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福祉広報 2014年5月 665号 テキストデータ

【もくじ】

社会福祉NOW

福祉サービス事業者に求められる
苦情解決・虐待防止への取組み

平成25年10月実施の
「苦情解決・虐待防止の取組状況調査」結果から
苦情解決の仕組みや虐待防止に関する
取組みについて紹介します。


トピックス
●特養ホームでなぜ虐待が起きるのか?
 背景と対策を考えるシンポジウム

地域の「みまもり」と「居場所づくり」②
●「おせっかいなまち・光が丘」冊子編集委員長
 木谷八士さん

明日の福祉を切り拓く
●社会福祉法人村山苑理事長
 品川卓正さん


千葉県 佐原市
江戸の文化を取り入れ水運を利用して栄えた佐原、
町並みは「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された。
昔からの家業を継ぐ商家も多く、子ども達も元気いっぱいだ。

 

【NOW】

福祉サービス事業者に求められる
 苦情解決・虐待防止への
取組み

東社協に設置された
福祉サービス運営適正化委員会では、
昨年10月、都内の福祉サービス事業所を対象に
「苦情解決・虐待防止の取組状況調査」を
実施しました。調査結果からは、苦情解決の
仕組みの整備は進んできているものの、
それがどれだけ有効に機能し活かされているのか、
疑問や課題も見えてきました。
また、虐待防止に関する取組みについても、
各事業所でかならずしも積極的な
取組みがなされているとはいえない現状が
浮き彫りになりました。

運営適正化委員会が実施した今回の調査は、特別養護老人ホームや障害者支援施設、児童養護施設などの入所系施設、保育所やデイサービスセンターなどの通所系施設のほか、認知症高齢者および障害者のグループホーム・ケアホームなど、約3千400か所を対象に実施しました。回収率は59%でした。
苦情解決責任者・受付担当者の
設置はほぼ100%

福祉サービス事業者には、利用者や家族等からの苦情に対して適切に解決するよう法的な義務が課されています(社会福祉法82条)。これに基づき厚生労働省は、事業者が採るべき苦情解決体制として、苦情解決責任者・苦情受付担当者・第三者委員の設置を提示しています。
アンケートでこれについて尋ねたところ、苦情解決責任者と苦情受付担当者の設置率はともに98%とほぼ100%に近かったものの、第三者委員については79%にとどまりました(図1)。
本来、利用者等からの苦情は事業者自らが解決を図ることが原則といえます。しかし実際には運営適正化委員会などの外部機関に苦情が寄せられることも珍しくなく、それは利用者等が「事業者による苦情対応では公正性や客観性を欠くため信頼できない」と感じていることの表れと考えられます。したがって事業者にはそうした利用者等の心情に配慮した苦情解決の仕組みを作ることが求められ、第三者委員はそのための有力な手法のひとつといえます。
そこで、第三者委員を設置していない事業所にその理由を尋ねた設問を見ると、「適切な委員の候補者が見つからない」(35%)が最も多くなっています。これに対し、実際に選任されている第三者委員の属性を見ると、①民生・児童委員、②他事業所の役職員、③大学等の教員、④弁護士の順になっていますが、その他にも町内会関係者、社協職員、当事者団体関係者など、事業所のネットワークを活かした多様な人選がなされている点は参考になります。
1年間の平均苦情件数は2・8件

24年度中に利用者や家族等から申し出のあった苦情の件数を聞いたところ、1事業所あたりの平均は2・8件でした。その内訳を見ると、苦情が10件を超えた事業所が5%ある一方で、0件(苦情なし)が52%と過半数を占めています(図2)。
これをどのように評価するかは議論のあるところですが、苦情を利用者のニーズとサービスのギャップの表れと捉え、それを埋めるのが苦情解決の取組みと考えるならば、苦情がまったくないことは必ずしも望ましいこととはいえません。なぜなら、多様な利用者のニーズに対してサービスが完全にマッチしているということは実際上はあり得ず、苦情を通してそのギャップに気付くことは、サービス改善に向けた貴重な契機になると考えられるからです。
第三者委員の有効な活用が課題

次に、24年度中に1件以上の苦情を受けた事業所に苦情を第三者委員につないだことがあるかを尋ねたところ、「つないだことがある」と答えた事業所は14%にとどまり、77%の事業所は苦情を1件も第三者委員につないでいませんでした。
以上のことから、多くの事業所では利用者等から日常的に苦情が寄せられる体制になっているとはいえず、また寄せられた苦情を解決するために積極的に第三者委員が活用されているともいえない実態が見えてきました。
前掲の第三者委員を設置していない理由に関する設問では、「適切な委員の候補者が見つからない」に次いで多かったのは「第三者委員にどのような活動をしてもらえばいいかわからない」で29%の回答がありました。
一方、第三者委員を設置している事業所に第三者委員が苦情を取り入れるために行っている取組みを尋ねたところ、3分の1(32%)の事業所は「とくに取組みを行っていない」との回答でした。これに対して、実際に行われている取組みで最も多いのは「委員が行事に参加している」の37%で、「委員が定期的に事業所を訪問し利用者と交流している」(19%)や「委員による相談日を設定している」(15%)、「委員が利用者や家族と懇談会をもっている」(8%)といった取組みは決して多いとはいえません(図3)。
利用者等にとって、苦情を申し出ることには不安を伴い、大きな勇気がいることに違いありません。それを受けとめる第三者委員には、信頼性とともに身近で親しみやすい存在であることが求められます。アンケートの自由回答欄では、「苦情があった場合にはその日のうちに第三者委員に連絡して早い解決に努めている」、「第三者委員が自発的にボランティア登録をして利用者と日常的に交流している」といった積極的な取組みの記載も多く、第三者委員が有効に機能するかどうかは事業所の取組み次第であることがうかがわれます。
望まれる虐待防止の取組みの加速化

