社会福祉の課題の解決や福祉サービス向上などを目的として幅広い活動を行っています

災害関連情報

MENU

ホーム > 地域のニーズにこたえる > 社会福祉法人による取組み > 居場所づくり > 誰もが集える「ほっとステーションながれぼし」の設置

社会福祉法人による取組み

  • 居場所づくり
  • 地域との連携

 

誰もが集える「ほっとステーションながれぼし」の設置

社会福祉法人芙蓉会(町田市)

東京都町田市は高齢化率の高さが課題となっている地域の1つです。そこには公的なサービスを必要としない元気な高齢者も多く暮らしています。元気な高齢者の「皆が集える場所がほしい」というニーズに応えるため、法人独自に「ほっとステーション ながれぼし」(2014年8月開所)を設置し、地域支援を行っている、社会福祉法人芙蓉会の取組みを紹介します。

福祉広報2015年01月号

社会福祉法人芙蓉会は1964年、看護師であった四ヶ所ヨシ氏が設立しました。長年にわたり家庭や社会のために貢献されてきた高齢者を敬い、「老人は国の宝」を法人理念に掲げています。現在は特別養護老人ホーム、短期入所、デイサービス等を運営し、多岐に渡る高齢者への支援を展開しています。2002年、町田市の南地区に「総合福祉ホーム芙蓉園」を設立しました。

町田市は、2008年に高齢化率が20%を超え、団塊の世代が全て高齢者となる2015年には24.4%になると予測されています。その中でも芙蓉園のある南地区は、2013年に65歳以上の人口の割合が32.3%まで達したところもあり、高齢化率・75歳以上の人口率ともに高いとされています。

地域のニーズ調査から

2011年、町田市から委託された「南第1高齢者支援センター(地域包括支援センター)」の適正な運営を図るために、学識者や住民等で構成する委員会を立ち上げました。アンケート調査で地域ニーズを把握した結果、都営住宅の住民から「皆が集える場所」が欲しいとの声があることがわかりました。芙蓉会はこれまで施設サービスを中心に運営してきましたが、地域には様々なニーズがあることを再認識しました。芙蓉園園長の板垣さんは、「地域で高齢者の生活を支えるだけではなく、子どもや障がいをもつ人もともに集い、一緒に過ごすことができる場を、法人として提供していこう」と考えました。これが「ほっとステーション ながれぼし」(以下、ながれぼし)を設立したきっかけです。

法人内での共通理解づくり

実際に事業を開始するまでに3年程かかりました。都営団地に近い場所に都合の良い建物を確保することができず、場所探しに時間がかかってしまったことと、全額法人負担での設置のため、初期投資の費用が相応にかかったことが理由です。

ようやく2014年4月に民間の借家で条件に合うものがみつかりました。すぐに新規事業プロジェクトを発足し、職員同士で討議したり、大橋謙策氏(日本社会事業大学名誉教授)を招いた検討会を開催したりして職員の共通理解を深めました。「法人独自の法外事業であり、職員の理解を得るためていねいに説明した」と板垣さんは話します。また、5月には地域で福祉活動を行っている団体(町内会、認知症家族会等)や個人に2回程集まってもらい、意見をもらいました。法外事業なので、事業開始に当たっては東京都、町田市とも相談をしました。様々な立場の方からの意見を受けながら議論を深め、この事業をスタートしました。

主体的に参加できる活動が特徴

2014年8月1日に「ながれぼし」は開所しました。病院や幼稚園が並ぶ大きな街道に面した、無料で気軽に立ち寄れる場所です。デイサービスの経験が豊富な芙蓉園の職員を1名常勤で配置しています。家賃や人件費等は年間におよそ4百万円強です。

開設当初は、主に芙蓉園の介護予防教室に通う方や芙蓉園に馴染みのあるボランティアの方が来所しましたが、徐々に口コミで新規の利用者が増えています。現在、1日の利用者平均は7名で、60~70代の方が中心です。デコ巻き寿司づくり、布ぞうりづくり、つるし雛づくり等の活動や、フラダンス、流しソーメン、保育所・幼稚園との交流などのイベントを定期的に行っています。特に月1回の一品持ち寄りの日は人気が高く大勢の方で賑わいます。

 
特養の利用者の方と一緒に食事をしたり、歌を歌ったりして交流する様子

また、介護保険料は払っているが、介護保険について「どうしたら利用できるのかわからない」という声があり、それを受けて介護保険施設見学会を行いました。芙蓉園のほか、近隣の他事業所(老健、小規模多機能型居宅介護、グループホーム)の協力も得て、これまで4回実施して52名の参加があり、「介護保険の仕組み、施設や事業のことがわかった」との感想が寄せられています。

さらに、随時芙蓉園の特養の利用者が「ながれぼし」を訪れます。特養の利用者は地域の人と交流して良い刺激になります。「ながれぼし」の利用者は特養の利用者を自然と支える側となり、お互いに良い関係になっています。支える側、支えられる側の垣根が低く、自然な楽しさを演出しています。

今後の展望

「ながれぼし」はまだ開所して半年程度ではありますが、着実に地域に根付いてきています。これは、芙蓉園の利用者や家族、ボランティアの方々の力によるものが大きいです。しかし、男性や高齢者以外の方の利用が少ない等の課題があります。それに対して、男性も参加しやすい歴史談義等のイベントを企画し、子ども向けのイベントを行なって子どもが足を運びやすいような工夫を凝らしています。

また、今後は芙蓉園の職員と地域参加者を構成員として「ほっとステーション運営委員会」を立ち上げ、今後の運営について協議できる場を設けていきたいと考えています。「現在は平日のみの開所だが、休日に職員がいなくても、自主的に開所できないかなどを検討したい」と板垣さんは話します。

法人としては、今後も地域のニーズを捉え、ながれぼしのような集える場所等の新設や、福祉制度から漏れた人が利用できる支援について検討しています。また、地域の不動産屋とタイアップし、空き家の管理や活用を住民と連携して行う事業も構想しています。

社会貢献活動の展開を検討している法人に対して、板垣さんは「1歩踏み出すことが大事」と話します。社会福祉法人が持つ信頼とつながりの資源を活用し、「場」を提供することで、様々な人が集い、交流し、新たなつながりが生まれて地域力が高まります。それは、社会福祉法人が蓄積してきた財産を地域に生かし、地域の方々に認めてもらうチャンスとなります。


Yoshikiyo Itagaki 板垣恵浄
社会福祉法人芙蓉会 常務理事
総合福祉ホーム芙蓉園 園長

 

社会福祉法人芙蓉会

〒194-0004 東京都町田市鶴間661番地8
TEL:042-796-2736
http://fuyouen.jp/

1964年設立。東京都町田市、千葉県君津市に総合福祉ホームを設置し、特別養護老人ホーム、短期入所、デイサービス、居宅介護支援事業所、通所介護、ヘルパーステーション、高齢者支援センター(地域包括支援センター)などのサービスを運営。

社会福祉法人による取組み

地域のニーズにこたえる

社会貢献活動の取組み事例を募集しています

地域公益活動の普及啓発パンフレット

東京都地域公益活動推進協議会への加入申込はこちら

はたらくサポートとうきょうへの登録はこちら

ページの先頭へ