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福祉広報 2017年9月 705号 テキストデータ

【表紙】

沖縄県 伊是名島の子ども達

夕方の海風が運んでくれる涼風に誘われて
一人また一人と島人が家から出てくる
歩いてまわれる小さな島に子どもは多く
駆け回る声は夜まで続く。

【もくじ】

社会福祉NOW
施設の中にいる地域とのつなぎ役~地域という場で人がつながる~

トピックス
多様な価値を認め合い、新たな可能性を探し続ける
(千葉県中核地域生活支援センター大会)

【連載】質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・育成・定着(10)
特養とボランティアセンターが地域でつながり介護の魅力啓発に取組む(世田谷区)
世田谷 介護普及活動 有志の会

福祉のおしごと通信
社会福祉法人 みずき福祉会 障害者支援施設 八王子平和の家(八王子市)
支援主任 丸茂亜美さん


【NOW】

施設の中にいる地域とのつなぎ役―地域という場で人がつながる―

社会福祉施設は地域にあり、近隣の学校や地域住民との交流をはじめ“施設と地域とのつながり”が重視されてきています。
今号では、施設の中にいる地域とのつなぎ役の姿から地域という場で人がつながることで生まれる可能性を考えます。

職員一人ひとりが「地域交流大使」_障害者支援施設 リアン文京
(社福)武蔵野会「リアン文京」は、有楽町線江戸川橋駅近くにある障害者複合施設です。生活介護や入所支援、就労継続支援等の障害福祉サービスを行う他、施設には法人が受託運営する子育て広場や老人センター等が併設され、障害福祉サービス利用者約2万人と合わせ、年間約15万人が訪れる場となっています。
ところが、子どもは子育て広場、シニアは老人センター、障害者はリアン文京とそれぞれの目的で各施設を訪れるため、多世代間や共生的な相互交流につながっていませんでした。「集まった人が知り合ってつながる『交流』をしていくには、複合施設があるだけでなく、しかけが必要だった」と、総合施設長の山内哲也さんは話します。そのしかけは、チームリアンという職員同士のつながりによる協働体制です。
「絆社会の実現をめざす」ことをミッションに、地域とつながる8つの柱を定め、地域交流委員会の「ふれあいプロジェクト」を中心に、事業横断型で取組んでいます。職員は各自が業務目標で地域に関する内容を挙げます。そして、業務やイベントを通じて聞こえてくる、参加者やボランティア団体などの「地域のつぶやき」を拾い、職員会議等で共有し、想いを具現化していきます。引きこもりの方の中間的就労、在宅障害者や孤立している方の余暇支援など、制度の狭間のニーズに応える活動も始まっています。
取組みで大切にしているのは、職員だけでなく、地域の人も巻き込んで「一緒に」協働するプロセスです。山内さんは、「『地域』という場でつながった人たちが、それぞれ持ち味を活かし、楽しみながら生活を共有することが『ふくしの街づくり』になっていく」と続けます。山内さんが特に考えていきたいという入所支援の利用者の社会参画も、この共生社会に基づく地域があってこそすすんでいきます。
「リアン」はフランス語で「絆」を意味します。職員一人ひとりが地域交流大使として絆を結んでいく「つながり型の地域貢献」は、協働することで大きな力となり、誰もが住みやすい地域づくりを実現していきます。

地域の一員として「職員の姿」を地域に見せる_特別養護老人ホーム サンライズ大泉
(社福)芳洋会「サンライズ大泉」は、練馬区西大泉に5年前にできた特養です。地域で行われる高齢者向け講座への参加や、近隣小学校への出前授業、町会行事への参加など、職員が地域に出て「地域の一員」になることを大切にしています。施設長の番場隆市さんは「地域に施設があることだけでなく、そこで働く職員の姿を見せて、建物ではなく人の姿として認識してもらいたかった」と話します。実際に、小学校での出前授業を担当したソーシャルワーカーの西村雄大さんは「小学校近くの駐車場で登校中の小学生に『サンライズの人?』と話しかけられて嬉しかった」と言います。また、町会の行事に継続して参加しているケアスタッフの澤井裕美さんも「継続して参加することでこちらの顔も覚えてもらえ、スーパーなどで見かける地域の方の顔がわかるようになった」と言います。
サンライズ大泉では、近隣の小学校や学童保育からの働きかけが増えてきたことをきっかけに、平成26年度から施設内に「地域交流委員会」を設置しています。現在は職員9名がメンバーとなって3か月に1度定例会を開いています。「在宅サービスを行っていないので、意図的に地域とかかわることを考えなければ、社会資源としての役割が果たせないと考えた」と番場さんは当時を振り返ります。
近隣の大泉西小学校との交流は、継続することで例年の行事になってきました。小学生が施設を訪問する交流からスタートしましたが、現在では学校に出向いての出前授業も実施しています。対象学年も年々増えています。内容は担任の先生の提案も受けながら、主に高齢者のことや施設のことなどを伝えています。番場さんは「できる範囲で、できることを誠実にやっていく」と、継続していくためには無理をしすぎないことが大切だと言います。マネジャーの遠藤求さんは、「特養としての機能だけではなく、地域で当たり前の存在になりたい。イベントも含めて施設に出入りしてもらい、大人になってふり返った時に、自分が育った地域の楽しかった思い出の中にサンライズがあってくれたら嬉しい」と言います。高齢者や介護についての正しい知識を伝えながら、子どもたちの記憶の中に、地域で仕事をする大人の姿として残っていく事が期待されます。

施設と地域に暮らす多様な家族のことを伝える_二葉乳児院「二葉・子どもと里親サポートステーション」
(社福)二葉保育園「二葉乳児院」は、新宿区内にあり、さまざまな事情から家庭で暮らすことができない0歳から就学前までの子ども達を預かって養育する入所施設です。二葉乳児院が東京都から受託した里親支援機関事業「二葉・子どもと里親サポートステーション」の里親開拓コーディネーター(※1)の吉川公一さんは、二葉乳児院のある地域を含めた都内各所で、里親や地域で里親を支えてくれる方のことを伝える活動をしています。
毎年、区民まつりや子育てメッセ等には里親委託等推進員(※2)とともに出向き、社会的養護における里親制度や施設のことを知ってもらうブースを設置しています。ブースにはボードを設置し、立ち寄った地域の方に里親制度を説明するコーナーを設けています。吉川さんは、「確実に昨年より今年は認知度があがっている。『昨年も来たから知っているわ』との嬉しい声があった」と話します。興味・関心を持ってもらうことがすすんでいる実感を得ています。また、「用意した風船を欲しがる子どもには、親も一緒に来てもらうよう声かけして、親が社会的養護の情報に触れてもらう機会を増やしている」と、社会福祉士で里親委託等推進員の宮内珠希さんは話します。
一方、大学に対しては、授業の一環として、地域で暮らす里親家族のことや里親制度について考える出前講座を行っています。この授業をきっかけに、乳児院等の遊びや学習ボランティアとしてかかわってくれるようになった大学生もいます。
その他の取組みとしては、多くの教育関係者に、里親制度や社会的養護のことを正しく理解してもらうため、都立高校の家庭科の先生が組織する研究会に参加し、制度の説明をしました。その結果、先生方へのグループ研修、生徒への福祉の授業など、現在4校での『出前講座』の実施に致りました。
地域社会の中に、多様な家族がいて当たり前になることで、その家族を支える理解者が増え、誰もが暮らしやすい地域づくりにつながっていくことが望まれます。

