【表紙】 高知県 高知市 高知市内を色鮮やかな 踊り子たちが舞い踊る「よさこい祭り」、 街中が祭り一色に包まれる様子は、 まさに土佐のカーニバルだ。 【もくじ】 社会福祉NOW ひきこもり状態にある方や家族を支える ~つながりを地域につくる取組みから~ トピックス “認知症にやさしい”異業種連携シンポジウム 第1回 意思決定支援研究大会 【連載】社会福祉法人の地域ネットワーク(15)日野市 つながることで課題に気づき、つながりを生かして課題に取り組む ~日野市内社会福祉法人ネットワーク~ 福祉のおしごと通信 社会福祉法人 墨田区社会福祉事業団 スマイルホームすみだ 少年指導員 昆直美さん 【社会福祉NOW】 ひきこもり状態にある方や家族を支える ~つながりを地域につくる取組みから~ いま、ひきこもり状態にある方とその家族への支援が社会的にクローズアップされています。内閣府が実施した調査から、広義のひきこもりの方は推計で100万人以上(*)とされており、誰にとっても身近な問題です。ひきこもりのように、生きづらさや孤立を抱える方とその家族の支援には、それぞれの背景を理解し、安心できる居場所や社会的つながりを見出せるような関わりが必要だといわれています。 今回は、東京都と地域での取組みの一例について、ご紹介します。 ~東京都の取組み~ 「東京都ひきこもりサポートネット」事業  厚生労働省では、ひきこもり状態にある方への支援策として、平成21年度に「ひきこもり対策推進事業」を創設しています。平成30年度からは生活困窮者自立支援制度との連携を強化するとともに、訪問支援の充実等を図るなど、より住民に身近な区市町村での支援の強化をめざした施策をすすめています。  東京都は、国の事業に先駆けて、平成16年11月からひきこもりの方への支援の取組みを開始しました。不登校等を理由とする若年層特有の課題と位置づけ、東京都圏域での一次相談窓口「東京都ひきこもりサポートネット」(以下、「サポートネット」)を青少年施策の一環として実施してきました。しかし近年、中高年層にもひきこもりの方が多くいることが広く認識されるようになってきました。本人の高年齢化、問題の長期化に伴い、家族の高齢化もすすみ、いわゆる「8050問題」や「親亡き後」の問題も深刻です。そのため東京都では、中高年層や家族も一体的に支援するよう、従来の青少年施策だけでなく、福祉を中心とした施策の枠組みへと転換することになりました。平成31年4月より、青少年・治安対策本部から、地域福祉活動の推進や生活困窮者自立支援事業等の所管課である福祉保健局生活福祉部地域福祉課にひきこもりの方への支援に関する事業を移管し、実施しています。  サポートネットでは、ひきこもりの本人や家族からの相談を電話、メール、家庭への訪問の3つの形で受けており、電話とメールについては匿名でも相談可としています。精神保健福祉士や臨床心理士、社会福祉士、ファイナンシャルプランナー等の相談員が、相談から丁寧に状況をつかむよう心がけ、適切な支援機関や団体につなげています。訪問相談では、居住地の区市町村で申込みを受け付け、サポートネットが家庭を訪問し、5回を目安に相談に応じています。これまで、訪問相談のみ34歳までの年齢制限を設けていましたが、今年6月より年齢制限を撤廃しています。  サポートネットには、平成30年度に、延べ約2千600件の相談がありました。相談者の割合は本人および親ともに全体の約40%となっています。また、年齢層は20代が最も多く約35%ですが、40代以上も20%弱と中高年層の割合も少なくないことが見受けられます。生活福祉部生活支援担当課長の宮澤一穂さんは、「一概に『ひきこもり』といってもさまざまな状況がある。相談を通じて、なかには障害や病気、虐待などの背景があるとわかる方もいる。また、ひきこもりのご本人だけでなくご家族への支援の必要性が感じられるケースもあり、一人ひとりに応じた対応が求められている」と話します。 東京都での3つの施策の柱と地域への期待  東京都は、「相談事業」に加え、「都民向けシンポジウム」と「若者社会参加応援事業」の3つの柱で施策を展開しています。今年度のシンポジウムは、ひきこもりの早期支援と普及啓発をねらいとして6月に開催され、大きな反響がありました。今後は、若者への支援の充実に加え、中高年層や家族の支援についても施策拡充につなげていきたいと考えています。  また宮澤さんは、身近な地域でのきめ細かい支援の充実に期待します。「相談することに拒否感があったり、ご家族から相談を受けてもご本人との信頼関係を構築するまでに時間がかかる場合がある。こうした場合、広域の支援策では対応が難しいが、地域では、ご本人やご家族に対し必要に応じて慎重に、時間をかけて直接関わることができる」と言います。加えて「一つの機関だけで問題を解決できるケースは少ない。ひきこもりの方への支援に関して、関係機関や地域団体等が連携し、ネットワークをつくっている地域もある。そうした体制があることで、ご本人とご家族を包括的に支援できる可能性が高まる」と話します。  また、住民へは、「悩みを抱えた当事者やご家族が身近にいたら、相談窓口があることを伝えたり、孤立しないようつながりをつくることが大きな助けになる」と早期の発見や支援につながる関わりを期待しています。 ~中野区社会福祉協議会の取組み~ 「福祉何でも相談」で個人を支える  中野区社協では、16年前から、区内15の圏域ごとに「地域担当制」を敷き、担当職員が居場所づくりや地域活動の支援等をしています。活動を重ねるうち、住民から「気になる方」の相談を受けることが増えていきました。「事業や制度だけでは支援できない方や、制度の対象であってもSOSを出せない方がいることから、一人ひとりの状況に応じ、一歩踏み込んだ支援をする必要性を強く感じていた」と、中野区社協事務局次長の秋元健策さんは言います。  そんな折、平成26年度中に中年のひきこもりの方の相談を受け、1年以上に渡り支援しました。これがきっかけとなり、平成27年6月より、いわゆる「制度の狭間」の相談を受け、その方に応じて必要な支援を行う「福祉何でも相談」(以下、「何でも相談」)事業を開始しました。  「何でも相談」には、10~90代まで、幅広い年代の方からの相談があります。ひきこもりに関する相談は、平成27~29年度までの3年間に60件ありました。特に家族や支援者から、40、50代の男性に関する相談が多い状況です。