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福祉広報 2019年12月 732号 テキストデータ

【表紙】

北海道 江差

「笑え、わらえへばええごとある」
とは江差の繁次郎なるトンチ名人の言葉だ。
江差の海に生きる漁師たちの笑いに
つい引き込まれてしまった。


【もくじ】

社会福祉NOW
特別養護老人ホームにおける
「看取り」の取組み

トピックス
保育園から小学校生活にスムーズにつなげる
葛飾区青戸地区にある保育園の4園交流

【連載】福祉人材の確保・育成・定着に向けた取組み~多様な層へのアプローチ~
広がる外国人材の受入れ(3)
現場の中核を担う外国人職員の活躍
(社会福祉法人奉優会 「港区立特別養護老人ホーム 白金の森」「中央区立特別養護老人ホーム マイホームはるみ」)

福祉のおしごと通信
社会福祉法人原町成年寮 生活介護事業所アンジュ
支援員 池上大輔さん


【社会福祉NOW】

特別養護老人ホームにおける
「看取り」の取組み

東京都の高齢者人口(65歳以上)推計は309万4千人(令和元年9月時点)となり、過去最高を更新しました。高齢化がすすむなか、人生の最終段階を「自宅」「病院」「施設」等のどこで迎えるかということについて社会的にも大きな課題になっています。そのなかで「施設」で最期を迎える方の割合も少しずつ増えてきています。(※1)
施設においてはご本人やご家族の意向を尊重した最期の迎え方を検討したり、看取りについての研修を行ったりするなどの取組みがされています。今号では、特別養護老人ホームでの「看取り」の取組み事例をご紹介します。

特別養護老人ホーム ハピネスあだち
~「お別れ会」を行い、皆でお見送り~
特別養護老人ホーム ハピネスあだちでは、平成19年頃から看取りに取り組んでいます。当時は、看取りがまだ浸透しておらず、地域の方やご家族が相談、情報共有できる場を設けた方が望ましいのではないか、という声が施設内からあがったのをきっかけに取組みを始めました。
取り組み始めた当初「最期までケアするのは難しい」「食事介助に時間がかかってしまう」「食べられないのに無理に食事をさせるのか」といった声が職員から聞かれました。また、職員の間には「最期を迎える場所は病院」という意識があったため、「施設で看取る」ということに不安を感じていた職員も多くいました。ご家族からは「施設での看取りをする場合は、具体的にどういったことをしてもらえるのか」「施設で看取る人と看取らない人の対応はどう違うのか」といった声もありました。これらの声を受けて、まずは職員向けの研修を行い、職員に知識、技術の習得と、施設で看取る意義の理解を求めました。その後、ご家族、地域へと流れを広げていきました。
職員向け研修は年2回受講を義務づけています。テーマは、平成20年に発足した多職種が参加する「ハピネスあだち看取り援助委員会」の中で決めています。ご家族向け勉強会は年3回行っており、参加するご家族はご本人の子ども世代が中心となっています。研修では、実際に施設で身内を看取ったご家族が経験を語ることもあり、職員はもちろんご家族にも反響が大きいと言います。かつては、地域の方向けの講座を開いたこともありました。
施設で看取ることについて、特養部門マネージャーの小比類巻隆さんは「一般的には病院だと多床室で一時的な場所で看取るイメージだが、ハピネスあだちでの看取りは個室であるため、好きな物を持ち込んで、より自宅に近い環境で過ごすことができ、ご家族も気兼ねすることがない。ご本人も他の入居者と友達になっていたり、職員と顔なじみであったりするので、より地域に近く、関係ができているところで過ごせる。ご本人の意思や希望については、ご家族に確認しながら行っている」と話します。
ハピネスあだちでは施設で看取った方の「お別れ会」を行っています。ご本人が亡くなられた後、職員が清拭等のエンゼルケアを施します。簡単な祭壇を用意して、なじみの職員や入居者、ご家族と「お別れ会」を行います。その後「ハピネスあだちでは最期に寂しい思いをされないように、正面玄関から皆でお見送りをしている」と小比類巻さんは語ります。
ハピネスあだちで看取られたいと希望される方は、入居者の約90%にのぼります。ただし「最終的には看取りをしてほしいが、今は考えるにはまだ早い」と思っている人も多いと言います。「看取った方はさまざまいるが、なかにはご本人が疎遠になっていた子どものことを心配し、最期だからとご家族が集まり、仲直りした事例もあった。施設が看取りをするにあたって『そこまでする必要はない』という意見もあるかもしれないが、安心して最期を迎えていただくために、ご本人が抱える心配や不安を解消してあげたい。そういう意味で看取りの取組みをすすめていくことは大切かと思う」と話します。
「丁寧に看取りを行っていくためには人手が必要。どこの施設でも人材不足は深刻で、それが解消すればいろいろなことができるとは思う。やりたくてもできないという思いは職員の中にあるのではないか。課題はあるが、これからもこれまでの流れを受け継ぎ、精度をあげながらご本人をしっかりと看ていきたい」と語ります。