3つの事例では、地域住民と施設が双方向に関わる事で、地域という場に新しい人と人のつながりが生まれています。また、施設として利用者に関わる想いを伝えていく事で、地域に理解や関心の輪が拡がる地域づくりの姿があります。施設の中にいる地域との「つなぎ役」は、職員一人ひとりが地域に向けてアンテナを張ることにつながっています。

※1里親開拓コーディネーターとは、里親制度の理解を広め、里親登録の拡大のため普及・啓発活動をします。
※2里親委託等推進員とは、担当児童相談所エリアの里親に対して、子どもの養育に関する支援を総合的に行います。

リアン文京
チームリアン ミッション~絆社会の実現―地域と繋がる8つの柱 地域とともに
・育む
・集う
・伝える
・参加する・出会う
・共に生きる
・交流する
・支え合う

サンライズ大泉「地域交流委員会」
施設長 番場隆市さん(右から三番目)

小学校3年生への出前授業

右)吉川公一さん
左)宮内珠希さん

【トピックス】

多様な価値を認め合い、新たな可能性を探し続ける「中核地域生活支援センター大会 in 2017」
主催・千葉県中核地域生活支援センター連絡協議会

平成29年7月21日(金)、千葉市生涯学習センターにて「中核地域生活支援センター大会in2017 若者たちの見えない貧困を考える―『我が事・丸ごと』の仕組みづくりに向けて―」(主催・千葉県中核地域生活支援センター連絡協議会)が開催されました。
中核地域生活支援センターは、千葉県内の13の健康福祉圏域に1か所ずつ設置された公設民営の相談支援事業です。包括的相談支援事業や権利擁護事業のほか、29年度からは新たに市町村等バックアップ事業を開始し、専門的かつ多面的な視点に立った助言等の支援を行っています。
今大会では、若者の生活の中にある、制度では対応できない課題や身近な地域では声をあげにくい課題に対し、我が事・丸ごとの地域共生社会の実現に向けた議論をふまえながら、どのような地域づくりが求められるのか意見交換が行われました。

問題提起―子ども・若者の現実
冒頭、相談支援等に取組んでいる3つの機関から「つながりから遠ざかる人たち」について、問題提起がありました。「よりそいホットライン」を運営する社会的包摂サポートセンター事務局長の遠藤智子さんは、地域のつながりから遠ざかる当事者として、セクシュアルマイノリティや外国人、性暴力被害者等の「偏見にさらされる」人たちと、ドメスティック・バイオレンス被害者や虐待の被害者等の「身近な人から暴力を受けている」人たちを挙げ、「相談支援者には、実際に起こっていることや統計など、『事柄をよく知らない』という自覚とともに、問題に対する基礎的な学習が必要」だと指摘しました。
千葉県立市川特別支援学校の特別支援教育コーディネーターの川口美幸さんは、10代後半の若者たちを支援するため、市川市・浦安市地域の関係機関が連携してワンストップで対応する「若者サポートプロジェクト678」の取組みを紹介し、「顔の見える関係づくりができたことでお互いの動きや役割がわかり、安心して支援につなげることができた」としながら、「進路変更した生徒や未就学の若者にどうつながるかが課題」と話しました。
また、PandA法律事務所代表で弁護士・社会福祉士の浦﨑寛泰さんは、触法障害者の更生支援コーディネートや性風俗産業で働く女性のアウトリーチ型無料相談会等、司法と福祉の連携による支援事例を報告し、「当事者にとってのあるべき『地域』とは何か。また当事者の『困難さ』には誰のどのような『支援』が必要なのか」と問いかけました。さらに、悩みが多様である現状をふまえ、支援者側の多様性が欠けているのではないかと指摘しました。

包括的な相談支援体制をどうつくるか
基調講演では、厚生労働省社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室長の本後健さんから、「我が事・丸ごと」地域共生社会づくりに関する経緯や、地域力強化検討会中間とりまとめの概要、改正社会福祉法への位置づけ、取組みを推進するための今後の方向性について説明がありました。住民が主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制づくりを支援するため、住民に身近な圏域では、(1)他人事を「我が事」に変える働きかけをする機能や、(2)複合課題や世帯の状況に関わらず「丸ごと」受け止める場が必要であり、さらに市町村圏域では包括的な相談支援体制をすすめるために、(3)協働の中核を担う機能が必要だと話しました。
シンポジウムでは、地域力強化検討会で示された「地域における住民主体の課題解決力強化・包括的な相談支援体制のイメージ」についてさまざまな意見が交わされました。遠藤さんは「住民のボランタリーな活動で大事なのは偏見の除去」であり、さらに「当事者の参加や支え手の多様性をどう確保していくか」が課題であるとしました。浦﨑さんは「人によって大切なコミュニティは違う。行政単位のしくみを超えて対応できるソーシャルワーカーが不足している」とし、「身近な圏域で対応できない課題をどうしていくかビジョンを示すことが必要」と指摘しました。「こども・若者未来基金」を立ち上げた、ちばこどもおうえんだん理事長の湯浅美和子さんは、「地域での取組みが期待されているが、住民に丸投げされている感じもする。行政の関わり方が大事だ」と話しました。

入口と出口を広げるさまざまな取組み
また、支援の入口(いかに支援を「届ける」か)や出口(「受け手」だけではなく、「支え手」になるには)をつくる取組み事例も紹介されました。こども・若者未来基金では、社会的養護の当事者の自立を本人に寄り添う「伴走者」と一緒に支援するしくみを構想しています。本人に伴走者がいない場合は、事務局が既存の専門機関等を伴走者として選定するとしています。
湯浅さんは「伴走型支援への期待は大きい。新しい取組みなので実際にやりながら考えていきたい」と語ります。また、よりそいホットラインでは、専用ページに書き込まれたさまざまな悩みに対し専門の相談員が回答するオンラインの相談窓口「Moyatter(モヤッター)」を運営しているほか、専用のチャットルームを開設するなど、相談につながりにくい人とつながり、継続して関わる取組みが模索されています。遠藤さんは、「今の若い人には伴走者がいない。当事者が支援者を選び直すことが必要だ」と話します。

