【表紙】 社会福祉NOW コロナ禍における福祉人材センター −福祉業界へ新たな求職者を迎えるために− トピックス 福祉この1年 み〜つけた 神楽坂で毎週木・金・土の夜に三日間だけ営業している【夜のパン屋さん】 〜有限会社ビッグイシュー日本の取組み〜 【連載】コロナ禍でも日常を守るために ~緊急事態宣言期間を中心とした福祉施設・事業所の取組み~ コロナ禍で産前・産後を一人で迎える女性を支える〜社会福祉法人慈愛会 慈愛寮 子どもと深く関わることを続ける〜舟渡小あいキッズ(運営:NPO法人シンフォニア) 長崎県 壱岐 百合若大臣の 鬼征伐伝説から生まれた鬼凧 今も伝統工芸品として人気を博している 【NOW】 コロナ禍における 福祉人材センター −福祉業界へ新たな求職者を迎えるために− 東京都福祉人材センターでは、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大に伴い、 令和2年4月7日に発令された緊急事態宣言後も窓口業務を継続しました。 新規求職者には福祉の未経験者も増えています(図)。 一方で、中止や縮小を余儀なくされた事業もありました。 今号では、コロナ禍におけるセンターの取組みから、新たな求職者の姿や 業界としてどのような発信をしていくべきかを考えます。  「コロナで離職。介護は求人が多いと聞いた。働きながら取れる資格もあるか?」(40歳代)、「会社を辞めた。もともと人と接する仕事、人の役に立つ仕事をしたかった。福祉への転職を検討しているが、業界のことがわからない」(30歳代)、「コロナで仕事がなくなった。長く続けられ、人の役に立つ仕事を探したい。医療職は働き始めるまでに時間もかかりそう」(40歳代)、「求職活動する中で福祉の求人に興味がわいた。具体的にはどんな仕事か?」(50歳代)、「自営業。コロナで仕事が減った。ヘルパーの資格はあるが、未経験。自分にできるだろうか」(40歳代)、「コロナで離職。お金を得るだけでなく、人の役に立つ仕事を探したい」(50歳代)、「接客の経験あり。障害のある知人がヘルパーに支えられて生活しているのを見て、そんな仕事をしてみたいと思った」(40歳代)、「福祉は未経験。興味はあるし、応募できそうな求人もあるが、一般的なイメージしかない」(30歳代)、「資料を見ても福祉の仕事はよくわからない。分野、資格、仕事内容について聞きたい」(30歳代)、「離職して知人の塾を手伝う中で子どもとふれあう仕事に興味がわいた」(40歳代)、「周囲から福祉の仕事に向いているのでは?と言われたので、話を聞きたい」(20歳代) コロナ禍で新たな求職者が増加 東京都福祉人材センター(以下、センター)では、緊急事態宣言後も感染予防の徹底に努めながら相談窓口を継続しましたが、当時、続けられなかった事業もありました。その一つは、センターのスタッフがハローワーク等へ出向く「出張相談」です。令和2年7月9日にようやく全面再開でき、その後は11月末までに51回(保育分野に特化したものを含めると75回)の出張相談を重ねた中での相談内容(一部加工)が冒頭の事例です。そこには、コロナ禍の求職者の姿を垣間見ることができます。相談者の7割近くが福祉の仕事は「未経験」。特に未経験者は、福祉の仕事に「長く続けられる」、「人の役に立つ」といった印象を持つ一方、「具体的にはどんな仕事か」、「自分にもできるだろうか」といった不安を持っていることがうかがえます。 同様の傾向は、他の事業でも見られます。「介護職員就業促進事業」は、離職者等が介護施設等に雇用されながら介護職員初任者研修等を受講し資格を取得することを支援する事業ですが、11月1日までの雇用者数は900名(以下、実績はいずれも「速報値」)で昨年度年間実績の1・4倍に増えています。また、介護職員初任者研修等の受講と資格取得後の就職を支援する「介護職員資格取得支援事業」でも、11月末時点の申込者数676名で昨年度の年間実績の548名をすでに上回るペースです。こうした事業のニーズが高まる背景に福祉への転職を考える現下の未経験者が「短期間での就職をめざしたい」、「できれば何らかの資格を取得しておきたい」と望んでいる様子もうかがえます。 また、「TOKYOチャレンジネット介護職支援コース」は、住居を失うおそれのある方に一時住宅等を提供しながら、介護職員初任者研修を受講していただき、介護職への就労を支援する事業ですが、今年度は、上半期の登録者が昨年度同時期の2倍近くの1・8倍に増えています。「就職への意欲」も高く、9割以上の方が実際に介護職に就きました。 登録者のうち、仕事を失ったり、収入が減少するなど「新型コロナの影響を受けた」方は64・6%です。前職は「飲食・調理」が20・3%と最も多く、「建築・土木」が13・9%、「運輸・配送」が11・4%と続きます。このように、飲食業など「人と関わる」仕事をされていた方が多いのも今年度の求職者に見られる特徴の一つです。 感染防止しながら地域密着相談面接会 センターでは、区市町村社協、地元自治体、ハローワーク等と共催し、地域内の事業所による「地域密着相談面接会」を今年度は28地域で32回開催する予定でした。身近な地域で各法人が出展するブースから具体的な話を聞くことのできる相談面接会です。けれども、感染拡大のため、6~8月に予定していた回をはじめ、8地域11回分を中止せざるを得ませんでした。 そうした中、地域の事業所から開催を望む声もあり、センターでは相談面接会を主催する区市町村社協から意見を聴きながら、開催に向けた『感染拡大防止ガイドライン』を7月に作成しました。これに基づき9月12日以降、12月末までに16地域で相談面接会を開催することができました。そのうちの2地域はオンラインでの実施です。今後の感染状況は予断を許しませんが、1月以降に開催予定の6回分についても引き続きガイドラインに基づき実施を予定しています。 すでに開催した地域では、1地域あたり平均68・5名の参加が得られています。ある地域の相談会では、主催した区市町村社協の職員は「感染防止を徹底するため準備は大変だったが、開催して良かった。思いのほか、福祉のしごとに興味を持ってくれる『未経験者』が地域にいて驚いている」と話してくれました。 体験型の事業の中止と代替の取組み センターでは、感染拡大に伴い12月に予定していた2回分の「福祉の職場体感見学ツアー」を中止しました。このツアーは少人数で施設・事業所を訪問し、先輩職員等からの話を聞く事業です。今年度は各回の定員を減らし、時間も短くするとともに、参加前2週間の健康管理票の提出を参加の条件とするなどの感染防止を徹底し、8〜11月に6回のツアーを開催してきました。毎回、定員を超える希望があり、参加者からは「実際の現場を見ることができて良かった」、「職場の雰囲気がよく分かった」といった声が聞かれます。参加者のうち「福祉の資格を何も持っていない」方は32・3%。一方、介護の基礎的な資格の一つである「介護職員初任者研修修了者」も36・9%の割合でした。このことからは、初任者研修等の資格を取った方でも具体的な職場を見学し雰囲気を知りたいというニーズもうかがえます。 今年度、センターで実施できた福祉施設・事業所を訪れる「体験型」の事業はこのツアーが唯一です。