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福祉広報 2014年12月 672号 テキストデータ

【表紙】

岐阜県 揖斐川町

のどかな自然の中、
手作りの竹馬で遊ぶ子供たち。
満面の笑顔が爽やかだ。

【もくじ】

社会福祉NOW

小規模事業所の職場研修を考える
東京都福祉人材センター研修室の
取組みから

小規模事業所では人材育成について
様々な課題に直面します。
職場研修を実施し、活用していくための
ポイントを考えます。


トピックス
●子育てを支える地域の
プラットフォームづくりを目指して

個別ケースからしくみづくりへ③
●西東京市社会福祉協議会

福祉職が語る
●社会福祉法人二葉保育園理事長
遠藤久江さん

 

【NOW】

小規模事業所の
職場研修を考える
東京都福祉人材センター研修室の
取組みから

小規模事業所では、
福祉人材の育成・定着のための
職場研修を実施する上で、
様々な課題に直面します。本会では
第3期東社協3か年計画において
「小規模事業所における人材育成・定着支援」
を重点事業の一つに位置付けています。
今回は、小規模事業所が職場研修を実施し、
活用していくためのポイントを
検討していきます。

小規模事業所が抱える課題

「中堅職員が育たない。中堅職員を育てるにはどのような研修をしたら良いか」「外部研修に職員を参加させているが業務に生かせていない。業務に生かすにはどうしたらよいか」。
これらの質問は東社協が小規模事業者を対象に今年度から実施している「研修実施サポート事業」(※1)で研修アドバイザーに寄せられた相談の一例です。小規模事業所では人材育成のための研修について、様々な課題を抱えています。
例えば、研修の必要性を感じても、少ない職員でローテーション勤務をこなしているため、外部研修に職員を出しにくくなります。また、内部研修を実施するにも、参加者確保が困難で、何をどのようにすすめたらよいかわからないという声をよく聞きます。職員の定期採用もままならず、採用しても目前の業務に追われ、新任職員に対する研修も十分に行えない事業所もあります。結果として、採用した職員が事業所の運営方針や業務標準を理解できず、サービスの質の向上を図ることに苦慮しています。今回は、こうした課題に直面する小規模事業所の職場研修を考えます。
「組織性」を高めて人材定着を図る

社会福祉・振興試験センターの調査によると、介護職員の退職理由は「結婚・出産・育児」といった労働環境要因と、「人間関係」「事業所の運営方針が合わない」といったマネジメント要因が上位3位です。そのため、人間関係の改善や事業所運営方針の共有には、「コミュニケーション」や「リーダーシップ」「チームワーク」などの「組織性」の能力開発が求められます。これまでの研修は業種や職種固有の専門知識や技術の能力開発が中心でしたが、それだけでは職員の定着はすすみません。職員の定着を図るには、専門性の向上とともに、「組織性」を高める研修が必要です。
小規模事業所で実施できる組織性を高める研修は、OJT(職務を通じての研修)のリーダーの選任と個人別の職員育成計画を制度化することです。各職員が自分の将来を見据えたキャリアアップを考えて作成する個人別育成計画は、本人の自己申告をもとに上司と職員が面談のうえで、毎年作成することが大切です。面談は、期首、中間、期末に行います。こうしたOJTが必然的に職場内コミュニケーションを深めていきます。また、OJTは「やる気」「知識・情報」「技能・技術」という職員の能力のうち、とくにやる気を高めることに最も効果的です。そのため、単に業務の仕方を伝達するだけでなく、OJTリーダーが仕事のやりがいや喜びを自らの言葉で伝え、共有する関係を築くことが大切です。
東京都福祉人材センター研修室では、組織性を高める研修として「キャリアパス対応生涯研修課程」を実施しています。平成14年度から開始し、今年度から4段階の職務階層(初任層、中堅層、チームリーダー層、管理職層)に対応した新課程に全面移行しました。同研修は、組織性に関する理論や知識を「知る」ことより、自らの「気づき」を促すことで研修効果をあげ、職場での行動が改善されることを目的としています。この職務階層別に体系的に組織性向上を目指す研修は、福祉業界唯一の研修として、東京ではこれまでに約1万7千人が受講しています。
外部研修を活用する

専門知識や技術を「知る」タイプの外部研修の効果を高めるには、研修後に研修の報告書を作成し、「職員会議で取り上げる」「合同研修報告会を開催する」などの取り組みが有効です。こうした多様な取り組みをしている事業所では、研修成果を職場内により浸透させることができます。
一方、自らの役割行動に「気づく」タイプの研修の場合は、研修報告会では発表しにくいものです。その際は事後に上司が育成の観点から面談し、本人の行動変容を見守ることが有効です。
最近の外部研修は、予め事前課題を行って研修当日を迎えるタイプが増えており、派遣決定したときから研修が始まっているといえます。また、派遣前に上司から職員に期待する点をコメントするよう求めたり、事後に研修成果へ期待するコメントを求めるという形態の研修も増えています。今や研修は当日に受けるものという認識は変わりつつあります。
上司コメントを記入することで、管理職員は部下を育成の観点から観察します。これは、管理職員としての人材育成の訓練の機会にもなります。また、上司コメントは励ましの観点から書くと、職員を育てる上で効果的です。さらに職員にとっては、上司が職員本人をどのように見ているかを知る機会となり、相互理解や信頼関係の構築にも効果があります。
職場内研修を充実させる

職場内研修では参加者が固定化したり、マンネリ傾向が出る場合があります。特に内部講師による講義型研修の場合にその傾向がみられます。研修効果を高めるためには、外部講師を招いたり、講義型以外にグループワークを加えるなど、多様な研修形態を取り入れるのが有効です。ケース検討会を研修と位置付けるのが最も取り組みやすい研修といえます。
また、職場内集合研修には次のようなメリットがあります。①ローテーションで勤務に就いている職員以外のほぼすべての職員が参加可能であること、②ふだん研修に出にくい非常勤やパート職員も参加可能であること、③今、職場で求められている業務課題に直結した研修を開催することができること、です。このようなメリットがあることから、研修実施後には、「職場での研修の機運が高まる」「職場が活性化する」「利用者の観察が注意深くなる」「広い視野から観察できるようになる」などの効果がみられます。(図1)
本会研修室では、職場内研修をサポートする事業として、「保育講師来園研修事業」で保育所むけに”出前研修“を実施しています。また、東京都からの受託事業で「福祉・介護人材キャリアパス支援事業」「登録講師派遣事業」で介護等の小規模事業所むけに”出前研修“を実施しています。このほかに、「研修実施サポート事業(研修アドバイザー制度)」で研修に関する出張相談を実施しています。あわせて、先ごろ「小規模事業所のための職場研修の手引」を東京都から刊行しました(図2)。
人材育成をすすめる新たな動き

