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【コラム】このヒトに会いたい

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北吉 倫代

TOMOYO KITAYOSHI

できないことを嘆くより、できるよろこびを共有したい。
病・シェーグレン症候群をかかえながらも日々の生活を楽しむ、北吉倫代さんにお話をうかがいました。

福祉広報 2015年4月号 くらし・今・ひと

 

外見からはわからない病気もある

北吉さんは次男を妊娠していた平成2年、慢性の自己免疫疾患であるシェーグレン症候群との診断を受けました。眼や口の乾燥(ドライアイ、ドライマウス)とそれに伴う痛み、全身の疲労感等がその主な症状で、平成27年1月から国の指定難病に認定されています。

シェーグレン症候群は、外見からは病気だということがわかりません。「眼や口の乾燥くらいで」と思われるかもしれませんが、常に眼と口に痛みがあり、数十分おきに目薬をさしたり、口が渇いて話すこともできなかったりと、生活の質は著しく低下してしまいます。全身の疲労感も、ひどい時には朝起きたときに寝る前の疲れがそのまま残っているような状態で、起き上がることもできませんでした。

また、病名や症状が知られていないため、周囲の理解が得づらく、なまけているように見られるのは本当につらかったです。病気のことで困った時も、「病名を言ってもわからないだろうし、症状を一から説明するのも面倒だな」と思い、何も言わずにやり過ごしたことが何度もありました。

「お互いさま」の気持ちで助けあえるような社会に

この前、視覚障害のある女の子3人が駅で道に迷っていたので、ホームまで案内しました。誰でも病気や怪我はするし、その時は誰かに助けてもらうので、困っている人を見かけたら、「お互いさま」という気持ちで、できる範囲でお手伝いしています。

私自身、電車で立っているのはとてもつらいので、なるべく座るようにしているのですが、「なんで健康なのに座っているの」という反応をされることがあります。外見ではわからなくても、大きな病気を抱えている人や、いつもは健康でもその日は調子が悪いという人もいるはずです。見た目にとらわれず、思いやりのこころをもって接してほしいと思います。

根本的な治療方法は見つかっていないけれど

今のところ、シェーグレン症候群の根本的な治療法は見つかっていません。新しい薬や治療法が見つかることを願いながら、対処療法を続けています。

「膠原病友の会」という患者会にも参加して、似たような症状をもつ人たちと交流したり、病院や薬について情報交換をしています。患者数が少ないために情報もなかなか得られないので、患者同士のやりとりは貴重な情報源になっています。

「治療方法がない」と考えると暗い気持ちになる患者さんもいますが、不確定な未来のことでくよくよ悩んでいては、今この時を楽しむことはできません。私は、病気のせいでできないことを嘆くより、できることのしあわせを感じられるような生き方をしたいと思っています。

大切な人たちと楽しい日々を送りたい

病気を抱えながら仕事と子育てを両立させるのはとても大変で、毎日、必死の思いでした。二人の子どもたちが大学を卒業するまで見守ることができたことを、本当にうれしく思っています。二人が健康でいてくれるだけで充分ですが、自分の言動に責任を持って、しっかり生きていってほしいと願っています。

家族と海外旅行をしたり、お友達と食べ歩きに行ったり。病気と上手くつきあいながら、これからも楽しく日々をすごしていきたいです。


北吉倫代さん

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