相談員は、地域担当職員とともに自宅を訪問したり、時に適切な機関に同行し手続きを支援したり、人との関わりの中で生活できるよう地域住民につないだりと、一人ひとりに必要な支援を行っています。  「何でも相談」相談員で中野区社協主事の後藤将来さんは「これまで外部につながり先が持てずにいた方たちが、勇気をもって相談してくださる。『まず自分がつながる』という気持ちで受け止めている」と言います。 ひきこもりの方の居場所「カタルーベの会」  中野区社協が平成27年度に実施した民生児童委員等への調査により、区内にひきこもりの方が推計で167人いるとわかりました。そこで、この年の「第2回なかの地域福祉推進フォーラム」において中高年のひきこもりを考える分科会を実施したところ、参加した区民から「当事者が気軽に参加、相談できる居場所をつくりたい」という声が上がりました。  これを機に準備会が発足し、当事者団体の協力を得てひきこもりに関する学習や居場所の見学等を行い、平成29年4月にひきこもりの方の居場所「カタルーベの会」が立ち上がりました。  会は毎月1回開催し、毎回、元当事者も含むスタッフと参加者、10名強が参加しています。会のSNS等を見て他区市や他県からも参加があり、本人や家族が、社会や支援情報等とつながる場となっています。この活動からひきこもりの家族会「中野わの会」も立ち上がりました。  相談員で中野区社協地域活動推進課課長補佐の草野由佳さんは、「区内の新たな社会資源として、運営を継続的に支援するとともに関係機関への周知と連携をすすめたい。また今後はさらに、生きづらさを抱えるひきこもり等の当事者を住民が直接支えるしくみづくりに具体的に取り組みたい」と話しています。 (*)内閣府によると、広義のひきこもりの方の人数は、平成30年度に実施した「生活状況に関する調査」では満40歳から満64歳までが61.3万人、平成27年度に実施した「若者の生活に関する調査」では満15歳から満39歳までが54.1万人、と推計されている。 東京都ひきこもりサポートネットリーフレットより (右から) 中野区社協 事務局次長 秋元健策さん、同 地域活動推進課 福祉何でも相談主事 後藤将来さん、同課課長補佐 草野由佳さん 【トピックス】 ”認知症にやさしい” 異業種連携シンポジウム ◆ 京都府立医科大学・京都府・一般社団法人 日本意思決定支援推進機構  令和元年7月6日(土)、京都市にて、認知症の方を支える業種を超えた企業連携を考えるシンポジウム、高齢者に関する意思決定支援の現状と課題を考える研究大会が開催されました。本号では、その様子をお伝えします。 ”認知症にやさしい”異業種連携シンポジウム  京都学・歴彩館にて、”認知症にやさしい”異業種連携シンポジウムが行われました。  このシンポジウムは認知症になっても本人の意思を尊重し、安心して暮らし続けられる社会の実現のため、高齢者や認知症の方に身近なサービスを提供する企業や京都府、京都府立医科大学などが参画する「”認知症にやさしい”異業種連携協議会」(以下、「協議会」)の設立にあわせて開催されました。 企業は早い段階から認知症の方に出会っている  第1部では、個人、法人向けに自動家計簿やバックオフィス業務のクラウドサービス等を提供している株式会社マネーフォワード取締役執行役員の瀧俊雄さんと京都府立医科大学大学院教授の成本迅さんによるトークセッションが行われました。  初めに、成本教授による認知症の解説、課題提起がありました。成本教授は「認知症になると最初から全てができなくなるわけではない。本人の能力の段階に応じた支援が受けられると良いのではないか」と話します。また「医療・介護分野の支援者は認知症が重度になってから出会うことが多いが、企業の人は日常生活の中で、もっと早い段階で出会っていると思われる。認知症の方は見守られるべき存在と考えがちだが、本人がやりたいと思うことをできるように支援するという意識が大切である。それを踏まえた上で、どう対応するか考える必要がある」と認知症の方に対する今後の企業活動のポイントを指摘しました。  瀧さんは「弊社は『お金を前へ。人生をもっと前へ。』をミッションにしている。しかし、人生の最後の方で経済的虐待が起きてしまうことがあり、これを何とかできないかと考えている」と企業としての課題を語ります。現在、日本ではキャッシュレス化がすすめられており、認知症の方などが取り残されるのではないかという話もあります。しかし、ICTを活用すれば大量の現金を持ち歩くことは減り、電子マネーなどではお金の流れの記録を残すことができるメリットがあるため、認知症の方などでも利用できるようなサービスが模索されています。  報告の後のトークセッションでは、ICTを活用することによる細やかな対応の可能性について、瀧さんは「一部の認知症は早期発見できればある程度の予防ができるため、企業と医療・介護分野が連携し、早期発見のチャンスをつくっていくことが大切ではないか」と指摘しました。   さらなる異業種連携に向けて  第2部では、成本教授、瀧さん、京都市岩倉地域包括支援センター松本惠生さんと、協議会に参画している企業によるパネルディスカッションが行われました。  京都市岩倉地域包括支援センターでは「認知症の方”と”何ができるか」という意識で、地域の企業の人と認知症の方が具体的に出会う場づくりに取り組んでいます。例えば、金融機関やスーパーで働く人と認知症について学ぶワークショップを行ったり、ブライダルスペースや駅を活用した認知症カフェを行ったりするなど、地域の企業と連携しながら取組みをすすめています。  次に、協議会に参画している情報通信、運輸、小売、金融・保険、医療・福祉、警備分野の企業が取り組んでいる認知症の方やその家族、支援者等を対象としたサービスの実践について報告がありました。各企業の報告を受けて、参加者からは「認知症本人や家族の声をサービスの検討段階から入れてほしい」といった意見があげられました。  協議会は、令和元年6月に設立され、検討が始まった段階です。今後、異業種連携による新たな取組みが期待されます。 第1部の様子 第2部の様子 第1回 意思決定支援研究大会 ◆ 一般社団法人 日本意思決定支援推進機構・京都府立医科大学・COLTEM  京都市左京区にある稲盛記念会館にて、第1回 意思決定支援研究大会が行われました。  