今、国の社会保障審議会福祉部会では、福祉人材の確保・育成に向け検討が行われています。福祉職員の「資質の向上」に関する項目の1つに、「小規模事業所の共同による人材育成」の方向性が示されています。
本会での取組みの他に特徴的な例として、京都府では今年度から「きょうと福祉人材育成認証制度」がスタートしています。この事業は人材育成・定着に積極的に取り組む就職先を紹介する制度です。京都府が定めた人材育成・定着に関する基準をクリアすると認証マークが交付され、人材確保を有利にすすめることができます。すでに大半の事業所が取得に向け、取り組み始めています。
また、静岡県社協では今年度からメーリングリストを用いた福祉職場間の情報交換の場として、「職場内研修・交流サロン」をネット上に開設しています。小規模事業所が合同で研修実施を呼びかけるなど、事業所の持っている実行力を引き出す新たな取り組みとして注目されます。
● ● ●
事業所での職場研修を組み立てることは、マネジメントの基盤を構築することそのものといえます。職場研修の構築と安定的な運用が、職員の職務遂行能力と意欲の向上につながり、定着に寄与します。また、職員の定着がサービス水準の改善に結びつき、その結果が経営の安定化につながっていきます。

 

図1 平成25年度福祉・介護人材キャリアパス支援事業研修効果に関するアンケート(東京都福祉人材センター研修室)

※1 研修実施サポート事業
東社協が実施主体となり、小規模事業所を訪問して研修実施の課題や解決策をサポートする事業。2014年9月から始まり、すでに18件の相談が寄せられ、順次訪問サポートを実施している。

図2
「職場研修の手引き」の内容と活用に関する説明会を
2015年2月10日に開催します。詳細と申込は
本会ホームページ研修受付システム「けんとくん」を
ご覧下さい。https://www.shakyo-sys.jp/kensyu/tokyo/

 

 


【トピックス】

子育てを支える地域の
プラットフォームづくりを目指して

子ども・子育て
全国フォーラム
11月7日開催

平成27年4月から「子ども・子育て支援新制度」の本格施行が予定されています。この制度は幼児期の学校教育・保育や、地域の子育て支援を総合的に推進する新たな仕組みとなりますが、民間でも制度と協働して、すべての子どもの成長を支援しようという取組みがはじまっています。
この中で、様々な団体がゆるやかに連携し、よりよい支援を目指す新しい協働のかたち「プラットフォーム」を子育て支援の分野に応用しようという動きが出てきました。地域の社会福祉法人や社協、NPO等の民間組織がゆるやかに連携して、支援を必要とする子ども・子育て家庭を発見し、支援にあたろうという取組みです。
そのような中、全国社会福祉協議会による「子ども・子育て全国フォーラム」が開催され、約200名の子ども・子育て支援関係者が集まりました。
子ども・子育て支援新制度の施行と
「制度の狭間」の問題
最初に行われた基調講演では、淑徳大学総合福祉学部教授の柏女霊峰さんが現在の子ども家庭福祉の実施体制について、「保育、教育、社会的養護、障害児支援など、課題の領域別に分断されており、地域での包括的な支援が難しいことが問題」と指摘しました。分野によって実施主体や財源、支援者がそれぞれ異なり、交流もないために包括的な支援ができず、その「制度の狭間」に落ちてしまう子どもや子育て家庭が存在するというのです。
そこで、新たに施行される子ども・子育て支援新制度では、この狭間を埋めるべく、幼保連携型認定こども園の導入など、包括的で一元的な子ども家庭福祉の推進に舵を切りました。これは「すべての子ども・子育て家庭に必要なサービスを提供することを前提としており、社会的排除のない世界を目指す制度」と柏女さんは評価します。
しかし、柏女さんは同時に「どんな制度でも、『制度の狭間』は生まれる。制度で対応しきれない課題に取組むためには、民間の制度外活動が活性化し、新制度と協働して子ども・子育て家庭を支えられるような基盤が必要」と、地域の支援者、団体でつくるプラットフォームが制度を支える必要性を強調しました。
子育てを支える
プラットフォームづくりの取組み
その後行われたシンポジウムでは、子育てを支えるプラットフォームの実践事例についての発表が行われました。
まず、母子生活支援施設野菊荘の施設長を務める芹澤出さんが、DV相談支援センターとシェルター、母子生活支援施設の連携により、暴力にさらされた母子への切れ目のない支援を目指す取組みを発表しました。
次に、児童発達支援センターうめだ・あけぼの学園園長の加藤正仁さんは、発達支援が必要な子どものためのネットワーキング活動「足立・子ども福祉フォーラム」の取組みを紹介し、「区の障害福祉担当、社協、保育所、幼稚園、小学校の職員、当事者やその保護者等、様々な立場の人々が集まり、話し合いを重ねる中で自然な連携が生まれた」と、実践の成果を語りました。
新潟市社会福祉協議会地域福祉課こども家庭事業推進係長の横尾三代子さんは、「断ち切れない・断ち切らない支援」を理念に掲げ、社協が実施している子育ての相談窓口「子育て何でも相談センターきらきら」と、その相談をつなぐための顔の見える関係づくりを目指した子育て支援団体の情報交換会「こゆるねっと」を紹介しました。
また、文京区社会福祉協議会で地域福祉コーディネーターを務める浦田愛さんは、経済的な問題等で学校の勉強についていけない子どものための学習支援「てらまっち」や、子どもから高齢者まで集まれる地域の居場所「こまじいのうち」を社協が地域住民と協力して運営していると発表しました。
NPO法人せたがや子育てネット代表理事の松田妙子さんは、「これからの子育て支援は、誰かと誰か、なにかとなにかをつなぐ中間支援機能が軸になってくる」と話し、「キッズスペースぶりっじ@ROKA」など、子育てをきっかけにしたコミュニティづくりの活動について紹介しました。
これからの子育て支援のあり方
それぞれの発表者による報告後、プラットフォームの発展とこれからの取組みについて、意見が交わされました。
芹澤さんが「制度の狭間にある課題について、『うちは関係ない』と見て見ぬふりをするのではなく、他の団体・機関とともに考え、解決に導くことが民間に求められている」と話すと、加藤さんも「多くの人が支援のためにつながったとき、子どもを前に、誰もが等価であり、役割を持っているという意識が必要」と、地域で協働して子育て支援を行う重要性を強調しました。
柏女さんは最後に、「地域の関係が希薄化し、子育て家庭は孤立感・不安感を抱えている。貧困や虐待等の問題について、個々の家庭に責任を押し付けることなく、社会全体の問題として取組むべきだ。地域の子育て支援関係者が日常的に関わりを持つことで、信頼が生まれ、制度の狭間を埋めることができる。今こそ、子どもの育ちを支えるプラットフォームの整備が地域に求められている」と話し、子育てを支える地域づくりへの期待を語りました。
子ども・子育て支援新制度の本格施行を前に、支援を制度や行政に任せきりにするのではなく、「私たちみんな」が主体となって地域の子育てを支える姿勢が求められています。

