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宗片 恵美子

EMIKO MUNAKATA

特定非営利活動法人イコールネット仙台代表理事

防災の取組みから、女性と男性が等しく活躍できる社会を目指す
宗片恵美子さんは、男女共同参画社会の実現を目指す、特定非営利活動法人イコールネット仙台の代表理事です。現在は女性が主体となった地域防災の推進に力を入れており、「女性のための防災リーダー養成講座」を開催するなど、さまざまな活動を行っています。

福祉広報 2014年11月号 明日の福祉を切り拓く

 

イコールネット仙台は、「生活すべて」をテーマに、様々な分野で男女共同参画社会の実現に取り組む個人や団体が集まって出来た組織です。政治、メディア、文化、健康など、それぞれに関心事は違っても、男女平等という同じ目標に向けて、つながりを作って協働しようと設立しました。平成15年の設立以来、幅広い分野で活動をすすめ、平成20年には「災害時における女性のニーズ調査」を実施するなど、以前から災害対策にも取組んでいました。調査結果をもとに提言をまとめ、防災に男女共同参画の視点を取り入れることを提案していたのです。
 

震災で顕在化した性別役割分業の意識

ところが、いざ東日本大震災が発生して私たちが直面したのは、活動をはじめた頃と何も変わらない、性別役割分業の意識でした。イコールネット仙台では震災直後から避難所での洗濯代行ボランティアを行ったのですが、避難所の運営を担うのは男性、炊き出しをするのは女性と、文字通り性別によって役割が固定されている様子を多く目にしました。防災や災害復興について、女性が主体的に関わることの難しさを肌で感じた瞬間でした。
しかし、女性の視点を軽視した防災の取組みや避難所の運営が立ち行かなくなることは、今回の震災を見ても明らかです。現在、数多くの女性が各家庭で児童、高齢者、障害者のケアを担っています。「困難を抱えた者の視点」を持つ彼女たちが主体的に防災や震災復興に取組むことは、支援を必要とする多くの人々の助けになります。
被災女性の経験や要望を明らかにするため、「東日本大震災に伴う「震災と女性」に関する調査」を行いました。震災後半年という時期にもかかわらず、宮城県内の1千512人の女性から回答をいただき、平成24年に報告書と、調査結果をもとに改めて「男女共同参画の視点から見る防災・災害復興対策に関する提言」をまとめました。この提言では、意思決定の場への女性の参画、女性の視点を反映した避難所の運営、防災・災害復興に関する教育の推進等をかかげています。
 

地域で活躍する女性の防災リーダーを育成したい

また、調査では回答者の85%が「復興計画を議論する場に女性の参画は必要だ」と考えていることが明らかになりました。「女性のリーダーがいてほしかった」という声も多かったことから、平成25年に「女性のための防災リーダー養成講座」を開講しました。防災に関心のある仙台市内の女性を募集し、地域の防災リーダーを育てる取組みです。すでに第1期生はそれぞれの地域で積極的に活動しており、中高生が主体となった避難所運営のワークショップを企画した受講生もいます。災害が起こったとき、避難所にはどんな人が来て、どんな支援が必要になるのか。避難所の設計図づくりを通して、支援が必要になる人と実際に顔を合わせ、一緒に考えることで、地域全体で防災に取組むきっかけづくりになったと好評でした。
今年度は第1期生が主導する形で、第2期生を養成しています。また、登米市や陸前高田市などの周辺地域でも同様の養成講座が開かれ、私たちは講師派遣等のサポートをしています。地域に密着した女性の防災リーダーが各地で育ち、将来的には他の様々な分野でも、女性と男性が等しく運営に携われるような社会づくりにつながればと思っています。

防災の取組みを、仙台から世界へ

現在は平成27年3月に仙台市で開催される第3回国連防災世界会議に向けて、聞き取り調査の結果をまとめた冊子「40人の女性たちが語る東日本大震災」の一部を英訳する作業をすすめています。震災後、私たちの取組みへの姿勢は確実に変わりました。震災によって男女共同参画がいかにすすんでいないかを実感し、自分たちが積極的に行動に移さなければ何も変わらないと痛感したのです。震災を経験した私たちには、この経験を活かすため、世界へ向けて発信する責任があります。震災の悲しみを胸に、次のステップへ踏み出すため、強い意志をもって、これからも活動をすすめていく所存です。

「女性のための防災リーダー養成講座」
でのグループワークの様子

 

むなかた えみこ

2003年、男女平等社会の実現をめざすNPO法人イコールネット仙台を設立。仙台市男女共同参画推進センターエル・パーク仙台市民活動スペースにおいて市民活動支援を担当。現在、内閣府男女共同参画会議議員等を務める。

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