障害者権利条約の批准などで近年関心が高まっている「意思決定支援」に関して、シンポジウム1では、「高齢者への医療における意思決定支援の現状と課題」、シンポジウム2では「高齢者の経済活動における能力評価と意思決定支援の課題」をテーマに専門家や企業から発表、パネルディスカッションが行われました。 高齢者への医療における意思決定支援の現状と課題  シンポジウムに先立ち、大阪大学大学院准教授の平井啓さんによる「認知症医療における行動経済学的意思決定支援の可能性」をテーマに基調講演が行われました。現在の医療の現場では、治療するか、しないか、どのような治療をするか等を決める際に医療側と患者側で意思のすれ違いが起きることがあります。これは日本の医療制度が「患者が合理的な意思決定ができる存在である」という前提のもとに構築されているためです。しかし、実際には患者はさまざまな感情や経験が影響し、自身が理解できた限定的な情報で物事を判断します。そのため、平井准教授は意思決定の場面では、患者、家族、医療者はお互いがすべてを合理的に理解することは難しいことを認識すること、コミュニケーションのゴールを「患者にとって望ましい意思決定・行動変容」とすることを提案されていました。  シンポジウム1では、「意思決定能力評価の技法と実際~医療同意能力、遺言能力を中心に~」、「Shared Decision makingの高齢者への適用」、「多職種による意思決定の技法 臨床倫理の4分割」というテーマで、研究者から発表が行われました。発表後行われたパネルディスカッションでは、参加者から「成年後見人をつとめているが、医療現場には意思決定支援の考え方がまだ広まっていないと感じる。後見人としては医療従事者と一緒に考え、判断していきたい」、「認知症の方の増加に伴い、認知症の方向けのサービスが増えることが予想される。現在研究されている医療における意思決定支援の考え方を、一般企業が提供するサービスにどうフィードバックできるか」といった意見や質問が出ました。一般企業のサービスへの反映について、平井さんは「個人情報に関する問題を整理したうえで、情報をクラウド化し、蓄積することで、その意思決定が妥当かどうか判断できるようなしくみがあると、企業も安心して認知症の方と契約できるようになるのではないか」と指摘しました。 高齢者の経済活動における能力評価と意思決定支援の課題  シンポジウム2では、「認知症による経済活動への影響」、「高齢者の消費者被害とその対応の実際」、「適合性の原則と金融機関の取り組み」、「ICTを活用した能力評価と意思決定支援の可能性」というテーマで、見守り活動を行う団体やAIを活用したサービスの開発を行う企業の発表が行われました。発表では、発表者の一人である大阪大学大学院助教の大庭輝さんが関わるプロジェクト(Project PPMELT)が、認知症高齢者とその介護者を対象に行った調査結果が紹介されました。調査では、認知症高齢者の預金は介護者がインフォーマルに管理している場合が多く、潜在的な経済的虐待のリスクがあること等が明らかとなったということです。  パネルディスカッションでは、成年後見人をつとめる専門職から「本人の意思決定を考える際、本人と家族の意思や関係をどう考えたらよいか」、「開発を目指す成年後見制度のプラットフォームとはどういうものか」といった質問が出ました。発表者であり、成年後見制度のプラットフォーム開発を目指す株式会社エクサウィザーズの尾川宏豪さんは「成年後見人はどのような支援計画をもっているか、それを実行していけるかどうかが大事。成年後見人就任後も本人に関する情報を把握し、情報を更新していくことも大切だと考えるので、それが効率的にできるようなAIを活用したサービスを考えている」と取組みについて発言がありました。 ●   ●   ●  医療と経済活動の分野での意思決定支援に関するさらなる研究が今後も期待されます。 第1回 意思決定支援研究大会の様子 【連載】 社会福祉法人の地域ネットワーク 連載No.15 平成28年9月に設立した東京都地域公益活動推進協議会は、(1)各法人、(2)地域(区市町村域)の連携、(3)広域(東京都全域)の連携の三層の取組みにより、社会福祉法人の「地域における公益的な取組み(以下、地域公益活動)」を推進しています。東京都地域公益活動推進協議会では、地域ネットワークの立ち上げのための事務費や、複数法人の連携事業開始時期の事業費の助成を行うとともに、地域ネットワーク関係者連絡会等を開催し、他の地域と情報交換できる機会をつくっています。 日野市 つながることで課題に気づき、つながりを生かして課題に取り組む ~日野市内社会福祉法人ネットワーク~ “日野市内社会福祉法人ネットワーク”は、約1年間の準備期間を経て、平成29年2月に設立されました。 それ以前は、一部の分野や課題ごとのネットワークはあったものの、種別を超えたつながりはなく、設立当初はお互いを知るための取組みなどに力を入れました。設立から3年目を迎えた今、その新たなつながりのなかで、新しい取組みやアイデアが生まれています。 協働での取組みから互いを、そして地域を知る  「日野市内社会福祉法人ネットワーク」の設立準備の第一歩は、障害分野の社会福祉法人立施設の現幹事二人が日野市社会福祉協議会(以下、「社協」)に「社会福祉法人のネットワークをつくろう」と声を掛けたことから始まりました。日野市には、一部の施設種別や課題ごとのつながりはありましたが、分野をまたがるものはありませんでした。以降、準備会が結成され、約1年後の平成29年2月、日野市全体の社会福祉法人立の施設・事業所のネットワークが誕生しました。  しかし、いざ取り組むとなると、「公益事業とは何をすればよいのか」という疑問の声があがり、また種別や地域によっても捉えている地域課題に違いがあることがわかりました。このことから、「まずは分野、地域ごとでも取り組みやすいところから取り組んでいこう」という方針ですすめることとしました。  設立1年目は、社協が地域住民等と協働して行う事業「みんなと一緒の運動会(障害者運動会)」、「災害ボランティアセンター立ち上げ訓練」、「日野市民でつくる防災・減災シンポジウム」などに、本ネットワークとして参加しました。社会福祉法人として提供できる力を地域に発信しつつ、各施設・事業所同士、また地域住民・地域団体と各施設・事業所が知り合い、協働する機会を持ちました。