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社会福祉法人による取組み

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ボランティアが行う訪問型子育て支援 ホームスタート

社会福祉法人二葉保育園(新宿区)

社会福祉法人二葉保育園は、子育て支援センターを運営するなか、アウトリーチ型支援の必要性を感じていました。そこで、施設が養成したボランティアを子育て家庭へ派遣するホームスタートを運営しました。「傾聴」と「協働」を基本とし利用者に寄り添いながらともに子どもとかかわる支援を展開しています。

平成28年2月3日掲載

広場に来られない親子はどうしているのだろう

二葉保育園は、2003年に新宿区より「地域子育て支援センター二葉」の運営を受託し、第二種社会福祉事業として乳児院の2階に併設して運営しています。「地域子育て支援センター二葉」では、地域の子育て親子が訪れる「ふたばひろば」、地域の子どもを理由問わずに預かる「一時保育」、「子ども子育てに関する相談」、「育児支援の情報提供」など、地域の子育て親子を対象とした事業を実施しています。年間登録数250組、1日平均25組が来館しています。

ホームスタート・二葉オーガナイザーの大矢裕子さんは、「ひろばを訪れている親子はサポートできるが、来ることができない親子が心配。街ではベビーカーの親子を見かけることが多いが、知らない親子と出会うことも多い。支援が必要な人に届いているのだろうか」と、当時の想いを振返ります。そして、待つ支援ではなくアウトリーチ型の支援を検討するなか、新宿区の次世代育成協議会でホームスタートジャパンこのリンクは別ウィンドウで開きますの方と知り合う機会があり、ホームスタートの存在を知ることができました。

ホームスタートの実施について法人内で話し合った際、「乳児院で子どものショートステイを有償でお願いしても難しいのが現実。他人の家庭に入るというスタイルは日本人には合わないのでは」など、消極的な意見が大半でした。その頃新宿区では、保健師による乳幼児全戸訪問で気になった親子へのフォローについて検討していました。新宿区と相談するなかで、新宿区協働事業提案制度を紹介されました。「行政と協力すれば上手くいくのでは」と考えて応募したところ、採択されました。

家庭訪問型子育て支援 ホームスタートとは

ホームスタートは、8日間の養成研修を受けたホームビジター(ボランティア)が無償で子育て家庭を訪問します。週に1度、2時間程度、定期的に約2~3か月間訪問し、滞在中は寄り添いながらかかわります。2名のオーガナイザーが訪問先とホームビジターの調整を行っています。1名分の人件費を新宿区協働事業提案制度の費用で充当しています。

現在ホームビジターは44名です。育児の手が離れた方、保育士経験がある方、ファミリーサポート経験者、ショートステイを受入れた経験がある方などさまざまです。年齢は30~70代の女性で、多くの方が子育て経験があります。子育て経験を活かした活動を行うことで、「自分が必要とされている」と感じることができ、ホームビジターにとってもやりがいが生まれます。ホームスタートの活動がきっかけに、乳児院のボランティアや子育てサロンをするなど、多くの波及効果が生まれています。


ホームスタート養成研修の様子

 

表1 ホームスタート利用者数
  利用者数 ホームビジター数
2014年度 58人 31人
2013年度 38人 21人
2012年度 32人 13人
 
 

「傾聴」と「協働」

ホームスタートでは、利用者の気持ちを受け止めながら話を聴く「傾聴」と、育児や家事、外出を一緒にする「協働」を大切にしています。責任感が強くて、家事を完璧にこなしているけれど育児に自信が持てない人に対しては「頑張っていますね。今のままでいいと思いますよ」と自己肯定感を持ってもらうようかかわっています。また、あるお母さんは、子どもに対して障害を持って産んでしまったことに負い目を感じていて、子どもを外に連れ出すことをあまりしていませんでした。ホームスタートを利用し、ホームビジターに同行してもらい公園に行きました。すると、ボランティアと子どもが楽しそうに遊んでいる姿を見ているうちに「外に連れ出すのも悪くないな」と気持ちが変わっていきました。ホームスタートを通じて、社会とかかわる接点を生み出しています。また、ホームスタートの活動中は、利用者と連絡先を交換しないように伝えています。連絡するときにはセンターを通してもらうようにしています。


