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福祉広報 2016年1月 685号 テキストデータ


【もくじ】

社会福祉NOW
家族をケアしている
子ども・若者

トピックス
●[寄稿]地域連携公益事業・おおたスマイルプロジェクト(大田区)
●でたでたDATA 障害者雇用率「医療・福祉」が最も高い 

連載 社会福祉法人の社会貢献・地域貢献⑩ (社福)東京緑新会(日野市)
●地域生活の継続を支える運動の場を提供

み~つけた たまりば宙(国立市)
●誰もが集えるみんなの居場所

多摩療護園
立川市に住む松本さん

入所中に培ってきた経験を生かし
一人暮らしをはじめた松本さん。
冬の青く澄んだ空の下通うこと1時間。
身体を動かしながらの会話は心から笑顔が溢れ出る。

 

 


【NOW】

家族をケアしている
     子ども・若者


ケアの必要な家族等へ
「介護」「看病」「療育」「世話」
「気づかい」などを、無償で行う人を
「ケアラー」と呼びます*1。
ケアの内容や形態は
家庭によりさまざまです。最近では、
18歳未満の子どもが介護等を行う
「ヤングケアラー」などの
言葉も注目されています。
今号では、家族をケアしている
子ども・若者について考えます。


〈事例1〉「『ご飯を恵んでください』という子どもがいる」と地域住民から通報があり、行政が家庭を訪問。就労する父と、脳梗塞が原因で寝たきりの母、20代引きこもりの兄、中学校登校拒否の姉、小学生末っ子の5人世帯だった。家族それぞれが自分の課題を抱える中、末っ子はご飯をつくってもらえる環境になかった。小学校を休み母親の通院を介助することもあった。
〈事例2〉精神疾患の母、難病の父。同居する祖母が孫の面倒を見てきたが認知症を発症。そのため、祖母の介護は20代前半の孫が中心となっている。今後、介護サービス利用に向けた事務手続きは孫が行う。
これらは、地域包括支援センター(以下、地域包括)が遭遇した、家族をケアしている子ども・若者の事例です。地域包括では介護保険制度の利用を中心にケースの対象者や家族と関わります。しかし、それだけでは困り事が解決されない、就労や障害など複数の課題を抱える家庭があります。その中には、事例1のような要保護児童や、事例2のような若い孫や甥・姪と関わるケースもあります。
課題が小さな芽のうちに

府中市地域包括支援センター泉苑、センター長の清野哲男さんは「地域包括が扱うのは、家庭の課題が複雑化し完成してしまっているケースが多い。まだ困り事が小さい芽の段階で、行政や学校、地域が気づくタイミングがあったはず」と指摘します。長い時間、家庭だけで抱えてきてしまった課題に、地域包括が初めて専門機関として関わるケースも多くあります。次のようなケースがありました。80歳代の長女が、知的障害のある年下3人のきょうだいを60年以上みてきた高齢者のみ4人世帯。最近、長女に認知症状が出現したため制度利用をすすめるとともに、障害のあるきょうだいへは障害福祉課と連携し対応しました。長女は若い頃から3人の世話を一手に背負ってきた若者ケアラーだった可能性もあります。「『助けて』と言えない人や、そのような姿を見せたくない人もいる。申請主義の制度の中では課題が顕在化するまでに30~40年経ってしまうこともあり、空白期間が長すぎる」と清野さんは話します。また、「事例2のような場合、専門職は孫を”子どもの代わりに手続きしてくれる人“としか捉えないことが多い」と言います。現在でも、福祉事務所や障害福祉課をはじめ行政の各部署と必要に応じて連携しますが、「分野を超えての連携はまだまだ難しい。家族全体を見据えた支援の中核を担う専門職がいない」と指摘します。
ヤング・若者ケアラーとは

60歳代などの中高年層がケアの担い手の中心となる中、ここ数年で18歳未満の子どもがケアを行う「ヤングケアラー」や、概ね30歳代までの「若者ケアラー」という言葉が注目されています。
彼らは、障害や病気のある家族に代わり、「買い物・料理・掃除・洗濯などの家事」、「世話や見守り」、「声かけなどの気づかい」、「通訳」などを日常的に行っている子どもや若者です*2。役割や責任が年齢に釣り合わず、過度な負担になっている場合があります。深夜の介助や見守りで寝不足となり、遅刻、欠席、宿題をやってこない等の状況から、学校では課題がある子と見られてしまったり、退学してしまう場合もあります。また、18歳を越えていても、大学中退や、就職したばかりの会社を辞めざるを得ないなど社会生活や人生設計に大きな影響を与える場合もあります。
一般社団法人日本ケアラー連盟では、26年8月にヤングケアラー研究会を設置し、27年1月~2月に新潟県南魚沼市の教育委員会を通じて、全国で初めての体系的なヤングケアラーの調査を実施しました*3。その中で、回答者の4人に1人が、「これまでに教員としてかかわった児童・生徒の中で『家族のケアをしているのではないか』と感じた子どもがいる」と回答しました。気づいたきっかけは、「子ども本人との会話の中で」が最も多く、次いで「遅刻・早退・欠席・部活動欠席の理由」などでした。家族構成は、約半数が「ひとり親と子ども」で、ケアをしている相手は、父よりも母、祖父よりも祖母が多い状況でした。また、ケアの相手が母の場合は精神面・感情面のサポートが多いという特徴がみられました。
このような子どもへのサポートを考えた時の学校の強みは、子どもが自分のための時間と場所を確保でき家庭内の心配事から離れられるとともに、服装や給食の食べ方で状況がわかることや、学習面でのサポートや友人関係を見てあげられるという点があげられました。一方、困難な点として、家庭の内部事情についての保護者や本人へのアプローチ方法や、多様な側面からの支援が必要になる中、その全てを学校で行うことは難しいことがあげられました。
イギリスの改正法

イギリスでは、2014年にヤングケアラーに関わる2つの法律が改正されました。①「2014年 子どもと家族に関する法律(Children and Families Act 2014)」と、②「2014年ケアに関する法律(Care Act 2014)」です。前者では、地方自治体は、支援を必要とするヤングケアラーを見つけるために合理的な措置をとることが義務づけられ、担当地区のヤングケアラーが支援を必要としているかどうか、またそのニーズを査定しなければならないとの条項が設けられました*4。後者には、ヤングケアラーが18歳を越えた後の大人期への移行期について配慮する文言が追加され、査定の実施について、「地方自治体から見てその子どもが支援を必要としていると思われる時」が加わりました。ヤングケアラーの研究を行っている成蹊大学文学部准教授の澁谷智子さんは「ケアで大変な状況にある子どもが、サービスを知り申請まで行うのは困難。地方自治体が必要性を把握した際に査定するというのは画期的」と話します。地方自治体には、子どもがしているケアの量と性質とタイプを明確にし、過度あるいは不適切なケアの責任を負っていないか、教育や育ちに影響が出ていないかの見極めが求められています。澁谷さんは「子どもが家族を必要とし、家族が子どもを必要としている面もある。家族全体を考慮して考えることが大切」と話します。
子どもの立場ならではの悩み