特別養護老人ホーム 南陽園
~医療と連携した看取り~
杉並区にある特別養護老人ホーム 南陽園は同敷地内に病院と3つの特別養護老人ホームのほか、養護老人ホーム、軽費老人ホーム等がある法人です。
看取り介護は平成26年から始まりました。さまざまな施設で看取りが始まっていたことから、職員に対して看取りについての意識調査のアンケートをとりました。当初、職員からは「病院が併設されている以上、ご家族は少しでも長く生き長らえてほしいのは当然に思う」「死と向き合う怖さを感じる」「不安も大きいので研修を行ってほしい」「人の死に目に会いたくない」といったさまざまな意見が出ました。しかし、同時期に看取りを希望されるケースがあったため、「まずはやってみよう」という気持ちから取り組み始めました。同時に研修を実施する必要性を法人として感じていたため、3特養の全職員に6回に分けて研修を行いました。
同じ敷地内に病院があることから、医療との連携による看取りの取組みもすすんでいます。南陽園 サービス部長の丸山寿量さんは「施設での看取りを始めた当初は病院のバックアップ体制も少なく、手探り状態で、特に相談員は医師、ご家族と調整する苦労があった」と振り返ります。
「ただ、ここ2~3年で病院も施設での看取りを理解してくれるようになり、住み慣れたところでの看取りに積極的な医師もいる。病院のバックアップ体制が整ったと感じる」と言います。「医師や看護師も病院での病状説明の際に『施設での看取りという方法もある』と言ってくれている。ご本人やご家族にとっての選択肢を増やしてくれている」と語ります。
一方で「同じ敷地内に病院があることから施設での看取りを希望する人はそれほど多くない。しかし、入院されても職員も見舞いに伺うことができるし、都度医師と相談員が連絡を取っている。亡くなれば施設の職員もお見送りに行く」と話します。また「看取りの意向は入所時に確認しているが、いつでも変えられると伝えている。ご家族や医師と話して病院で看取ることとしたり、退院してから施設で看取ることもあり、柔軟に対応している」と言います。施設で看取る際は、ご本人やご家族の希望を伺ったうえで、多職種でどこまで希望を実現できるか、都度カンファレンスを行いながら実施しています。
「看取りにあたって何をすればいいかわからない、という声はあると思う。ただ、ご本人、ご家族とよく話しながら、思い残すことなく最期を迎えられたと感じる事例もあった。この事例を通して、こういうこともできるんだと職員も納得できた。皆で考えられたことが一番の成果だったと思う。それでも、こういうこともできたのではないか、もっとこうすれば良かったのではないかと毎回振り返る。看取りは、一人ひとり違うため、いろいろな可能性を探りながら取り組んでいる」と語ります。
現在は、施設での看取りが職員にも浸透してきたと言います。施設での看取りについて「最期を迎えるまでのプロセスを大事にしている。自身の意思をはっきり示せない方もいるが、普段からの関わりがいかにしっかりできているかが重要になる。最期を看取るプロセスは、入所した時から続いている。看取りをするから特別なことをするということではなく、施設での生活の中でご本人の楽しみや思いを見つけながらケアをしていく過程で、知り得たご本人の情報を最期につなげていくことが大事だと考えている」と語ります。

(※1)平成29年(2017)人口動態統計より

特養部門マネージャー
小比類巻 隆さん

【ハピネスあだち】
研修の様子

【南陽園】研修の様子


【トピックス】

保育園から小学校生活に
スムーズにつなげる
◆ 葛飾区青戸地区にある保育園の4園交流

令和元年10月31日(木)、葛飾区の青戸平和公園で、葛飾区青戸保育園、社会福祉法人厚生福祉会 青戸福祉保育園・青戸もも保育園・中青戸保育園の4園交流が行われました。この交流は、4園の年長児を対象としています。春からの小学校生活にスムーズにつなげるために「地域の中で、同じ学年の友達がたくさんいることを知る」をねらいとして実施しています。
小学校への入学は、子どもにとっても保護者にとっても大きなイベントです。入学を前にして、嬉しさや期待を抱く一方で、「小1の壁」や「小1プロブレム」といった言葉があるように、環境の変化や勉強、お友だちとの関係など、さまざまな心配事を抱える保護者や子どもも少なくありません。葛飾区青戸保育園 園長の牧輝美さんは「実際に保護者からは『お友だちができなかったらどうしよう』と心配される声が聞かれた。保育園は1クラスしかない園も多く、お友だち同士の繋がりも深いが、みんなが同じ小学校に行くわけではない。さらには、その小学校へ入学する園児が自分一人だけというケースも珍しくない。この4園交流を通して他の保育園の園児と交流することにより、小学校に上がったときに顔を知っている子がいるという安心につなげたい」と話します。
自然と仲良く、笑顔になれる
4園交流の当日は天候にも恵まれ、合計で88人の園児が参加しました。司会進行は持ち回りで、今回は青戸もも保育園が担当しました。始めのあいさつでは「周りを見てごらん。青戸地区には同じ学年の子がたくさんいるね。1人でもお友だちの名前を覚えて帰ろう!」と子どもたちに声がかけられました。
みんなで体操をした後、それぞれの園の子どもがまんべんなく入るように4つのグループに分かれます。グループごとに輪にはなったものの、子どもたちはどこかよそよそしく、同じ園の知っている子同士でくっついています。少し緊張した空気の中、まずグループ内で自己紹介をしました。そして、それぞれのグループ担当の保育者が「〇〇小学校に行く人はいる?」と問いかけると、複数の子どもの手が挙がります。違う園の子が自分と同じ小学校に行くことが分かると、その子を興味深くジッと見ている子や、自然と笑顔になる子も見受けられました。なかには緊張してしまう子もいましたが、周りにいる保育者が個別にフォローします。
その後、「だるまさん」や「なべなべそこぬけ」「ゴロゴロドカン」などのゲームを行っていると、最初は同じ園の子同士でくっついていた子どもたちが、他の園の子とも手をつないだり笑い合ったりするまでになっていきました。子どもたちが一緒に遊び、仲良くなるには時間はそれほどかからなかったようです。最後はみんなで握手をして今回の交流が終わりました。
保護者や他の学年にも伝えていく
4園交流は、平日の通常保育の時間に行われるため保護者は参加していません。葛飾区青戸保育園では、この交流について、日々の子どもの様子を記している園のホワイトボードに書いたり、壁新聞を園の中に張り出したりして、保護者へ伝えています。ただ実施したということだけではなく「お友だちの名前を覚えました」などと子どもの様子を具体的に記載することで、4園交流の意義をよりわかりやすく実感してもらえるように工夫しています。このようにすることにより、年長児の保護者だけではなく、他の学年の保護者にも4園交流について知ってもらうことができます。特に年中児は、次年度に4園交流を控えているため、保護者も関心を持ってホワイトボードや壁新聞を見てくれていると言います。
そして、4園交流を実施することにより、保護者の声も少しずつ変わっていきました。近所を歩いていたら「あの子この前会ったよ!」や、入学式で「あの子知ってる!」と子どもがうれしそうに言ったという保護者の声も聞かれるようになったといいます。牧さんは「子どもの何気ない一言から、4園交流を通して地域の中に新しいお友だちができたことが分かり、入学に際して保護者の不安も軽減されてきているのではないだろうか」と言います。
保育者も新しい発見がある
4園交流の実施にあたっては、年度初めに打ち合わせをし、世話役やいつ何をするかを決めます。子どもたちが理解しやすく、当日現地ですぐにできる体操やゲームなどのプログラムにしているため、事前の準備の負担がさほど大きくならず実施できています。以前は、運動会後の時期に実施したため、各園でやったお遊戯を見せ合ったこともありました。他園での取組みを見ることができ、子どもたちのみならず、保育者にとっても新しい発見があり、お互いによい刺激を受けることができます。
また、年に数回の交流の他にも、それぞれの園同士でも個別にイベントに招待したり、園庭に遊びに行ったりするなどの交流を持っています。
地域で子どもを育てる
この4園交流は10年以上にわたり行われ、公立と私立の垣根を越えて実施していることが特徴です。牧さんは「公立だからとか私立だからとかではない。保育に対しての想いは公立も私立も一緒である。保育園同士がつながることにより、面として地域の保育を支えることができる。特に、葛飾区では『かつしかっ子宣言※』を掲げていて、地域で子どもを育てるという土壌がある。また、小規模の人数の少ない保育園だけではできないような大人数での遊びや活動も、4園であればできるというメリットもある」と話します。
また、葛飾区では平成26年度より幼保小連携教育推進として地域ごとに連携グループが設定され、協議会での情報交換や小学校訪問等が行われています。保育園同士のつながりだけでなく小学校や幼稚園とも連携がすすんできています。
今後について、牧さんは「青戸地区は交通の便がよく通勤に便利であり、子育て世代にも人気がある。そのため、これから小規模の保育園も増えてくると思われる。この4園交流も、地域の実情に合わせて、活動に枝葉ができていくかもしれないが、今後も続けていきたい」と話しました。

