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【コラム】このヒトに会いたい

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角田 幸子

SACHIKO SUMIDA

婦人保護施設 職員

角田幸子さん

働いているというより、生き方として取り組んでいます
3歳の子どもを育てながら、婦人保護施設「いずみ寮」で働いている角田幸子さん(33歳)にお話をうかがいました。

福祉広報 2013年11月号 くらし今ひと

 

同じ年代の女性に出会って

大学時代の社会福祉士の資格を取るための実習が、「婦人保護施設で働きたい」という想いにつながっています。実習先は、全国で唯一の妊産婦とその子どもを対象とする婦人保護施設でした。そこで、虐待により妊娠した10代の女性に会いました。年が近いこともあり、いろいろな話をするなかで、なぜ、自分と同世代の女性がこんなに苦しまないといけないのだろうと思いました。実習から数か月後、その女性と施設のクリスマス会で再会しました。状況が少し落ちついたせいか、雰囲気が柔らかくなっていて、笑顔が出るようになっていました。「人が生きていく力ってすごい」と心を打たれました。そして、同じ女性として、苦しいこと、悲しいことを一緒に乗り越えていけたらいいなと思うようになりました。婦人保護施設は、女性であるが故に様々な苦しみを負っている方々が利用しています。しかし、女性たちを守る法律は、実習当時は「売春防止法」しかない状況でした。

婦人保護施設の仕事

現在の職場である「いずみ寮」で、4年生の夏に宿直のアルバイトを始めました。卒業後も、職員募集はなかなかなく、知的障害者の入所施設で働きながら、宿直のバイトを続けました。体力的にはきつかったですが「婦人保護施設で働きたい」という気持ちが勝りました。そして、社会人2年目にいずみ寮で働くことができるようになりました。仕事の内容は、利用者がご自身だけでは乗り越えることが難しいことをサポートすることです。必要に応じて、障害の手帳を取得する支援をしたり、退寮するための訓練に付き添ったり、一緒にハローワークなどに行って仕事を探すなどしています。離婚調停に同行することもあります。とくに、いずみ寮では、性暴力を受けた人を医療的な支援につなげていくことに力を入れています。関係機関との連携の大切さを日々感じています。

子どもに優しい利用者たち

実は、5年前に結婚し3年前に出産しました。婦人保護施設の利用者のなかには、子どもと別れて暮らさざるを得ない人がいます。出産の時期に、暴力や虐待を受けていた人もいます。それでも、利用者は妊娠している私にとても優しくしてくれました。「お腹が冷えないように腹帯しなさい」「こんな重い物をもっちゃダメよ」とか。もしかしたらご自身がかけてほしかった声をかけてくれているのかなと思いました。
出産後も子どもを連れていくと、多くの方がかわいがってくれます。つらい経験をしているがゆえに、子どもが苦手な方もいると思いますが、あたたかい姿に、利用者の優しさとたくましさを感じて、勇気づけられます。復職後は、夜勤が難しいので、非常勤として働かせてもらっています。出産したことで、利用者と出産や育児の話をざっくばらんにできるようになったのが嬉しいです。最初は、利用者から叱られたり、利用者の課題を自分の課題のように感じたりして、つらくなることもありました。でも、この分野で生きていくと決めたので、少々辛いことでも乗り越えていけます。仕事としてというより、生き方として取り組んでいると思っています。

なるほどWord!

婦人保護施設

保護を必要とする女性に対して、自立のための就労や生活に関する援助等を行う施設。
根拠法令等は、「売春防止法」と「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」「東京都婦人保護施設条例」においている。都内に5か所ある。

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