【表紙】 社会福祉NOW 「新型コロナウイルス感染症に伴う特例貸付 (緊急小口資金・総合支援資金)」の実施における これまでの状況、そして今後への課題 福祉のおしごと通信 子どもにとって「どんな自分でも受けとめてくれる人」でありたい 社会福祉法人武蔵野緑会 西久保保育園 保育士 寺澤美加さん トピックス コロナ禍での地域活動や市民活動を資金面から応援する取組み ~立川市、町田市での寄付募集、活動資金助成の取組みから 【連載】コロナ禍でも日常を守るために ~緊急事態宣言期間を中心とした福祉施設・事業所の取組み~ コロナ禍の取組みを前向きに考える〜特定非営利活動法人みのり会 グループホームみのり荘 外出自粛中の地域の高齢者とのつながりを緊密に〜向台町地域包括支援センター(運営:社会福祉法人東京聖新会) 熊本県 南阿蘇村 南阿蘇鉄道が運行する高森線は、 阿蘇五岳の雄大な景色を背景に 鉄道ファンを喜ばせる。 地元の子供たちも元気に手を振る。 【NOW】 「新型コロナウイルス感染症に伴う 特例貸付(緊急小口資金・総合支援資金)」の 実施におけるこれまでの状況、 そして今後への課題 新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染拡大により経済活動が大きく影響をうける中、公的な経済支援策として、いち早く動いたのが、生活福祉資金貸付制度による「緊急小口資金・総合支援資金【特例貸付】(以下、特例貸付)」です。 生活福祉資金貸付制度そのものは、戦後の民生児童委員による「世帯更生運動」に端を発します。昭和30年に制度化され、低所得世帯の「経済的自立と安定した生活」を目的に「相談と貸付」を手段として、都道府県社協を実施主体、区市町村社協を窓口に民生児童委員とともに支援を行う第一種社会福祉事業として今に続いています。 今回の「特例貸付」では、新型コロナの影響を受けた多くの方に、いち早く簡便な手続きで、感染防止を図りながら広く貸付を行う、という命題の中、通常とは異なる対応が求められました。そこには、さまざまな葛藤と、また、新たに見えた課題もありました。 今号では、東京におけるこの特例貸付の状況をお伝えするとともに、これからを考えます。 ◆特例貸付の全体状況 特例貸付は、新型コロナの影響を受けて減収した世帯に対する支援策として、国の通知により、令和2年3月25日から全国の社協で一斉に開始されました。その後、4月7日に緊急事態宣言が発令され、急増する減収・失業者に対応するため、国による要件緩和や条件変更が立て続けに行われました。申請受付期間も2回延長され、貸付の申請件数は10月末日時点で全国で約154万8千件と未曾有の規模となっています。東京での申請はおおよそ27万6千件と、全国の2割弱を占めています。その背景には、特に東京の人口の多さ、1世帯あたりの人数の少なさによる世帯数の多さ、サービス業に従事する就業人口の多さなどがあると考えられます。なお、都内でも申請数の地域差はあり、特に区部に利用が集中しています。 ◆窓口体制の限界と事業理念との葛藤 生活福祉資金貸付制度の「特例貸付」は、これまでも地震や風水害などの災害時に、国の通知により実施してきました。しかし、今回がこれまでと異なるのは、新型コロナの感染防止と殺到する申請数への対応、何よりいち早く現金を必要とするニーズに対応するため、途中から手続きの簡便化、郵送申請の導入、社協だけでなく労働金庫や郵便局での受付という対応を、順次行っていったことにあります。 今回の特例貸付では、普段の体制では対応しきれず、東社協も含め多くの社協で職員を総動員し、外部からの応援体制も構築して対応してきました。当初は、どこの社協でも感染防止に配慮しながら、これまで通り社協窓口での相談対応をしてきました。しかし、数への対応が追いつかず、そのことによるクレームに職員が応じることで、さらに人員が不足してしまうという状況もありました。こうした状況から、4月末から5月末にかけて、国が受付窓口の外部委託化と郵送受付の導入を決定しました。 一時的な貸付で生活を立て直せる世帯もある一方、新たな福祉課題を抱える世帯もあります。外部委託や郵送による申請(*1)の導入は、後者の方々への相談による支援を難しくすることにつながります。区市町村社協の窓口では「早期に送金すること」を優先しつつも、本事業の本来の役割『相談と貸付による支援で、世帯の経済的自立と安定した生活をめざす』との間で葛藤を抱えながら、できうる範囲で本来の役割をどう果たせるか模索していました。 以下、都内でも有数の繁華街を有し、申請者が特に多かった新宿区社協と、区部では比較的申請数が落ち着いており、できる限り世帯への相談支援に取り組んでいる文京区社協から、これまでの取組みと、今回の特例貸付をふまえての今後の社協としての課題を聞きました。 「速やかに、臨機応変に、 オール社協で」 ~新宿区社協の取組み~ ◆受付業務+αを意識して 新宿区社協の10月末現在での申請件数は約1万5千件強に上っています。これは、都内で2番目に多い件数です。 3月25日の受付開始前から問い合わせが増え、相談予約受付を3月17日から前倒しで開始することとしました。 当初は、生活福祉資金の担当者4名を中心に対応する予定でした。しかし、申請件数の急増から、4月2日に全常勤職員を対象に研修を行い、他部署からの応援も受け「オール社協」体制で対応することとしました。 5月、連休を境に更に相談が増え、相談予約は一か月半待ちとなりました。「大変なことになったと感じた」と、総合相談・自立相談支援担当課長の横田恵里さんは当時を振り返ります。そこで、体制を更に拡大し相談枠を広げ、待機者約300人に、相談日を前倒しする再調整の電話をかけました。郵送申請も受け付けることとしました。しかし、郵送申請により申請者の状況が見えにくくなった面があることも事実です。制度の趣旨である「相談支援」が難しくなる状況に、職員は葛藤を抱えたと言います。「今回の特例貸付は、必要な人に速やかに貸し付けることが優先されるのだ、と自分を納得させ、対応した」と横田さんは言います。 相談でなく受付業務の色合いが濃くなる中、それでも職員は「+α」を意識して対応しました。例えば、相談者の目につくところにボランティア活動のポスターや社協以外の相談先一覧などを掲示しました。「相談者には『体だけは気を付けてくださいね』『頑張りましょうね』など、その人に合わせて一言添えることを必ず行うようにした」と同担当の須藤潤さんは言います。