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福祉広報 2014年11月 671号 テキストデータ

【もくじ】

 

社会福祉NOW

「子どもの貧困」
子ども・若者を支えるしくみづくり

今年8月に策定された
「子供の貧困対策に関する大綱」の動きと、
子ども・若者支援の現場の
取組みから考えます。

トピックス

●65歳を迎えた障害者
 「介護保険優先原則」の影響は?

個別ケースからしくみづくりへ②
●社会福祉法人 武蔵野会

明日の福祉を切り拓く
●特定非営利活動法人 イコールネット仙台

 

愛知県 江南市
安心安全は自分の手で。
有機無農薬の野菜作りに励む市民農園の仲間達。
収穫に大人も子供も大喜びだ。

 

 


【NOW】

「子どもの貧困」
子ども・若者を
支える
しくみづくり


「子どもの貧困」を
家庭の問題ではなく、
社会の問題として国レベルで取組む動きが
本格化しています。本号では、
今年8月に策定された
「子供の貧困対策に関する大綱」の動きと、
既に実施されている
子ども・若者支援の取組みから、
子どもの貧困対策に関する課題と
展望を考えます。

 

国の「子どもの貧困対策」
動き出す

2014年1月施行の「子どもの貧困対策推進に関する法律」に基づき、8月に「子供の貧困対策大綱」(以下、大綱)が策定されました。これは、子どもの置かれた状況に関する様々な数値が公表され、社会で取組むべき課題との認識が高まったという背景があります。特に、子どもの貧困率が過去最悪の16・3%となりました(平成25年度国民生活基礎調査)。また、家庭の経済的困窮が子どもの学力の低下、不登校や高校中退につながるとの指摘もあります。こうした環境の子どもたちが大人になってからも生活が不安定となり、貧困は世代を超えて連鎖するものとして、国レベルの対策が求められています。
大綱では①貧困が連鎖しないよう必要な環境整備と教育の機会均等を図る、②子どもの貧困対策を総合的に推進する、という理念を掲げています。具体的には教育、生活、就労、経済の4分野の支援策を示しています(※1)。今後実践にどう結びつけられるのか、動向が注視されています。
現場から見えてくること

国の対策は今まさに動きだしたところです。一方、子どもや若者を支援する活動は、これまでも各地域で進められてきました。それぞれの活動から、子ども・若者を支える環境について考えます。
●「学習」から子どもを支える
生活困窮世帯等への学習支援を掲げる大綱に先駆けて、埼玉県は2010年9月から「生活保護受給者チャレンジ支援事業」を実施しています。教育、就労、住宅の3つの柱のうち、教育支援として生活保護受給世帯の中高生を対象に学習支援を行っています(※2)。
この学習支援の特徴は3つあります。第1に教育支援員の家庭訪問です。支援員は元教員や元児童相談所職員、社会福祉士などで構成され、福祉事務所のケースワーカーと共に、昨年度は1千150人の対象世帯の中学生に家庭訪問を行いました。教育支援員事業の統括責任者の白鳥勲さんは「家庭訪問から親と子が抱える困難が見えてくる。地域から孤立し、相談する手立てがない場合が多い」と話します。訪問先の子どもの半数以上が小学校レベルの勉強でつまずきがみられ、6人に1人が不登校で、自己肯定感が低いという課題を抱えていました。また、親自身も病気や不安定な経済状態にあり、子どもを支える余裕がなく、身近な相談相手もいないという状況でした。支援員は家庭訪問と相談を継続して関係づくりをし、学習教室への参加をすすめます。なかには訪問を続けて半年後に学習教室に通う子どももいました。
第2の特徴は、本人の学力に合わせて学習をすすめる環境です。マンツーマンで学習支援が行えるよう、支援員に加え、元教員などの社会人や、県内の大学の学生がボランティアとして参加しています。第3に、地域の関係者との連携です。老人福祉施設協議会の協力を得て、県内14ヵ所の特別養護老人ホームが学習教室の会場となっています。このように、学習支援は地域の様々な社会資源を活用し、連携しながら運営されています。
昨年度は、575人の中学生が17か所の教室に参加し、1時間かけて通う子どももいました。不登校や引きこもりの子どもたちが学習教室に参加する理由を「分からないと言える場所があり、相談できる大人がいることが大きい」と白鳥さんは指摘します。子どもたちは教室という「居場所」で大人に頼る力を身につけ、「学び」を通して自信を持つようになります。さらに子どもの変化を見た親が就労復帰を目指したり、周りの関係者が親子の支援に動きだしたりと、大人たちにも変化がうまれます。
「学習支援対象の生徒の高校進学率は、昨年度は事業開始前(平成21年度)から10ポイント上がり、98・7%になった。さらに、相談できる環境を得た子どもたちの経験は地下水脈のようにすぐには表れないが、その後何らかのかたちで活きている。だからこそ長期的な視点が大事」と白鳥さんは考えます。5年間の学習支援事業を踏まえ、「今回の大綱策定は評価しているが、できるだけ早く実践に移してほしい。また、地域の社会資源を継続して活用できる体制が必要」と話します。
●居場所を通した「つながり」から支える
学習支援や不登校の子どもや若者の居場所づくり、社会参加や就労支援を行っているNPO文化学習協同ネットワークでは、2008年より若者の居場所「Link」を運営しています(※3)。居場所には、都内の地域若者サポートステーション(サポステ)につながった方が1日10数名来訪し、勉強会や話し合いの時間を過ごします。
「Linkにくる若者は生活保護世帯や高校を中退した人もいるが、家庭環境や抱えている問題は様々。共通点はこれまで親や学校の先生以外の大人、同性代の仲間たちとの関わりをもつことができなかった若者が多いこと。経験不足や失敗への不安から、自分でハードルを高くしてしまう」と運営に携わる理事の綿貫公平さんは話します。そのため、来所当初は取組み方が分かりやすい勉強会のみ参加する傾向があります。しかし、参加者同士やボランティア、地域の企業など様々な人たちとの交流から、多様な生き方や考え方を知り、次第に自己肯定感をもちはじめます。そして高校へ再挑戦したり、就労プログラムや短期・軽作業のアルバイトに参加したり、それぞれに新しいことに取組み、新たな居場所を見つけます。同時にサポステの継続的な面談を通して、ハローワーク等で就労の場を得て、「卒業」していきます。
綿貫さんは「大綱の学習支援や就労支援は、分かりやすい結果を求める成果主義だけで進めてはいけない。不登校や引きこもりの子ども・若者支援の前提として、生活の支援が重要と考える。特に人との関係性が乏しい若者にとって、相談できる大人と安心できる居場所の存在は大きい。スクールソーシャルワーカーの増員で相談できる大人が増えることは歓迎する。しかし、大綱が5年の見直しというのは問題。子どもたちの5年間は小1が小6、中1が高3となる。その成長と変化はあまりにも大きい。子どもたちは待ってくれない」と述べています。
相談できる大人の存在とは