ホームスタートの様子

ホームスタートから子育てサービスにつなぐ

利用者のニーズはさまざまです。多いニーズは図1のように「孤立感の解消」「子どもの発達・成長を促す機会」「親自身の心の安定」と続きます。その他にも、「引っ越したばかりで知り合いがいない」「下の子が生まれて上の子と遊ぶことができない」「双子が産まれた」等です。保健師健診や発達センターから紹介された精神疾患を持つ母親や、障害を持つ子どもの家庭も利用しています。ボランティアから地域の病院や子どもが遊べる場所などを知り、今後の子育ての見通しを持つことができます。

また、子育てしている専業主婦は、「自分はお金を稼いでいないので費用がかかるサービスは使いにくい」と感じてしまいがちです。ホームスタートは無料なので敷居が低く、子育てサービス利用のきっかけにつながっています。ホームスタートで誰かに頼っても良いのだという体験をすることで、子育て支援センターで運営している広場や一時利用、ショートステイにつながっています。新宿区社会福祉協議会が運営しているファミリーサポート事業などを利用される方もいます。

図1 ホームスタート ニーズ数集計

図2 ホームスタートニーズ充足度集計

ファミリーサポートセンター

新宿区社会福祉協議会では、地域の中での子育て支援と児童福祉の向上のため、住民による会員制の相互援助活動を行っています。子育ての援助を受けたい方(利用会員)と子育ての援助を行いたい方(提供会員)の橋渡しをしています。

同じ住民だから同じ目線で悩みを引き出せる

育児の悩みを「ママ友」に打ち明けるのは、自分の子どもと他の子どもを比較してしまうため難しい場合があります。悩みを話すと「あの家庭は上手くいっていない」と広まってしまうと感じてしまうこともあります。実の親や義理親が近くに住んでいても頼りにくい場合もあります。自分の子育ての仕方に対して「私の頃はそのようにはしなかった」と比較され、息苦しく感じてしまうこともあります。また、医師や保健師などの専門家に相談する方法もありますが、育児に悩みを抱えていると、自分の「育児を否定された」と感じる方もいます。

ホームスタートは、子育て経験者がともに子どもと接するなかで、上からではなく同じ目線で話し合えるので、子育ての悩みを引き出しやすい面があります。家族や友達、専門職の支えとともに、同じ目線を持つ住民のかかわりも必要なのです。

社会福祉施設の強み

二葉保育園は乳児院、保育園、児童養護施設、一時保育、ショートステイなど、子どもに関するさまざまな事業を運営しています。そのため施設には、保育の専門家である保育士、食事の専門家である調理師・栄養士、心の相談を行う臨床心理士等の専門職がいます。育児方法を知りたい方、育児不安がある方、離乳食が初めての方、産後うつの方など、福祉施設だからこそさまざまな課題を持つ人に対応できます。

地域には子育て以外のニーズもある

大矢さんは「ホームスタートをはじめたことで、地域の情報がたくさん入ってくるようになり、様々なニーズを把握することができた。地域には子育ての課題だけでなく、DVや虐待、親がアルコール依存症のケースなど、さまざまな課題を抱えた方がいる。これまでの二葉保育園のネットワークを活かし、児童福祉領域以外とも連携していきたい。また、運営資金の安定的確保とオーガナイザーの育成にも取組みたい」と話しました。


ホームスタート受講後に記念写真

ホームスタートに関する講演会や研修会については、ホームスタートジャパンこのリンクは別ウィンドウで開きますのホームページのトップページから「講演会/イベント」をご覧ください。東京都内でも開催しています。

 

社会福祉法人二葉保育園このリンクは別ウィンドウで開きます

1900年に貧困に苦しんでいる子どもを救うため、私立二葉幼稚園を設立。現在は、乳児院、児童養護施設、保育園、子育て支援センター等を運営し、子ども、女性、そして地域社会を支える事業を展開しています。

地域子育て支援センター二葉このリンクは別ウィンドウで開きます
住所:東京都新宿区南元町4番地 二葉乳児院2階
TEL:03-5363-2170
URL:http://www.futaba-yuka.or.jp/int_nyu/int_huh/

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