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社会福祉法人による取組み

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学習と食事の両面で地域の親子の支援をする

社会福祉法人東京武尊会(青梅市)

野村大悟さん、俵谷昌嗣さん

社会福祉法人東京武尊会では、平成27年1月から「武尊塾」を運営し、意欲があっても学習塾に通えない小中学生を対象に、無料の学習支援と、低額での食事の提供を実施しています。

福祉広報2016年2月号

17時をすぎると、東青梅駅から徒歩10分の距離にある東京武尊会館に、学校や部活を終えた小・中学生が次々とやってきます。外遊びや部活で汚れた靴をはきかえ、名簿に記入すると、2階の学習室へ。広々とした室内では、大きな机でみんなと一緒に宿題をする子、壁沿いの一人用の机で黙々と試験勉強をする子など、それぞれ思い思いに学習に取組んでいます。学習支援のボランティアとして来ている講師たちは、子どもたちの隣に座ってその様子を見守っており、時折ていねいに質問に答えています。そこにはまるで自宅の居間のような、家庭的な雰囲気が広がっています。

地域の子どもたちへの支援が 将来、地域全体の福祉につながる

無料の学習指導塾「武尊塾」は、学習意欲がありながら、さまざまな事情で塾に通えない子どもたちのため、社会福祉法人東京武尊会によって開講されました。平成27年1月以来、月曜日と木曜日の週2回、17時から21時まで、主に子どもたちへの学習支援と、食事の提供を行っています。

開講のきっかけについて、同法人の事務局長を務め、武尊塾の塾長でもある野村大吾さんは、「当法人は主に高齢者向け事業に取組んできたが、地域の高齢者を支えるのは、地域の若者や子どもたちだ。経済的な事情で塾に通えない子どもたちに、教育・食事をセットにした支援を行うことで、子育て世代の負担を軽減し、子どもたちの将来をより安定したものにすることができる。それがひいては高齢者を含め、地域全体の福祉に貢献することになる」と説明します。

そのため、東京武尊会は無料の学習塾であること、食事の提供を同時に行うことにこだわり、社会貢献活動として事業をはじめたのです。

学習と食事の両面で親子を支援する

学習支援は、主に17時から19時まで行われています。講師は全員ボランティアで、近所に住む85歳の元教員、学校の授業がきっかけで来てくれるようになった高校生など、世代も所属もさまざまです。勤務が終わった後にやってくる法人の職員もいます。野村さんは、「ここで勉強する習慣をつけることで、学力の向上が期待できる。また、勉強だけではなく、相談や雑談ができる大人がいることは、孤立しがちな状況の子どもたちにとって大切なことだ」と話します。学習は、子どもたちがそれぞれ持ってくる宿題やテキストをもとに指導するという形式で行われ、寄附でよせられた本や参考書、パソコン等の設備も充実しており、子どもたちの学習に一役買っています。

学習室の様子
学習室では、それぞれのペースで勉強できます。

19時からは夕食の時間です。調理ボランティアが1階の食堂で一から手作りしたものを、希望する家庭の子どもに300円で提供しています。寄附で毎月届けられるお米や、地元の農家の方にいただいた野菜をたっぷり使って、近くに住む現役の料理人や主婦の方が、3時頃から準備してくれています。冷凍食品などの既製品は使わず、季節を感じられるような献立を心がけています。通っている子どもたちのなかには、保護者が食事の時間に帰って来なかったり、料理を作らないという家庭も多く、野村さんは「できるだけ人の手がかかったものを食べ、人と食卓を囲む楽しさを知ったり、食事のマナーを学んでほしい」と言います。また、調理ボランティアにとっても、子どもたちの笑顔がかえってくるこの活動は、大きな生きがいになっています。

食事(豚汁、太巻き、いなり寿司)
この日のメニューは、近くの農家さんがくれた大きな大根を
たっぷり使った豚汁と太巻き、いなり寿司です

食後には、卓球やボードゲーム等で遊ぶ、レクリエーションの時間も設けられています。広い部屋に3台の卓球台が設置され、子どもたちが室内でも思い切り身体を動かせるような配慮がされています。休日や夏休みには、農業体験や合宿、介護施設へのボランティア等、有料のプログラムを実施しており、大変好評です。

地域と協力して子どもたちを育てたい

実際に事業をはじめるにあたり、子どもたちが集まるのか、ボランティアが確保できるのか等、多くの不安がありました。そこで、事前にパンフレットを青梅市内に配付したり、青梅市の部署に働きかけて施設においてもらったりと、広報活動にも力をいれてきました。口コミで知ってボランティアや寄附を希望する方も多く、現在では89名がボランティアとして活動に携わっています。野村さんは「今まで法人として地域に密着して事業を行ってきたことが、住民との信頼関係につながり、塾を運営する上で大いに助けられている。また、武尊塾がきっかけで法人を知ったという方も多く、この活動を通して、ますます地域とのつながりが深まることを期待している」と、地域と協力して支援活動を行う意義を強調しました。

調理ボランティアの皆さん
調理ボランティアのみなさんは15時から夕食の準備をしています。

また、職員の熱意に支えられている面も大きいと言います。法人の総務部長であり、副塾長を務める俵谷昌嗣さんは、「社会福祉法人は営利が最終的な目的ではない。職員には、社会福祉法人の所属であるという誇りをもって、社会貢献活動にも積極的に参加してほしいと考えている」と話しました。

利用登録人数は、活動をはじめた平成27年1月末時点では24名でしたが、12月末には56名にまで増加しました。その半数はひとり親家庭で育っています。市の生活保護課から紹介されてくる子どももおり、野村さんは、「ひとり親世帯が生活に困難を抱えがちであることは知識として知っていたものの、実際に事業を行ってみると、地域には本当に困っている子育て世帯、ひとり親世帯が多くあることがわかり、驚くと同時に、支援の必要性を強く感じた」と野村さんは話します。

学習室で騒いでしまうなど、他の子どもたちと一緒に過ごすのが難しい子どももいます。一時は退塾してもらうという選択肢も考えましたが、野村さんは、「ここで私たちがその子を突き放しては、本当に居場所がなくなってしまう。社会貢献という無償の活動だからと言って、簡単に支援をあきらめてはいけないと思っている。中学3年生でこの塾を卒業するまで、支援を続けて行きたい」と話しました。

野村さんは、「子どもたちには、支援してくれる人たちへの感謝の気持ちをしっかり持てるようになってほしい。そしてここを卒業して高校生、大学生になった時、地域のボランティアとして支援する側になってくれたら、それ以上の喜びはない」と、地域に寄り添って活動を続けていく決意を語りました。

野村さん、俵谷さん
野村大悟 Nomura Daigo(右)
東京武尊会 事務局長、武尊塾塾長

俵谷昌嗣 Tawaraya Masatsugu(左)
東京武尊会 総務部長、武尊塾副塾長

 

社会福祉法人東京武尊会

〒198-0042 東京都青梅市東青梅3-22-4(法人本部事務局)
TEL:0428-20-0770  FAX:0428-20-0775
http://tokyo-busonkai.or.jp/

平成22年7月に設立認可。特別養護老人ホーム、地域包括支援センター、障がい者グループホーム等の事業を実施し、8つの施設を運営している。

地域社会との交流を大切にし、住民の理解と参加・協力を得られる、地域に根ざした福祉拠点を目指している。

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