「地域包括ケア病棟」の普及や研修会やセミナーを行っていく予定です。
地域包括ケアは
医療の言葉
続いて行った設立記念特別座談会では、兵庫県立大学大学院経営研究科教授の小山秀夫さんを座長としてすすめられました。
最初に行政の立場から、厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓課長が行政説明をしました。平成24年度介護保険制度改正を老人保健課長として担当した宇都宮課長は、「今回の診療報酬改定は、介護保険制度改正の考え方を取り入れている。医療側が介護を知ってもらうしくみとした」と話します。退院後の生活を見据えて、脳血管疾患等の入院患者が介護保険のリハビリテーションを利用することを促しています。また、ケアマネジャーとの連携により、医療保険から介護保険のリハビリテーションに移行した場合に評価を行うしくみを作りました。宇都宮課長は「どのステージの患者でも在宅復帰を目指し、患者を地域に帰していく。その役割を『地域包括ケア病棟』に据えた。それは多機能の病棟でいくつかの疾患を合わせ持つ患者を想定している」と話しました。
続いて、国立病院機構大阪医療センター救命救急センター診療部長の定光大海さんが高度急性期・大規模病院の立場から講演しました。平成25年度の救急搬送人員は534万人で過去最多となりました。平成12年と平成23年の全国の救急搬送人員を比較すると、高齢者の軽症、中等症が約2倍に増えています。「救急で受入れた高齢者、とくに独居高齢者や精神疾患等を合わせ持つ患者の受け入れ先を確保することが課題。『地域包括ケア病棟』がその役割を担う」と定光さんは話しました。
医療と介護がともに
連携して
続いて、池端病院理事長の池端幸彦さんが、地域密着型小規模病院の立場から講演しました。池端病院では、院長直轄の地域包括ケア推進室を設置するとともに、院内・在宅患者を一括して支えるリハビリテーション科を設置しました。「医療だけ、介護だけ頑張るのではなく、連携して患者を支えることが重要」と池端さんは話しました。
最後に、芳珠記念病院理事長の仲井培雄さんは、「地域内の患者の流れを創るため、医療療養病棟と併設の介護老人保健施設は、在宅復帰機能を強化する。そして、地域連携、医療福祉相談、入退院調整、継続感度等をまとめた部門を創設する」と話しました。

「地域包括ケア病棟」の創設により、在宅にこれまで以上に医療依存度の高い高齢者が増えてきます。在宅復帰をすすめるためには、医療側とケアマネジャー、地域包括支援センター、介護事業所、行政などが連携して退院支援のしくみを整えることがそれぞれの地域で求められています。

図1 平成26年度診療報酬改定の概要(厚労省資料の抜粋)


会場満席となった特別座談会の様子

 

【データ】

潜在保育士の掘り起こし、家庭と両立できる
働き方が鍵
「東京都保育士実態調査」より

平成26年4月に「東京都保育士実態調査」が東京都福祉保健局より発表されました。東京都初の調査となった今回、平成20年4月から平成25年3月までの東京都保育士登録者全員(書換え登録等を含む)のうち15,369件の回答が得られました。
その結果によると、53.4%が現在保育士として就業中であり、それ以外のいわゆる「潜在保育士」は半数以上が子育て中でした。過去保育士の退職理由の設問でも「妊娠・出産」が25.7%と一番の理由となっています。また、潜在保育士のうち「過去保育士就業経験者」は41.9%、「保育士就業未経験者」は58.1%であり、今後保育士として就業する場合の希望条件の設問では就業経験の有無に関わらず「勤務日数」、「通勤時間」、「勤務時間」が上位3位の回答となり、家庭と両立できる働き方への需要の高さが表れた結果となっています。
また、「どのような条件でも保育士として働くつもりはない」との回答は就業経験の有無に関わらず約3%と、多くの潜在保育士が条件さえ合えば就業する可能性を有していました。
現在就業中の保育士のうち18.1%が退職を考えている状況であり、退職意向の理由としては「給料が安い」65.1%、「仕事量が多い」52.2%、「労働時間が長い」37.3%、と勤務条件への回答が多くを占めました。それと同時に「職場の人間関係」や「職業適性に対する不安」、「保護者対応等の心労」等も一定数挙げられており、精神的不安に配慮し、保育士として自信を持って働けるように支援することが必要と考えられます。

(図1)過去保育士就業経験者の退職理由(複数回答)

(図2)就業時の希望条件(複数回答)

 

【マンスリー】

医療・介護
総合推進法、
衆議院で可決される

●介護と医療サービスの提供体制を段階的に改革する「医療・介護総合推進法案」が衆議院本会議で賛成多数により可決された。在宅医療推進のための医療法改正や介護保険法改正に関する合計19本の法案がひとまとめになっている。介護保険制度では、所得額が280万円以上の高齢者の自己負担を1割から2割に引き上げることや、要支援1、2の人向けの予防給付を市町村が実施する地域支援事業に移行するなどの内容。参議院本会議では資料不備により審議中断となった。  (5/14)