中には、申請手続きの際、町内会に関心を持っていることが分かり、地域につなげた外国人の方もいました。 ◆申請者の状況・これまで接点が少なかった層 申請者の職業は、会社員だけなく飲食業、芸能関係など多岐に渡ります。月収50万や100万など、高収入であったにも関わらず貯金をしていなかったため突然困窮したという相談もありました。困窮は必ずしも低所得の方たちだけの問題ではありません。特例貸付の相談で、これまで生活福祉資金の相談では出会わなかった方々に出会うことになりました。また、風俗で働く女性からは「この職業では相談できないと思った。相談できて良かった」という言葉がありました。「相談してほしい人ほど相談に来られていなかったのだと痛感した」と横田さんは言います。 新宿区での申請の特徴に、外国人が申請者の約4割を占めていることがあげられます。「ギリギリの生活をしている外国人の住民がいる。不安定な就労形態や、日本語が得意でないことから、悪条件で働いていても交渉できないなど、外国人の立場が弱いことがよく見えてきた」と須藤さんは言います。 ◆これからの取組み・総合相談機能を活かす 新宿区社協では、生活困窮者自立支援法に基づく自立相談支援機関を区から受託しています。部署は生活福祉資金と同じで、ボランティア・市民活動センターの中に総合相談窓口として設置されています。「今後の償還(返済)業務では、自立相談支援と一体的に働きかけをしていく。むしろ、償還免除(*2)になった世帯こそ、本来支援を必要としている世帯と考えている。総合相談の窓口としても、社協の各部門を超えた対応をしていきたい」と横田さんは語ります。 また、地域への働きかけにもつなげる予定です。新宿区社協内に、理事会の補助機関で地域住民や専門職が日常生活圏域ごとに話し合う場である「社協部会」があります。今年度のテーマは『支援の隙間に埋もれるニーズに気づき、つなげる地域になるには』です。「特例貸付から見えた課題を提起し、地域の人に気づき、考えてもらい、この機会を新しい展開につなげていきたい」と横田さんは語ります。 「貸付だけでは解決しない。 今後もつながりつづけるために」 ~文京区社協の取組み~ ◆緊急事態宣言から社協全体での応援体制に 文京区は、東京23区内のほぼ中央に位置する歴史ある地域で、人口は区部では19番目です。通常の生活福祉資金は職員2名が他の業務と兼務で対応しています。しかし、特例貸付がスタートした3月25日は電話が鳴りやまず、緊急事態宣言からは社協全体での応援体制に切り替えました。 ◆相談・申請者の状況から改めて認識したこと 相談を通し、「改めて就業形態の多様化を目の当たりにした」と特例貸付担当チームの根本真紀さんは言います。特に「雇用契約ではなく、実は個人事業主で仕事は請負というケースの多さに驚いた。仕事を切られると収入はゼロになる。雇用保険などの社会保障の対象にならない。国が考えているような『休業補償がされれば大丈夫』という状況ではない」と根本さんは指摘します。その他、年金額が低く生活費の補填のためにしていた仕事をなくした高齢者、正規でもダブルワークで生活を維持している人たちもいました。 外国人は約2割で、その国籍の内訳は10か国以上に上りました。「こんなに多くの外国人の住民がいることを改めて知った。外国人支援と同時に、排除ではなく共生につながるよう、地域への働きかけも必要性を感じている」と根本さんは言います。 ◆事務処理センターなら社協でなくていい 文京区での申請受付件数は、10月末日現在で約3千件です。郵送申込は、そのうち約47%を占めます。「一時、事務処理センターのようになり、ジレンマがあった」と同貸付チームの伊藤真由子さんは振り返ります。 現在、文京区社協では、申請書類の郵送請求には、新型コロナの支援策を文京区民向けにまとめた資料を同封し、必要と思われる情報を確実に届けるようにしています。また、申請書類到着後には、一人ひとりに電話をかけ、会えない申請者とも双方向の接点を持つようにしています。「申請書から明らかに生きづらさが伝わって来るような人もいる。隠れた困りごとをどうキャッチしていくか。難しいが心がけている」と、根本さんは言います。電話や申請受付の際には、どの職員が対応しても一定のアセスメントができるよう、内部研修や、聞き取り事項の標準化のためのシートも作成しました。 また、世帯を支えるための支援においても、他制度につなぐ、インフォーマルな資源につなぐ、新たな支援のしくみをつくる(*3)などの取組みを行っています。 総合支援資金の延長貸付終了時にも、今後の生活の見通しについて、確認の電話をかけています。状況によっては必要な支援につなぐためです。しかし、「もうこれ以上の貸付ができない中で、本人の気持ちを相談にもっていくのが難しい。だからこそ、初回の申請時のときに『貸付終了時にまた連絡するから、その時に困ったことがあれば一緒に考えましょう』という導線をつくっておく必要を感じている」と根本さんは言います。 ◆つながり続ける支援を 「文京区社協はどちらかというと居場所づくりなどの地域支援で注目を浴びてきた。今回は職員全体が困窮者の問題や個別の方への支援に関われたのは良い機会になった」と根本さんは言います。また「お金を貸すだけでは解決しない。背景の不安に寄り添い、何かあったときに相談してもらえるつながりをこの先どうつくれるか。昨年の国の地域共生社会推進検討会(*4)で、支援の両輪として『具体的な課題解決を目指すアプローチ』と、『つながり続けるアプローチ』の必要性が提起されたが、後者の方が圧倒的に足りていない。社協のとりくむべきはここではないか。今回の特例貸付で、これまでどこにも相談に行かなかった人たちに出会えている。どこまでしっかりとつながりを切らないでいけるかはチャレンジだ」と根本さんは語ります。 ●     ●     ● 特例貸付は、貸付期間(両資金で最大7か月間)のあと、1年の据置期間を経て、緊急小口資金で2年間、総合支援資金で10年間の償還(返済)期間を迎えます。償還が滞った世帯にはさらに長い期間関わります。不正な借入れや貸付対象外の方への対応もあります。具体的な実務や社協の体制上の課題は、これからも山積しているのが実情です。 しかし、一方、今回の特例貸付を通じて、社協がこれまで接点が持てていなかった住民と出会い、コロナ禍での生活課題を知り、今まで見えていなかった地域課題を知る機会ともなりました。