今回のアンケートでは、一昨年十月に児童、高齢者分野に続いて障害者分野でも虐待防止法が施行されたことをふまえ、事業者における虐待防止への取組状況についても尋ねています。
まず、利用者に対する虐待防止への取組みでは70%の事業所で「虐待防止に関する研修」が実施されています。しかし一方で、より具体的な取組みである「虐待防止マニュアルやチェックリストの作成」(47%)や「虐待を発見した際の報告、対応等の明確化」(43%)を行っている事業所は半数に及びません(図4)。
この点について自由回答欄の記述を見ると、閉鎖的な空間でぎりぎりの体制により行う支援の危うさや、利用者の安全を確保するための制止行為と虐待が紙一重である難しさ等が指摘されていました。多くの事業所からは、ボランティアの受入れなどにより事業所の風通しを良くする取組みや、職員同士が注意し合える環境づくりの重要性が強調されました。
次に、地域における虐待防止への取組みに関しては、「行政機関等と連携を図っている」(44%)や、「可能性のあるケースの早期発見に努めている」(31%)との回答も少なくありませんでしたが、「とくに何もしていない」とする事業所が3割を超え(31%)、取組みの格差と遅れが垣間見える結果となりました。
これについて自由回答欄では、「虐待者にも被虐待者にも自覚がないために介入が難しい」、「関わった後の引き際やその後の依頼先が見当たらない」といった課題を指摘する声が多くありました。そして、行政や関係機関との連携はもとより、地域の事業所間で相談し合える体制づくりや、加害者(介護者や養護者)の支援の重要性が指摘されました。
そして、「施設でも家庭でも介護者の置かれている環境を改善することが虐待防止に欠かせない課題である」との指摘は、虐待を安易に個人の問題にのみ帰するのではなく、事業所全体ひいては社会の問題として捉えることの重要性を示唆しています。
●    ●    ●
福祉サービス事業者にとって苦情対応も虐待防止も、利用者の尊厳を守るための基本的な営みであると同時に、利用者等とのよりよい信頼関係をつくるための有力な手法といえます。
「利用者の尊厳を考えることで、ケアの質の向上につながり、自分たちの仕事にプライドを持つことにつながるよう活動している」(自由回答欄より)。多くの事業者が厳しい環境の中でもこうした誇りある使命を積極的に果たしていくことが期待されます。


※本調査の報告は
 東社協のホームページに掲載しています。

 

【トピックス】

特養ホームでなぜ虐待が
起きるのか?     背景と対策を考える


高齢者虐待防止法の施行から9年目を迎えました。厚生労働省が発表した「平成24年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」によると、特別養護老人ホーム等における虐待判断件数が増加傾向にあるとされています。その原因としては、「教育・知識・介護技術等に関する問題」、「職員のストレスや感情コントロールの問題」、「虐待を行った職員の性格や資質の問題」があげられています。
そのような中、特定非営利活動法人Uビジョン研究所は「特養ホームでなぜ虐待が起きるのか~背景と対策を考える~」シンポジウムを開催し、新人介護職員や施設長など約100名が参加しました。
介護のプロとしての意識が弱くなる
はじめに、高齢者虐待の現状について、Uビジョン研究所理事長の本間郁子さんが東京都、神戸市、山形県の自治体ヒアリングの報告を行いました。「東京都は高齢者権利擁護支援センターを設置し、施設向け、在宅向けに定期的に研修を実施している。虐待通告がある法人の特徴として、研修にあまり参加しない傾向がある」と報告しました。そして、虐待を防止するには、「経営層、現場の職員が一丸となって、不適切なケアをお互いに指摘し合える風通しの良い職場環境づくりに取組むことが重要」と報告しました。
続いて行った介護職員へのヒアリング報告では、「夜間の頻回なコールや利用者から手を出されたとき、先輩・上司の目が届かない場面だと、介護のプロとしての意識が弱くなり、『介護してあげている』という思いになることがある。誰にも指摘されないと、支配的な関係になりやすい」「施設長は雲の上の存在で相談しにくい」など、介護職員が置かれている現状を話しました。
虐待が起きる前に見つける
次に行ったシンポジウムでは、コーディネーターを大妻女子大学名誉教授の是枝祥子さんが務めました。
はじめに、社会福祉法人生活クラブ前施設長の島田朋子さんが虐待の兆候を発見した際の対応について話しました。制度上は介護職員・看護職員の人員配置は3‥1ですが、認知症・重介護の利用者へ対応するため、基準を上回る人員を配置している施設もあります。それでも人手が足らず、食事介助、排泄介助、夜間のコール対応に追われている現状があり、虐待を誘因しやすい環境があります。
島田さんは「虐待は突然起きるわけではない。声かけ、食事介助、移乗ケアの際に、利用者が心地良いと思えていない行為を発見することがある。小さいうちに見つけて、声をかけて相応しい方法を具体的に伝え、全体研修で共有することが大切。特に、新人職員は気づかないうちに利用者の権利侵害をしている場合がある。振り返る場を定期的に作ることも大切」と話しました。
続いて、神奈川県立保健福祉大学准教授の大島憲子さんが介護福祉士養成校での虐待防止への取組みについて、「どの場面が虐待になるのかを具体的に伝え、解決方法を考える演習を行っている。利用者を自分に置き換え『あなたならどう感じる?』と考えてもらうようにしている」と話しました。
人生の最後をその人らしく
過ごせるように
続いて、本間郁子さんが利用者・家族の立場から見た高齢者虐待について話しました。特別養護老人ホームは国、地方公共団体、社会福祉法人等しか運営できません。公費を投入し非課税優遇があります。本間さんは「特別養護老人ホームで虐待が起きるのはとてもくやしく残念。利用者は人生の大先輩で、入所する前にさまざまな経験をされてきている。人生の最後を過ごす場所でその人らしく暮らせるよう、社会福祉法人は社会的使命を果たして欲しい」と指摘しました。
続いて弁護士・成年後見法学会副理事長の赤沼康弘さんは、「虐待が起きる背景には、利用者の重度化や、認知症の人の環境やケアが十分ではない時に起きる介護拒否や昼夜逆転などの行動、人手不足や若手職員の人材育成の課題などがあげられる。研修に積極的に参加し職場内の環境改善に努めることが大切」と話しました。
高齢者虐待防止のポイント
そして、本間さんは高齢者虐待防止の課題について、①社会福祉法人の施設長を育成するシステムの検討、②20~30代の若い介護職員を大切に育てるための働く環境の整備、③第三者評価システムの義務化、の3点の必要性を指摘しました。
職員のストレスは組織のストレス
最後に島田さんは、参加されている新人介護職員、施設長に対して「虐待はどんな理由であれしてはいけないこと。過酷な状況で働く職員をみると、小さな不適切ケアを仕方ないと思いたくなる気持ちもある。職員が抱える疲れやストレスを個人だけでものではなく、組織のストレスだと認識し、施設長を中心に職場環境を整備していくことが大切です」とメッセージを送りました。

 

