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福祉広報 2014年8月 668号 テキストデータ

【表1】


社会福祉NOW

東日本大震災から3年を
超えた今


社会福祉法人協議会は南相馬市の
特養「福寿園」へ介護職員を派遣しました。
知的部会は、震災直後から気仙沼市の
法人へ職員派遣等を継続して行いました。
2つの取組みから被災地の要援護者支援の
「今」を考えます。


でたでたデータ
●子どもの預かりマッチングサイト 
 保育者の本人確認が課題


地域の「みまもり」と「居場所づくり」⑤
●社会福祉法人新田保育園


明日の福祉を切り拓く
●NPO法人「BONDプロジェクト」代表
 橘ジュンさん

 

福島県 相馬市
一千有余年の歴史を経て、今なおいきづく
伝統の祭り「相馬野馬追」。最大の見せ場は神旗争奪戦だ。
騎馬武者が一斉にご神旗めがけて集まってくる。

 


【NOW】

東日本大震災から3年を
超えた今

社会福祉法人協議会による
南相馬市の特養、
知的発達障害部会による
気仙沼市の法人への支援


東日本大震災から
3年4か月が経過しようとしています。
介護人材等の確保に苦慮することから、
今なお介護職員の応援を全国に
協力を求めている被災地もあります。
「社会福祉法人協議会」では
本年4月から3か月弱の間、南相馬市の
特養への応援を実施しました。また、
「知的発達障害部会」では、震災直後から
ニーズに応じて支援内容を変えながら
気仙沼市の法人を継続的に支援しています。
本号ではこの2つの取組みから
被災地の要援護者支援の今を考えます。


都内社会福祉法人が
介護職員の応援
福島県南相馬市の特養
「福寿園」へ

東社協「社会福祉法人協議会」では、平成26年4月9日~7月1日に都内の11法人の協力を得て、福島県南相馬市の特別養護老人ホーム「福寿園」に介護職員の応援を実施しました(表)。
これは、介護人材の確保がきわめて厳しい南相馬市等の現状をふまえ、福島県社協が平成24年6月から「福島県相双地域等への介護職員等の応援事業」として全国に協力を求めていることに対して、東京の社会福祉法人として応えたものです。
介護ニーズは増大するが、
供給力が不足

南相馬市では、東日本大震災の前には7万人の人口がありましたが、沿岸から3㎞地点までを襲った甚大な津波被害とともに、東京電力福島第一原発の事故により市内の人口が一時は1万人程度にまで減少しました。平成26年6月現在で依然として1万3千人が市外に避難しています。特に若年層の流出が著しく、震災前は高齢化率が26・0%でしたが、現在は市内居住者に占める高齢者人口の割合は32・6%に跳ね上がっています。
仮設住宅ではサロン活動等に取組んでいますが、長期の避難生活を通じて身体機能の低下、廃用症候群、認知症の進行が進んでいます。こうした介護ニーズが増加する一方で、前述の若年層の流出が介護サービスの供給力に大きな影響を与えています。高齢者介護に関わる市内の居宅系サービスは震災前に51事業所ありましたが、震災後に再開しているのは37事業所です。施設等の居住系サービスも震災前の15施設680床が震災後は11施設482床に減少しています。事業を再開している施設・事業所も職員の確保ができないために定数を減らしたり、新規者を受入れられない事業所が増えています。
震災後、2割減の職員体制で
頑張ってきた

特別養護老人ホーム「福寿園」では、震災前の特養待機者は250人でしたが、現在は490人に増えました。震災から3年4か月。増大する市内の介護ニーズに応えようと頑張ってきた「福寿園」ですが、26年7月からは特養の定員を80人↓75人、ショートステイの定員を20↓15人に下げることにしました。職員の確保が極めて厳しい状況にあるためです。
この「福寿園」を運営する社会福祉法人「南相馬福祉会」は震災前には市内で3つの特養をはじめ、グループホーム、通所介護、居宅介護支援、訪問介護、地域包括支援センターを運営し、法人全体の職員は235人でした。しかしながら、震災後の1年間に退職した職員は104人にのぼり、26年3月末現在の職員数は185人となっています。南相馬福祉会の常務理事の大内敏文さんは「今年の6月末にも5人が退職した。奥さん、子どもが県外に避難して夜勤明けに会いに行く生活をずっと続けて来てくれ、それもとうとう限界に来た職員。子どもと一緒に避難している二本松市から今なお毎日70㎞の山道を通い続けている職員もいる。そんな職員に『ずっと続けてほしい』とは言えない」と、つらい胸中を話します。法人本部事務長の末永千津子さんは「日常生活を取り戻している南相馬市も医療体制が十分に戻っていない点が子どものいる世代にとって不安にならざるを得ない。限られた職員体制ではあるが、さまざまなことを見直しながらなんとかサービスを維持しようと努力している」と話します。
市内の介護ニーズを考えると手をこまねいているわけにはいきません。ハローワークを通じた求人はもちろん、福寿園では2級ヘルパー養成校の指定を受けて高校生を育てながら雇用に結び付けたり(6人を採用)、「職員紹介奨励金支給制度」を設けて採用に結び付けてきました(13人を採用)。また、26年4月からは契約職員の約50人を正職員化し、できるだけ安心して働ける環境を作っていこうとしています。しかし、それだけではニーズに追いつかないので、やはり抜本的な解決策を講じる必要があります。26年5月には地域の10法人で「相馬地方に介護福祉士養成学科をつくる会」を発足させ、長期的な人材確保に向けた取組みを始めています。
県外からの応援職員を得て
過重業務を緩和

「福寿園」では、福島県社協による全国からの介護職員の応援事業を通じて24年度に計36人、25年度に計52人の介護職員の応援を受けました。26年度は前述のように、7月1日までは都内の社会福祉法人から介護職員が2週間を1期として各期2人ずつ応援に入り、7月からは静岡県内の法人が交代で応援に入っています。福寿園は従来型施設を4つのエリアに区切っており、2人の応援の介護職員はエリアにそれぞれ入って業務を応援しています。「入浴」「排泄」「間接業務」を法人の職員がそばにいる環境で手伝っています。
大内さんは「半分は助けてもらい、半分はぜひ何かを持ち帰ってほしいという気持ちで受入れている」と話します。「福寿園」主任介護職員の阿部雅志さんは「応援にきてくださった職員を同じチームの一員と思っている。都市部の施設と異なり、平屋で広く長い構造になっているので、目を届かせなければならない範囲も広くなる。知らない環境で知らない利用者と2週間関わるということは、目と感覚で感じてる専門性が問われること。『情報ありき』ではないケアが求められ、『知ろう』という気持ちで利用者の話も懸命に聴こうとする。2週間という期間は、受け入れる側、応援する側にとって、緊張を持続させるのにちょうどよい期間だと思う」と指摘します。また、阿部さんは「人材確保が厳しい中、我々は未経験者も採用してその職員にきちんと説明してくことが求められている。その意味からも、応援職員に関わる経験は我々にとっても『説明する力をつける』のに大変役に立っている」と話します。
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応援職員は法人と雇用関係があるわけではないので、配置基準上の定数にカウントすることはできません。今後の介護ニーズに対応していく上で介護人材の確保そのものは進めていかなければなりません。東日本大震災から3年以上が経過してなお厳しく限界に近い状況のもとで懸命に頑張り続けている介護職員がいます。「介護ニーズに応えなければならない」という使命で頑張り続けることをそれぞれの法人の努力だけでなく、広く支えていくことが今、求められています。