これらを通して、参加施設・事業所からは、「地域で暮らす障害のある方も含めさまざまな住民や団体と知り合うことができた」、「施設・事業所の種別を超えた職員のつながりができた」、福祉避難所の協定を市と締結している施設からは、「リアリティをもって地域住民を受け入れる準備を考えるきっかけになった」という声が寄せられました。地域との距離が近づき、また、種別を超えた社会福祉法人のつながりが動き出したのです。  平成30年度は、これまでの取組みに加え「日野市内社会福祉法人活用ガイドブック」の作成と配布を行いました。また、市内を4つの圏域に分けての職員同士の「地区別意見交換会」のほか、社協主催の「福祉のつどい」のなかで、本ネットワークとの共催による地域共生社会を考えるシンポジウム「食が結ぶ子どもの支援」を開催しました。  ガイドブックは、各社会福祉法人の施設・事業所が持つ力を可視化し、地域に活用されることを目的としたものです。(社福)東京緑新会多摩療護園ではガイドブック掲載を機に、機械浴室や特殊車いすの貸出しを開始しました。するとまもなく地域住民の方から相談がありました。同園長の平井寛さんは「潜在的なニーズを感じた」と話します。また、会議室も地域活動などに活用されはじめています。  職員同士の「地区別意見交換会」は、共通の課題である福祉人材の定着・育成を目的に「福祉の魅力」を現場職員が言語化するというテーマで実践しました。参加者の中には「今の仕事で悩みを抱えている」という方がいましたが、その日を境に元気になり、前向きに仕事に取り組めるようになりました。参加した(社福)夢ふうせん工房夢ふうせん施設長の浅野大輔さんは「このような場で自分の仕事を改めて客観的に見つめなおすことの大切さを感じた」と言います。 動き出すと新しい取組みが生まれる  これらの取組みを経て、今、ネットワーク内では新しい取組みやアイデアが生まれてきています。そのうち、実現に向けて動き出した3つを紹介します。 (1)地域の多様な協力による高齢者の買い物の移動支援  地域貢献活動の具体的な取組みについて(社福)友遊の家理事長の神田耕治さんは、他地区の事例を参考に「日中空いているデイサービスの車を活用できないか」と幹事会に提案。神田さんは、南平地区の地域包括支援センターが開催する「高齢者の移動支援」をテーマとした地域ケア会議に参加し、南平地区には地区社協があったことから、地区社協・民生委員・地域包括支援センター等との協議を重ねました。車の発着場所として(社福)つくしんぼ保育園の協力も得られ、結果、隔週土曜日に高齢者の買い物支援に取り組むことになりました。現在、試行期間を終え、本格実施に向けた準備を進めています。 (2)障害者の移動支援を担う人材育成  日野市では現在、障害者の「移動支援」にかかる従事者不足から、障害者がサービスを利用しにくい状況にあります。このことから「人材そのものを育てることも必要」と障害分野の施設・事業所が、連携による学生を中心とした人材の発掘と育成に取り組むことを検討しています。現在、移動支援のための研修プログラムを企画中です。  その取組みの第一歩として、市内にある大学の「地域ニーズ」の授業で、障害者本人が講師となり普段の仕事や生活の様子を伝え、学生に具体的なイメージを持ってもらうことを予定しています。 (3)フードパントリーの拠点  NPO法人フードバンクTAMAが検討を進めている市内のフードパントリー事業(*)において「食の中継地点は多いほうがよい」と、社会福祉法人のネットワークを活用し、複数拠点の設置を検討しています。昨年度開催したシンポジウム「食が結ぶ子どもの支援」での問題意識が、この取組みにつながっています。 地域の活性化がまた施設の活性化に ~双方向のエンパワメントをめざして~  社協会長の奥住日出男さんは「このようなネットワークが種別を超えてできた意味は非常に大きい。社会福祉法人は社会福祉事業で多くの方が気付かないことを先取りして行っている。地域公益事業も市民にとって期待の持てる事業。多くの方に応援してほしい」と言います。  本ネットワークの代表幹事である多摩療護園園長の平井寛さんは、同施設利用者によるクラブ活動の披露の場がネットワークの交流により地域に広がったことで、住民も、利用者も職員も元気づけられたと話します。このことから「地域の活性化は施設の活性化にもつながっていく。地域貢献は同時に社会福祉法人本体の活動にもプラスになる。地域と施設の双方向で、さらにお互いをエンパワメントしていくような関係を目指していきたい」と話します。また、職員には、このような場を通じ「『地域の中にある施設』で働いているという実感を持ってもらいたい」と期待します。 ●   ●   ●  地域の法人同士、また、法人と地域が繋がっていくことで、より地域課題が見えるようになり、新たな取組みにつながっています。日野市内社会福祉法人ネットワークでは、これらをさらに相乗的に発展させ、市全体が豊かな住みやすいまちになっていくことをめざします。 (*)フードパントリー事業:住民の身近な地域に「フードパントリー(食の中継点)」を設置し、生活困窮者に食料を提供すると同時に、生活状況や困りごとについて話を聞き、適切な支援機関等につなぐ。フードバンク等と連携を想定。(設置する区市町村に立ち上げ費用を東京都が補助) 日野市内社会福祉法人ネットワーク幹事会7法人のうちの4法人のみなさん (左から) 日野市社協総務係主査 千野裕子さん 日野市社協総務係課長補佐 山田明生さん 友遊の家 友遊ケアセンター理事長 神田耕治さん 東京緑新会 多摩療護園園長 平井寛さん 日野市社協会長 奥住日出男さん 夢ふうせん 工房夢ふうせん施設長 浅野大輔さん 日野市社協事務局長 松本茂夫さん 日野市社協事務局次長 木村真理さん シンポジウム「食が結ぶ子どもの支援」の様子 日野市の福祉の担い手たち。「福祉の仕事の魅力」を考えました 地域の多様な協力による高齢者の買い物支援の様子 以下のページでダウンロードできます。 https://www.hinosuke.org/modules/topics/index.php?content_id=379 【東社協発】 提言 「地域福祉推進に関する提言2019」を発行しました  地域共生社会の実現に向け、地域生活課題を解決するための包括的な支援体制づくりがすすめられています。また、社会福祉法人には「地域における公益的な取組み」を実施することも求められています。  