地域共生について話し続ける
地域共生社会の実現に向けて、住民に身近な圏域や市町村域での取組み方策が強調される一方、都道府県域での取組みも大切です。本後さんは「市町村域で解決できない課題について、都道府県単位でどう受け止め、助けたり助けられたりできるか。専門家がどうつながるかが重要だ」と言います。浦﨑さんは、圏域や専門分野を超えた協働が求められる状況では福祉人材の力量や価値がより問われるとし、人材育成の重要性を指摘しました。最後に、中核地域生活支援センターがじゅまるセンター長の朝比奈ミカさんは、「地域力強化検討会での議論は不全感があった。しかし、違和感のある中で議論をすることが、地域共生について語ることなのだと感じた。それを認識したうえでこれからも話し合っていくことが大切だ」と話しました。
「我が事・丸ごと」地域共生社会の方向性は示されていますが、具体的なしくみや取組みは各地域で検討されることになります。圏域や分野を横断して、それぞれの価値観をもつ多様な主体による協働をすすめ、相談につながりにくい当事者のニーズを受け止められるようなしくみづくりが求められます。

シンポジウムの様子

厚生労働省
地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syakai.html?tid=383233

【マンスリー】

8/1
介護保険、負担上限の引き上げが施行
介護保険制度の持続可能性を高める観点から高額介護サービス費について、一般区分の世帯に係る自己負担額の一か月の上限が3万7,200円から4万4,400円に引き上げられた。また、3年間の時限措置として、年間の上限額も導入されることになった。

7/24
文京区が「こども宅食プロジェクト」を開始
文京区は、経済状況が食生活に影響するリスクがある家庭の子どもに対して、フードバンク等を活用し、食品を配送するとともに、子どもとその家庭を必要な支援につなげ、地域や社会からの孤立を防いでいくことをめざす「こども宅食プロジェクト」を開始した。

7/26
8割以上の事業場がストレスチェックを実施
厚労省は、ストレスチェックについて、制度施行後はじめて実施状況を公表した。それによると、82.9%の事業場がストレスチェックを実施、うちチェックを受けた労働者は78.0%、そのうち医師の面接指導を受けた労働者は0.6%だった。

7/26
練馬区、盲導犬育成に区の庁舎を利用
国産盲導犬第1号チャンピイを育成した、公益財団法人「アイメイト協会」は、アイメイト(盲導犬)を育成するための実践的な訓練場所として、練馬区役所の庁舎と西武鉄道の施設を利用することをはじめた。

7/28
ひとり親の子育てフリーペーパー創刊
NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」は、情報が届きにくかったり、相談相手がいない方に読んで元気になってらえるよう、ひとり親の子育てに役立つ情報を掲載するフリーペーパー「Smoms」を創刊した。

8/1
専門学校と消防庁が協定締結
国際デュアルビジネス専門学校と浅草消防署は、災害時支援ボランティアの登録に関する協定を締結した。大規模災害発生時は、多言語での避難誘導や通訳が必要となる。

8/2
特別区長会が都の来年度予算へ要望提出
東京23区長で構成する任意団体「特別区長会」は、特別区において設置可能となった児童相談所について、財政措置や都有地の活用とあわせて都における人材育成と連携した取組みが行えるよう都に対し支援・協力を要望した。

8/3
性犯罪被害相談窓口「ハートさん」開始
警察庁は、性犯罪被害相談電話全国共通番号「♯8103(ハートさん)」を開始した。ダイヤルすると、発信された地域を管轄する各都道府県警察の性犯罪被害相談窓口につながる。

【連載】

特養とボランティアセンターが地域でつながり介護の魅力啓発に取組む

福祉人材にかかわるさまざまな取組みが行われる中、福祉施設とボランティアセンターが地域でつながり、魅力の啓発に取組む姿があります。
本号では、(1)企画、(2)進路サポート、(3)訪問、(4)受入れなど、複数の切り口から介護の魅力啓発に取組む、世田谷区内の特別養護老人ホーム施設長の有志と、世田谷ボランティアセンターの連携した実践をお伝えします。

世田谷 介護普及活動 有志の会
(社福)南山会「喜多見ホーム」 施設長 野村博之 さん(中央)
(社福)大三島育徳会
・在宅サービス部長、統括本部検査室長、人材対策室長 佐藤朋巳 さん(左より2番目)
・「博水の郷」施設サービス部介護課副介護長 山本伸秀 さん(左)
(社福)世田谷ボランティア協会「世田谷ボランティアセンター」
・ボランティア・市民活動推進部部長 植田祐二 さん(右より2番目)
・ボランティア・市民活動推進部 鈴木佑輔 さん(右)

※その他、(社福)フレンズ奉仕団「フレンズホーム」、(社福)古木会「成城アルテンハイム」、(社福)友愛十字会「砧ホーム」、(社福)康和会「久我山園」、(社福)緑風会「エリザベート成城」が取組みに参加

協働のきっかけは、毎年施設で受け入れる「夏体験ボランティア(夏ボラ)」でした。(社福)南山会「喜多見ホーム」施設長の野村博之さんは、夏ボラの実施主体である(社福)世田谷ボランティア協会「世田谷ボランティアセンター」と関わる中で、学校等から活動に関する要望や相談が集まってくるボランティアセンターと、主に次世代に対して、これから介護の魅力を啓発していきたい施設側が、うまく協働できないかと考えました。「介護業界には、まだマイナスイメージがある。介護は大事な仕事だと伝えたかった」と野村さんは話します。

特養施設長の有志で取組む
世田谷区内にある19か所の特養には、施設長会という横の連携があります。平成28年夏、ボランティアセンターに声をかけ、施設長会に参加してもらうことから取組みがはじまりました。世田谷ボランティアセンターの鈴木佑輔さんは、「施設長の有志の皆さんに特養で働こうと思ったきっかけや、仕事での喜びについて質問した」と言います。すると施設長からは、「人が喜んでいる姿を見たり叶えたりしたときの喜び」という言葉が返ってきました。「それを聞いたとき、一緒にできそうだと感じた」と鈴木さんは言います。そして、「学校に出向くだけでなく、地域の人に日常的に施設に出入りしてもらい、高齢者を大切にしたい、高齢者施設を支えたいという気持ちにさせる取組みも必要ではないか」と提案しました。施設長からは、「今すぐ人材の確保につながらなくても是非考えていきたい」と賛同が得られました。施設長会として取組むことも考えましたが、まずは柔軟な有志の取組みとして「世田谷 介護普及活動 有志の会」はスタートしました。