 

 


【データ】

介護老人福祉施設での看取りが
7割
厚労省「介護サービス施設・事業所調査の概況」から

厚生労働省は、10月に介護保険施設・事業所を対象に行った「平成25年介護サービス施設・事業所調査の概況」の調査結果を公表しました。これは、全国の介護保険施設、居宅サービス事業所など、のべ34万3,039カ所に調査したものです。
平成25年9月中の介護保険施設利用者の施設入所前の状況は、介護老人福祉施設は「家庭」が28.9%、介護老人保健施設は「医療機関」が39%、介護療養型医療施設は「医療機関」が55.4%でした。
また、退所後の状況は、介護老人福祉施設の72.4%、介護療養型医療施設の41.4%が「死亡」と最も多く、介護老人保健施設は「医療機関」が40.6%、次いで「家庭」が31.7%となっています。
平成25年9月末の利用者で「90歳以上」は、介護老人福祉施設が36.9%、介護老人保健施設が32.2%、介護療養型医療施設が33.8%といずれも3割を超えています。次いで、「85~89歳」が多く、施設利用者の高年齢化がすすんでいます。そして、介護保険施設利用者の認知症のランクが上がるほど要介護度も上がり、「認知症あり(ランクⅢ以上)で寝たきりの人」は、介護老人福祉施設は61.7%、介護老人保健施設は 44.6%、介護療養型医療施設は84.1%と非常に高い割合を示しています。
高齢で、認知症等の重介護度の入所者が増え続けているなか、介護老人福祉施設における終末期ケアは、本人や家族の思いを受け止め、多職種と連携しながら施設全体で取組むことが求められます。

介護保険施設の退所者の経路

 

 

 

【マンスリー】

2014年10月26日~11月25日
※対象期間外のできごとを掲載させていただく場合もあります

消費税率、
先送り

●安倍晋三首相は、2015年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを、景気回復の遅れを理由に17年4月に先送りする考えを表明した。
再延期はしない方針。15年10月に増税すれば、15年度の社会保障充実を1兆8千億円とする予定であったが、据え置く場合は1兆3千5百億円となる。衆議院を解散し、12月2日公示・14日投開票の予定。 (11/18)

●学校で性的マイノリティーを取り扱った経験がある教員は約14%
●厚生労働省の研究事業の一環として行われた宝塚大学看護学部日高教授の調査によると、性同一性障害や同性愛といった性的マイノリティーについて、学校の授業で扱った経験がある教員は約14%にとどまっていた。 (10/29)
●職場の嫌がらせ24%増
●都産業労働局は、4月~9月の14年上半期の労働相談状況を公表した。相談件数は約2万7千件で、昨年度同期と比べて5.3%増加。相談内容では、職場の嫌がらせが前年比23.9%増の約4千3百件と急増。 (10/30)
●妻は家庭を守るべき、賛成44.6%
●内閣府は、女性の活躍推進に関する世論調査の結果を発表した。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」という考え方に賛成は44.6%で、反対の49.4%が上回った。 (11/1)
●医療保護入院の届出、12年連続過去最高
●厚生労働省が公表した2013年度衛生行政報告例で、保護者の同意で精神障害者を入院させる医療保護入院の届け出数が前年度より2433件増の21万1980件で、12年連続過去最多を更新した。
(10/30)
●改正土砂災害防止法が可決・成立
●改正土砂災害防止法が参院本会議で可決・成立した。土砂災害の恐れがある警戒区域を指定する前に実施する基礎調査について、都道府県に結果の公表を義務づける。 (11/12)
●所在不明の子、141名に大幅減少
●厚生労働省は、18歳未満の所在不明の子が10月20日時点で141人いたとの調査結果を公表した。5月1日時点の中間集計では約2千9百人いたが、各自治体が追跡調査を進めた結果、大幅に減少した。 (11/13)
●災害おそれのある地域に73.7%が暮らす
●国土交通省は、洪水、土砂災害、地震(揺れ、液状化)、津波のうち、1つでも危険がある地域は日本の34.8%で、そこで暮らす人は日本全人口の73.7%を占めているという初の試算を有識者検討会に示した。 (11/14)
●長野県神城断層地震、死者ゼロ
●長野県北部、北安曇郡白馬村を震源としてマグニチュード6.7の地震が発生した。最大震度6弱を観測。31棟全壊、約500棟半壊・一部損壊の被害を受け、計200人以上が避難所生活を送った。死者はゼロだった。 (11/22)

 

 

 

【囲み】

長野県神城断層地震災害義援金の
お知らせ

平成26年11月22日に発生した長野県神城断層地震災害により、被災された方々を支援するため、長野県では以下の通り義援金を受け付けています。皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

受付方法   口座振込み(口座振込手数料は免除)

長野県の受付●口座名義:長野県神城断層地震災害対策本部
(ケンカミシロダンソウジシンサイガイ)
金融機関:八十二銀行 県庁内支店
口座番号:普 695749
※ その他、白馬村、小谷村、小川村、日本赤十字社長野県支部、
長野県共同募金会でも募金を受け付けています。
詳しくは長野県のホームページでご確認ください。

受付期間   平成26年11月27日~平成27年3月31日

 

 

 

【連載】

地域住民の力を
活用したしくみづくり
西東京市社会福祉協議会の
取組み

住民のつながりの
希薄化にともない、各地域ではどういった
「住民同士の助け合い」のしくみが可能なのか、
検討が続いています。今回は西東京市社協の
地域福祉コーディネーターの取組みと、
今年12月開始の、地域住民が
コーディネーターを担う
「ふれまち助け合い活動」を紹介し、
地域を支えるしくみづくりを考えます。


西東京市社協では、平成元年から「ふれあいのまちづくり事業」(※1)として、小学校通学区域における地域住民参加型の小地域活動を実施してきました。そして、現在は市内20地域19小学校全地域で、住民が主役となったサロン活動や防災・防犯など地域のさまざまな活動に取組んでいます。
一方、一人暮らしの高齢者の増加や、マンションの建設などによる新しい住民の増加など、地域のつながりは時間の流れとともに変容します。孤立する人々が抱える課題やニーズに対し、新たな取組みが求められています。
西東京市社協は、20年以上をかけて築いてきた「ふれあいのまちづくり事業」の住民関係を生かしつつ、平成22年からは「ほっとするまちネットワークシステム(ほっとネット)」(※2)の地域福祉コーディネーターやほっとネット推進員の導入といった取組みを展開してきました。