少子高齢化が急速に進行し、コミュニティのあり方が大きく変容する中で、既存の制度、システムだけでは地域の課題に対応することが困難となっています。また、福祉人材の確保や財政環境はより厳しさを増してきています。  東社協「地域福祉推進委員会」では、このような視点をふまえて検討を行い、このたび、これらの地域福祉推進のために重点的に取り組むべき事項を「地域福祉推進に関する提言2019」としてまとめ、事業者が取り組むべき事項や施策提言として、整理を行いました。  今後は、関係者の皆さまのご意見をいただきながら、提言活動の充実を図ってまいります。 ▽内容 ●第1部 委員会からの提言  【提言(1)】東京らしい”地域共生社会づくり”のあり方について(最終まとめ)  【提言(2)】福祉人材の確保・定着・育成に関する提言  【提言(3)】福祉施設における災害時の利用者と地域の高齢者・障害者・子どもたちへの支援の構築  ~「災害に強い福祉」の推進~  【提言(4)】「地域と家庭裁判所の連携による成年後見制度の新たな選任・利用支援のしくみ」の推進について ●第2部 部会・連絡会からの提言  【主な提言~抜粋】  *困難な問題を抱える利用者への支援  *障害のある方たちの地域での住まいの場の確保  *オリンピック・パラリンピックに対する取組み など ※「提言2019」の詳細はこちら  https://www.tcsw.tvac.or.jp/chosa/teigen/ 報告 地域福祉計画・地域福祉活動計画に関する情報交換会 開催報告  東社協地域福祉部地域福祉担当では、令和元年7月2日(火)に「地域福祉計画・地域福祉活動計画に関する情報交換会」を開催しました。  地域共生社会づくりをすすめ、地域生活課題に対応していくためには、自治体が策定する「地域福祉計画」と、社協が事務局となり、住民や関係者が主体的に策定する「地域福祉活動計画」の連携・協働が重要です。そのため、今回の情報交換会では、区市町村の自治体職員と社協職員双方に参加を呼びかけ、オブザーバーも含めて118人の参加がありました。  都内では、平成30年3月に都において「東京都地域福祉支援計画」が策定されました。さらに、同年4月の社会福祉法改正で地域福祉計画の策定が努力義務化されたこと等を受け、各自治体でも、他の分野別計画の上位計画としての地域福祉計画策定がすすんでいます。各社協では平成のはじめ頃から地域福祉活動計画を策定、推進してきましたが、ますますその重要性が高まっています。  情報交換会は、ルーテル学院大学名誉教授 和田敏明さんの進行のもと、豊島区、調布市、西東京市の3区市の自治体と社協職員から各1人、計6人の報告者から、それぞれの立場で、自地域の地域福祉計画、地域福祉活動計画の策定と推進の状況や工夫、両計画の連携等について報告がありました。その後、住民や関係者の声を反映する工夫等について、グループごとに意見交換を行いました。参加者からは「自地域の取組みを客観的に見られるよい機会となった」等の感想がありました。  和田さんからは、「地域共生社会づくりが政策的な観点から本格的に動き始めている。報告の3区市の計画では、地域生活課題に対応する地域福祉コーディネーター等が配置され、区市全域や住民に身近な圏域で、関係機関が連携していくことなどが位置づけられていたのは重要な点である。計画の策定を通じ、それぞれの地域にあった、関係者同士の力の合わせ方を見つけてほしい」とまとめがありました。 情報交換会当日の様子 案内 事業者支援コーディネーターの派遣を希望する事業者を募集します!  東京都福祉人材センターでは、今年度も、小規模の福祉事業所に専門家を派遣する事業を実施します。  福祉職場で組織・人材・労務環境の問題解決に実績のある専門家が、事業所を訪問し、人材の確保・育成・定着に関する課題を整理し、働きやすい職場づくりをお手伝いします。  『人材の確保が難しい』『もっと効果的な育成をしたい』『離職防止の対策を立てたい』『職員ニーズをふまえた働き方を実現したい』といった課題に、専門家と一緒に取り組んでみませんか?  『自分たちだけでは、何から手をつければよいのか分からない…』といった悩みもともに考え、解決に導きます。ぜひ積極的にお申し込みください。 ▼対象 原則として社会福祉法第2条に規定する社会福祉事業を実施し、おおむね常時業務に従事する職員の数が20名以下の事業所で、過去に本事業による支援を受けていない都内に所在する事業所 ※都内の法人でおおむね常時業務に従事する職員の数が20名以下の場合は、法人単位で支援を受けることもできます。 ▼募集事業所数 35法人・事業所 ▼応募締切日 8月30日(金) ※応募数が締切日に予定数を超えた場合は抽選 ▼訪問回数 一回あたりの訪問時間は2~3時間程度、同一事業所の訪問は原則6回 ▼費用 無料 ▼問合せ先 東京都福祉人材センター事業者支援プロジェクト事務局  (受託運営:エイデル研究所) TEL:0120-404-641 E-mail:tokyo-fukushi@eidell.co.jp ホームペーシ:http://www.eidell.co.jp/tokyo-fukushi 【マンスリー】 福祉のできごと 2019.6.26-2019.7.25 ※対象期間外のできごとを掲載させていただく場合もあります 6/28 社会福祉士・精神保健福祉士養成課程における新たなカリキュラム 令和3年度より順次導入を想定 厚生労働省は、地域共生社会の実現に向けた社会状況の変化や法制度の創設等をふまえ、社会福祉士は、ソーシャルワーク機能を発揮できる実践能力の習得、精神保健福祉士は取り巻く状況に的確に対応できる人材の育成を目的に、養成課程のカリキュラムや実習内容、実習施設の範囲の見直しを行った。令和3年度より順次導入を想定している。 6/21 「高齢者よろず相談『万引きなどの犯罪行為』に関する相談」窓口を7月1日(月)に開設 東京都は、万引きなどの犯罪をしてしまう高齢者本人やその家族などを対象にした電話相談窓口を開設した。社会福祉士や精神保健福祉士が電話により相談に対応し、内容に応じて専門相談機関の協力を得ながら的確かつ必要な支援につなげることをめざしている。受付は12月27日(金)まで。