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品川 卓正

TAKAMASA SHINAGAWA

社会福祉法人村山苑理事長

社会福祉法人が地域のリーダーとして活躍して欲しい
品川卓正さんは、社会福祉法人が時代に合ったニーズに迅速に対応し、地域のセーフティネットを担うため、平成25年10月に生活相談事業「むらやまえん生活相談所」をオープンしました。対象は問わず、だれでも相談できます。開所時間は平日9時から17時までが原則ですが、相談の電話があれば24時間受付けています。

福祉広報 2014年5月号 明日の福祉を切り拓く

 

村山苑は、救護施設、特別養護老人ホーム、障害福祉サービス、保育園など、さまざまな事業を運営してきました。生活相談事業に取組むきっかけは、平成16年12月にまとめられた「生活保護のあり方に関する専門委員会(厚生労働省)」の報告書でした。この報告書で救護施設は、終の棲家から通過施設へと大きな転換を迎えました。重度の方は特別養護老人ホーム等へ移行し、地域で暮らせる方は、生活訓練や就労訓練を行うなど、地域での生活を支援する流れになりました。村山苑では独自事業として、平成16年に「通所・訪問事業」をスタートさせました。
 

地域にも困っている人がいる

事業を運営する中で、利用者やその家族、近隣の方から、地域には生活に困っている人がいることを見聞きしていました。引きこもりの方で、これまで家族だけで支えていて、50代になるまで地域に助けを求めなかったケースにも遭遇しました。支援が必要でも、助けを求めるすべを知らない人が地域にはいます。早めに困っているニーズを発見し、適切な支援につなげる必要性を感じていました。
 

社会福祉法人をもっと知って欲しい

村山苑は、制度に先行して様々な取組みを行ってきました。保育園では、昭和46年から0歳児の重度障害の子どもを受け入れ、先進的に障害児保育に取組んできました。また、東村山市から都心へ通勤する親のニーズに合わせ、時間外保育も制度が始まる前から行ってきました。しかし、税制優遇されている社会福祉法人へ風あたりが強くなる中、これまでの村山苑の取組みが社会的に評価されていないことを実感しました。「社会や地域住民に社会福祉法人の取組みをもっと知ってもらう必要がある」、そんな思いから生活相談所を設置しました。

制度の枠からこぼれ落ちる方を救う

「むらやまえん生活相談所」は、責任者1名を専従とし、2名は通所・訪問・一時入所を兼務する精神保健福祉士と、救護施設で働いてきた職員の3名体制で運営しています。生活困窮者をはじめとする支援を必要とする方々をアウトリーチして掘り起し、福祉サービスや社会資源につなげることを目標にしています。制度のはざまにいる方に手を差し伸べるため、対象者を限定せず、地域で暮らすなかで困ったことがあれば何でも相談に応じています。食べ物がない、家賃が払えないなどの人がいれば、アセスメントしたうえで現金ではなく、お米などの必要な物資を現物で給付しています。
どこに困っている人がいるかを知ることが一番大切で、課題でもあります。高齢者は地域包括支援センター、障害者は市の障害支援課、お金の困りごとは市の生活福祉課があります。社会福祉協議会には福祉協力員もいますし、民生児童委員もいます。様々な関係機関・人に相談所を知ってもらい、ニーズを拾い上げたいと思います。
平成27年から生活困窮者自立支援制度がスタートします。制度ができることで困っている方を一定程度は救えるかもしれません。それでも制度の枠からこぼれ落ちる方はいるはずです。そのような方を支援することが私たち「むらやまえん生活相談所」の役割です。

事業を通じて職員に伝える

法人内の施設長会、職員会議、新入職員研修を通じて相談所の説明をしています。職員からは「なぜ相談窓口をスタートしたのか」など、興味を持ってもらえています。また、将来の村山苑を支える人材育成にもつながっています。社会福祉法人は施設利用者に対して、質の高いサービスを提供することが第一の使命ですが、地域に埋もれているニーズに即応することも重要な使命です。法人の使命を相談所という具体的に目に見える形で職員に提示することで、職員1人ひとりの仕事に対する動機づけにも影響を与えているように感じます。

施設の外に目を向けて

制度内の事業を運営するだけではなく、プラスアルファの取組み、一歩踏み出す行動が求められています。施設の外に目を向け、こぼれ落ちているニーズを拾い上げ、具体的に目に見える形で社会貢献をすることが必要です。法人が持つ資源と信頼をもとに、地域にある団体、企業、NPOなどと連携して、地域に対して何ができるかを模索することからはじめます。社会福祉法人が地域のリーダーとして、活動を担っていきたいと思います。

しながわ たかまさ

社会福祉法人村山苑理事長
保育園、障害施設、救護施設施設長などを経て、2010年から現職。東社協元救護部会長。現在は東社協社会福祉法人協議会役員、全国救護施設協議会副会長。

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