地域の人に何がお願いできるか
ボランティアセンターには、地域の相談事や課題が持ち込まれます。その中には、やりたいことはあるが活動場所がない人や、あまり人と関わらずに社会に貢献できることを探している方もいます。鈴木さんは、施設長と関わり施設に出入りする中で、「施設で空いているスペースや、職員が行っている植木の管理などボランティアにお願いできそうな作業が分かってきた」と言います。
新たなアプローチで関心を寄せる人を増やすための企画を考える、地域の人による実行委員会をつくるため、鈴木さんは28年10月に「特養各施設からの依頼に一緒に取組んでくれる方を募集します!」とHPとSNSで呼びかけました。ターゲットは、学生を含む20~30代の若者です。その結果、サラリーマン、30代女性、ボランティアサークルに所属する大学生などが集まりました。そこで練られた企画が「ちょっとてつだって!~vol.1施設の車いすを洗うの手伝って!~」です。施設が共通して必要としている作業を企画にしました。29年3月と4月に9施設において日曜日を含む4日程で実施したところ、延べ21名が参加しました。中には母のSNSで知ったという高校生の参加もありました。
(社福)大三島育徳会「博水の郷」の山本伸秀さんは、「職員も一緒に作業した。『こんなところが汚れるんですか?』などの質問から、日頃の車いすの使い方を説明したり、頻繁に洗いたいがなかなか時間が確保できないなどの職員の現状も伝え、こうして作業していただけることが本当にありがたいと感謝を伝えた」と話します。参加者からは「たくさん洗ってきれいになるとすっきりする!」という感想があるなど、結果が形として見える作業は達成感を得られた様子でした。野村さんは、「作業の中で職員との会話もあり、新たな発見があり、新しい知識が増える。このような企画は新鮮だった」と言います。

次世代に介護の魅力を伝える
世田谷 介護普及活動 有志の会の取組みは、このような「介護普及・啓発活動のための企画」以外にも、福祉の魅力ややりがい、必要性などを高校生に伝え、福祉を進学・進路の一つと考えてもらう「進学や仕事に就くサポート」や、小・中学校を訪問して行う「車いす体験授業等」、そして、奉仕活動やボランティア体験者など「ボランティア等の受入れ」を行っています。
学校への働きかけは、世田谷ボランティアセンターが作成した名簿を基に、施設長が学校に電話をかけました。今後、介護サービスのニーズ増大が見込まれる中、次世代の介護人材の育成や定着を重要な課題と考え、「進学や仕事に就くサポート」では、進学者の進路支援として福祉専門学校の紹介や、介護福祉士等修学資金貸付事業の利用の紹介などを都立高校へ働きかけました。熱心な先生とのご縁もあり、28年度は3人の生徒が福祉系専門学校へ進学が決まりました。
また、小・中学校を訪問して実施する「車いす体験授業」では、車椅子の種類や操作方法の説明や、車椅子介助体験(段差上げ・下ろし)などを行います。当日、有志の職員として参加した山本さんは、「だんだん顔を上げて話を聞いてくれた子や、質問してくれた子がいたのが嬉しかった」と言います。そして、「正直、以前までは話しても伝わらないかも…という気持ちがあったが、このような活動を通して伝わる実感が得られると、自信をもって介護の魅力を伝えられる」と言います。

受け入れる際の心配りも大切に
活動の中では、現場に人を丁寧に受け入れられる体制を整えることも重視しています。野村さんは、「喜多見ホームでは、手づくりの名札を用意するなど、ちょっとした心配りを大切にしている。実習・体験先に受け入れてもらえている実感は、安心して活動や体験できることにもつながる」と話します。「安心して人と人の触れ合いを体験してもらい、“感謝、感動、楽しさ”で気持ちが満たされる経験をしてもらい、明日もきたいと思ってもらえれば」と言います。
世田谷ボランティアセンターの植田祐二さんは、「人生は予期しないことが突然起こる。介護普及・啓発の活動を通して、福祉の正しい情報が学べるのは、これからの生活にも必ず役に立つ」と言います。山本さんも、「まずは正しい情報を知ってもらうと、魅力も伝えやすい」と言います。
世田谷 介護普及活動 有志の会では、今後、「若い人」、「親に介護が必要になる世代」、「配偶者に介護が必要になる世代」など、年齢層別のターゲットに合わせて戦略をたて啓発をすすめていきたいと考えています。「介護の仕事の魅力のアピールが課題となっているが、ぜひ他の区市町村でも同様の取組みが広がって欲しい」と野村さんは力を込めて言います。

都立高校夏休み奉仕活動参加者感想より一部抜粋
(受け入れ先:喜多見ホーム)
・職員の皆さんがお仕事をとても好きなんだろうなと感じ、この仕事に興味を持った。一番嬉しかったのは、何人ものかたに「今日は一日ありがとう」「ご苦労様、楽しかった」と声をかけてもらえたこと。
・真面目な感じだと思っていたが、職員の方が皆明るく元気で居心地がよかった。将来の道(選択肢)が増えた。
・一緒に暮らしている祖母と祖父に時々きつい言葉や態度で当たってしまうことがあるが、この体験を通して祖父母をもっと大切にしたいと思った。
・一人ひとりに色んな人生があっていいと考えると自分に無駄にしている時間などないと感じた。将来の夢を話した時、「素敵ね。頑張ってね」と高齢者の方が言ってくださったのが嬉しかった。

私立世田谷学園中学校での車いす体験事業。
職員有志7名が参加した(29年6月)

【ゆーすけ】

東京都地域公益活動推進協議会のホームページを新たに開設したよ!

東京都地域公益活動推進協議会は、社会福祉法人の使命に基づき、地域における福祉課題の解決に向け、社会福祉法人が連携して地域公益活動に取組むことを目的として東京都社会福祉協議会内に設置されています。
このたび、各地域で行われている取組み事例を3つの層別(各社会福祉法人の取組み・地域の連携による取組み・広域の連携による取組み)や、地域別に探すことができるホームページを新たに開設しました。
その他、社会福祉法人の地域公益活動にかかわるイベントや研修のお知らせや必要な情報発信を行っていきます。ぜひご覧ください。
https://www.tcsw.tvac.or.jp/koueki/index.html

市民社会をつくるボランタリーフォーラム 第2回実行委員会を開催したよ!

東京ボランティア・市民活動センターでは、「市民社会をつくるボランタリーフォーラムTOKYO 2018」へ向けて、実行委員会開き、準備をすすめています。
今回の実行委員会では、これから分科会を作っていくにあたり、大きな主軸となるようなキーワードを考えました。
社会、市民参加、ボランティア、ソフト、などのキーワードから、「今取り組みたい課題」「新しい課題」などを話し合い、今年度のフォーラムの主軸になるワードを考えました。
次回からは、いよいよ分科会作りに入っていく予定です。
フォーラムの特徴といえますが、毎年メンバーも違えば分科会の内容も違います。今年度はどのような分科会ができるのか、どうぞお楽しみに!