これからにおいてこそ、社協が取り組む意味が問われ、また、活かされるところであるといえます。 (*1)生活福祉資金の窓口を社協以外に拡充するのは制度創設以来初めての対応。申請先を分散させることで、事務負担を軽減し貸付までの時間短縮を目的とした。郵送申請は、新型コロナの感染予防という側面はあるものの、借入希望者と一度も対面しない中での貸付は、今までの運用では想定していない対応となった。 (*2)国は「償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができる(厚労省HPより)」としている。なお、11月25日現在、償還免除のための具体的な手続きや基準は示されていない。 (*3)福祉広報10月号Topics、学生パントリーの記事 「食料支援・相談会が学生の地域活動への興味や関心のきっかけにも」参照 (*4)正式名称:地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会 【新宿区社協】入口付近での多言語による看板 【新宿区社協】 総合相談・自立相談支援 担当課長 横田 恵里さん 【新宿区社協】 主事 須藤 潤さん 【文京区社協】 特例貸付チーム根本 真紀さん 【文京区社協】 ミャンマー語、やさしい日本語、英語による延長貸付の手紙 【福祉のおしごと】 子どもにとって「どんな自分でも受けとめて くれる人」でありたい 社会福祉法人武蔵野緑会 西久保保育園で保育士として活躍する寺澤美加さんに、 保育で大事にしていること、子どもに関わる姿勢についてお話しいただきました。 高校時代の希望を思い出して  高校時代、進路指導の先生に幼稚園教諭になりたいと話したところ、「少子化だから仕事がなくなるのでは」と言われ別の道にすすみました。  大学卒業後は、団体職員として勤務しました。その間結婚、出産し、子どもを保育園に預けながら働きました。疲れて子どもを迎えに行く私に保育士さんは笑顔で「おかえりなさい」と言葉をかけてくれました。親の私にとっても安らぐ、居心地のよい温かさが感じられました。その経験により「子どもに関わる仕事がしたい」という気持ちが思い出され、保育の仕事がしたくてたまらなくなりました。子どもが1歳の時に保育士の資格を取得することを決め、勉強を始めました。家族は応援してくれたものの、友人や会社の同僚は、保育士は大変なイメージがあるからか「なぜ?」という反応でした。それでも私の気持ちは揺らぎませんでした。1年目は仕事をしながら学校に行き、2年目は実習もあるので、退職し子どもは保育園に預け学業に専念しました。2年かけ保育士資格を取得し、保育園に就職しました。  「おかえりなさい」を大事に  保育士となって大事にしていることがあります。それは、かつて私がかけてもらった「おかえりなさい」という言葉です。お迎えにくる保護者の姿が過去の自分と重なり、保護者の気持ちに寄り添い、少しでもホッとしてもらえたらという思いで「おかえりなさい」と声をかけています。  また、お互いに意見を出し、認め合っていくプロセスが大切であると考えています。例えば、子どもの姿や発達の捉え方、保育方針などについて職員間や保護者との間で意見が異なることがありますが、意見を出し合う過程があるからこそ見えてくるものがあると思っています。 子どもの姿からの学び  担当しているクラスに、おとなしい子がいました。保育中は主張の強い子に目がいってしまいがちでしたが、その子にも折りを見て声をかけるなどして信頼関係を築けていると思っていました。ある日、同僚保育士からその子について「○〇ちゃんは、私に心を開いてくれない」という話がありました。その言葉をきっかけに、同僚たちと保育の振り返りをし、その子への関わり方について意見を出し合いました。そして、今まで以上にその子の気持ちに寄り添い、思いを引き出すことにしました。そうしたことでその子の表情は豊かになり、保育士との関係は深まりました。「家でも保育園に行くのを楽しみにしている」と保護者からも話がでるようになりました。このことから、子どもへの関わり方を振り返ることの大切さを実感しました。  保育士として子どもと過ごす時間は楽しく、子どもについて語ることで職員同士がつながります。そして、子どものかわいい姿や成長を共感できることが何よりも嬉しいです。だから、もっと子どものことを知りたいし、いろいろな姿を引き出し、「どんな自分でも受けとめてくれる、大切にしてもらっている人」でありたいと思います。  「保育は(子どもと一緒につくる)ライブ」と先輩保育士が話してくれました。まさにその言葉どおりだと思います。子どもたちは日々成長し、どのように保育をすすめるかは試行錯誤の毎日です。これからも子どもの姿から気持ちを知って受け止めることができるように、保育の現場で奮闘していきたいと考えています。 どんな経験も活かせる  最初の職場では社会人としての基本的な部分を学びました。たくさん失敗もしましたが、そこから学ぶ姿勢も身につきました。今仕事をする上で「あせらない・気張らない・めげない」という心構えにつながっています。前職での経験は現職でも活かされています。  そして保育の職場は、過程、気持ちを大事にし、寄り添い、フォローしてくれる温かい職場だと感じています。新卒で入職する人、転職して入ってくる人それぞれの強みを互いに活かしあっていくことで、より強い組織になると思います。一人でも多くの方が、勇気を持ってこの世界に飛び込んできて仲間になることを望んでいます。 寺澤美加さん Mika Terasawa 社会福祉法人武蔵野緑会 西久保保育園 保育士 【トピックス】 コロナ禍での地域活動や市民活動を 資金面から応援する取組み ▼ 立川市、町田市での寄付募集、活動資金助成の取組みから 新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染防止と両立した地域活動の模索が続いています。また、生活困窮等の生活課題が深刻化、顕在化しており、それに対応する新たな活動も求められています。 こうした中、コロナ禍で地域課題に取り組む活動団体を応援するため、資金を集め、助成する取組みが行われています。今回は、立川市と町田市の事例を紹介します。 立川市社協「新型コロナウイルス対策地域支援寄付金」 立川市社協では、令和2年5月1日より「新型コロナウイルス対策地域支援寄付金」を募集しています。多くの地域活動が停止した4月、地域活動推進課地域づくり係の職員を中心に実施のしくみを検討し、早々に開始しました。