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福祉広報 2015年9月 681号 テキストデータ

【表紙】


社会福祉NOW

平成28年度からの
新たな中期計画の
策定に向けて


トピックス
●子ども・子育て世帯を見守りニーズにも対応できる地域づくりを
●中野区内社会福祉法人情報交換会

連載 社会福祉法人の社会貢献・地域貢献⑥
●社会福祉法人ダビデ会

福祉職が語る
●NPO法人東京養育家庭の会理事長 青葉紘宇さん


昭島市 地域ふれあい館で過ごす桃子さんと琥太郎くん

暖かく穏やかな時を過ごす日々、
時折足を運び、友だちと共に遊びリズムに揺れる。
少しずつ成長していく姿はとても愛くるしく、
心から笑みが溢れ出す。

 

 

【NOW】

平成28年度からの新たな
中期計画の策定に向けて


東社協では本年度、
『第3期東社協3か年計画』の
最終年度を迎えています。同計画は、
平成25~27年度における
10の重点事業を5つの柱で展開してきました。
それは、今日的な課題に東社協の
ネットワークが対応する力を高めることで
解決しようとした3年間でした。
本号では、第3期計画で取組んだ
事業の成果と課題を確認するとともに、
28年度からの新たな中期計画の
めざすべき姿を考えます。

 


今日的な課題の解決をめざして
― 第3期計画の成果と課題

社会的に注目される課題も、課題そのものは地域で起こっています。そして、その課題を地域で主体的に解決できることが求められています。第3期計画では次のような取組みを行ってきました。
Ⅰ 社会的に広く取組みが求められている
課題への対応
「暴力・虐待を生まない社会づくり推進事業」「学齢期までを見据えた子ども・子育て支援の構築」「低所得世帯の子どもへの支援の構築プロジェクト」「認知症高齢者支援推進プロジェクト」の4つの重点事業に取組みました。
例えば、「暴力・虐待を生まない社会づくり推進事業」では、児童・女性福祉施設へ入所する前に暴力・虐待を経験した利用者495ケースの実態調査を実施し、「どうして早期に発見できなかったのか」などを分析しました。すると、「相談できるところを知らなかった」(40・0%)、「自分が受けていることを暴力や虐待と認識していなかった」(34・3%)となっており、「知られたくなかった」(12・8%)を大きく上回りました。そして、9割の施設が「地域住民にできることがある」と答えています。そして、調査結果をもとに実際にあった事例を加工して「地域住民ができること」を考える小冊子を作成し、それを活用した学習会を地域で開催中です(↓8頁に関連記事)。同事業は、福祉施設、区市町村社協、民生児童委員が協働するプロジェクトですすめており、専門機関である福祉施設で受けとめている課題に対して未然防止の観点から地域でできることを探る取組みです。27年度は、障害福祉分野に同様の取組みを広げていこうとしています。
社会的な課題に対応していくためには、利用者実態をもとに専門機関の力を結集するとともに、住民も含めた新たな協働で解決をめざす視点が大切になっています。一方で、解決のしくみを提案する施策提言力や地域の取組みを広げる普及力を強化していくことが課題です。
Ⅱ 福祉人材の確保・育成の取組み
「小規模事業所における人材育成・定着支援事業」「保育人材確保と啓発事業」「福祉職場における障害者雇用のしくみ構築プロジェクト」の3つの重点事業に取組みました。
身近な地域でサービスを提供する小規模事業所では、職員数が少ないため、広域の集合研修等には参加しにくいという課題があります。そのため、第3期計画では新たに出前型研修や地域単位・職場単位の研修機会を提供するための講師登録制度や研修アドバイザー制度を創設してきました。
また、人材育成では例えば、キャリアパスにつながる職務階層別研修にこれまで参加の少なかった保育所職員の参加促進を図るなどの取組みをすすめてきました。人材確保では、特に高校生向けのプログラムを充実強化してきました。さらに、27年度は保育所を対象に小中高校生の職場体験の受入れ状況の調査に取組んでいます。こうした人材確保と人材育成の取組みが連携して「キャリア教育支援」「就職支援」「キャリア形成支援」をより一層、つながりをもちながら充実していくことが課題となっています。
Ⅲ 地域における諸課題をふまえた取組み
「社会的孤立等に対応する小地域福祉活動推進事業」を重点事業として取組みました。
26年度までの第2期計画では、「地域福祉コーディネーター養成と住民活動支援プログラムの開発」に取組んできました。そこでは、地域福祉コーディネーターが地域で力を発揮していくためには、小地域に基盤組織が必要であることがわかりました。そこで、第3期では「課題発見・解決志向型の地区社協」づくりを5区市社協でモデル実施しています。
また、併せて地域でニーズの高い「居場所」について、都内の特色ある取組みを把握し、2地区で「地域の居場所活性化モデル事業」を実施しました。27年度は「居場所」づくりを区市町村ボランティア・市民活動センター等が支援するためのハンドブックの作成をすすめています。
Ⅳ 新たな時代に対応した福祉情報の発信と
参加の促進
「生きる力(生きていく力)を高める福祉教育(市民学習)の実践」を重点事業に取組みました。
地域と学校のそれぞれにおける市民学習の取組み状況を把握した上、共同研究校(小・中・高)とパートナーシップを組んで学校とともに学習プログラムを展開しました。学習指導要領の改定等によって総合的な学習の時間の確保が難しくなってきているなどの課題がありますが、学校と地域の協働による継続的な実践につながるよう、27年度は教材作成などの取組みをすすめています。
Ⅴ 災害時の福祉施設における
地域の要配慮者支援の構築
「災害時要配慮者支援センターの構築」を重点事業として取組みました。
福祉施設の業種別部会を会員組織に持つ東社協では、これまでも各部会の機能を活かして東日本大震災などの災害時に何らかの支援活動に取組んできた実績があります。第3期計画では、こうした機能を基盤に東京都や職能団体と連携した検討委員会を設置し、災害時の要配慮者支援における地域の広域の役割の整理をすすめてきました。また、東日本大震災、大島町土石流災害、広島市土砂災害等の被災地をはじめとする要配慮者の支援活動の実際をヒアリングし、『災害時要援護者支援活動事例集』等を4冊刊行しています。
今後は災害ボランティアセンターと要配慮者支援センターが連携するなど、日ごろから災害時に備えたネットワークを作り、災害に強い福祉を構築することが課題です。
Ⅰ~Ⅴの5つの柱で取組んだ第3期計画では、課題を提起するだけでなく、その解決をめざしましたがその手法として、部会の枠組みを超えた協働により取組むとともに、特に区市町村社協との協働をほぼ全ての事業で取組んだことが特徴です。
東京らしい多様性を活かした協働へ
― 新たな中期計画の策定に向けて