【東社協発】

告知
西脇基金チャリティーコンサートを開催

西脇基金は、西脇和昭氏の遺志によりご遺族からの寄附を受け、東社協に設置している基金です。児童養護施設や里親のもとで暮らしている子どもたちが、大学・短大・各種学校等へ進学する際の学費を支援しています。基金創設以来30年間で、延べ2千217人の子どもたちに奨学金を給付してきましたが、給付件数の増加等により、基金の運用益だけでは必要な給付財源を確保することが難しくなっています。
平成9年に発足した「西脇基金を支える会」では、毎年チャリティーコンサートを開催し、その収益の全てを東社協にご寄附いただくことで、西脇基金の給付に充てています。
コンサートを通じて多くの方に西脇基金の活動を知っていただければと思います。

〈西脇基金チャリティーコンサート〉
▼日時 9月26日(火)18時半~(18時開場)
▼場所 杉並公会堂 大ホール
▼入場料金 (前売り券)自由席 3千円、指定席 3千500円、(当日券)自由席 3千500円
▼出演 鈴木直樹&スウィングエースオーケストラ
▼チケットお問い合わせ・お申込み 西脇基金を支える会 TEL 03(3256)3674


募集
事業者支援コーディネーター派遣

東京都福祉人材対策推進機構では、昨年度に続き、福祉事業者に専門家を派遣する事業を実施します。
【概要】福祉職場で組織・人材・労務環境の問題解決に実績のあるコーディネーターが、事業所を訪問し、人材の確保・育成・定着に関する課題を整理し、働きやすい職場環境整備に向けた支援を行います。
▼対象 都内に所在する社会福祉法第2条に規定する社会福祉事業を実施し、おおむね常時業務に従事する職員の数が20名以下の事業所で、昨年度本事業の支援を受けていない事業所(事業所数 35事業所)
▼応募締切日 9月27日(水)※応募数が予定数を超えた場合は抽選
▼訪問回数 一回あたりの訪問時間は4時間程度、同一事業所の訪問は原則6回
▼参加費 無料
▼問合せ先 東京都福祉人材対策推進機構事業者支援プロジェクト事務局(受託運営:エイデル研究所)
TEL 0120(404)641
E-mail tokyo-fukushi@eidell.co.jp
HP:https://www.eidell.co.jp/tokyo-fukushi

報告
「東日本大震災子ども応援募金」を東北3県へ

東京都民生児童委員連合会(以下、都民連)では、本年も8月1日(火)~2日(水)の2日間で岩手・宮城・福島の三県を訪問し、東日本大震災で遺児・孤児となった子どもたちを支援する「東日本大震災子ども応援募金」を、お届けしてきました。
「東日本大震災子ども応援募金」活動は、東京都の民生委員・児童委員が独自に企画し、取組んできた活動です。お預かりした募金は、平成23年度から平成28年度までの6年間で5千300万円を上回りました。
都民連では、昨年11月末をもって取組みを一旦収束したため、6回目となる今回は、これまでにお預かりした募金を、残額を含めすべて贈呈することとし、各県に136万8千835円ずつ、総額410万6千505円をお届けしました。
また、贈呈と併せて募金の活用状況や現在の復興状況、遺児・孤児の様子、今後の課題などについて伺ったほか、宮城県石巻市を訪問し、市内の視察や民生児童委員協議会との情報交換を通じて、これからも東京の民生児童委員として、震災を忘れず被災地に心を寄せ続けていく思いを新たにしました。
今までご協力いただきました皆様に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

【中期計画】Vol.5

地域福祉推進委員会(1) 提言2017

東社協では、学識経験者、当事者団体、福祉サービス事業者、相談機関・団体、区市町村社協、民生児童委員から構成される「地域福祉推進委員会」を平成14年より設置しています。
28年度~30年度の中期計画においては、「委員会組織や提言策定プロセスの検討を行い、東社協における組織横断的な提言活動の要としての役割を一層発揮できること」を中期事業目標に取組んでいます。今号では、「地域福祉推進委員会提言2017」を、次号では28年度の検討をふまえた、29年度からの新たな取組みについてご紹介します。

毎年取りまとめている提言は、(1)福祉サービス事業者や地域福祉推進に関する関係者が福祉サービスの向上を目的とした積極的な取組みをすすめること、(2)東京都、区市町村行政における制度やしくみの拡充をはかることをめざしています。一方で、29年からは「福祉人材対策」などの横断的な課題については実効性のある解決策を十分に検討する機能をより強化していくことに取組んでいます。

提言1 質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・定着・育成の促進
「福祉の仕事を正しく伝えるイメージ戦略の構築」、「『体験』をきっかけとした次世代に対する福祉への理解と参加の促進」、「他業種からの転職者等の福祉人材に対する育成・定着支援の強化」、「多様な働き方のできる職場環境による福祉人材の確保と定着の推進」、「望ましい福祉人材の成長イメージの構築」について提言しています。

提言2 生活困窮者自立支援法における地域のネットワークの活用に関する提言
《区市町村社協への提言》「相談支援の力を高め、総合支援体制を構築する」、「地域ごとのニーズをふまえた社会資源の開発」、「人と人、人と団体、団体と団体のネットワーキング」、《社会福祉法人への提言》「認定就労訓練事業(中間的就労)や就労準備支援事業等、身近な社会参加の場の提供」、「社会福祉法人の専門性を活かした地域支援」について提言しています。
その他、福祉事務所設置自治体への提言、東京都への提言等も掲載。

部会・連絡会からの提言
《東京都高齢者福祉施設協議会》「地域包括ケアの構築には高齢者福祉施設のもつ総合力を活用すること」他、《東京都介護保険居宅事業者連絡会》「介護予防・日常生活支援総合事業の評価・点検について」他、《身体障害者福祉部会》「障害者の重度・高齢・病弱化に対応できる地域福祉を目指し、重症心身障害者等最重度障害者をも対象としたグループホーム制度の充実を図る」他、《知的発達障害部会》「強度行動障害への取り組み」他、《東京都精神保健福祉連絡会》「障害者差別解消法における都の窓口の設置と機能の充実」他、《保育部会》「子どもの安全と保育士の働き方の改善のため、新たな職員配置について」他、《児童部会》「定員超過が慢性化している一時保護所、被虐待児の入所待機状況が生じている児童養護施設などの整備の促進」、《乳児部会》「乳幼児及び保護者に対し適切な支援を行うために必要な職員体制の充実」他、《母子福祉部会》「地域公益活動の促進に向けて~地域で暮らす母子家庭に対する支援も含めた母子生活支援施設の機能強化~」他、《婦人保護部会》「『性暴力被害者回復支援センター』の設立」他、《更生福祉部会》「更生施設及び宿所提供施設の職員配置基準は、昭和56年以降変更されていない。実態に即した見直しを行うこと」他、《救護部会》「救護施設から地域移行・他法施設への措置変更等による循環型セーフティネット施設としての機能推進を図るために」他、《更生保護部会》「刑務所出所者等に対する福祉的支援の拡充」、《住民参加型たすけあい活動部会》「住民参加型による循環型地域生活支援(移送サービス、家事援助、食事サービス、コミュニティカフェ等)活動に対して、行政の支援を充実させることが必要である」