 

表 東京都内社会福祉法人から特養「福寿園」への介護職員派遣法人一覧

第1期
第2期
第3期
第4期
第5期
第6期

派遣期日(平成26年) 派遣者① 派遣者②


4月9日~4月23日 (福)桜ヶ丘社会事業協会 (福)瑞仁会
4月23日~5月7日 (福)賛育会 (福)常盤会
5月7日~5月21日 (福)瑞仁会 (福)青芳会
5月21日~6月4日 (福)ウエルガーデン (福)一石会
6月4日~6月18日 (福)武蔵野 (福)東京栄和会
6月18日~7月1日 (福)村山苑 (福)泉陽会

福島県相双地域等への介護職員等の応援事業のイメージ


左 :大内敏文さん(福寿園施設長)
中央:末永千津子さん(福寿園副施設長)
右 :阿部雅志さん(福寿園主任介護職員)

特別養護老人ホーム「福寿園」

 

知的発達障害部会の
取組みを通して
宮城県気仙沼の法人へ
継続した支援活動

 

東社協知的発達障害部会(以下、「知的部会」)では、震災直後から宮城県気仙沼市内の障害者施設において復興支援の活動を行ってきました。今年7月に気仙沼を訪問した、同部会の東日本大震災復興支援特別委員会委員長の山本あおひさんは、がれきの撤去で変わっていく被災地の景色とは裏腹に、真の復興はまだまだ遠いと話します。
被災地・気仙沼への職員派遣

知的部会では震災直後の平成23年3月23日に臨時役員会を開き、東京都発達障害支援協会と共に東京合同災害対策本部を立ち上げました。同月28日には会員施設からの職員派遣を開始し、被害状況の把握と支援拠点の確保に取りかかりました。がれきの撤去、特別支援学校への送迎や夏休みの子どもの預かり事業、「気仙沼市障害者生活支援センター」や障害者施設「ケアホームめぐみ」での利用者支援職員研修の実施等、その支援活動は多岐にわたっています。
しかし、ひと口に「支援」と言っても、部会による支援事業は決して平坦なものではありませんでした。東京から来た見ず知らずの派遣職員が、気仙沼の障害者支援施設や利用者の信頼を得るのは容易ではなく、支援の要望がなかなかあがってこなかったのです。山本さんは、「活動の初期に『何もできなかった』と肩を落として帰ってきた派遣職員がいなければ、今に至るまでの継続した支援活動はありえなかった」と断言します。1チームを1週間とした派遣期間で、1年間1日も絶やすことなく、どんなニーズも断らずに地道な活動をつなぎ続けた職員たち。彼らの汗と涙の上に、今の信頼関係があり、支援活動があるのです。
ネットワークの軸になる存在を
育てたい

職員確保に悩む福島県の福寿園と同じく、気仙沼の事業所でも、利用者のニーズに応えるだけの人材を確保できていません。震災によって若年層の人口流出に拍車がかかり、震災後1、2年は職員の採用が滞りました。3年目に入って支援センターでは雇用が進みましたが、NPO法人が運営する「ケアホームめぐみ」ではまだまだ人が足りていません。採用した職員の中には福祉職が未経験の人もおり、現地では人手不足で人材育成を行うゆとりがない中、25年度に新たに採用された職員を育てるための支援も必要となってきました。
そこで知的部会では、3年目に年間を通した職員の派遣を行い、新任職員のOJTや講師派遣によって現地職員の育成を支援しました。この支援事業で育った人材が、未来の気仙沼の福祉を支えていってくれることを、山本さんたちは期待しています。
また、1年間、気仙沼に住んで支援活動を行った東日本大震災復興支援特別委員会委員について、山本さんは「地域の方に『いつもあそこにいる』と思ってもらえたことが良かった」と振り返ります。誰かがネットワークの軸になることで、さまざまな人、施設、制度をつなげ、課題を解決できます。この「軸」を担える人材を気仙沼の地域で育てることも、ひとつの支援のあり方なのです。
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部会では、気仙沼と東京の職員が現地で同じ研修を受けて交流する取組みも行っており、今年度は3回の研修を企画しています。今では双方の職員が、地域支援やお互いの仕事について話す機会も増えました。山本さんは、「今後も東京と気仙沼が強い絆で結ばれ、支援を共有できる日が来ることを願っている」と話します。
震災によってそれまでの地域の仕組みやつながりが壊れ、被災地での障害者支援はニーズの変化、福祉資源の不足等の壁に直面しています。この壁は個々の努力で乗り越えられるものではなく、地域のさまざまな団体、機関、行政などの連携した取組みがすすめられています。


山本さんと気仙沼市障がい者生活支援センター
センター長の青野さん

がれき処理の進む気仙沼市内


表●保育者がサイトに登録する際の確認事項(複数回答)

確認事項

氏名、年齢、性別等
住所
保育の実施場所の住所
(ベビーシッター(保育者)宅で保育を行う場合)
対応可能時間
提供するサービスの内容及び料金
1回に保育可能な人数
保有している資格
保育する子どもに関して契約している保険
ベビーシッター(保育者)が加入する賠償責任保険
提供医療機関の名称、提携内容


確認可能
なサイト









確認方法

証明書等










自己申告









その他








 

 