「若年性認知症ねりまの会MARINE(マリネ)」は6年前、練馬区内で発足しました。毎月サロンを開き、当事者と家族(配偶者や子ども、きょうだい)の立場の方などが交流をしています。3年前からは、子ども世代に限定したつどいの場「まりねっこ」を開始し、3か月に1度定期開催しています。MARINE事務局長の田中悠美子さんは、「配偶者の立場とは違う、子どもならではの悩みがある。仕事や子育てをしながらの介護や、一人っ子だったり、きょうだいが離れて暮らしている中、親の病気をどう理解し、変化に向き合うか、さまざまな葛藤や介護の失敗も含めた悩みを話せる場所になっている」と話します。
ある時、まりねっこが主催したシンポジウムに、若年性認知症の父がいる小学校低学年の男の子が母親と参加しました。「『ぼくがしっかりしないといけない』と言っていた姿が印象的だった」と田中さんは言います。「親が変化していく姿に、自分のせいだと悩む子もいる。自分で情報を得て集まりに参加できるのは一定の年齢を越えてから。未成年や学齢期の子どものへサポートが今後の課題」と話します。また、ひとり親世帯の母が若年性認知症と診断され、20歳前後のきょうだいが専門相談機関に行ったところ、専門職に『大人と来てください』と言われたことがありました。「子ども世代が主介護者になる意味を専門職にも理解してもらい、話をしっかり聞いてほしい」と話します。そして、「若年性認知症者は、認知症高齢者とはまた違ったケアが求められる。相談機関では、介護が必要な人のことだけでなく、ケアする人へのケアも含めた家庭全体を視野に入れた対応が求められる。また、医療、介護、福祉行政機関、学校、職場などさまざまな人たちに理解してもらうよう働きかけ、今後の方針を一緒に考え、必要に応じたケアやサポートを調整できるコーディネーターの存在が必要」と指摘します。
●    ●    ●
家族をケアしている子ども・若者の状況を理解し、必要な時にサポートが受けられる支援が求められます。また、将来、自分の経験を前むきにふり返ることができるように、それぞれの立場でできることを考えて支えていくことが望まれます。

 

事例は一部加工しています


*1 一般社団法人日本ケアラー連盟より
*2 一般社団法人日本ケアラー連盟資料より
*3 新潟県南魚沼市内の公立小学校・中学校・総合支援学校(特別支援学校)の
全教職員を対象に調査を実施。
*4 地方自治体は、「そのヤングケアラーが、自分の教育や訓練、レクリエーション、
そして仕事に、どの程度関われているか、または関わりたいと思っているかを
査定しなければならない」ことになっています。

 

 


【トピックス】

寄稿 地域連携公益事業
おおたスマイルプロジェクト


地域特性を
活かした
地域連携公益事業

社会福祉法人による地域貢献・社会貢献活動のネットワークづくりは、地域特性を活かしたさまざまな展開がなされています。今号ではおおたスマイルプロジェクトより寄稿いただいた取組みを紹介いたします。
〈おおたスマイルプロジェクト〉
社会福祉法人大洋社
社会福祉法人池上長寿園
社会福祉法人大田幸陽会
社会福祉法人大田区社会福祉協議会

 

地域の福祉的課題に
連携して取組む
大田区内の社会福祉法人が中心となって、それぞれの法人が有する資源を活用し、地域の福祉的課題に連携して取組むしくみである「おおたスマイルプロジェクト」がスタートしました。一法人では解決が難しい地域の課題について、複数の法人、または地域の方々と協力し合うことで、課題解決につなげていくことをめざしてしています。平成27年1月頃から検討を開始し、6月~7月頃に具体的なイメージが出来上がってきました。課題に応じて、いくつかの法人が集まってチームを作って対応していく構想で、複数のチームが作られることを想定しています。
最初の取組みとして、社会福祉法人大洋社、社会福祉法人池上長寿園、社会福祉法人大田幸陽会、社会福祉法人大田区社会福祉協議会の4法人で、「子どもの貧困がもたらす課題や異世代交流」をテーマにプロジェクトチームを編成しました。
ひとり親家庭の子どもたちに
体験型の学習支援の場を
このプロジェクトのスタートは、大田区内で2か所の母子生活支援施設を運営する大洋社からの「ひとり親家庭の子どもたちの中には、経済的な理由により、学習の機会や社会的経験が少ない子、親の就労等により、一人で過ごす時間が多く、他者との交流が少ない子がいる。このような子どもたちは、その後の成長段階において、進学や就職が困難になることがあり、自立して生活を営むことが難しい状況になってしまう」との問題提起がきっかけでした。大洋社としては、「生きる力を身につけられるような体験型の学習支援を行いたい」との考えがありましたが、母子生活支援施設の保安上や設備等の課題により、開催場所や広報活動、活動資金などについて悩みを抱えていました。
そこで場所については、池上長寿園と大田幸陽会が、それぞれの法人が持つ集会室等を学習支援の会場として提供することになりました。広報については、対象エリアの自治会や町会・民生委員児童委員協議会・小学校・中学校にチラシ等の配付についてご協力いただきました。大田区社協は、事務局として関係機関・団体との連絡調整や資金面を担当し、寄付金などをもとに、活動で使用するパソコンや教材の経費、毎回の活動の食材費などを負担することになりました。
それぞれの法人が、自分たちの可能な範囲で持てる資源を出し合い、また、広報活動を通じて地域の方にも、地域の課題を知っていただくことができました。こうした協力関係を築くことができたことにより、各会場ともに参加者が定員10名に達し、27年10月に体験型の学習支援事業である「れいんぼう」をスタートすることができました。
「生きる力を身につける」
「れいんぼう」の活動
「れいんぼう」の活動は、「生きる力を身につける」ことを目標に「学ぶ」「食べる」「動く」「体験する」という4つのプログラムから構成されています。
一つ目の「学ぶ」については、将来、自立して生活するために必要な「就労」につなげることを目的としています。就職する際に履歴書に記入する学歴や資格が増えることで、就労につながりやすくなります。英検・漢検・パソコン検定の資格取得を通じて、勉強に対する学ぶ姿勢や学ぶ楽しさを得られるようなプログラムです。
二つ目の「食べる」については、子どもたちの中には、一人で食事をすることが多い子や朝食を食べていない子がいます。生きていくための基本となる「食べる」ということについて、食事づくりや人と一緒に食べることの楽しさを体験します。
三つ目の「動く」については、運動を通じて健康の大切さを学び、園芸活動を通じて、命の大切さを体感することを目的としています。
四つ目の「体験する」については、社会的接点や経験が少ない子どもについて、なかなか将来の夢が持てない子が多いという課題がありました。それに対し、近隣の大学見学や職場体験を通じて、さまざまな人との交流を図りながら、子どもたちが自分の将来について、夢や目的を持って生活ができることをめざします。
これらのプログラムについて、月二回の課題別学習会・調理体験と月一回の体を動かす活動または体験プログラムを実施しています。
これからの
おおたスマイルプロジェクト
大田区では、区内に法人本部を有する社会福祉法人同士が関係を深め、連携して地域の課題に向き合うための場として、27年7月に「大田区社会福祉法人協議会」を設立しました。
10月に開催された第一回大田区社会福祉法人協議会の席上において、おおたスマイルプロジェクトの最初の取組みである「れいんぼう」について、紹介しました。
今後、大田区内において、こうした取組み事例を積極的に紹介していき、あらゆる機関が地域課題の解決に向けて、協力して取組めるようなしくみづくりを進めていてきたいと考えています。