活動が困難になった団体の活動再開や新たな展開等を支援する目的に加え、新型コロナの影響で困難を抱えた方を支える活動を推進することも大きな目的です。 寄付金を原資に、立川市内で活動する3人以上で構成される団体を対象に、審査の上で上限10万円を助成しています。新たに立ち上げるグループが活用することも想定し、申請条件は可能な限り緩やかに設計しています。 11月現在※1、約60件320万円の寄付が集まっています。企業からも個人からも多くの寄付が寄せられています。地域づくり係係長の柳澤実さんは「しくみづくりも団体への助成についても、スピード感を重視し対応してきた。想定以上の寄付をいただき感謝している。寄付者の思いに応える活動に助成し、丁寧な報告を行いたい」と言います。 団体からの助成申請は5月末から受け付けています。審査会はこれまでに※29回開催し、24団体に約160万円の助成を行いました。当初は、食支援活動を行うための食材費や衛生用品等の消耗品費、オンライン環境整備に係る備品費等の購入に関する申請が多くありました。 助成先には地域で地道に活動してきた団体のほか、3人で立ち上げた新たなグループ等もあります。同係主事で市民活動センター担当の高橋美季さんは「ダウン症児者のダンス教室の例では、メンバー以外も参加できるオンライン教室の開催のための費用を助成した。以前にない発想で活動を広げる団体もあり、団体が持つ力を感じている」と言います。 同係主任で地域福祉コーディネーターの小林理哉さんは「雇い止めにあった外国人、学生、ひとり親の方など、いま特に困っている方に支援が行き届くような活動を行う団体への助成にも力を入れたい。そのためには意欲のある方同士をつないで活動を起こしたり、団体の運営支援も必要。助成金もきっかけとして更に地域支援をすすめたい」と言います。 柳澤さんは「自社協で初めて、目的を明確化した寄付金募集を行い、社協を初めて知ったという市民からも反応があるなど手ごたえを感じた。この経験を生かし、思いを持つ方がさまざまな形で社協につながり、実現できるしくみを考えたい」と語ります。 町田市「みんなでコロナを乗り越えるぞ基金@町田」 町田市では、町田市社協と(一財)町田市地域活動サポートオフィスの実行委員会形式により、コロナ禍において市民を支える活動を支援する「みんなでコロナを乗り越えるぞ基金@町田」を実施しています。8月3日~9月16日に、クラウドファンディングで資金調達を行いました。 町田市地域活動サポートオフィス(以下、オフィス)は、昨年4月に新設された中間支援組織です。市民活動団体支援や、さまざまな形での協働促進等の役割を持ちます。日頃から事業を通じてつながりのあったオフィスと町田市社協とが、コロナ禍で生活に困窮し、孤立する方が増える状況に同じ危機感を持ち、共催での取組みを決めました。オフィスの事務局長の喜田亮子さんは「この取組みでは、地域の人や活動をよく知り、市内で知名度が高い社協と協働することで、より効果やインパクトが生まれると考えた」と言います。 共に運営を担う町田市社協地域福祉課地域福祉第二係主任の和田正成さんも「社協も迅速な取組みの必要性を強く感じていた。オフィスが持つ資金集めのノウハウや推進力等の強みと、社協が持つ強みとの相乗効果で、企画がすすんだ」と言います。 資金調達の手段にクラウドファンディングを選択したのは、共感力を生む手法であり、スピード感をもって対応できると判断したからです。喜田さんは「困窮したシングルマザーの新聞報道に触れ、驚きとともに『何か力になりたい』という気持ちを寄せてくれる方がいた。『直接活動することは難しいができることはないか』という思いを実現する場として適切だと思った」と言います。 準備を経て、8月にクラウドファンディングのサイトに記事を掲載しました。広報は社協だより、SNS、チラシ配布等を通じて行いました。 結果的に約1か月半で、154人から、目標金額100万円を上回る113万円の寄付を受けました。和田さんは「パソコンに不慣れで、社協に現金を持ってこられる方までいた。多くの方に関心を寄せていただいた」と言います。喜田さんは「40代を中心に、さまざまな年代の方から支援いただいた。日頃は福祉や社会貢献などを意識しなかった方や、思いがあっても発露の場がなかった方が共通の社会課題に触れ、一歩踏み出すきっかけになったようだ」と成果を感じています。 10月末に審査委員会を開催し、12件の助成を決定しました。「新型コロナの影響を受けた方へ支援を届ける活動」という趣旨に合致するかを重視し、審査を行いました。困難な状況の方に対する従来の支援活動をオンライン化して実施するという申請や、新たに活動展開したいという申請等がありました。 今後も、助成先の活動の経過や成果等の報告、情報発信を丁寧に行っていく予定です。喜田さんは「コロナ禍で、小さな活動や集まりにも人をつなぎ支える価値があることが改めて証明されたと思う。オンライン等の新たな手法での活動も、どちらも大切に支援したい」と言います。和田さんは「地域活動には価値があるということ、更に地域福祉が大切になることをさまざまな取組みを通じ、発信していきたい」と語ります。 ※1)2)とも、令和2年11月9日取材時点での実績。 立川市社協 「新型コロナウイルス対策 地域支援寄付金」チラシ 町田市社協・町田市地域活動サポートオフィス 「みんなでコロナを 乗り越えるぞ基金@町田」チラシ 【マンスリー】 福祉のできごと 2020.10.26-11.25 ※対象期間外のできごとを掲載させていただく場合もあります 10/29 障害者就労施設等からの調達額 6年連続で過去最高を更新 厚労省は、令和元年度「国の機関等における障害者就労施設等からの調達実績」を取りまとめた。障害者就労施設等からの物品等の調達額は約193億円であり、法施行(平成25年)から6年連続で過去最高を更新。市町村が引き続き調達実績(金額)全体の約7割を占めており、都道府県および市町村における実績の増加が全体の実績を押し上げた。 11/5 上智大学とハローワーク新宿が全国で初めて「外国人留学生の就職支援のための連携協定」を締結 上智大学とハローワーク新宿が、全国で初となる外国人留学生の就職支援に関する連携協定を締結し、調印式を開催した。ハローワーク側は留学間もない時期からの就職に関する情報提供のための講師派遣、大学側は学内留学生へのハローワークの支援内容の情報提供などを行っていく。