次世代に向けた「フクシを知ろう!おしごと体験」、一般大学生を対象にした「助成金付インターンシップ」等も中止となりました。 介護人材確保対策事業の「職場体験事業」は昨年度に805名が体験に臨みましたが、今年度は実施が叶いませんでした。また、113か所の保育所が夏休みに704名の高校生を受け入れる予定だった「高校生向け保育の仕事職場体験」も直前に中止せざるを得ませんでした。体験を楽しみにしていた高校生に向けて、受入れを予定していた保育所の方々がメッセージをくださりました。それをセンターでは『やっぱり保育園って素晴らしい!』と銘打ちホームページに掲載し、高校生たちに届けました。「会えるのを楽しみにしていた」、「機会があったら、ぜひ園へ遊びに来てください」。そんな温かいメッセージがあふれています。  福祉職場を知ってもらうために効果的な「体験型」の事業ができないことは大きな痛手です。センターでは、代替の取組みとして、福祉職場の様子を具体的に伝える「普及啓発動画」を制作する取組みをすすめています。また、「自己分析」「応募書類」「面接」をテーマにした就職支援セミナーや入門者向けセミナーを毎月、定員を縮小しながら開催していますが、より多くの方に届けられるよう、それらの内容を「ミニ動画」でホームページに掲載しています。 ●     ●     ● 近年、ネットによる求職活動が盛んになってきています。センターの「福祉のお仕事」サイトでも「ネットによる自主応募」が年々増加してきています。さらに、コロナ禍は情報の流れ方を大きく変えました。そうした変化もふまえ、センターでは、新たな求職者に対する情報発信の工夫に引き続き取り組んでいきます。 就職支援セミナー ミニ動画掲載サイト 福祉のしごと ミニセミナー動画サイト 保育の仕事職場体験 高校生のみなさんへ 感染防止対策に努めながらの地域密着相談面接会 【福祉この一年 2020】●:国  〇:全国の民間団体等  ■:東京都  ◆:都内区市町村  □:東社協 全国の動き(●、〇) 1月 ●厚労省は「児童養護施設入所児童等調査」の結果を公表。調査日(平成30年2月1日)時点で、現に委託されている里親家庭の総数は約4千216世帯で、平成25年の前回調査に比べ735世帯(21・1%)増加(31日) 2月 ●厚労省は、「帰国者・接触者外来」を医療機関に設置する等、新型コロナに対応した医療体制を整備するよう都道府県に通知(1日) ●厚労省は「障害児入所施設の在り方に関する検討会」の最終報告を公表。社会的養護等の動向等を考慮し、最大限の発達の保障等の、障害児入所施設改革に関する基本的視点や方向性等を示した(10日) ●厚労省は「体罰等によらない子育てのために〜みんなで育児を支える社会に〜」を公表(18日) ●政府は、新型コロナ感染リスクに備える観点から、全国の全ての小中学校、高等学校、特別支援学校に一斉の休校要請を行った(27日) ●厚労省・文科省・経産省は、企業が外国人留学生等の多様性に応じた採用選考等を実践するための「外国人留学生の採用や入社後の活躍に向けたハンドブック」を策定(28日) 3月 ●警視庁は「令和元年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況」を公表。配偶者などパートナーからの暴力は8万2千207件でDV防止法施行後最多(5日) ●「新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を施行する法律」が施行され、新型コロナが適用対象として暫定的に位置づけられた(14日) ●厚労省は「成年後見制度利用促進基本計画に係る中間検証報告書」を公表(17日) ●厚労省は保育所保育指針に合わせ「保育所における自己評価ガイドライン」を改訂(19日) 〇埼玉県は「ケアラー」の支援に関する施策の基本となる事項を定める「埼玉県ケアラー支援条例」を施行(31日) 4月 ●「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」が施行。75歳以上の高齢者に対する保健事業を区市町村が介護保険の地域支援事業等と一体的に実施できる枠組みを構築すること等が定められた(1日) ●「高等教育の修学支援新制度」が施行(1日) ●内閣府は「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」事務連絡を都道府県等に発出(7日) ●政府は、新型コロナについて、国民生活および国民経済に甚大な影響をおよぼすおそれがある事態が発生したと判断し、7都府県に「緊急事態宣言」を発出(7日) ●厚労省は「新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する厚生労働省対策推進本部」に「生活を守る」プロジェクトチームを設置(14日) ●緊急事態宣言の対象地域を全都道府県に拡大(16日) ●全国の労働金庫において、新型コロナに伴う特例貸付(緊急小口資金)の郵送受付を開始(30日〜9月30日) ●新型コロナ感染症緊急経済対策をふまえた令和2年度第1次補正予算成立(30日) 5月 ●総務省は「学校における専門スタッフ等の活用に関する調査」の結果を公表。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについて、専門職務に対する学校現場での理解や学校等との連携が不足しており、十分に活用されていないという実態が見られたことから、課題の把握および解決策の検討などの取組みを文科省に求めた(15日) ●日本郵政株式会社において、新型コロナに伴う特例貸付(緊急小口資金)の窓口受付を開始(28日〜9月30日) ●内閣府は「少子化社会対策大綱〜新しい令和の時代にふさわしい少子化対策へ〜」を策定。平成16年、22年、27年に続く第4次の大綱(29日) 6月 ●確定拠出年金の加入可能要件の見直し等を行う「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立(5日) ●「道路交通法の一部を改正する法律」が公布。一定の交通違反歴のある75歳以上を対象に運転免許証更新時に「運転技能検査」の受験を義務づけることが盛りこまれた(10日) ●「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」が公布。市町村の包括的な支援体制の構築の支援や介護サービス提供体制の整備の推進等が掲げられた(12日) ●新型コロナ感染症対策を柱とした第2次補正予算が成立(12日) ●厚労省は、生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金および総合支援資金の特例貸付の申請受付期間について、9月末まで延長すると通知を発出(15日) ●「バリアフリー法改正法」が一部施行。基本構想に「心のバリアフリー」に関する教育啓発特定事業等が位置づけられた(19日) ●厚労省は、各地域の実情に応じて感染防止に配慮しつつ、新たな方法やさまざまな工夫によって、つながりを継続・再開している事例を収集した「感染防止に配慮したつながり支援等の事例集」を公表(30日) ○スターバックス コーヒージャパン株式会社は、主なコミュニケーション手段として手話を使用し、運営する「スターバックス コーヒーnonowa国立店」をオープン(27日) 7月 ●令和2年7月豪雨が発生。