1つのケースを
地域につなげる
ある夏の日、地域包括支援センターから地域福祉コーディネーター関野大樹さんの元に、相談がありました。「一人暮らしで認知症の高齢者Aさんの家が物でいっぱいになっている。真夏でも窓を閉めきっていて、命の危険もあるので関わってほしい。片づけを手伝ってくれないか」という内容でした。当初は、Aさんも親戚も「あとでやる」と言い、サービスの利用に消極的だったので、関野さんは時間をかけて信頼関係を構築しました。
本人への働きかけに加えて、Aさんの部屋の片づけやその後の支援について行政や地域包括支援センター、民生委員、「ふれあいのまちづくり」の住民代表、近隣に住むほっとネット推進員、地区を担当する社協職員などの関係者で対応を検討しました。個別ケースは、目の前の課題解決がゴールになりがちです。そこで関野さんは「単に片付けで終わりにせず、地域につなげる足がかりとすることが大切」と理解を求めました。
片づけでは、ほっとネット推進員を中心にAさんと積極的なコミュニケーションをとった結果、Aさんは「ふれあいのまちづくり」のサロンの1つ「ふれあい碧」に関野さんと参加するようになりました。その後、ふれあい碧の活動者は、足の悪いAさんがサロンに参加できるようにと付き添いのローテーションを組み、地域で孤立せずに生活できるようつながりをつくりました。「Aさんの体調が悪化し外出できなくなっても、定期的に住民の皆さんは見守りを続けた。片付け後2年余りでAさんは亡くなったが、住民同士のつながりは今も残っている」と関野さんは話します。

個別ケースに向き合う意味
西東京市社協地域福祉課長の丸木敦さんは「これまで社協は地域の課題に取組んできたが、社協の人的資源等に限りがあり、個別のケースに丁寧に対応することは難しかった」と話します。しかし、「ほっとネット」で地域福祉コーディネーターが市内4地区に配置されると、一つ一つのケースにより深く関われるようになりました。また、ケース対応を通して、地域の関係機関が持つそれぞれの機能を調整し、できることをつなぐ役割を地域福祉コーディネーターが担うようになりました。
「Aさんのケースのように、住民同士も個別ケースに応じた具体的なかかわり方を見い出し、あらたな連携がつくられている」と丸木さんは各ケースへの対応による住民の意識の変化を指摘します。
例えば、従来の地域の居場所の活動に加え、新たにほっとネット推進員を中心とした生活の見守りが必要な住民に対する傾聴や訪問を行うグループが住民同士からうまれ、Aさんのケースにもかかわりました。
このように、西東京市社協は、制度範囲内の支援が難しい住民の個々の課題と向き合うなかで、新たな地域支援のしくみづくりの必要性を認識しました。それは、これまでのつながりを生かす形で「住民の力」に改めて着目したしくみづくりです。

「ふれまち助け合い活動」の
立ち上げ
今年12月から3地区を1つのエリアとして始まるモデル事業「ふれまち助け合い活動」は、「ふれあいのまちづくり事業」の新たなしくみで、地域住民主体でお互いに助け合う活動です。これは、市内にある地域活動拠点で、地域住民の「ふれまちコーディネーター」が地域のちょっとした助け合いで対応可能な相談を聞き、「ふれまちボランティア」につなぎ、対応します。特に困難なケースは、社協やほっとネット、関係機関につなぎます。
また、「ふれまち助け合い活動」が受けた個別相談とその活動の積み重ねから見えてくる地域の課題に対し、ニーズ検討委員会を立ち上げ、関係機関、地域団体と協議します。住民同士の交流会や勉強会を開催する委員会も必要に応じて設置します。これらの活動を住民懇談会で行っていきます。
「25年間のふれまち事業によって、地域に根付いた個人レベルの人脈は存在する。これらを地域で生かせるしくみづくりができれば、これまで地域に関わりがなかった人たちもつながることができると思う」と、ふれまち事業を担当してきた西東京市社協の山田加弥江さんと佐藤美穂さんは話します。
この事業は、12月から来年3月までをモデル地区での試行期間とし、住民同士で支えるしくみとして全地区に拡大するための検討を重ねていく予定です。

住民を動かすのは住民
この新しい取組みが軌道に乗るためには、担い手の住民の確保が重要です。「目指しているのは、サービス提供ではなく、継続性のある地域のつながりづくり。日常のなかで地域にある社会資源をつなぎ、維持していくためには住民の力が大事」と丸木さんは話します。「住民を動かせるのは、同じ住民。そこをサポートするのが社協の役目」と丸木さんは考えます。西東京市社協では担い手拡大にむけて、元気な高齢者の活躍や若い世代の協力などの可能性を探っていく予定です。また、相談してきた住民が、あるときには相談を受ける住民になるという関係性も目指しています。
地域福祉コーディネーターを中心とした個別ケースへの対応と、地域コミュニティの取組みを連携させた住民主体のしくみづくりは、これから本格的にはじまります。


西東京市社会福祉協議会
丸木 敦さん(前列中央)地域福祉課課長
石井一雄さん(後列左)地域福祉課地域福祉推進係係長
関野大樹さん(後列右)地域福祉課地域福祉推進係地域福祉コーディネーター
山田加弥江さん(前列右)地域福祉課地域福祉推進係
佐藤美穂さん(前列左)地域福祉課地域福祉推進係


※1
ふれあいのまちづくり事業(略称:ふれまち事業)
小学校通学区域を単位に、住民が主役となって行う
「住民参加型」のまちづくり活動。毎月1回、各地区で
「住民懇談会」を開催し、地域に即した活動について
話し合い、実践している。


※2
ほっとするまちネットワークシステム(略称:ほっとネット)
地域の力で地域の課題を解決するしくみづくりとして西東京市の
第2期地域福祉計画において位置づけられた。市から西東京市社協が受託し、
地域福祉コーディネーターを配置し、住民である「ほっとネット推進員」の
人材発掘・育成と共に、協働して課題解決を行っている。


「ふれまち助け合い活動」
開始に向けたコーディネーターと
ボランティアの顔合わせの様子

「ふれまち助け合い活動」の
コーディネーター研修風景
ロールプレイを通して相談者への
接し方を学ぶ様子

 

 

 

