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地域の幅広い年齢層とのつながり―いつでも相談できる関係性を築く―

社会福祉法人大和会(多摩市)

認知症カフェの様子

多摩市西部の閑静な住宅街にある高齢者施設で、全世代を対象にしたお祭りと全世代交流型コミュニティカフェ(認知症カフェ)が新たに始まりました。背景には、地域の方が困りごとを早期の段階で気軽に相談に来てもらえるような関係づくりをしたいという愛生苑の願いと工夫が込められています。

平成28年10月19日掲載

地域のニーズ

我慢を重ねて限界になってから施設に来所する傾向が多くみられ、早期の段階で気軽に相談する場が必要だった。

気軽に相談に訪れやすい環境づくり

愛生苑は、平成24年より少しずつ事業所の一般開放に向けて準備をすすめてきました。売店をリニューアルしたり、玄関ホールに地域の方がくつろげるようなテーブルを設置したり、使用していなかった中庭を活用できるように片づける等の取組みを続け、訪れやすい環境づくりをすすめました。そのような環境をつくり上げることで、地域の方が、介護のこと、高齢期の生活で困りごとがあった時に気軽に相談が出来るような関係をつくりたいと考えていました。しかし、常時事業所を開放することは難しいという現状がありました。

また、相談に来られる地域の方は、我慢を重ね限界になってから来所する傾向がありました。早期の段階で、もっと気軽に訪れてもらえるためには、第一段階として愛生苑を地域の人に認知してもらう必要があると社会福祉法人大和会 特別養護老人ホーム「愛生苑」の生活相談員の五箇忠司さんは考えました。

「地域の施設として社会的責任を果たすために何ができるだろうと考えた時に、それぞれの特色を生かした取組みができればと考えた。愛生苑ができることは、地域の高齢者や介護者が感じている、介護を続けることへの不安、年齢を重ねるごと出てくるさまざまな不安に対して、安心をもたらすことではないか」と五箇さんは話します。

地域との関係性を築いていけば、現在は見えていない地域のニーズがみえてくるのではないかとの職員からの提案もあり、平成27年6月に、全世代を対象にした、「WADAミュージックフェスティバルin愛生苑」の第1回を開催しました。

できるだけ『福祉』を感じさせないことにこだわり
―地域の幅広い年齢層とのつながりを強める

平成26年12月より、五箇さんの他、介護士2名、管理栄養士1名の4名を中心に「WADAミュージックフェスティバルin愛生苑(以下「WADAフェス」)」に向けた取組みが始まりました。

幅広い年齢層に来ていただくために、地域の子ども会や小学校、大学、多摩市内の企業、協定を結んでいる東京ヴェルディ等、さまざまな機関へ連絡を取り、協力をお願いしました。広報活動としては、地元のローカル番組のTV局に取材を依頼したり、企業にチラシを依頼したりして、できるだけ『福祉』を感じさせないことにこだわることで幅広い年齢層に訪れていただけるように工夫しました。

結果、第1回は450名の地域の方が、愛生苑を訪れました。職員の中には、忙しい日々の業務の中、さらにイベントを企画するという点に反対の意見を持つ者もいました。しかし、スタッフとして事業に携わる中で地域に向けての視野が広がり、第1回が終了したころには、来年も開催したいとの声が職員から上がるようになりました。その結果、第2回開催に向けてWADAフェス実行委員会が設立され、メンバーには、当初の4名に加え、介護士1名と看護師1名が加わりました。

第2回目となる今年度のWADAフェスでは、前年度に加え、新たに地域の企業や障害者施設の方にも声をかけました。参加された地域の方からは、「地域にこんな施設や企業があったのか」等の声が上がり、地域の方が事業所や団体の存在を知るきっかけになりました。第2回は、第1回を大幅に上回る950名の子どもから高齢者まで幅広い年代層の地域の方が愛生苑を訪れました。

第2回WADAフェスの様子(じゃんけん会)

第2回WADAフェスの様子(和太鼓演奏)
第2回 WADAミュージックフェスティバル in 愛生苑の様子

五箇さんは、「実際、敷地に足をふみ入れないとわからないことがある。親しみやすさをだし、訪れにくいイメージを変えたかった」と話します。

取組みにボランティアとして参加した大学生は、「事業所のお祭りと聞くと利用者中心のイメージであったが、愛生苑の取組みは、地域の企業や他分野の事業所等、外部とのつながりが強く、地域の方の訪れやすさを主軸としていると感じた」と話していました。

平成27年からのWADAフェスの開催の効果か、以前よりも、愛生苑に足を運び、気軽に相談をしてくれる方が増えてきました。

「地域の方にチラシ掲示の協力を仰ぐ等、さまざまな場面で地域の方と関わる機会が増えた。このプロセスが、地域とのつながりを深めていくのであり、近くに相談できる場所があることが地域の方の安心につながる。フェスティバルで、地域の方が相談に訪れやすい関係性を築くことができたのではないか」と五箇さんは話します。