※「かつしかっ子宣言」とは、葛飾区において、子どもたちが心豊かに生活を送るための指針となる5項目を示したもの。
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000057/1002474/1018950.html

他の保育園の子とまざって輪になります

一緒に遊ぶ中で自然と笑顔がこぼれます 


【マンスリー】

福祉のできごと
2019.10.26-2019.11.25
※対象期間外のできごとを掲載させていただく場合もあります

11/12
「東京都における就労支援のあり方
について」報告書を公表
東京都は「就労支援のあり方を考える有識者会議」での検討を踏まえ、報告書を取りまとめた。報告書では、就労支援の基本理念を「ソーシャル・インクルージョン」とし、都民、事業者への支援についての一定の方向性を示した。また、「ソーシャルファーム(社会的企業)」等の事例を都の就労支援施策として新たに取り入れること等についても言及した。

10/29
「社会福祉連携推進法人(仮称)」
の創設を検討
厚生労働省は、10月29日、「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」を開催した。そのなかで、社会福祉法人の自主性を確保しつつ、連携を強化できる新たな選択肢の一つとして、社会福祉法人を中核とする非営利連携法人である「社会福祉連携推進法人(仮称)」の創設に向け、具体的なイメージが示された。

11/15
「ハンセン病元患者家族に対する
補償金の支給等に関する法律」成立
「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律」が11月15日に成立し、22日に公布・施行された。対象となるハンセン病元患者家族に補償金を支給する。法の前文には、ハンセン病元患者家族等が偏見と差別の中で長年にわたり多大な苦痛と苦難を強いられてきたにもかかわらずその重大性が認識されず、取組みがなされてこなかったことに対し、悔悟と反省の念を込めて深刻に受け止め、深くおわびする旨が述べられている。

11/15
障害のある方向け
「就労パスポート」作成
厚生労働省は、「精神障害者等の就労パスポート作成に関する検討会」での検討を踏まえ、障害のある方が働く上での自分の特徴や希望する配慮などを整理し、就職や職場定着の促進を図るための情報ツール「就労パスポート」を作成した。

11/19
台風第19号被災地域から
都立学校への生徒等の受入れ
令和元年台風第19号に被災したことに伴い、都内に転居することとなった高等学校(中高一貫教育校を含む)、特別支援学校幼稚部または高等部に進学する生徒等から、都立学校への転籍の希望があった場合、東京都は各都立学校において、令和元年度中の転学を受け入れることとした。


【連載】

連 載No.3

福祉人材の確保・育成・定着に向けた取組み
~多様な層へのアプローチ~

福祉人材の確保・育成・定着に向けたさまざまな取組みの一つとして、福祉施設や事業所では、福祉を学んだ新卒学生だけでなく、未経験者や主婦層、高齢者、外国人など多様な人材に対し、採用や育成・定着のためのさまざまな工夫やアプローチを行っています。多様な背景を持つ人たちが、福祉の仕事に関わるきっかけや働く環境をつくるための取組みや工夫等を取り上げます。

広がる外国人材の受入れ(3)
現場の中核を担う外国人職員の活躍
(社会福祉法人奉優会「港区立特別養護老人ホーム 白金の森」「中央区立特別養護老人ホーム マイホームはるみ」)

能力がある海外の方に仕事や
チャンスを与える目的で受入れ
国の受入れ制度が導入、拡大されてきたことに伴い、外国人を職員として受け入れる介護施設が増加しています。施設が外国人職員を受け入れる理由や期待する効果は「人材不足への対応」だけではありません。
奉優会は、都内を中心に高齢福祉関係の事業等を幅広く展開しています。法人自体が「女性の仕事と社会的地位向上」を目的のもと設立されたこともあり、多様な働き方を認め、理解しあえる環境づくりに向けてさまざまな取組みをすすめてきました。
そして、「能力があっても仕事やチャンスが与えられない海外の女性等にも支援したい」との思いから、平成25年度にEPA※の介護福祉士候補者を、平成30年度には技能実習生※の受入れを開始しました。また、諸外国での高齢化問題や、法人で働く外国人介護職の帰国後の活躍の場の提供を鑑みた事業展開の可能性も視野に入れています。