【部会】

障害児(者)への
「医療・福祉・教育」の
一体的な支援

障害児福祉部会は、都内の重症心身障害児施設、肢体不自由児施設、肢体不自由児通園施設等の14施設で構成される部会です。設置・運営主体は国立民営、都立都営、都立民営、民立民営と様々で、東京都における重症心身障害児および肢体不自由児等の福祉の充実と施設運営の向上を目的に、関係機関・団体と連携を図りながら活動を行っています。
重症心身障害児とは、重度の知的障害と重度の肢体不自由を併せ持つ児童です。自らの力では動けない人が多いので、車椅子での移動が欠かせません。食事を食べさせてもらうなど、生活のほとんどを介助してもらいます。言葉によるコミュニケーションも困難です。中には、超重症児、準超重症児といった常に医療や看護の手厚いケアが必要な人もいます。
平成25年4月より「障害者総合支援法」が施行され、従来の重症心身障害児施設ではなくなりました。医療法に基づく「病院」であると同時に、18歳までは児童福祉法の「医療型障害児入所施設」に、18歳以上の障害者は障害者総合支援法の「療養介護」という枠組みに再編成されました。重症心身障害児(者)については、2つの法律にまたがる制度の中で「児・者一貫」した支援を行っています。
施設は、ほとんどの利用者が一生を過ごす生活の場であるため、沢山の専門職が協力し、医療ならびに各種のリハビリテーションサービス、生活指導・援助、様々な活動や教育を通じて、ひとりひとりの残存機能の開発と維持を図り、社会の一員として生活していくことを目的に、日々の療育を行っています。
また、地域機関及び他種別の施設・事業所との連携も進み、訪問看護をはじめ、地域の施設や学校に医師等のスタッフが出向き、必要な相談事業や支援事業を行うなど、地域における重要な拠点の一つとして貢献しています。
こういった重症心身障害児に携わる施設は少ないため、障害児福祉部会としての部会活動の中で、研修や情報交換、互いの施設を見学するなどして、「医療・福祉・教育」のサービスの質の向上のために今後も積極的に活動をしていきます。
〈次回は身体障害者福祉部会です〉

 

 

 


【東社協発】

平成26年度区市町村社協
緊急学習会を開催

平成27年度から介護保険制度は大きく変わります。要支援者への予防給付(訪問介護・通所介護)は区市町村が取組む地域支援事業に移行されます。このような動きのなか、東社協地域福祉部は、10月27日に「介護保険制度改正が社協に及ぼす影響と社協の対応」緊急学習会を開催し、社協職員130名が参加しました。
はじめに、日本大学文理学部社会福祉学科教授の諏訪徹さんが介護保険制度改正の概要と社協に及ぼす影響について話しました。地域支援事業には現在の介護保険事業所に加え、NPO・ボランティア・協同組合・社会福祉法人・民間企業等が参画し、家事援助や見守り、配食事業等の多様なサービスを提供するしくみとなります。多様なサービスを作りだし、連携させるため、生活支援コーディネーターが配置されます。諏訪さんは「今回の改正は、社協がこれまで行ってきた地域福祉を介護保険制度に組み込むものとなる。組織としてのビジョン・戦略をもち、行政としっかり協議することが重要」と話しました。
続いて、3つの社協から制度改正への対応と課題提起を行いました。豊島区民社協では、区市町村域の生活支援コーディネーターの配置について、行政と調整をすすめています。豊島区民社協の大竹宏和さんは、「生活支援サービスの資源開発を行うには、まちに出て町会の会議などで話し合うことが大切。その中から必要な取組みが見えてくる」と指摘します。また、「生活支援コーディネーター、地域福祉コーディネーター、生活困窮者の相談支援員等は互いに重なる部分が多く、兼務することになる」と話しました。
足立区社協の和田忍さんは、「現在検討がすすめられている第6期の介護保険事業計画は、地域包括ケアシステムの構築を目指す2025年まで見据えたマスタープラン。今、社協が参画しなければ、今後かかわることが難しくなる」と指摘しました。そして、「2025年の地域と社協の置かれている状況を想像し、組織内で検討してほしい」と話しました。
最後に立川市社協の山本繁樹さんは、「社協は、地区社協活動、ふれあいいきいきサロンなどの地域住民参加による小地域福祉活動を取組んできた。これらの活動の重要性を行政に伝え、地域包括ケアづくりに参画してほしい」と話しました。そして、「社協ほど、夢を語れ、可能性がある仕事はない。社協がこれまで実践してきた活動に自信を持ち、地域づくりの王道を歩んでほしい」とメッセージを伝えました。


平成26年度家族介護を考えるつどい
『介護者支援でつながろう』
を開催します

いま地域で、介護者をとりまく状況が変化し、介護者を支える「人」づくりや「場」づくりの取り組みが広がっています。
そこで「介護者支援」をキーワードに、介護者を孤立させないための取り組みや必要な人に必要な手が届く支援について考えるつどいを開催します。
日時‥1月18日(日)10時~16時(15時10分~16時 懇親会)
会場‥飯田橋セントラルプラザ12階会議室および10階会議室
参加費‥無料(ただし、懇親会参加者は、会費300円)
内容‥午前は介護者を孤立させないための様々な取り組みや地域のネットワークづくりについてのシンポジウム。午後は「介護者を支える会を立ち上げよう」・「地域に開くカフェ、サロンをつくろう」・「必要な人に必要なことができる活動とは」のテーマで3つの分科会を行います。
詳細は東京ボランティア・市民活動センターホームページをご覧ください。
申込方法‥下記ホームページより申込フォームへ入力、もしくは申込用紙をダウンロードしFAX
申込・問合せ先‥東京ボランティア・市民活動センター
電話 03(3235)1171
FAX 03(3235)0050
ホームページ‥http://www.tvac.or.jp/
本事業は、キリン福祉財団の助成事業です。


東京都社会福祉大会を
開催します

東京都、東京都共同募金会、東京都社会福祉協議会は、第63回東京都社会福祉大会を開催します。
表彰式において本会は、東京の社会福祉に功績のあった個人・団体148名63団体に対して、東京都社会福祉協議会会長表彰状、・感謝状を贈呈します。当日は、表彰式の他、淑徳巣鴨中学高等学校ギター部による公演を行います。
日時‥
12月19日(金)
14時~15時45分
場所‥東京都庁第一本庁舎
5階大会議場

 

 

 