7月3日から31日にかけて日本各地で豪雨となり、河川の氾濫等の甚大な被害が出た ●厚労省は「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会報告書」を公表(14日) ●文科省・厚労省は、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」を初めて策定(14日) ●厚労省は「2019年国民生活基礎調査」の結果を取りまとめた。単独世帯は1490万7千世帯、高齢者世帯は1487万8千世帯でともに過去最多(17日) ●厚労省は「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)」の結果を公表。東京都23区および指定都市で全国のホームレス数の8割弱を占めていることが分かった(22日) 8月 ●文科省は、新型コロナの影響により教育実習の科目の単位を修得できない学生等は、課程認定を受けた教育実習以外の科目の単位をあてることができるようにする「教育職員免許法施行規則等の一部を改正する省令」を施行(11日) ●厚労省は、10月からの令和2年度の地域別最低賃金額の改定額を取りまとめた。最低賃金の引き上げを行ったのは40県で、東京都は据え置きとなった(21日) ●国交省は「防災ポータル」をリニューアル。8言語に対応するなど在留外国人等のための防災情報の拡充等を図った(28日) 9月 ●総務省は、外国人住民の増加、多国籍化、デジタル化の進展、気象災害の激甚化といった社会経済情勢の変化をふまえ「地域における多文化共生推進プラン」を改訂(10日) ●厚労省は、高齢者本人や家族等が居宅においても健康を維持するため、安心して通いの場の活動を再開するために必要な情報を発信する「地域がいきいき 集まろう!通いの場」特設WEBサイトを公開(11日) ●厚労省は、緊急小口資金および総合支援資金の特例貸付の申請受付期間について、12月末まで延長すると発表(15日) ●厚労省は「令和元年 雇用動向調査」の結果を公表。入職率16・7%、離職率15・6%で7年連続の入職超過(30日) ○日本パラリンピック委員会は「東京2020パラリンピック競技大会」特設サイトを開設(23日) 10月 ●厚労省は「介護現場における感染対策の手引き(第1版)」を公開。介護現場で必要な感染症の知識や対応方法等を掲載(1日) ●厚労省は「令和元年度 国の機関等における障害者就労施設等からの調達実績」を取りまとめた。障害者就労施設等からの物品等の調達額は約193億円で平成25年の障害者優先調達推進法施行から6年連続で過去最高(29日) ●国交省は、車椅子利用者がグループで快適に旅行を楽しめるよう、新幹線に「車椅子用フリースペース」を導入するため、バリアフリー法に基づく移動等円滑化基準等を改正をすることを発表(30日) 11月 ●文科省は「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表。令和元年度のいじめの認知(発生)件数は61万2千496件で過去最多(13日) ●国交省は、バリアフリー法に基づく基本方針における次期目標の最終とりまとめを公表(20日) ●厚労省は「不妊に悩む方への特定治療支援事業」における指定医療機関リストを公表(20日) 12月 ●「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」を施行(1日) ●「労働者協同組合法」が成立(4日) ●「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」が閣議決定(8日) ●厚労省は、緊急小口資金および総合支援資金の特例貸付の申請受付期間について、令和3年3月末まで延長すると発表。生活困窮者住居確保給付金については、令和2年度中に新規申請して受給を開始した方に限り支給期間を最長で12か月間に延長できることとした(8日)  都内の動き(■、◆、□) 1月 ■都は「妊娠相談ほっとライン」に相談した方で、一人で医療機関を受診することに不安を抱える方等を対象に、産科等医療機関などへの同行支援を行う事業を開始(6日) ■都は、新型コロナ関連肺炎の患者発生をふまえて、都民の相談に対応する電話相談窓口を設置(29日) 2月 ■都は、小冊子「東日本大震災 復興への取組み 現地を知ることから復興支援を始めよう」を作成(6日) ■都は、新型コロナへの対応に関して国に緊急要望を実施(26日) ■都労働相談情報センターは、新型コロナに関連する休暇や休業の取り扱いや職場のハラスメント等についての相談の専用ダイヤルを設置(27日) □東京都高齢者福祉施設協議会 制度検討委員会は『令和元年度東京都内特別養護老人ホーム入所(居)待機者に関する実態調査 報告書』を発行(17日) □新型コロナの影響を受けて、東社協の業務の一部を縮小 3月 ■都は、都民のボランティア活動を応援するため多様な情報を一覧できるボランティア総合情報ポータルサイト「東京ボランティアポータル」を開設(19日) ■都は、高齢者や障害者など、誰にでもやさしい施設情報ポータルサイト「だれでも東京」を開設(27日) ■都は、多様な性についての理解をすすめていくため、啓発冊子「多様な性について知るBOOK」および「職員のための性自認及び性的指向に関するハンドブック」を作成(30日) □新型コロナに伴う特例貸付(緊急小口資金、総合支援資金)の申請の受付を開始(25日) □「生活困窮者支援における自立支援と地域づくりに関する調査報告書(概要版)」を掲載(31日) 4月 ■都は、政府の「緊急事態宣言」を受け、「新型コロナ感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等策」を取りまとめ、不要不急の外出自粛等を要請した(10日) ■都は、新型コロナ感染が疑われる聴覚障害者が安心して医療機関等を受診できる体制を整備するため、遠隔手話サービスを開始(28日) ◆江戸川区、世田谷区において、特別区で初めて児童相談所を設置(1日) □民法の一部改正に伴い生活福祉資金延滞利子を5%から3%へ見直し(1日) □生活福祉資金福祉費に長期訓練生活費が創設(1日) □東京ボランティア・市民活動センターは、新型コロナ感染拡大に伴い「居場所活動団体向けアンケート」を実施(10日〜17日) □「令和元年度東京都災害福祉広域支援ネットワーク取組報告」を掲載(23日) □オンラインによる会議、講演会等の順次導入 5月 ■都は、万引きなどの犯罪行為をしてしまう本人やその家族、関係者などを対象に「犯罪お悩みなんでも相談」窓口を設置(19日〜10月31日) □東京ボランティア・市民活動センターは、障害関係団体と企業が連携して取り組む「東京D&Iプロジェクト」の連携事例集を作成(1日) 6月 ■東京都若者総合相談センター「若ナビα」でLINE相談を開始(1日) ■◆都と足立区は、都営住宅の空き住戸を水害時の緊急避難先として活用する協定を締結(15日) ■都は、ソーシャルファームの創設および活動を支援するため「東京都ソーシャルファームの認証及び支援に関する指針」を策定(17日) □「新型コロナ感染拡大に伴う地域公益活動の状況把握調査結果」を掲載(15日) □東京ボランティア・市民活動センターは「ゆめ応援ファンド」について、新型コロナ対策により活動に影響を受けたボランティアグループ・市民活動団体向けの特別助成を実施。