EPA介護職員の11人が介護福祉士
国家試験に合格し在留資格を取得
奉優会には法人全体で約1千900人の職員が在籍し、そのうち97人が外国人です。出身国別での内訳は、インドネシア73人、ベトナム14人、タイ9人、フィリピン1人です。
このうち現在介護職員として働く方は92人で、受入れ制度別内訳はEPA68人、技能実習が24人です。68人のEPA介護職員の中には、来日後、所定の研修期間や介護施設で働きながらの学習期間(3年以上)を経て、介護福祉士国家試験に合格した職員が11人います。また、EPAで来日し国家資格を取得した看護師も5人います。そうした方々が、すでに現場のリーダーや他の職員から頼られる存在として活躍しています。
奉優会では、法人の管理本部と現場責任者とが一体的に外国人職員の採用から育成、定着までをサポートしています。そのため必ず現地に行って希望者に会い、人柄を重視した採用を行っています。
EPAの方へは、マッチング後、部屋を用意し、家財道具や生活用品、食品等、直ぐに生活できる環境を整えて迎え入れ、各種手続きもサポートします。4月には日本人の新入職員とともに入職式や2週間の導入研修を行い、同期の仲間づくりをすすめます。そして、配属される施設間での共通認識と働きやすい職場環境の整備に努めており、ルールや指導内容等のばらつきが生まれないようにしています。また、定期的に講師を招いた日本語学習を行い、学習面を継続的に支えるほか、病気や結婚、妊娠・出産、その後の暮らし等、外国人職員の生活や人生のさまざまな場面でのサポートもしています。
奉優会の理事で管理本部長の田島香代さんは、全ての外国人職員の採用、育成に関わっています。「彼らはコミュニケーション力が高く気遣いも素晴らしい。わからないことは率直に聞いてくれる。外国人職員がいることで、日本人職員やご利用者への相乗効果は高く、今や彼らなしには施設運営は考えられない」と言います。
同法人の施設の一つである「港区立特別養護老人ホーム 白金の森(以下、「白金の森」)」の副施設長である成田寛一郎さんは「ご利用者もそのご家族も、彼らが常に笑顔で仕事にあたる姿勢を評価してくれている。温かい人柄に加え、EPAの方々は自国で看護師等の資格を取得していることもあり、日本の若者には難しい『待つ』などの高度な介護ができる。サービスへの苦情は一件もない」と言います。また「受入当初の日本人職員は、他国の文化や宗教へのなじみが薄く、制度上のルールも十分浸透していなかったため、多少の戸惑いが見られた。しかし現在では、理解がすすみ互いに補い合い、支え合っている」と話します。
今回は、同法人で働くインドネシア出身のお二人にお話を伺いました。
「介護の仕事はすべて楽しい」
スパデミ ニ プトゥさんは、平成26年度にEPAの7期生として来日しました。法人の受入れ開始2年目に受け入れた職員です。現地で看護大学を卒業し看護師として働いていましたが、給料の高い海外で働きたいと思ったことがきっかけで、インターネットで知った日本のEPAの制度に興味を持ちました。「日本語が全くできなかったので、職場が決まらないかもしれないと思っていた。運良くマッチングされた奉優会で働けてよかった」と言います。
スパデミさんは、白金の森で働きながら日本語と介護の勉強をし、初めて受験した平成29年度の国家試験に合格し、介護福祉士になりました。真面目な性格で、仕事から帰ったら少しでも勉強の時間をとり、休日はほとんど出かけず勉強に充て、試験に臨みました。「初めは職員やご利用者のみなさんの日本語が速すぎて聞き取れず、大変だった。でも一対一で日本語の外部講師をつけてくれたり、勉強用のパソコンを支給してもらったりと、法人にたくさんサポートをしてもらった」と言います。
スパデミさんは現在、白金の森で介護職員の主任として働いています。周りの職員からもご利用者からも慕われる存在です。
介護福祉士国家資格取得により、家族を日本に呼び寄せられるようになったため、同郷の夫と結婚し、夫婦で暮らしています。また現在妊娠中で、今後、産休と育休を取得し、その後は法人が運営する保育園を利用し復帰する予定です。「仕事はすべて楽しい。ご利用者には認知症の方が多いが、私が休むと『いなかったね』と声をかけてくれる。とても優しい方たちで、職員である私のことを『体に気をつけなさい』と逆に気遣ってくれる」と言います。「これからは夫婦で子どもを育てながら楽しく仕事を続けたい」とスパデミさんは話します。
15人をまとめる介護課長として
クルニアティ プトゥ インテンさんは、奉優会の「中央区立特別養護老人ホーム マイホームはるみ(以下、「マイホームはるみ」)」に平成28年度に介護福祉士として入職しました。主任職を経て、今年度から介護2課の介護課長として日本人やインドネシア人等15人をまとめ、働いています。女性の管理職率が高い同法人ですが、クルニアティさんは初めての外国人の管理職でもあります。
クルニアティさんは「自分の祖母やお年寄りが大好きで、母国では看護師として働いていたが、日本で認知症のケアを学びたいと思い、EPAに応募した」と言います。平成22年度のEPA3期生として来日し、関西地方にある別の法人の施設に勤め、3年後の試験に合格し、介護福祉士国家資格を取得しました。
東京の施設へ転職したのは、結婚して日本に呼び寄せる夫のことを考えたからでした。自身が標準語と方言との違いで日本語の習得に苦労した経験から、夫が最初から標準語に触れられ、働き先の選択肢が多く、さまざまな場所へのアクセスがよい、首都圏での転職先を探しました。
奉優会へは、クルニアティさんが、同じ大学の後輩であるスパデミさんとSNSでつながったことがきっかけで、入職しました。
スパデミさんは、勉強の際は励まし、料理をつくってくれるクルニアティさんを「お姉さん」と慕っています。また、田島さんはクルニアティさんを「ご利用者へも職員へも、それぞれの人にあわせたアプローチや配慮ができ、自分の介護観をしっかり持っている。日本人職員の報告書の指導もできるほど日本語も堪能で大変優秀な人材」と評価しています。その能力を買われ、インドネシアでの現地採用説明会に同行したり、法人内で働くインドネシア人職員を集めた介護研修で講師を務めるなど、後輩の育成にも携わっています。
介護の楽しさを現場から発信したい
クルニアティさんは、今後について「課長としての業務をしっかり学んでいきたい」と言います。
また、福祉人材の確保難の状況については「外国人の私たちは日本語を学びながら仕事についているが、言葉の心配がない日本人にもぜひ介護現場で働いてほしい。日本の文化など、日本人に教えてもらわなければわからないこともある。このままでは介護者は外国人ばかりになる可能性もある」「日本人の介護の仕事に対するイメージはよくないようだが、介護の楽しさを伝えるよう、現場からしっかり発信してきたい」と危機感をもって話してくれました。
田島さんは「遠い国から来日し、頑張る彼女たちが高い志や夢を持ちいつまでも活躍できるよう、これからも最大限サポートする」と話します。
現場の中核を担う外国人職員は、今後も増えていくと考えられます。