東社協では第3期3か年計画の重点事業の一つとして、2013年から「低所得世帯のこどもの支援のしくみプロジェクト」に取組んでいます。プロジェクトでは学識経験者、若年層の学習支援・自立支援に取組む団体、自立援助ホーム、区市町村社協、学校関係者等が低所得世帯の子どもへの支援のあり方を検討しています。1年目は、高校進学後の進路で経済的な事情や中退等の課題に直面する本人を支援する冊子を作成しました。子どもや若者を支える活動から見えてきた「相談できる大人たち」の必要性を踏まえ、冊子では「支えてくれる大人との出会い」を軸に構成しています。
そして、「子どもの貧困」について具体的な方策が求められる今、2年目は本人向け冊子と両輪で活用できる、地域の大人向けツールの開発などを進めていく予定です。引き続き福祉と教育の連携強化を見据えた相談支援のしくみづくりや、地域で子ども・若者を支える環境づくりについて検討を重ねていきます。

 

※2
埼玉県アスポート
   教育支援事業

委託先:一般社団法人彩の国子ども・若者支援ネットワーク
教室:17カ所(中学生向け、2013年度から高校生向けに7か所設置
開催:週2~3回(教室による)平日18時~20時/土曜日 午後
教育支援員:58人 ボランティア:657人(うち学生は33大学から602人が登録)

 


※3
若者の交流スペース
   「Link」

主催:認定NPO法人文化学習協同ネットワーク(三鷹、練馬、相模原のサポステを受託運営)
2008年から東京都の事業「コンパス」としてスタート。その後、登録メンバーにより「Link」と名付けられ、
メンバーは勉強会や様々なプログラムに参加しながら、就職活動、アルバイトに励んでいる。
活動日:月、水、金(月・水の午前中に勉強会を開催)HP:http://www.npobunka.net/

 

埼玉県アスポート教育支援事業
特別養護老人ホームでの学習教室の様子


Linkの昼食プログラムでは参加者でメニューを決め、買い出しから調理、片付けまで行う。そして一緒に食事をすることが互いの楽しみになっている。


月1回のボランティアによるLinkの
「お茶会」の様子

 

※1 子どもの貧困対策4分野(大綱から抜粋)

子どもの
貧困対策4分野

〈教育支援〉
●スクールソーシャルワーカーの配置充実
●教育費負担の軽減
●貧困の連鎖を防止するための
 学習支援の推進
●学習が遅れがちな中学生を
 対象とした学習支援

 

〈生活支援〉
●保護者の生活支援
●子どもの生活支援
 (アフターケア、居場所づくり)
●関連機関が連携した支援体制の整備
●支援する人員の確保


〈保護者に対する
     就労の支援〉
●ひとり親家庭の親の就業支援
●生活困窮者や生活保護受給者への
 就労支援
●保護者の学び直しの支援
●在宅就業に関する支援の充実


    〈経済的支援〉
    ●児童扶養手当と公的年金の
     併給調査見直し
●ひとり親家庭の支援施策に関する
 調査研究
●母子福祉資金貸付金等の
 父子家庭への拡大
●養育費の確保に関する支援

 

 


【トピックス】

65歳を迎えた障害者
「介護保険優先原則」の影響は?

きょうされんが
影響調査を
実施


障害者総合支援法の第7条は「介護保険優先の原則」を定めています。これは、65歳以上の障害のある人と40歳以上の「特定疾病」に該当する障害のある人は、重複する介護保険制度の給付がある場合、介護保険の適用を優先するというものです。「同一のサービス内容を介護保険で受けられるのであれば」という前提が法の趣旨です。
一方、障害のある人の心身の状況や生活は個別性も高く、一律に介護保険のサービスで対応できるとは限りません。厚生労働省は介護保険制度が始まった当初から障害者施策との適用関係を正しく解釈するための通知を出しています。そして、障害者総合支援法が施行する際にも「障害者自立支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係について」(平成19年3月28日 障害福祉課長)を示しています。そこでは、市町村において「障害福祉サービスの利用に関する具体的な内容(利用意向)を聴き取りにより把握した上で、申請者が必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることが可能か否かを適切に判断すること」を求めています(障害配慮事項)。
市町村により異なる対応
ところが、「65歳を迎えた途端に障害福祉サービスが使えなくなり、生活に支障を来たしている」。そんなケースが各地にみられます。きょうされんでは、平成26年5~7月に「介護保険優先原則による利用者への影響調査」を実施し、9月17日にその結果を発表しました。同調査は、きょうされんが全国の加盟事業所1千833か所を対象に行い、回答のあった714か所の事業所を通じて介護保険優先原則の対象者1千638人(65歳以上が72・2%、65歳未満の特定疾病が27・8%)の状況を調べたものです。
調査を実施したきょうされんの政策・調査委員会委員長の小野浩さん(社会福祉法人ウィズ町田理事長)は、「制度が人の人生を決めるのではなく、本人が自分の人生を選択できることが大切」と強調します。調査結果では、訪問支援と日中支援のサービス利用者に影響がみられました。
①訪問支援分野での影響
介護保険優先原則の対象者のうち、何らかの訪問支援を利用している人は289人。そのうち、「障害福祉の利用が打ち切られた人」は21・5%の62人でした(図1)。打ち切られたことで、介護保険の訪問介護に切り替えた人が47人、訪問支援そのものを利用しなくなった人が5人となっています。
一方、介護保険サービスを優先としつつ、障害福祉の訪問支援を併用している人が202人、障害福祉の訪問支援だけの利用でも認められている人が25人いました。小野さんは「介護保険のホームヘルプでは時間数が足りない。特に障害福祉の『重度訪問介護事業』はニーズに応じて居宅も外出も柔軟に対応できる制度となっている。これが打ち切られると、これに代わる介護保険のサービスがない」と指摘します。
また、市町村によって国の通知の解釈が異なりました。例えば「生まれながらの障害の場合は併用を配慮する」という市町村もあれば、「要介護度が4、5でなければ併用を認めない」とする市町村もあります。財源を理由に機械的に対応してしまうと、国の通知が求める個別の状況からの適切な判断をできなくするおそれがあります。
②日中活動支援分野での影響
就労継続支援、就労移行支援、生活介護などの日中活動支援を利用している介護保険優先原則対象者は1千326人。そのうち、「障害福祉の利用が打ち切られた人」は1・7%の22人でした(図2)。訪問支援に比べると、その割合は少なくなっていますが、こちらも市町村によって、「働きたい人の場合には就労継続支援を引き続き認めるが、生活介護は認めない」、「就労継続支援の利用も認めない」など、通知の解釈に差異が認められます。障害福祉を打ち切られた22人のうち、7人は介護保険による高齢者の通所介護を利用していますが、半数以上の12人は「私的契約」により、希望する障害福祉の利用を継続していました。
改正介護保険法の施行も控えて
情報提供のあり方も課題です。小野さんは「併用できることをホームページで掲載したからといって、周知したとはいえない。障害福祉を利用している人が65歳を迎える前に、市町村は一人ひとりに丁寧に説明する責任がある」と指摘します。
27年4月から改正介護保険法の施行が予定されています。介護保険の要支援者への給付が今後、市町村の事業に移行すること、介護保険の利用者負担に2割負担が導入されることが想定され、それに伴う影響も危惧されます。
きょうされんでは、まずは国が全市町村の実態を把握することが必要と訴えています。