第3期の成果と課題をふまえ、現在、28年度からの新たな中期計画の策定に向けた取組みをすすめています。新たな中期には、社会福祉法人制度改革の動向や東京都における人口減少社会の到来など、ふまえるべき情勢もあります。
大都市東京には、多様な暮らしがあるとともに、多様な主体が地域福祉に参画しています。そうした中、既存の制度の枠組みだけでは解決できない複雑多様化した課題にも対応できる地域福祉を展開することが重要と考えられます。その際、「一人ひとりが安心して暮らせる」「誰もが福祉力を高めることで、地域の課題を主体的に解決できる」という、「個別支援」「地域づくり」の2つの視点のつながりを強化していくことが求められます。喫緊の人材確保にせよ、専門職を確保するだけでなく、地域でどのような福祉をどのような主体で実現していくかの地域づくりの視点をからめていくことが今、問われています。
そのため、図のように「めざすべき東京における地域社会の姿」を描き、それを都道府県圏域の社協である東社協の5つの役割(めざす姿の周辺)で支援するイメージ案を現在、検討しています。こうした役割を発揮する上では、「制度の狭間のニーズを見逃さず解決できる協働を推進する」、「福祉人材の確保・育成から次世代等の新たな層の理解と参加の促進を一体的にすすめる」などに重点的に取組むとともに、「横断的な課題にタイムリーに対応できる」組織を構築する必要があります。
今後、中期にめざす目標を定め、東社協らしい重点事業の検討をすすめていく予定です。

図 めざすべき姿と東社協の基本的な役割のイメージ(案)

 

 

【トピックス】

子ども・子育て世帯を見守り
ニーズにも対応できる地域づくりを


世田谷区
社協


世田谷区社会福祉協議会(以下、世田谷区社協)では、7月よりファミリー・サポート・センター事業(*)を受託しました。5つの地域で28地区社協が地域活動を行う強みを活かし、地域にある既存の親子が集う子育てサロンと連携させながら地域の子ども・子育て世帯を見守りニーズにも対応できる地域づくりを行っています。
子どもが増える世田谷区
4月より施行された子ども・子育て新制度では、区市町村が実施する「地域子ども・子育て支援事業」の一つにファミリー・サポート・センター事業が位置付けられました。3月に策定された「世田谷区こども計画」によると世田谷区の0~5歳の子ども人口は4万3千365人(27年1月1日現在)で、21年から毎年1千人近く増え続けています。
世田谷区社協では同様の事業である「ふれあい子育て支援事業」を13年から実施していましたが、区内の子育て家庭が抱えている課題への対応と継続的な支援を課題としていました。
地域課題にも個別ニーズにも対応
事業開始から約1か月が経ちましたが、多くの申込みや問い合わせがあります。特に保育園等へのお迎えや、習い事の送迎などの利用希望者が多くなっています。援助会員には50代から60代の方が中心に登録しています。元気いっぱいの子どもたちとの関わりが、援助者自身の生きがいや、生活の張り合いになっています。また、世田谷区は地方からの転居者が多いため、祖父母と離れて暮らす子どもたちにとって、援助会員は「東京のおじいちゃん、おばあちゃん」です。
世田谷区社協地域福祉課ふれあいサービス係長で世田谷区ファミリーサポートセンター長の江口卓さんは「社協には子育て家庭の多くが抱える課題にも、個別の課題にも、こたえられる体制づくりが求められている。最近では外国籍の方からの問合せなども増えている。転入者が多い区なので、近隣に気軽に頼れる存在がいない家庭が多い。援助会員と協力しながら、子どもだけを見るのではなく、その背景の家庭にも目を向けて、個別のニーズにも対応できるしくみを整えていきたい。また、担い手側の気持ちや意欲を高める役割も持ち、行政と連携して広い視野を持ってやっていきたい」と話します。
地域性が出る個性あふれるサロン
区内には現在91か所の子育てサロンがあります。以前は専業主婦の利用が多かったのに対し、最近では育児休暇中の方の利用が多くなっています。仕事から離れ、休んでみて初めて地域とのつながりがないことに気づき、サロンに参加しています。援助会員とのつながりを持つことができ、育児休暇が終わる時にスタッフから、ファミリーサポートセンターを紹介してもらったり、ふれあいサービス(日常生活支援)と子育てサロン、ファミリー・サポート・センター事業を組み合わせて利用する方もいます。
「子育てサロンは地域の社会資源を活かした活動をしていておもしろい」と地域福祉課地域福祉推進係主任の尾 一美さんは話します。地域の情報交換や保護者のリフレッシュだけでなく、リトミックや英語を取り入れた活動や、工作をしながら親子で遊べる活動、公園などで泥だらけになって遊ぶ活動など、多様なサロンが運営されています。サロンでの交流の中で、個別の困りごとがあれば、スタッフが地区社協担当職員につなげるなど、個別のサポートを行います。「子育てサロンには個別の困りごとをサポートすることと、地域とつながることのふたつを満たす力がある」と尾崎さんは話します。
社協だからできる支援をめざす
江口さんは「地域の中で利用者だった人が援助する側に回って循環していくような支え合いの継続を大事にしたい。また、ファミリー・サポート・センター事業と子育てサロンだけでなく、子育て支援の全体を見ながら支援をしていきたい」と話します。世田谷区社協では、隙間になっているニーズにも目を向け、昨年は妊婦を対象にしたイベントを開催しました。はじめての出産をひかえての不安を解消できるよう、普段はサロンに参加している先輩ママが自分の体験談を話したり、育児グッズの選び方などを教えたりするもので、両親学級で参加を呼びかけるなどして、実現しました。妊婦の頃から地域とつながりを持つことができ、身近な場所に相談相手ができます。
今後も地域とつながりの深い社協だからこそできる、地域に密着した支援が期待されます。

 

*子育ての手助けをしてほしい方(利用会員)と手助けができる方(援助会員)が、身近な地域で子育ての相互援助を行うもので、世田谷区社会福祉協議会が運営を担っています。

利用会員
援助会員

主な援助内容


利用時間
預かり場所
利用料金 

区内在住の生後43日目から小学校6年生までの子どもの保護者
18歳以上の方で、子どもが好きで心身ともに健康な方。
登録時研修を受けた方
●保育園、幼稚園、学校、習い事への送迎、その前後の預かり
●親のリフレッシュ、行事への参加時、
会員や家族の病気時等の預かりなど
7時から21時(原則)
利用会員宅、援助会員宅、児童館、公園など
1時間800円