活動場所となっている
池上長寿園(高齢者施設)の会議室。

子どもたちと一緒につくった
おにぎりとスープ

 

 


【データ】

民間企業の障害者雇用率
「医療・福祉」が最も高い
厚労省「平成27年障害者雇用状況」より

厚生労働省は、平成27年11月27日に民間企業や公的機関等における「平成27年障害者雇用状況」を公表しました。障害者雇用促進法では、事業主に対し常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率、民間企業は2.0%)以上の障害者を雇用することを義務づけています。また、27年4月から、常時雇用している労働者が100人を超える事業主は、法定雇用率を下回った場合、障害者雇用納付金を納付することになりました。
民間企業(50人以上規模の企業:法定雇用率2.0%)に雇用されている障害者の数は45万3,133.5人で、前年より5.1%(2万1,908人)増加し、12年連続で過去最高となりました。実雇用率は、4年連続で過去最高の1.88%で、法定雇用率達成企業の割合は47.2%でした。障害種別では、身体障害者が32万752.5人(対前年度比2.4%増)、知的障害者が9万7,744人(同8.4%増)、精神障害者が3万4,637人(同25.0%増)でした。精神障害者の伸び率が顕著です。産業別の実雇用率では、「医療,福祉」が2.3%と最も高く、「農,林,漁業」が2.19%、「生活関連サービス業、娯楽業」が2.04%、「電気・ガス・熱供給・水道業」が2.01%と続きます。
法定雇用率未達成企業は4万6,450社で、そのうち、不足数が0.5人または1人である企業が65.3%と過半数を占めていました。また、障害者を1人も雇用していない企業が、未達成企業に占める割合は59.4%でした。
28年4月の障害者雇用促進法の改正では、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加えることになりました。また、事業主に対して職場で働く障害者への差別の禁止及び合理的配慮の提供を義務づけています。
障害者雇用の促進とともに、障害者が働きやすい職場づくりが求められています。

民間企業における障害者の雇用状況

 

 


【マンスリー】2015年11月26日~12月25日

都立高校に
福祉科を新設へ

●東京都教育委員会は、「都立高校改革推進計画・新実施計画(案)」の骨子を取りまとめ公表した。
保育人材や介護人材など、家庭・福祉分野で活躍する人材の育成が喫緊の課題となるなか、福祉科のある高校を新たに設置予定。また、課題を抱える生徒の自立に向けて「自立支援チーム」(仮称)の設置が示され、中途退学の未然防止、中途退学者等への切れ目ない支援等を実施予定。その他にもオリンピック・パラリンピックに関連して、ボランティア教育の促進や障害者理解の促進が示された。               (11/26)

●都立汐入公園内に保育園を新設
●国家戦略特区の規制緩和で都市公園内への保育所開設が可能になり、特区の東京圏区域会議で都立汐入公園(荒川区)に保育所を新設する計画が承認された。29年4月に設置予定。  (11/26)
●認定介護福祉士認証・認定機構が設立
●質の高い介護を行うことができる介護福祉士に「認定介護福祉士」の資格を付与する一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が、介護関連団体により設立された。         (12/1)
●社会的養護出身者への新たな奨学金制度、はじまる
●日本財団は、社会的養護出身者の進学や就職を応援するため、奨学金、生活費、住居費を給付する新しい奨学金制度「日本財団夢の奨学金」を28年度より開始する。28年度はパイロットプロジェクトとして、中京地区にて実施予定。(12/7)
●関東・東北水害、最後の避難所が閉鎖
●関東・東北豪雨による水害で、最後の避難所となっていた石下総合体育館を防寒や感染症対策のため閉鎖した。避難生活を続ける85人は市内のホテルや旅館計4か所へ移った。    (12/8)
●生活習慣、世帯の所得により差
●厚生労働省は、平成26年「国民健康・栄養調査」の結果を公表した。所得の低い世帯は、所得の高い世帯と比較して、野菜や肉類の摂取量が少ないことや、健康診断の未受診など、所得の違いによる差を指摘した。           (12/9)
●都立病院で初、病児・病後児保育を開始
●28年2月から都が墨田区より事業を受託し、東京都立墨東病院において、都立病院で初めて病児・病後児保育を開始する。対象者は墨田区在住の0歳から小学6年生までで、あらかじめ区への利用登録が必要。          (12/11)
●28年度より保育士試験が年2回に
●厚生労働省は、28年度保育士試験について、地域限定保育士試験に加え、通常の保育士試験についても2回行うと公表した。    (12/15)
●障害支援区分に係る市町村審査会の委員任期が一部変更へ
●厚生労働省は、「障害支援区分に係る市町村審査会の運営についての一部改正について」を通知した。審査会の委員の任期を「2年を超え3年以下の期間で市町村が条例で定める場合にあっては、当該条例で定める期間」とし、28年4月より適用される。             (12/16)

 

 