図1 訪問支援分野の介護保険優先原則の影響

図2 日中活動支援分野の介護保険優先原則の影響

 

 


【データ】

大学等中退8万人、
2割が「経済的理由」

文部科学省
「学生の中途退学や休学等の状況」から

文部科学省は、平成24年度の学生の中途退学や休学等の状況を発表しました。国・公・私立大学、公・私立短期大学、高等専門学校の1,191校を対象に調査し、1,163校が回答しました。
平成24年度の中途退学者数は全体で79,311人でした。その内訳は、国立大学10,467人、公立大学2,373人、私立大学65,066人、高等専門学校1,405人でした。中途退学の理由は、「経済的理由」が「その他」を除いて最も高く、16,181人(20.4%)でした。これは、平成19年度の調査より約6%高くなっていました。次いで多いのは、「転学」が12,240人(15.4%)、「学業不振」が11,503人(14.5%)と続きました。「就職」は10,627人(13.4%)でした。平成24年度の授業料滞納者数は学生全体の0.4%にあたる11,361人でした。
授業料減免や奨学金等の経済的支援に関する学生相談件数の状況では、829校(約71%)が平成19年の調査時よりも、学生からの相談件数が「増加している」と回答しました。そして、学生からの経済的なことに関する相談の内容では、「各種奨学金制度についての申請や相談」が1073校(92.3%)、「授業料の延納(分割納入含む)」が1016校(87.4%)でした。
学生からの経済的支援に関する相談体制では、「学生への支援を主な業務とした学内組織で対応」が1093校(94%)、「指導教員等の教職員が個別に対応」が539校(46.3%)でした。
リーマンショックの景気落ち込みが学生にも影を落としています。中途退学は非正規雇用の増加にもつながっており、経済的に苦しい学生の支援が必要です。無利子型・給付型の奨学金の拡充、授業料減免の充実、そして、学生の経済的不安等を早めに把握できるしくみが必要とされています。


中途退学者の状況
(平成24年度)

 

 


【マンスリーニュース】


介護報酬
財務省が6%
以上削減を要請

●厚生労働省が発表した経営実態調査では、介護サービス全21種類のうち16種類で収支差額率が5%以上であったと発表した。財務省は介護職員の待遇分など一部を除き、介護報酬を6%以上削減するよう要請する。介護団体は、厚労省の調査は他の調査結果と大きくかい離しており、平均値で報酬のあり方を論じるリスクに警鐘を鳴らしている。                (10/8)


●若年雇用者の22%が長時間残業
●厚生労働省が発表した「2013年若年者雇用実態調査」によると、週60時間以上働くと回答したのは7.2%だった。週50~60時間未満は15.3%で、計22%超が危険性のある長時間残業をしていた。              (9/25)
●ベビーシッター事業者に届け出義務
●厚生労働省は、現状は法規制のないベビーシッター事業者に対し、都道府県への届け出を義務付ける方針を固めた。保育士資格のないシッターは研修を受けさせるほか、マッチングサイトの指針を策定する。             (9/30)
●9万3千人が介護離職
●2013年の介護離職者は前年から41%増の9万3千人だった。高齢化が加速する中で、5年前の2倍に膨らんだ。特に40~50代の女性が多く、介護の負担が女性に偏っている実態が浮き彫りになった。               (10/5)
●ヘルプマークガイドラインを策定
●東京都福祉保健局は、義足や人工関節の使用、内部傷害、妊娠初期など、外見からは症状がわかりにくい要配慮者のために作成したヘルプマークを、全国の自治体や企業が活用できるようガイドラインを策定した。          (10/7)
●ストーカー被害者の一時保護が増加
●共同通信が都道府県に実施した調査によると、改正ストーカー規制法で支援拠点となった婦人相談所で、ストーカー被害者の一時保護ケースは増加し、2012年度以降全国で少なくとも計165件あったことがわかった。       (10/12)
●後期高齢者医療制度の特例措置 段階的に廃止
●厚生労働省は、後期高齢者医療制度について、低所得者らを対象に保険料を軽減している特例措置を早ければ2016年度から段階的に廃止し、また、現役世代の高所得層の保険料を引き上げる方針を明らかにした。           (10/15)
●ホームレス 過去最少
●都は都内のホームレスの人数が今年8月時点で1697人となり、都内全域で調査を始めた2002年以降で過去最少を更新したと発表した。(10/16)
●3割が土砂災害で孤立の危険性
●内閣府は、中山間地や海に面した集落のうち、地震や土砂災害で交通が遮断され孤立の恐れがあるところが、2013年度末時点で約3割に上るとの調査結果を発表した。       (10/22)

 

 


【連載】


罪を繰り返してしまう
障害者の受入れ

社会福祉法人武蔵野会の
取組み

平成25年度に
刑務所に入所した
24%が知的障害の疑いがあり、
軽度の知的障害を含めると45%にもなります。
身寄りがなく出所された方は、
お金や住むところがなく、
誰からも支援を受けられないまま、
罪を繰り返してしまう方もいます。
今号では、累犯障害者を受入れている
社会福祉法人武蔵野会理事・法人本部長の
高橋信夫さんにお話を伺いました。


社会福祉法人武蔵野会は「自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ」を法人理念に掲げ、実践事例や理念研修を通して、職員に丁寧に浸透させています。そして、理念の実践は目の前の利用者への支援だけでなく、社会貢献活動に広がりを見せています。
武蔵野会では平成16年に経営改革に着手し、理念経営の実践の一環として、社会福祉法人の使命としての社会貢献事業を検討してきました。「利益を追求する民間企業とは異なり、生きにくさを抱える人の生活を変え、社会を変える使命がある。社会福祉法人が社会貢献活動を行うのは当然の使命」と結論づけました。そして、法人成年後見の推進、地域向け武蔵野会セミナーの実施、HIV長期療養者の福祉施設利用促進、被災地支援ボランティアの継続とできるところからはじめ、平成25年度には累犯障害者の地域生活定着支援に取組んでいます。