【データ】


子どもの預かりマッチングサイト
保育者の本人確認が課題

厚労省「認可外保育施設及び
子どもの預かりサービスに関する調査」から


厚生労働省は、平成26年6月30日に「認可外保育施設及び子どもの預かりサービスに関する調査結果」を公表しました。これは、3月に起きたベビーシッターを名乗る男性の自宅から男児が遺体で発見された事件を受け、都道府県等、子どもの預かりサービスを実施する事業者、子どもの預かりサービスのマッチングサイトの管理者を対象に調査を実施したものです。
都道府県、指定都市、中核市の109の自治体に行った実態調査では、届出対象外の認可外保育施設等を把握しているのは、91自治体でした。その内訳は、49自治体(53.8%)が「小規模施設」、6自治体(6.6%)が「ベビーシッター(事業所)」、3自治体(3.3%)が「ベビーシッター(個人)」を把握していました。その他(事業所内保育、院内保育施設等)は64自治体(70.3%)が把握していました。また、独自に認可外保育施設の届出制を導入しているのは東京都と岡山県倉敷市の2自治体のみでした。
ベビーシッター等の子どもの預かりサービスを実施する事業者の実態調査では、回答した44事業者のうち、14事業者(31.8%)が都内にありました。保育者の資格の保有状況では、43事業所のうち、保育士資格を有するものが「25%未満」が17事業者(39.5%)、27事業者(60.5%)は4人に1人は保育士資格を有していました。
子どもの預かりマッチングサイトの実態調査では、5サイトから回答があり、3サイトが都内にありました。登録している利用者が最も多いサイトでは概ね16,000人で、保育者は6,000人が登録していました。保育者が登録するにあたっての確認事項では、すべてのサイトにおいて「氏名、年齢、性別」等を確認していました。しかし、情報の確認方法については、保育者本人に関する情報を証明書等を求めずに「自己申告」としているサイトが多くありました。
子どもの預かりマッチングサイトについては、社会保障審議会児童部会で保育者の本人確認の強化などを検討する予定です。各自治体では、児童福祉施設等において子どもショートステイやトワイライトステイなどの子育て支援サービスを行っています。子どもを預けるニーズを持つ保護者に対して、情報提供を強化することも重要です。

 


【マンスリー】


2014年6月26日~7月25日


子どもの貧困率、
16・3%で
過去最悪

●厚生労働省がまとめた国民生活基礎調査によると、平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」が、2012年に16.3%と過去最悪を更新したことがわかった。政府が策定する「子どもの貧困対策に関する大綱案」では、「貧困の世代間連鎖」を断ち切ることを目標に掲げ、①生活保護世帯の高校進学率、②ひとり親家庭の子どもの進学率と就職率、③児童養護施設の子どもの進学率と就職率など12の指標を設定した。      (7/15)

●DV防止法、51件の保護命令
●最高裁が発表した集計によると、平成26年1月施行の改正DV防止法で新たに対象となった同居する恋人間の暴力の被害申し立てを受け、全国の裁判所が4月末までに51件の保護命令を発令したことがわかった。         (6/28)
●若年層の自殺率は依然と高く
●政府は、2014年版の自殺対策白書を閣議決定した。13年の自殺者数は、前年と比べ575人減の2万7283人で、2年連続3万人未満となった。50代の自殺率は減ったが、若年層の自殺率は改善しなかった。            (6/30)
●精神科の空き病棟を試験的に居住施設へ
●長期入院精神障害者の地域移行を議論している検討会は、精神科の空き病棟を試験的に居住施設へ転換させる最終報告書をまとめた。反対意見を踏まえ、入居期間を限定する等の条件を盛り込んだ。                 (7/1)
●入院中の食事代の自己負担額引き上げ
●厚生労働省は、入院中の食事代にかかる自己負担額を引き上げる方針を固めた。現在の1食あたり260円から460円へ200円上げる案を軸に検討する。医療保険財政の改善が狙い。早ければ来年度中の実施を目指す。         (7/5)
●5歳児の幼児教育、無償化へ
●文部科学省は、幼稚園や保育所に通う5歳児の教育について、2015年度にも所得制限を設けて無償化するための案を固めた。対象は年収360万円未満の世帯を検討中で、その場合は約3百億円が必要になる。           (7/12)
●養護老人ホームが空き家で生活支援
●低所得の住まい確保と生活支援をセットにした「地域善隣事業」を提唱する高齢者住宅財団が全国会議を開いた。養護老人ホーム等が改修した空き家に出向いて生活を支えるモデル事業の構想を紹介した。             (7/14)
●東京都の不明児童数289人
●東京都福祉保健局は、住民基本台帳に記載されている子どもの居住実態調査の結果を公表した。23区の8日時点での不明児童数は289人で、江東区が64名で最多。大半は乳幼児健診を受診していない修学前児童だった。     (7/14)
●老老介護、5割を超える
●厚生労働省がまとめた国民生活基礎調査によると、介護が必要な65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、介護する人も65歳以上である「老老介護」世帯の割合が51.2%で、初めて5割を超えたことがわかった。           (7/15)
●生活保護法の対象に外国人は含まれず
●永住資格を持つ外国人に生活保護法上の受給権があるかどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁は「生活保護法の適用対象は日本国民に限られ、外国人は含まれない」との初判断を示し、受給権を認めた2審の判断を取り消す判決を言い渡した。
     (7/18)
●職場で虐待被害を受けた障害者、393人
●厚生労働省は、職場で虐待を受けた障害者が2013年度、253事業所で393人に上るとする虐待状況のまとめを公表した。経済的虐待345人、心理的虐待47人、身体的虐待27人、性的虐待7人、その他5人だった。         (7/18)

 


【連載】


孤立した子育て親子を保育園が
支える   「子育てサロン新田 ひまわり」の取組み

今回は、
保育園に常設の
子育てサロンを設置し、
子育て中の親子の
「居場所」をつくっている足立区の新田保育園
「子育てサロン新田 ひまわり」をご紹介します。
足立区内に63か所ある子育てサロンのうち、
保育園に設置し、その保育園の職員が担当として
行っているのは「ひまわり」のみです。
保育園の環境と、保育士の専門性を十分に活かし、
子育てに悩む親たちの
"心"の居場所となっています。

新田保育園は昭和22年に青空保育としてスタートし、創立67年を迎えた歴史ある保育園です。子育て支援事業を始めたのは平成17年、子育て広場という名目で、週に1度園内のホール・園庭を使って開催していました。
足立区新田は、隅田川と荒川に挟まれた地域です。環状七号線が近く、以前は工場や倉庫が多くありました。平成17年頃は子どもの数も少なかったため、「保育園を地域に知ってもらい、園児を増やしたい思いから始めた」と、主任保育士の村越さんは振り返ります。その後、新田地域の再開発で大型のマンションが続々と建設され、子育て世帯が増えました。今では新田地区が、足立区の中で一番出生率が高い地域となりました。また、転居してきた子育て世帯が多いため、親族などが近くにおらず、孤立して子育てをしている世帯が多い現状があります。
そして、平成20年に新田保育園は新園舎となりました。それに伴い地域のニーズに応えて、園舎の3階に週5日開所の「子育てサロン新田ひまわり」と、「一時保育室たんぽぽ」を設置しました。