【資料ガイド】

施策・会議資料
●『第11回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料』(厚生労働省/11月/URL http://www.mhlw.go.jp/
stf/shingi2/0000064160.html)
●『第8回社会保障審議会福祉部会 資料』(厚生労働省/11月/URL http://
www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000064614.html)
●『第27回社会保障審議会年金部会 資料』(厚生労働省/11月/URL http:
//www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000063778.html)
●『第3回地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会 資料』(厚生労働省/10月/URL http://www.mhlw.go.
jp/stf/shingi2/0000063556.html)
●『児童部会子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会(第3回)(2014年9月30日)議事録』(厚生労働省/9月/URL http://www.mhlw.go.
jp/stf/shingi2/0000064204.html)
調査結果
●『平成25年国民生活基礎調査』(厚生労働省/7月/URL http://www.mhlw.
go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/index.html)
保健、医療、福祉、年金、所得などの国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画、運営に必要な基礎資料を得ることを目的に、昭和61年を初年として3年ごとに大規模な調査を、その間の各年は調査事項と対象世帯の少ない簡易な調査を実施している。
平成25年は、第10回の大規模な調査の実施年に当たり、世帯票・健康票は約30万世帯、介護票は約7千人、所得票・貯蓄票は約4万世帯を対象として調査し、世帯票・健康票は約23万世帯、介護票は約6千人、所得票・貯蓄票は約3万世帯の集計結果を掲載。
●『要介護者を介護する人の意識と実態に関する調査』(日本労働組合総連合会(連合)/9月/URL http://www.jtuc-rengo.or.jp/kurashi/kaigohoshu/report2014/index.html)
現在の介護保険サービスの利用状況と、今後解決すべき課題について要介護者を介護する人の意識と実態を通して明らかにすることを目的として、2014年2月~4月に実施した調査。
●『平成25年若年者雇用実態調査』(厚生労働省/9月/URL http://www.
mhlw.go.jp/toukei/list/4-21c-jyakunenkoyou-h25.html)
事業所における若年労働者の雇用状況、若年労働者の就業に関する意識など若年者の雇用実態について把握することを目的とし、5人以上の常用労働者を雇用する事業所約1万7千か所と、そこで働く若年労働者(15~34歳の労働者)約2万4千人を対象として平成25年10月1日現在の状況について調査したもの。
●『公立学校施設における津波対策状況調査』(文部科学省/10月/URL http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/bousai/1352657.htm)
津波対策の全国的な概況把握を目的として、津波による浸水が想定される公立学校(幼稚園、小学校、中学校、中等教育学校、高等学校、特別支援学校)の数や、施設面での対策の予定等について実施した調査。
●『女性の活躍推進に関する世論調査』(内閣府/11月/URL http://www.mext.
go.jp/a_menu/shisetu/bousai/1352657.htm)
女性の活躍推進に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とするために行った調査。
その他
●『青少年育成ハンドブック2014/平成26年』(こころの東京革命協会/10月/URL http://www.kokoro-tokyo.
jp/pdf/ikusei_manual2014.pdf)
青少年の健全育成地区委員会委員や青少年健全育成の関係者向けに、青少年の現状に関する統計情報や関係団体の概要・連絡先についてまとめた冊子。

 

 

 

【福祉職】

戦後の社会福祉制度の
歩みとともに

社会福祉法人二葉保育園
理事長
遠藤久江
Hisae Endo

1938年樺太生まれ。社会事業大学、明治学院大学大学院修了。愛恵学園(現、公益財団法人愛恵福祉支援財団の前身)、私立保育園連盟の書記等を経て、東京YWCA専門学校、沖縄キリスト教短期大学、福島県立会津短期大学、東海大学、聖隷クリストファー大学に勤務し、東京YWCA専門学校の校長を最後に教育現場から引退。現在は社会福祉法人二葉保育園理事長、NPO法人東京YWCAヒューマンサービスサポートセンター代表者等を担っている。

社会福祉への関心
私は北海道、遠軽の地で育ちました。この町は留岡幸助が設立した北海道家庭学校のあるところです。友人のお父さんが家庭学校の職員でしたので、よく遊びに行きました。そこでスズランを採ったり、平和山へのぼったりして遊びました。家庭学校は男子だけの児童自立支援施設ですので、友人の家でその子どもたちと一緒に食事をしたり、遊んだりしました。自分の将来を考えるようになって、社会福祉への道を考えました。しかし、親は娘に苦労の多い仕事をさせるわけにはゆかないと考え、社会福祉の勉強をすることを許してはくれませんでした。そこで、まずは英語を勉強することにして東京での学生生活が始まりました。2年後、日本社会事業大学が4年制大学になったので、自分の意思で編入学をし、1961(昭和36)年3月に学部一期生として卒業しました。
社会福祉専門職教育へのかかわり
日本の社会福祉制度の創成期から拡充期、そして変革期を走りぬいてきました。始めは東社協福祉部の一画で東京私立保育園連盟と全国私立保育園連盟の書記を一人で担っていました。現在はそれぞれが大きな団体として成長しています。
その後、社会福祉の現場はよき担い手がいてこそ社会福祉の対象者が守られ、良き実践が展開するのではないかと考えるようになり、専門学校や大学で社会福祉従事者の養成、教育に携わりました。皮切りは東京YWCA専門学校に社会福祉科をつくることでした。その後4つの短大、大学で教鞭をとりましたが、1校を除いてはすべて社会福祉の新設学科、学部の立ち上げからでした。除いた1校も沖縄キリスト教短期大学で、本土復帰に伴い、大学設置基準を本土並みにしなければならないために赴任しました。沖縄の本土復帰の次の年でした。
大学の教員は教育・研究・大学行政への参画のバランスが求められます。1970年代から2010年代まで40年間は我が国の社会福祉制度の拡充期と変革期です。教育、研究にあたっては、その情報を間違いなく学生に伝え、この潮流の持つ意味を社会福祉の将来を見据えて考えなければなりませんでしたので、気の休まる時はありませんでした。また、時代は福祉系の大学が急増し、18歳人口の減少を迎え入学者の獲得のために熾烈な競争が繰り広げられました。教員もその先兵として駆り出され、大学の使命は、自分の使命は…と悶々とする日々を過ごしました。
社会福祉の担い手の育成
不思議な巡り合わせですが、大学での教員生活を終えた後、38年ぶりに東京YWCA専門学校に校長として戻りました。この専門学校は女子の職業教育の先鞭を担い、最盛期には何百人もの受験生がいましたが、2007年当時は介護福祉科のみの学校になっていました。入学者は年々減少しており、所期の使命は終わったのではないかと判断せざるを得ませんでした。東京YWCAが公益財団法人として再組織されるのを機に80余年の歴史を持つ専門学校の閉鎖が模索され、その幕引きの役割を担いました。大きな使命を持って社会福祉科の開設に当たり、41年目に自らの手で閉鎖をすることになったのです。社会福祉専門職の養成とはどうあるべきかを深く考えさせられるできごとでした。学校の閉鎖後は、志を同じくした教職員でNPO東京YWCAヒューマンサービスサポートセンターを立ち上げ、学校で培ったノウハウを生かし、講師を社会福祉現場に派遣して事業所の職員研修を支援しています。
現在は社会福祉法人二葉保育園の理事長を担っています。法人内の施設整備は順調にすすんでいますが、課題は次代の担い手をどう育てるかです。すぐれた専門職育成こそが、優れた実践をもたらし、歴史を継承することができると考え、法人独自に「職員資質向上助成制度」を設けて職員の喚起を促しています。社会福祉制度は国民の最大の関心事になってきています。この期待に応えるべく、大きな志をもった担い手が育つことを心より願っています。