刑務所に障害者がいる
武蔵野会は平成21年度に「獄窓記」の著者である山本譲司氏を招いた講演会を開催しました。そこで、刑務所には障害を持つ方や高齢者が多くいる実態を把握しました。社会福祉法人武蔵野会法人本部長の高橋さんは「支援者のいない障害者が満期出所する場合は、刑務所の工賃は少ないため出所時の所持金はわずかで、住むところも決まっていない。福祉的支援がないと、衣食住を求めて罪を犯して再び刑務所に入ることが多い」と話します。

刑務所からの受入れ
武蔵野会は既に入所施設で、数年前から執行猶予中の障害者を受け入れていました。地域での累犯障害者の受入れを中期計画に位置付け、施設長研修を実施し、法人全体で受入れる体制を作りました。また、先行事例の視察による情報収集や、矯正施設退所者の支援を行う東京都地域生活定着支援センターと連携し、福祉の支援を希望する出所予定者と矯正施設内で面接を始めました。
そして、平成25年度に2名の満期出所者の受入れをスタートしました。2人とも知的障害があり、一人は少年院や刑務所を10回近く、もう一人は15回以上入退所を繰り返している人たちです。しかし、凶悪な犯罪は1回もありません。

辛抱強くかかわる
受入れた当初の様子について、高橋さんは「住むところが決まり、自分の生活ができることで安定するようになる。しかし、人間関係を広げるためには辛抱強い働きかけが必要だった」と振り返ります。受け入れてすぐに所在不明になり、函館で発見され、職員が迎えに行ったこともありました。警察や裁判所に苦情の電話を頻繁にかけたり、昼夜にかかわらず救急車や葬儀屋を何度も呼ぶ等の行動が3、4か月間も続きました。これまで人から拒絶されたり、騙されてきた経験があり、まわりの人が自分を受け入れてくれるのか、信頼しても良いのかを繰り返し試すかのような行動がありました。そのたびに、職員が「いつも、あなたを応援していますよ」という姿勢で辛抱強くかかわりを続けました。今では、出所時には、途絶えていた肉親との関係も回復し、それぞれ、定期的な帰省や日曜ごとに食事に出かけるようになりました。
累犯障害者を受入れるには、「対象者と積極的にかかわりを持ち、生きにくさを抱えながら罪を犯した人を理解しようとする姿勢が重要」と高橋さんは話します。

3つの課題と方向性
累犯障害者の受け入れは、課題は多く支援体制の整備が必要です。
1つ目は、対象者の情報収集と共有です。矯正施設に繰り返し入所している人の情報は断続的で、どのように生きてきたかを把握するのは難しいのです。情報の少ない利用者を早く理解し、統一した支援を行うため、対象者と精神科医や心理士が定期的に面談し、支援者間で情報共有しています。また、対象者の情報は管理職、役職、心理士がタイムリーに把握するため、それぞれに入った情報は逐次メールで周知しています。
2つ目は、支援者がいなくて満期出所した方は、親や親戚が暮らす土地への帰住が困難なことです。そのため、受入れた地域を第2のふるさととして、地域で受入れる体制をつくる必要があります。近隣住民や商店、警察、病院等に協力・理解を求めました。アパートに入居する際には、大家さんに「障害を持つ方だと理解していただき、法人がいつもバックアップする」と不安を取り除きました。一年以上が経過し、地域住民から気軽に声をかけられるまでになりました。
3つ目は、対象者の収入確保です。就労に結びつけるまでの生活保護の申請や、手帳や年金の申請は、安定した生活のため必須です。東京都では刑務所内で、生活保護や手帳の手続きを行うことができないため、出所後に法人で転入手続きや申請を行いました。「刑務所にいる間に手続きが行えると受け入れがスムースになり、受け入れ施設も増える」と高橋さんは指摘します。

受入れ側の
体制づくり
受け入れる側の体制づくりも重要です。1法人だけでは受け入れるには負担も多く、受入れる人数に限界があります。高橋さんは今後に向けて、「矯正施設への入り口、入所中、出口に関係する、行政、司法、教育、医療等の関係機関が情報を共有する場をつくり、総合的に支援することが必要。受け入れ側の福祉関係者が情報を共有し、幅広く受け入れられるしくみづくりが急務」と話します。

利用者への支援に加え、社会貢献活動を行うことは、負担だけが多くなるように思いがちです。武蔵野会では、社会貢献活動を行うことが「職員自身の成長につながり、利用者支援の質が向上する」と捉えています。東日本大震災以降、毎月一回、職員がマイクロバスで被災地ボランティアを継続している経験は、職員自身に大きな内的変化をもたらしています。社会に目を向け、様々な困難を抱えた人たちを知り、支援するプロセスは人間としての視野を広げ、成長に繋がります。

 

社会福祉法人
武蔵野会

1963年に
社会福祉法人として認可。
戦災孤児の救済、保護のための運営開始。
「自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ」
を理念に、児童養護施設、知的障害者施設、
高齢者施設など計24施設を運営。

 

Nobuo Takahashi
高橋信夫
社会福祉法人 武蔵野会
理事・本部長

 

2人は別々の施設で働き、
住まいはアパートと
グループホーム

南相馬市の高齢者施設職員と
一緒に写る
被災地支援ボランティア

 

 


【部会紹介】

東社協
精神保健福祉連絡会

精神保健福祉の
充実を
目指して

 

東社協精神保健福祉連絡会は、平成4年に、東京都の施策や制度について都へ要望活動、精神保健福祉の団体との情報交換、学習、都民への普及啓発等を活動目的に発足しました。都内で活動する精神保健福祉の団体(家族、当事者、通所施設事業所、居住施設、就労支援事業所、てんかん、ボランティア等)の8団体が連絡会を構成しています。活動内容は、隔月の定例会、各団体との情報交換や学習会を東社協の会議室で夜間に行っています。秋には要望書を都庁担当課に提出し懇談を行い、都議会政党とのヒヤリングも行って、精神保健福祉の充実を訴えています。
2月には、都庁大会議場で精神保健に関する都民講演会を開催し、毎年3百名を超える方に来場して頂いています。今年度は、来年2月18日(水)午後に予定しています。
精神的な悩みを抱える方が年々増え続けています。身近に相談できる場所がない、知らないといった方が大勢おります。都内にある3か所の東京都精神保健福祉センターや地域にある保健所、役所で保健師や精神保健福祉士等の専門の方が、相談を受けています。また、加盟団体である相談事業所や通所施設等でも身近な相談場所として相談を受けていますし、精神保健関係の病院やクリニック、福祉制度、福祉施設等を紹介した冊子「道しるべ」を毎年発行して配布し回覧もできますので、ご利用いただきたいと思います。
〈次回は障害児福祉部会です〉 