困った時にいつでも頼れる
常設のサロン
週5日開所のサロンには、主に0~3歳の子どもとその母親が、常時おおよそ15組前後が訪れます。「いつでも行ける場所ということに意味がある。子どもたちはこの広い空間でおもいっきり遊んで、そして家でぐっすり寝る。それがお母さんのストレス軽減にもなる」と、村越さんは常設の利点を話します。地域住民同士の関わりが薄くなっている中、困った時にすぐに相談できる場はとても貴重です。
また、サロンには子どもとどのように遊んでいいのかわからない親が多く来ます。保育園で行っている遊びを紹介したり、保育園の行事で参加できるものには積極的に誘ったりしています。保育士が見本となって遊ぶ姿を見せることで、親子ともにだんだん自分から遊べるようになっていきます。また、離乳食の相談に乗ったり、毎月身体計測を行う日を設け、発育相談に乗ったりと、様々な悩みに対応できる体制を整えています。
いつ行っても担当保育士の村本さんがいることが、親子が安心して利用ができ、相談しやすいポイントとなっています。「安心して来てもらうことが継続につながる。そして、また来てくれた時には、前回の話をして、ちゃんと覚えていることを伝えるようにしている」と、村本さんは話します。
このように、同じ職員が対応する必要性を感じ、新田保育園ではサロンに正規職員を1名配置しています。しかし、区から子育て支援事業として出ている補助金だけでは難しいため、園の自助努力で補っています。

保育園だからこそ
できること
以前、周りの子にすぐ手が出てしまう子どもがサロンに来ていました。母親はそれに悩み外に遊びに行くのが嫌になっていました。しかし、それではその子にとって友達との関わりを学ぶ大事な機会が失われてしまいます。村本さんは「子どもなら誰もが通る発達の姿」だということを、この母親だけではなく周りにいる親にもあえて伝えました。みんなで共通認識を持てるようにし、親同士のトラブルを回避できるように対応しました。
また、大人が関わり方の手本を見せる中で、子どもが言葉で気持ちを伝えることができた時に、共に子どもの成長を喜び合ったというケースがありました。同じような悩みを持った親がサロンには多く来ます。それに対して保育士の経験を生かしながら対応できることは、保育園でサロンを行っているからこその利点です。
また、保育士だけではなく、食事の相談に栄養士からの意見を伝えることもあります。年に1回のミニ遠足では給食室と連携し、参加する親子のお弁当を用意します。
在園児との交流も利点の1つです。母親は行事などを通して園児と関わることで、「自分の子も大きくなったらこういう風になる」と、発達の道筋が見えます。また、保育園の5歳児がサロンに来て、優しく思いやりのある姿を見せてくれました。在園児にとっても良い経験となっています。
在園児と交流を行う上で、交流するクラスの担任との連携が重要です。以前、保育園の子どもたちが落ち着いている1~3月頃にクラス担任の保育士に、実際にサロンに入ってもらう機会を設けました。今後もサロンの保育士と、クラス担任の保育士が相互理解をした上で、連携を深めながら在園児との交流を増やしていきたいと考えています。

サロンは園の広告塔
サロンの評判が口コミで広がり、登録者数は年々増加して、現在では年間100組以上の親子が登録しています。保健所から紹介された親子が来るようにもなりました。時には、母親に一時保育を利用してリフレッシュしてもらう提案をしています。また、サロンでつながった親同士でママサークルができたという嬉しい知らせもありました。このように地域での子育て支援を工夫しながら行っていく中で、「サロンに来ていた親子が、保育園に入園してくるケースが年々増えている」と村越さんは嬉しそうに話します。サロンに来て、保育園の行事に参加するなどして、園の雰囲気や良さを体感してもらうことが、一番の宣伝になっているのです。
親子にとっては馴染みのある保育園に入園することで、入園時の不安が軽減され、保育士にとっても自園の良さを知っている安心感があります。また、担任となる保育士がサロンでの子どもの姿を事前に把握できる利点もあります。

子育てサロン新田ひまわりでは、保育士の専門性を活かし、サロンで出会った親子が地域に仲間を作っています。子育てに困った時にはいつでも頼れ、「心」の居場所を求める親子を支えています。これは、孤立して子育てをする親子の居場所づくりとしての役割を担っています。
地域にはさまざまな親子がいて、ニーズもそれぞれ違います。特徴の異なるサロンが地域で役割分担し、厚みをもった支援を行うことが必要です。親子のニーズに合わせて子育てサロンを選べることが、より子育てのしやすい地域を作り上げます。

室内遊びの様子


Ikuyo Murakoshi
村越いくよ(左)
新田保育園 主任保育士

Miho Muramoto
村本美穂(右)
子育てサロン新田 担当保育士


人気の泥水遊び
近くの土手でミニ遠足


社会福祉法人
新田保育園

昭和22年より青空保育としてスタート。
昭和26年12月に東京都の認可。
昭和43年9月3日社会福祉法人の認可取得。
定員91名、職員数39名。

 


【部会】

更生福祉部会

窮迫した多様な人たちを
受入れ、地域社会での
生活サポートを
担っています

更生福祉部会は、更生施設、宿所提供施設、宿泊所、自立支援センター、授産施設の計33施設で構成している部会です。東社協で最も古い部会の一つでもあります。各施設の根拠法は生活保護法や社会福祉法、ホームレス自立支援法と性格を異にしていますが、共通しているのは、低所得者や生活困窮者、高齢者等の生活支援や就労支援等、セーフティネットの最前線の役割を果たしていることです。
利用者の特徴はその時代の社会経済状況を反映して変化してきました。例えば、高度経済成長の時期には日雇い労働者を受け入れ、日中国交回復後は中国帰国者の入所が増加し、また、バブルの時期には住まいを失った高齢者世帯が急増しました。そして近年はDV被害の女性世帯の利用も増加しています。さらにはアルコールや薬物などの依存症者や精神疾患者等、男女、年齢、疾病、障害を問わず様々な方を受け入れています。また、地域における高齢者への授産の提供等、地域生活継続支援にも取り組んでいます。
■時代の要請に応えられる支援をめざして
すこぶる時代状況を反映する性格から、部会では時代のニーズを学習したり、調査研究を行ってきました。職員研修会は毎年実施している大きな活動の一つです。法や制度の変わり目等、福祉環境の変化に応じて講演会やシンポジウム等を開催してきました。また、就労準備性にかかわる職員の意識調査を実施し、その結果を各施設に還元しました。
生活困窮者自立支援法が来年4月から施行され、社会福祉法人の地域貢献事業の実施が喫緊の課題となっています。更生福祉部会は歴史的にも様々な生活困窮者や低所得者の支援を行ってきた実績から、培ったノウハウやスキルを活かし、時代に即した福祉貢献ができるよう今後も研鑽を積んでいきたいと考えています。