選考の結果、75団体への助成を決定(26日) □オンライン座談会「地域のきずなを守り、活かすために〜今、社協ができること」を開催(30日) □『児童福祉研究2020№28』を発行(30日) 7月 ■◆練馬区は、都と共同で「練馬区虐待対応拠点」を子ども家庭支援センター内に設置(13日) ■都は、「東京ボランティアポータル」内に「どこでも共助」特設サイトを開設。新しい日常の中でも参加しやすいボランティア活動や団体が活動を継続するための事例等について発信(20日) ◆荒川区子ども家庭総合センターが、児童相談業務を開始(1日) 8月 □東京ボランティア・市民活動センターは「新型コロナウイルス感染拡大防止下における災害ボランティアセンター設置・運営のガイドライン」を作成(7日) □東京ボランティア・市民活動センターは「〜地域のなかで、つながりを保ち続けよう〜新型コロナウイルスの影響下における、地域の居場所の大切なポイント」を作成(15日) □東京ボランティア・市民活動センターは、新型コロナ影響下でのボランティア活動について「ボランティア希望者に心がけていただきたいこと」「活動先(施設・団体)に配慮していただきたいこと」を作成(28日) □「地域のニーズにこたえる・2〜社会福祉法人の地域ネットワークによる地域公益活動 取組み事例集〜」を発行(31日) □東京ボランティア・市民活動センターは「新型コロナウイルスとボランティア・市民活動 〜無理なく、活動を続けるために〜」を作成(6日) □東京都地域公益活動推進協議会は「コロナ禍の地域公益活動を考える オンライン実践発表会」を開催(7日) □『母子福祉部会紀要 №13(令和元年度)社会的養護の担い手としての母子生活支援施設の役割と課題』を発行(7日) □令和2年7月豪雨に伴う都内避難者への緊急小口資金(災害時特例貸付)を開始(11日) □オンラインセミナー「ウィズコロナにおける社協の地域づくり第1弾〜感染防止と活動の再開に向けて〜」を開催(18日) 9月 ■都教育委員会は、令和3年度からどの都立高校に進学しても、発達障害等のある生徒が特別な指導を受けられる環境を整備すると発表(24日) ■都は、「就職氷河期世代特別支援窓口」を東京しごとセンターおよび東京しごとセンター多摩に開設(30日) ■都は、東京しごとセンターに就労することが困難な方への支援を専門的に実施する「専門サポートコーナー」を開設(30日) □『社会福祉法人のための規程集 役員会等運営の実務編』を発行(2日) □東京都福祉人材センターは「感染拡大防止ガイドライン」を作成し、「地域密着相談面接会」を順次開催(12日〜) □「障害者支援施設等における新型コロナウイルス感染症の集団発生時の職員応援派遣体制の確保事業」を実施(24日) □『令和2年版 社会福祉法人会計の実務 第1編 月次編』を発行(25日) 10月 ■都は、カード形式の障害者手帳の交付申請の受付を開始(1日) ■都は、犯罪被害者等が被害後に直面する経済的な負担を軽減し、日常生活や社会生活等の早期回復を図ることを目的に「東京都犯罪被害者等見舞金給付制度」を開始(1日) ■都は、ひとり親家庭がより身近な場所で相談できるよう、これまで区部に設置していた拠点に加え、多摩地域に「はあと多摩」を開設(1日) ◆世田谷区は、「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」を施行(1日) ◆練馬区は、LINEを活用した「保活(保育園に子どもを入園させるための活動)支援サービス」の提供を全国で初めて開始(13日) □『障害者総合支援法とは・・・〔改訂第3版〕』を発行(2日) □「高齢者福祉施設における新型コロナ感染症発生時の応援職員派遣の調整事業」を実施(23日) 11月 ■都は、世界初の男女平等参画のための都市間ネットワーク(CHANGE)において共同設立都市となった(24日) ◆足立区総合スポーツセンターにバリアフリー対応で誰もが気軽に利用できる「スペシャルクライフコート」がアジア圏で初めてオープン(1日) ◆中野区は「若年性認知症相談窓口」を開設(2日) ◆八王子市は「八王子市若者総合相談センター」を開設。義務教育終了以降の15歳から39歳までの方およびその家族等が利用できる(4日) □東京都福祉人材センター研修室では収録型WEB研修を開始(4日) 12月 □オンラインセミナー『ウィズコロナにおける社協の地域づくり第2弾「コロナ禍に負けない!明日につなげる、地域のつながりづくり」〜新しいつながりの推進と社協に求められること〜』を実施(1日) □地域づくりをすすめるコーディネーターが大切にしたいことを言語化した冊子「すすめ!コーディネーター」を作成(14日) □東京都地域公益活動推進協議会は「コロナ禍の福祉避難所について考える研修会」を開催(14日) 【み〜つけた】 神楽坂で毎週木・金・土の夜に 三日間だけ営業している 【夜のパン屋さん】 〜有限会社ビッグイシュー日本の取組み〜 東京メトロ東西線の神楽坂駅を出てすぐにある書店「かもめブックス」の軒先で、木金土の週3日だけ19時半になると「夜のパン屋さん」が開店します。夕方になると、このパン屋さんを主宰している有限会社ビッグイシュー日本(以下、ビッグイシュー日本)のスタッフと販売員の方たちが販売用のテーブルを組み立て、そこにおしゃれなテーブルクロスを敷いて籠を置き、たくさんのパンを並べ始めます。やがて、店の脇には、ここのパンを楽しみにしている方たちの行列ができはじめ、開店時間を待っていました。 雑誌販売以外の仕事を つくろう ビッグイシュー日本は、ホームレスや生活困窮の方たちに、雑誌「ビッグイシュー」の路上販売という仕事を通して社会参加と収入を得られるようにする、自立のための支援活動を続けています。今年、ビッグイシュー日本に篤志家の方から、「持続可能な循環型事業のために」と寄附の申し出がありました。具体的にどのような事業を展開すれば良いか、料理研究家でNPO法人ビッグイシュー基金の共同代表を務めている枝元なほみさんと共に検討が始まりました。枝元さんは雑誌「ビッグイシュー」に料理記事を連載していることが縁で、自身も雑誌の路上販売をするなどビッグイシュー日本の活動に深く関わっています。 新たな事業の検討にあたってはいくつものキーワードが浮かび上がってきました。「つながりをつくり直すための事業」「元気をつくるための事業」「すぐにできる仕事」「食品ロスをなくす取組み」・・・、これらのことを総合して、北海道のあるパン屋さんの食品ロスをなくす取組みを参考に事業を組み立てることになりました。