 

 


【東社協発】

アクティブ福祉in東京'14
語ってもらおう!
日本の介護

広がる海外からの
介護人材


東京都社会福祉協議会東京都高齢者福祉施設協議会では、9月30日に「第9回高齢者福祉研究大会アクティブ福祉in東京'14」を開催しました。介護現場での実践や研究等、都内高齢者福祉施設・事業所の取組みを発表する研究大会の会場は、多くの学生や高齢者福祉関係者で賑わいました。
「語ってもらおう!日本の介護~広がる海外からの介護人材~」と題したシンポジウムでは、4人の外国人介護福祉士が、海外から見た日本の介護現場の魅力や、現場で感じる課題について発表しました。
韓国出身の呉英美さんは、「韓国と比較して、日本にはやる気のある若い介護職員が多いと感じる。介護のしごとをしたいという若者が、長く働き続けられるような環境づくりが求められている」と発表しました。また、フィリピン出身の田原シエラさんと疋島ヘルミニアさんは、それぞれ「日本の人はあいまいな表現を多用するので、慣れるのに時間がかかった。受けいれる側にも理解や配慮があると働きやすい」、「日本語を上手く話せなくても、周囲の職員が寛大に接してくれたおかげで、今も協力して働くことができている」と話しました。一方、同じくフィリピンから来日したエハーシト・ピンキー・アルバレスさんは、「経済連携協定(EPA)で日本に来た外国人介護福祉士候補の同僚の多くが、国家試験に受からず帰国を余儀なくされた。海外からの介護人材に対して、より強力な支援体制が必要だと感じる」と指摘しました。
最後に、コーディネータを務めた初貝幸江さんが、「留学生の受け入れや資格制度等、まだまだ課題は多いが、これからは日本と海外の間で介護を学びあう時代になる」とまとめると、近藤常博大会実行委員長も、「わたしたちも積極的に海外の介護人材と交わり、よりよい介護のため、協力して取り組んでいかなければならない」と呼びかけました。
今後も東社協では、都内高齢者福祉の向上と充実のため、福祉人材の交流と、取組みを共有できる機会を設けていきます。

シンポジウムの様子

介護福祉士の発表者の皆さん

 

東社協
新会員のご紹介

▽東京都高齢者福祉施設協議会
デイサービスぽぽたん デイサービスセンターさくら野杜 武蔵村山市西部地域包括支援センター 新町光陽苑地域包括支援センター 用賀あんしんすこやかセンター やすらぎグランデ 地域包括支援センター西新井本町 渋谷区千駄ヶ谷・北参道地域包括支援センター 渋谷区富ヶ谷・上原地域包括支援センター 渋谷区豊沢・新橋地域包括支援センター 幸神さくら 新清快園 クローバーのさとイムスホームカウピリ板橋 クローバーのさとケアハウスカウピリ板橋 クローバーのさとデイサービス・認知症対応型デイサービスカウピリ板橋 やすらぎシティ東大泉
▽東京都介護保険居宅事業者連絡会
ヘルパーステーション中野 訪問介護福は家 介護予防型デイサービスあさがおリハ南葛西 ウェルビーイング21訪問介護事業所・居宅介護事業所
▽医療部会
老健くぬぎ
▽知的発達障害部会
やすらぎリバーシティ 品川区立発達障害者支援施設ぷらーす 田柄福祉園
▽障害児福祉部会
東京都立東大和療育センター分園よつぎ療育園 東京都立東大和療育センター 中野区立重度・重複障害児通所支援施設
▽保育部会
東立石こひつじ保育園 西東京市立ほうやちょう保育園 志村さかした保育園 にじの樹保育園 高畑保育園 本町田わかくさ保育園 八潮中央保育園池上長尾保育園 ポピンズナーサリースクール四ツ谷 境こども園 たまがわみんなの家 水元保育園 新宿いるま保育園 向原保育園
▽民間助成団体部会
公益財団法人原田積善会
▽情報連絡会員
相談支援センターかがやけ リクルート事業所内保育園And's WithBook保育園入谷 保護者と子どものための教室リトルパルズ ちびっこタイム品川 アプローズ南青山 荒川放課後子どもプラン 港区愛宕保育室 滝野川第四放課後子どもプラン Jキッズルミネ北千住保育園 みなと芝浦ベイホーム 中央区基幹相談支援センター かにた作業所エマオ

 

 


【資料ガイド】

施策・会議資料
●『平成26年度全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議 資料(平成26年8月4日)』(厚生労働省/8月/URL http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/kaigi/140804.html)
●『第6回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会 資料』(厚生労働省/10月/URL http://
www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000061563.html)
●『第3回子育て支援員(仮称)研修制度に関する検討会 資料』(厚生労働省/9月/URL http://www.mhlw.go.jp/
stf/shingi2/0000059558.html)
●『第63回労働政策審議会障害者雇用分科会 資料』(厚生労働省/9月/URL
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000058000.html)
●『第2回高齢者の地域におけるリハビリテーションの新たな在り方検討会 資料』(厚生労働省/10月/URL http://
www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000061386.html)
調査結果
●『がん経験者の心の変化に関する調査報告』(アフラック アメリカンファミリー生命保険会社/7月/URL http://
www.aflac.co.jp/news_pdf/20140711.pdf)
 がん経験者の身体の状態・心の状態が、「がんになる以前」「告知~治療開始時」「(入院もしくは通院)治療中」「治療終了後の経過観察中」、それぞれのタイミングでどのように変化したか、その変遷を明らかにし、特に精神的にポジティブな変化が起こったきっかけを定量的に把握することを目的に行ったアンケート調査。
●『平成25年度介護労働実態調査結果』(公益財団法人 介護労働安定センター/8月/URL http://www.kaigo-center.or.jp/report/h25_chousa_01.html)
 平成25年度に実施した「事業所における介護労働実態調査」及び「介護労働者の就業実態と就業意識調査」の結果を取りまとめたもの。
●『平成24年高齢期における社会保障に関する意識等調査結果』(厚生労働省/8月/URL http://www.mhlw.go.jp/
stf/houdou/0000052977.html)
 老後の生活感や社会保障に係る負担のあり方などについての意識を明らかにすることで、社会保障制度改革を始めとした今後の厚生労働行政施策の企画・立案のための基礎資料を得ることを目的とした調査。
●『私立幼稚園の子ども・子育て支援新制度への移行に関する意向調査の結果(都道府県別)』(厚生労働省/9月/URL http://www.mhlw.go.jp/file/04-Hou
douhappyou-11907000-Koyoukintou
jidoukateikyoku-Hoikuka/siryou.pdf)
 全ての私立幼稚園(認定こども園を構成しているものを含む)の設置者に対して行った、子ども・子育て支援新制度への移行などに関する意向についての調査。
●『平成25年度雇用均等基本調査』(厚生労働省/8月/URL http://www.
mhlw.go.jp/toukei/list/71-25r.html)
 男女の均等な取扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的に実施している。平成25年度調査では、全国の企業と事業所を対象に、女性管理職の割合や、育児休業制度の利用状況など8項目について、平成25年10月1日現在の状況をまとめた。
その他
●『伝承 2011.3.11東日本大震災の被災者支援活動~3年を振り返って~(電子書籍版)』(社会福祉法人 東松島市社会福祉協議会/7月/URL http://hm
shakyou.blogzine.jp/blog/2014/09/post_a773.html)
 自身も被災者である社協のスタッフが、被災者支援の現場でこの3年間どう行動したかをまとめ、課題や反省点も含めて今後の災害に活かせるよう、ありのままの姿を記述した活動記録誌。