「中野区内社会福祉法人情報交換会」
が開催されました

 


平成27年
8月4日


中野区社会福祉協議会(以下、中野区社協)が中野区内で社会福祉事業を経営する34法人に声をかけ、8月4日に「中野区内社会福祉法人情報交換会」を開催しました。当日は、19法人から、理事長、施設長、事務長等26名と、中野区健康福祉部から2名、中野区社協から5名、東社協から3名の参加がありました。
はじめに、中野区社協の常務理事兼事務局長の鈴木由美子さんから「これまでは社会福祉協議会とそれぞれの社会福祉法人単体との関わりだった。東社協社会貢献事業検討委員会の『中間のまとめ』が出されたことを踏まえて、初めの一歩として区内の法人に声をかけた。今、社会福祉法人が置かれている状況について情報共有し有意義な時間にしたい」と挨拶がありました。その後、「社会福祉法人制度改革の内容と都内の社会貢献事業の取組み状況」について東社協からの情報提供を踏まえ、各法人の取組み状況等に関する情報交換がなされました。
社会貢献活動として、地域の清掃やお祭りの手伝い、車いすの貸出し等を実施してきた法人は、「これまでは地域のお手伝いが中心で社会福祉法人の専門性を活かしたものではなかった」として、法人内の地域貢献委員会で今後検討していくと話しました。また、地域住民を対象とした介護教室やサロン等を実施している法人からは、「各施設が地域に提供できる社会資源をどれだけ持っているか法人内で取りまとめている」と報告があり、さらに中野区全体の「地域貢献資源情報カード」の作成、集約をし、その情報を活用するため社協が情報発信することの提案がありました。
中野区社協は、各法人に事前アンケートをとり、回答した22法人の情報を当日の会議で提供しました。「現在実施している公益活動(社会貢献活動)」に「ある」と回答したのは、13法人でした。また、「ない」と回答していても、入所相談と合わせて地域住民に「何でも相談」を行っている特別養護老人ホームや、育児相談を行っているという保育園もありました。
当日の情報交換のなかでも、「きょうだいの預け先がないことにより障害児の療育がすすめられない」という課題や、「制度の狭間の生きにくい方の支援ができる相談支援事業をやりたい」という意見も挙げられました。
今後の情報交換会に参加意向を示す法人が多数あり、中野区社協は、年内にもう1回開催し、連携のあり方等についても情報交換していきたいと締めくくりました。

 

 

【マンスリー】

2015年7月26日~8月25日

学童入所児童数
100万人を
超える

●全国学童保育連絡協議会は、学童保育(放課後児童クラブ)についての実施状況調査の結果をまとめた。子ども・子育て支援新制度の施行により学童保育数は2万5,541か所(前年比3,445か所増)、入所児童数は101万7,429人(前年比8万3,894人増)と激増し、入所児童が初めて100万人を超えた。                (8/7)

●保護観察少年を非常勤職員として雇用開始
●法務省は、保護観察中の少年を全国10の少年鑑別所で非常勤職員として雇用すると発表した。再発防止が目的で、少年らは期間中に就職活動を進め、次の就職先を探す。保護観察中の無職者の再犯率は約60%。          (7/28)
●平均寿命が男女ともに過去最高を更新
●厚生労働省は平成26年簡易生命表を公表した。日本人の平均寿命は男性が80.50年、女性が86.83年でともに過去最高を更新した。  (7/30)
●年収300万円未満の若年層世帯、15年間で2倍
●財務省は政府税制調査会に、年齢層ごとの世帯年収の変化の結果を提示した。若年層(30歳未満)で世帯年収が300万円未満の割合は9.8%(1994年)から18.7%(2009年)へほぼ倍増し、若い世代の苦しい生活実態が明らかになった。(7/31)
●文京区が行政文書を多言語化する取組み
●文京区は、区内にある東京大学と協力して「官学連携文京区行政文書多言語化サポートプロジェクト」を立ち上げた。区内に在住・滞在する外国人向けに必要性の高い文書の多言語化を進める方針。                 (8/3)
●フリースクール等に通う義務教育段階の子ども約4千人
●文部科学省の調査によると、フリースクールなど民間教育団体・施設に通っている義務教育段階の子どもは、3月時点で4,196人いることがわかった。56%が本来在籍するはずの学校で出席扱いとなっていた。           (8/5)
●板橋区、民生児童委員が熱中症の注意をうながす
●板橋区は8月8日に80代~90代の姉妹三人が熱中症とみられる症状で死亡していたことを受け、11日から区の「見守り名簿」に登録された約6,600世帯を民生児童委員が全戸訪問し安否確認とあわせて水分補給やエアコン使用の注意喚起をする。                (8/11)
●地域移行支援型ホーム、4割の自治体が転換認めず
●病棟転換型居住系施設について考える会と全国精神障害者地域生活支援協議会の調査によると、精神科の病床をグループホームに転換できるとした改正で、主要自治体のうち4割は転換を認めていないことがわかった。       (8/11)
●朝夕の保育士配置基準緩和、約7割の保育士が反対
●厚生労働省が、子どもの少ない朝夕に限り、設置を義務付けている保育士の数を現行の2人から1人に減らす検討を行っていることについて、約7割の保育士が反対していることが、株式会社ウェルクスの意識調査でわかった。   (8/24)

 

 

【連載】

地域に
”子育てコミュニティ“
をつくる

社会福祉法人ダビデ会の取組み

昭島市東中神駅徒歩1分にある保育園が
近隣商店街の一角に地域の人が集える「地域ふれあい館」を
平成25年4月にオープンさせました。
利用者層別に各種プログラムを地域の方へ提供しています。

本号では、異世代交流の場を通して
地域に"子育てコミュニティ"をつくる取組みをしている
社会福祉法人ダビデ会昭島ナオミ保育園園長の
伊能恵子さんよりご寄稿いただきました。