●災害時の避難勧告の新ガイドラインまとめる
●内閣府は、市町村が災害時に避難勧告を出す際の基準を示した新ガイドラインをまとめた。具体的な判断基準を明記し、高齢者や障害者等へ確実に情報伝達することを求めた。    (4/28)
●20~39歳の女性、2040年に半減
●全国1,800市区町村(政令市の行政区を含む)の49.8%にあたる896自治体で、子どもを産む人の大多数を占める「20~39歳の女性人口」が2010年から30年間で5割以上減ることが日本創世会議・人口減少問題検討分科会の推計でわかった。東京都では豊島区が唯一だった。   (5/8)
●サ高住、4割が標準に達せず
●高齢者住宅研究所の8日までの調査で、サービスや施設が標準に達しないサービス付き高齢者向け住宅が43.6%あることがわかった。3.2%は認知症等を理由に、事業者が契約を一方的に解除できる規約を盛り込んでいた。      (5/8)
●70歳までを働く人口に位置づけ
●政府の経済財政諮問会議の有識者会議「選択する未来」委員会は13日、人口減少と超高齢化の対策をまとめた提言を発表した。70歳までを働く人口と位置づけ、出産や子育てに関する給付を倍増することなどが盛り込まれている。(5/13)
●障害者雇用、4年連続で過去最高
●厚生労働省は、2013年度にハローワークを通じて就職した障害者が7万7883人で、4年連続で過去最高を更新したと発表した。  (5/14)
●17年ぶりに生活保護世帯が減少
●厚生労働省の公表によると、2月の生活保護受給世帯は159万8818世帯で、前月より368世帯減少した。就職機会が増えて受給者数が減りやすい4月を除くと減少したのは17年ぶり。(5/14)
●「老後の経済的な備え足りない」7割
●内閣府が35~64歳を対象に行った調査によると、老後の経済的な備えが足りないと感じている人が66.9%に上ることがわかった。65歳を超えても働くことを希望する人は約半数だった。(5/17)
●学童保育の定員、30万人増やす
●政府は、2015年度からの5年間で学童保育の定員を新たに30万人分増やす方向で調整に入った。子育て女性が働きやすい環境を整えるねらいで、6月に決める成長戦略に盛り込む見通し。(5/21)

 

【連載】

小学校に「三吾ふれあいサロン」を
 専門性を生かした連携による居場所づくり

本連載では2号にわたり
地域の「みまもり」の
取組みを紹介しました。
今号は小学校と連携した
「居場所づくり」として、墨田区の「三吾ふれあいサロン」を
紹介します。 「三吾ふれあいサロン」は第三吾嬬小学校の
協力を得て、校内の集会室を活用して運営されています。
参加者同士や小学生とのさまざまな交流をとおして
活動の輪を広げ、今年で2年目を迎えました。
学校、社協、民生委員・児童委員、地域包括支援センターの
それぞれの専門分野を生かした連携による
居場所づくりが行われています。

小学校でサロンを開催
5月7日、五月晴れのもと「三吾ふれあいサロン」が墨田区第三吾嬬小学校で開かれました。今回の活動は「朝顔の鉢植え」。小学校の校庭で83人の新1年生とサロンに参加している高齢者が、担任の先生の説明を受けながら一緒に朝顔用の鉢に土を入れ、種まきをしました。入学してまだ1か月の元気あふれる1年生との共同作業は、笑顔があちこちで見られたにぎやかな時間になりました。
「三吾ふれあいサロン」は、平成25年2月に墨田区内の小学校として初めて第三吾嬬小学校の協力を得て、校内の集会室ではじまりました。サロンの運営は墨田区社協が調整役となり、第三吾嬬小学校、民生委員・児童委員、はなみずき高齢者みまもり相談室(※地域包括支援センター内に設置された高齢者の見まもり活動などを専門に行う部署)が連携して行っています。当日のサロン会場の準備や片付けは参加者全員で行っています。
月1回開かれるサロンの参加者の多くは学校周辺に住む方々で、去年から参加している方や最近参加されたばかりの方など様々です。サロンの活動は参加者同士だけでなく、小学生との交流も行っています。昨年度は2年生との読書会や、戦争体験を伝える5年生向けの平和教室、全校生徒による音楽会の見学などが行われました。

「三吾ふれあいサロン」の出発点
墨田区は下町の人情が残り、町会活動が活発です。墨田区社協はそれを活かして一つの町会・自治会を範囲とした小地域福祉活動を展開しています。
一方、東京スカイツリーなど新たな開発やマンションの増加により、地域と関わりが薄い人への支援が課題となっていました。
このような変化に対応するため、墨田区社協では「拠点型小地域福祉活動」に取り組んでいます。これは近隣の複数の町会・自治会を活動の範囲とし、複数の地域から参加できるしくみです。町会や自治会とのつながりが薄い人にもサロンなどの活動に参加しやすくすることを目的としています。
第三吾嬬小学校がある地域には、もともと見まもり活動などを行う小地域福祉委員会がありましたが、高齢化などで活動ができなくなっていました。そこで、墨田区社協は若い世代との交流や地域との関わりが薄い人への支援として、学校でサロンが行えたらと、担当地区の民生委員・児童委員の皆川さんに相談しました。皆川さんは、第三吾嬬小学校の卒業生でもあり、「いきいきスクール」(放課後子ども教室)や児童の登校支援など、長年、小学校と関係を築いています。相談を受けた皆川さんは、すぐに学校に働きかけ、何度も地域の関係者で検討を重ねた結果、小学校の集会室を昼間に開放してサロンを開くことになりました。
皆川さんは「校長先生をはじめ学校側の理解と協力、そしてこれまで地道に築いてきた信頼関係があったからこそ、サロンを開催することができた」と話します。