〈次回は医療部会です〉


平成25年度研修会の様子

 


【東社協発】

フクシを知ろう!
なんでもセミナーin川村学園


東京都福祉人材センターは、7月5日に「フクシを知ろう!なんでもセミナー」を開催しました。これは、次世代を担う中高生に介護・福祉の仕事の魅力を伝え、興味関心を持ってもらうための事業です。今回は、豊島区にある学校法人川村学園で開催し、選択科目で「福祉」を選択した高校3年生25名が参加しました。
はじめに、東京都福祉人材センターの職員が福祉の仕事について説明しました。福祉の仕事には、高齢者などの身体をケアする仕事、子どもの成長を促す仕事、これからの生活や支援の相談に乗る仕事など、たくさんの種類があります。「どの仕事も誰かの暮らしや人生に寄り添い、支える大事な仕事」と説明しました。
続いて、川村学園の卒業生で、株式会社福ぶくろ 介護のたくみでサービス提供責任者をしている金井友紀さんが仕事に就いたきっかけややりがいを伝えました。金井さんは川村学園を卒業した後、福祉系の大学で介護福祉士と社会福祉士を取得しました。もともと人と話したり接したりすることが好きで、誰かのために働きたいと思っていました。福祉の仕事を目指したきっかけは、小学生の頃の出来事でした。「道を歩いていると、大きな荷物を持っているおばあさんがいました。大変そうだなと思って、荷物を持って家まで運びました。そのおばあさんが『ありがとう』と感謝の言葉をくれて、その時の嬉しかった気持ちが今の仕事につながっている」と金井さんは話します。
金井さんは職場では、高齢者や障害を持つ方が自分ではできない身体の移乗や身の回りの支援をしています。また、サービス提供責任者として、ヘルパーの調整業務も担っています。人生の大先輩であるヘルパーさんに信頼してもらえるよう、自分の知識・経験を増やすよう努力しています。
最後に金井さんは「利用者さんの笑顔をみると幸せな気持ちになるし、この仕事に就いて良かった。今日の話を聞いて、福祉の仕事を知って、仕事を選ぶ参考にしてほしい」とメッセージを伝えました。
終了後に高校生が書いたアンケートには「教科書ではなく、現場の人の生の声を聞けて良かった」「先輩の進路を決めたきっかけや大変だったことを聞けて、将来に向けて頑張ろうと思った」などの前向きな感想がありました。
今後も、東京都福祉人材センターでは、次世代を担う中高生に福祉・介護の魅力を伝える事業を取組んでいきます。

高校生に仕事のやりがいについて話す
サービス提供責任者の金井さん

福島学院大学から
研修を受入れ

7月4日、福島市にキャンパスのある福島学院大学福祉学部福祉心理学科の3、4年生42人が東社協へ研修に訪れました。4年生は東日本大震災の直後に入学した学生です。その翌年には今の3年生が入学しましたが、当時、同大学の福祉心理学科では震災の影響で募集定員が集まりませんでした。これは県内の福祉人材に大きな影響を与える状況です。そうした中、同大学は、厳しい環境にある学生が県外の学習機会を通じて刺激を受けて視野を広げてくれることを期待して今回の研修に送り出しています。
本会からは「東京から見た福島の福祉」「東京の福祉」について講義するとともに、就職活動のポイントを伝えました。当日、参加した学生たちに聞いた「福祉のしごとをめざすきっかけ」には身近な人との関わりや中学時代の体験とともに、「震災を経験して人々の助け合いを感じたから」という声もありました。研修に参加した感想には「学んだことを活かして、福島での支援のあり方を考えていきたい」「東京と福島のつながりを感じた」「福祉のしごとにポジティブなイメージがもてた」などが挙げられました。


養護老人ホーム
パンフレットを作成

養護老人ホームは、生活に困窮している高齢者を支えてきました。2000年に介護保険制度が創設され、在宅介護サービスの充実、高齢者住宅等の普及により、養護老人ホームの利用者は変化しています。現在は、経済的な困窮に加え、精神疾患を持つ方、虐待被害を受けた方、知的・身体障害を合わせ持つ方、触法高齢者等、生活支援が必要な高齢者が入所しています。最近は生活困窮者に対する様々な施策が実施され、相応しい対象者がいても、結び付かないケースもあります。
そのような中、養護老人ホームの役割を広くPRするため、東京都高齢者福祉施設協議会養護分科会は、7月にパンフレットを作成しました。施設入所基準や申込み方法、費用や生活に関するQ&A等を紹介しています。
東京には、身寄りがなく、精神疾患等の課題を抱えている高齢者が数多くいます。養護老人ホームには、施設機能を活かした在宅高齢者の生活支援の取組みも期待されています。

東京都高齢者福祉施設協議会
HPに掲載しています
http://www.tcsw.tvac.or.jp/
bukai/kourei/index.html

 


【資料ガイド】

施策・会議資料
●『第9回日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会 資料』(厚生労働省/6月/URL http://
wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=200455)
●『第5回社会保障審議会企業年金部会 資料』(厚生労働省/6月/URL http://
wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=200661)
●『放課後児童クラブの質の向上のための研修企画検討会(第1回)議事次第・資料』(厚生労働省/7月/URL http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=200777)
●『平成25年度個別労働紛争解決制度施工状況』(厚生労働省/5月/URL http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000047179.html)
●『「孤立死」対策としての見守り活動に係る個人情報の取扱事例集』(消費者庁/5月/URL http://www.caa.go.jp/
planning/kojin/mimamorijirei14_1.pdf)
 「孤立死」対策として情報の共有を図りつつ、地域において日常的に高齢者の安否確認等を行うなどの見守り活動の取組みについて調査を行い、事例集を作成した。
調査結果
●『平成25年度体罰実態把握』(東京都教育委員会/5月/URL http://www.
kyoiku.metro.tokyo.jp/press/2014/pr140522c.htm)
 体罰等の実態を的確に把握するため、都内の全公立学校の教職員、児童・生徒等を対象に、平成25年度に発生した体罰等の実態について調査した。
●『東京都内事業所の帰宅困難者対策実態調査結果について』(東京都/5月/URL http://www.metro.tokyo.jp/
INET/CHOUSA/2014/05/60o5q300.htm)
 都内の事業所を対象に、東京都帰宅困難者対策条例の施行を受けて大規模災害発生時に備えた取組みがどの程度実施されているか実態を把握するためのアンケート調査を実施した。
●『公立学校施設の耐震改修状況調査』(文部科学省/6月/URL http://www.
mext.go.jp/b_menu/houdou/26/06/1348162.htm)
 公立学校施設の校舎等の耐震改修状況及び非構造部材の耐震点検及び耐震対策の状況を調査した。
●『認可外保育施設及び子どもの預かりサービスに関する調査』(厚生労働省/6月/URL http://wwwhaisin.mhlw.go.
jp/mhlw/C/?c=200581)
●『平成25年度高齢者の地域社会への参加に関する意識調査』(内閣府/3月/URL http://www8.cao.go.jp/kourei/
ishiki/h25/sougou/zentai/index.html)
 今後の高齢社会対策の推進に資することを目的に、地域社会への参加に関する高齢者の意識を把握し、前5回の調査と時系列分析を行った。
その他
●『ソーシャルワーカーのための労働相談ハンドブック-ブラック企業被害を救済するために-』(ブラック企業対策プロジェクト/6月/URL http://bktp.
org/news/1009)
 ソーシャルワーカーが、どのように相談者の貧困や健康問題の背景にある労働問題を発見し、適切な労働相談窓口と連携して当事者の問題を解決していくのかを紹介。
●『医療と福祉の連携が見えるBOOK-ニューロングステイを生まないために-』(編集:一般社団法人 支援の三角点設置研究会 発行:社会福祉法人 南高愛隣会/3月/URL http://sankakuten.
sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2014/02/visible-book-ver1.pdf)
 医療と福祉の連携の実践事例の紹介や、「支援の三角点設置研究会」が提案する「改正精神保健福祉法を踏まえた医療と福祉の連携フロー」等を掲載。