都内のこだわりのパン屋さんからその日の余剰分のパンを夕方までに仕入れて、日替わりでいろいろなお店のパンを楽しむことができる「夜のパン屋さん」プロジェクトが動き出しました。 当初はキッチンカーによる移動販売を考えていましたが、「継続的な運営のためには販売拠点が必要」、と協力者を探すアンテナを張りめぐらせていました。そのような中、枝元さんと共通の知人を通して協力依頼を受けた(株)鷗来堂の代表、栁下恭平さんが、自社が経営している神楽坂の書店「かもめブックス」の軒先を「使ってください」と申し出てくれました。これでビッグイシュー日本の事務局(新宿区)の近くに販売拠点を確保することができました。 【夜のパン屋さん】オープン 令和2年10月、「夜のパン屋さん」がオープンしました。 週3日夜2時間だけの販売にしたことで、販売員は、日中は雑誌、夜はパン屋さんの販売、と仕事を両立できるようにしました。コロナ禍のもと、衛生管理にも注意を払っています。評判は上々で、毎回あっという間に完売です。 枝元さんは、「食品ロス削減のために処分前のパンを売っているつもりもない。それぞれのパン屋さんが丹精込めてつくったパンを適正な価格で仕入れて、ここに来てくれているお客様に届けるのが私たちの仕事」と話します。さらに、「短時間の販売なので販売員の方たちにとって大きな収入にはならないが、仕入先のパン屋さんや関係者とのつながりも出てきている。これだけ多くの方が楽しみにして並んでくれているのを見るとやりがいを感じられる。事業検討時のキーワードを活かしたこのやり方を大切に続けていきたい」と話します。 生活支援のための接点にしたい 枝元さんは、「ここを本店にして夜のパン屋さん事業を拡げていけたらいいと思っている。そして、住むところがないとか生活困窮・貧困でつらい思いをしていてどこに相談すればいいのかわからなくなっている人たちと、このパン屋さんが接点の場になれるようにしていきたい」と、今後の事業展開を見据えていました。 夜のパン屋さん 開店時間:毎週木・金・土曜日 19:30~売り切れ次第終了 アクセス:東京メトロ東西線「神楽坂駅」 矢来口より徒歩0.5分 東京都新宿区矢来町123 第一矢来ビル1階 「かもめブックス」の軒先 Facebook:https://www.facebook.com/yorupan2020 都内のパン屋さんから仕入れたたくさんのパン 「夜のパン屋さん」開店前の準備の様子 左:NPO法人ビッグイシュー基金 共同代表 枝元なほみさん 右:有限会社ビッグイシュー日本 佐野未来さん 【連載】6 コロナ禍でも日常を守るために ~緊急事態宣言期間を中心とした福祉施設・事業所の取組み~  新型コロナ感染拡大の影響により、福祉施設・事業所には利用者の命・生活、職員の安心・安全を守るため、これまで以上に厳しい感染症対策が求められています。特に国による緊急事態宣言および東京都による緊急事態措置期間中(令和2年4月7日~5月25日)は、各施設等において新たな感染症に配慮しつつ、利用者の日常をいかに守るか苦心し、工夫を重ねていた時期でした。  緊急事態宣言期間を中心に、福祉施設・事業所が未知の感染症にどのように向き合い、利用者の生活を守る工夫や取組みをしてきたのかを発信していきます。今回は、婦人保護施設と、板橋区放課後対策事業「あいキッズ」を取材しました。 *今回、紹介する事例のさらに詳しい内容は、本会の「ふくし実践事例ポータル」でご覧になれます。 (http://fukushi-portal.tokyo/) コロナ禍で産前・産後を 一人で迎える女性を支える 〜社会福祉法人慈愛会 慈愛寮  婦人保護施設は、売春防止法(以下、売防法)に基づく自治体任意設置の施設です。平成13年より、根拠法にDV防止法も上乗せされています。全国に47か所、うち都内に5か所設置されています。都道府県に1か所ずつ設置された婦人相談所を通じて、措置が決定された女性が入所します。  利用者の多くはDVや生活困窮、頼れる親族等がいないこと等を措置の理由とする方です。売防法に関連した方も、家庭崩壊等で居場所がなく、経済的にも選択肢がない中で性風俗業に就いた場合が少なくありません。措置理由を問わず、多くの方が暴力被害の経験者でもあります。 周産期に特化した施設として  慈愛寮は全国で唯一、周産期に特化した婦人保護施設です。さまざまな理由から一人で産前産後の時を過ごす女性を支援しています。母子40人定員です。平均的な利用期間は、産前1か月から産後2、3か月頃までの約3、4か月間です。この間、利用者は無償で生活の場や食事、日用品購入費等の提供を受けます。また、出産や育児、生活全般の助言や支援を受け、退所後の地域生活に向けた準備をしていきます。 妊産婦と新生児を守るために  慈愛寮は、感染症へのリスクが高い妊産婦と新生児が生活する場です。そのため居室は個室とし、日頃から感染症予防対策を徹底してきました。しかし新型コロナ対策は、情報を集めつつ手探りですすめてきました。  まず3月に緊急職員会議を開き、「新型コロナ対策ガイドライン」を作成しました。併せて気になることや提案を書き込めるボードを設置し、全職員が気づきを積極的に記入できるようにしました。記入された内容はすぐに職員間で協議、情報収集し、必要な場合には嘱託医にも電話相談するなどして随時対応を更新し、可能な限り対策をはかってきました。  今年は、衛生管理向上と器具入れ替えのため、厨房・食堂の改修工事を予定していました。緊急事態宣言期間と重なった5月から約2か月の工事期間中は、会議室等を食堂代わりに使用し、弁当を3食提供しました。工事終了後、食堂は個別の小テーブルに買い替え、密を避けて食事ができるようにしています。  また、ラウンジには夜間の授乳時等にリラックスして過ごせるようソファを設置していましたが、現在はそれをしまい、少人数のプログラム実施のために使用するスペースにしています。代わりに、居室で過ごす「ステイルーム」の時間を楽しめるように、DVDプレーヤーを各居室用に購入し、レンタルDVDコーナーをつくるなど、工夫しています。  施設長の熊谷真弓さんは「利用者に不自由をお願いすることになるが、命を守ることを第一とした。『ステイルーム』の趣旨をお話しし、個別中心の支援、三密を避けたプログラムを工夫した」と言います。 不安や孤独の解消に向けた支援  入所型施設は、設備や環境自体、利用者が集まり交流できるようつくられています。慈愛寮も、交流スペースを備え、手芸やヨガ、ベビーマッサージなどのプログラムや産婦人科医や小児科医、弁護士による講座等を実施しています。これらを通じ、オープンな育児支援を行い、利用者同士や職員との交流を促してきました。また、退所者への支援として、月一回、退所者専用スペースで母子10組の交流会も行ってきました。  コロナ禍では集合型プログラムは一時休止したり、内容に応じ時間短縮して各回の参加人数を減らし、二部制にするなどして実施しています。  熊谷さんは「地域で生きていくには、他者と適切な関係を築く力が必要。今は制限が多い状況だが、多職種の職員がそれぞれの専門性を活かし、不安や孤独感の軽減と今できる交流の提供のため、一対一でのフォローや個別対応プログラムに丁寧に取り組んできた」と語ります。  