外国人留学生を留学早期からその後の就職・定着までを一貫してサポートすることで、外国人留学生の国内就職促進をめざすことが目的。厚労省は今後も官学連携協定の締結などをすすめる方針。 10/30 「東京都発熱相談センター」を開設 東京都は、発熱等の症状を呈した方で、かかりつけ医のいない方や相談先に迷っている方、接触確認アプリ「COCOA」の接触通知を受けた方などの相談にワンストップで対応する新たな電話相談窓口として「東京都発熱相談センター」を開設した。 電話:03-5320-4592 (土日祝日を含む、24時間対応) 11/9 都庁窓口における聴覚障害者向け コミュニケーション支援を拡充 東京都は、聴覚障害等がある来庁者がより手軽に遠隔手話通訳を利用できるよう、来庁者が所有するスマートフォン等の端末を使用できる仕組みを導入した。また、新たな取組みとして、聴覚障害等のある方が東京都へ電話で問い合わせをする際に、通話オペレーター等が職員との電話を通訳する「電話代理支援」も開始した。東京消防庁と公安委員会を除く、都の全ての窓口で利用できる。 【連載】5 コロナ禍でも日常を守るために ~緊急事態宣言期間を中心とした福祉施設・事業所の取組み~  新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大の影響により、福祉施設・事業所には利用者の命・生活、職員の安心・安全を守るため、これまで以上に厳しい感染症対策が求められています。特に国による緊急事態宣言および東京都による緊急事態措置期間中(令和2年4月7日~5月25日)は、各施設等において新たな感染症に配慮しつつ、利用者の日常をいかに守るか苦心し、工夫を重ねていた時期でした。  緊急事態宣言期間を中心に、福祉施設・事業所が未知の感染症にどのように向き合い、利用者の生活を守る工夫や取組みをしてきたのかを発信していきます。今回は、精神障害者を対象とするグループホームと、地域包括支援センターを取材しました。 *今回、紹介する事例のさらに詳しい内容は、本会の「ふくし実践事例ポータル」でご覧になれます。 (http://fukushi-portal.tokyo/) コロナ禍の取組みを前向きに 考える 〜特定非営利活動法人みのり会 グループホームみのり荘  東村山市にあるグループホームみのり荘(以下、みのり荘)は、精神障害者が地域で自立した生活ができるよう、居住の場の提供と日常生活において必要な援助を行うとともに、単身生活への移行を図るための取組みや援助をする定員7人の通過型(原則3年)のグループホームです。グループホーム(共同生活援助)以外の事業として、精神科病院やグループホーム等から一人暮らしに移行した方等が自立した生活を営めるよう定期的な訪問等の支援を行う自立生活援助や、都の事業である精神障害者地域移行体制整備支援事業のうち、グループホーム活用型ショートステイ事業(※1)を行っています。 感染対策について  みのり荘では、これまでも一般的な感染症対策はとってきました。新型コロナの対策としてはそれに加え、建物がアパートタイプで入居者の居室は分かれているため、特に共用部分での対策が必要でした。入居者と職員が触れる箇所のアルコール消毒、交流室の利用人数と利用時間の制限、入室前の検温と手洗いの徹底、テーブルへのパーテーションの設置など、さまざまな対策を行いました。施設長の松原乃理子さんは「未知の感染症に対してどのように対策していくか試行錯誤だった」と振り返ります。  感染が拡大し始めると、マスクやアルコールはどこにも売っていない状況となりました。そのような中でも、国や市から感染症対策物品をもらうことができたことについて、「気持ちの上でも職員の力になった。とてもありがたかった」と松原さんは話します。  緊急事態宣言期間中の職員体制についても、必要に応じて在宅勤務や退勤時間を早くするなどの対応をとりました。 イベントは全て中止  例年は、季節の行事や年一回の遠方への外出のほか、レクリエーションや看護師のボランティアによる体操教室などのイベントを多く行っていました。しかし、3月から現在(11月10日取材時点)までイベント実施やボランティアの受入れは中止しています。その一方、新たに始めた取組みもあります。週1回行っていた夕食会は中止しましたが、代わりに飲食店のテイクアウトのお弁当を購入し、週2回入居者・退居者に提供することを始めました。とても評判がよく、現在も続けています。 作業所やデイケアも休止に  感染拡大の影響は、入居者が日中通っている作業所や精神科病院のデイケアにもおよび、休止になるところもありました。中には数か月間もデイケアが休止、外来も中止となり電話受診となった病院もありました。また、松原さんは「デイケア等が休止となる中、緊急事態宣言期間中には友人と会う等の不要不急の外出も控えてもらった。外出や人と会うことは感染リスクも高くなるが、そのような機会が無くなると気持ちが落ち込む方もいた。時間を限定して交流室で対面で話したり、職員が頻繁に電話で話をするなど工夫しながら個別にサポートした」と話します。 コロナ禍でショートステイ事業の 利用に変化が  自立生活援助では、国の通知(※2)に基づき、訪問ではなく電話による対応でもよいことになりましたが、松原さんは「共同生活から一人暮らしを始める退居者の不安は大きい。生活に慣れるまでの間、特に退居直後は訪問での支援が必要」と話します。  また、東村山市付近には多くの精神科病院があり、退院に向けて多くの方が、みのり荘でショートステイ事業(※1)を利用していました。しかし、外出禁止とした病院も多く、4月以降は病院からの利用が減り、現在は地域で生活する方の利用が増えています。 方向転換のチャンスと捉える  課題として「実際に感染者が出た事業所がどのように対応したかという情報が入らない。今後の対応を考えていくためにも、情報共有のしくみが必要だと感じている」と松原さんは言います。  また「イベントを中止するなど大きな変化もあったが、個別支援に力を入れる方向に転換するチャンスになったと捉えている。新型コロナが収束した時にも活かせるようなことを前向きに取り組みたいと考えている」と取組みへの姿勢を話します。 外出自粛中の地域の高齢者とのつながりを緊密に 〜向台町地域包括支援センター (運営:社会福祉法人東京聖新会)  西東京市にある向台町地域包括支援センターは(以下、包括)、市からの委託を受け、社会福祉法人東京聖新会が運営しています。