 

 


【明日の福祉】

防災の取組みから、女性と男性が
等しく活躍できる社会を目指す
宗片恵美子
特定非営利活動法人イコールネット仙台代表理事


宗片恵美子さんは、男女共同参画社会の実現を目指す、特定非営利活動法人イコールネット仙台の代表理事です。現在は女性が主体となった地域防災の推進に力を入れており、「女性のための防災リーダー養成講座」を開催するなど、さまざまな活動を行っています。

むなかた えみこ

2003年、男女平等社会の実現をめざすNPO法人イコールネット仙台を設立。仙台市男女共同参画推進センターエル・パーク仙台市民活動スペースにおいて市民活動支援を担当。現在、内閣府男女共同参画会議議員等を務める。

イコールネット仙台は、「生活すべて」をテーマに、様々な分野で男女共同参画社会の実現に取り組む個人や団体が集まって出来た組織です。政治、メディア、文化、健康など、それぞれに関心事は違っても、男女平等という同じ目標に向けて、つながりを作って協働しようと設立しました。平成15年の設立以来、幅広い分野で活動をすすめ、平成20年には「災害時における女性のニーズ調査」を実施するなど、以前から災害対策にも取組んでいました。調査結果をもとに提言をまとめ、防災に男女共同参画の視点を取り入れることを提案していたのです。
震災で顕在化した性別役割分業の意識
ところが、いざ東日本大震災が発生して私たちが直面したのは、活動をはじめた頃と何も変わらない、性別役割分業の意識でした。イコールネット仙台では震災直後から避難所での洗濯代行ボランティアを行ったのですが、避難所の運営を担うのは男性、炊き出しをするのは女性と、文字通り性別によって役割が固定されている様子を多く目にしました。防災や災害復興について、女性が主体的に関わることの難しさを肌で感じた瞬間でした。
しかし、女性の視点を軽視した防災の取組みや避難所の運営が立ち行かなくなることは、今回の震災を見ても明らかです。現在、数多くの女性が各家庭で児童、高齢者、障害者のケアを担っています。「困難を抱えた者の視点」を持つ彼女たちが主体的に防災や震災復興に取組むことは、支援を必要とする多くの人々の助けになります。
被災女性の経験や要望を明らかにするため、「東日本大震災に伴う「震災と女性」に関する調査」を行いました。震災後半年という時期にもかかわらず、宮城県内の1千512人の女性から回答をいただき、平成24年に報告書と、調査結果をもとに改めて「男女共同参画の視点から見る防災・災害復興対策に関する提言」をまとめました。この提言では、意思決定の場への女性の参画、女性の視点を反映した避難所の運営、防災・災害復興に関する教育の推進等をかかげています。
地域で活躍する
女性の防災リーダーを育成したい
また、調査では回答者の85%が「復興計画を議論する場に女性の参画は必要だ」と考えていることが明らかになりました。「女性のリーダーがいてほしかった」という声も多かったことから、平成25年に「女性のための防災リーダー養成講座」を開講しました。防災に関心のある仙台市内の女性を募集し、地域の防災リーダーを育てる取組みです。すでに第1期生はそれぞれの地域で積極的に活動しており、中高生が主体となった避難所運営のワークショップを企画した受講生もいます。災害が起こったとき、避難所にはどんな人が来て、どんな支援が必要になるのか。避難所の設計図づくりを通して、支援が必要になる人と実際に顔を合わせ、一緒に考えることで、地域全体で防災に取組むきっかけづくりになったと好評でした。
今年度は第1期生が主導する形で、第2期生を養成しています。また、登米市や陸前高田市などの周辺地域でも同様の養成講座が開かれ、私たちは講師派遣等のサポートをしています。地域に密着した女性の防災リーダーが各地で育ち、将来的には他の様々な分野でも、女性と男性が等しく運営に携われるような社会づくりにつながればと思っています。
防災の取組みを、仙台から世界へ
現在は平成27年3月に仙台市で開催される第3回国連防災世界会議に向けて、聞き取り調査の結果をまとめた冊子「40人の女性たちが語る東日本大震災」の一部を英訳する作業をすすめています。震災後、私たちの取組みへの姿勢は確実に変わりました。震災によって男女共同参画がいかにすすんでいないかを実感し、自分たちが積極的に行動に移さなければ何も変わらないと痛感したのです。震災を経験した私たちには、この経験を活かすため、世界へ向けて発信する責任があります。震災の悲しみを胸に、次のステップへ踏み出すため、強い意志をもって、これからも活動をすすめていく所存です。


「女性のための防災リーダー養成講座」
でのグループワークの様子

 

 


【図書ガイド】

●あっと言う間に2015年です! 来年のスケジュール帳のご用意はお済みですか?
●各種手帳のご案内です●
ケアマネジャー実務手帳2015/新元社/A5判・1836円/ポケット判・1404円
発売10年目を迎えた元祖【ケアマネ手帳】大判とポケット判の2種類から選べます。

ケアマネべんり手帳2015/メディカ出版/A5判・1512円/後発類似商品ですが、【使い勝手がいい】と好評です!
U-CANのケア実用手帳2015/自由国民社/A5判・1598円/介護職(ケアマネ・ヘルパー・サ責)の方のための手帳です。

アクションプランナー・ケア手帳2015/筒井書房/A5判・3500円
福祉職のすべての方に佐々木かをり氏プロデュースの時間管理手帳!!従来のマンスリー式手帳ではなく、30分ごとの縦割り時間型手帳。自分の行動と隙間時間が「見える化」。後回しにしていた仕事を入れるも良し、癒しのプライベートタイムにするも良し…巻末には心を元気にするためのセルフチェックシートなどを掲載。また、他とは違う手触りの良い革調カバーも特徴のひとつです。
【好評書籍!!】
福祉・介護の職場改善①
会議・ミーティングを見直す/実務教育出版/1728円 【全種別に対応!】
福祉・介護の職場改善②
リーダーの役割を果たす/実務教育出版/1728円 好評のため、続編発行!!