【連載】

地域生活の
継続を支える
運動の場を提供

社会福祉法人人東京緑新会の取組み

社会福祉法人東京緑新会多摩療護園では、
自立退園した方が地域生活を継続していくために、
身体的・精神的なアフターフォローの
必要があると考えています。

本号では、
まずは退園者等への言葉かけをはじめ、
身体に障害がある方が身近な地域で
身体を動かせる場を提供している
取組みをご紹介します。


立川市で一人暮らしをしている松本たか子さんは、毎週木曜日の午後にマット運動室の地域開放を利用するため、多摩療護園にヘルパーと通ってきます。多摩療護園は社会福祉法人東京緑新会の運営する旧身体障害者療護施設で入所者の全員が障害支援区分6の最重度認定を受けています。松本さんは、9歳の頃に小平市にある整育園に入所し10年間を過ごした後、多摩療護園の前身である多摩更生園で20年間過ごしました。そして、その後、念願かなって地域でのアパート暮らしをはじめて19年が経ちます。
地域開放の時間、松本さんは、マットに横たわり、天井からぶら下がる風船を使った動きや、じゃんけんを応用した手の動きの訓練をPTや日中活動・運動担当職員と一緒に行います。

生活の場を活かした運動メニュー
マット運動室は、多摩療護園5階の一角にあります。普段は、居住者や通所の利用者向けに使用している場所ですが、毎週木曜日の午後2時から4時の間は、地域で暮らす身体障害のある方に無償で開放しています。もちろん運動メニューも併せて提供しています。運動メニューと手技などは、施設のPTと地域開放利用者が相談して決めます。利用者自らが強く希望する内容や、担当職員が提案しPTに了解を得た項目などを加えて行います。
マット運動室の開放は平成15年から実施しています。多摩療護園生活部日中活動リーダーの山下正文さんは、取組みのきっかけについて、「施設周辺で中途障害と思われる若い方を見かけることがあった。身体を動かしたくても、障害者スポーツセンターなどへ行くのも大変。身近な場所でミニチュア版ができないかと、当時のPTと話したことだった」と話します。そこで、前述の松本さんのような自立退園をした方や、地域で暮らす通所や短期入所利用経験者の方へ声をかけ、マット運動室の地域開放を開始しました。
アパート暮らしではできない運動メニューもあり、ストレス解消にもつながります。取組み開始当時、訪問リハビリの地域資源が少なかったこともきっかけの一つです。地域開放利用者に職員がマンツーマンで対応できるのは20分程度です。しかし、利用者はこの運動メニューを行うために、家族やヘルパーに同行を依頼して参加するので、真剣に取組みます。山下さんは、「PTとも常に確認し合うが、ここは病院ではなく生活の場。そのため、利用者が主体となり本人の希望に沿って、楽しさを感じながら取組めるよう工夫している」と話します。また、配慮している点は「新しいことや難しいことに無理して取組まないこと」だと言います。その理由について、「家で同じことができなくて落ち込んだり、無理に頑張ってしまう恐れがあるから」と説明します。いまその方にちょうどいい動きを、無理せず楽しく行うことを大切にしています。

退園者の地域生活継続を支える
多摩療護園では、自立退園した方が地域生活を継続していくために、身体的・精神的なアフターフォローの必要があると考え、退所者に対して、担当者を決め半年に1回訪問をします。地域生活では、施設入所時の生活とくらべ、自分の時間を自分で過ごすことがより多くなります。複数の職員が対応するのと違い、家の中でヘルパーと1対1になるなど、介助者との関係性も変わります。ヘルパーが来なくなってしまうかもしれないと、言いたいことが言えずため込んでしまう場合もあります。「在宅生活は、自己決定して自分でヘルパーに伝えなければならない。内容によって伝えられないことや、どんなふうに答えていいかわからないこともある」と松本さんは話します。
このように、退園後の環境の変化や人間関係でストレスを感じるという方もいる中、週1回でもマット室の地域開放で思いを吐き出したり、ほっとできる心の拠り所にもなる場になればという思いで継続しています。
実施体制は、PT1名、日中活動リーダー1名、日中活動・運動担当職員5人のうち1名です。地域開放の対応者は、利用者の身体のことを把握している日中活動・運動担当職員に限定しています。過去に入所や通所でかかわっていた方たちなので、ある程度の身体状態についての情報は把握しています。しかし、退所後、一定年数が経過する中、日々の状態観察はできないため、地域開放の利用者には主治医意見書を提出してもらっています。その上で、身体の動きや呼吸に関しての細かな禁忌や注意事項を確認・把握しています。
施設も地域の関係機関と
関係が深まる
取組みの成果として、地域で暮らす退園者の身体的・精神的な支えになっているとともに、その方が地域でつながっているヘルパーや所属支援事業所と多摩療護園の関係がつくれることがあげられます。地域開放利用者の在宅での様子や、サービス利用状況を把握することで運動メニューの内容も工夫できます。また、同時に多摩療護園が近隣地域の事業所や関係者を知る機会にもなり、アドバイス等のフォローが行えるなど、つながりが深まります。
地域開放を行うことで、「施設利用者にとっても、自立生活をおくるかつての仲間の声を聞ける環境ができ刺激になっている」と山下さんは話します。そして、取組みを通じ、「施設利用者の退園後のアフターケアの大切さを職員としてしみじみと感じる」言います。
定期開催する施設オンブズパーソン委員会でも、「地域開放は、ここに来るのを楽しみにしていていい時間を過ごしているのがわかる」「自分のたどった経路を忘れずつながっていることは大切。このようなニーズはある」などの意見が聞かれます。現在は、地域開放利用者は退園者が中心となっていますが、今後、在宅で生活する身体障害のある方にもっと広められないか、そして、地域で行われているさまざまな住民の活動にも接点を持てないか模索しているところです。

 

Yamashita Masafumi

山下正文

多摩療護園生活部リーダー
日中活動担当


社会福祉法人
東京緑新会

昭和47年4月に都立民営方式による
身体障害者療護施設「東京都多摩更生園」として開設。
平成10年に「東京都多摩療護園」に名称変更。
平成21年には、財団法人「多摩緑成会」から分離・
独立した社会福祉法人「東京緑新会」が
運営を引き継ぎ、民立民営施設となる。現在の定員は、
生活介護80名(入所58、通所22)、短期入所2名。
〒191-0042 東京都日野市程久保872-1 TEL:042-591-6885
FAX:042-591-6893