「地域ふれあい館」創設の背景
地域支援施設を創設しようとしていた当初、シャッター街化した小さな駅前商店街には、行き場のない高齢者が一日空を見つめて座っている姿があちらこちらにみられました。また、近隣の小さな児童遊園は、夕方になると中高生のたまり場となり、シャッターの下りた商店の前には段ボールハウスが出来、治安も悪化していました。さらに、中高生と小学生高学年の万引きや恐喝まがいのトラブルに関する相談が卒園生の保護者から続々と寄せられており、地域にある社会福祉法人として、何か出来ることがあるのではないかと模索していました。その模索から、異世代が集うことのできるしくみ作りについて、昭島市の子育て支援課に相談に行った折、当時の課長は非常に共感を持って受入れてくれ、補助金について該当するものがあるか探してみるといった提案をしてくれました。次に、商店会に異世代が集える場所を創設する着想について、話を持ちかけました。中には「子どもの声がうるさいのは困る」という意見も根強くありましたが、シャッターが次々と下りる中、期待を寄せているとの回答をもらい、その上地域の居場所を創設する着想がうわさで広まり地域の高齢者から早く開設してほしいといった声が多く寄せられました。そして、子どもの声に反対している商店の説得にあたってくれました。
ところが、共感を寄せてくれていた子育て支援課に大幅な人事異動の波がおしよせ、新体制が整えられた子育て支援課から、今後は、待機児解消に向けたもの以外の補助はしないと断言されてしまいました。しかも、高齢者を含む支援は児童福祉分野ではないと指摘も受け、全てが否定され白紙に戻った状態となりました。委託費も助成金も望めないまま創設に踏み切っていいものかどうか、かなり悩みましたが、地域からの期待する声とニーズに支えられ、思い切って赤字覚悟で開設することにしました。

「地域ふれあい館」存続の工夫
①資金不足・人手不足の工夫
公的な補助金がのぞめず、独自の事業として成立させていくためには、資金不足を補う工夫が必要です。当然専属の人材等は雇えないわけですから、人手も不足です。これらを補うために思いついたのが、出前保育のあり方の工夫です。クラス或いはグループ単位で地域に出向けば子どもと共に保育士も動くわけですから、ここに地域と関わる有効な人材が生まれます。
②多様な利用者のニーズに応える工夫
次に、当法人はつどいの広場事業を委託されていますが、そこにも課題がありました。つどいの広場は親子が集う無料解放の場で、その意図には、子育て家庭の孤立予防として子育てサークル支援も含まれています。ところが現場では、悩んでいる親子ほど子育てサークルにも入れず、子育てサークルの団体が来ると逆に「また今度来ます」と言って帰ってしまう現状です。支援を要する親子こそ利用でき、気軽に相談できる場の提供が必要でした。また、高齢者を含む異世代交流といっても、ただ単に同じ場所に居て楽しめるわけではありません。特に孤独な高齢者ほど「子どもの声は苦手」と公言する傾向にありました。そこで思い付いたのが、利用者が利用層及び時間帯を選べるようなプログラム設定の工夫です。まず、一日を大きく3つのくくりに分けました。午前中は、子育て親子が子ども中心のプログラム、次に午後の3時頃までは、高齢者を含み親子連れでも利用できるプログラム、夕方からは、学童の学習支援中心のプログラム設定といったすみ分けです。いずれの時間帯も利用可能ですが、利用者が利用したい時間帯や利用層を選ぶチャンスも提供することになります。
③地域に受入れられる工夫
そもそも社会福祉法人・社会福祉施設の成長は、特定の利用者のみならず、地域に受入れられ、かつ地域と共に成長する意識がなければ望めません。そのためには地域における理解者を増やすことです。そのための工夫が、地域とコミュニケーションをとる機会を作ること、法人・施設の活動をオープンにすることの2点です。一点目のコミュニケーションをとる機会の具体的なものとして、年長児イベントとして手作りクッキーをつくり、ありがとうのメッセージを添えて地域の1千を超える家庭に配布することや、紅白幕の設置等の商店会活動に職員が参加することがあげられます。次に活動をオープンにするということについては、施設行事への招待ばかりではなく、活動している姿を全て見せていくことです。特に「地域ふれあい館」施設改築の際、子どもの姿があまり見られないように壁を作る方向で助言されましたが、全面ガラス張りにこだわり、全てをオープンにしました。このガラス張りの勇気がかなり成果をあげました。
そして同時に忘れてはならないのが安全面です。出入り自由でガラス張りで無料だと、子ども達と触れ合わせるのに不安な人もかなりいました。そのために導入したのが、ワンコインの登録料を利用者から頂くことです。つまり、会館の約款にサインし登録し、バッチをつけた人のみが使用できるというものです。これを導入してから酔っ払って暴れる人などの困った方が会館を利用しなくなった、すなわち本当に支援を必要とする人が利用するようになったのです。

「地域ふれあい館」創設の成果
こうした四苦八苦の末創設した「地域ふれあい館」活動の成果については、3点あります。まず、一点目は騒音苦情がなくなったことです。次に「地域ふれあい館」は職員の老後のため、現利用者の老後の居場所づくりの提供であるといった位置づけにより、職員・利用者が参画意識を持って取組むようになったことがあげられます。職員は現場で動く体力がなくなっても保育を語る力はあります。保護者も趣味や特技を生かして「地域ふれあい館」の利用者にも講師にもなれます。そして、当法人が所属する日本子育て学会※などをはじめとする公的機関や地域に実践をオープンにすることが職員資質向上につながったことも、3点目の大きな成果と言えます。
今後は、シルバー人材の効果的な活用や人材発掘に取組むことが「地域ふれあい館」の発展につながるであろうと現在も課題解決へ向けて奮闘中です。


Keiko Inou

伊能恵子

社会福祉法人ダビデ会
昭島ナオミ保育園 園長
秋草学園短期大学専攻科・
地域保育学科兼任講師
日本子育て学会常任理事
博士(教育学)


社会福祉法人
ダビデ会 昭島ナオミ保育園

1979年の創設以来、地域における子育てサークル活動の支援には36年の歴史がある。また、当法人は"見える化"に力を入れており、2009年に"保育の見える化"の取組みが日本教育新聞に掲載され、2010年日本生活科・総合的学習学会より「研究奨励賞」を受賞する。2011年に"経営の見える化"への取組みが、全社協の『特集』に掲載され、2013年創設の「地域ふれあい館」における"地域力の見える化"を含めた、"経営の見える化"への取組みが2015年東京メトロポリタン経営品質協議会(日本経営品質賞の地方版)より「ゴールド賞」を受賞する。

保育士と遊ぶ地域の子ども。
「家ではできないマットや鉄棒遊びを、教わりながらできるのがいい」と保護者

保育園の1歳児クラスと、地域の1歳児前後の親子が集い一緒にリズム遊び。出前保育で保育の現場を動かし人材の工夫をしている。

 