次回は、Vol.6
「地域福祉推進委員会(2)29年度からの検討体制」についてです

【おしごと通信】

利用者の笑顔を見ると「やっぱりこの仕事、いいな」と感じる
児童福祉を志していた学生時代から、偶然が重なって障害者支援施設へ。
明るい笑顔で自分らしさを大切に働く丸茂亜美さんにお仕事の魅力を伺いました。

丸茂亜美 Ami Marumo

社会福祉法人 みずき福祉会
障害者支援施設 八王子平和の家
支援主任

もともと児童福祉に興味があった私が、いろいろな偶然が重なって「八王子平和の家」で働く事になり、12年になります。
学生時代にボランティアをしていた学童の隣に、たまたま知的障害のある方が過ごすスペースがあり、ボランティアとして障害のある方と出かけたり、お話する機会がありました。
そんな折、バイト先がなくなってしまった事をきっかけに、将来の事も考えて福祉系のバイト先を探していたところ、偶然バイトの募集をしていた平和の家が目に留まりました。今思うと、障害のある方と過ごしたボランティアの経験の中で、「もっとあの時こうしたかった」と心の中でずっと気になっていたのかもしれません。

職員の関わりで利用者が変わる
入職後3~4年目の頃、40代の男性利用者Aさんの担当になりました。Aさんは入所前に精神科病院への入退院を繰り返しており、平和の家入所後も、対人トラブルや衝動的な行動などがある方でした。Aさんから攻撃的な言葉を向けられると、どう返せばいいのかわからず、いつも虚しい言葉のやり取りが空を切るようでした。
私たちは、Aさんに関わりのあるすべての職員を巻き込んで、何度も会議を重ねました。話し合ううちに、「Aさん」という人を深く知り、その言動の背景にあるものをちゃんと知って支えたいと思えるようになると、私自身の支援の考え方が変わっていきました。そして、「Aさんについての情報や想いをみんなで共有して、支えていこう!」と職員が一丸となると、職員一人ひとりのAさんに対する関わり方も自然と変化していきました。
例えば、Aさんが廊下にいる時に話を聞いてみるようにしました。これを数か月…数年…と積み重ねていくと、はじめは「ふざけんな!」と返ってきた言葉が「今時間ある?」「話聞いてもらっていい?」という言葉に変わっていったのです。
Aさんは、徐々にご自身でストレスを上手に発散できるようになり、今では地域で生活しています。
私は、職員の気持ちや関わりで、利用者の生活が変わっていく事を実感するとともに、職員みんなで取組む事の大切さを学びました。

自信につながる仕事と居場所づくり
私は、平和の家の日中活動支援スタッフの主任を務めています。
私は、利用者一人ひとりがやりがいと自信を持って仕事ができるよう支援する事を大切にしています。どうしたらその方が少しでも働きやすくなるかを日々考え、それぞれに合った方法で教えたり、工夫をして、できた時は一緒に喜ぶ。それが私にとってのこの仕事のやりがいです。
そして「これは自分の仕事」、「ここが自分の居場所」と利用者一人ひとりに感じてもらえたら嬉しいです。

やっぱりこの仕事、いいな
6年ほど前、ふと、「私もう無理かもしれない」と思った時、上司が気づいてくれ、話を聞いてくれました。
それから間もなく、私は1年の育児休暇に入り、現場に戻った日―。みんなの笑顔を見たら「やっぱりこの仕事、いいな」って思いました。長期休暇があった事で見えたものもあったのかもしれません。
そんな経験もありつつ、今、私が思う事は、無理せず自分らしく働く事。
この仕事は大変です。でも、がんばった分、返ってくる。関わった分、みんなが返してくれる。また、楽しい時は楽しい、つらい時はつらいと一緒に感情を共有できる、そんな仕事です。
12年間ここで働いてきて、10年前はこうだったな…5年前は…と利用者一人ひとりの変化を感じる事ができたり、いい関係性ができてくると、じゃあこの5年先、10年先はどういう関係になっているんだろう?と想像するとすごくわくわくします。こんな素敵な事、もっともっと感じていたいです。

【資料ガイド】

施策・会議資料
■第5回 社会保障審議会 生活困窮者自立支援及び生活保護部会資料(厚生労働省/7月)
都道府県、町村、社会福祉法人の役割等について。
■介護保険最新情報vol.597〜600(厚生労働省/7月・8月)
■第6回 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料(厚生労働省/7月)
■「認知症施策の抜本強化に向けた提言」・「介護人材確保対策の抜本強化に向けた提言」(全国知事会/7月)
■第144・145回 社会保障審議会 介護給付費分科会資料(厚生労働省/8月)
■全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議資料(厚生労働省/8月)
■地域力強化検討会最終とりまとめ(案)~地域共生社会の実現にむけた新しいステージへ~(厚生労働省/8月)
調査結果
■都内の保育サービスの状況について(福祉保健局/7月)
■『平成28年度 使用者による障害者虐待の状況等』の結果(厚生労働省/7月)
通報・届出のあった事業所数は1,316事業所(前年度比0.7%減)、対象となった障害者数は1,697人(11.9%減)、虐待が認められた事業所数は581事業所(1.7%減)、虐待が認められた障害者数は972人(13.4%減)で、届出件数・認められた件数ともに前年より減少している。
■平成28年度『介護労働実態調査』の結果(介護労働安定センター/8月)
■子ども虐待による死亡事例等での検証結果等について(第13次報告)及び児童相談所での児童虐待相談対応件数(厚生労働省/8月)
平成27年度に心中以外の虐待死事例は48例(52人)、心中によるものは24例(32人)だった。平成28年度の児童相談所での児童虐待対応件数は12万2,578件でこれまでで最多の件数となっている。
■平成28年『雇用動向調査』の結果(厚生労働省/8月)
その他
■子育て世代包括支援センター業務ガイドライン(厚生労働省/8月)
■新しい社会的養育ビジョン(厚生労働省/8月)
3歳未満については概ね5年以内に、それ以外の就学前の子どもについては概ね7年以内に里親委託率75%以上を実現し、学童期以降は概ね10年以内を目途に里親委託率50%以上を実現する(平成27年度末の里親委託率・全年齢:17.5%)。