じゃんけんを応用した
手の動きの訓練をする
松本さんと山下さん

オンブズパーソン委員会の様子。
平成4年に福祉施設オンブズパーソン制度を
日本で初めて多摩療護園が取入れました。

短期入所利用経験者の瀬川さん。
PTの渡部崇さんと
体を動かします。

 

 


【ゆーすけ】

NPO・ボランティアグループのための
マイナンバー制度講座を開催したよ!
●東京ボランティア・市民活動センターでは、11月25日(水)、NPOやボランティアグループの活動の中で、マイナンバーを取得する対象やその取得方法、源泉徴収・雇用保険におけるマイナンバーの取得範囲や取得時期などを解説する、「NPO・ボランティアグループのためのマイナンバー制度講座≪番号取得編≫」を開催しました。
 講座では、岡田純さん(税理士、未来バンク理事)、平塚綾子さん(特定社会保険労務士)、関口宏聡さん(シーズ・市民活動を支える制度をつくる会代表理事)の3名を講師に、マイナンバー取得に際する流れや注意点についてお話しいただきました。


都内の保育園関係者等を対象に、
保育セミナーを開催したよ!
●東社協保育部会では、12月7日(月)、都内の保育園関係者等を対象に、保育セミナー「今、求められる子育て支援の課題とその行方 ~出生から学童期を通じた子育て環境や実際の支援をもう一度考える~」を開催しました。
 シンポジウムでは、青木紀久代さん(お茶の水女子大学准教授)をコーディネーターに、柏女霊峰さん(淑徳大学教授)、普光院亜紀さん(保育園を考える親の会代表)、山梨みほさん(葛飾区立道上保育園園長)の3名に登壇していただきました。会場には、たくさんの方々が集まり、大変な盛況のセミナーとなりました。

 

 


【東社協発】

第1回施設実習養成校と
   児童養護施設との懇談会

東社協児童部会では、「児童養護施設問題検討委員会」を設置し、児童養護施設における問題や課題について意見交換等を行っています。これまでの委員会の中で挙げられた課題の中で、人材の確保・育成・定着については、平成26年12月に問題検討委員会の傘下と位置付ける「人材対策特別委員会」を設置し、課題の具体化と対応について検討を行ってきました。
その対応の一つとして、12月14日、児童養護施設へ保育士や社会福祉士の資格取得のための実習の送り出しをしている養成校と、実習を受入れる児童養護施設がお互いのネットワークを深められる場として、「第1回施設実習養成校と児童養護施設との懇談会」をセントラルプラザ内で開催し、養成校・施設併せて100名を超える参加者が集まりました。
はじめに、児童部会副部会長である二葉学園統括施設長の武藤素明さんから、開会のあいさつがあり、「職員配置国基準が職員1人当たり児童5・5人から4人へ改訂されたことにより、今後全国で約2千200人の職員の増員が必要になった。東京都の児童養護施設の半数はいまだ職員数を確保できていない状況にある。約15年ぶりに懇談会という形で養成校と施設の職員が集まったこの場で、意見交換を通じ、実習生が将来担い手として就職したいと思えるような職場づくり・実習体制について考えたい」と、今回の懇談会の目的と期待について話しました。
続いて、人材対策特別委員長である二葉むさしが丘学園施設長の黒田邦夫さんから児童養護施設の現状について説明がありました。
現在、東京都には63の児童養護施設と17の自立援助ホームがあります。従来までの大・中規模な施設は減少傾向にあり、小規模化・地域分散化が進み、「小舎」と呼ばれる6~8人のユニットが、26年で総定員の5割と半数近くを占め、グループホームを合わせると約8割に及び、児童養護施設の運営形態が従来とは異なるものになっていることを説明しました。また、子どもたちの入所理由も、「虐待」が近年急速に増加しており、支援の内容も複雑化していると言います。黒田さんは、「児童養護施設での実習を希望する学生の中には、大人数が生活する大規模な施設をイメージして来る方もいる。しかし現実は、多くが小規模施設であり、職員の仕事の様子や心理職・家庭支援専門相談員等の専門職の状況を知ることで、イメージと現実とのギャップが生まれてしまう。このようなギャップをなくし、児童養護施設ならではの仕事のやりがいをみせていくことも、養成校・施設で共に取組んでいきたい」と話しました。
後半には、事前アンケートで集約した養成校側・施設側からの質問・要望事項について回答する時間が設けられました。養成校からの質問では、人材確保のための国の補助金についてや東京都としての人材確保への取組みといった人材確保にかかわる施策に関する内容から、実習先の確保・新規開拓や、実習生への事前指導にやっておくべきことなど、実習に関することまで、さまざまな疑問が寄せられました。その質問に対して、聖ヨゼフホーム施設長の鹿毛弘通さんが、具体的で明快な返答をしていきました。
施設側からの質問は、代表して至誠大地の家施設長である髙橋誠一郎さんが、養成校での実習先の選定方法についてや実習から就職へつなげていくために施設がやるべきことなどの質問を、会場に集まった養成校職員へ投げかけ、多くの回答を引き出していました。
また、当日会場で挙がった質問の一つ「人材確保において、参考となる施設の運営体制や取組みを、他の施設へと広げていくにはどのような取組みが必要か」に対し、本懇談会の総合司会でもある人材対策特別委員会副委員長で東京家庭学校施設長の松田雄年さんは、「人材確保には実習での経験や出会いが重要なキーになる。実際、新任職員に聞くと、施設へ就職することを決めた理由の約6割が、『実習時の体験』や『実習先の職員との出会い』だという状況にある。児童部会として、施設内実習担当者を集めた研修会や情報交換会を今後検討していきたい。より魅力的な実習体制を浸透させていかなければならない」と、今後の部会としての活動を含めた取組みについて話しました。
28年3月には、養成校の学生を対象にした施設見学会と説明会の開催も予定しており、人材育成等に関する今後の活動が期待されます。


第64回東京都社会福祉大会を開催


12月18日に東京都、東京都共同募金会、東京都社会福祉協議会の主催により、東京都庁第一本庁舎の大会議場にて東京都社会福祉大会が開催されました。当日は、東京の社会福祉の発展に功績のあった832名(団体)に、東京都社会福祉大会知事感謝状、福祉のまちづくり功労者に対する知事感謝状、東京都共同募金会会長表彰状、東京都社会福祉協議会会長表彰状・感謝状が贈呈されました。
式典では受賞者を代表して、M・Sユニークダンスの会様、大森学園高等学校 車いすメンテナンスグループ様、さわやか倶楽部様、髙木 光様の功績がスライドで紹介されました。
東京都社会福祉協議会会長表彰を受賞された「さわやか倶楽部」様は、熟年男性の調理ボランティアグループで、「人と人とが協力し助け合って生きるこの社会で、元気なときに積極的に助け合うことは人間として当たり前の行動である」を活動理念として、長年に渡りあきる野市社協の調理ボランティア等で、地域福祉の向上に尽力されています。
また、明星学園中学校・高等学校 和太鼓部による迫力ある演奏が、大会に華を添えました。
なお、東社協会長表彰・感謝の受賞者名と功績概要は、本会ホームページ(http://www.tcsw.tvac.or.jp/activity/taikai.html)に掲載しております。


