東京の高齢者福祉の発展と、福祉サービスの質の向上を目指して活動します。

東京都高齢者福祉施設協議会

東社協トップページへ

お問い合わせ福祉部高齢担当

電話:03-3268-7172
FAX:03-3268-0635

ホーム > 業種別部会 > 東京都高齢者福祉施設協議会 > 広報誌・タブロイド判 > 機関誌「アクティブ福祉」デジタル > うわさの施設 > 東京の介護ってすばらしいグランプリ2023 写真部門 最優秀賞 作品名:面会再開(社会福祉法人白百合会 特別養護老人ホーム増戸ホーム)

アクティブ福祉 Digitalうわさの施設

東京都高齢者福祉施設協議会の数ある会員(約1200施設・事業所)のうち、表彰や推薦など、名誉ある経験をもつ施設を紹介するコーナー。毎回‘うわさ’の施設を東京ケアリーダーズが訪問し、お話を伺います。
今回は、高齢者福祉施設での日常のさまざまな場面にスポットライトを当てながら、介護の魅力を発信する「東京の介護ってすばらしいグランプリ(以下、東すば)2023」写真部門で最優秀賞を獲得した増戸ホームにお話を伺いました。

2023年度開催 「東京の介護ってすばらしいグランプリ2023」『写真部門』最優秀賞

東京の介護ってすばらしいグランプリ2023 写真部門 最優秀賞 作品名:面会再開(社会福祉法人白百合会 特別養護老人ホーム増戸ホーム)

2023年の東すば写真部門では、優しさに包まれた時間の素晴らしい一瞬を捉えたドキュメンタリーな当作品が評価され、最優秀賞を受賞しました。
同施設の時村 聡(ときむら さとし)副施設長と深川 千鶴子(ふかがわ ちづこ)総務課長にお話を伺いました。

 

        2023saiyusyushashin 

<東京の介護ってすばらしいグランプリ2023 写真部門 最優秀賞受賞作品「面会再開」>

 

――この度は受賞おめでとうございます。周囲の反応はいかがでしたか。

時村 施設内ではとても盛り上がっていました。施設長は受賞を確信していたようです(笑)

――今回の受賞作品は素晴らしい写真だと感じています。そのシチュエーションをお聞かせください。

深川 約2年ぶりに施設での面会を再開した際、ご主人と奥様が再会されたときの一枚です。以前は毎日面会にいらしていましたが、コロナ禍により中断されていました。久方ぶりの再会に際し記録写真を残したいと考え、ご家族の了承を得て撮影しました。

――再会の涙をぬぐう姿が感動的ですね。

深川 奥様は元々会話が難しい方でしたが、再会を喜んで流した涙をご主人がぬぐう瞬間を撮影させていただきました。ご主人の優しい人柄や長年培われたお二人の絆を自然な形で写真に収めることができたかと思います。

――写真から優しさが伝わります。受賞報告の際のお二人の反応はいかがでしたか。

深川 以前からよく職員とお話をする関係性でもあったからか、モデルがいいからと冗談交じりにおっしゃっていました。

――ご家族と職員の日ごろの良好な関係から生まれた作品ですね。面会再開までの経緯についてお聞かせください。

時村 当初はコロナ禍による面会自粛は仕方がないと判断しましたが、次第にご入居者のADLの低下がみられました。また、最期まで家族と会えない方がいらしたり、ご家族からの問い合わせがあったりもしました。現場の職員からは感染者が出ても対応すればいいという声が上がり、施設としても対応を間違えなければコロナは怖くはないと捉え、人数に制限を設けながらも面会を再開しました。

――「コロナが発生しても対応すればいい」という考え方が前向きだと思います。

時村 リスクに対しネガティブな意見も出ましたが、実現すると入居者もご家族も喜び、職員もやってよかったという実感がありました。感染症発生時の作業は介護職員や看護職員だけでなく、他の職種もそれぞれができることを自発的に考え実行に移し、結果、施設の連帯感が深まったと感じます。

――作業や情報の共有はどのようにされましたか。

感染に対する作業については、職員間で対応に差が出ないよう随時対策会議を開催しました。同時にご家族から寄せられている声も会議等で発信し、ご家族の思いやご希望を共有しました。過度な対策でそのお気持ちを無駄にしてしまうことがないよう様々なすり合わせを行ったことで、ご入居者やご家族から「増戸ホームに入って良かった」というお言葉をいただき、それが職員にとっての喜びにもなりました。

 

active57shuzai

<取材の様子>左から 増戸ホーム 時村 聡さん、深川 千鶴子さん、ひのでホーム 櫻田 康平さん(東京ケアリーダーズ)

――日ごろ、施設内で撮影された写真はどのように活用されていますか。

ご家族に施設での様子をお伝えするため、定期的に写真を発送しています。コロナ禍により送付の機会は増えました。当施設のSNSでの発信にも活用しています。

――撮影時のご入居者のプライバシーへの配慮はどのようにされていますか。

時村 ご入居時のアンケートで、ご家族用・SNS掲載用それぞれについて写真掲載をご了承頂けるか確認を取っています。画像編集アプリを使用できる職員がおり、写真掲載NGの方が写った写真は編集させていただくケースもあります。

――ご家族用とSNS用、写真の撮影の仕方に工夫はありますか。

時村 ご家族用は撮影時に呼びかけて目線を頂くように、SNS用は撮影していることを気付かせないよう自然な日常を収めるように撮影をしています。ご入居者が希望する活動をしていただく中で、自然な笑顔を引き出すことを心がけています。

――様々なSNSがありますが、どのような使い分けをしていますか。

時村 Facebookはホームページのようなイメージで一般向けに、インスタグラムは職員募集・入居者募集およびご家族向けの発信として使い分けています。

施設内に飾ってある賞状と受賞作品の紹介

 

 

――今後、東すばに応募される方へアドバイスをお願いします。

深川 写真には人を感動させる力があります。ご入居者・ご家族との日常の関係性をしっかりと築くことが、ご家族の人間性を表すような感動を生むワンシーンの撮影につながるのだと思います。

――受賞された作品は介護に関わる人の心をポジティブにする力があると感じていますが、お二人の人間性や関係性がぎゅっと詰まった写真に私自身も元気をもらったと感じます。ご入居者だけなく、ご家族との関わりも改めて大切だと実感しました。本日はありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<取材時、施設前での1枚>

社会福祉法人白百合会 特別養護老人ホーム増戸ホーム

所在地:〒190-0162 東京都あきる野市三内485-1  電話:042-596-3456

2024年6月(アクティブ福祉 第57号掲載)

機関誌

機関誌

一般