【データ】

障害福祉サービスの利用、
難病患者は6%にとどまる

都福祉保健局
「障害者の生活実態」より


平成26年3月に都内の「障害者の生活実態」に関する調査結果が発表されました。昭和48年度に始まり6回目の調査となった今回、身体障害者、知的障害者、精神障害者に加えて、新たに難病患者が調査対象となりました。これは平成25年4月に「障害者総合支援法」が施行され、障害福祉サービス等の対象者に特定の難病患者が追加されたことに伴うものです。
障害福祉サービスの利用状況について、「利用している」と答えた割合は難病患者が6.0%と最も低く、身体障害者が17.0%、知的障害者が60.0%、精神障害者が27.9%でした。難病患者のうち、「制度自体を知らない」人は実に33.3%を占めています。新たに支援の対象となった難病患者に対する制度の周知が進んでいない状況が明らかになりました。
難病患者に利用しているサービスの内容を尋ねた設問では、「補装具費支給」が41.0%、「居宅介護の利用」が34.4%でした。26.7%の難病患者が身体障害者手帳を保持しており、補装具や、自宅での介護を必要とする難病患者のニーズを反映した形です。
一方、難病患者自身が今後必要と考える福祉サービスとしては、「医療の充実(40.7%)」の他に「バリアフリー(23.5%)」、「難病患者が暮らしやすい住宅の整備(18.7%)」、「ホームヘルプサービス(11.2%)」等があげられました。また、「周囲の人の理解(10.4%)」も、病名や病態が広く知られていない難病患者にとって、切実な問題です。
難病患者が障害福祉サービスの対象に加わってから1年。制度の周知を徹底するとともに、それぞれのニーズに適した支援の提供が求められています。


(図1)
障害者総合支援法による
障害福祉サービスの利用状況

 

【マンスリー】

2014年3月26日~4月25日

消費税、
5%から
8%に

●政府は消費税を5%から8%に引き上げた。消費税率引上げによる増収は約5兆円で、現行の社会保障の水準を保つためと今後の充実のために使われる。介護報酬はプラス0.63%の改定、障害福祉サービスはプラス0.69%の改定、生活保護費は2.9%の引き上げを行った。    (4/1)

●社内保育所の運営費補助を拡充
●政府は、企業が負担する社内保育所の運営費を6割程度減らす方針。従業員以外の子どもを受け入れる社内保育所が対象で、国と自治体が運営補助金を出す。2015年度から適用する。 (3/26)
●保護受給世帯の子のアルバイト収入を貯金に
●厚生労働省は、生活保護の実施要領を改正した。保護受給世帯の高校生のアルバイト収入を貯金に回しやすくし、卒業後の自立を促す。  (3/31)
●第三者評価の指針を全面改定
●厚生労働省は、福祉サービスの第三者評価に関する指針を全面改定した。3段階評価の判断基準を示すなど、都道府県任せできた運用について標準化を図る。             (4/1)
●改正少年法、上限を20年に
●罪を犯した少年の刑罰を引き上げる改正少年法が参院本会議で可決、成立した。有期刑の上限を最長20年とすることなどが柱で、5月にも施行される。               (4/11)
●4人に1人が1人暮らしに
●国立社会保障・人口問題研究所は、世帯数の将来推計を発表した。2035年には世帯主が65歳以上の高齢世帯のうち、4割近くが一人暮らしとなる。日本社会の構造変化が浮き彫りとなった。
   (4/11)
●精神科病院の入院者の状態像を明確化
●厚生労働省の研究会は、精神科病院に入院する認知症患者を減らすため、入院が必要な状態像を明確化することを目的とした報告書をまとめた。判断基準は「妄想や幻覚が目立つ」など抽象的な表現にとどめた。           (4/12)
●所在のわからない子どもの実態調査はじまる
●厚生労働省は、乳幼児健診を受けなかったり、学校に通わなかったりして所在の分からない18歳未満の子どもについて、全国の自治体に対し、初の実態調査を依頼する文書を出した。目視での直接確認を求めた。          (4/15)
●社会貢献活動の義務化の意見出される
●政府は、規制改革会議を開催し「介護・保育事業等経営管理の強化とイコールフィッテング確立に関する意見」をまとめた。税制が優遇されている社会福祉法人の社会貢献活動を法律で義務付けることを求めている。         (4/16)
●認知症、行方不明者9607人
●警察庁は、認知症が原因で行方不明になったとの届け出が2012年に9607人分あったと明らかにした。231人は12年中に発見できず、13年に入ってから53人見つかったとしている。 (4/25)

 

【お詫び】

先月号の「東社協の新刊」の掲載情報に
誤りがありましたので改めてご紹介します。

児童福祉研究 2014
NO.26

●東京における児童養護施設等の現場から見えてくる最新の現状と課題を、児童養護施設等の職員が提起しています。
◆規格 A4判/218頁
◆定価 1,620円 (税込み)

 

【連載】

地域の
「みまもり」

「居場所づくり」2


おせっかいなまち・光が丘
 住民だからこその視点で気づきあいづくり

前号では、東村山市における
地域包括支援センターが
住民と協働した見守り活動を
紹介しました。この連載では、地域の困りごとを発見して
解決につなぐ機能をいかに作り上げていくかを
取り上げていきます。今号では、
練馬区社協が地域福祉コーディネーターを
配置している光が丘における住民ならではの視点と
アイディアを盛り込んだ冊子
「おせっかいなまち・光が丘~孤立死ゼロをめざして~」
づくりとその冊子を活用した取組みを紹介します。


練馬区光が丘では、平成26年3月、自治会や団地の管理組合などで構成する「光が丘地区連合協議会」が冊子『おせっかいなまち・光が丘~孤立死ゼロをめざして~』を作成しました。

光が丘に暮らす住民としての
想いを出発点に
光が丘は昭和48年に米軍から全面返還された後、地域の半分を都立光が丘公園、もう半分を住宅地とする計画のもと、昭和58年に最初の団地が建設され、現在は総面積1・7 にわたる「光が丘団地」を形成しています。広大な公園を配する豊かな緑の街並みには周辺からも子育て家庭が遊びに来ますが、超高齢社会の波は団地を構成する光が丘1丁目から7丁目にも押し寄せ、その高齢化率は26・0%(平成26年1月1日現在)となっています(区全体では20・8%)。
冊子の編集委員長を務めた木谷八士さんは、「光が丘7‐7‐1号棟自治会会長」という住民の立場から冊子づくりをすすめてきました。光が丘では、毎年数件の「孤立死」が発生しています。木谷さんも団地内で親友の孤立死を経験しました。団地の暮らしは「鉄の扉一枚」でプライバシーが確保される一方、ご近所とのおつきあいが薄れがちです。木谷さんは「表札がかかっているところが少ないんだよ」と、その現状を憂います。そこで、自分の存在を知ってもらう居住者の意識づくりが大切ではないかと考えました。
そして、「顔の見える関係の中で具体的な取組みが必要」という関係者の共通の想いを形にするための取組みが始まりました。それが冒頭の冊子です。25年7月に編集委員会を立ち上げてからわずか7か月の間に、11回にわたる委員会で議論を重ねて完成しました。
住民とともに、練馬区の関係部署、高齢者相談センター(地域包括支援センター)、練馬区社協、民生委員、警察署、消防署が委員会に参加しました。木谷さんは「使っている言葉は日常会話の言葉を使い、わかりやすくすらすらと読めるようにした」と、住民主体で関係機関の協力を得ながら作成した冊子ならではの特徴を説明します。