また今年、新型コロナの感染防止のため、全トイレへの蓋つき便座と、全居室内への洗える畳の設置が行えました。新型コロナ対策の補助金※1を婦人保護施設も活用できるよう他施設と要望し、補助対象とされ実現したものです。熊谷さんは「コロナ禍では生活不安等からのDVや困窮の増加を実感している。この困難を共に乗り越えてきた職員や他施設等との連携のもと、今後も女性と子どもたちを守り、自立支援に取り組みたい」と話されました。 子どもと深く関わることを 続ける 〜舟渡小あいキッズ (運営:NPO法人シンフォニア) 「あいキッズ」について  板橋区放課後対策事業「あいキッズ」は区内の小学生を対象に、授業終了後、各学校内で楽しく安全に過ごすことのできる放課後の居場所を提供する事業です。全児童を対象とする「放課後子ども教室事業」と就労家庭等の児童を対象とする「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)」とを一体に運営しています。  NPO法人シンフォニアでは、区より「舟渡小あいキッズ」を受託し運営しています。授業終了後に学習や遊びのほか、職員が指導役となり、学習支援活動やスポーツ、折り紙、ゲームクラブなどの活動を実施しています。その他に、区が推進する地域サポーター事業※2として、地域の方が読み聞かせや工作教室等の活動にボランティアで協力しています。  新型コロナの影響が出る以前は、日によって170名の児童が利用することもありました。 「あいキッズ」の利用制限  新型コロナへの対策については区の指示に従って対応しました。同法人では緊急事態宣言が出た場合の勤務体制を事前に確認し、勤務できないという職員がいなかったため体制を維持することができました。  令和2年3月以降の一斉休校に伴い、あいキッズは朝から開所することとなりましたが、区の方針により利用制限がかかり、舟渡小あいキッズに来るのは20人程度でした。責任者の太田幸一さんは「新入生保護者会もできず、特に新一年生の保護者は不安に思いながら子どもを連れてくるという状況だった。しかし、少人数の利用で職員がしっかりと関われたため、子どもたちは落ち着いて過ごしていた」と振り返ります。  クラブや学習支援活動、地域サポーター事業は中止となりました。また、できる限り〝密〟を避ける必要があったため、卓上の仕切りを手作りするなど工夫しました。感染対策については、子どもたちもさまざまな場面で言われていたため、違和感なく徹底することができました。  子どもたちは、休校中に学校から出された課題に取り組むなどして過ごしました。太田さんは「少しでも子どもたちに安心して楽しんでもらう役割が私たちにはあると感じた。感染対策しながら小さなイベントを工夫して実施したり、外でブルーシートを敷いてお弁当を食べたりもした」と話します。  職員も交代で在宅勤務を行い、講習の動画の視聴や、折り紙などのプログラムの練習をするなどしました。同法人理事長の山下真由美さんは「在宅勤務は職員のスキルアップにつながった」と話します。 学校が再開してから  学校は6月1日から分散登校、22日から全面再開し、あいキッズの利用制限も一部解除されて70名程度が利用するようになりました。「学校が再開して友達関係が変わったり、悩んだりする子もいた。例年なら4月にある光景が6月に後ろ倒しになった印象」と太田さんは言います。  コロナ禍で工夫してクラブやイベントを実施したところ、子どもたちの活動にも変化が出てきました。例えば、大勢で野球をする代わりにキャッチボールを始めたところ今まで参加したことのなかった子どもたちが参加し始めたり、〝密〟を避けてできることを考えて始めたバドミントンの活動が定着してきています。  また、保護者会ができないため、毎月のおたよりの中で子どもたちの様子を伝えています。山下さんは「コロナ禍で子どもたちがどう過ごしているかは保護者の一番の関心事。おたよりに載せることで保護者に安心してもらえている」と話します。 深く関わることを続ける  山下さんは「コロナ禍では大変なこともあったが、子どもたちとの関わり方の変化や在宅勤務でのスキルアップなどポジティブな部分もたくさんあった」と強調します。そして、太田さんは「この一年は子どもたちの成長が特によく見えた。利用人数が減り、子どもたちとより深く関わるようになり、それを現在も続けられている。利用制限がさらに解除され、人数が多くなった場合に、今の深い関わり方をどのように維持していくかがこれからの目標となる」と今後について話します。 ※1 「児童養護施設等の生活向上のための環境改善事業補助金」 ※2 「地域の子どもは地域が育てる」という『いたばし学び支援プラン』の理念に基づく https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kyoikuiinkai/houshin/vision/index.html 【慈愛寮】 改修後の食堂。 母子1組ごとに間隔をあけて 座席を配置。 季節の飾りつけを工夫。 【舟渡小あいキッズ】 距離をとりながら、 外でお弁当を食べました。 【東社協発】 案 内 令和2年度 地域福祉フォーラム 東京力×無限大  東社協では、小地域福祉活動の推進を目的に、「令和2年度地域福祉フォーラム 東京力×無限大」を開催します。  今年度は、松端克文さん(武庫川女子大学文学部心理・社会福祉学科教授)の基調講演と8050問題に関するシンポジウムから、コロナ禍での地域づくりを考えます。 ▽日 時 3月7日(日)14時~16時30分 ▽開催方法 オンラインと会場(飯田橋セントラルプラザ)※会場には定員があります。また、オンラインのみの開催となる場合や、講師・登壇者がオンラインでの参加になる場合、あるいは中止になる場合がありますのでご了承ください。 ▽参加費 無料 ▽対 象 地域福祉に関心のある方 ▽参加申込 1月中旬ごろから東社協ホームページに掲載  みなさまのご参加をお待ちしています。 案 内 市民社会をつくるボランタリーフォーラム TOKYO2021を開催します  コロナ禍での地域社会、子ども、貧困、障害など、今、社会で起こっているさまざまな課題を取り上げ、その解決に向けて、わたしたち市民にできることを一緒に考えるイベントを開催します。 ▽日 時 2月12日(金)〜14日(日) ▽開催方法 会場(飯田橋セントラルプラザ)およびオンライン(Zoom) ▽参加費 1分科会につき1千円/ 高校生以下または18歳未満は無料 ▽内 容 多様なテーマで20の分科会を実施します。今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会場での参加人数を限定し、オンライン参加ができる分科会も計画しています。詳細は、フォーラム特設サイトをご覧ください。 ▽申込方法 フォーラム特設サイトより申込み ▽申込・問合せ先 東京ボランティア・市民活動センター  電話 03(3235)1171  FAX 03(3235)0050  フォーラム特設サイト  https://www.tvac.or.jp/vf/ 〈応募受付中〉ゆめ応援ファンド助成 都内におけるボランティア・市民活動の開発・発展を通じて市民社会の創造をめざすために、必要な資金の助成を行います。 ▷対象:①ボランティア・市民活動団体、②①の活動を推進している民間非営利団体 ▷助成金額:①A単年度助成は上限50万円、②B継続助成は1年につき上限50万円(3年間助成)、③C特別助成は上限5万円(①、②との同時申請が可能) ▷助成内容:A・Bについて①学習会・研修会の開催、②調査・研究の実施、③器具・器材の開発・購入、④市民への啓発、⑤先駆的・モデル的活動、⑥その他 Cについて新型コロナウィルス感染拡大の影響で必要となった下記に該当する費用。 (1)IT通信環境に関わる費用、(2)消耗品費(感染予防に関わる物品に限る)、 (3)会場費 ※A・B・Cともに、2021年4月1日以降に支払う費用が対象となります。 ▷申込方法:募集要項を入手し、申請書に必要事項を記入し、送付。申請書は都内のボランティア・市民活動センターや東京ボランティア・市民活動センターホームページ(ボラ市民ウェブ)で入手できます。 ▷申込締切:1月29日(金)消印有効 ▷申込・問合せ:東京ボランティア・市民活動センター 電話:03-3235-1171 https://www.tvac.or.jp/news/50554 【アンテナ】〈12月28(月)時点の情報です。感染症拡大防止のため、イベントが中止になる可能性があります。詳細は各団体にお問合わせください。〉 助成金 つながろう、心で 広げよう、笑顔の助け合い!「地域助け合い基金」でコロナ禍を乗り越えて共生社会へ 共生社会を推進するための助成として、地域で暮らす人同士の助け合い活動(つながりづくりを目的とした居場所や地域活動を含む)を対象とする。ただし、日本国内の活動に限る。 ※法人格の有無は不問 上限15万円 必要書類をメールまたは郵送にて送付 ※郵送の場合は事前に電話連絡が必要 (公財)さわやか福祉財団 〒105-0011 港区芝公園2-6-8 日本女子会館7階 03-5470-7751 tasukeai-kikin@sawayakazaidan.or.jp https://www.sawayakazaidan.or.jp/ 第10回 杉浦地域医療振興助成 (1)研究分野 「地域包括ケアの実現」「健康寿命の延伸」に関する研究で実際に行っており、効果を検証しようとしているもの。多職種協働の範囲として、行政・非営利団体・企業等との連携も可 上限200万円 (2)活動分野 「地域包括ケアの実現」「健康寿命の延伸」に関する住民参加型の活動で、既に行っている、またはこれから行おうとしているもの。多職種協働の範囲として、行政・非営利団体・企業等との連携も可 上限50万円 (1)(2)共通 2月28日(日) ホームページにて必要書類をアップロード (公財)杉浦記念財団 〒474-0011 愛知県大府市横根町新江62-1 0562-45-2731 https://sugi-zaidan.jp/smf/reward-new/ 講座・シンポジウム 【オンライン】新型コロナウイルス感染症影響下の地域における活動 ~組織の枠を超えた医療生協の取り組み事例から~ 1月21日(木)13時半~15時50分 無料 医療生活協同組合に関わる2つの事例報告「旭おらんく広場での組合員と地域との連携ですすめる場づくり・健康づくりの実践」「みやまえの家での子ども食堂の活動について」 生協の役職員・組合員、各種協同組合の関係者や研究者、地域における多様な支えあいの活動に興味がある方 申込フォーム(https://business.form-mailer.jp/fms/116b 606d132728)または所定の申込書をFAXかメールにて送付 1月15日(金) (公財)生協総合研究所 03-5216-6025 03-5216-6030 ccij@jccu.coop https://ccij.jp/ 【オンライン】第14回福祉教育研究フォーラム “つながる”福祉教育を考える 2月13日(土)13時~16時半 300名 ※応募者多数の場合は先着順 シンポジウム「青年期の福祉教育の学びを考える」、ブレイクアウトセッション「コロナ禍における福祉教育実践~実習・演習を中心に~」、基調報告「ソーシャルワーク資格のカリキュラム改訂が求めること」 ホームページまたはメールにて 2月1日(月) 日本福祉大学 福祉教育研究フォーラム係 052-242-3045 forum20@ml.n-fukushi.ac.jp https://www.n-fukushi.ac.jp/ 【オンデマンド配信】新型コロナウイルス感染症対策に関する高齢者施設向けセミナー 配信期間:3月31日(水)18時まで 無料 講演「施設内感染を防止するための注意点」、事例報告「その時、どう対応するか?事例に学ぶ感染症対策」、座談会「そこが知りたい!withコロナ時代の新しい介護」 都内の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム等高齢者施設の職員 URL(https://stopcovid19-tokyo.com/)またはホームページ内のQRコードにて (株)日本医療企画 03-3553-2885 [主催]東京都福祉保健局高齢社会対策部施設支援課施設運営担当 03-5320-4264 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/shisetu/webseminor.html 【資料ガイド】 施策・会議資料 ■「社会保障に係る資格におけるマイナンバー制度利活用に関する検討会(第2回)」資料(厚生労働省/11月) ■成年後見制度における市町村長申立に関する実務者協議資料(2回目)(厚生労働省/11月) ■子ども家庭福祉に関し専門的な知識・技術を必要とする支援を行う者の資格の在り方その他資質の向上策に関するワーキンググループ(第8回) 資料(厚生労働省/11月) ■第196回社会保障審議会介護給付費分科会(WEB会議) 資料(厚生労働省/12月) ■第6回健康・医療・介護情報利活用検討会、第5回医療等情報利活用WG及び第3回健診等情報利活用WG 資料(厚生労働省/12月) ■第3回「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」資料(厚生労働省/12月) ■第102回労働政策審議会障害者雇用分科会 資料(厚生労働省/12月) ■介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定について(厚生労働省/12月) ■第13回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」資料(厚生労働省/12月) ■第6回 生活保護基準の新たな検証手法の開発等に関する検討会 資料(厚生労働省/12月) 調査結果 ■第15回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況(厚生労働省/11月) ■第8回21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)の概況(厚生労働省/11月) ■令和元年東京都人口動態統計年報(確定数)(都福祉保健局/12月) ■令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」(厚生労働省/12月) ■「要保護児童の社会的養護に関する実態調査」結果(総務省/12月) ■令和2年夏期 路上生活者概数調査の結果(都福祉保健局/12月) ■国の資格の更新等に伴う講習・研修等の見直しに関する実態調査(総務省/12月) ■令和2年労働組合基礎調査の概況(厚生労働省/12月) その他 ■ひとり親家庭向けポータルサイト(都福祉保健局/11月) ■医療的ケアを必要とする幼児児童生徒が在籍する学校における留意事項(改訂版)(文部科学省/12月) ■相談支援や生活保護などの生活支援のご案内(厚生労働省/12月) 【本】 NEW 介護等体験マニュアルノート 〔2020年12月改訂版〕 本書は毎年改訂発行する「介護等体験マニュアルノート」の2020年改訂版です。