受賞者代表
の皆様


〈応募受付中〉
ゆめ応援ファンド助成

都内におけるボランティア・市民活動の開発・発展を通じて市民社会の創造をめざすために、必要な資金の助成を行います。
▼対象 ①ボランティア・市民活動団体、②①の活動を推進している民間非営利団体
▼助成金額 単年度助成は上限50万円、継続助成は1年につき上限50万円(3年間助成)
▼助成内容 ①学習会・研修会の開催、②調査・研究の実施、③器具・器材の開発・購入、④市民への啓発、⑤先駆的・モデル的活動、⑥その他
▼申込方法 募集要項を入手し、申請書に必要事項を記入し、送付。申請書は都内のボランティア・市民活動センターやホームページで入手できます。
▼申込締切 1月31日(日)消印有効(持込の場合は17時まで)
▼申込・問合せ 東京ボランティア・市民活動センター
 TEL 03(3235)1171
 http://www.tvac.or.jp/news/36874

 

市民社会をつくる
ボランタリーフォーラム
TOKYO2016

生活困窮、少子高齢化、災害、多文化共生など、今、社会で起こっているさまざまな課題を取り上げ、その解決に向けて、わたしたち市民にできることを一緒に考えるイベントを開催します。
▼日時 2月12日(金)~14日(日)
▼会場 飯田橋セントラルプラザほか(総合受付は10階)
▼参加費 2千円(1プログラムのみ参加の場合は1千円)(当日、総合受付にて支払/学生割引あり/一部追加料金が必要なプログラムあり)
▼内容 多様なテーマで33のプログラムを実施します。詳細は、フォーラムホームページをご覧ください。
▼申込方法 フォーラムホームページより申込み、または参加申込書に記入の上FAXまたは郵送。
▼申込・問合せ先 東京ボランティア・市民活動センター
 TEL 03(3235)1171
 FAX 03(3235)0050
 ホームページ:http://www.tvac.or.jp/vf
 参加申込書:http://goo.gl/vJ3HXF

 

 


【みーつけた】

誰もが集える
みんなの居場所

たまりば宙

 

南武線の谷保駅を降りると、線路沿いの道に「たまりば宙」はあります。朝10時半に開店すると、すぐに人が集い始めます。自転車で通りがかって入口から挨拶する人、外に並んだ古本を見る人、リサイクル品を見る人の姿が見られます。駅のすぐそばなので、待合せや福祉サービスの合間の待ち時間の場所として使ったり、お弁当を食べたリ、仕事帰りにふらっと寄ってお茶を飲んだり、思い思いに楽しんでいます。
*当事者と家族が活動の中心
「たまりば宙」は当事者と家族の会が設立した「国立5日制の会」に由来します。学校週5日制施行に伴い、休みになった土曜日に音楽の広場やスポーツ活動、プールなどの活動を、長期休業中は海水浴やキャンプなどの活動を始めました。その後、重度知的障害者グループホームを起ち上げ、ショートステイ、居宅支援事業所、訪問・通所事業所等を運営しています。現在は社会福祉法人かいゆうとして活動をしています。
最初に立ち上げたグループホームに併設した喫茶店「南風」は、木の香りと緑が感じられる居心地が良い居場所です。手作りの小物を販売したり、バザーも開いています。訪れる人同士でつながりをつくったり、周りには言えない愚痴も話せる居場所になっています。
*しょうがいがある人もない人も
「たまりば宙」のオープン時から中心となって「宙」を運営してきたスタッフは、「南風」「くじら工房」(国立市地域活動支援センター)でも働いていましたが、「福祉関係者やしょうがいのある方だけの居場所でなく、いろんな人が集う場所にしたい」と思っていました。谷保駅近くのくじら工房の隣の店舗が空いたので、ちょうど良いタイミングで、21年に「たまりば宙」をオープンしました。
*日常の会話を受け止める
フリースペースをただ用意しても誰も訪れてはくれません。素敵な手作り品を作る方は沢山いるので発表の場を兼ね、手芸品を販売しています。売上げは8割が作成した本人、2割が「宙」の収入です。その他にもリサイクル品の古着や古本、食器類、CD等を展示して販売しています。本は1冊20円から、CDは100円からです。その他にも、来て下さる方の特技を生かして書展、写真展等の発表の場所としても提供しています。
「宙」では、利用される方のニーズに添って日々活動しています。ズボンが長いので短くして欲しい、ボタンを付けて欲しい、ミシンを貸して欲しい。利用者さんがどう「宙」を利用するかによって「宙」は変化し、利用される方によって作られている空間です。
「宙」で話される会話は、日常のたわいない世間話や芸能人の話、地域で話題になっていること、福祉サービスの使い方やお医者さんの話など、さまざまです。そのような何気ない会話の中から、福祉サービスの使い方をアドバイスしたり、通院を勧めることもあります。
*課題になる前にそっと支える
社会福祉法人かいゆう理事長の遠藤良子さんは、「何気ない日常の会話の中から困りごとを見つけ出し、課題になる前にそっと支えることが大切」と話します。あえて相談場所の看板を掲げずに、地域をそっと支える「宙」の取組みは、地域に必要とされながらこれからも続いていきます。


たまりば宙

●社会福祉法人かいゆうが、平成21年にフリースペース「たまりば宙」をオープン。捨てるのはもったいない品物をご寄附いただきリサイクルとして販売しています。手作り品や書展、写真展の場としても使われています。
10時半~18時半(月~土)、日曜・祝日休み
国立市富士見台1-17-17信和第二ビル1階
TEL/FAX 042-843-0443
http://www.kaiyu.or.jp/


開店すると、すぐにいろんな人が訪れます

たまりば宙のスタッフ。
左から、松永一子さん、
家村窓香さん、
阿部馨子さん

 

 