 


【明日の福祉】


どんなときでも関わり続ける
橘ジュン

ライター
「VOICES MAGAZINE」編集長
NPO法人「BONDプロジェクト」代表


橘ジュンさんは10代20代の生きづらさを抱える女性に支援を行うNPOの代表です。繁華街に出向いて若い女性たちに声をかけたり、電話や面談の相談をうけながら、居場所を失った女性たちの自立支援や様々な機関につなげて支援をする活動を行っています。


たちばな じゅん

ライター。「VOICES MAGAZINE」編集長。NPO法人「BONDプロジェクト」代表。10代の終わりに知り合いの編集者にすすめられ、アウトロー的な生き方をする10代の少女たちの取材、ビデオ、レポーターやルポ執筆の活動を始める。結婚・出産を経て、フリーマガジンVOICES創刊。少女たちを中心に3,000人以上に声をかけ、聞いて、伝えつづけてきた。2009年NPO法人BONDプロジェクトを設立。渋谷を拠点に「聴く、伝える、繋げる」の活動をさらに広げている。『VOICES ~キミの声を伝える~』(グラフ社)『漂流少女 ~夜の街に居場所を求めて~』(太郎次郎社エディタス)。


街角の若者への取材で
見えてきたこと
私は2005年からフリーペーパー「VOICES MAGAZINE」を発行しています。発行当時は自費出版で、派手な格好で自己主張している、いわゆるアウトローな若者の生の声をありのまま社会へ伝えようと、新宿や渋谷センター街などで取材をしていました。
若者たちに声をかけると、最初は警戒されます。しかし、取材の趣旨を理解してもらえると、見た目のインパクトとは裏腹に彼ら彼女らの中にある表現できない苦しみや生きづらさ、自己肯定感の低さからくる「死にたい」という気持ちを徐々に話してくれるようになりました。特に、援助交際をする10代の女の子たちがなぜ街に彷徨っているかが気になり、声をかけて話を聞いていきました。そこで見えてきたことは、彼女たちは家族から虐待を受けた経験があるなど、家に戻れない事情があり、心身ともに居場所がない状況にあるということでした。
ある日、望まない妊娠をした女の子の話を聞き、友人の婦人相談員につなげて対応してもらうことにしました。しかし、相談の日に彼女はあらわれませんでした。その時、困っていても困っていると言えなく、傷ついている彼女たちの状況を目の当たりにしました。そこで彼女たちの目線にたち、支援できる大人につなげるサポートが必要だと痛感しました。
生きようと思う気持ちを支える
2009年12月に「特定非営利活動法人BONDプロジェクト」を設立しました。10代20代の生きづらさを抱える女の子のための女性による支援です。メールや電話、面談での相談事業を中心に、夜の繁華街パトロールや街頭アンケート、講演会の開催等、様々な形での支援を展開しています。
6月はメールが月1230件、電話が月600件。面談が21件で、45分の相談時間を設けています。それだけでは終わらず、事務所の緊急保護スペースに泊まる相談者もいます。全国各地から相談があります。地域の行政や民間の窓口につなげることもあります。
彼女たちが相談してきてくれることは、「生きたい」という気持ちがあるからだと思っています。せっかく相談にきても、約束した日に姿をあらわしてもらえないことも多いです。しかし、実はどこかで見ているかもしれないし、そういう時こそ私たちの方が試されていると感じます。だから、どんなときでも、相談にきた女の子と本音で関わり続けることがBONDプロジェクトの姿だと思っています。
「あなたの責任」ではなく
今年3月に性暴力被害について、渋谷の繁華街にいる女性、都内・神奈川県内の大学に通う女性、BONDとやりとりのある女性、計369人にアンケート調査を行いました。痴漢や無理やり身体を触られる、避妊に協力してもらえない等の性暴力被害を受けた人もいました。また、「死にたい」「消えたい」等、自殺念慮がある人もいました。インターネットを使った性暴力トラブルの増加や、若年世代の貧困も影響していることが分かりました。このよう状況のなか、追い詰められている若年世代に対し、社会の「あなた自身の責任でしょ」という見方が依然として強いと感じます。
一方で、BONDの活動を通して、長年女性の暴力や母子保護に携わってきた施設関係者や、行政、病院、弁護士や民間団体との連携も生まれています。今年5月から荒川区に新たな相談室を開所し、自殺予防の連絡会に参加して関係機関と連携しています。こうした活動を通して、頼れる大人たちがいることを若い世代に伝えていきたいです。
10代20代は希望がいっぱい
かつて街角で悩みを抱えていた女の子たちが現在、BONDで電話相談員をしています。彼女たちの活躍する姿は、私自身の活動の励みになります。10代、20代は様々な可能性があり、希望がいっぱいです。その希望をつぶさないためにも、BONDの活動を続けていきます。
そして、私自身が60、70歳になっても、彼女たちの背中を押してあげられる面白い人でいることを目指したいと思います。

 