一人ひとりの「気づき」と
「育ちあう」関係
「この冊子は、光が丘で暮らす一人ひとりが、現在よりももっと安心して暮らせることを願って、光が丘で暮らす私たちが書きました」という言葉から始まります。第1章「主人公はあなたです」、第2章「おや?いつもと違うぞ」の2部構成となっています。
第1章では、自分自身の日常をふり返り、実際にあった事例も交えながら、「自分の存在を近所に知ってもらう大切さ」を伝えています。そして、第2章は、ご近所がいつもと少し違うと気づいたとき、自分だけでなんとかするのではなく、「気づきをつないでいく大切さ」を伝えています。木谷さんはこれを「バトンをつなぐ」と表現します。さらに、そのバトンのつなぎ先となる機関を後半に紹介しています。
この構成からもわかるように、この冊子は、次の二つを重視しています。一つは「気づき」。「一人ひとりの気づき」の輪を地域に広げていこうとしています。そして、もう一つは、「育ちあう関係」。住民の「お互いに気づきあえる関係づくり」がポイントになっています。

「光が丘のおせっかい」とは…
冊子づくりの委員会では、最初に「見守り」という言葉から議論を始めました。その議論を練馬区社協の地域福祉コーディネーター(光が丘地区担当)の美玉典子さんは、「『見守り』という言葉には、『見守る』側、『見守られる』側という二者関係が伴う。また、それを求める人、求めない人がいる。そのように住民を分けるのではないお互い様で対等な関係として『おせっかい』という言葉が委員会で議論を重ねていく中で出てきた」と説明します。冊子でも「気づかれ上手は、気づき上手」という言葉を使っています。その例に「気軽なあいさつ」を挙げ、あいさつは自分が元気であることを”知らせ“、相手が元気であることを”知る“ことと説明しています。
木谷さんは「『おせっかい』という言葉には抵抗を感じるかもしれない。しかし、それも結構。そこから大いに議論してもらえばよい」と話します。

冊子はゴールではなく
これからの取組みのはじまり
3月に完成した冊子は、住民たち自身で光が丘地域の全戸に配りました。そして、4月からは自治会等を単位に冊子の内容について考える「つどい」等の開催を始めています。
その一つ。4月12日には、光が丘7丁目で3自治会合同による「7丁目のつどい」を開催しました。団地の集会室に集まったのは25人。配られた冊子への感想を語り合い、「引っ越していくまで結局、名前を知らなかった人もいた」「こちらからあいさつすれば、返してくれる。しかし、最近の子どもは防犯上、知らない人と話さないことを教えられている」「自治会の入会をすすめても、『会員になるメリットは?』と聞かれる。人とつながっていることそのものの意味がなかなか理解されない」といった声がみられました。参加者のほとんどは高齢者でしたが、7丁目に居住する大学院生も参加しました。「孤立死」は高齢者だけではなく、若い人や子どもにもあり得えます。このつどいは、同じ地域に暮らす世代がお互いを知る機会になったことも意義あるものでした。
また、参加した民生委員から「民生委員は『見守り』を責務とするが、一人でやりきれるものではない。住民がお互いに気づき合うことと民生委員の見守りが相互につながりあってくるとよい」という意見も出されました。
最後に、木谷さんは一連の取組みについて「社協の地域福祉コーディネーターの存在が大きい。いなきゃできなかった。いろんな人とつながっていて、いろんなネタを提供してくれてここまですすんできた。何より朝から晩まで地域のことを考えてくれる存在は住民にとって大きい」と話しました。地域に足を運び、地域の課題やそれを解決したい住民の想いを知るとともに、その想いをつなげ、次なる展開を考えながら黒子に徹する地域福祉コーディネーターの役割がそこにみられます。

つどいでは「とにかくやり続けることが大切」という声が挙がりました。出てきてくれた人はまだ一部。冊子はこれからの活動を広げていくための大きなツールとなっています。


Yatsushi Kitani
木谷八士

冊子編集委員長
光が丘7-7-1号棟自治会会長

光が丘団地

7丁目のつどいに
集まった住民たち

光が丘地区連合協議会
ホームページに掲載されています。
http://korenkyo.matrix.jp/korenkyo

A4サイズの44ページ。
東京都「地域の底力再生事業」の
助成を活用して、1万3千500部を
作成しています。

 

【東社協発】

非正規介護職員の介護福祉士
資格取得に係る意向調査を実施

東京都内の介護職員総数は10万人を超え、そのうち常勤介護職員の5割が介護福祉士取得者です。一方、非正規介護職員の介護福祉士の資格取得率は2割程度にとどまっています。この非正規介護職員の資格取得意向や取得にあたっての課題については明らかにされていない状況です。
そこで東社協福祉振興部では非正規介護職員の資格取得に係る意向等調査と施設・事業所の管理者を対象とした非正規介護職員の資格取得への期待や支援体制に関する調査を行いました。
調査では、施設・事業所で介護サービスに従事する非正規介護職員684名の方々から回答が得られ、その半数が介護福祉士国家試験の受験を希望するという回答がありました。さらに、非正規介護職の国家試験受験意向は、年齢あるいは所属する施設・事業所によっても違いがあることが分かりました。また、施設・事業所の管理者221名の9割から、非正規介護職が介護福祉士国家資格を取得することに期待しているという回答がありました。
◆資格取得を支える仕組みづくりを
施設・事業所における資格取得のための支援体制については、資格取得後に給与への反映が「ある」は65・6%で、資格取得支援を「実施している」が77・4%でした。
一方で、今回の調査では、介護福祉士国家試験を受験したくないとする非正規介護職員に「受験する際の条件」を尋ねました。「条件が整っても国家試験は受験しない」とした方は21・5%という結果で、残りの8割は、何らかの条件が整えば国家試験を受験することも考えられる結果でした。また、その条件の具体的内容としては、「職場からのサポート」や「資格取得後の給与保障」を求める声が多くあがっていました。
施設・事業所での資格取得支援が求められる状況の中、支援制度を充実させるためには費用の捻出が求められます。さらに、受験意向は年齢や働き方の違いでも異なることもあり、支援体制構築のためには多様なしくみが求められます。
こうした支援制度を一施設・事業所で作ることは難しいことも考えられ、国等による資格取得のための支援制度のさらなる充実が求められます。