 

 

 

【図書ガイド】

●先日、ノロウイルスなどの感染によって引き起こる「感染性胃腸炎」の患者報告数が首都圏で急増しているニュースが報じられました。そこで、今回は感染症対策関連書籍のご紹介です。急な対応に慌てないよう、是非お手元に置いてお役立てください●

①ノロウイルス感染対応マニュアル あじさい荘における拡大防止の考え方とテクニック/雲母書房/1,028円/特養におけるノロウイルスの早期発見および拡大抑止手順マニュアル。
②イラストで理解する福祉現場の感染対策/中央法規出版/2,160円/福祉現場のスタッフが、感染対策に関心を抱き、実践しやすいよう、感染対策の基礎知識からケーススタディ、主要な感染症の解説を収載。
③介護スタッフのための安心!感染対策/秀和システム/1,512円/感染症の基礎知識から、感染予防の基礎知識、生活場面別の感染予防、介護現場に多く見られる感染症とその対策について解説。
④園医必携保育園の感染症/中外医学社/1,944円/園医を対象に、保育園での感染症における注意点、対策、予防などを簡潔かつ分かりやすくまとめた。一冊で園での感染症対策の全てを網羅できる、園医必携の書。
●今年も残すところあと僅か! 来年のスケジュール帳のご用意はお済みですか?
毎年好評を頂いております、11月始まりの手帳のご案内です●

アクションプランナー・ケア2015/筒井書房/3,500円
従来のマンスリー式手帳ではなく、30分ごとの縦割り時間型手帳。自分の行動と隙間時間が「見える化」。後回しにしていた仕事を入れるも良し、癒しのプライベートタイムにするも良し…巻末には介護サービス一覧表や、心を元気にするためのセルフチェックシートなど。
詳細は弊社HPまたはお電話を。

 

 


【アンテナ】

助成金

障がい者福祉助成事業

申込締切 1月10日当日消印有効 助成対象 Ⅰ.障がい者給料増額支援助成金①ジャンプアップ助成金:障がい者の給料増額のモデルケースに成り得る、より本格的なしくみを取り入れた総事業費が500万円以上の事業②ステップアップ助成金:障がい者の給料増額に効果的な事業・設備 Ⅱ.障がい者福祉助成金:会議・講演会・研修・出版・啓発・調査・研究・スポーツ・文化事業・活動 助成金額 ジャンプアップ助成金:定額500万円 ステップアップ助成金:上限200万円 障がい者福祉助成金:上限100万円 申込方法 下記ホームページより申請書をダウンロードし、下記提出先へ必要資料とともに送付 申込・問合せ先 〒104-0061 中央区銀座2-12-18ヤマト銀座ビル7階
・03(3248)0691
http://www.yamato-fukushi.
jp/works/subsidy/

アステラス・
スターライトパートナー患者会助成金

申込締切 1月30日当日消印有効 助成対象 患者又は患者家族の会・患者会の連合組織等団体の自立や育成につながる活動、または役員やリーダー・会員などの人材育成が期待できる活動 助成金額 1件1団体あたり50万円 申込方法①申込書②団体の定款もしくは会則③団体の役員名簿④直近の会報誌・機関誌・ホームページの1頁目のコピー(無ければ必要なし)を簡易書留郵便にて、下記宛先へ送付 申込・問合せ先 スターライトパートナー事務局 〒103-8411 中央区日本橋本町2-5-1アステラス製薬総務部 ・03(3244)5110
http://www.astellas.com/jp/csr/social/patient/koubo.html

 

講座・シンポジウム

こんぼ亭
「働き続けるコツと
就労継続支援のツボ」

申込締切 12月12日※当日参加も可能 日時 12月20日 場所 すみだリバーサイドホールイベントホール 内容 宇田亮一氏(立教大学心理教育相談所研究員)による講演 参加費 事前申込:3,000円(賛助会員:2,000円)当日:3,500円 申込方法 参加費を振込の上、電話、FAX、メールに名前、住所、電話・FAX番号、メールアドレスを明記し、申込 申込・問合せ先 地域精神保健福祉機構
・047(320)3870 047(320)3871
comhbotei@gmail.com

男性がケアを抱えるとき女性労働をささえる
もうひとつの観点

日時 12月13日※申込不要 場所 日本女子大学新泉山館大会議室 参加費 無料内容 第1部:基調講演「男がケアをするということ―ケア・労働・ジェンダー」天田城介氏(立命館大学大学院教授)、第2部:パネリスト報告「ケアラーとしての男性のいま」 問合せ先 日本女子大学現代女性キャリア研究所 ・03(5981)3380

災害後の中長期的な
支援の在り方を考える

日時 12月13日、14日場所 日本社会事業大学A-401教室 参加費 無料 内容 災害直後の生命の安全の確保や応急対応とは異なる中長期における課題やその対応について、東日本大震災や環太平洋諸国の災害経験から議論を深める講演 申込方法 下記ホームページより申込 申込・問合せ先 日本社会事業大学社会事業研究所社会福祉セミナー担当 ・042(496)3050
http://www.jcsw.ac.jp

不登校を考える

日時 12月14日 場所NHK学園東京本校 定員 120名 参加費 無料 内容 「居場所の力~子どもの命によりそって」講師:西野博之氏(NPO法人フリースペースたまりば理事長、川崎市子ども夢パーク所長、フリースペースえん代表、精神保健福祉士) 申込方法 住所・氏名・電話番号・個別入学相談希望の有無を明記し、FAX、メールにて申込 申込・問合せ先 NHK学園高等学校講演会事務局 担当宮坂
・0120(4514)24 042(572)3332
koko@n-gaku.jp

スクールソーシャル
ワーク入門
一日講座

日時 12月21日 場所貸し教室内海2F教室 定員 60名 参加費 一般:9,000円、学生:6,000円、会員:5,000円 内容 ①「SSWの視点と子どもたちの現状」山下英三郎氏(日本社会事業大学名誉教授)、②「SSWの概要、価値と倫理」内田宏明氏(日本社会事業大学専任講師)、③「SSW実践とその展開」入海英里子氏(杉並区スクールソーシャルワーカー) 申込方法 受講申込書(ホームページより入手可能)をFAX、メール、郵送にて送付し、受講料を払込 申込・問合せ先 日本スクールソーシャルワーク協会 〒169-0075 新宿区高田馬場3-23-2-101 03(3371)4840
office@sswaj.org
http://www.sswaj.org/study.html