【図書ガイド】

【認知症ケアにおける生活の場で関わるすべての方へ】
▽おすすめを5冊そろえました。公式ホームページでも特集しています。

①ユマニチュード入門/2,160円/「この本には常識しか書かれていません。しかし、常識を徹底させると革命になります。」
②DVDユマニチュード 優しさを伝えるケア技術/4,320円/120分/ユマニチュード。"こちら世界"にもどってくる様子をさして、「魔法のような」とも称されます。
③認知症の介護のために知っておきたい大切なこと/1,620円/「認知症」にとらわれずに「その人」を理解することから始めましょう。
④介護職のための実践!パーソンセンタードケア 認知症ケアの参考書/2,700円/パーソンセンタードケアの理念を、介護現場でどのように反映させ、実践したらよいのかやさしく解説した、待望の実践書。
⑤介護に役立つ!やさしくわかる認知症ケア/2,376円/認知症に関する基本的な知識からケア方法まで詳しく解説しています。


【必携2015 予約受付中】
▽あの「必携」が完全リニューアル。創刊から20年、信頼と実績の書。8月1週目発行決定。

【筒井書房 最新刊情報】
▽知的障害者の自己決定支援/1,944円/支援を受けた意思決定の法制度と実践の書。
▽ボランティア白書2014/4,104円/災害から3年、何をすべきかといったことを見つめ直すための一助として。
▽悩み解消 ケアマネジャーのための成年後見29事例/1,296円/現役ケアマネから聞いた実例をもとに、考え方とかかわり方をわかりやすく解説しています。

 


【アンテナ】

助成金


街かど緑化支援事業

募集締切 第1回:8月29日、第2回:12月19日 助成対象 民間企業・団体が行う事業で、施設を所有管理する法人又は事業主が①公道に面した場所、公開空き地や開放されている区域の緑化であること②平成26年度中に事業が完了すること①、②をすべて満たすこと助成金額 ①一般施設:対象となる緑化工事費の2分の1(上限200万円)②社会福祉施設、病院・医療施設:100万円までは全額。それを越える金額については緑化工事費から100万円を引いた金額の2分の1(上限400万円)③:②に準ずる施設(鉄道施設、郵便局等):対象となる緑化工事費の2分の1(上限400万円) 助成内容 地域において緑化効果が高い民間施設の緑化事業(接道緑化、壁面緑化など)について、工事費の一部を助成 申込方法 来社日時を事前連絡の上、申請書及び必要書類を東京都公園協会まで持参 申込・問合せ先 東京都公園協会公園事業部公益事業推進課緑の基金担当 〒160-0021 新宿区歌舞伎町2-44-1東京都健康プラザ「ハイジア」9F ・03(3232)3099
midorinokikin@tokyo-park.or.jp
http://www.tokyo-park.or.
jp/profile/promotion/town/

ボランティア活動助成

申込締切 9月15日当日消印有効 助成対象 ボランティア活動(学生・若者の活動も含む)を目的とした団体・グループで、特に在宅老人、障がい児・者、児童問題等に対するボランティア活動※申込に際しては、社会福祉協議会若しくは共同募金会の推薦必須 助成金額 上限額30万円(1件一団体あたり)、総額3,500万円 申込方法 下記ホームページより申込用紙をダウンロードし、郵送 申込・問合せ先 大和証券福祉財団 〒104-0031 中央区京橋1-2-1大和八重洲ビル
・03(5555)4640 03(5202)2014
http://www.daiwa-grp.jp/
dsf/

ボランティア活動等に
関する調査研究助成

申込締切 9月15日当日消印有効 応募資格 研究委員会を組織すること 応募課題 ボランティア活動・地域福祉に係る実践的モデル事業開発に関する研究等 助成金額 上限額100万円、総額300万円(3件以内) 申込方法 下記ホームページより申込用紙をダウンロードし、郵送 申込・問合せ先 大和証券福祉財団 〒104-0031 中央区京橋1-2-1大和八重洲ビル
・03(5555)4640 03(5202)2014
http://www.daiwa-grp.jp/
dsf/

SBI子ども希望財団
助成金

申込締切 8月29日必着 助成対象 平成26年5月1日~平成27年4月30日に新設予定のもので、地域小規模児童養護施設、又は分園型の小規模グループケアに対して 助成金額 上限300万円 助成内容新設時に必要な什器(家具・電化製品等)・備品代 申込方法 下記ホームページより申込用紙をダウンロードし、郵送又はメール添付にて送付 申込・問合せ先 SBI子ども希望財団〒106-6019 港区六本木1-6-1泉ガーデンタワー19F
・03(6229)1003
sbichildren@sbigroup.co.jp
http://www.sbigroup.co.jp/zaidan/

講座・シンポジウム

子ども・子育て新法案と
これからの保育・家庭支援

日時 8月30日・31日場所 明治安田こころの健康財団講義室 定員 80名(定員になり次第締切) 参加対象 保育士、幼稚園教諭、臨床心理士、臨床発達心理士、保育幼児教育・臨床心理学・社会福祉学専攻の学生・大学院生、及び子育て支援に関係する方や関心のある方 参加費 1万円
内容 新法案とこれからの保育・子育て支援との関わりをテーマにした講義 申込方法 下記ホームページより申込用紙をダウンロードし、FAX、郵送又はメール添付にて送付 申込・問合せ先 明治安田こころの健康財団 〒171-0033 豊島区高田3-19-10-8F
・03(3986)7021 03(3590)7705
moushikomi@my-kokoro.
jp
http://www.my-kokoro.jp/

DV被害者対応
スキルアップ研修会

日時 8月23日・24日場所 国立青少年総合センター 参加費 14,040円(1日のみ:8,100円) 内容 DV被害者ケースに必要な見立ての枠組みと対応技術を提供。講師によるデモンストレーション、ロールプレイ実習有り 申込方法 電話連絡の上、受講費を事前振込 郵送・問合せ先 メンタルサービスセンター
・03(3993)6147
http://www5e.biglobe.ne.jp/~m-s-c/

支援ボランティア講座

申込締切 8月20日 日時 9月6日・20日 場所 国分寺市内 参加対象 認定NPO法人東京多摩いのちの電話の主旨に賛同し活動を積極的に支援しようとする方 参加費 3,000円 内容 いのちの電話の役割、仲間つくりのワーク、ボランティア体験談など 申込方法 申込用紙に記入の上、郵送又はFAX 申込・問合せ先 東京多摩いのちの電話事務局支援ボランティア講座係 〒185-8961 国分寺郵便局私書箱46号
・042(328)4441 042(328)4440
info@tamainochi.com