 

【ゆーすけ】

第一回社会貢献事業検討委員会を開催したよ!
●東社協では、社会福祉法人による社会貢献事業を推進しています。7月30日に「平成27年度第1回社会貢献事業検討委員会」を開催しました。都内で初めて社会貢献事業の実施を目的とした社会福祉法人のネットワークを立ち上げた「東村山市内社会福祉法人連絡会」の取組みや、都内6区市社協で実施しているモデル事業の状況が報告され、活発な意見交換が行われました。
東社協では、社会福祉法人による社会貢献活動・地域貢献活動をホームページで紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
http://www.tcsw.tvac.or.jp/kokenshien/index.html

ユースページをリニューアルしたよ!
●東社協ユースのページを更新しました。福祉職場で働いている人のやりがいや楽しさを紹介するページや、福祉をわかりやすく紹介するページを作成しました。福祉に興味がある学生の方など、ぜひご覧ください。
詳細は下記リンク先をご覧ください。
http://www.tcsw.tvac.or.jp/youth/index.html

 

 

【東社協】

「生活困窮者自立支援制度事業
実施社協情報交換会」を開催

 


平成27年度から生活困窮者自立支援法が施行され、福祉事務所設置自治体(町村は東京都)において、必須事業である自立相談支援事業を中心に、就労準備支援事業や学習支援事業等の任意事業が実施されています。各事業は民間へ委託でき、都内では15区市社協が何らかの事業を受託しています。
本会では、施行後の実施状況や課題を共有するため、7月27日に事業実施社協担当者を対象とした情報交換会を開催しました。参加した13社協の意見交換から、任意事業実施の有無、地域特性、地域資源等の状況が異なる中、試行錯誤しながら取組んでいる様子がうかがえました。
相談支援の状況
相談者の傾向として、発達障害や精神障害等が疑われる方が一定割合いるという報告が複数からありました。本人に病識がない場合、どの機関にもつながらないまま転職をくり返すうちに困窮状態に陥るケースがあります。
また、切羽詰まった状況に至ってからの相談が目立ち、「所持金が少なく、職も住居もなければ、生活保護等につなぐしかない。当面の生活費や住居等、就労支援を行う期間の支援策が必要」との指摘がありました。同時に、早期の相談・発見につながるよう、事業の周知やアウトリーチをより一層強化していくことも求められます。
就労支援
自立相談支援機関としての就労支援も、ハローワークへのつなぎだけでは十分とは言えない状況です。地域の求人情報誌等を独自に収集しながら、理事会など社協関係者に事業主旨を説明し、地元に密着した求人情報の提供を呼びかけるといった動きもあります。地域関係者と強いつながりのある社協ならではの取組みと言えます。
他機関との連携・個人情報の共有
他機関との連携、とりわけケースをつないだ後の情報共有のあり方については、地区により違いがあるようです。また利用者が他の自治体へ転居・異動等する場合の個人情報の取扱いについて、DV等により難しいケースがあるため、今後実践を積む中で、適切な対応方法を共有していく必要があります。
制度の目標に「支援を通じた地域づくり」が掲げられており、地域福祉推進を実践してきた社協にかかる期待は大きいと考えられます。施行から4か月の現在では未だ手探り状態ですが、今後、社協の強みを活かした取組み事例が出てくることが期待されます。
本会としても、このような事例を共有・発信して、実施社協のニーズに応じた研修等を企画して参ります。

 

「暴力・虐待を地域で
考える」勉強会を目黒区
民生児童委員むけに開催

東社協暴力・虐待を生まない社会づくり検討委員会(石渡和実委員長 東洋英和女学院大学大学院教授)では、暴力・虐待の実態を市民に伝え、地域で考えるための冊子「こんなことに気づいてあげて~暴力・虐待を防ぐためにあなたにできること~」を平成26年度に作成しました。
7月27日、冊子を活用し、目黒区の約50名の民生児童委員を対象とした勉強会を開催しました。はじめに、本委員会がまとめた児童・女性福祉施設向けの調査結果の概要を伝えました。
次に、児童養護施設目黒若葉寮の治療指導担当の松下大介さんが、暴力・虐待を経験した子どもたちについて、「笑顔だった親から急に暴力を振るわれるなど、次に何が起こるかわからない、戦場のような中で生活してきた。施設に入所すると、毎日お風呂に入ることに驚いたり、ちょっとした物音で身体が固まりパニックになる子もいる。暴言や暴力をコミュニケーションの手段として使う子どももいる。施設では、安心・安全な環境を用意し、寄り添う支援をしている。そして、『暴力はいけないこと』を伝え、『守られる権利』『美味しいご飯を食べられる権利』『ゆっくり眠れる権利』などがあることを丁寧に伝えている」と話しました。
続いて、練馬区社協の美玉典子さんが、地域住民にできること・期待することとして、「練馬区では民生児童委員と保健師による情報交換会を重ね、療育相談の運営を民生児童委員が手伝うことで、母親と民生児童委員が出会う機会をつくる取組みにつながった。大人とのかかわりが少なくなっている子どもたちにとって、民生児童委員は『普通のおばちゃん・おじちゃん』としてかかわれる。そのかかわりによって、子どもたち自身が『自分の家庭は普通じゃない』と気づけるかもしれない」と伝えました。
その後、自分の地域でできることをグループで話し合いました。「いきなり声掛けは難しいので、まずは知り合える関係・機会を作っていきたい」「学校と『気になる子』の情報を共有できたら良い」などの報告がされました。
最後に、本委員会委員長の石渡さんは「民生児童委員の力強さを頼もしく感じた。その力にもっと頼っても良いことを発信していきたい」と締めくくりました。本委員会では、今後も暴力・虐待を地域で考える取組みを広げていきます。また、本会では暴力・虐待に関するフォーラムを次のとおり開催します。

「NO!暴力・虐待 子ども女性への暴力・虐待のない社会をめざして」
フォーラム
▽日時 9月27日(日)13時~17時半
▽会場 全社協 灘尾ホール
▽参加費 無料
▽参加申込 参加申込書に記入し、申込み。定員に達し次第締め切り
▽内容 ①基調報告、②婦人保護施設いずみ寮の音楽団による演奏、③支援団体・施設によるリレートーク、④情報交換会
▽申込先 株式会社アイフィス
TEL 03(5395)1201
FAX 03(5395)1206
http://www.tcsw.tvac.or.jp/bukai/news/documents/270807bouryoku.pdf


民生児童委員の活動に
期待を込めて話す
石渡委員長

 