同じ建物には、入所施設である特別養護老人ホームと老人保健施設があり、加えて訪問看護などの在宅サービスも同一建物内で行っているため、新型コロナへの対応も、施設の内側と外側両面から備えてきました。 法人全体の取組み  新型コロナが拡大しはじめた2月、法人として「COVIDー19対応指針」を定め、「個人」「各事業所」「法人全体」の三段階での対応を明確にしました(図1)。この指針は、適宜見直しをしながら、常に職員全員で共有しています。  4月には、建物全体をゾーン分けして、各事業の職員と利用者が他の部門の人と建物内で空間を共有しないよう動線を分けました。玄関も事業ごとに厳密に分けて、裏口や非常口を活用し、各事業スペースへの移動ルートも定めました。他事業からの感染を予防し、ウイルスを「持ち込まない」「蔓延させない」ための取組みを法人全体で徹底しています。 サテライト(支所)の設置による 職員体制の確保  包括の職員は6名ですが、緊急事態宣言が出てすぐに事務所内での密を避けるため、3名ずつ交代で出勤と自宅待機をしながら事業継続しました。利用者宅への訪問は原則自粛し、電話で連絡を取ることに専念しました。出勤職員が聞き取った様子を、その後全員で情報共有するためには、多くの時間と労力が必要でした。そんな時に、事務所の目の前にあるスポーツセンターの空きスペースを借りられることになり、4月にサテライト(支所)を開設しました。ここに3名分の就業スペースをつくれたことで、密にならずに事務所とサテライトで常時6名の職員が勤務することができ、コロナ禍での事業運営体制を確保できました。  こまめな利用者への電話に加えて、独自の【むこなみ新聞】臨時号を利用者宅へ戸別配布をしたり、FM西東京の【みんなおいでよ!東京聖新会!!】というラジオ番組も活用して情報発信に努めています。  外出自粛の中だからこそ利用者とのつながりをより緊密にしよう、と意識して取組みを重ねました。 認知症カフェの休止と再開  定期開催していた認知症カフェ等は中止し、地域の方々と顔を合わせる機会が減りました。包括の相談員で法人の地域連携室長の尾形剛弥さんは、「認知症カフェや介護予防体操教室の役割は大きく、地域とのつながりや介護保険サービスの入り口になっていることを改めて実感した。また、利用者本人だけでなく家族からも、早く再開してほしい、と声が上がっている」と話します。  9月に入り、認知症カフェを一回だけ人数制限して開催しました。  尾形さんは、「久しぶりに会う利用者やボランティアからは、皆に会えて本当に良かった、と喜んでもらえた。一方で、参加することに不安がある、との意見もある。今後は感染状況を見極めながら、自治会等との協働による少人数開催等も検討したい」と話します。 コロナ禍での地域包括支援センター  包括には、利用者支援を通して地域の安心と安全を維持する役割があります。自宅で体調が悪くなった利用者の様子を確認するため、保健所の指導を受けながら迅速に万全の準備で訪問する等、地域の安心・安全のための活動は継続しています。  センター長の近藤崇之さんは、「電話連絡しかできなくても、職員一人ひとりが【情報】共有の大切さを理解している。【情報】は地域の血液。正しく適切に循環させることで包括の機能を停止することなく役割を果たせている」と話します。  さらに、「これからは、職員の手と声だけでなくICTの活用による健康管理を取り入れるなど、感染リスクと共存する新しいスタンダードを模索することも必要だと考える」と、今後の課題を見据えています。 (※1)精神科病院に入院している精神障害者で病状が安定している方や、地域の受入条件が整えば退院可能であり退院を希望している方に対して、地域生活のイメージ作りのための体験(買い物、炊事、洗濯、掃除等)等を支援し、退院への不安の軽減や退院に向けた動機づけを行う。また、地域で生活する精神障害者の病状悪化等を未然に防ぐために、休息を目的としてショートステイを実施する。 (※2)新型コロナウイルス感染症に係る障害福祉サービス等事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00097.html 【みのり荘】 交流室にアルコールの手指消毒と 透明なパーテーションを設置 【東社協発】 東社協 新会員のご紹介 ▽東京都高齢者福祉施設協議会 南麻布シニアガーデンアリス/八王子市地域包括支援センター大和田/羽村市地域包括支援センターあゆみ ▽東京都介護保険居宅事業者連絡会 小規模多機能学園通り/デイホーム リハビリくらぶ/プロケア ▽知的発達障害部会 リンクス椚田 ▽保育部会 ナーサリー糀谷/船堀ちとせ保育園/にじのこ保育園/東玉川善隣保育園/吉祥寺きらめき保育園/あゆみ保育園/(仮称)ウィズブック保育園六本木 ▽住民参加型たすけあい活動部会 有償家事援助あいあいサービス ▽情報連絡会員 いっといっぽ下落合教室/敷根わらべ保育園/みつば保育園/マッチ相談支援ステーション/ウィズブック保育園八事/ウィズブック保育園大手/ウィズブック保育園青木町/松山ハイツ/イーストヒルズ笹山/レオハイム若松/ひなげしの郷下妻/ベル101/クラニア戸塚台/青梅市子育て支援センターはぐはぐ/子育てひろばにこにこ/おひさま広場/niima/ソルフェジオ ▽賛助会員 東洋羽毛首都圏販売株式会社 第69回東京都社会福祉大会表彰式典は 中止いたします  東京都、東京都共同募金会、東京都社会福祉協議会で共催する、第69回東京都社会福祉大会は、新型コロナウイルス感染拡大の状況をふまえ、表彰式典の開催を中止いたします。  なお、東京の社会福祉に功績のあった個人・団体への表彰は例年どおり行います。今年度は654名53団体に対して、東京都社会福祉協議会会長表彰状・感謝状を贈呈します。東社協会長表彰・感謝の受賞者名と功績概要は、令和2年12月25日以降に本会ホームページに掲載いたします。 ▽問合せ 東京都社会福祉協議会 総務部 電話03(3268)7171 【寄附のカタチ】 東京善意銀行への寄附をご紹介します。(不定期掲載) 闘う姿の中に、励まし合う大切さを見た PURE-J女子プロレス  PURE-J女子プロレスでは、試合のたびに福祉施設の利用者を招いています。招待寄附を続けること4年。その理由を「私たちのできることで励ましたいし、来てもらえると私たちも励まされるから」(Leon選手)と話します。  