 


東京都高齢者福祉施設
協議会が設立されました

平成26年4月に高齢者施設福祉部会とセンター部会が統合し『東京都社会福祉協議会 東京都高齢者福祉施設協議会』が設立しました。
東京は急速な高齢化率の高まりや一人暮らしや高齢者のみ世帯の増加が見込まれ、身近な地域による施設と在宅を包括した福祉・介護の体制づくりが急がれています。また、介護保険制度をはじめ高齢者福祉をとりまく制度の変更が予定される中、利用者の最善の利益につながるよう、結束して提言活動等の発信力を一層高めていくことが必要です。こうした状況を踏まえ、施設で暮らす方、在宅で暮らす方、双方の視点を見据えた地域の拠点としての役割について、都民の視点から考え、必要な活動に取り組んでいくことを目指し、今回の統合に至りました。
新しい協議会では、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、ケアハウス、デイサービスセンター、在宅介護支援センター、地域包括支援センターといった多様な施設・事業所により構成されます。地域ブロック会や区市町村単位の活動を強化し、都民に身近な地域での活動をより一層活性化させる方針です。都内には23区の大都市部をはじめ、山間部や島しょなどさまざまな地域が存在します。地域の実情を踏まえつつ、東京都全体での結束を図るため、名称に「東京都」を付しています。
今後も、東社協の業種別部会の一組織として、他部会や区市町村社協との連携を一層深め、東京の高齢者福祉の向上・発展を目指して取り組んでいきます。

 

【部会】

婦人保護部会

女性の自立支援を
目指して


婦人保護部会は都内5ヶ所の婦人保護施設で構成されている部会です。根拠法は、売春防止法、DV防止法です。DV防止法は2001年に施行されてから数回の見直しがなされ支援を必要としている女性たちに大きな役割を果たしています。売春防止法は1956年の制定から一度の改正もなく利用者のニーズと法の枠組みや機能とに乖離が生じ、利用者の利益に反する用語や規定等があるため、改正が望まれています。
部会では2003年に「婦人保護施設あり方検討会」を、2007年には「調査研究委員会」を立ち上げ、利用者実態や課題等を数値化した調査報告書を作成し、婦人保護事業と施設の社会化をすすめました。この作業は今後も続ける予定です。
一方で婦人保護施設の利用率は東京では50~80%台、他の都市・地域では更に低いという実態があります。様々な理由や障がいが原因で生き辛さを抱え、貧困、暴力、家族問題等により居場所(居所)を失う女性、特に近年は10代からの若年女性が居場所を失って街をさまよい、性的暴力を含む暴力被害を受ける傾向が目立ちます。婦人保護事業や婦人保護施設がもっと使い易く、女性たちが危機的状況から脱し、人権が護られた生活を取り戻すことができるよう制度面での整備が望まれます。
国(厚労省)では、一昨年に「婦人保護事業等の課題に関する検討会」を立ち上げ「婦人保護事業等の課題に関する検討会のこれまでの論点の整理」を発表しました。また、昨年は「婦人相談所ガイドライン」が策定されました。売春防止法制定後60年近く経過し、ようやく婦人保護事業を取り巻く環境に小さな変化が生じました。
部会でも広範な人達との協同で売春防止法改正の動きを進めたいと思います。また研修も積極的に行い支援力を向上させたいと思います。そして、これまで実施してきている東日本大震災の被災地支援の取組みを継続していきたいと思います。

〈次回は介護保険居宅事業者
連絡会です〉

被災地訪問した
南三陸町の防災対策庁舎

 

【囲み】

福祉のしごと
相談・面接会
(地域密着面接会)

「地元で福祉の仕事がしたい」
を応援します!

地域を限定して仕事を探したい、自宅に近いところで、空いている時間を活かして仕事をしたい、あるいは、福祉の仕事に関心はあるけれど、まだ具体的な就職活動はしていないという方に、実際の仕事を紹介し福祉の仕事に対する理解を広げていただく場として、都内各地域で面接会を開催します。施設見学会も開催予定です。
開催日程(予定)
・北区 6月20日(金) 他2回
・世田谷区 6月21日(土) 他4回
・町田市 8月28日(木)
・江戸川区 9月6日(土)
・三鷹市 11月15日(土)
・文京区 12月3日(水)
・荒川区 1月16日(金)
※この他、港区、江東区、調布市、町田市、小平市、日野市、稲城市、西東京市等においても開催を予定しています。
◆お問合せ・申込みは◆
東京都福祉人材センター
TEL03(5211)2860

 

【資料ガイド】

施策・会議資料
●『「伊豆大島土砂災害対策検討委員会」報告』(東京都/3月/URL http://
www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2014/03/40o3s100.htm)
 平成25年10月16日に伊豆大島で大規模な土砂災害が発生したことを受け、災害発生メカニズムを考慮した今後の土砂災害対策の基本方針及び対策案について検討を進めてきた委員会の報告書。
調査結果
●『平成25年度介護従事者処遇状況等調査結果』(厚生労働省/3月/URL http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/14/)
 調査対象は、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、訪問介護事業所、通所介護事業所、認知症対応型共同生活介護事業所及び居宅介護支援事業所、並びに当該施設・事業所に在籍する介護従事者。
●『東京都保育士実態調査報告書』(東京都福祉保健局/4月/URL http://www.
metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2014/04/60o4s200.htm)
●『東京都の各保険者に対する平成27年度介護保険制度改正等に関する調査報告(速報)』(東京都介護支援専門員研究協議会/3月/URL http://cmat.jp/
report/90/429.html)
 都内の保険者に対してアンケートを行い、地域包括ケアシステムと地域ケア会議、一部の予防給付の地域支援事業移行後の影響予測、セルフケアプラン、小規模多機能型居宅介護等について各市区町村の認識や準備状況を調査。
●『「ひとり親家庭に対する意識」についてアンケート結果』(東京都/3月/URL
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2014/03/60o3v300.htm)
 ひとり親家庭への支援強化の参考とするため、インターネット福祉保健モニターに登録している人を対象にしたアンケートの調査結果。
●『ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)結果』(厚生労働省/4月/URL http://www.mhlw.go.jp/stf/
houdou/0000044589.html)
 ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(平成14年法律第105号)等に基づき、ホームレスの自立の支援等に関する施策の策定及び実施に資するため、毎年、各自治体の協力を得ておこなっている調査。
●『災害時の在宅医療のあり方-計画停電に関する調査結果を踏まえて』(日本医師会総合政策研究機構/4月/URL
http://www.jmari.med.or.jp/research/summ_wr.php?no=538)
 東日本大震災後の計画停電がもたらした在宅医療への影響を明らかにし、停電の際に電源を必要とする医療機器を使用する在宅患者や家族をどのように地域で支えていくべきか、在宅医療における医療安全のあり方について検討するための基礎資料。
その他
●『児童虐待防止医療ネットワーク事業推進の手引き』(厚生労働省/3月/URL http://www.mhlw.go.jp/stf/
houdou/0000042513.html)
 自治体の児童虐待担当部門において、地域で児童虐待防止医療ネットワークを構築するにあたり、医療機関やその他関係者と協力し、効率的・効果的に体制整備に取り組む際に活用できる手引き。
●『「民生委員・児童委員の活動環境の整備に向けた検討会」の報告書』(厚生労働省/4月/URL http://www.mhlw.go.
jp/stf/houdou/0000044035.html)
 地域福祉の担い手として益々活躍が期待される民生委員・児童委員の活動の現状と課題を整理するとともに、その活動しやすい環境整備に向けた方策について検討を重ね、取りまとめたもの。
●『福祉用具サービス計画作成ガイドライン』(厚生労働省/4月/URL http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000043462.htmll)