※各受入れ制度の詳細については、本誌9月号「社会福祉NOW」および10月号、11月号「連載」を参照。

社会福祉法人奉優会で働くお二人
右)中央区立特別養護老人ホーム マイホームはるみ
サービス課(介護2課)課長 クルニアティ プトゥ インテンさん
左)港区立特別養護老人ホーム 白金の森
サービス課(介護2課)主任 スパデミ ニ プトゥさん


【東社協発】

案内

東京都社会福祉大会
を開催します

東京都、東京都共同募金会、東京都社会福祉協議会は、第68回東京都社会福祉大会を開催します。
表彰式において本会は、東京の社会福祉に功績のあった個人・団体711名43団体に対して、東京都社会福祉協議会会長表彰状・感謝状を贈呈します。
本表彰を通して、優れた活動内容を紹介することにより、福祉活動の普及・推進を行うものです。
▽日 時
12月23日(月)14時30分~16時
▽場 所
なかのZERO 小ホール
▽問合せ
東京都社会福祉協議会 総務部
電話 03-3268-7171

福祉大会 平成30年度の様子

東社協 新会員のご紹介
▽東京都高齢者福祉施設協議会
三鷹市立特別養護老人ホーム どんぐり山、永福南社会福祉ガーデン、特別養護老人ホーム ときわぎ世田谷、寿満ホームかみきたざわ、フェローホームズ高松の家、フェローホームズ森の家、特別養護老人ホーム 山河、第2ハトホーム、特別養護老人ホーム さくらテラス青葉町、特別養護老人ホーム 仙川くぬぎ園、高齢者在宅サービスセンター上池袋豊寿園、デイサービスセンターさくらコート青葉町、ほのぼの堀之内、大田区地域包括支援センター西六郷、東京都北区赤羽北地域包括支援センター、八王子市地域包括支援センター石川
▽東京都介護保険居宅事業者連絡会
おあしす上井草、居宅介護事業所 博水の郷、やさしい手 看護小規模多機能 かえりえ用賀、居宅介護支援事業所 多摩川苑、看護小規模多機能 山河、ウェルビーイング21居宅介護支援事業所・訪問介護事業所、ゆーらりー、みどり居宅介護支援事業所、グループホームえごた
▽知的発達障害部会
ルフレいなぎ 児童発達支援事業所、コラボいなぎ いなぎこども発達支援センター、こまえ工房、障がい福祉事業所生活介護事業 ひまわりばたけ、柏の葉
▽保育部会
調布市立東部保育園、わらべ日野市役所東保育園、こっこのもり保育園、葛西大きなおうち保育園、長浦保育園、保育園加賀のこども、千代田せいが保育園、つくしんぼ保育園、しいのき保育園、西巣鴨さくらそう保育園、国立ひまわり保育園、Bambini、よつぎ永福保育園、目黒三田保育園キミトミライト、わらべ東久留米保育園、ステラ千住ふたば保育園、わかたけかなえ保育園、おひさま保育園、杉並の家さくら保育園、六町保育園、ウィズブック保育園中落合、ウィズブック保育園東が丘、ウィズブック保育園高円寺南、渋谷東ちとせ保育園、中野南台ちとせ保育園、篠崎ちとせ保育園、瑞江ちとせ保育園、こころしながわなかのぶ保育園、調布ヶ丘ちとせ保育園、かつしか風の子保育園
▽情報連絡会員
笑プラス、友セカンド、府中市子ども家庭支援センターたっち、ちあふるガーデン、江東きっずクラブ一亀、つみき第6、つみき第7、二葉庵、株式会社プレミア・ケア、みわっこ学童保育クラブ、しまねっ子学童保育室、東栗原学童保育室、千寿学童保育室、一番町さつき寮、ファースト西砂、ウィズブック保育園新瑞橋、ウィズブック保育園栄、南流山ちとせ保育園、アンフィニテビジネスアカデミー関内校、グループホーム むさしのはうす、グループホーム はぎやまはうす、放課後等デイサービス えがお、吉川美南ちとせ保育園、三丁目若葉寮、自立援助ホームわかば、椿ハイツ、品川区立北品川つばさの家、特定非営利活動法人山谷マック、就労支援センター ファンタジア
▽賛助会員
株式会社プレジャー

お詫びと訂正
福祉広報11月号表紙の内容に一部誤りがありました。お詫びの上、訂正させていただきます。
(正)愛媛県 宇和島市吉田町
(誤)愛媛県 吉田市

案内

令和元年度 地域福祉フォーラム 東京力×無限大

東社協では、社会的孤立等、制度の狭間の課題の予防や解決につなげるため、住民同士や関係者がつながるネットワーク活動や小地域福祉活動を推進することを目的に、令和2年3月1日(日)、「令和元年度地域福祉フォーラム 東京力×無限大」を開催します。
区市町村社協部会の中に位置づけられた東京都内区市町村社協職員連絡会の地域福祉フォーラム部会の部会員(都内区市町村社協職員)により、「地域共生社会づくり」を大テーマに企画、準備をすすめています。
当日は、基調講演として、「誰が取り組む?誰もが取り組む?地域共生社会づくり」をテーマに、松端克文さん(武庫川女子大学文学部心理社会福祉学科教授)にお話しいただきます。講演後は、希望に基づき4つの分科会のいずれかにご参加いただきます(希望多数の場合は調整させていただく可能性があります)。
▽日 時 令和2年3月1日(日)
▽時 間 13時~17時
▽会 場 飯田橋レインボービル
▽参加費 500円
▽定 員 200名
▽対 象 地域福祉に関心のある方(地域福祉に関する仕事・活動に関わっている方、学生、一般市民等)。
多くのみなさまのご参加をお待ちしています。

