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【コラム】このヒトに会いたい

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石田由香理

YUKARI ISHIDA

手伝ってくれる人がいれば、どこへだって行ける
視覚障害と上手に付きあいながら、勉学に励み、国内外を問わず活動されている石田由香理さんにお話をうかがいました。

福祉広報 2014年5月号 くらし今ひと

 

取材に現れた石田さんは淡いブルーのブラウスに黒の編み上げワンピース。すてきな着こなしですが、石田さんは1歳半から完全に視力を失い、色の記憶はないと言います。

1人での外出もこわくない

小学校から和歌山県の盲学校に入学し、高校は大学進学を見据えて、東京の盲学校に通いました。1人で色々な場所に出かけるようになったのは、大学からです。外出時は道に迷ったりと困ることもありますが、よく人から声をかけてもらえるので、自分から助けを求めるのは年に2回くらい。視覚障害の仲間からも、少ないと驚かれます。今日も取材を受けるため池袋まで1人で来ましたが、その間に2人に声をかけられました。助けが必要でないときでも、声をかけて頂いた場合には必ず「ありがとうございます」と感謝の気持ちを示すようにしています。その方に、次に視覚障害者と出会ったときも、声をかけてくれる勇気を持ってほしいからです。

ピンクもオレンジも、「赤」?

私には色の記憶はありません。でも、色の訓練をたっぷり受けたおかげで、今は美術館で絵画や彫刻を楽しむことができます。色の説明は、なるべく詳しくしてほしいですね。ピンクやオレンジまで「赤」と言う男性もいたりするので、困るときもあります(笑)。

流行の服が着たい!

『朝子さんの一日』という絵本があるのですが、視覚障害を持つ主人公は、ある日自分が着る服を母親が選んでいることに気づきます。私の小学校6年のときの担任がこれを読んでアンケートを取ったところ、ほとんどの生徒が母親に着る服を選んでもらっているとわかりました。先生は「自分の生徒には、その時代の流行に合った服や色のコーディネートを、自分自身で選んで着てほしい」と考え、私たちに指導をしてくれたのです。

「その服は、似合ってないよ」

自分で服を選ぶための猛特訓が始まりました。私たちは家で持っている服の特徴や色を教えてもらい、毎朝自分で服を選んで着ていきました。そして、学校では先生が「それは、あなたに似合ってない」、「その色の組み合わせはイイ!」など、毎日正直にコメントしてくれたのです。これは、生徒数の少ない地方の学校だからこそ出来たのかもしれません。

フィリピンの大学へ

大学では途上国の開発研究を専攻していたので、実際に海外に行く機会を得たいと思っていました。なので、ダスキンの「障害者リーダー育成海外研修派遣事業」の選考を勝ち抜き、1年間のフィリピン留学の切符を手にしたときは嬉しかったです。ところがフィリピンの大学からは、問い合わせの時点で「障害者お断り」と言われてしまいました。「視覚障害者は何もできない」という根深い偏見を感じました。交渉の末、聴講生というかたちで現地入りしたのですが、日が経つにつれ、台風被災地でのボランティアにさそってくれる先生や、味方になってくれる友達もたくさんできました。現在、その大学は障害者の受け入れを明言しています。

そこに人がいれば、大丈夫!

障害があるのに、海外に1人で行くなんてスゴイね!とよく人から言われます。でも、どんな場所でも周囲に人がいれば、移動距離も国境も関係ないんです!交通手段が歩きでも電車でも飛行機でも、私にとっては問題ありません。人から人へ、お手伝いの手渡しをしてもらえれば、私はどこへだって行けるのです。ただ、電車の駅と比べてバス停は誰も人がいないことがあるので、あまり利用しません。
 

フィリピンと日本のかけ橋に

今秋からは開発学を学ぶため、イギリスの大学院に留学予定です。修士を1年でとって、その後のことはまだわかりません。でも、フィリピンと日本をつなぐ仕事がしたいので、一生懸命がんばろうと思っています。

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