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【コラム】このヒトに会いたい

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藤本 光浩

MITSUHIRO FUJIMOTO

welfare trade shopマジェルカ

障害者の作った雑貨をビジネスとして扱えるようにしたい
半年前に、杉並区西荻窪の商店街の一角で障害者の製品を扱う小さな雑貨屋「welfare trade shopマジェルカ」を始めた藤本光浩さんにお話をうかがいました。

福祉広報 2012年5月号 くらし今ひと

 

雑貨の良さで勝負したい

元々、手仕事の製品の企画や営業、売り場のプロデュース等の仕事に関わっていました。ある時、ある木製のおもちゃに出会い、それが障害者が作ったものだと知りました。「こんな、すごいものを作っているのか」と驚きました。それから、障害者の作る製品に関心を持って、色々見るようになりました。

障害者の作業所で作った製品を扱う雑貨屋をオープンしたのは半年前です。正直、最初は、お客さんに良さを分かってもらえるか怖かったです。当初、あくまで雑貨の良さで勝負したいと、障害者が作った雑貨であることは、特に表に出していませんでした。でも、作り手に障害があるということをお客さんが知って、「応援したい」とリピーターになってくれることが増えてきました。「え~、こんな〝とんがった〟感じのお兄さんが、関心を持ってくれるの?」ということもあります。思ったよりも、一般の人は、障害者を受け入れる準備ができていて、障害者を応援したいという気持ちを持っているんだなと感じています。

作り手と消費者の架け橋に

多くの作業所は、せっかく良い製品を作っていてもあまり発信しておらず、当初、仕入先を探すのに苦労しました。また、「こういう風にしたらお店に置ける」と伝えても、作業所側が「じゃあいい」とあきらめてしまうことがあります。もちろん、色々な事情もあると思いますが、社会福祉の世界では、売れなくても何とかなるからじゃないかな……と思ってしまいます。

その他、作業所と取引する上では、期限どおりの納品が難しい、卸の常識のようなものが通じない等のこともあります。

でも、これだけの物をつくっているのに、障害の特性や作業所の事情ゆえに、障害者の作った製品が消費者に届かないのはもったいないと思います。ある作業所と取引を始めて半年経ってから、「オーダーメードのバックの大きさが1センチ位ずれてしまうことがあるんだけれど、許してもらえないか」と連絡を受けました。それまで1センチでもずれたらマジェルカのお客さんには許されないと思っていたというのです。これは、お客さんに説明して分かってもらえばすむことです。逆に、障害者だからという甘えもいけないと思っています。作り手には、「こうすればもっと消費者に届く」というのを伝え、消費者には、「こんな風に、こんなすばらしい物づくりを障害者がしている」と伝えることで、作り手と消費者の架け橋になるのが、自分の仕事です。最近は、作業所同士をつなげて商品をプロデュースすることも始めています。正直、経営は厳しい状況ですが継続が大切だと思っています。

ビジネスとして成り立たせたい

実は、僕は大学で社会福祉を学びました。妹に軽度の知的障害があり、生きていく上で苦労しているのも見てきています。まだまだ「障害者のため」と言いながら障害者が安い労働力として使われてしまう残念な現状もあります。僕は、雑貨として良いものを当然のように仕入れて、ビジネスとして成り立たせていきたいと思っています。それが、障害者が個性を発揮して、誇りを持って働くことの応援になると思うからです。そして、ビジネスとして成り立った時がこの仕事の成功だと思っています。

お店の名前「まじぇるか」は「まぜる」という言葉から取ったものです。色々な個性が混ざり合ってこそ楽しく健康的な社会ができると考えています。こういう店が広がることで、肩肘張らず障害者の理解が広がればよいという密かな挑戦なんです。

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