コロナ禍で先が見通せない時期も、東京善意銀行に電話をくださるなど、選手たちは励まし続けることを忘れません。リングの向こうにいても、すぐそばにいる身近さを感じさせる選手たちは、今日も熱い闘いを繰り広げます。 PURE-J女子プロレスの7人のレスラーたち。 「招待後にいただく丁寧なお手紙がうれしい」と話すLeon選手(前列中央)。 東社協東京善意銀行では、社会福祉施設等への寄附のご相談を承っております。 ●千代田区神田駿河台1-8-11 東京YWCA会館3階  ☎03-5283-6890 zen-i@tcsw.tvac.or.jp 【アンテナ】〈11月30日(月)時点の情報です。感染症拡大防止のため、イベントが中止になる可能性があります。詳細は各団体にお問合わせください。〉 助成金 令和3年度住まいと コミュニティづくり活動助成 令和3年1月13日(水)必着 非営利団体が実施する今日の人口減少社会、少子高齢化社会等を背景にした住まいとコミュニティに関する課題に取り組む市民の自発的な地域づくり・住まいづくり活動で、地域住民が主体的に関わっている活動 上限120万円 所定の申請書と必要資料を郵送 (一財)ハウジングアンドコミュニティ財団 助成係 〒105-0014 港区芝2-31-19 バンザイビル7階 03-6453-9213 http://www.hc-zaidan.or.jp/program.html 令和2年度「継続助成(第2回)」 令和3年1月16日(土)消印有効 東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県に申請事業の拠点住所がある非営利団体等。中長期的視点において、より多くの障害児・者のQOL向上、社会課題の解決に寄与する事業で①1年以上3年以内に終了する事業(但し、物品購入や改修工事などを主とする短期的事業は不可)②助成決定以降、令和3年6月に事業を開始し、最長で令和6年5月までに終了する事業[事業テーマ]A:既存福祉サービスの強化 B:新規福祉サービスの創造 下限200万円、上限1,000万円※最長3年最大3,000万円 所定の申請書と必要書類を郵送 (公財)洲崎福祉財団 〒103-0022 中央区日本橋室町3-2-1 日本橋室町三井タワー15階 03-6870-2019 http://www.swf.or.jp/support2/index.html 講座・シンポジウム コロナ禍や災害による〈分断〉を 〈つながり〉に -社会福祉実践におけるICTの可能性と課題- 12月19日(土)14時~17時 オンライン(Webex EventsまたはZoomを予定) 無料 コロナ禍や災害などの災禍を見越した社会福祉実践におけるICT活用の先進事例の報告ほか インターネットのフォームより(当日参加も可)※開催日間近にホームぺージにて事前資料を配布予定(配布先URL:https://www.toyo.ac.jp/newslist/research/labo-center/cdws/newslist/) 日本地域福祉学会(一社)日本ソーシャルワーク教育学校連盟(ソ教連)気付 〒108-0075 港区港南4-7-8 都漁連水産会館5階 03-5495-9331 http://jracd.jp/ その他 -つながる・むきあう・ささえる- いのちを守る出前講座 11月1日(日)~令和3年4月30日(金)の間で相談により決定(1~2時間程度) 相談により決定 自死に関する統計データ分析、事例紹介、ゲートキーパーの役割、相談の受け方、多重債務、成年後見、LGBTなどに関する出前講座 講師派遣料は無料※会場設営等は申込者側で用意 所定の申請書類に必要事項を記入しFAXで申込 東京司法書士会事務局事業課 〒160-0003 東京都新宿区四谷本塩町4番37号 司法書士会館2階 03-3353-9191 03-3353-9239 https://www.tokyokai.jp/news/2020/10/post-371.html 【資料ガイド】 施策・会議資料 ■「今後の若年者雇用に関する研究会報告書」(厚生労働省/10月) ■東京都ひきこもりに係る支援協議会「中間とりまとめ」(都福祉保健局/10月) ■第2回「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会(ペーパーレス開催)」資料(厚生労働省/11月) ■令和2年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会資料(厚生労働省/11月) ■子ども家庭福祉に関し専門的な知識・技術を必要とする支援を行う者の資格の在り方その他資質の向上策に関するワーキンググループ(第8回)資料(厚生労働省/11月) ■新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議(第12回)配布資料(文部科学省/11月) ■バリアフリー法に基づく基本方針における次期目標について(最終とりまとめ)(国土交通省/11月) 調査結果 ■令和2年「就労条件総合調査」(厚生労働省/10月) ■新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)(厚生労働省/10月) ■「人口減少社会における医療・福祉の利用に関する意識調査」(厚生労働省/10月) ■令和元年度「介護給付費等実態統計」の結果(厚生労働省/11月) ■令和2年度大学等卒業予定者の就職内定状況(10月1日現在)(厚生労働省/11 月) ■第8回「21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)」(厚生労働省/11 月) ■第15回「中高年者縦断調査(中高年の生活に関する継続調査)」(厚生労働省/11 月) ■令和2年度地域と学校の連携・協働体制の実施・導入状況(文部科学省/11月) ■令和元年度東京都福祉保健基礎調査「都民の健康と医療に関する実態と意識」(都福祉保健局/11月) ■「都への提言、要望、相談等の状況2020」(令和元年度年次報告)(都生活文化局/11月) ■令和元年度に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について(都教育庁/11月) その他 ■「令和2年版厚生労働白書」(厚生労働省/10月) ■「令和2年版 