【資料ガイド】

施策・会議資料
●『東京都発達障害教育推進計画(案)の骨子』(東京都教育委員会/11月)
 平成17年の「発達障害者支援法」の施行以後の国による法整備や、近年の発達障害を取り巻く状況の変化等があり、これらの課題やニーズにも的確に対応するため、発達障害教育の更なる充実に向けて計画的に取組む施策の計画(案)の骨子。
●『平成27年度雇用政策研究会報告書』(厚生労働省雇用政策研究会/12月)
●『「いじめ総合対策」の改訂の方向性について中間答申』(東京都教育委員会/12月)
調査結果
●『平成26年度都道府県運営適正化委員会 苦情受付・解決状況の概要』(全国社会福祉協議会/11月)
 平成26年度の運営適正化委員会における苦情・相談を通じ、福祉サービスに関する利用者などからの苦情を適切に解決する取組みの実績についてとりまとめた報告書。
●『幼稚園・保育所等の経営実態調査結果』(文部科学省初等中等教育局幼児教育課、厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課/11月)
●『児童養護施設等の小規模化及び里親等への委託を推進するために各都道府県が定める「都道府県推進計画」の内容等に関する調査結果(平成27年9月末日現在)』(厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課/11月)
●『平成26年度福祉行政報告例の概況』(厚生労働省人口動態・保健社会統計課行政報告統計室/12月)
 社会福祉関係諸法規の施行に伴う各都道府県、指定都市及び中核市における行政の実態を数量的に把握して、国及び地方公共団体の社会福祉行政運営のための基礎資料とすることを目的とした報告書。
その他
●『2015年度社会福祉研修事業アンケート等調査結果』(中央福祉学院/9月)
●『厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム・マニュアル』(厚生労働省/11月)

 

 


【アンテナ】


助成金

第5回
杉浦地域医療振興助成

申込締切 2月29日 助成対象 医療従事者及び介護福祉従事者等の多職種が連携して「地域包括ケア」を実現しようとする活動や研究 助成金額300万円(1件あたり) 申込方法 下記ホームページより申請書をダウンロードの上、メールに添付し提出 申込・問合せ先 杉浦記念財団
info@sugi-zaidan.jp
http://sugi-zaidan.jp

 

講座・シンポジウム

セミナー
「福祉サービスの産業化
政策の未来を問う!」

申込締切 1月15日 日時 1月19日13時~19時45分、20日9時15分~11時45分 場所 TKP新宿カンファレンスセンターホール6A定員 120名(先着順) 参加対象 社会福祉事業経営者、福祉職員、当事者・家族、行政関係者 参加費 検討会会員:20,000円、非会員:25,000円 内容 1日目:講演「規制緩和による医療・福祉の産業化について」横山壽一氏(金沢大学教授)、「医療法人・社会福祉法人制度改革について」松原由美氏(明治安田生活福祉研究所 医療・福祉政策研究部長主席研究員)、「政府・厚労省が考える新たな福祉の提供ビジョンについて」平野方紹氏(立教大学准教授)、2日目:基調講演 峰島厚氏(日本障害者センター理事長・立命館大学特任教授)、シンポジウム「本来の社会福祉事業を取り戻すために」 申込方法 電話又は下記ホームページより申込 申込・問合せ先 日本障害者センター「社会福祉事業のあり方検討会」
・03(3207)5621
http://shogaisha.jp/center/
児童養護施設・
障害者(児)施設
事例研究発表会

申込締切 児童:1月18日、障害:2月12日 日時 児童:1月29日10時~17時(9時30分開場)、障害:2月25日10時~16時30分(9時30分開場) 場所 児童:豊島区民センター6階文化ホール(イーストステージ・いけぶくろ)、障害:野方区民ホール(中野区立区民ホール) 参加費 無料 内容 基調講演:児童「児童養護施設からの自立について(仮題)」浅井春夫氏(立教大学コミュニティ社会福祉学部長)、障害「利用者の意思を尊重した支援―障害者虐待の防止に向けて―」津田耕一氏(関西福祉科学大学教授)、事例発表 申込方法 下記ホームページより申込 申込・問合せ先 東京都社会福祉事業団事務局施設経営係
http://job-gear.jp/jigyo
dan/

講演会「支援の現場から見たDV~被害者の安全、回復のための加害者対応を知る~」

申込締切 1月28日 日時 2月6日13時~16時(12時30分受付) 場所 東京ウィメンズプラザB1Fホール定員 250名 参加対象 都内在住・在勤・在学の方 参加費 無料 内容 講演「被害者支援と加害者対応~カウンセリングの経験から」信田さよ子氏(原宿カウンセリングセンター所長)、「DVとストーカーへの警察の対応」警視庁ストーカー対策室職員 申込方法 はがき、FAX、メール、又は下記ホームページより申込 申込・問合せ先 東京ウィメンズプラザ事業推進係「DV防止講演会」担当 〒150-0001 渋谷区神宮前5-53-67
03(5467)1977
wkoza@tokyo-womens-plaza.metro.tokyo.jp
http://www1.tokyo-womens-
plaza.metro.tokyo.jp/

こうさい療育セミナー

申込締切 1月29日 日時 2月5日9時~16時場所 鉄道弘済会総合福祉センター「弘済学園」 参加費
5,000円(学生無料) 内容 弘済学園の療育・支援公開、及び「今、あらためて障害児・者支援のあり方を問う~確かなアセスメントに基づく専門的アプローチ~」をテーマとした8つの分科会 申込方法 申込書を請求の上、郵送、FAX、又は下記ホームページより申込 申込・問合せ先 鉄道弘済会総合福祉センター「弘済学園」こうさい療育セミナー係
・0463(77)3222 0463(77)3225
ryoikuseminar@kousaikai.or.jp
http://www.kousaikai.or.jp

全国障害者生活支援
研究セミナー

申込締切 1月29日 日時 2月13日9時50分~17時、14日9時30分~15時30分 場所 新宿NSビル 定員 300名 参加対象 生活支援にかかわる支援者、障害当事者とその家族、テーマに関心のある方 参加費 [2日間参加]正会員:10,000円、情報会員:11,000円、一般:12,000円、学生:6,000円、[1日のみ]正会員:6,000円、情報会員:6,500円、一般:7,000円、学生:3,500円 内容 1日目:講演「主体的に生きる~自閉症の僕の七転び八起き」東田直樹氏(作家)、「意思決定支援の国際的潮流~イギリスとオーストラリアの現状から~」水島俊彦氏(弁護士・法テラス八戸法律事務所)、実践報告「“主体的に生きる”を支える」〈進行〉小林博氏(藤沢育成会サービスセンターぱる、全国障害者生活支援研究会理事)、〈報告者〉松本哲氏(みぬま福祉会川口太陽の家)、市岡武氏(桐友学園サポートセンター沼南)、〈助言者〉水島俊彦氏、2日目:分科会 申込方法 所定の用紙に記入の上、郵送又はFAXにて申込申込・問合せ先 申込:京王観光調布支店 〒182-0024 調布市布田3-1-7池田ビル5階
・042(484)2881 042(484)1321
問合せ:全国障害者生活支援研究会事務局
・/ 044(271)8788