【アンテナ】

助成金
第26回修学助成金

▶申込締切 11月10日(金)消印有効 ▶助成対象 全国の児童福祉施設に入所している児童及び里親のもとで養育されている児童で、平成30年3月高校卒業後、「大学」「短大」「専門学校」等に入学を希望する者 ▶助成金額 入学金 ▶申込方法 必要書類を郵送して申込 ▶申込・問合せ先 雨宮児童福祉財団 〒102-0076 千代田区五番町12-7ドミール五番町1-061
☎03-5276-2421(月〜金曜日9時〜16時)

講座・シンポジウム

高齢ドライバーについて考える講演会「運転、大丈夫ですか?」

▶日時 9月16日(土)13時〜16時半(12時15分開場) ▶場所 浜離宮朝日ホール 小ホール ▶定員 300名 ▶参加費 1,000円 ▶内容 認知症の全体像を正しく理解し、高齢者の車の運転について専門家と考える講演会、【講師】くさか里樹氏(漫画家)、三村將氏(慶應義塾大学医学部教授)、中村拓司氏(高齢者安全運転支援研究会) ▶申込方法 申込用紙をFAX、又はホームページ、メール、はがきにて申込 ▶申込・問合せ先 朝日新聞厚生文化事業団 〒104-8011 (住所不要)「高齢ドライバー」係
☎03-5540-7446 03-5565-1643
http://www.asahi-welfare.or.jp/
koreidriver@asahi-welfare.or.jp

ソーシャルワークの基本を考える―私たちの基本原理・役割・未来像―

▶申込締切 9月18日(月・祝)必着 ▶日時
9月23日(土・祝)13時半〜17時 ▶場所 文京学院大学本郷キャンパス B館406号教室▶定員 60名 ▶参加対象 JASW会員、社会福祉従事者、研究者、一般希望者、学生、その他関心のある方 ▶参加費 会員:2,000円、一般希望者:3,000円、学生希望者:1,000円 ▶内容 【発言】①「社会福祉原論とSW理論―その整合性と方向性―(仮)」岡本民夫氏(同志社大学名誉教授、JASW会長)、②「SWの発達過程から見た日本のSWの方向性(仮)」北島英治氏(日本社会事業大学特任教授、JASW会員)、③「SW国際定義と日本定義から―その内容と方向性―(仮)」小原眞知子氏(日本社会事業大学教授、日本医療社会福祉協会理事)、コーディネーター:保良昌徳氏(沖縄国際大学教授、JASW副会長)、【質疑応答・ディスカッション】 ▶申込方法 下記ホームページより申込書をダウンロードし、FAXにて申込 ▶申込・問合せ先 日本ソーシャルワーカー協会
☎03-5913-8871 03-5913-8872
http://www.jasw.jp/

知ってトクする暮らしの連続講座~老後を生き抜くための知恵~

▶申込締切 9月22日(金)消印・受信有効 ▶日時 10月4日(水)〜12月5日(火)、各日14時〜16時(10回) ▶場所 東京都多摩消費生活センター 教室Ⅰ・Ⅱ ▶定員 各回100名 ▶参加対象 都内在住、または在勤・在学の方 ▶参加費 無料 ▶内容 ①10月4日:「時代が変わる。社会が変わる。〜私らしく生きるために、エンディングノート!〜」、②10月10日:「高齢期にかけての食生活と健康〜食事と健康食品、サプリメントの関係〜」、③10月17日:「悪質商法、最近の手口〜“ダマされない!”と思っているあなたこそ、危ない!!〜」、④10月23日:「シニアのための生活設計[1]≪攻める≫〜シニアのセカンドキャリア〜」、⑤10月30日:「シニアのための生活設計[2]≪守る≫〜社会保険・年金と税制度の話〜」、⑥11月8日:「生前整理でスッキリ生きる!〜プロから学ぶやさしい生前整理術〜」、⑦11月15日:「遺言書はこう書こう!〜わかりやすい遺言書のポイントと書き方〜」、⑧11月20日:「地域で支える認知症〜新オレンジプランと成年後見人制度〜」、⑨11月30日:「どうする?介護・入院 どうなる?おひとりさまの終の住みか」、⑩12月5日:「葬儀とお墓〜安心して旅立つために〜」 ▶申込方法 FAX、はがき、ホームページにて申込 ▶申込・問合せ先 東京都多摩消費生活センター 〒190-0023立川市柴崎町2-15-19東京都北多摩北部建設事務所3階
☎042-522-5119 042-527-0764
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/manabitai/koza/info.html

医療施設整備・機能強化セミナー

▶日時 10月6日(金)10時〜16時半(予定)▶場所 全社協・灘尾ホール ▶参加対象 医療機関を経営する理事長、院長、事務長など施設経営に携わる方 ▶参加費 8,640円▶内容 「地域医療構想を俯瞰したこれからの病院のポジショニング(仮)」尾形裕也氏(東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)、「医療貸付事業の概要について(仮)」独立行政法人福祉医療機構 福祉医療貸付部、「次期診療・介護報酬同時改定が目指す変革と急性期医療の役割」万代恭嗣氏(独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター院長)、「医療機関間の機能分担と連携〜地域に求められる病院を目指して〜(仮)」金田道弘氏(社会医療法人緑壮会 金田病院理事長)、「経営分析参考指標からみた病院の経営状況(仮)」独立行政法人福祉医療機構 経営サポートセンター リサーチグループ ▶申込方法 下記ホームページより申込書をダウンロードし、FAXにて申込 ▶申込・問合せ先 【申込】名鉄観光サービス(株)新霞が関支店
☎03-3595-1121 03-3595-1119【問合せ】福祉医療機構 経営サポートセンター リサーチグループ セミナーチーム
☎03-3438-9932 03-3438-0371
http://hp.wam.go.jp

自殺予防ソーシャルワーク研修

▶申込締切 10月13日(金) ▶日時 11月18日(土)13時〜17時 ▶場所 全理連ビル9階 C会議室 ▶定員 80名 ▶参加対象自殺ソーシャルワークに関心のある方 ▶参加費 無料 ▶内容 (予定)【講義】「東京都における自殺の実態と自殺対策・自殺予防について」中山佳子氏(東京都福祉保健局保健政策部事業調整担当課長)、「対象者の理解とソーシャルワーク実践及び自殺予防について」小高真美氏(上智大学グリーフケア研究所特別研究員)、【事業説明】「電話相談における希死念慮者への対応事例等報告」松村茂氏(電話相談研究開発委員会委員長)、【演習】「自殺リスクが疑われる人への支援について」粟屋友恵氏 ▶申込方法 下記ホームページから申込書をダウンロードし、FAX、郵便にて申込 ▶申込・問合せ先 東京社会福祉士会 〒170-0005 豊島区南大塚3-43-11福祉財団ビル5階
☎03-5944-8466 03-5944-8467
http://www.tokyo-csw.org/