過労死等防止対策白書」(厚生労働省/10月) ■「睡眠の質を上げてカラダもココロも健やかに」特設Webコンテンツ(厚生労働省/11月) ■「不妊に悩む方への特定治療支援事業」における指定医療機関リスト(厚生労働省/11月) ■「2020社会福祉の手引き」(都福祉保健局/11月) ■やさしい日本語 普及啓発動画(都生活文化局/11月) ■被災地復興支援映像「2020年と、その先の未来へ」(都オリンピック・パラリンピック準備局・都総務局/11月) ■「『苦情受付・解決状況』2019年度 都道府県運営適正化委員会 実績報告」(全国社会福祉協議会/11月) ■「権利擁護・虐待防止2020」(全国社会福祉協議会/11月) 【くらし】 自分が楽しまなければ 子どもたちの心は動かせない 授業を通して視覚障害者への 理解を広げたい 生まれつき視覚に障害がある成川さんは、足立区の小・中学校、高校に出向き、視覚障害者の日常生活について話をし、理解を広げる取組みをしています。話をする際に工夫していることや、今後の目標などについて伺いました。 私は年に数回、子どもたちの前で話をする機会に恵まれています。きっかけは、点訳依頼で定期的にお世話になっている足立区総合ボランティアセンターから「子どもたちの前でお話をしてみませんか」と依頼を受けたことからです。 視覚障害者に興味と関心をもってもらいたい 平成28年に初めて依頼を受けた時「ついに依頼が来た。嬉しい!」と思いました。子どもたちと関われることが嬉しかったし、何より自分の話に子どもたちがどれだけ関心をもってくれるのか知りたいと思っていたからです。 授業を行う際にねらいにしているのは〝生徒にも先生にも視覚障害者に興味と関心をもっていただく〟ということです。特に、子どもたちとのコミュニケーションを一番大切にしています。子どもたちには「目は見えないけど面白い人が来たぞ」と思ってもらいたいし、先生には私の話や子どもたちの様子を通して、視覚障害者のイメージを明るいものに変えてほしいと思っています。そのために、話の中で子どもたちに質問を投げかけたり、目隠しをした状態でペットボトルの水をコップに入れてもらうなど〝プチ視覚障害者〟を体験してもらったり、要所要所でゲーム性を取り入れたりと、子どもたちが飽きないよう、プログラムを組んでいます。子どもたちからは「楽しかった」「ためになった」などの声が聞かれています。 どの学校にも、同様のテーマでお話をしていますが、毎回違う事例をあげてお話をするよう心がけています。例えば、日常生活の工夫を話す時は今朝の出来事を織り交ぜます。それは、私自身が授業を楽しむためでもあります。毎回同じ話ばかりでは私自身が飽きてしまいますから。まずは自分が楽しまなければ、子どもたちの心を動かすことはできないと思っています。 授業は予定どおりにいかないから楽しい 授業中に「野菜を切ってみてください」や「点字を打ってみてください」など、先生や子どもたちから予定にないリクエストをいただくことがあります。予定にないリクエストは大歓迎です。なぜなら、私自身の新しい発見につながることがあるからです。「野菜を切ってください」とリクエストされ、じゃがいもの皮をピーラーで剥いていた時のことです。全て剥き終わったと判断し、子どもたちに「全て剥けていますか」と聞きました。すると子どもたちから「まだだよ。芽が取れてないよ」と言われました。そこで初めてピーラーでじゃがいもの芽が取れることを知りました。授業は予定どおりにいかないからこそ楽しさがあるのです。 これからも感謝の気持ちを大切にしながら活動を続けていきたい 子どもたちの前で話をするまでに、ボランティアセンターをはじめとする足立区社協の方や、学校の先生など沢山の方が事前に調整してくださっています。子どもたちの前で話をするきっかけをつくっていただく度に、感謝の気持ちで一杯になります。だからこそ、子どもたちにとっても、先生方にとっても、自分にとっても実りのある時間にしたいと思っています。 緊急事態宣言が発令され、世の中が新型コロナ一色になった頃「お話をする機会がなくなってしまうのかな」と思っていましたが、ご縁があり、東社協の「フクシを知ろう!なんでもセミナー」(※)の講師として、お話の機会をいただきました。これからも、機会がある限り、続けていきたいと思います。 今年は、新型コロナの状況を受けて、より多くのことができるよう、ガラケーからスマートフォンに切り替えました。月に2回程度あるスマホ教室に通いながら、現在は文字打ちの練習をしています。電話でのやりとりが主だった私にとって、大きな挑戦です。操作に慣れたらメールやLINE、ZOOMなど、時代に合わせたコミュニケーションの方法も取り入れていきたいと思っています。 新しい挑戦は、いくつになってもワクワクします。これからも、さまざまなことに挑戦していきたいと思っています。 (※)…都内の中学・高校を対象に、福祉の第一線で働く専門職等が介護・保育の魅力を伝える出前授業 成川 和孝さん 【本】 NEW    ふくしのしごとがわかる本 2021年版本冊子では、福祉の仕事に関する求人の現状や傾向、特徴をはじめ、高齢者・障害者・児童など分野ごとの福祉の仕事の内容、福祉の資格のほか、就職活動の実際、就職に関わる情報などを幅広く、また詳細に掲載しています。昨年度版を改訂した最新の2021年版です。福祉職場への就職をめざしている方、関心のある方はぜひご活用ください。 ◆規格 B5判/114頁 ◆発売日 2020.11.25 ◆880円(本体800円+税) 障害者総合支援法とは…〔改訂第3版〕 2018年4月に施行された「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」に対応し、2020年7月時点の内容について掲載しています。 法改正のポイントをふまえ、制度について、図表を交えながらわかりやすく解説しています。 ◆規格 A4判/32頁 ◆発売日 2020.10.1 ◆550円(本体500円+税) 高齢者や障害者などへのサポートマニュアル 〔改訂第2版第7刷〕 本書は、高齢者や障害者へ市民がサポートを行う際や企業の従業員が接する際に理解しておくべきことを掲載しています。高齢者や障害者に対する正しい知識や適切な接客・接遇技術を学ぶことで、全ての人が住みやすい社会につながるようご活用ください。◆規格 A5判/85頁 ◆発売日 2008.3.1 ◆1,047円(本体952円+税)