今月から全種別に対応した「見てわかる」研修DVDの販売を開始しました。
研修会用DVD
~①行動指針・②身体拘束・③虐待防止~①15分・②19分・③28分 1セット5400円
良い例・悪い例を極端に映像化し、より明確に理解しやすい内容にまとめました。是非、この機会にお買い求め下さい。

 

 


【アンテナ】

助成金

愛恵福祉支援財団
助成事業

申込締切 11月20日当日消印有効 助成対象 社会福祉法人及び特定非営利活動法人、任意団体等の福祉事業のうち、比較的小規模な施設の事業充実のため、また障害者支援等で財政的な裏付けの少ない先駆的な試みや開拓的な事業活動 助成金額 1件1団体あたり20万円まで 助成内容 事業運営に必要な設備備品の購入に対する助成 申込方法 申請書をホームページよりダウンロードし、必要事項を記入の上、郵送申込・問合せ先 公益財団法人愛恵福祉支援財団 〒114-0015 北区中里2-6-1愛恵ビル5F ・03(5961)9711
http://www.aikei-fukushi.
org/

弘済会 
社会福祉助成事業

申込締切 12月12日消印有効 助成対象 ①社会福祉関係者の資質向上に関する研修や研究②社会福祉事業でそのテーマや内容に先駆的要素またパイロット性があるもの③事業の目的が明確で、実施後の具体的な成果が充分期待できるもの 助成金額 助成対象項目経費合計の80%以内かつ50万円以内 申込方法 申請書をホームページよりダウンロードし、必要事項を記入の上、必要資料と共に郵送 申込・問合せ先公益財団法人日本社会福祉弘済会助成事業係 〒130-0022 墨田区江東橋4-24-3
・03(3846)2172
http://www.nisshasai.jp/


講座・シンポジウム

相談員研修会
家庭支援の
新しい展開の仕方

申込締切 11月14日 日時 11月24日 場所 東京ボランティア・市民活動センター会議室 定員 50名(定員になり次第締切) 参加対象 民間相談機関連絡協議会会員(定員に余裕がある場合、一般参加も可能) 参加費 会員:3,000円、一般:3,500円 内容 障害のある人々や病気と取り組んでいる患者、利用者たちに対して、家族支援の視点から新しい展開方法について考える。講師:福山和女氏(ルーテル学院大学・大学院文学部社会福祉学科教授) 申込方法 メール又はFAXにて申込 申込・問合せ先 民間相談機関連絡協議会 03(3235)0050
info@minsouren.org

ソーシャルワークの
新しい定義を学ぶ!

日時 11月15日 場所帝京平成大学中野キャンパス四季祭 定員 180名 参加費 無料 内容 講演:第1部「新たなソーシャルワーク国際定義とアジア太平洋地域のソーシャルワーカーの動向」木村真理子氏(IFSWアジア太平洋地域代表/日本女子大学社会福祉学科教授/日本精神保健福祉士協会構成員/社会福祉専門職団体協議会所属)、第2部「我が国における多文化ソーシャルワークの基本と最新知見」南野奈津子氏(日本社会福祉士会国際滞日外国人支援委員会/昭和女子大学福祉社会学科講師/千葉県社会福祉士会評議員) 申込方法 不要 問合せ先 東京社会福祉士会生涯研修センター事務局 担当齋藤
・03(5944)8466

子どもにかかわる
人のための
てんかんセミナー

日時 11月17日 場所東京都障害者福祉会館会議室1階A1~3 定員 120名(定員になり次第締切) 参加対象 保育士・幼稚園教諭・小中学校教諭・養護教諭・特別支援学校教諭 参加費 5,000円内容 「てんかんの基礎知識と発達の問題」中川栄二氏(独立行政法人国立精神・神経医療センター小児神経科)、「発達が気になる子どもの支援のポイント」星山麻木氏(明星大学教育学部教育学科教授) 申込方法 受講申込書に記入の上、下記宛先へメール又はFAX、郵送にて送付 申込・問合せ先日本てんかん協会東京都支部セミナー係 〒170-0005 豊島区南大塚3-43-11福祉財団ビル7F
・03(3204)0874 03(5272)6078
epitokyo@yahoo.co.jp
http://tokyo-tomoshibi.
jimdo.com/

厚生労働省
自殺防止対策事業
オープンセミナー

日時 11月29日 場所YMCAアジア青少年センター定員 200名(定員になり次第締切) 内容 「自殺と貧困について」大西連氏(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長) 申込方法 電話、FAXで申込 申込・問合せ先 社会福祉法人いのちの電話(東京)事務局
・03(3263)5794 03(3264)4949

対人援助職向け
スキルアップセミナー
スーパービジョン

日時 12月6日 場所 AP渋谷道玄坂渋東シネタワー定員 90名 参加費 無料参加対象 職場内外においてスーパービジョンを実際に行っている、今後行う可能性のある対人援助職 内容 講義:「スーパービジョンの理論と実際」野村豊子氏(日本福祉大学大学院社会福祉学研究科教授/東洋大学福祉社会デザイン研究科客員教授)、稲沢公一氏(東洋大学ライフデザイン学部生活支援学科教授/東洋大学大学院福祉社会デザイン研究科教授)シンポジウム:「"人が人を支える"ということ」 申込方法 FAXまたはメールに名前、所属、職種、連絡先を記入し申込 申込・問合せ先 国立成育医療研究センターこころの診療部 担当実方
・03(3416)0181 03(3416)0610
jitsukata-y@ncchd.go.jp