令和元年台風第19号による被害への
東社協における支援活動

10月12日(土)から13日(日)にかけて関東・東北地方を通過した台風第19号により被害を受けた各地域では、被災者の支援のため災害ボランティアセンターが開設されています。東社協、および関東近隣の社会福祉協議会ではネットワークによる応援を行っています。
◆栃木県社協からの要請により、10月24日(木)から12月8日(日)(11月11日から延長)にかけて、佐野市災害ボランティアセンターには東京および群馬、栃木市災害ボランティアセンターには東海ブロックから応援職員派遣(1クールあたり4~6名)を実施しています。
◆福祉資金〔緊急小口資金〕の特例貸付についても、都道府県・指定都市社協に応援職員の派遣要請がありました。本会では、11月10日(日)~11月14日(木)に茨城県社協に対して職員派遣を行いました。
ホームページ
◆その他の情報につきましては、ホームページに随時掲載しております。
東社協ホームページ
https://www.tcsw.tvac.or.jp/saigai/
index.html
東京ボランティア・市民活動センター
https: //www.tvac.or.jp/news/50393


【ゆーすけのつぶやきコーナー】

[東社協の最近の出来事をお伝えします]

岡山県の中学生が東社協に
来てくれたよ!

令和元年10月30日(水)、岡山県立岡山操山中学校の3年生が「東京研修」として東社協に来てくれました。岡山操山中学校では、総合的な学習の時間「未来航路プロジェクト」において、「自分の課題を追求しよう」というテーマのもと各自で課題を設定して追求活動をしているとのことでした。
今回、東社協に来てくれたのは、福祉・医療に関心のある3名の生徒さんです。東社協の仕事や、生徒さんから事前に質問のあった地域包括ケアシステムについてお話ししました。また、具体的にイメージしてもらうためにワークを行い、事例から「この人にどんな支援があったらいいか」ということを生徒さんたちと一緒に考えました。
後日、生徒さんからは、今あるサービスだけではなく、人は「地域のつながりで支えられることもある」という職員の言葉が心に残ったというお手紙をいただきました。

東社協総務部企画担当では、Facebookで東社協のセミナーや研修の報告、出版物、社会福祉法人の取組みなどさまざまな情報を発信しています。ぜひご覧ください。
https://www.facebook.com/soumu.kikaku.
toushakyo/


【福祉のおしごと通信】

第二の人生は、
利用者さんとともに歩んでいきたい

一般企業で25年間勤めた後、障害者施設に転職し4年目を迎える池上さんに、
転職のきっかけや、お仕事の魅力について、お話しいただきました。

池上大輔
Daisuke Ikegami

社会福祉法人原町成年寮
生活介護事業所アンジュ
支援員

●家族の後押しがきっかけで福祉の道へ
社会福祉法人原町成年寮に就職して4年目になります。福祉の仕事に就くまでは、一般企業でアミューズメント施設をトータルプロデュースする仕事をしていました。福祉とは全く関わりのない仕事でしたが、原町成年寮で働いている幼なじみから、施設のイベントにボランティアとして誘われて参加するなど、年に数回関わる機会がありました。
転職を決意したのは50歳という節目を迎えた時に、「心機一転、新しいことに挑戦してみたい」と思ったことがきっかけです。その時に脳裏をよぎったのが、施設のイベントで関わった障害がある利用者さんの笑顔でした。ボランティアへ行くと、利用者さんが笑顔で話しかけてくれ、とても元気をもらえたことを覚えていました。また、イベントはいつ参加してもとても楽しい気持ちで過ごすことができていました。利用者さんとともに、第二の人生を歩んでみたいと思ったのです。
とはいえ、25年間勤めた仕事を辞めるのは簡単ではなく、一歩踏み出す勇気が必要でした。背中を押してくれたのは、家族の「やってみてもいいんじゃない」という一言です。この一言がなければ、福祉の道にすすむことはなかったと思います。生活が大きく変わることを受け入れ、ともに歩んでくれている家族にはとても感謝しています。
●利用者さんとの関わりから学ぶ
就職して1年目はグループホームに配属となりました。ここでは、担当する利用者さんの健康管理や金銭のやりくり、就労時の様子の確認とサポートなど、生活に寄り添った支援を行いました。一人ひとりの人生を深く知る必要があるため、責任とやりがいを感じました。一方で、障害特性や支援方法、関連制度に関する知識がないなかでの支援であったため、利用者さんとの接し方や制度などは日々勉強でした。
今年4月からは、生活介護事業所へ異動になりました。ここでは、軽作業や余暇活動など、日中生活の支援を行っています。利用者さんのなかには、コミュニケーションが苦手な方もいます。はじめは利用者さんの想いを汲み取ることが上手くできなかったのですが、日々接しているうちに、少しずつコミュニケーションが図れるようになってきました。
異動してから印象的だったことは、グループホームに所属していた時に担当していた利用者さんの日中の顔が見られたことです。グループホームでは物静かな利用者さんが、生活介護事業所ではとても明るい表情で過ごしていました。グループホームでは家の顔、生活介護事業所では外の顔があることを、両方の部署を経験して初めて知りました。
利用者さんとの関わりから学ぶことはとても多いです。
●人生経験が活かせる仕事
前職は福祉とは全く異なる仕事でしたが、経験が活かされていると感じることがあります。
一つは、営業時代に培ったプレゼンテーション力です。自ら行ったプレゼンテーションで複数事業所の中から軽作業の委託先に選ばれた時はとても嬉しかったです。また、ビジネス文書の書き方等を職場のスタッフに伝えることもあります。
特に役立っているのは大型自動車免許です。これは父が運送会社を経営していたため取得したものです。現在、外出支援の際にバスの運転手を任されています。
入職当初は「福祉の業界で、知識がない自分ができることはあるのだろうか」と思うことがありました。しかし、一人ひとりの人生に寄り添う仕事だからこそ、自分の人生経験がさまざまな場面で活かせることを知り、改めてやりがいのある仕事だと感じています。
●まだ「5歳」。これからも成長し続けたい
転職を決意してから5年が経ちました。新しいことの連続で、とても刺激的な毎日を送っています。
現在は、より専門的な知識を得るために、社会福祉士の資格取得を検討しています。人生100年時代と言われるこの頃、55歳を迎える私はまだ「5歳」の気持ちです。残りの人生を有意義に過ごし、これからも成長し続けていきたいと思っています。