その他

糸賀一雄記念未来賞募集

応募締切 1月20日必着 対象 福祉・教育・医療等の分野における障害者、又は同様に生きづらさを抱えた人に関する先進的な取組みであり、国内で活動している個人及び団体 申込方法 所定の申込書に記入の上、郵送、FAX、又はメールにて申込 応募・問合せ先 糸賀一雄記念財団 〒525-0072 滋賀県草津市笠山7-8-138県立長寿社会福祉センター内 077(567)1708
itoga@itogazaidan.jp

第14回キラキラっと
アートコンクール
優秀賞作品展

日時 2月18日~21日11時~19時 場所 丸ビル1階マルキューブ 入場料 無料 内容 障害のある子どもたちの可能性を応援する絵画コンクールの作品展 申込・問合せ先 三菱地所株式会社環境・CSR推進部
・03(3287)5780(平日9時15分~17時45分)

 

 


【年頭所感】

東京都社会福祉協議会
会長
青山 ?

新たな協働により
地域の力を高める

新しい年の初めに皆様にご挨拶を申し上げます。昨年の9月に関東・東北豪雨災害が発生し、我々の近隣県でも大きな被害がありました。本会も関東ブロックの社協と協働し、茨城県常総市の災害ボランティアセンターの支援に取組んだところです。こうした災害は向こう岸の話ではありません。東京でもいざというとき、要配慮者をはじめとした都民の安全・安心がきちんと守られるよう、「災害に強い福祉」づくりを着実にすすめていかなければなりません。
本年は社会福祉法が改正されるという社会の動きがあります。これまでも地域に根差した活動を行ってきた社会福祉法人の活動は正しく評価される必要があると同時に、新たなニーズの解決に対しても果敢に取組んでいくことが求められます。その一つとして現在、本会の委員会でも社会福祉法人の連携による社会貢献事業を検討しています。また、こうした地域に向けた役割が発揮できるよう、新しい視点に立った経営支援をすすめていく所存です。
そして、本会では4月から新たな中期計画をスタートさせる予定です。本会には社会福祉法人や区市町村社協、民生児童委員、NPO、企業など幅広い団体や関係者が参画してくださっています。その利点を活かし東社協らしい取組みを皆様とともにすすめていけるよう、本年もご支援をお願い申し上げます。

 

 


【新刊】

専門機関と地域住民の
協働による地域づくり
~暴力・虐待を未然に防ぐ実践事例集~

●本事例集は、社会福祉施設等と地域住民の協働による暴力・虐待の未然予防の取組みを掲載しています。第1章では、暴力・虐待を未然に防ぐための5つのポイントを説明。第2章では10つの具体的な実践事例を紹介しています。
◆規格 A4判/68頁
◆定価 648円(税込み)

 

 


【くらし】

そのひとにあった
ボランティア活動を
デザインする

特別養護老人ホームアトリエ村で
ボランティアコーディネーターをしている、
布施川香保利さんに
お話をうかがいました。

年間のべ4千人近くの
ボランティア
私が豊島区社会福祉事業団の高齢者施設「アトリエ村」の施設長から、「専任のボランティアコーディネーターになってほしい」と声をかけていただいたのは、平成18年のことでした。当時アトリエ村では年間のべ1千人以上のボランティアが活動しており、職員が兼任でコーディネートをしていたものの、対応しきれなくなっていたのです。
仕事を始めた当初は、ボランティアを受入れることによる職員の負担感や、利用者の不安にどう対応すればいいか悩みました。私は航空会社や生活相談員の経験があるのですが、ボランティアコーディネーターも「接客業」だと感じ、ボランティア委員と協力して職員、ボランティア、利用者の要望を丁寧に聴くところから始めました。
新しく来て下さるボランティアさんとは、1時間以上オリエンテーションを行い、どんなことをしたいのか、じっくりお話をします。「できることがあれば何でも」という方から、掃除、演芸、書道等、さまざまな希望があり、それを職員に伝えて、現場の状況に応じてその方のためのプログラムを作ってもらいます。いわば、オーダーメイドのボランティア活動を作るのです。
このように、それぞれの気持ちを尊重しつつ、無理なく協力できる環境を整えていったことで、次第に現場の理解も得ることができ、専任のコーディネーターがいることで、ボランティアの不安も解消されました。今では、年間のべ4千人近くの方がボランティアに来てくださっています。
●「ボランティア」は一方的な
 支援活動ではない
ボランティアに来る方の動機や目的はさまざまですが、「他人のため」という気持ちだけではなく、「自分にかえってくるものがある」ということを感じてほしいと願っています。
私自身、以前はボランティアについて、上から目線のような、優越感を持っての活動という雰囲気に抵抗を感じていました。しかし、色々な経験を積み、多くの人と関わるなかで、支援というものが一方的ではないことが実感としてわかってきたのです。
アトリエ村では、聴覚障害の方や80歳代の方など、支援される側になるような方も、それぞれの特技や能力を活かして、ボランティアとして活動しています。ボランティアは、優れた能力をもっているとか、経済的に余裕がある人だけのものではありません。自分のできることを、できる範囲でやることが、他人を助け、自分の人生も充実したものにしてくれるのです。
●ライフワークとしての福祉
ボランティアコーディネーターとして働くなかで、人と人とをつなぐことで生まれる可能性の広がりに気づかされました。私は東京ボランティア・市民活動センター主催の「中間支援組織スタッフのための支援力アップ塾企画・評価委員会」の委員も務めていますが、そこでも「自分のいる組織の外に出て行くことで、新しい視野とつながりを持つことができ、より良い支援ができる」と伝えています。
地域には色々な人がいて、それぞれ得手、不得手があります。それらの方々の協力を仰ぎ、今後は、行政や企業では埋めることができない、ちょっとした困りごとに対処していけるように、今年立ち上げたボランティアステーションアトリエを軌道に乗せていきたいです。そうすれば、そこからも地域の中の助けあいのしくみができていくのではないかと思っています。

月刊「福祉広報」

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