サロンを続けるための
3つの要素
「小学校でサロンを続けられたのは、いくつかの大切な要素があった」と皆川さんは話します。
第1に、学校の理解と協力です。まず、学校の施設をサロンとして利用できたことが大きな要素でした。また、学校は授業や行事など1年間のカリキュラムが決まっているため、更なる負担とならないサロンの運営が求められます。そこで、地域住民と小学生の交流の計画は小学校側で行い、授業と組み合わせる工夫をし、この1年で8回もの交流ができました。
第2に、関係者をつなぐキーパーソンの存在です。それぞれの関係者が互いにサロンの趣旨を理解し、関係づくりにむけて動いたことも重要です。
第3に、お互いの専門分野を活かした役割分担です。社協は各機関との調整、運営費や保険の負担などサロン運営を、民生委員・児童委員は参加者への声かけや相談、日頃の見まもりを担当し、高齢者みまもり相談室は高齢者向けのプログラムや孤立しがちな人への声かけなどでサロンの運営をサポートします。

サロンを通して広がる輪
三吾ふれあいサロンを通して、墨田区社協は小学校とのつながりから児童やその家族も含めた地域住民のネットワークづくりに関わることができました。また、小学校も地域での新たな役割を担い、福祉に携わる関係者とのつながりを広げることができました。
そして、毎月のように小学生と交流するなかで、参加者がおしゃれをして来るようになったり、いきいきしてきたという変化がでてきました。また、学校以外の場所でも、サロンに参加した方が公園の散歩中に小学生から声をかけられたり、昨年5月に一緒に朝顔の種をまいた小学生の保護者が、7月に咲いた朝顔を押し花にしてプレゼントしてくれたりと、多世代の関係に広がりが生まれています。
参加している人が「子どもの声を聞くと元気になるし、いろいろな活動があって楽しい」と笑顔で話してくれました。小学生からも「もっと来てほしい」との声もあります。
この1年で徐々にサロンは定着し、小学校を拠点とした地域の新たな居場所として2年目を迎えています。

三吾ふれあいサロンの経験を
他地域へ
墨田区社協の大倉さんは、「今後も地域と関わりの薄い人や新しい人が参加しやすい活動を続け、地域の人たちがサロン活動を自主的に行えるような支援をする。また、参加者が地域とつながりやすいように、近所の町会や自治会の紹介も行いたい」と話します。
現在、墨田区社協は拠点型小地域福祉活動として、子どもだけでなく、親の世代と地域の人たちが関わる機会を持てるように親子が一緒に参加できる児童館でのサロンを始めており、今後もサロンという居場所で出会った人たち同士によって、地域でお互いに見まもり合う関係がつくられていくことを目指しています。

居場所づくりには多様なアプローチがあります。その中でも今回のように、集まれる場とキーパーソンをつなぎ合わせ、活用しあう取組みは一つの糸口となるのではないでしょうか。


第三吾嬬小学校


Yuko Okura
大倉祐子
墨田区社会福祉協議会
地域福祉活動・経営担当


Hitoshi Minagawa
皆川 仁
民生委員・児童委員

朝顔の鉢植えの
様子

サロン活動の
様子

 

【東社協発】

平成25年度
東社協事業報告

東社協の平成25年度事業報告及び決算が、5月28日開催の理事会及び29日開催の評議員会で承認されました。


利用者支援・
権利擁護の強化

○地域福祉権利擁護事業の契約件数は3千100件を超えています。多岐にわたる知識やスキルが求められる専門員の研修体系を見直しました。
○平成26年度から区市町村が社会貢献型後見人の養成事業を円滑に実施できるよう手引きを作成しました。
○福祉サービス運営適正化委員会では、苦情申出件数がこれまでに最も多い42件となっています。
○暴力・虐待を生まない社会づくり推進事業では、児童・女性福祉施設に入所に至る前に暴力・虐待を経験したケースの調査を実施しました。
○学齢期までを見据えた子ども・子育て支援として、27年度から新たに始まる区市町村による「利用者支援事業」の実施に向けた手引きを作成しました。また、都内の学童保育に関する実態調査を行いました。


自立生活の支援

○生活福祉資金の貸付件数は落ち着きをみせたものの、相談件数は横ばいで、特に教育支援資金は制度改正前の2倍の件数で高止まりが続いています。受験生チャレンジ支援貸付事業も9千件を超えています。
○低所得世帯の子どもへの支援プロジェクトでは、高校進学後を中心に支援ツールの作成をすすめました。
○東日本大震災に伴う都内避難者への支援として、17区市社協により孤立化防止事業を実施しました。



区市町村社協との協働による
地域福祉の推進強化

○課題発見・解決志向型の地区社協整備事業を新たに実施し、地区社協に関する事例集を作成しました。
○『区市町村社会福祉協議会におけるBCP(事業継続計画)策定ガイドライン』を作成しました。