より相談しやすい、話しやすい環境づくり
―全世代交流型コミュニティカフェ あいくる-bande(認知症カフェ)―

以前より、愛生苑の周囲では、近隣のマンションによる自治会があり、愛生苑を含め、地域が一丸となって防災訓練を行う交流がありました。平成27年12月、自治会の会合に愛生苑の施設長が出席したところ、自治会の方より「和田地区には、集えるようなカフェがないのでそのような場所を提供できないか」との意見が上がりました。そこで、地域の方が気軽に訪れることができる居場所として、カフェを開催することになりました。

平成27年12月、五箇さんを含む3名が中心となり、愛生苑内の職員会議にて事業計画について話し合いました。カフェを開催するにあたって、多摩市より認知症の人や家族、支援する人達が参加して話し合い、情報交換等を行う認知症カフェとして開催してほしいとの要望があり、誰もが参加できるくつろぎスペースとしての当初のイメージを保持しつつ、認知症カフェとしての機能を加え、コンセプトを練りました。

事業内容は、年間予定の大枠を決め、4か月ごとに区切り、開催時期が近づいてきたら詳細を各担当者が詰めていくというスタイルにしました。チラシは、年に3回配布します。

カフェ開催は、月1回土曜日で開催時間を決め、プログラムを行います。プログラムのテーマは、できるだけ幅広い年齢層が参加できるように、意識することで、地域のニーズを発見しやすいように工夫しました。そして、地域公益活動の費用として平成28年度開始に合わせて予算を組みました。

平成28年4月、事業開催と同時に、愛生苑内に地域公益委員会を設置し、委員会を中心として、誰もが気軽に訪れることのできる居場所のひとつとして、「全世代交流型コミュニティカフェ あいくる-bande(認知症カフェ)」の取組みがスタートしました。

「あいくる」というのは、中庭の命名を募集した際に、100ほどの中から選ばれた「あいくるガーデン」の「あいくる」とbande=バンデ(ドイツ語で絆を意味する)を組み合わせた名前です。

ゆったりと過ごす姿、生活の不安を気軽に職員に相談する姿も
―相談しやすい関係性を築く

コミュニティカフェ「あいくる-bande」
全世代交流型コミュニティカフェ あいくる-bande(認知症カフェ)の様子

全世代交流型コミュニティカフェ あいくる-bande(認知症カフェ)は、ドリンク代として、参加費200円をいただきます。しかし、地域に向けたカフェのチラシには、フリーチケットをつけることにより、無料で気軽に訪れていただけるようを工夫しました。

プログラムは、地域包括支援センターや病院、医療法人や大学教授等の地域の団体に声をかけ、「地域医療と介護連携の重要性」「熱中症・脱水症状って何?」等の講演や、“おばあちゃんが孫の前で輝ける場を”というコンセプトの元、愛生苑の調理師のきれいなフルーツの切り方講座、交流イベントとして、お茶会・ハロウィンパーティの開催と、バラエティ豊かです。

どの会も、固苦しいものにはせず、ゆったりとお茶を飲みながら、話を聞けるようにテーブルをランダムに置く等、細やかな環境づくりを行いました。

参加される方の年代は50~80代が中心ですが、講師の大学教授の繋がりで、学生が参加することもあります。1回の開催に20~40名弱の地域の方が参加します。参加回数を重ねるうちに、プログラム終了後もしばらく施設内でゆったりと過ごす参加者の姿や、高齢になるにつれて生じてくる日々の生活の不安を気軽に職員に相談する参加者の姿がみられるようになりました。

参加者の中には地域の近隣のマンションによる自治会のメンバーもおり、プログラムの前後に地域の方と地域団体・学校とのつながりが生まれ始めています。

五箇さんは「サービスが必要になってから相談に来所するのと、サービスが必要ないときから関わりがあり、相談に来所するのではプレッシャーや不安が違う。普段から関係性を構築することで、早期にニーズが発見できれば良いと思う」と話します。

地域のニーズを見つけられたら嬉しい―愛生苑の特色を生かした取組み

カフェ開催後は、管理職員の間で振り返りをします。チラシは1万2000枚ほど配ることもありますが、多く配った時期に参加者が必ずしも多いとは限らず、今後もPR方法は検討していく予定です。

五箇さんは、「この取組みをきっかけとして、地域のニーズを見つけられたら嬉しい。また、地域の繋がりが強まり、地域の自発的な活動のきっかけになれば良い」と話します。

今後は、愛生苑の高齢者施設としての特色を生かしながら地域のニーズに応じていけるように取組みを続け、地域のつながりを深めるきっかけづくりをしていきたいと考えています。

 

社会福祉法人大和会 特別養護老人ホーム 愛生苑

〒206-0001 東京都多摩市和田1547番地
TEL:042-376-3555   FAX:042-376-3530
http://www.yamatokai-tokyo.or.jp/08_topPage_A/index.html

愛生苑は平成9年4月に開設した定員80名の特別養護老人ホームで、多摩市西部の閑静な住宅街に立地している。

「愛と共生」を施設理念として、「心豊かでゆとりのあるシニアライフの実現」に向けて、医療・介護・食事の連携を重視した施設運営を行っている。

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