犯罪被害者週間
中央イベント

日時 12月1日 場所 東京国際フォーラムD7ホール 定員 240名 内容 基調講演「基本法の制定によって何が変わったのか―被害者支援の歩みと、今後の課題―」山上皓氏(被害者支援都民センター理事長・東京医科歯科大学名誉教授) パネルディスカッション「声なき声。その支援を考える」コーディネーター:上野和久氏(紀の国被害者支援センター訓練委員長・臨床心理士)、パネリスト:石井花梨氏(カリヨン子どもセンター事務局長)、石渡和実氏(東京都社会福祉協議会理事・東洋英和女学院大学大学院教授)、藤木美奈子氏(WANA関西代表理事)、松村裕美氏(おうみ犯罪被害者支援センター理事) 申込方法 ホームページ又はFAXで申込申込・問合せ先 犯罪被害者週間イベント事務局 
・03(3370)2411 03(3370)2017
http://www.hip-ltd.co.jp/
higaishashukan/


その他

からんどりえ展

日時 11月13日~18日場所 白矢アートスペース 観覧料 無料 内容 東村山福祉園に入所又は通所している18歳を超えた利用者が、日中に行っている絵画活動で描いた作品約200点の展示会 申込・問合せ先 東村山福祉園活動支援係 ・042(343)8142

宇井眞紀子写真展
アイヌときどき日本人
TOKYO1992-2014

日時 11月28日まで 場所 東京都人権プラザ展示室入場料 無料 問合せ先 公益財団法人東京都人権啓発センター ・03(3876)5372
tenji@tokyo-jinken.or.jp

綾戸智恵チャリティ
コンサート2014
Save Your Smile
~子どもたちの未来のために~

日時 11月29日 場所よみうりホール 参加費 前売り券・一般券:5,000円、当日券:5,500円、小・中学生:1,500円 申込方法 ホームページ又は電話で申込 申込・問合せ先 二葉保育園 担当百瀬 ・03(3341)1205
http://www.futaba-yuka.
or.jp/charity2014/

 

 


【くらし】

いくつになっても、
友達は大切


福島第一原子力発電所の
爆発事故により、
幼いころから60年以上
暮らしてきた双葉町を離れ、
東京都東村山市で家族と避難生活を続ける
守家規(もりいえただす)さんにお話を伺いました。

 

東村山市に身を置くまで
私は2011年10月から、東村山市に母、息子夫婦、孫2人の4世代で暮らしています。
震災直後はまず、双葉町の隣にある浪江町に自主避難しました。しかし、原発事故もあったので、そこからすぐ二本松市に避難しました。息子の嫁は浪江町で介護の仕事をしていて、被爆の検査をするため会津若松市にいたので、3月16日に会津若松市に移りました。ここで息子から「子どものことも考えて、双葉町の家を捨てると決めた」と言われました。息子は仕事関係の繋がりで、原発や放射能の情報が入ってくるため、すぐに決断したようです。
そして3月19日、全員で東京都東久留米市に移りました。しかし、移ったアパートは狭かったため、1度息子家族と分かれて母とともに神奈川県海老名市に住む長年の無線仲間のもとで2か月程暮らしました。その後、福島県の北塩原村に避難している娘家族が私たちを心配して「仕事の間に子どもたちの面倒を見てほしい」と言ってきてくれたので、娘家族のもとで暮らしました。しかし、その時母は95歳で、夏は涼しく快適でも、冬は雪深くとても寒い北塩原村での生活には健康面での心配がありました。「10月から東村山市の公団住宅に住めることになった」と息子から連絡をもらい、現在の家で暮らすことに決めました。
●被災者交流会での出会い
全く知らない土地である東村山市で暮らし始めて、最初に考えたのは「この場所で友達をつくらなければ」ということです。私は昔から料理が好きだったので、市の施設でやっている男の料理教室やパンづくり教室などに行って仲間を作ろうと思いました。しかし、その場で話すだけの浅い付き合いだけならできるけれど、心を許して話せる関係はなかなかできませんでした。
そんな中、東村山市社会福祉協議会が被災者の交流会を行うと聞いて、申し込みに行きました。そこで、当時ボランティアセンター長をしていた下村さんに出会い、とても親身になって、交流会に参加した人同士を繋いでくれたり、双葉町からの避難者の情報を得ようとしてくれたりしました。本当に感謝しています。今では交流会で繋がった方と下村さんで定期的に飲みに行くなどして話すことが私の楽しみです。また、交流会には東村山市に長く住んでいる双葉町出身の方も参加してくれました。その方が偶然にも私が小学1~3年生の時に担任をしてくれた先生の息子さんだったということがわかり、とても嬉しかったです。
皆さんが尽力してくれたおかげで、心を許して話すことのできる友達ができました。ですから私も社協の活動には協力したいと思い、できるだけ参加するようにしています。
●今後も東村山市で
現在、孫2人は野球チームに入って頑張っています。野球がきっかけになってできたこちらの仲間たちと良い関係を築いているようです。息子夫婦も毎週末の応援で地域に繋がりができてきたようですし、今後も東村山市で暮らしていこうと考えています。会津若松で息子が家を捨てる決意をした時に「父さんたちは福島に残ってもいいんだよ」と言われましたが、私も今はこのまま東村山市で暮らしていこうと思っています。そう思えるのは、ここで心を許して話せる友達ができたことが大きいと思います。
私はいくつになっても、友達というのは本当に大切にしなければならないと思っています。だから、この場所で友達が必要だと考えて行動しました。孫や息子たちにとってもこれは同じだと思うので、ここで仲間ができていくのはとても良いことだと思っています。


ベガルタ仙台レディースサッカーチームの後援会活動のため、週末は仙台へ行き、とても活動的な守家さん。

 

 


【新刊】

社会福祉法人
設立・運営の手引き2014年版

●東京都福祉保健局の助言を得て、社会福祉法人の設立準備から設立申請、設立に係る各種要件解題、設立後の登記、法人運営、設計事務所選定の留意点、社会福祉事業の免税までの必要となる一連の様式等の実例を司法書士、一級建築士、税理士の執筆も得て、例示しながら解説する一冊です。法人設立に係る26年3月最新改正通知、改正新会計基準勘定科目も反映。様式集CD-ROM付き。
◆規格 A4判/409頁
◆定価 4,320円 (税込み)
◆発行 2014年10月10日

 

【DVD】今すぐ役立つ!
感染症予防

●福祉施設等におけるノロウイルスなどの集団感染を防ぐための手順や対応を、ドラマと特殊映像で分かりやすく説明しています。日常でできる予防を解説した基礎編、感染症が発生した際の対応策を説明した対応編の2本を収録。施設の職員研修等にご活用下さい。
◆収録時間 基礎編:約13分30秒
      対応編:約13分
◆定価 2,160円 (税込み)
◆発行 2011年11月24日


「福祉広報」読者アンケート
東社協ホームページアンケート
東社協では「福祉広報」とホームページをさらに充実させるため、アンケートをそれぞれ実施しています。東社協のHPから回答いただけます。http://www.tcsw.tvac.or.jp/
ご協力よろしくお願いいたします。

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