相談電話番号 03-6907-0511(土日・祝日除く) 7/16 令和元年度版自殺対策白書公表「自殺者数9年連続減少」 厚生労働省が公表した令和元年度版自殺対策白書によると、自殺者数は9年連続減少し、平成30年度は昭和56年以来37年ぶりに2万千人を下回る2万840人だった。しかし、15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは先進国では日本のみで、国際的にみても深刻な状況となっている。 7/17 「東京ジョブコーチ利用相談窓口」を開設 東京都は、企業や障害者、支援者等から相談を受ける「東京ジョブコーチ利用相談窓口」を開設した。ジョブコーチの活用を促進することにより、障害者雇用を推進する。東京ジョブコーチ支援センターで来所相談と電話相談を受ける。電話番号 03-3378-7057(土日・祝日・年末年始を除く) 7/17 「外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト」作成 厚生労働省と観光庁は、増加する日本を訪れる旅行者や、在留外国人に医療が必要となる場合に備え、「外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト」を作成した。訪日外国人向けには医療機関リストをもとに多言語化(英・繁・簡・韓)を行い、日本政府観光局(JNTO)ホームページにて公開する予定である。 8/1 児童虐待を防止するためのLINE相談を通年開設 東京都は、昨年11月に期間限定で試行実施した、児童虐待を防止するためのLINE相談について、8月1日(木)から通年での本格実施を開始した。アカウント名は「子ゴコロ・親ゴコロ相談@東京」である。 【福祉のおしごと通信】 入所者の一つひとつの成功体験が自分の仕事へのモチベーションに 介護の仕事に憧れて、福祉を志した中学時代。高齢者施設を経て母子生活支援施設で働く今も、 「やっぱり現場が好き」と笑顔で話す昆さんに、おしごとの魅力を伺いました。 昆 直美 Naomi Kon 社会福祉法人 墨田区社会福祉事業団 スマイルホームすみだ 少年指導員 ●福祉の仕事に興味を持ったのは  中学生のとき  中学生のころ、特別養護老人ホームに入所している祖母に会いに行ったときに初めて介護の仕事を目にしました。「施設のスタッフの方が介護や身の回りのお世話をしてくださるおかげで、おばあちゃんは気持ちよく生きがいを持って暮らしていけるんだな」と実感し、自分も将来この仕事に就きたい、と思いました。  高校でも福祉について学ぶ授業があり、私が福祉分野に興味があることを知った先生から社会福祉士の資格を取ることをすすめられ、福祉系の大学へ進学しました。  卒業後は、原点でもある高齢者の介護事業を主体とする企業に入社し、デイサービスとサービス付き高齢者向け住宅で約3年勤めました。その後、墨田区社会福祉事業団に転職し、母子生活支援施設のスマイルホームすみだに少年指導員として配属され、3年目になります。  当事業団には障害・高齢分野など様々な施設があるため、それまでの経験から高齢者施設に配属されると思っていました。ですので、母子生活支援施設に決まったときは驚きました。大学では、社会保障のゼミで学び、実習は福祉事務所だったため、子どもと直接の関わりを持つ機会はありませんでした。最初は、子どもへの接し方がわからなくて敬語で話したりしていたほどです。今はそれぞれの子の性格や個性に合わせた接し方ができるようになりました。 ●入所者の自立に向けて共に歩む  支援の流れとしてはまず、さまざまな事情により入所した母子と共に、これからどうやって自立をしていくか、仕事・健康・生活その他必要に応じた項目ごとに、1年単位の目標と計画を立て、それに沿って支援をすすめます。1世帯ごとに、2人の常勤職員が担当し、母親と子ども両方に細やかな支援が行き届くようにしています。母と子両方に関わって、家族丸ごとの支援ができるのは、母子生活支援施設ならではです。  計画に沿って支援をすすめるうちに、なかなか就業できなかった方が就職できたり、ご飯を作れなかった方が作れるようになったり、ふさぎ込んでいた方が通院を始めるなどして、良い表情に変わっていくことがあります。入所者の方の自立に向けての成功体験を間近で見守ることができるのは、この仕事の醍醐味だと思っています。  事情があって離れて暮らす子どもが、入所しているお母さんや兄弟と一緒に過ごせるよう、職員で話し合って行事の際に施設に招くようにしたことがありました。行事があるたびお母さんが心待ちにする様子に、私たち職員もとても嬉しい気持ちになりました。また、退所された方からの相談を受けることもあります。退所後は、直接の支援はしづらくなるため、例えば緊急時の子どもの一時預かりなど、後々想定される困りごとについては、しかるべき窓口にご自身で相談できるよう、相談機関や支援制度の情報を、入所中から折に触れお母さんの記憶に残るようお話するようにしています。 ●より良い支援のために  精神的に不安定になっているお母さんは、やろうと思ってもうまくできないことがあります。育児について周囲から、「これくらいのこともできないの」と言われて傷ついたり、できないことでご自身を責めていることもあります。私には育児経験がないので、「お気持ちが分かります」と言ったら真実味がなく聞こえて心理的距離が開いてしまうかもしれません。ですから、「できることがあったら、いつでも相談してください」と常に声をかけるようにしています。ひとり親で子育てをするのは大変なことですが、ここにいる間は、「ひとり」ではなく、私たち支援員がついている、と感じてもらえたらと思い、日々の支援を行っています。  入所者の中には、精神疾患や発達障害を抱えたお母さんもいらっしゃいます。通院の付き添いで医師の説明を一緒に聞いたり、精神状態を考慮した支援計画を立てるため、精神・心理分野の本を読んだり、研修に参加したりと専門知識を広げるようにしています。いつかは精神保健福祉士を取得するという夢もありますが、まずは、目の前の入所者にとって良き支援者となれるよう、一歩ずつ努力していきたいです。 