今回の最新版では、小中学校教諭の普通免許状取得の必須要件である「介護等体験」の事前学習のポイントやコロナ禍での健康管理の参考様式を掲載いたしました。その他の内容やワークシートも最新版に更新しています。介護等体験の事前・事後の学習にお役立てください。 ◆規格 A4判/67頁(ファイル付) ◆発売日 2020.12.16 ◆本体 700円(636円+税) ふくしのしごとがわかる本 2021年版 本書は、福祉職場への就職をめざしている方を対象に、福祉の仕事には主にどのようなものがあり、仕事をする上でどのような資格や要件が必要なのか、就職活動をどのようにすすめたらよいのかについてまとめています。福祉職場への就職をめざしている方、関心のある方はぜひご活用ください。 ◆規格 B5判/114頁 ◆発売日 2020.11.25 ◆本体 880円(800円+税) 【DVD】実りある5日間へ ~社会福祉施設での介護等体験~ 介護等体験の実際を映像でまとめました。教員になられた方や学生のインタビューを交え、各施設での介護等体験を理解していただけるものになっています。「介護等体験マニュアルノート」と合わせてご活用下さい。約30分の内容が収録されています。 ◆発売日 2011.3.1 ◆本体 2,096円(1,905円+税) 【くらし】 校閲の技術で世界から ミスリードをなくしたい かもめブックスは、校閲を専門とする株式会社鷗来堂(以下、鷗来堂)が平成26年に開いた本屋です。令和2年10月から(有)ビッグイシュー日本の「夜のパン屋さん」プロジェクトに協力し、販売拠点として軒先を貸しています。鷗来堂の代表 栁下恭平さんにお話を伺いました。 神楽坂の本屋がなくなることにびっくりした 私はこれまで出版業界で働いており、平成18年に校閲を専門とする鷗来堂を立ち上げました。鷗来堂も、かもめブックスも、神楽坂駅を出てすぐのところにあります。 現在「かもめブックス」がある場所には、「文鳥堂」という本屋がありました。平成26年のある日、出勤する時に文鳥堂の前を通ったらシャッターがおりていました。「いつもなら開いている時間なのに」と思い、見てみると、閉店のお知らせがありました。全国で本屋が閉店しているという話は常に耳にしていましたが、出版社や本屋の多い神楽坂の文鳥堂がなくなった、ということにとても驚きました。 特に文鳥堂のあった場所は60年以上本屋があり、神楽坂のランドマークのようなところでした。そのため、今度は私がその場所で本屋を始めることにしたのです。 お土産代わりに本を買ってもらえる本屋に 出版業界だけではありませんが、少子化など業界を取り巻く環境は厳しいものがあります。その中で「普段本を読まない人に本を買ってもらうにはどうすれば良いだろう」と考えました。 そこで、大手書店や通販と違った小さな街の本屋として、「知らない本を見つけるためのツール」「気軽に出入りしてお土産代わりに本を買ってもらうこと」をコンセプトとしました。 店舗が南向きのため本が日焼けしてしまうので、通りに面したところをカフェにすることにしました。カフェを併設することで、本屋もカフェのように毎日使ってもらいやすいと思ったのも理由の一つです。店内の奥にはギャラリーを設置し、展示が変わるたびに店内の雰囲気が変わります。 校閲は誤解なく伝えることが仕事 新型コロナ等で、世の中に鬱積がたまっているのを感じます。鷗来堂では、本屋も運営していますが、本業は校閲です。校閲は、誤記の修正だけでなく、差別語、不快表現を使わずに、情報を誤解なく、正確に伝えるようにすることが仕事です。校閲という技術で世界からミスリードをなくしたいと思っています。 本屋の軒先でパン屋さん 令和2年10月から、かもめブックスの軒先で週3日夜の時間帯にビッグイシュー日本が行う「夜のパン屋さん」が開店しています。 それまでビッグイシュー日本とはお付き合いはありませんでしたが、ビッグイシュー編集部が飯田橋にあるため、お互いの存在は何となく知っていました。「夜のパン屋さん」プロジェクトを中心に担っている枝元なほみさんを知人から紹介され、「軒先くらいどうぞ」ということでお貸ししています。(※今号7頁「み~つけた」参照) 満腹になるということは 誰にとっても変わらない 私は、昔から本や仕事を通して、SDGsや公共のことに関心がありました。 最近、ご飯を食べていたある時、ふと「お金は概念だけど、満腹になるということは誰にとっても変わらないのではないか」と思いました。「皆がお腹一杯食べられるようになれば、本を読むようになるかもしれない」、そう思ったのです。 また、今日のように不景気になると富裕層と貧困層の格差が広がっていく、現実問題として満足に食べられない人たちが増えてくるのではないか、と懸念しています。 これらのことから、フードロスをなくすことは大事だと思ったこともあり、「夜のパン屋さん」に協力しています。これからもできることを少しずつやっていきたいです。 株式会社鷗来堂 代表取締役社長 栁下 恭平さん かもめブックス 外観 かもめブックス 店内の様子 【年頭所感】 東京都社会福祉協議会 会長 木村 惠司 ゆるぎない 地域共生社会をめざして  新しい年の初めに皆様にご挨拶を申し上げます。  昨年は、新型コロナウイルス感染症の流行により、世界中が大きな影響を受けた年でした。とりわけ福祉領域への影響は大きく、いまだその収束は見えません。福祉施設・事業所では感染の不安を抱えながら、厳しい環境下で利用者や家族の命と生活を守るための取組みが続いています。地域では、社会・経済活動の制限により孤立や生活困窮の問題が大きくなっています。包括的支援体制の構築が求められるとともに、人と人との接触制限の中でどう孤立を防ぎ、つながりを保つかの模索が続けられています。  東社協の力もまた「つながり」です。このような時だからこそ、東社協は、知恵を出し合いネットワークの力を発揮していく必要があります。  東社協は本年1月8日に創立70年を迎えました。この70年の歴史は、都内公私の福祉関係者の皆様との協働の歴史でもあります。コロナ禍の今、改めて皆さまとともに、ゆるぎない地域共生社会をめざし、協働による取組みをすすめてまいります。  引き続き、ご支援をいただきますようお願い申し上げます。