社会福祉関係者・市民活動関係者
とのネットワークの構築

○『アクティブ福祉グランドデザイン』を策定し、都民フォーラムなどで議論を呼びかけました。
○高齢者施設福祉部会とセンター部会との統合による「東京都高齢者福祉施設協議会」を26年度から新たに発足することを決定しました。
○知的発達障害部会東日本大震災復興支援特別委員会では宮城県の法人に引き続き職員を派遣しました。
○「東京都における災害福祉広域支援のあり方検討プロジェクト」で災害時要援護者支援のためのネットワークづくりの検討をすすめました。
○社会福祉法人協議会において生活困窮者支援に関わる具体的な事業の立上げに向けた検討を行いました。
○東京都民生児童委員連合会では、民生・児童委員の一斉改選の対応を円滑に行いました。また、民生児童委員活動の普及啓発をすすめました。



福祉サービスの水準の向上

○福祉人材情報事業では、求人数が増加し求職者が減少している状況が続いていますが、各事業を通じた採用人数は前年度実績を上回ることができました。また、保育士修学資金貸付事業を新たに実施しました。
○研修事業では、26年度から福祉職員職務階層別研修を新課程に移行させる準備をすすめました。また、26年度から研修受付システムを稼働させるべく準備をすすめました。
○非正規介護職員を対象に国家資格取得にかかる調査を実施しました。
○4年ぶりに福祉職場における障害者雇用実態調査を実施し、93施設147名の雇用が増加していました。
○従事者共済会では、金融市場の動向に合わせ制度の点検を行いました。



都民、NPO、企業の
福祉参加の促進

○東京善意銀行では、のべ6千を超える施設に寄附を配分しました。また、配分施設をヒアリングし、ニーズの現状と課題を把握しました。
○東京ボランティア・市民活動センターでは、学校等における市民学習の推進、多機能常設型居場所づくりに取組むとともに、東京都災害ボランティアセンターの設置・運営に向けアクションプランをまとめました。



社会福祉に関する総合的企画・
調査研究活動の推進

○総合企画委員会において「第3期3か年計画」の初年度の目標設置と進行管理を行うとともに、大島の土石流災害、生活困窮者自立支援法への対応などを協議しました。



福祉情報活動の推進

○東社協ホームページをリニューアルするとともに、新たにユース向けホームページを立ち上げました。



地域福祉施策や活動への提言

○提言2013をまとめるとともに、大都市固有の課題の解決に向けた提言活動に取組みました。


10
大島の土石流災害に伴う
支援活動

○大島社協災害ボランティアセンターに東社協・区市町村社協職員を派遣しました(のべ562人・日)。また、島外に避難した在宅要援護者を高齢者施設福祉部会会員施設に受け入れるとともに、大島老人ホームへ介護職員を派遣しました。
○災害発生後の大島町内の福祉施設、民生児童委員による要援護者支援の取組みを『災害時要援護者支援事例集』に掲載して発行しました。


平成25年度
東社協収入支出決算総額
資金収支計算総括表

単位:千円

会計単位
一般会計
生活福祉資金特別会計
離職者支援資金特別会計
要保護世帯向け不動産担保型生活資金特別会計
生活福祉資金貸付事務費特別会計
自立生活スタート支援事業特別会計
受験生チャレンジ支援貸付事業等貸付事業特別会計
介護福祉士等修学資金貸付事業特別会計
臨時特例つなぎ資金特別会計
従事者共済会特別会計
東京善意銀行預託金特別会計
ゴールドマン・サックス市民活動協働事業特別会計
基金特別会計
ボランティア・市民活動支援総合基金特別会計
合計

収入
3,334,497
1,648,688
4,132
55,420
701,841
20,240
1,238,310
545,313
2,679
6,407,778
34,566
93,792
49,754
6,357
14,143,367

支出
3,276,968
2,484781
5,353
198,773
701,841
32,622
1,238,310
540,892
40,986
6,390,448
34,298
93,792
49,754
7,764
15,145,329

※支出が収入を上回る会計は前期末支払資金残高により充当されています。

東社協
新会員のご紹介

▽東京都高齢者福祉施設協議会
ピオーネ西新井 和泉サナホーム 特別養護老人ホーム竹の里開設準備室
▽介護保険居宅事業者連絡会
(株)ケアサービス センチュリーハウス玉川上水 (株)ケアワーク北多摩
▽知的発達障害部会
高齢障害者通所施設さくら 三鷹市北野ハピネスセンター成人部門けやきのもり あさやけ第二作業所 大田区立障がい者総合サポートセンター 南品川むつみ園 中野区立弥生福祉作業所
▽保育部会
あすのき保育園 岡本こもれび保育園練馬区立関町第二保育園 島根いちい保育園 玉川上水保育園 フェロー第二保育園 練馬区立石神井町さくら保育園 もりの聖愛保育園 世田谷はっと保育園 台東区立たいとうこども園練馬区立春日町第三保育園 東平しらゆり保育園 せせらぎ保育園 わらべみなみ保育園 神谷北つぼみ保育園 こびとのもり保育園 恵比寿のびのびこども園
▽更生保護部会
自立支援センター足立寮 自立支援センター目黒寮
▽民間助成団体部会
公益財団法人みずほ福祉助成財団 公益財団法人ヤマト福祉財団
▽情報連絡会員
プレミア草加南居宅介護支援事業所 特別養護老人ホームプレミア草加南 グループホームプレミア草加南 東大和市高齢者見守りぼっくす しんぼり豊島区千早臨時保育所 クラブかたつむり ウエルガーデンエミナース春日部 特定非営利活動法人障害者の生活を支援する会 高島第五小学校あいキッズ 桜町聖ヨハネケアービレッジ 地域生活支援センター「える」

 

【囲み】

保育講師来園研修
ただいま募集中!