【アンテナ】 助成金助成金 令和元年度上期 障害児・者に対する自立支援活動への助成活動 8月31日(土)消印有効  原則非営利法人で3年以上の活動実績があり、活動拠点が関東1都6県にある(難病患者とその家族を支援している団体も含む)  上限200万円  所定の申請書類に必要事項を記入し、郵送にて応募  (公財)洲崎福祉財団 事務局 〒103-0027 中央区日本橋3-10-5 オンワードパークビルディング  03-6870-2019 http://www.swf.or.jp/ 2019年度後期 つなぐ助成事業 9月2日(月)13時まで ※仮エントリーは8月31日(土)24時まで  次の全てを満たす、社会的ハンディキャップを抱える子どもを支援する団体等 (1)国内を活動の場とし、1年以上の活動実績のある非営利団体等 (2)児童福祉を目的とした直接支援活動や調査研究等  活動経費等として25~50万円※継続助成制度あり  下記ホームページの「助成金仮申込フォーム」よりエントリーした後、所定の手順に沿ってメールにて応募  (公財)つなぐいのち基金 助成選定委員会 事務局  03-5201-1521 entry@tsunagu-inochi.org http://tsunagu-inochi.org/notice/application-for-grants/ 第26回ボランティア活動助成 9月15日(日)消印有効  5人以上の団体の(1)高齢者、障がい児者、子どもへの支援活動及びその他、社会的意義の高いボランティア活動 (2)地震・豪雨等による大規模自然災害の被災者支援活動  上限30万円  所定の申請書類に必要事項を記入し、郵送にて応募  (公財)大和証券福祉財団 事務局 〒104-0031 中央区京橋1-2-1 大和八重洲ビル 03-5555-4640 http://www.daiwa-grp.jp/dsf/grant/outline.html 2019年度チャリティプレート助成金 9月30日(月)必着  整備、備品、車両等を必要とする障害者(重複を含む)が通う小規模作業所、アクティビティセンターなどで、特に緊急性が明確である団体  上限50万円   所定の申請書類に必要事項を記入し、郵送にて応募  (NPO)日本チャリティプレート協会 〒166-0012 杉並区和田1-5-18 アテナビル2階  03-3381-4071 http://www.jcpa.net/jcpa/?page_id=13 第17回読売福祉文化賞 9月30日(月)消印有効  新しい時代にふさわしい福祉活動を行う団体等 (1)一般部門:福祉活動全般を対象 (2)高齢者福祉部門:高齢者支援活動を対象  表彰及び活動内容の新聞での紹介、活動支援金100万円  所定の申請書類に必要事項を記入し、郵送にて応募  (社福)読売光と愛の事業団 「福祉文化賞」係 〒100-8055 千代田区大手町1-7-1 03-3217-3473 https://www.yomiuri-hikari.or.jp/ 講座・シンポジウム リカバリー全国フォーラム2019 9月21日(土)~22日(日)  帝京平成大学 池袋キャンパス 本館  当日参加:一般11,000円、学生7,000円、家族6,000円、当事者5,000円 ※事前登録・賛助会員割引あり  松本俊彦氏による基調講演、分科会ほか  9月6日(金)※当日参加可  ホームページ、郵送またはFAXにて  (認定NPO)地域精神保健福祉機構・コンボ内 リカバリー全国フォーラム事務局 〒272-0031 千葉県市川市平田3-5-1 トノックスビル2階 047-320-3870  047-320-3871 https://www.comhbo.net/ 令和元年度東京都専門点訳奉仕員養成講習会 10月1日~令和2年2月19日(全10回)  日本盲人福祉センター  無料(テキスト代と教材費は実費負担)  [コース]英語コース、理数コース、楽譜コース[内容](1)視覚障害者福祉の概要(2)ボランティア及び地域福祉概論(3)専門図書に関する知識と取扱い(4)専門図書の点訳実技(5)専門図書の校正  [申込書請求期間]8月1日(木)~30日(金)必着 [申込期間]8月1日(木)~9月6日(金)必着  郵送又は来館で申込書を請求の上、郵送又は来館により申込[申込先](社福)日本盲人連合 東京都専門点訳奉仕員養成講習会係 〒169-8664 東京都新宿区西早稲田2-18-2 03-3200-6160  03-3200-7755 東京都福祉保健局障害者施策推進部計画課社会参加推進担当  03-5320-4147 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shougai/koza/tenyaku.html その他 第6回「公証人と行政書士による遺言・相続手続・成年後見無料相談会」 9月6日(金)13時~16時  新宿駅西口 地下イベント広場  無料  遺言・相続手続きのこと、成年後見制度(認知症等による財産管理や日常生活に支障のある方の支援)  不要  東京都行政書士会 03-3477-2881 第13回歯ミカップ参加者・参加施設募集 [表彰・発表]10月17日(木)13時半~15時   くにたち市民総合体育館  立川市・昭島市・国分寺市・国立市・東大和市・武蔵村山市の障害のある方や障害者施設の歯と口の健康づくりの取組みを募集  9月13日(金)  必要事項を記入の上、FAXまたは郵送にて  多摩立川保健所保健医療担当 〒190-0021立川市羽衣町2-63 042-524-5171  042-528-2777 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tthc/report/hamicup.html ※この他にも東社協ホームページに各種情報を掲載しています http://www.tcsw.tvac.or.jp/about/keyword/kakushu.html 資料ガイド 施策・会議資料 ●義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の施行状況に関する議論のとりまとめ(文部科学省/6月) ●大学等における修学の支援に関する法律施行令等の公布(文部科学省/6月) ●「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」施行(文部科学省/6月) ●科学的裏付けに基づく介護に係る検討会取りまとめ(厚生労働省/7月) ●「再犯防止推進計画」を受けた児童生徒に係る取組の充実について(通知)(文部科学省/7月) ●第2回一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会 