 

【明日の福祉】

社会福祉法人が地域の
リーダーとして活躍して欲しい

品川卓正
社会福祉法人村山苑理事長

品川卓正さんは、社会福祉法人が時代に合ったニーズに迅速に対応し、地域のセーフティネットを担うため、平成25年10月に生活相談事業「むらやまえん生活相談所」をオープンしました。対象は問わず、だれでも相談できます。開所時間は平日9時から17時までが原則ですが、相談の電話があれば24時間受付けています。


しながわ たかまさ
社会福祉法人村山苑理事長
1940年生まれ、1966年入職、保育園、障害施設、救護施設施設長などを経て、2010年から現職。東社協元救護部会長。現在は東社協社会福祉法人協議会役員、全国救護施設協議会副会長。

村山苑は、救護施設、特別養護老人ホーム、障害福祉サービス、保育園など、さまざまな事業を運営してきました。生活相談事業に取組むきっかけは、平成16年12月にまとめられた「生活保護のあり方に関する専門委員会(厚生労働省)」の報告書でした。この報告書で救護施設は、終の棲家から通過施設へと大きな転換を迎えました。重度の方は特別養護老人ホーム等へ移行し、地域で暮らせる方は、生活訓練や就労訓練を行うなど、地域での生活を支援する流れになりました。村山苑では独自事業として、平成16年に「通所・訪問事業」をスタートさせました。
地域にも困っている人がいる
事業を運営する中で、利用者やその家族、近隣の方から、地域には生活に困っている人がいることを見聞きしていました。引きこもりの方で、これまで家族だけで支えていて、50代になるまで地域に助けを求めなかったケースにも遭遇しました。支援が必要でも、助けを求めるすべを知らない人が地域にはいます。早めに困っているニーズを発見し、適切な支援につなげる必要性を感じていました。
社会福祉法人をもっと知って欲しい
村山苑は、制度に先行して様々な取組みを行ってきました。保育園では、昭和46年から0歳児の重度障害の子どもを受け入れ、先進的に障害児保育に取組んできました。また、東村山市から都心へ通勤する親のニーズに合わせ、時間外保育も制度が始まる前から行ってきました。しかし、税制優遇されている社会福祉法人へ風あたりが強くなる中、これまでの村山苑の取組みが社会的に評価されていないことを実感しました。「社会や地域住民に社会福祉法人の取組みをもっと知ってもらう必要がある」、そんな思いから生活相談所を設置しました。
制度の枠からこぼれ落ちる方を救う
「むらやまえん生活相談所」は、責任者1名を専従とし、2名は通所・訪問・一時入所を兼務する精神保健福祉士と、救護施設で働いてきた職員の3名体制で運営しています。生活困窮者をはじめとする支援を必要とする方々をアウトリーチして掘り起し、福祉サービスや社会資源につなげることを目標にしています。制度のはざまにいる方に手を差し伸べるため、対象者を限定せず、地域で暮らすなかで困ったことがあれば何でも相談に応じています。食べ物がない、家賃が払えないなどの人がいれば、アセスメントしたうえで現金ではなく、お米などの必要な物資を現物で給付しています。
どこに困っている人がいるかを知ることが一番大切で、課題でもあります。高齢者は地域包括支援センター、障害者は市の障害支援課、お金の困りごとは市の生活福祉課があります。社会福祉協議会には福祉協力員もいますし、民生児童委員もいます。様々な関係機関・人に相談所を知ってもらい、ニーズを拾い上げたいと思います。
平成27年から生活困窮者自立支援制度がスタートします。制度ができることで困っている方を一定程度は救えるかもしれません。それでも制度の枠からこぼれ落ちる方はいるはずです。そのような方を支援することが私たち「むらやまえん生活相談所」の役割です。
事業を通じて職員に伝える
法人内の施設長会、職員会議、新入職員研修を通じて相談所の説明をしています。職員からは「なぜ相談窓口をスタートしたのか」など、興味を持ってもらえています。また、将来の村山苑を支える人材育成にもつながっています。社会福祉法人は施設利用者に対して、質の高いサービスを提供することが第一の使命ですが、地域に埋もれているニーズに即応することも重要な使命です。法人の使命を相談所という具体的に目に見える形で職員に提示することで、職員1人ひとりの仕事に対する動機づけにも影響を与えているように感じます。
施設の外に目を向けて
制度内の事業を運営するだけではなく、プラスアルファの取組み、一歩踏み出す行動が求められています。施設の外に目を向け、こぼれ落ちているニーズを拾い上げ、具体的に目に見える形で社会貢献をすることが必要です。法人が持つ資源と信頼をもとに、地域にある団体、企業、NPOなどと連携して、地域に対して何ができるかを模索することからはじめます。社会福祉法人が地域のリーダーとして、活動を担っていきたいと思います。

 