東社協東京都福祉人材センター研修室では、25年度より「保育講師来園研修」を行っています。この研修は、小規模な事業所ほど研修に参加しにくいという課題をふまえ、保育士養成施設の講師が職場に出向き研修を行うものです。
昨年度、本事業により園内研修を実施した保育所からは、「講師に園まで来ていただくことで、パート保育士を含め多くの職員が参加できた」「職員全体で研修内容を共有することができ、その後の話し合いに活かせた」といった満足の声が寄せられました。
26年度は、保育士養成施設8校にご協力いただき、講座数も昨年の27から51と大幅に増えています。現在、東社協ホームページで研修プログラム(講座)一覧を公開しており、その内容は講義形式のものから、『読み聞かせ』など実技形式のもの、『保育者のメンタルヘルス』などをテーマにしたものなど、テーマも形式も多岐にわたるものとなっています。
保育所の申込は単独開催のほかに、近隣の保育所同士の共同開催も可能です。普段、外部研修になかなか出られない保育現場の皆さんの研修の機会として、本事業を是非ご活用ください。
【申込締切】6月13日(金)(第1期)
※研修実施時期が11月以降の講座について、
 第2期申込を受けつけます(9月30日まで)
※詳細は本会ホームページ参照
http://www.tcsw.tvac.or.jp/activity/kensyu.html#hoiku-koshi
【お問い合わせ】
 東京都福祉人材センター研修室
 TEL 03-5800-3335

 

【資料ガイド】

施策・会議資料
●『第2回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会資料』(厚生労働省/5月/URL http://www
haisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=199241)
●『第8回日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会資料』
(厚生労働省/5月/URL http://www
haisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=199213)
調査結果
●『家族と地域における子育てに関する意識調査報告書』(内閣府/3月/URL
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/cyousa.html)
 少子化や晩婚化に対する要因や要望を分析し、子育て支援活動の重要性や参加意識等を把握することを目的とした調査。
●『都内避難者アンケート調査結果』(東京都/4月/URL http://www.metro.
tokyo.jp/INET/CHOUSA/2014/05/60o51100.htm)
 避難生活が長期化する中、都内に避難されている方々のこれからの生活の意向を把握し、今後の支援策の参考にするために行われたアンケート調査。

その他
●『働いて元気になる~「障害者雇用」で働くためのガイド』(地域精神保健機構(コンボ)/4月/定価200円(税別・送料別)※6月15日まで無償配布/問合せ先047-320-3870/URL http://comhbo.net/
new/report/report_20140417.html)
 「障害者雇用」のためのノウハウや働いている人たちの体験談等を盛り込んだ働きたい方に役立つガイドブック。

 

【福祉職】

出会いに支えられて27年
   配食サービスの活動から


特定非営利活動法人
すずらん理事長
高橋恵美子
Emiko Takahashi


1940年栃木県宇都宮市生まれ。結婚し一男、一女をもうける。専業主婦として子育てに専念。姑の介護の際に、多くの友人や知人が支えてくれた経験から、自分の住む地域を支えたいという思いを持つ。高齢者施設でさまざまな業務を経験。1987年に在宅の高齢者に食事を届けるサービスを始め、1988年に毎日型食事サービスを開始。1990年に国立市より食事サービスの委託を受ける。1996年デイホームふれあいの広場運営開始。2000年NPO法人認証、介護保険事業者として登録。2013年食と花のすずらんデイサービスの運営開始。