吃音臨床家のための
研修会

日時 1月11日 場所泉の森会館 参加費 5,000円 内容 「言葉の専門家として、吃音に取り組む」早坂菊子氏(早坂スピーチクリニック院長、言語聴覚士)、「吃音者のためのグループカウンセリング~理論と実際~」久次米稔之氏(廣瀬カウンセリング教室カウンセラー)など 申込方法 メール又は電話にて①氏名②所属・職種と領域③メールアドレス④電話番号を伝え申込 申込・問合せ先 吃音サポートジークフリーツ 担当松田
・090(1859)0070
siegfrieds_chigasaki@yahoo.co.jp

人権シンポジウムin東京「震災と人権~被災者に配慮した復興を目指して」

申込締切 1月9日16:00日時 1月10日 場所よみうり大手町ホール 内容①シンポジウム パネリスト:布施龍一氏(特定非営利活動法人フェアトレード東北代表理事)、小谷雄介氏(遠野市被災地支援ネットワーク「遠野まごころネット(遠野被災地支援ボランティア)」副理事長)、西辻一真氏(株式会社マイファーム代表取締役) コーディネーター:横田洋三氏(法務省特別顧問、国際労働機関(ILO)条約勧告適用専門家委員会委員、公益財団法人人権教育啓発推進センター理事長、元・国連人権促進保護小委員会委員)②トークショー・講演:なすび氏(タレント、俳優、劇団「なす我儘」主宰、ふくしまあったか観光交流大使、ふくしまDCけんぽく応援団長、なすびと一緒にみんなで東北応援隊!)③資料展示 申込方法 ホームページより申込。又は①企業(団体)名・所属②氏名③電話番号④FAX番号⑤メールアドレス⑥住所⑦人権センターからの情報提供の可否を明記の上、郵便・FAX・メールにて送付 申込・問合せ先 人権教育啓発推進センター「人権シンポジウム」事務局 〒105-0012 港区芝大門2-10-12KDX芝大門ビル4F
・03(5777)1802 03(5777)1803
event2014@jinken.or.jp

 

その他

弘済学園
わたしたちが創る展

日時 12月22日~12月24日 場所 JR東京駅丸の内地下南口(外)特設会場 内容 オープニングセレモニー(12月22日)、弘済学園の紹介パネル・写真パネルの展示、パンフレットの配布、弘済学園利用者の作品(木彫、織物、タイルモザイク、ビーズ作品、鉢花等)の展示、知的障害・自閉症児者に関する療育相談会 問合せ先 総合福祉センター弘済学園担当:大永、三石
・0463(77)3222

 

※この他の情報は東社協ホームページに
掲載しています

 

 


【くらし】

ウィルチェアラグビーは、
自分の人生そのもの

ロンドンパラリンピックで4位の
成績を残したウィルチェアラグビー
日本代表選手の島川慎一さん。
21歳の時に交通事故で、
車いすとなってからの生活について
お話を伺いました。


苦手だったチームスポーツ
で日本代表選手に
ウィルチェアラグビーとの出会いは1999年です。車いす生活になってから2年程経った頃でした。幼い頃からチームスポーツの経験がほとんどなく、その時は陸上競技を少しやっていました。正直その時はあまり人と関わりたくないと思っていて、知り合いに誘われたから練習を見に行っただけでした。しかし、車いす同士でぶつかり合う様子を見て、一瞬で「面白い!」と思いました。それまでは、車いすでぶつかり合うという概念が自分の中にありませんでした。
それからすぐにチームに入って練習に通い、2001年に日本代表に選ばれました。その後、大分から関東のチームに移り、2004年のアテネパラリンピック、2008年の北京パラリンピック、2012年のロンドンパラリンピックに出場しました。また、アメリカのチームで計4シーズンプレーをしました。そこでは2度リーグ優勝して、年間MVPにもなりました。まさか、苦手と思っていたチームスポーツに自分がここまでのめりこむとは思ってもいませんでした。
●アメリカと日本の違い
アメリカのチームから誘いを受けた時は、日本の会社に常勤で勤めていたので、会社を辞めて渡米しました。アメリカでは、選手兼監督の家で生活しました。英語は話せなかったので、生活しながら身に付けました。車いすで生活する上では、アメリカはバリアフリーが当たり前の社会なので、制限されることは少なかったです。また、知らない人でもさりげなく声をかけてくれるので困った時は頼むことができ、「大丈夫」と言えばそれ以上踏み込んでくることもないので本当に過ごしやすかったです。
アメリカと比べると日本は今、バリアフリーの意識が広がっている段階だと思います。それはとても良いことだと思いますが、現状は「特別」な場所にしかないので行く店などが制限されてしまいます。また、日本は”おもてなし“の心があるので、必要以上に手伝ってくれると感じることもあります。これから日本もアメリカのように、車いすの人も自然に生活できる社会になっていくと嬉しいです。
●競技を通して
得たものは、人生
競技を始めて15年になります。この競技を通して様々な人と出会い、人として成長することができました。昔は人と関わることを嫌がっていましたが、性格も変わりました。今、ベテランと言われる年齢になり、昔の自分のような選手がチームに入ってきたら「絶対に嫌だっただろうな」と思います。だからこそ若い選手に対して思うこともあり、今は若い選手を育てていく楽しさも感じています。また、この競技がきっかけで現在の妻と出会い、7月には父になりました。本当に、ウィルチェアラグビーは自分の人生そのものだと思います。
日本はまだパラリンピックでメダルを獲得したことがありません。リオでメダルを取ることで、たくさんの人に興味をもってもらい、競技人口を増やしていくことが今の目標です。日本代表という現状を維持するために、若い選手以上の努力をしていかなければと思っています。

競技風景


GROUPナビ

ウィルチェアラグビー

四肢に障害のある車いすの選手が行う。障害のレベルによってクラスに分けられ、コート上でプレーする4人の合計レベルが8点を超えてはいけない。相手の攻撃を妨害するためのタックルが認められている。
日本選手権大会:2014年12月19・20・21日に千葉ポートアリーナで行われる。入場無料。
日本ウィルチェアラグビー連盟
http://www.jwrugby.com/

 

 

 

【新刊】

平成26年度 東京都社会福祉協議会主催
労働基準法等に関する
基礎研修会

●平成26年10月開催の「労働基準法等に関する基礎研修会」の配布資料として作成したものです。
◆規格
A4判/231頁
◆定価
540円 (税込み)


障害者総合支援法とは…
〔改訂版〕

●2014年4月完全施行の障害者総合支援法と関連する児童福祉法(障害児入所施設・通所施設)をふまえ改訂しています。
※好評につき増刷しました。
◆規格
A4判/32頁
◆定価
432円 (税込み)

4月から「福祉広報」を
ホームページで公開します
2015年4月より「福祉広報」を東社協ホームページに全ページ掲載します。なお、個人購読は継続いたします。今後とも皆様に役立つ情報をお届けしていきますので、よろしくお願いいたします。

月刊「福祉広報」

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