リカバリー
全国フォーラム2014

申込締切 8月8日 日時 8月29日・30日 場所 帝京平成大学・池袋キャンパス(本館) 内容 「リカバリー志向サービスへの転換:当事者参加による社会的意思決定」をテーマにした、トークライブ、記念講演、シンポジウム、分科会 申込方法 下記ホームページの申込みサイト、又は申込用紙をFAX又は郵送にて送付 申込・問合せ先 NPO法人コンボリカバリーフォーラム事務局 〒272-0031千葉県市川市平田3-5-1トノックスビル2F
・047(320)3870 047(320)3871
http://comhbo.net

武蔵野市精神障害者
ホームヘルパー現任研修

募集期間 8月29日 日時 10月26日 場所 就労支援センターMEW 定員20名 参加対象 武蔵野市の事業所に所属するホームヘルパーの方、武蔵野市民を対象にしている居宅介護事業所に所属するホームヘルパーの方 受講料 無料(テキストをお持ちでない方は、実費2,808円のみ自己負担) 内容 精神障害者ホームヘルパー現任研修6時間申込方法 下記問合せ先へ連絡し、申込書を受け取る。※申込の際にホームヘルパー2級あるいは介護福祉士等の資格登録証の写しが必要 申込・問合せ先 就労支援センターMEW〒180-0013 武蔵野市西久保1-6-25西川ビル301
・/0422(36)3577

その他

まるわかり!
あんしん介護フェア
2014

日時 9月13日 場所 浴風会コミュニティホール 入場料 無料(橋幸夫氏の講演会のみ参加費500円) 内容①ミニセミナー(介護保険の利用方法等について)②トークイベント(ゲスト:橋幸夫氏「橋幸夫が語る介護・家族・人生観」)③よくふう市場(食料品、物品の販売コーナー)④企業ブース⑤Caf�"オレンジリボンウッド"⑥フリーマーケット 申込方法 橋幸夫氏の講演会のみ下記電話・FAX・ホームページより申込(先着250名) 申込・問合せ先 浴風会ケアスクール
・03(3334)2149 03(3334)2694
http://www.yokufuukai.or.jp/

 


【くらし】

「障害者」じゃなくて、障害を
持っている
だけのことです


脳動静脈奇形により
脳内出血を発症し、リハビリを経て
重症心身障害児施設で働いている
   高野理江さんに
   お話をうかがいました
   現在は、社会福祉士の
   資格取得を目指しています


旅行先の
インドで夫と
ツーショット


絵画展や芸術鑑賞が好き
叔父がグラフィックデザイナーをしていて、何となく将来の仕事にしてみたいなと思っていました。中学生の頃、お母さんと一緒に絵画展や美術展に通ったことも影響していると思います。歌舞伎にも連れて行ってもらいました。
20歳で広告関係の会社に就職が決まりました。働き始めて半年が経ったころ、仕事中に脳動静脈奇形により脳内出血を起こして倒れてしまいました。駆けつけた母親に執刀医は「左脳7㎝の出血で3割は死亡、3割は寝たきり、3割は右半身麻痺、1割がリハビリしたら普通の生活になるかもしれない」と伝えられたそうです。
後遺症で右半身麻痺と、突発的に身体全体が硬直する発作や、痙攣発作が起きるようになりました。また、左脳を出血したので、時間や料金、日付、特に電話番号を口頭で言われると今でも苦手です。スケジュール管理も苦手で、用事が決まったときはすぐに携帯電話にメモを残しています。
3年間程リハビリをして、身体は少しずつ動くようになりましたが、右半身が前の様には動かないので、念願だったグラフィック関係の仕事はできなくなりました。自分自身の目標や希望がなくなり「1日をどう過ごすか」だけの辛い日々を過ごしていました。
●誰かが助けてくれたら
 何でもできる
病院を変えて、今の主治医に出会ったことが私の転換点になりました。今の主治医は、「病気だけど困った時は助けてあげる。好きなことをやってごらん」と言ってくれます。「飛行機に乗れないから旅行ができなくなって残念」と話したら、発作が起きた時の対応をメモにし、「海外に行く時はパスポートにこのメモを挟んでおいてね」と言ってくれました。この一言で私の人生が明るく開けたような気がしました。「誰かが助けてくれれば何でもできる」と思えるようになりました。
そして、通信制大学の入学を検討しました。大学側に「願書や試験を手書きすることが難しい」と伝えると、キーボードで入力して提出できるようにしてくれました。できないことを伝えて助けてもらう体験が、今の自分につながっています。
●障害者は助けなければ
 いけないの?
大学の授業の一環で福祉を学んだ際に、少し違和感を持ちました。「障害者を助けるのは美徳」の意識が高まっています。でも「障害があるからやってあげる」「してあげる」はちょっと違うと思います。「困っていたら助ける」でいいと思います。そんな違和感がきっかけになり、現在は本当に困った時に誰かを助けるため、社会福祉士の資格を取得する福祉系の通信制大学に編入しています。
●心配されすぎると余計に辛い
私の夫は10秒程で落ち着く発作の時は「いつ止むかな」みたいな感じであまり気にしません。付き合った時に病気のことを話したら笑顔で「ふーん」だけでした。それですごく気が楽になりました。周りの人は「大丈夫?」と心配してくれますが、一生付き合っていくことなので心配されすぎると余計に辛いのです。夫はいつも笑顔です。「この先もどんなことがあっても大丈夫に違いない」そんな風に思える夫です。
これからは、今の主治医が私にしてくれたことを、私が他の人にしていきたいです。

 

脳動静脈奇形

 脳の血管が先天的に異常な結合がある状態。動脈と静脈が直接つながり、血管がとぐろを巻いたような塊ができている。血管が破裂すると、脳出血やくも膜下出欠を起こす。10万人に1人と言われる珍しい病気で、難病申請されている。

 


【新刊】

地域包括支援センターが
織りなすネットワーク
ネットワークづくりのためのヒント集2


●地域包括支援センター・在宅介護支援センターが構築するネットワークに焦点をあて、多くのセンターの方々の協力を得てヒアリングを実施してきました。ネットワークの類型化、構築のプロセスとネットワークの未来に焦点を当ててまとめた1冊です。
◆規格 A4判/61頁
◆定価 648円 (税込み)


訪問介護事業所における
サービス提供責任者のための
マニュアルモデル〔改訂第2版〕


●※既刊、好評発売中。
◆規格 B5判/104頁
◆定価 2,160円 (税込み)


災害時要援護者支援ブックレット3
災害時要援護者支援活動事例集

●※既刊、好評発売中。
◆規格 A5判/123頁
◆定価 864円 (税込み)


暴力・虐待を経験した子どもと
女性たち ~暴力・虐待を未然に防ぐ
アプローチに関する調査報告書~

●※既刊、好評発売中。
◆規格 A4判/120頁
◆定価 864円 (税込み)

月刊「福祉広報」

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