 

 

アクティブ福祉in東京'15
(第10回大会)開催案内


▽日時 9月29日(火)9時20分~17時
▽会場 京王プラザホテル (東京都新宿区西新宿2|2|1)
▽参加対象 高齢者福祉に関心のある方はどなたでもご参加いただけます
▽内容 学会形式を取り入れた研究発表大会
▽参加費 一般6千円・学生500円
▽申込み ホームページより申込み http://www.tcsw.tvac.or.jp/bukai/kourei/2015-0331-activefukushi15.html
▽問合せ先 福祉部高齢担当
03(3268)7172

 

本会副会長・
常務理事の交代


9月1日付で、本会副会長・常務理事が交代になりました。
〔前〕小 哲二(退任8月31日付)
〔新〕横山 宏(就任9月1日付)
在任中は、大変お世話になりました。引き続き、新任者のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

 

 

【資料ガイド】

施策・会議資料
●『第44回中央最低賃金審議会資料』(厚生労働省/7月)
●『平成27年度保健師中央会議資料』(厚生労働省/7月)
●『第1回保健医療2035推進本部資料』(厚生労働省/8月)
調査結果
●『平成26年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況』(厚生労働省/7月)
衛生関係諸法規の施行に伴なう各都道府県、指定都市及び中核市における衛生行政の実態を把握し、衛生行政運営の基礎資料を得ることを目的とした報告例。
●『平成26年度厚生年金・国民年金の収支決算の概要』(厚生労働省/8月)
●『平成26年度雇用均等基本調査(確報版)』(厚生労働省/8月)
男女の均等な取扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的とした調査。全国の企業と事業所を対象に、男女別の採用状況や、育児休業制度の利用状況などについて、平成26年10月1日現在の状況をまとめている。
その他
●『療育ハンドブック41集 肢体不自由児者への合理的配慮とは~合理的配慮を踏まえた相談支援~』(一般社団法人全国肢体不自由児者父母の会連合会/6月)
●『社会的引きこもりとニートの若者への支援と、アディクションに関する意識調査』(特定非営利活動法人ステラポラリス/7月)
●『母子寡婦福祉手帳2016年版』(一般財
団法人全国母子寡婦福祉団体協議会/6月)
注文受付:2015年9月15日まで
販売価格:734円(税込)

 

 

【福祉職】

長く続けることの
勧め


NPO法人東京養育家庭の会
理事長

青葉紘宇
Kouu Aoba

昭和19年生まれ、早稲田大学教育学部卒業後、小田原小年院に法務教官として勤務。その後東京都民生局に異動して各種障害者施設に勤務。この頃、国際障害年前後の時でもあり日本障害者協議会に関与する。
平成4年児童相談所に異動。児相福祉司の時に障害児デイサービス事業の応援、里親として里子を受託し家庭養育の仲間入りをする。平成17年に退職後、学童クラブの運営にあたりながら、東京養育家庭の会の理事長となり現在に至る。


長く仕事を続けること
どんな仕事でも次に進むときの下地になっていること、その時得たいろいろな事柄が肥やしとなっていることは確かである。無駄なことはない。私の場合も児童相談所で仕事をする中で、参考になったのは非行に走ってしまった子どもや障害を持った人たちのとの出会いによる経験であった。今の里親の会を営むにあたって背骨となっているのは、これまで出会った様々な人生から頂いた経験である。
「○○兄妹のお母さんのお骨今どこにあるのかしら」と、子どもが捜しているとの問い合わせもある。たしかに昔、私は兄妹と福祉事務所の方と4人で斎場で子どもの母親を荼毘に付したことがあった。今その時の幼子が18歳を迎え社会に出るにあたって、施設長経由で聞いてきた。福祉の分野で長く籍を置いていて、長い付き合いになっている関係でこのようなやり取りが成り立ったのだろう。
幼児で里親に措置した子どもが18歳を迎え、スムーズに自立が進んでいないという話も耳に入る。子育ての難しさを知らされるときもある。また、里親会で企画したユースの集いの名簿に自分の措置した子どもの名前と出会うこともある。長くいると人間関係が繋がり、思わぬ出会いに人の世の奇縁を感じ、長く続けて良かったとつくづく感じる。
結局、福祉の仕事は
人に尽くすこと
仕事に生きがいを求めるのは一般的感情であり、新たに職に就くにあたって誰でも考えることである。自分中心に考えることは当然のことである。しかし、人間を相手にする仕事は、異動があったり、立場が変わっても、結局のところ向き合った相手のために自分の人生を費やしたに過ぎないという印象のみが残る。
仕事の軸を自分から他者に置きかえると、長続きができるのではないかとも思っている。今の時代は自己実現が目標となっており、まず自分のためを考えてその後、周りを見渡す社会となっているので、他者のため等という発想は古臭いものと感じられるかもしれない。しかし、これまでのお付き合いを顧みると、自分を越えて動いている人が結局のところ長く残っているし、何かを成し遂げているようである。
今にして思うと、福祉の仕事は相手の生活場面に何がしかのお手伝いをすることであったということに尽きる思いでいる。
運命を受入れる心情
児童福祉の分野は18歳を迎えた子どもと巣立ちの別れの時が訪れる。その時までに一人で生きていく準備ができている子どもは少ない。一般的には措置延長や資金の援助をお願いしたくなる。もっともである。環境を整えるのは大人の役割でもっともっと整備されなければならない。
18歳後の子どもたちの暮らしを見ていると、不完全な社会にあって変革に挑むことの大切さとあわせて、現状を受入れることも生きる術ではないかと考えている。むしろ、自分の境遇を受入れた子どもの方が社会に出て楽しく過ごしているように見える。虐待の桎梏から抜け出る一つの場面ではないかとも考えている。
親に恵まれなかった子どもの巣立ちにあたって、「これまでいろいろあっただろうが、親や社会を恨んでもはじまらない。むしろ足枷になる。ハンデのあることを正面から受入れて次のステップに進め」と、私の非力を棚上げにして、言葉と行動に表している。
この風景は宗教のお説教に聞こえるかも知れない。精神論に傾くと何やら危険な臭いを感じ取る人もいるかも知れないが、周りにいる者としてできる一つの手法ではないかとも思っている。だれが何時どんな立場で伝えるかが鍵となるのだろう。言葉に出して表現するものではないかもしれない。しかし、誰かがいつか伝えなければならないことと思う。子どもに心構えを説けるように、私たち大人が自分を磨かなければならないと感じている今日この頃である。