資料(厚生労働省/7月) ●「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」中間とりまとめ(厚生労働省/7月) ●第1回障害児入所施設の在り方に関する検討会 福祉型ワーキンググループ(厚生労働省/7月) 調査結果 ●児童虐待が疑われるケース事案に係る緊急点検再フォローアップ結果(内閣府・文部科学省・厚生労働省/6月) ●平成30年度「過労死等の労災補償状況」公表(厚生労働省/6月) ●平成29年度 認可外保育施設の現況取りまとめ(厚生労働省/6月) ●住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成31年1月1日現在)(総務省/7月) ●「自立支援に関する意識調査」結果公表(厚生労働省/7月) ●平成30年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省/7月) その他 ●ひきこもりに関する相談先について(全国社会福祉協議会/6月) ●平成30年版厚生労働白書公表(厚生労働省/7月) ●ハンセン病家族国家賠償請求訴訟の受入れに当たっての内閣総理大臣談話及び政府声明(厚生労働省/7月) 【くらし今ひと】 「仲間」の存在が今の私を支えてくれている 事故により脊髄損傷を負いながらも、ハンドサイクルをはじめ、 さまざまな障害者スポーツを楽しむ桐生寛子さんにお話を伺いました。 ◆スポーツは身近な存在だった  もともとスポーツが好きで、小学校では体操や水泳、中学校・高校ではバスケットボール、大学生になってからはスノーボードを楽しんでいました。小さい頃は身体を動かすことが得意で、できることが増えていくのが楽しかったです。また、中学校・高校と所属していたバスケ部では、朝晩の練習が大変でしたが、仲間とともに「勝ちたい」「うまくなりたい」という目標のもと、楽しみながら続けることができました。  平成22年、スノーボード中の事故で脊髄損傷を負い、車椅子生活となりました。受傷した直後は、今までに感じたことのない絶望感でいっぱいでした。「どうして私が?」と何度も思いました。何より、大好きだったスポーツができなくなることが悲しかったです。しばらくはふさぎ込んでいましたが、治療を終え、リハビリテーション病院に転院してからは、考え方が変わったことを覚えています。同年代の脊髄損傷を負った患者さんが、元気に車椅子で走り回ったり、事故のことなどを笑顔で話していたのです。症状や悩みなどについて話すことで、気持ちが少し軽くなり、前を向くことができるようになりました。 ◆障害者スポーツとの出会い  入院中に障害者スポーツの雑誌を見てチェアスキーの存在を知りました。また、理学療法に車椅子バスケや水泳のプログラムがあり、車椅子でもスポーツができるんだということを知りました。それから、障害者スポーツについて調べるようになり、退院した年の冬には、チェアスキーの講習会に参加しました。今まで挑戦したスポーツは、チェアスキーのほか、スカイダイビングやクライミング、サーフィンやハンドサイクルなどです。一度きりのものもありますが、「とりあえず楽しそうなものはなんでもやってみよう」という思いで挑戦しています。今後もさまざまなスポーツに挑戦したいと思っていますが、何か一つを極めてみたいという思いもあります。これからも続けていきたいと思うスポーツに共通して言えることは、一人ではなく、仲間と一緒に楽しめるということです。脊髄損傷を負ってから、前向きになるきっかけを与えてくれたのも、仲間の存在でした。仲間がいると、喜びや達成感が何倍にもなります。また、頑張ろうという勇気とやる気を与えてくれます。これからも仲間とともにスポーツを楽しみたいと思っています。 ◆車椅子でもできることは  たくさんあることを伝えたい  私自身、障害を負うまでは、障害のある人と関わったことがなく、別の世界の人だと思っていました。そのため、「かわいそう」だと思うこともなければ、「頑張っている」と思うこともありませんでした。一度だけ、学生時代にアルバイトをしていたお店で車椅子の方からの「入店できますか」という電話に対応したことを覚えています。お店は2階にあり、階段を上ることが物理的に難しいと思ったので、お断りしてしまいました。当時は、車椅子を持ち上げて階段を上るという発想がありませんでした。過去の私のような考えをもつ人は少なくないと思います。  現在はSNS等を通じて、日々の出来事を発信したり、障害者スポーツを広める活動に参加しています。地道なことではありますが、”車椅子を使用していても外出できるし、スポーツができる”ということを車椅子を使用する私自身が伝えることが周囲の障害者への理解を深め、心のバリアフリーの一歩となると考えています。 ハンドサイクルに乗る桐生寛子さん サーフィンの様子 仲間とともにチェアスキーを楽しむ(左) 【東社協の本】 介護保険制度とは・・・〔改訂第14版〕 本書は2017年5月26日に法改正されたポイントを含め、制度をわかりやすく図表を交えて解説している小冊子です。制度の内容を理解するために、また、地域や学校での学習会等での資料にぜひご活用ください。 監修:藤井賢一郎(上智大学総合人間科学部社会福祉学科准教授) ◆規格 A4判/32頁 ◆発売日 2019.8.5 ◆定価 400円+税 困りごとから探せる介護サービス利用法〈改訂版〉 介護サービスの種類ごとに、制度を利用するための相談窓口や利用できるサービスの内容・費用・手続きなどについて、利用される方の目線に立って、わかりやすく説明しています。また困りごとから使えるサービスを探すことができるナビもつけました。 ◆規格 A5判/194頁 ◆発売日 2017.5.1 ◆定価 1,800円+税 新しい総合事業の推進のための取組み事例集 ~専門機関と協働した住民主体の地域づくりと介護保険~ 本書は、新しい総合事業に移行した自治体の取組みや、住民主体による生活支援の取組み、新たな支え手を育成している取組みを掲載しています。また、区市町村が主体的に実施する「在宅医療・介護連携推進事業」に向けた取組み事例についても紹介しています。 監修:太田貞司(神奈川県立保健福祉大学 名誉教授/日本介護福祉学会 会長) ◆規格 A4判/124頁 ◆発売日 2016.5.18 ◆定価 1,000円+税