地域のSOSが活動のきっかけ
私は施設で働いたことから沢山の課題を得ました。施設の専門的ケアの良さを感じながらも、在宅で誰もがありのまま自分らしくいられる場所を作りたいと思っていました。施設を退職して家にいた時、知人からSOSが届きました。「お母さんが病気になってしまった。お婆ちゃんの世話をしないといけなくて困っている。掃除や洗濯はできそうだけど食事づくりが大変。おかずだけでも作ってもらえたら…」。そんな声を受けて、友人やボランティアと一緒に自宅の台所でお弁当を作って届ける配食サービス(家庭料理研究所)がスタートしました。現在は140名に1食500円で届けています。お弁当は家庭の味を大切にして、高齢者に合うように薄味で栄養バランスを考えて作っています。
利用される方は1人暮らしの高齢者や障害があって食事を作れない方、冠婚葬祭などで家族が家を留守にする方などです。配達する際には、お弁当を届けるだけでなく、近況を話したり体調の確認をしています。利用者さんからは「すずらんのお弁当を食べているから元気でいられる」などの言葉をいだたくことがあります。1人では歩くのが難しかった方に毎日お弁当を届けたら、1人で歩けるようになって、肌の色が良くなりました。また、私の体調を気づかって「少し休んだら」と声をかけてくれています。励ましの声を聞くと頑張らないといけないと思います。
家庭を大きくしたような場所
いつも同じお宅にお弁当を届けていると、顔を覚えてくれて料理の感想を話してくれます。徐々に個人的な悩みも話してくれて、お年寄の方の身体や心の変化に気づくことがあります。お弁当を利用していた方がいつもと様子が違っている場合には、急いで皆で駆けつけて水分補給をしたり、家族に連絡したりしています。食事だけではなく「安心」を届けています。
あるお宅では「お弁当が届くと喋れるから楽しい」と話す方もいます。裏を返すと、それだけ家に閉じこもりがちで人と話す機会が少なく、孤独を感じているお年寄が多いということです。そこで、「外に出る機会を作ろう」と思い立ち、アパートの一室を借り上げ「移動デイホームふれあいの広場」を開始しました。「移動」と名付けたのは、家と会食場所の往復だけでなく、仲間との買い物や旅行、散歩などにも出かけて欲しいという思いを込めたからです。
そして、2000年にNPO法人を取得し、介護保険事業に参画しました。昨年9月には、自宅を開放して「食と花のすずらんデイサービス」を立ち上げました。食事を基本にしながら、仲間と集い、時には泊まれるなど、住みなれた地域や家で暮らし続けられるよう支えています。そこは、支える側、支えられる側の垣根が見えなくて、気兼ねなく昔の話や近況を楽しめる場所です。家庭を大きくしたような場所を作りたいと思っています。
人との出会いに支えられてきた
人との関係の中で「嫌だなあ」と思う時もあります。でも、1人だと寂しさを感じます。人は人から認められたい、わかってもらいたいという想いを感じて生きています。だからこそ、悩んだり、小さな不安を抱えたときに皆で支え合って、寄り添って暮らせる場を作りたい。これからも、1人でも多く住みなれたところで暮らし続けられるよう、やさしさのネットワークを築いていきたいと思います。
27年間活動を続けてこられたのは周りの仲間からの支えがあったからです。お弁当を届けると「いつもありがとう」と感謝を伝えてくれる利用者さん、スタッフ、施設の先輩や東社協の皆さんなどとかかわることができて、たくさんのエネルギーをもらいました。
国立市に来ることがあれば、すずらんに足を運んでください。食事とおしゃべりを楽しみましょう。

お年寄の好みや健康を
考慮した栄養バランスの良い
野菜中心のお弁当


家庭を大きくしたような場所
「食と花のすずらんデイサービス」


【図書ガイド】

【筒井書房・発行図書特集】
筒井書房では書店業の他に出版業にも取り組んでおります。今回の特集は過去1年に筒井書房にて発行された図書を紹介します。

●ともに挑み、ともに輝く/1,944円/障害のある人を支援する仕事の考え方、すすめ方などをまとめた新人職員必読の一冊。
●再構 児童福祉/3,240円/貧困、虐待、いじめ、病気など、さまざまな困難を抱える子どもたちについて今後の課題を展望。
●善意からソーシャルワーク専門職へソーシャルワークの源流/1,944円/リッチモンド著書・翻訳星野晴彦他/本来の友愛活動とは?ソーシャルワーカー必読の一冊。
●Dr.渡辺正樹のもくもくワクワクで認知症を予防する/1,296円/渡辺式認知症ケアとは?【もくもく】と【ワクワク】を意識的に生活に取り入れる事で症状を改善。
●吉夢二十二物語(上)(下)/各1,944円/介護と人にまつわる22の「きつむ」。伊予を舞台に介護に携わる人々の想いを綴った介護小説。介護の本質とは何か。
●検証 日本の精神科社会的入院と家族/3,024円/日本の精神科医療の現状・問題点を見据え、精神障害者福祉を展望する。
●社会的養護の未来をめざして/1,296円/調査結果を読み解けば、これからの児童養護施設のアフターケアについてがわかる。
●いま、福祉の原点を問う 養老院の子の歩んだ道/1,620円/2013年に死去された中辻氏の生涯と重ね合わせ、これからの社会福祉について想いを綴った一冊。

【学ぶっくNo.4】
筒井書房のおすすめ図書を掲載したフリーペーパー「学ぶっく」。
無料でお送り致します。お電話でどうぞ。

 

【アンテナ】


助成金

太陽生命厚生財団
社会福祉助成事業

申込締切 6月末日必着 助成対象 地域福祉活動を目的とするボランティアグループ及びNPO(法人格の有無は不問)助成金額 Ⅰ.1件10万円~50万円 Ⅱ.1件30万円~50万円助成内容 Ⅰ.在宅高齢者・障がい者等のために福祉活動や文化活動および復興支援を行うために必要な費用または機器、機材、備品等を整備するための費用。Ⅱ.法人または民間機関等が実施する老人保健、老人医療、生活習慣病に関する研究または高齢者福祉に関する研究または調査に必要な費用 申込方法 応募申込書を下記ホームページ、又は下記宛先よりFAX、郵送で請求し、送付 申込・問合せ先 太陽生命厚生財団事務局 〒143-0016 大田区大森北1-17-4太陽生命大森支店ビル内 ・/03(6674)1217
http://www.taiyolife-zaidan.
or.jp/

