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宗田 敏明

TOSHIAKI SOHDA

児童養護施設職員

宗田敏明さん

福祉は、特別なことではない
大学で農業経営・経済学を学んだ後、児童養護施設職員として働く、宗田敏明さん(23歳)に、ご自身の想いや仕事・学業のお話を伺いました。

福祉広報 2013年3月号 くらし今ひと

 

料理のレパートリーを増やしながら

教員免許をいかして、今年1月から児童養護施設で働いています。担当しているのは、小規模グループホームで生活する小学3年生から6年生の男児5人です。一方で、私が夜間の学校(社会福祉士・児童指導員養成校)に通っているため、シフトを考慮してもらい、定時制高校に通う高校生も担当させていただいています。

まだまだ素人で、自分のできることは少ないですが、今は子ども達との信頼関係を築く時期だと捉えて一緒に生活しています。家庭的な環境づくりを目指す施設の方針で、ホームごとに子どもへの食事提供もおこなうため、以前はまったくしなかった料理も、レパートリーを増やしています。煮込みうどんに入れたかぼちゃを煮過ぎてドロドロにしてしまった時は、子ども達からブーイングを浴びました。高得点とはいきませんが、なんとかお互いに楽しくやっていると思います。「おいしくな~い」と笑って言える関係性の方が個人的には好きです。料理だけでなく、ベテランの先輩職員からは、「ここでは、何でも経験が大事だからね」とアドバイスをいただいています。

学校では、学術的視点から福祉を勉強しています。事例を踏まえた上でのディスカッションでは、学生間の感情のぶれは起こりませんが、現場では職員がそれぞれ信念をもってやっているため、話し合いも熱くなります。そういったことに気づけるのは、学びながら働くことができているからこそで、とてもありがたいと感じています。

授業の中で、マザーテレサの8か条にでてくる「気にすることなく、~しなさい」という言葉を学び、感銘を受けました。自分の信じる道を進もうとするとき、様々な困難がやってくるが、気にせずやり遂げなさいといった内容です。「初心を貫きたい」という私の思いを、後押ししてくれています。

福祉は特別なことじゃない

私自身、小学6年生のとき、親が離婚することになりました。両親の不仲や「お父さんとお母さん、どっちと暮らしたい?」と選ばなければならなかった経験は、いま職場で子どもの気持ちの支えになりたいという想いの根底にあるのかもしれません。しかし、「宗田さんは~だから、福祉で働いている」と安易なレッテルを貼られるのも気分の良いものではありません。施設で暮らしている子も、施設で働いている職員も、決して特別な存在ではなく、社会を構成している一部分として見てほしいと思います。日常のふとした瞬間、混雑した電車内や街中で、「自分はたまたま福祉に関心があり従事しているが、ここにいる人たちにとって福祉って何なのだろう」と思う時があります。福祉は、施設内のことを指すだけでなく、どんな人にも必要で、どんな業種にも含まれている要素だと思います。大学時代は、若者の就農離れが進む中あえて若者の就農意識をカウンセリングの視点で研究しました。調査をしたところ、学卒後農業に携わりたいと考える若者が多くいることがわかりました。今まで関心が向けられていなかった就農に対する若者の声を聴こうとする姿勢は、「声なき声をきく」という意味で福祉専門職としての姿勢と共通していたように思います。福祉は特別なことじゃないと言いたいです。

よく人から「何で福祉の仕事なの?」と聞かれます。まだ、端的な答えが見つかりませんが、「人が好きだから」だと自分では思っています。

今日までの経験を大切にしながら、児童養護施設が不要になる社会になることを切に願いつつ、明日からも子どもと信頼関係を築き続けていきます。

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