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障害の有無をこえた地域の居場所づくり

社会福祉法人つくりっこの家(練馬区)

障害のある人だけでなく、地域に住む主婦など様々な立場の人たちが、それぞれの持ち味を生かし合いながら地域の居場所づくりに取組んで36年。一つひとつ時間をかけて積み重ねられてきた工夫に富んだ取組みを紹介します。

福祉広報2014年07月号

社会福祉法人つくりっこの家は就労継続支援B型の作業所である「クラブハウス」を中心に、衣類雑貨の「リサイクルショップ」や、家具等のリサイクルと家事援助サービスを行う「きらくや」、クッキー工房、喫茶室「ぶどうや」、有機野菜や自主生産品販売を行う「みのりや」など、地域の人たちがふれあう場づくりとして活動を展開しています。

地域の住民としてできること

36年前、つくりっこの家を立ち上げた、つくりっこの家クラブハウス元所長の明星マサさんは学生時代に脳性マヒの方と出会ったことをきっかけに、「障害の有無をこえて人々が地域のなかで生きるということはどういうことか、そして何ができるのか」を考えるようになりました。その後、主婦として子育てをしながら「お互いに支え合い学びあえる場をつくろう」と自宅の4畳半の部屋を開放し、週1回お弁当を持ち寄って小物づくりなどをはじめたのが「つくりっこの家」の原点です。

各活動は参加する主婦や障害のある人、制度上で「障害」の対象者にならない人も「地域で暮らす人」として一緒に作業するという基本的な姿勢を貫いています。そして、メンバー同士で話し合いをつづけながら、ガレージでの販売からリサイクルショップの開店へと、少しずつ地域のなかで活動の幅を広げていきました。

明星さんは「施設を始点として地域の居場所づくりを行ったのではなく、地域のなかで出来る範囲で居場所づくりを行ってきた結果、現在のかたちになった」と話します。


1982年に開店したリサイクルショップ

「これだけある」という視点

つくりっこの家は当初の14年間、補助金や寄付に頼るのではなく、自分たちで活動資金をつくり出して運営してきました。これは「自分たちでできるところから活動する」という考えからきています。

できないことに目を向けるのではなく、参加者一人ひとりの可能性やつながりに着目すること、地域にある資源に対して「これしかない」ではなく「これだけある」という考えを大切にすることで、工夫が生まれ、長続きする活動につながります。

例えば、個人宅での活動に参加するメンバーの数も徐々に増えてきた頃、新たな活動場所を探していました。「リサイクルショップの場所として良い物件を見つけたが、当時、購入する資金はなかった。そこで諦めるのではなく、知り合いのなかから大家さんになってくれる方を探して、そこから物件をお借りする形で開店することができた」と明星さんは話します。

そして、メンバー内からの要望や地域の保健師の勧めもあり、つくりっこの家は「常設」の体制を整えていきます。さらに練馬区社会福祉協議会からの紹介で、近隣の知的障害者施設の受付事業を受託する転機を迎えます。それでも資金と受託事業中心で活動を限定するのではなく、あくまでも自分たちで出来る活動の一部として生かしていくという視点で、現在の様々な取組みにつなげてきました。

 地域にひらくことでつながっていく

つくりっこの家では、Aメンバー(「障害」がある人)とCメンバー(地域の主婦たちを中心とする「障害」のまだない人)が組んで働いています。活動には自らの意志と責任で関わることで、支援する・されるではなく、対等な関係性が生まれています。毎朝のミーティングでは、各メンバーが自分の体調等で、自分の活動を考え、仕事の担当を決めています。

「障害で生きづらさを感じている人たちにとって、つくりっこの家は自分の意見が求められ、役割を実感できる場になっている。また、地域の主婦を中心とするメンバーの人たちも、ともに働くなかで自分の本音と向き合い、成長する場となっている」とクラブハウス所長の明石寿美さんは話します。そして、活動を通して分かち合うことで理解や信頼、交流が豊かになる「わけるとふえる」という考えを大切にしてきました。

こうしたつくりっこの家のメンバーの関係性を主に「店」という形で地域に住む人々が自然に接するようにしたことで、行政や社会福祉協議会、福祉施設に加え、地域の医療機関、商店、学校、農園や住民との横のつながりが育まれました。

「地域にひらくということは、常に社会の視線にさらされることになる。しかし、そのおかげで地域の理解と協力を得ることができた」と明石さんは話します。さらに障害だけでなく、高齢者世帯に対する清掃等のサポートや空き家活用など横断的な地域のニーズに対して、つくりっこの家のメンバーが協力していく双方向の関係性もつくられています。


朝のミーティングの風景


Aメンバーは日替わりシェフとして、他のスタッフと
昼食づくり当番を務める

分かち合い、支え合う関係を続ける

事務局長の金井聡さんは「現在、初期のメンバーが高齢になり、作業所の若手が手伝う側になったり、メンバーの夫など退職した男性たちが積極的に活動に参加するなど、つくりっこの家も変化している」と話します。

そして、新たな地域のニーズとして「今後は若者サポートステーションと連携し、地域の若者と一緒に夢をもって取組めるような活動も考えたい」と金井さんは話します。

これからもつくりっこの家は、変化に応じながら、これまで築き上げてきた「わけるとふえる」という考え方を軸に据え、誰もがゆるやかにみまもり合う居場所を一緒に作り上げていきます。そして、引き続き地域とともに歩む活動を続けていきます。


2011年より、長野県高山村で
後継者不足のりんご畑を借りて
栽培している。若者サポステの
メンバーも参加

昨今、地域における社会福祉法人のあり方が検討されています。制度の枠組みに基づき、限られた時間と資金、人材のなかで、何らかの成果を示すことが求められています。「これだけある」という視点で行われているつくりっこの家の工夫や活動は、様々な示唆に富んでいます。

 
Masa Akeboshi 明星マサ(右)
つくりっこの家クラブハウス元所長

Toshimi Akashi 明石寿美(左)
つくりっこの家クラブハウス所長

Satoshi Kanai 金井聡(中央)
つくりっこの家事務局長

 

社会福祉法人つくりっこの家

つくりっこの家外観

東京都練馬区大泉学園町1-23-5
TEL.03-5387-2477
http://www2.ttcn.ne.jp/~tukurikko/

1978年に地域の人たちの手づくりで開始。1992年東京都と練馬区から補助を受け精神障害者作業所つくりっこの家クラブハウスが誕生。2004年10月、社会福祉法人つくりっこの家を設立。リサイクルショップ等は現在も任意団体で自主運営している。スタッフ9名、Aメンバー(「障害」のある人)39名。Cメンバー(地域の主婦たちを中心とする人)32名で活動中。

 
 
 

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