【アンテナ】

助成金

令和元年度 継続助成
 令和2年1月18日(土)消印有効  中長期的視点において、より多くの障害児・者のQOL向上に寄与する事業 対象団体:事業の拠点住所が、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県にある非営利活動法人等  上限1,000万円(最長3年最大3,000万円)  所定の申請書類に必要事項を記入し、郵送にて応募  (公財)洲崎福祉財団 事務局 〒103-0022 中央区日本橋室町3-2-1 日本橋室町三井タワー15階 
 03-6870-2019
 http://www.swf.or.jp/

第21回 社会貢献基金助成
 令和2年2月末日必着  高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉、環境・文化財保全、調査研究事業、地域つながり事業、冠婚葬祭継承事業などの社会貢献事業 対象団体:一定の条件を満たす非営利組織や大学・研究機関等(研究助成事業は個人資格でも応募可)  上限200万円(研究助成事業は上限100万円)  所定の申請書類に必要事項を記入し、郵送にて応募  (一財)冠婚葬祭文化振興財団〒105-0003 港区西新橋1-18-12 COMS虎ノ門6階
 03-3596-0061
 http://www.ceremony-culture.jp/social/service/fund/content01/

講座・シンポジウム
NCNPてんかん市民公開講座
 令和2年1月18日(土)13時~16時  国立精神・神経医療研究センター 教育研修棟ユニバーサルホール  無料  先着150名(要申込)  「てんかんと日常生活での対応」をテーマに、講演ほか  本講座に関心のある方  はがきまたはメールにて  国立精神・神経医療研究センター病院 中川班事務局 〒187-8551 小平市小川東町4-1-1
 tama-shin@ncnp.go.jp
 https://www.ncnp.go.jp/hospital/news/
2019/605.html

第13回全国校区・
小地域福祉活動サミットINさやま
 令和2年1月25日(土)12時15分~17時15分・26日(日)9時半~12時 ※1日目は18時~交流会  狭山市市民会館ほか  6,000円(両日参加・1日参加とも) ※交流会参加費5,000円  1,000名  「〇〇から始めよう!1,000人の一歩」をテーマに、オープニングセッション、8つの分科会、全体会ほか  小地域福祉活動に興味のある方、仲間とつながりたい方  所定の申請書類に必要事項を記入し、FAXまたは郵送にて[申込先]名鉄観光サービス(株)さいたま支店「第13回全国校区・小地域福祉活動サミットINさやま」係 〒330-0854 埼玉県さいたま市大宮区桜木町4-333-13(OLSビル13階)  048-641-5388  048-641-5287  12月18日(水)  (社福)狭山市社会福祉協議会 実行委員会事務局
 04-2954-0294
 http://www.sayama-shakyou.or.jp/

第31回 こうさい療育セミナー
 令和2年1月31日(金)9時~16時  総合福祉センター弘済学園(神奈川県秦野市)  一般:終日5,000円、午後のみ3,000円、学生:無料  「行動障害への実践的アプローチを中心に、支援現場が直面する様々な課題を考える」をテーマに、講演、分科会ほか  1月24日(金)  ホームページ、FAXまたは郵送にて   (公財)鉄道弘済会 〒257-0006 神奈川県秦野市北矢名1195-3
 0463-77-3222  0463-77-3225
 http://www.kousaikai.or.jp/

春のセミナー
 令和2年2月1日(土)、2日(日)、15日(土)、16日(日)、23日(日)(全11講座を開催) ※いずれも10時15分~16時20分  東京ファッションタウン(TFT)ビル東館 9階研修室  各先着80~250名  各10,000円 ※発達協会会員9,000円  心理検査、吃音や場面緘黙、あそび、愛着障害、チック・トゥレット症、強迫性障害、摂食障害、情動調整の発達等をテーマにしたセミナー   定員になり次第  電話、FAXまたはホームページにて  (公財)発達協会 
 03-3903-3800  03-3903-3836
 http://hattatsu.or.jp/

第13回 福祉レクリエーション
実技セミナー
 Aコース:令和2年2月8日、(土)Bコース:9(日)、Cコース:16(日)、Dコース:23日(日)※いずれも9時半~16時半  A・B・Dコース:港区スポーツセンター、Cコース:国立オリンピック記念青少年総合センター  各コース40名程度  各コース 全日受講4,500円、半日受講3,000円  福祉施設等でのレクリエーション実施における指導方法やアイデアなど  医療介護福祉施設職員、スポーツ推進委員、地域サロン担当、福祉系を学ぶ学生、レクリエーションに興味のある方  各コース 実施日の7日前まで  FAXで申込後、郵便払込用紙にて7日以内に受講料を振込  (一社)東京都レクリエーション協会
 03-6380-4731  03-6380-4732
 https://www.tokyo-rec.or.jp/event/page_304.html

訪問看護フェスティバル
 令和2年2月11日(火・祝)13時~17時 ※開場12時~  東京都庁第一本庁舎 5階大会議場  無料  基調講演「意思決定支援~人生会議」、座談会、相談会ほか  1月14日(火)※往復はがきの場合、当日消印有効  ホームページ、往復はがき、FAXにて ※一時保育サービスあり 要予約  (公社)東京都看護協会「訪問看護フェスティバル」担当 〒160-0023 新宿区西新宿4-2-19
 03-6300-5398  03-6300-0875
 https://www.tna.or.jp

※この他にも東社協ホームページに各種情報を掲載しています  https://www.tcsw.tvac.or.jp/about/keyword/kakushu.html

資料ガイド

施策・会議資料
●令和元年度第1回「いじめ防止対策協議会」議事要旨(文部科学省/9月)
●第2回「今後の人材開発政策の在り方に関する研究会」資料(厚生労働省/10月)
●第3回「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議」資料(厚生労働省/10月)
●「障害児入所施設の在り方に関する検討会」中間報告(厚生労働省/11月)
●第2回「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」配布資料(文部科学省/11月)
●「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」最終とりまとめ(素案)(厚生労働省/11月)

調査結果
●「令和元年夏期 路上生活者概数調査」結果(都福祉保健局/10月)
●インターネット福祉保健モニターアンケート結果「児童虐待」(都福祉保健局/10月)
●医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査(内閣府/11月)
●男女共同参画社会に関する世論調査(内閣府/11月)
●令和元年度「高年齢者の雇用状況」集計結果(厚生労働省/11月)
●令和元年度地域と学校の連携・協働体制の実施・導入状況(文部科学省/11月)
●インターネット都政モニターアンケート「東京と都政に対する関心」調査結果(都生活文化局/11月)