チャリティプレート
助成金

申込締切 8月31日必着 助成対象 障害者が通うアクティビティセンター(自立生活センターやグループホーム)、小規模作業所などで特に緊急性の高い団体・グループ 助成金額 上限額50万円(1件1団体当たり) 助成内容 設備・備品・車両 申込方法 下記ホームページより申込 申込・問合せ先 日本チャリティプレート協会
・03(3381)4071 03(3381)2289
http://www.jcpa.net/jcpa/

ファイザープログラム
市民活動・市民研究支援

申込締切 6月20日必着 助成対象 中堅世代の人々(30~50歳代)の心身のケアに関する課題について、市民団体が行う市民活動・市民研究 助成金額 上限300万円(1件1団体あたり) 申込方法 下記ホームページより応募用紙に記入し、下記事務局宛へ配達記録が残る郵便又は宅配便で送付 申込・問合せ先 ファイザープログラム事務局 〒103-0012 中央区日本橋堀留町1-4-3日本橋MIビル1階
・03(5623)5055 03(5623)5057
http://www.pfizer.co.jp/

地域支え合い活動助成
プログラム

申込締切 6月30日必着 助成対象 市民参加型を基本としたボランティア団体・NPO等の非営利団体が行う活動 助成金額 ①活動立ち上げ資金:上限15万円 ②備品購入資金の助成:全国老人給食協力会会員団体上限30万円・その他の団体上限15万円 助成内容 活動立ち上げ資金、備品購入資金の助成 申込方法 申込書を下記ホームページよりダウンロード又は下記宛先へ請求し、記入の上送付 申込・問合せ先 一般社団法人全国老人給食協力会事務局 〒158-0098 世田谷区上用賀6-19-21
・03(5426)2547 03(5426)2548
http://www.mow.jp


講座・シンポジウム

キーボードを使わないIT講習会
「初めてのAndroid」

日時 6月23日13:20~16:40 場所 高円寺会場庚申文化会館2F会議室2 定員 12名 参加対象 どなたでも。ただし定員を上回った場合は障害者・高齢者・初心者を優先 参加費 無料(教材・事務費1,200円) 内容 何ができるの?操作の初歩、アプリ紹介 申込方法 下記事務局に電話で申込し、5日以内に教材費を指定口座へ振込 申込・問合せ先 インターネットと明日の福祉を考える市民の会
・03(6672)7012
http://npo-it.jp

保育21世紀セミナー

申込締切 7月7日定員になり次第締切 日時 7月28日・29日 場所 パシフィコ横浜 定員 500名 参加対象 保育所長、保育士等保育所職員、保育行政関係者等参加費 会員1万4千円、会員でない方1万9千円(昼食、宿泊費含まず) 目的 保育の質を高め、保育機能の向上に向けた取り組みを推進する 申込方法 下記ホームページより申込。又は所定の用紙をFAX、郵送にて送付 申込・問合せ先 全国社会福祉協議会 全国保育協議会事務局 〒100-8980千代田区霞が関3-3-2新霞が関ビル
・03(3581)6503 03(3581)6509
http://www.zenhokyo.gr.jp/

うめだ・あけぼの学園
発達が気になる子の育ちを考える夏季セミナー

申込締切 7月11日必着日時 8月2日・3日 場所 浜離宮朝日ホール 定員 250名 参加費 1日7千円、2日1万4千円(代理出席可能) 内容 発達が気になる子ども、発達障害のある子どもの特性を理解し関わり方を学ぶ 申込方法 下記ホームページより申込 申込・問合せ先 うめだ・あけぼの学園
・03(3848)1190 03(3848)1191
http://www.umeda-akebo
no.or.jp

社会福祉施設開設・経営実務セミナー

申込締切 5月12日午前10時より受付開始、定員になり次第締切 日時 【東京】7月3日・4日、【大阪】7月17日・18日 場所【東京】ベルサール飯田橋ファースト「HALL A」、【大阪】毎日新聞ビル「オーバルホール」 定員 東京・大阪各200名程度参加対象 社会福祉施設の開設を考えている方・社会福祉施設の経営に携わる方等 参加費 1名1万6千円(2日間・税込) 内容 社会福祉法人の経営ガバナンス、職員の確保・人材育成、税務・会計、施設設備・改修など施設運営のために必要な内容をテーマとしたセミナー 申込方法 下記ホームページ又はFAXで申込 申込・問合せ先 福祉医療機構 経営サポートセンターリサーチグループセミナーチーム
・03(3438)9932 03(3438)0371
http://hp.wam.go.jp/home/tabid/36/Default.aspx


その他

「新倉壮朗の世界」

日時 7月26日19:30開演(19:00開場) 場所 町田市民フォーラム ホール 入場料 大人1,500円/小人(高校生~小学生)700円/幼児無料内容 1部 タケオ&谷川賢作 即興セッションデュオ 2部 タケオ&マライカ アフリカンパーカッション 問合せ先・予約 新倉壮朗コンサート実行委員会
・/042(734)7787
takeo_yume@excite.co.jp