当事者参画によるカンファレンスを学ぶ~領域を超えて活かす試み~

▶日時 10月28日(土)10時〜16時半 ▶場所 明治学院大学白金キャンパス 2号館2階2302教室 ▶定員 60名 ▶参加対象 原則として、現在社会福祉の諸領域にて、実践活動を行っている方 ▶参加費 3,000円 ▶内容 【基調講演】「当事者主体の実践のあり方とは〜ファミリーグループ・カンファレンスを素材に〜」林浩康氏(日本女子大学教授)、【全体ワークショップ】「サインズ・オブ・セーフティ(SofS)について」鈴木浩之氏(神奈川県中央児童相談所虐待対策支援課長)、【ネットワーク懇談会】 ▶申込方法 必要事項をメール、又はFAXにて申込 ▶申込・問合せ先 明治学院大学社会学部付属研究所
☎03-5421-5204・5205 03-5421-5205
issw@soc.meijigakuin.ac.jp

その他

ロゴス点字図書館チャリティ映画会「祈りのちから」

▶日時 10月12日(木)19時〜21時05分(18時半開場) ▶場所 なかのZERO大ホール▶協力券 2,000円(全席自由) ▶申込・問合せ先 ぶどうの木 ロゴス点字図書館
☎03-5632-4428

【くらし】

三代目「町のお風呂屋さん」が地域のためにできること
経営する銭湯にAEDを備えつけ、救命講習会の開催や災害時に貢献できる浴場施設として取組みをすすめている、前田哲也さんにお話を伺いました。

救命活動を学べる「講習浴場」
祖父が開業した銭湯「大星湯」に生まれ育ち、今は三代目として経営しています。
お風呂と同じく力を入れているのが、銭湯の休業日に開催している救命講習会です。日ごろは「公衆浴場」ですが、この日は「講習浴場」。脱衣所では人形を使った心肺蘇生法の実習、浴場では消火器の使い方や溺れた人を助ける訓練など、銭湯の設備を活かした内容で行っています。平成17年に銭湯で初めてAED(自動体外式除細動器)を導入してからは、その使い方も講習に取入れました。平成10年4月から年4〜5回のペースで実施し、20年目となる平成29年までに、近隣の方など延べ1,800名以上の方が受講されています。

AEDを番台に常設
AEDは番台に常時備えつけ、大星湯の入口や建物の四方に看板を出して、遠くからでも分かるようにしています。使用すれば命を取り留められる可能性が高まるAEDは、タオルのように貸出して良いもの。深夜まで営業している銭湯は、もしもの時に役立てるはずです。今、都内に銭湯は560軒ほどありますが、すべてにAEDが設置されるよう、普及活動にも携わっています。

継続することで理解が広まる
こうした活動を始めたきっかけは、平成7年の阪神・淡路大震災でした。「地域のために何かできることはないか」と考えていたこともあり、応急手当普及員の資格を取って講習会を始めました。
AEDは一般の方でも使える医療機器ですが、当初知らない方が多かったです。英字3字に病名がいくつかあったので、AEDも病気かと思っていた方もいました。それでも、継続して講習会を開くことで、理解してくれる人がだんだん増えていると感じています。何度も足を運び、講習会で交付する救命技能認定証を更新し続けている方や、他県の知り合いを連れてくる方もいます。職場体験に来た中学生にもAEDの使用と心肺蘇生法の訓練を受けてもらいました。

避難者が「頑張ろう」と思える災害時支援をしたい
AED設置や救命講習会は、日常の防災ボランティアの取組みですが、東京での災害時にできることも考え、準備をすすめています。
新宿区という土地柄、帰宅困難者にお風呂を貸すのはもちろんのこと、東日本大震災を受けて着目したのは、女性の更衣室や授乳室として使える一時避難所づくりです。こうした人に配慮した避難所は後回しになりがちですが、衛生的で個別ロッカーもある銭湯は、設備が揃っているので最適です。今は災害に備えてオムツやミルクなどを備蓄しています。備蓄は必需品だけでなく、子どもにはお菓子も準備しています。災害時、せっかく助かったのに避難後の生活が悪くて気落ちしてしまってはいけません。避難してきた人たちが「頑張ろう」と思い、活力を取り戻せる支援をしていきたいです。

町は変わっても「お風呂屋さん」ができる地域貢献を続ける
町の様子は、昔と比べて随分変わったと感じます。今、大星湯の周りはマンションが増えましたが、以前、向かいはかき氷屋さんで、近くには床屋さんやおでん屋さんなどもありました。銭湯は駅前ではなく、住宅が立ち並ぶ町の裏路地にできます。そういう場所には住民の生活にかかわるお店がたくさんあって、銭湯もその一つとして地域の方が集まる場所でした。
町が変わっても、銭湯が地域の中にあることは変わりません。私が生まれる前から来てくれている方もいますし、1歳半になる娘は、こうした人の集まる環境で育ったからか、歩くのがとても早かったです。銭湯の仕事は休みがほとんど取れず、浴場掃除や空き瓶の片づけなど、力仕事で大変です。それでも「『町のお風呂屋さん』にできることは何だろう」という想いを持って、毎日取組んでいます。

前田さんが手にしているのは、備えつけのAED(全国浴場1号店)

店内には過去に取り上げられた講習会の記事や職場体験の様子が掲載されている

【本】

NEW  身寄りのいない高齢者への支援の手引き〔改訂版〕
本書は、前回改訂版(平成20年6月)から更に全面的なリニューアルした書籍です。地域包括支援センター等から収集した困難事例をもとに、新たなQ&Aを盛り込み、専門的でありながらわかりやすく80のQ&Aで解説しています。著・小嶋 正(弁護士)
◆規格 A5判/340頁 ◆発売日 2017.8.29
◆定価 1,944円(税込み)

NEW  保育所における職場体験受入れに関する調査報告書
近年「中学生の職場体験」の機会が増えています。職場体験受入れの更なる充実と受入れの一助となることを期待しています。
◆規格 A4判/72頁 ◆発売日 2017.8.7
◆定価 864円(税込み)

NEW  会計の実務 第1編・第2編・第3編
平成29年4月省令会計基準対応。全国の福祉現場の会計担当者にとっての会計実務の必携の書です。
第1編 経理規程・経理実務
第2編 会計基準の体系と具体的取扱
第3編 運営費運用指導と月次処理
◆規格 A4判/第1編160頁・第2編288頁・第3編256頁 ◆発売日 2017.8.31
◆定価 第1編2,160円(税込み)・第2編3,348円(税込み)・第3編2,592円(税込み)

月刊「福祉広報」

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