 

 

【図書ガイド】

【7~8月のおすすめ新刊特集】
①図解説明でそのまま使える!社会保障制度指さしガイド 平成27年~29年介護報酬対応版/日総研/4,320円
②介護職員のためのリスクマネジメント養成講座/レクシスネクシス・ジャパン/2,808円
③介護事業所経営者のための介護業界人材定着マニュアル/レクシスネクシス・ジャパン/2,700円
④対人援助スーパービジョン 日常場面で実践する/創元社/2,484円
⑤よくわかる 高齢者の認知症とうつ病 正しい理解と適切なケア/中央法規出版/2,160円
⑥デイサービス生活相談員"できる"仕事術 変わる!地域包括ケア時代の働き方/メディカ出版/1,944円
⑦現場で使えるデイサービス生活相談員便利帖/翔泳社/2,376円
⑧新しい介護保険のしくみ よくわかる!平成27年改正対応版/瀬谷出版/2,808円
⑨介護のしくみ 完全図解 改訂第3版/講談社/3,240円
⑩介護事故を防ぐコツ 介護事故・トラブルに対応できる人材の育て方/ぱる出版/1,944円
⑪福祉・介護職のための病院・医療のしくみまるわかりブック/中央法規出版/2,160円
⑫高齢者施設における転倒事故は減らせる!/雲母書房/1,512円
⑬ショートステイプランのつくり方 法令遵守 2015年制度改正対応版 グループホーム・特定施設・小規模多機能型居宅介護などの短期利用にも生かせる!/日総研/4,000円

【筒井書房 近日刊(新刊)情報】
①福祉職場の採用面接 質問&観察/筒井書房/9月上旬発売予定/1,944円(予価)
②平成27年度版 生活福祉資金の手引/筒井書房/10月発売予定/3,000円(予価)
筒井書房のHPからご予約承り中!!

 

 

【アンテナ】

助成金

福祉作業所
「アートの力」助成事業

申込締切 9月25日消印有効 助成対象 創作活動を生かしてアート作品などの制作や関連製品の開発・販売に取組み、工賃アップを目指す福祉作業所の設備投資費など 助成金額上限100万円(1事業所につき)申込方法 下記ホームページより申込書をダウンロードし、必要書類と共に郵送 申込・問合せ先 読売光と愛の事業団・作業所係 〒100-8055 千代田区大手町1-7-1
・03(3217)3473 03(3217)3474
http://yomiuri-hikari.or.jp/


講座・シンポジウム

日本福祉大学
セミナー文化講演会

日時 9月26日13時~14時20分(受付12時半~) 場所 飯田橋レインボービル 定員 117名(先着順) 参加費 無料 内容 講演「高齢者の社会的孤立をめぐる地域福祉実践の評価と課題」斉藤雅茂氏(日本福祉大学社会福祉学部准教授) 申込方法 所定の申込用紙に記入の上FAX、又は下記ホームページより申込申込・問合せ先 日本福祉大学後援会事務局
・052(242)3045 052(242)3046
http://www.netnfu.ne.jp/kouen/

社会調査法研修2
「社会調査の基本と
実践的調査手法」

日時 10月2日~4日9時~16時半(2日のみ17時終了) 場所 国際開発機構セミナールーム 定員 25名(先着順) 参加費 21,000円内容 1日目:講義「社会調査の基礎」、2日目:講義・演習「実践的調査の多様なアプローチ」、3日目:講義・演習「地域実践における質的調査手法の活用」、〈講師〉山口麻衣氏(ルーテル学院大学総合人間学部准教授、人間福祉心理学科地域福祉開発コース副主任) 申込方法 下記ホームページより申込 申込・問合せ先 国際開発機構(FASID)
・03(6809)1996
https://form.fasid.or.jp/contact/applicationform_srm/index.php

プラチナ・ギルド・
アカデミー
1期受講生募集

申込締切 10月16日 日時 【座学】11月7日、14日、28日、12月5日13時~17時、1月16日10時~13時半、【現場視察】12月~1月、【マッチング】2月18日 場所 日比谷図書文化館(予定)定員 50名 参加対象 NPO・地域団体等で活動することに関心のある方 参加費無料 内容 シニア人材の地域貢献意識を育み、マッチングイベントにつながる特別研修講座 申込方法 下記ホームページより申込 申込・問合せ先 プラチナ・ギルドの会
http://platina-guild.org/
kenshu@platina-guild.org

家族との信頼を深める
コミュニケーション

申込締切 10月15日 日時 11月19日9時半~16時半(受付9時15分~) 場所 ルーテル市ヶ谷センター2階会議室 定員 25名 参加費 8,000円 参加対象 高齢者あるいは知的障害者福祉施設・事業所従事者で、リーダー層(リーダー・主任・係長等)の方 内容 「家族を理解する~職員にとっての家族とは~」、「信頼とコミュニケーション」、「コミュニケーションスキルを意図的に活用する」、「家族に寄り添い支援するためのコミュニケーションを身につける」〈講師〉鈴木みな子氏(日本社会事業大学社会事業研究所共同研究員)申込方法 所定の申込用紙に記入の上、FAXにて申込 申込・問合せ先 福祉経営ネットワーク
・03(5211)8710(月~金、9時半~17時半)
03(5211)8715

発達臨床心理セミナー
「子どもが青年になる
プロセスを考える」

日時 10月18日13時~16時半 場所 白梅学園大学 定員 150名 参加費 2,000円 内容 講演①「大学における発達障害学生支援―現状と将来―」齋藤清二氏(立命館大学大学院応用人間科学研究科教授)、講演②「子どもの成長における家族関係の影響」藤田博康氏(山梨大学大学院教育学研究科教授)、講演③「摂食障害のこころと身体」西園マーハ文氏(白梅学園大学子ども学部教授) 申込方法 所定の申込用紙に記入の上、FAX又は郵送にて申込 申込・問合せ先 白梅学園大学教育・福祉研究センター 〒187-8570小平市小川町1-830
・042(346)5639 042(346)5652


その他

愛恵福祉支援財団主催 施設見学会

申込締切 9月17日 日時 10月15日13時~16時見学先 社会福祉法人救世軍社会事業団恵みの家(特別養護老人ホーム) 定員 20名(先着順) 参加対象 高齢者福祉施設従事者・施設長、高齢者福祉を担っている方、また関心のある方 参加費 無料 内容 施設内見学、法人・施設概要・運営方針等についての講話、質疑応答、意見交換、振り返り 申込方法 FAXまたはメールにて申込 申込・問合せ先 愛恵福祉支援財団事務局
・03(5961)9711 03(5961)9712
lovegrac@kitanet.ne.jp

