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地域と施設をつなぐ家庭訪問型子育て支援ホームスタート

社会福祉法人共生会 児童養護施設希望の家(葛飾区)

児童養護施設は虐待の最後の砦として、虐待を受けた子どもをケアしています。しかし、施設で子どもに丁寧にかかわりをもったとしても、虐待数は増え続け、虐待そのものを無くすことはできません。そこで、児童養護施設希望の家は、子育てを経験したボランティアが無償で未就学児がいる家庭を訪問する「家庭訪問支援型ホームスタート」に取組んでいます。

平成28年3月11日掲載

児童養護施設は虐待の最後の砦として、虐待を受けた児童をケアしています。施設で児童に丁寧にかかわりをもったとしても、虐待数は増え続け、虐待そのものをなくすことはできません。児童養護施設希望の家 園長の麻生信也さんは、入所している児童だけではなく、地域の子ども、母親への支援の必要性を感じていました。

そのような中、児童養護施設希望の家は、2012年度から家庭訪問支援型ホームスタートを運営しました。子育てを経験したホームビジター(ボランティア)が週に1回、2時間程度、無償で未就学児がいる家庭を訪問します。子どもと遊んだり、子育ての悩みや疑問を聞いたりして、お母さんが元気に子育てできるように応援しています。子ども分野の勤務経験があるオーガナイザーが訪問先とホームビジターの調整を行っています。ホームビジター(ボランティア)は活動する前に、施設が開催する養成講座を受講します。講座の内容は、ホームスタートについて、子どもの発達の理解、傾聴、家庭に入って活動するポイントなどです。最後に園長との個別面接をしています。

虐待そのものをなくすために・・・

麻生さんは、虐待そのものをなくすためには、入所している児童だけではなく地域の子ども、親への支援の必要性を感じていました。ある時、理事長が「ホームスタート」を見つけてきて薦められました。そして、2011年夏にホームスタート研修を受講し準備し始めました。ホームスタートの柱は「協働」と「傾聴」です。例えば、忙しくて家事がたまっているから家事をしてあげるのではなく、どうしたら楽に家事ができるかを一緒に考えます。地域とのつながりを作りたいけれどためらっているときは、一緒に子育て広場に誘ったりしています。虐待予防を全面に出さず、子育て情報を伝えて、外とのつながりを持ち、結果として虐待予防の効果をめざしています。

あるケースでは、2人の子どもの育児に追われているお母さんがいる家庭を、オーガナイザーとホームビジターが訪問しました。子どもが部屋の壁に落書きしてしまい、オーガナイザーは「借りている部屋だし止めた方がいいのでは」と思っていました。ホームビジターと訪問すると「すごい上手な絵だね」と注意したい気持ちを飲み込んだ言葉を伝えてくれました。ホームビジターは、注意したい気持ちと褒めたい気持ちの両方を感じながらも、その場でふさわしい言動をしてくれました。これまでのさまざまな経験があるから出てきた言葉です。麻生さんは「ボランティアさんに救われている」と話します。


ホームスタートの取組みを説明してくれら児童養護施設希望の家 園長の麻生信也さん

地域には支援が必要な方が予想以上にいる

2014年度は40件の申し込みがありました。現在までに延べ95件、子どもの数は143人、1080回の訪問をしました。麻生さんは事業をスタートしてみて、「予想以上に要支援(何らかの支援が必要なケース)世帯が多いと感じた」と言います。精神的な課題を抱えている親、親子ともに発達の偏りが見られる世帯、精神疾患があり病院のワーカーから出産前に紹介されたケースもありました。なかには、子育て広場などに自分ひとりでは参加するのをためらっている人、半年前の区報をとっておいて連絡をされた双子を出産した方もいます。

ボランティアはプロじゃないから話しやすい

葛飾区は子育て世帯が多く、子育てサークルも多い地域です。子育て団体をつなぐ連合会もあります。希望の家でボランティアをしていた方もいて、施設とボランティアのつながりは以前からありました。また、葛飾区では以前から子育て事業や虐待予防に力を入れていました。社会福祉法人共生会が児童養護施設などを長年運営してきたことで、区に信頼され、ホームスタート事業も事業費の半分が補助されています。区から補助があることで、区報で周知でき、ホームスタートのチラシに「葛飾区」の名前を使えています。区民に安心感を伝えることができています。

葛飾区は、赤ちゃんが産まれた世帯へ保健師等が全戸訪問をしています。子育てに問題を感じていない方や、子育て広場や地域とのかかわりがある人は、訪問される保健師さんに積極的に話して、アドバイスがもらえています。しかし、子育てに不安を感じていたり、自分の子育てに自信がなくて自己評価が低い人は、「悩みを相談すると指摘されてしまうのでは」と不安を感じていて、なかなか自分から悩みを話すのは難しい状況があります。

専門職ではないボランティアの訪問は、同じ目線で話しやすいメリットがあり、家の中に入って、同じ空間で子どもと一緒に遊んだりすると、自分から悩みを話してくれます。信頼感が生まれるとくれると、「自分も大変だったわよ、今が一番大変だね」の言葉に共感してくれ「悩んで失敗するのは当たり前なんだ」と感じてくれます。

現在活動しているボランティアは29名で、40~60代の子育て経験者や保育士、子どもとかかわる仕事をしていた方もいます。子育て中の親と対面する中で、気軽に話をしてもらい、表情が明るくなると「楽しくやりがいを持てる」とボランティアは話しています。

子どもと地域とのつながりの相乗効果

ホームスタートを行ったことで、地域とのかかわりが増え、施設の新しい役割も見えてきました。麻生さんは「ホームスタートを始めたことで、ボランティアが施設に入る機会が多くなり、地域とのかかわりが増えた」と話します。子どもたちは施設だけではなく、児童館、学校、商店街等でも生活しています。児童館や学校の帰り道に顔を覚えてくれた人に声かけてもらえたりすることで、子どもたちの生活がより豊かになっています。

職員には、地域とのかかわりが大事だとは伝えていましたが、具体的な場面を見せることで実感してもらえています。職員はホームビジターを養成する研修を見学しています。地域の人と接することで、「地域から見える施設の視点」を持つことができました。ホームスタート事業を通して、虐待の未然予防のかかわり、施設と地域のつながり、児童と地域とのつながりの相乗効果が生まれました。

課題は早いペースでケース数、ボランティア数が増えていることです。丁寧にかかわる必要があるケースが多く、1人のオーガナイザーが調整できる人数には限界があります。また、活動が少ないホームビジターのモチベーションを維持する工夫も必要だと感じています。


ホームビジターとオーガナイザーのみなさん

 

社会福祉法人共生会 児童養護施設希望の家

住所:東京都葛飾区青戸4-14-15
電話:03(5650)2424
http://www.kibo-noie.com/

児童養護施設、ショートステイ、トワイライト、グループホーム、学童保育クラブ、放課後健全育成事業や、特別養護老人ホーム、母子生活支援施設等を運営しています。近隣に保健センター、子ども総合支援センターがあり、連携しやすい環境があります。

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