【図書ガイド】

【DVD特集】
春の新人研修等に、「見てわかる」映像教材をご活用ください。
●認知症の人から学ぶ~クリスティーン・ブライデン講演より~/収録時間56分/5.143円/認知症のある人本人が、日々の生活を解説した映像。
●認知症の人の体験世界を感じてみよう~認知症介護の原点として~/収録時間30分/3.085円/認知症の人の世界を、演技や映像・音響の効果で再現。
●認知症 そのこころの世界~認知症の人は何を感じているのか~/収録時間30分/2.160円/現実の風景、認知症の世界、模擬体験者が感じたことの3事例を収録。
●今すぐ役立つ! 感染症予防/収録時間30分/2.160円/基礎編、対応策編の2本を収録。大好評。
●たんの吸引 緊急時対応 看取りケア/収録時間150分/5.348円/講師の施設の勉強会を再現。利用者に苦痛を与えない安心・安全技術と、その指導のツボを伝授。
●北欧に学ぶやさしい介護-腰痛をおこさないための介助テクニック-/2枚組 計60分/6.480円/驚きの北欧式トランスファーテクニックを実感して。つらい介護をやさしい介護へ。
●福辺流介助術㊤/収録時間50分/3.240円/介助術の特徴や心得を講義形式でていねいに説明。
●福辺流介助術㊦/収録時間48分/3.240円/ベッドから車椅子への移乗、寝返り、起き上がりについて解説。上巻とあわせてさらに納得の介助法を学習して。

【学ぶっくNo.4】
筒井書房のおすすめ書籍を掲載したフリーペーパー「学ぶっく」。
無料でお送り致します。お電話でどうぞ。
(担当:トミタ)

 

【アンテナ】

助成金


DV防止等
民間活動助成事業募集

申込締切 5月26日必着 助成対象 東京における配偶者暴力(DV)の防止等を目的とした民間の自主的な活動 助成金額 経費の1/2を上限(限度額100万円) 助成内容 ①DV被害者支援施設の安全対策、設備等の充実に関するもの、②DVの問題の解決に寄与する実践的・普及啓発的な活動 申込方法 募集案内及び交付申請書等は下記にて配布するほか、下記ホームページからダウンロードし申込 申込・問合せ先東京ウィメンズプラザ 事業推進係 DV防止等民間活動助成事業担当 〒150-0001 渋谷区神宮前5-53-67
・03(5467)1714 03(5467)1977
http://www.tokyo-womens
-plaza.metro.tokyo.jp/

①地域保健福祉研究助成
②サラリーマン(ウーマン)
ボランティア活動助成

申込締切 5月30日必着 助成対象 ①衛生関係機関に所属する職員、福祉関係職員、実務従事者等 ②高齢者・障害者・こどもに関するボランティア活動 助成金額 ①1件原則30万円、特に優秀な研究については50万円限度で助成 ②1件原則10万円、内容が優れている場合は20万円限度で助成応募方法 所定の申込書に必要事項を記入の上、送付(Eメール不可)、申込書は下記ホームページよりダウンロード又は下記FAX等で請求 申込・問合せ先 公益財団法人 大同生命厚生事業団事務局 〒550-0002 大阪市西区江戸堀1-2-1 大同生命大阪本社ビル内
・06(6447)7101 06(6447)7102
http://www.daido-life-wel
fare.or.jp/
ニッセイ財団
高齢社会助成公募

申込締切 Ⅰ.5月31日 Ⅱ.6月15日 助成対象 Ⅰ.地域福祉チャレンジ活動助成、Ⅱ.実践的研究助成 助成金額 Ⅰ.2年最大400万(1年最大200万)、Ⅱ.2年最大400万(1年最大200万) 助成内容 Ⅰ高齢社会助成対象分野・テーマに該当する活動、Ⅱ高齢社会助成対象分野・テーマに対する課題を明確にした実践的研究 申込方法 下記ホームページを参照 申込・問合せ先日本生命財団高齢社会助成事務局 〒541-0042 大阪市中央区今橋3-1-7日生今橋ビル4階 ・06(6204)4013
http://www.nihonseimei-zaidan.or.jp


講座・シンポジウム

第4回
災害時ボランティア活動助成(公募)

応募期間 5月31日当日消印有効 助成対象 災害時ボランティア活動を行なっている団体・グループ(5名以上)。特に、学生及び専門性を必要とするサポート活動を行なっている団体・グループ 助成金額上限額50万円(1件一団体あたり) 応募方法 下記ホームページから所定の申込書をダウンロード、又は下記へ請求の上、郵送 応募・問合せ先 公益財団法人 大和証券福祉財団事務局 〒104-0031 中央区京橋1-2-1大和八重洲ビル
・03(5555)4640 03(5202)2014
http://www.daiwa-grp.jp/
dsf/index.html

 

平成26年度
福祉従事者研修1
-子ども分野-

申込締切 5月22日 日時 6月17日13時30分~16時30分 場所 ルーテル市ヶ谷センター2階会議室 定員20名 参加対象 児童養護施設、乳児院、児童館など、子どもの養育に関わる新任~実務経験2年程度の従事者 参加費2,000円 内容 発達障害を学ぶ~子どもにとって暮らしやすい生活を築くために~ 申込方法 受講申込書に必要事項を記入の上、下記FAXにて申込 申込・問合せ先 特定非営利活動法人福祉経営ネットワーク 〒102-0074 千代田区九段南3-4-5番町ビル7A
・03(5211)8710 03(5211)8715
http://www.fukushikeiei.net/

講演会「奇跡の脱出」
-3.11のマリンホーム-

日時 6月1日 場所 コール田無イベントルームAB参加費 無料 内容 海から250mしか離れていないグループホームで誰一人亡くなることはなかった。なぜ奇跡はおきたのか?命を守るために何をするべきか? 講師 鈴木信宏氏(特別養護老人ホーム赤井江マリンホーム事務長) 問合せ先 サポートハウス年輪 〒188-0011 西東京市田無町5-4-8第一和光ビル1階
・042(466)2216042(451)6071
npo-nenrin@nifty.com
http://www.npo-fukushi.
com/

第30回講習会
介護保険制度の見直し

日時 6月5日13時~17時(開場12時30分) 場所 日本赤十字社2階大会議室 会費8,000円 内容 基調講演「介護保険改正案と地域包括ケアシステム」(山崎泰彦氏 社会保障審議会介護保険部会長)、シンポジウム「介護報酬・介護保険料の見直し」(京極高宣氏:全社協中央福祉学院学院長、松岡輝昌氏:厚生労働省老健局老人保健課介護保険データ分析室長、内藤圭之氏:公益社団法人全国老人保健施設協会副会長、桝田和平氏:公益社団法人全国老人福祉施設協議会介護保険事業等経営委員長) 申込方法 下記ホームページより申込 申込・問合せ先 北隆館
・03(5449)7061 03(5449)4950
http://www.hokuryukan-ns.co.jp/
care@hokuryukan-ns.co.jp