その他
●令和元年度台風第19号等による被災者に対する申告等の期限の延長等について(総務省/10月)
●全国の不育症相談窓口一覧(厚生労働省/11月)
●令和元年度台風第19号災害に係る被災者生活再建支援法の適用について(都災害対策本部/11月)
●「苦情受付・解決状況」平成30年度都道府県運営適正化委員会実績報告(全国社会福祉協議会/11月)
●災害ボランティア募集状況(台風15号、19号、10月25日からの大雨)(全国社会福祉協議会/11月)


【くらし今ひと】

男同士で介護の苦労を
語り合える場が大切だと実感

荒川区男性介護者の会【オヤジの会】の
副会長として中心的な役割を務めている
神達五月雄さんにお話しいただきました。

◆両親の介護をしているときに知った男性介護者の会
平成9年頃、同居している父がうつ病・狭心症を立て続けに発症し、介護が必要な状態になりました。父の介護は、足の悪い母が主に担っていました。私は会社勤めで遠方への出張も多い生活をしていたのですが、母一人で父の世話をするのは負担が大きいため、さまざまな場面で介護の手助けをするよう努めました。その後、父は約3年間の在宅介護を経て、自宅で亡くなりました。
父を看取った直後から母が急速に弱り、これから母の介護が始まるのだと予感しました。今度は私が母を介護しなければならないと思うと、父の時とは違ったプレッシャーを感じました。仕事を変えて、自宅にいる時間を多くとれるようにしました。このような時に、「オヤジの会」を知り、介護をしている男性の方たちの経験を聞きたいと思い、入会しました。
「オヤジの会」は、偶数月に一回の「定例会」と、奇数月に一回の「サロンM」が主な活動です。「定例会」は、学習会やセミナーと懇親会がセットになっています。懇親会では少しだけお酒の力を借りて、愚痴や本音を出し合っています。「サロンM」の日は、地域包括支援センターの方も同席し、テーマを設けずに最近の介護の困りごとや自分のことなど、男同士でなんでも語り合える場にしています。
私が入会してから18年以上が経ちました。会員は高齢の方が多く、この間、参加メンバーの顔触れも大分変わりました。世話役の方たちも代替わりして、いまは私が副会長として活動しています。
◆活動を通して男性介護者の弱みを知る
「オヤジの会」に入って、介護をしている男性が大勢いることを知りました。荒川区内だけでなく、都内・都外からの参加者もいました。参加する男性介護者にはいくつかの共通する弱みがあることもわかってきました。
・家事や日常の買物が苦手
・自分がきちんとやらなくては、と常に完璧を求めて行き詰まる
・地域の中に溶け込めず、愚痴や弱音を吐き出せる息抜きの場を見つけられない、などです。
地域社会と接触する機会を上手につくれずに、心を開いて話し合える相手がいない、そして、家族介護を一人で抱え込んで悩んでいるオヤジの姿が浮かび上がります。私の場合は地域の中にネットワークを持っていたので、孤立や孤独を感じたこともありませんでした。それでも母の介護に疲れて嫌になったり反省したりの繰り返しのなか、苦労を気兼ねなく共有する場を渇望していました。
◆「男性介護者の会」の存在意義を実感
現在は、さまざまな地域で介護者の会が立ち上がって活動をしています。そうした会の参加者のほとんどが女性です。そのような中に男性介護者が入っていっても、素直に自分の弱みを見せることができません。
男性だけの「オヤジの会」に参加する方も、最初はなかなか自分から話しだすことができません。何度か参加しているうちに、他の男性介護者の方たちも自分と同じような悩みを抱えているんだとわかってくると、安心して徐々に自分の話をするようになります。
介護をしていれば失敗することはあります。イライラすることもあります。でも、それを抱え込まずに誰かに話してしまうことができるかどうかはとても大きな違いです。小さな失敗も一人で抱え込めばストレスになりますが、誰かに話せば笑い話になるんですよ。肩の力を抜いて語り合える場がとても大切だと実感しています。

神達五月雄さん


【東社協の本】

NEW
ふくしのしごとがわかる本
2020年版
福祉の仕事と就職活動ガイドの最新版。(1)福祉分野の求人の現状や傾向、(2)高齢・障害・保育・児童・女性・低所得・地域福祉など各分野の職場や職種・仕事内容、(3)福祉関係の主要資格、(4)就職活動の方法、(5)就職や福祉の仕事に関する情報源など、福祉の仕事に興味・関心がある方に最適な一冊です。
◆規格 B5判/114頁 ◆発売日 2019.11.27
◆本体800円+税

母子福祉部会 紀要NO.12(平成30年度)
社会的養護の担い手としての母子生活支援施設の役割と課題
母子の生活と自立を支援する母子生活支援施設では、DV被害者の保護、虐待防止等の支援を積み重ねてきました。その専門性を活かし、施設利用者と地域で暮らす母と子の命を守り、心と生活の安定のために貢献していきます。
◆規格 A4判/118頁 ◆発売日 2019.7.1
◆本体 1,800円+税

専門機関と地域住民の協働による地域づくり
~暴力・虐待を未然に防ぐ実践事例集~
本事例集は、社会福祉施設等と地域住民の協働による暴力・虐待の未然予防の取組みを掲載しています。暴力・虐待を防ぐための5つのポイントと、10の具体的な実践事例を紹介しています。本書が地域の具体的な取組みの参考になることを期待しています。
暴力・虐待を生まない社会づくり検討委員会
◆規格 A4判/68頁 ◆発売日 2015.12.22
◆本体 600円+税


【グループナビ】

荒川区男性介護者の会
【オヤジの会】

介護保険制度がスタートする前の平成6年に設立されました。介護は家族が担うものとされていたなかで、家事に不慣れな荒川区の男性介護者たちが「一度、介護をしている男性だけで集まろう」と荒川区の社協や保健所のMSWの支援を受け誕生しました。
http://www.arakawa-dansei-kaigo.jp

月刊「福祉広報」

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