西脇基金
チャリティーコンサート

日時 9月25日18時半開演(18時開場) 場所 なかのZERO大ホール 入場料 前売:自由席3,000円、指定席3,500円、当日:自由席3,500円内容 児童養護施設や里親から巣立ち進学する児童の修学に要する費用を給付する「西脇基金」を支えるためのコンサート出演者 平田耕治クアルテート、富岳太鼓、KONAMI J.B.STAR、Cordao de Contas do Japao 申込・問合せ先 西脇基金を支える会
・03(3256)3674

ロゴス点字図書館
チャリティ映画会

日時 9月26日14時15分~16時半(13時45分開場) 場所 なかのZERO大ホール 入場料 2,000円 内容 『42~世界を変えた男~』視覚障害者用音声ガイド付き上映 申込・問合せ先 ぶどうの木ロゴス点字図書館
・03(5632)4428

エイブル・アート・
アワード2015

応募締切 9月30日必着 応募資格 ①画材支援の部:障害のある人で、絵画や立体造形などの創作活動を行なっている、行おうとしている個人またはグループ、②展覧会支援の部:障害のある人で、絵画や立体造形などの創作活動を行なっている個人、③小さなアトリエ支援の部:障害のある人が参加・活動できるアトリエ、個人や有志の運営するアトリエ 内容 ①画材の提供、②銀座/ガレリア・グラフィカbisにおける展覧会の開催支援、③活動資金の提供 申込方法 所定の応募票に必要資料を添付し、郵送 申込・問合せ先 エイブル・アート・ジャパン「エイブル・アート・アワード2015事務局」〒101-0021 千代田区外神田6-11-14アーツ千代田3331#208
・03(5812)4622

第12回
ゴールドコンサート

日時 10月12日(月・祝)16時半開演(15時半開場) 場所東京国際フォーラムホールC 入場料 SS席指定4,000円、S席指定3,500円、A席自由2,000円(高校生以下無料)、車いす席指定2,000円 申込方法 所定の応募票に必要資料を添付し、郵送 申込方法 チケットぴあ 問合せ先 日本バリアフリー協会ゴールドコンサート事務局
・03(5215)1485

 

 

【くらし】

一人では頑張るにも
頑張れない

児童養護施設で育ち、
先輩・後輩や同輩の自殺を
きっかけに、退所者を
支える活動をしている
福田茂雄さんに
お話をお聞きしました。

後輩が寮に押し寄せてきた
私は生後3か月で乳児院に預けられたそうです。児童養護施設で暮らし、中学卒業後に住み込みで働きながら定時制高校に一度も休まずに通いました。
ある時、お店の裏庭に建てられたベニヤ板の簡素な寮に、施設で顔馴染みの後輩が「車の免許を取得したいから」とか「父親にお金を送らないといけないから働かせてほしい」と押し寄せてきました。むげに断るわけにもいかず、一緒に働けるよう店のご主人に頼み込みました。
その後、私は大学受験の失敗をきっかけに、トルコ語を勉強するために海外へ旅立ちました。帰国後は得意の英語を生かして外資系の企業で働きました。60歳で退職して、今は企業の内部統制を監査・支援する仕事をしています。
ある日、元園長から電話がありました。施設の後輩が自殺してしまったことを知らされました。後輩は社会に馴染めず、定職にもつけなかったようでした。施設では仲が良かっただけに大変ショックを受けました。また、小さい息子がいる同輩が突如私を訪ねてくれました。しかし、私は仕事に追われ応えられずにいました。しばらくして、彼女が列車に飛び込んだと聞いて、私はどうして彼女の深刻さを理解できなかったのかを悔やみました。
●一人では頑張れない
幸いにも、私は数多くの恩人に恵まれてきました。だからこそ今があり、未来があります。しかし、一人では頑張れない人もいるのです。児童養護施設を退所すると、頼れる親の存在はないことが多く、社会のしくみや働くことの意味を充分に理解しないまま、社会に投げ出されます。孤独になり、精神的に不安定になる人もいます。仕事が長続きしない人もいます。これは今でも同じだと思います。社会に出てつまずいた時に相談できる人や場所が身近に必要なのです。そのような想いから、退所した仲間と定期的に連絡を取り合い、ハイキングや無料バイキング食事会を開催しました。また、愛情を注いでくれた元園長が亡くなった平成2年には、退所生70人余と連絡を取り合い、追悼文集を出版することができました。
●児童福祉
専門員会の
外部委員に
仕事と子育てに追われていた平成16年、東京都の広報紙に東京都児童福祉審議会の公募委員募集が出ていたので応募しました。論文提出・面接の結果、委員の一人として列席しました。そこでは、「児童養護施設退所者の自立に求められるものは」などを話し合いました。
この活動がきっかけとなり、児童養護施設や里親を退所した経験者が、仕事や人間関係の悩みを話し合い、助け合っていけるように「フク21ふらっとホーム」を設立しました。「フク21」の由来は、21世紀の福祉を目指すという意味です。活動目的は、施設退所者等との交流を続けること、そして、ただ職場を紹介するだけではなく、企業主と連携して就職後に働き続けられるよう支援することです。
気軽に参加できる”福祉交流サロン“を毎月第2土曜日に水道橋のちよだボランティアセンターで実施しています。就労支援、シェアハウス、退所者の相談全般についても、お茶を飲みながら話し合っています。今後は、企業や地域住民に対象を広げて楽しくてたまらないワクワクする”就労の場“提供に挑戦します。

 

スタッフと福祉交流サロンの参加者
福田さんは下段の左から2番目


NGOフク21
ふらっとホーム

児童養護施設経験者等への退所後の支援を行うため、平成26年7月に設立。退所者がふらっと寄れる居場所づくりや、就労相談、シェアハウスの運営管理などを行う。
HP:
https://ngofuku21.org/
TEL:03-6324-4433

 

 

【新刊】

介護保険制度とは…
〔改訂第13版〕

●本冊子は、2014年6月の介護保険制度改正をうけて作成しています。2015年度からの見直しに対応。制度をわかりやすく図表を交えて解説している小冊子です。
監修:藤井賢一郎(上智大学総合人間科学部社会福祉学科准教授)
◆規格 A4判/32頁
◆定価 432円(税込み)
※9月15日発行予定です

東社協の新刊・改訂図書の
発行情報を配信しています

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月刊「福祉広報」

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