年輪の会・講演会

日時 6月14日13時~17時 場所 スクエア荏原(品川区立荏原平塚総合区民会館)3F大会議室 定員 73名内容 「精神疾患脳組織研究の成果とブレインバンクの未来」鼎談形式 申込方法 FAX申込 申込・問合せ先 年輪の会(品川区精神障害者当事者会) 〒142-0062 品川区小山5-16-16 
・03(5875)0433 03(3788)0422
http://genki365.net/gnks16/mypage/index.php?gid=G0000452

その他

第18回糸賀一雄記念賞
および平成26年度
糸賀一雄記念しが未来賞候補者・団体の募集

申込締切 7月31日 対象 日本に居住し、障害者福祉に関する活動実績が高く評価されており、かつ、今後の一層の活躍が期待される個人および団体 選考方法 推薦のあった個人および団体の中から選考委員会が選考し、理事会の決議にて決定 申込方法 下記ホームページより申込書類一式ダウンロードし、必要事項記入の上、下記住所に郵送 申込・問合せ先 糸賀一雄記念財団 〒520-3111 滋賀県湖南市東寺4-1-1 
・0748(77)03570748(77)0358
itoga@itogazaidan.jp
http://www.itogazaidan.jp

第8回
よみうり子育て応援団
大賞募集

申込締切 6月10日必着日時 表彰式は11月予定 対象 子どもや親を対象にした支援活動を行う国内の民間のグループや団体(活動年数や人数は不問) 内容 子育て支援の優れた団体・グループを表彰し、発足したばかりのグループも応援。受賞団体には、「よみうり子育て応援団」のメンバーである専門家や文化人、タレントの方々が、活動や運営に協力。 応募方法 下記ホームページより応募用紙をダウンロードし、下記へ送付 申込・問合せ先 読売新聞大阪本社 「よみうり子育て応援団大賞」事務局 〒530-8551 大阪市北区野崎町5-9
・06(6881)7228 06(6355)6520
taisyo@yomiuri.com

 

【くらし】

手伝ってくれる
人がいれば、
どこへだって行ける

視覚障害と
上手に付きあいながら、勉学に励み、
国内外を問わず活動されている
石田由香理さんにお話をうかがいました。

取材に現れた石田さんは淡いブルーのブラウスに黒の編み上げワンピース。すてきな着こなしですが、石田さんは1歳半から完全に視力を失い、色の記憶はないと言います。
●1人での外出もこわくない
小学校から和歌山県の盲学校に入学し、高校は大学進学を見据えて、東京の盲学校に通いました。1人で色々な場所に出かけるようになったのは、大学からです。外出時は道に迷ったりと困ることもありますが、よく人から声をかけてもらえるので、自分から助けを求めるのは年に2回くらい。視覚障害の仲間からも、少ないと驚かれます。今日も取材を受けるため池袋まで1人で来ましたが、その間に2人に声をかけられました。助けが必要でないときでも、声をかけて頂いた場合には必ず「ありがとうございます」と感謝の気持ちを示すようにしています。その方に、次に視覚障害者と出会ったときも、声をかけてくれる勇気を持ってほしいからです。
●ピンクもオレンジも、「赤」?
私には色の記憶はありません。でも、色の訓練をたっぷり受けたおかげで、今は美術館で絵画や彫刻を楽しむことができます。色の説明は、なるべく詳しくしてほしいですね。ピンクやオレンジまで「赤」と言う男性もいたりするので、困るときもあります(笑)。
●流行の服が着たい!
『朝子さんの一日』という絵本があるのですが、視覚障害を持つ主人公は、ある日自分が着る服を母親が選んでいることに気づきます。私の小学校6年のときの担任がこれを読んでアンケートを取ったところ、ほとんどの生徒が母親に着る服を選んでもらっているとわかりました。先生は「自分の生徒には、その時代の流行に合った服や色のコーディネートを、自分自身で選んで着てほしい」と考え、私たちに指導をしてくれたのです。
●「その服は、似合ってないよ」
自分で服を選ぶための猛特訓が始まりました。私たちは家で持っている服の特徴や色を教えてもらい、毎朝自分で服を選んで着ていきました。そして、学校では先生が「それは、あなたに似合ってない」、「その色の組み合わせはイイ!」など、毎日正直にコメントしてくれたのです。これは、生徒数の少ない地方の学校だからこそ出来たのかもしれません。
●フィリピンの大学へ
大学では途上国の開発研究を専攻していたので、実際に海外に行く機会を得たいと思っていました。なので、ダスキンの「障害者リーダー育成海外研修派遣事業」の選考を勝ち抜き、1年間のフィリピン留学の切符を手にしたときは嬉しかったです。ところがフィリピンの大学からは、問い合わせの時点で「障害者お断り」と言われてしまいました。「視覚障害者は何もできない」という根深い偏見を感じました。交渉の末、聴講生というかたちで現地入りしたのですが、日が経つにつれ、台風被災地でのボランティアにさそってくれる先生や、味方になってくれる友達もたくさんできました。現在、その大学は障害者の受け入れを明言しています。
●そこに人がいれば、大丈夫!
障害があるのに、海外に1人で行くなんてスゴイね!とよく人から言われます。でも、どんな場所でも周囲に人がいれば、移動距離も国境も関係ないんです!交通手段が歩きでも電車でも飛行機でも、私にとっては問題ありません。人から人へ、お手伝いの手渡しをしてもらえれば、私はどこへだって行けるのです。ただ、電車の駅と比べてバス停は誰も人がいないことがあるので、あまり利用しません。
●フィリピンと日本のかけ橋に
今秋からは開発学を学ぶため、イギリスの大学院に留学予定です。修士を1年でとって、その後のことはまだわかりません。でも、フィリピンと日本をつなぐ仕事がしたいので、一生懸命がんばろうと思っています。

 

【新刊】

社会福祉施設・事業者のための
規程集2014年版  CD-ROM付き

【運営編】
◆規格 A4判/1,740頁
◆定価 4,860円 (税込み)

【人事労務編】
◆規格 A4判/1,408頁
◆定価 4,860円 (税込み)

【会計経理編】
◆規格 A4判/741頁
◆定価 2,808円 (税込み)


暴力・虐待を経験した子どもと
女性たち   暴力・虐待を未然に防ぐ
アプローチに関する調査報告書
◆規格 A4判/120頁
◆定価 864円 (税込み)

子ども・子育て支援新制度 
区市町村による利用者支援事業の
実施に向けて
◆規格 A4判/41頁
◆定価 540円 (税込み)

災害時要援護者支援ブックレット3
災害時要援護者支援活動事例集
◆規格 A5判/123頁
◆定価 864円 (税込み)

月刊「福祉広報」

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