海外研修生募集
高齢者の幸せを
支える社会

申込締切 7月15日当日消印有効 日時 10月5日~15日 場所 オーストラリアクイーンズランド州・イプスイッチ市 定員 9人(多数の場合、選考有) 応募資格 社会福祉施設等で介護者、看護師、リハビリ等の職員として3年以上経験のある者又は施設長が推薦する者 自己負担金 10万円(研修費、旅費、宿泊費は財団負担) 内容 滞在型研修とし一か所の施設での研修を中心とし、宿泊はホームステイ、食事・送迎有、一カ所に2~3人。最終日のみホテルに宿泊 応募方法下記ホームページ内の応募用紙に記入し、下記宛先へ送付申込・問合せ先 愛恵福祉支援財団 〒114-0015 北区中里2-6-1愛恵ビル5階
・03(5961)9711 03(5961)9712
http://www.aikei-fukushi.
org/

第32回藍工房展

日時 7月7日~7月12日 場所 新宿三井ビル1階55SQURE 内容 藍工房に通っている利用者たちの作品を展示・販売 問合せ先 社会福祉法人藍 藍工房
・03(3412)1366
http://www.aikobo.or.jp

 

【くらし】


民生・児童委員の活動と
建築の仕事、どちらも
私のライフワークです。

副会長として
都民連の普及・啓発パレードを
主導した、寺田晃弘さんに
お話をうかがいました。

快晴に恵まれた5月18日、新宿通りで「東京都民生委員・児童委員活動 普及・啓発パレード」が行われました。3回目を迎えた今回、1500人を超える参加者に加え、14区市社協等の「ゆるキャラ」が参加したパレードは、大きな歓声に迎えられました。
●パレードを終えて
おかげさまでこのパレードも3年目を迎えることができました。反省点も多くありますが、今回、委員が「参加するだけ」ではなく、パレードを楽しめるような雰囲気をつくれたと思っています。民生・児童委員というしごとには、自分の感情を抑制しなければならない面があります。苦しい思いをすることもありますが、意義も、やりがいも大きい。だからこそ、委員たちには自信や誇りを持ってもらいたいのです。
このパレードは、都民の方々に民生・児童委員の活動を知っていただく場であると同時に、委員同士の交流の場でもあります。委員が自らの活動を振り返り、他の地区の委員と交流することで、横のつながりや、組織としての一体感が生まれます。それがよりよい活動の原動力になると思うのです。
●継続して見えてきたこと
実は、私は民生・児童委員にはなりたいと思ってなったわけではありません。父が30年間豊島区の委員を務めており、後継者がいないというので「仕方なく」引き受けたという感じです。しかし、役員に就任したころから活動に深く関わるようになり、今では委員のしごとを生涯学習のように考えています。
今年で委員を務めて28年になります。私は建築の設計の仕事をしているのですが、建築士というのは人の価値観や人生観にまで関わる、大変おもしろい職業です。民生・児童委員と建築士という、まったく異なるしごとに、それぞれ切り替えて取組んできたことで、ここまで続けてこられたのかもしれません。
●ミンジーと一緒に
今力を入れているのは、「児童委員」としての活動の周知です。虐待やいじめの問題など、児童に関わる痛ましい事件があとを絶たないなか、児童委員の活用は急務だと考えています。しかし、児童委員は民生委員ほど知られていないのが現状です。そのため、児童委員としての活動を知っていただき、「困ったときには児童委員に相談しよう」という意識の普及に取組んでいます。
例えば、今回のパレードには東京都民生・児童委員のマスコットキャラクター「ミンジー」が参加しています。子どもたちからの評判もよく、今回もたくさんの親子連れがミンジーと一緒に記念写真を撮ってくださいました。このような機会を通じて、児童委員の活動を広く社会に知っていただき、支援を必要とする方に、確実に支援の手を届けられるよう、今後も普及・啓発活動に力を入れていきたいと考えています。
●100周年に向けて
2017年に、民生委員の制度は100周年を迎えます。その年には都内の1万人を超える委員が一堂に会せるような、大規模な催しができたらと、私個人としては強い思いを持っています。100周年に向けて、足並みをそろえて「100人の1歩」も必要なことですが、「1人の100歩」という意識を誰もがもつことも大事なことで、多くの人と協力して様々な取組みをすすめていきたいと思っています。

 

【新刊】

社会福祉法人監事監査の手引き
〔新会計基準版〕CD-ROM付

●社会福祉法人の監事は、法人の内部監査機関としての職務を行うものですが、今日ほど社会福祉法人の監事監査機能は、透明性の確保に必要とされる第三者評価、外部監査、法令遵守を行う上での関連機能としても重要視されています。そこで、監査の行為規範とは何か、期待される監査とは何かを問いつつ、監事監査の実際と今後の社会福祉法人の機能強化を支援すべく、新たに新会計基準版を発行。
◆規格 A4判/299頁
◆定価 3,240円 (税込み)


東京のグループホーム
(児童養護施設)実践報告集Ⅲ

●今回の実践報告集は、多くの施設に依頼し、それぞれのテーマに即して各施設で取り組んできたことをまとめたものです。まさに東京のグループホームの実情を反映したものであり、この報告を通して東京のグループホームのあるべき姿を見出されるものと考えています。
◆規格 A4判/201頁
◆定価 1,296円 (税込み)


障害者総合支援法とは…
〔改訂版〕

●2014年4月完全施行の障害者総合支援法と関連する児童福祉法(障害児入所施設・通所施設)をふまえ改訂しています。
◆規格 A4判/32頁
◆定価 432円 (税込み)

月刊「福祉広報」

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