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東京都社会福祉協議会

 

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2.社会福祉法人制度改革のFAQ等

(1)厚生労働省 社会福祉法人制度改革Q&A(平成29年4月25日現在)

(2)東京都 改正社会福祉法施行後の運営等に係る留意事項(平成29年5月15日版)

(3)東京都社会福祉協議会
今まで経営相談室に寄せられた質問の中から、まとめたものです。

改正概要

Q.今回の社会福祉法の改正は、何のためのものか。

A.

社会福祉法人について、高い公益性・非営利性を担保するため、公益法人制度改革を参考に、法人が自律的に適正な運営を確保するためのガバナンスの強化を図った(11月11日付事務連絡)、とのことです。
その外、主なものとして、事業運営の透明性向上、財務規律の強化、公益的取組の責務の規定、所轄庁の指導監督の機能強化、福祉人材確保の促進があります。

 

Q.社会福祉法人にとって、今回の法改正で大きく変わる点は何か。

A.

  • 全社会福祉法人で定款変更が必要
  • 評議員会が必置となり、中立性が保てる方法で選任することになった(選任・解任委員会)。
    (現行の理事の任期は平成29年の定時評議員会(概ね6月)まで、評議員の任期は平成29年3月31日まで。)
  • 理事は6人以上(法44条)、評議員は理事を超える数(法40条)
  • 理事会は毎年度2回以上(4月を超える間隔)開催(法45条の16)。法人の代表者は理事長のみ
  • 定款、計算書類、事業報告、財産目録、役員名簿等の公表
  • 平成28年度末に社会福祉充実残額がある場合は、平成29年6月30日までに税理士等の意見を聴いて所轄庁に計画提出

 

Q.法人の規模でどのような違いがあるのか。

A.

  1. 会計監査人の設置義務 平成29年度の収益が30億円超などの法人(法37条、附則8条、令13条の3)
  2. 内部管理体制の整備義務 前年度の収益が30億円超などの法人(法45条の13、令13条の3、則2条の16)
  3. 平成27年度の収益が4億円以下の法人は、評議員定数が、3年間「4人以上」の経過措置対象(附則10条、経過政令4条)

 

Q.特定社会福祉法人とは何か。

A.

事業規模が政令の基準を超える社会福祉法人のことです。会計監査人の設置義務があります。(法37条、令13の3)
平成29年度の収益30億円超又は負債60億円超の法人(段階的に対象拡大予定)
(収益:法人単位事業活動計算書におけるサービス活動収益。負債:法人単位貸借対照表における負債)
30年度は29年度と同様
H31,32年度は収益20億円超又は負債40億円超の法人
H33年度以降は、収益10億円超又は負債20億円超の法人となっている。(見直しの可能性あり)

 

Q.法律や定款例にある施行日などは、具体的にいつなのか。

A.

(法律の)施行日:基本的に平成29年4月1日
選任後4年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時:平成29年度に選任された者は平成33年6月頃の当該会終結時
(28年度に選任した評議員は法附則第9条により平成29年4月1日からとなる。また、法第45条の9「定時評議員会は、毎会計年度の終了後一定の時期に・・・」と規定されている。)
毎会計年度終了後3月以内:6月30日以内
施行日から起算して3年を経過する日:平成32年3月31日

 

評議員関係

Q.定款例で、何故、評議員選任・解任委員会を規定したのか。

A.

法人の理念や経営状況を理解した上で、中立的な立場から審議できる者を評議員として選任するため、中立性のある委員会を設置する例を示したものと考えられます。また、公益財団法人等の運用状況も参考にしているようです。
この委員会の中立性を保つため、外部委員を構成員に含め、同委員の同意が必要なことを定款例の中で規定しています。

 

Q.評議員会と理事会との違いについてⅠ
評議員会が議決機関で、理事会が執行機関とのことだが、評議員会は何を審議して、理事会は何を審議するのか?
例えば、地方公共団体等から新規の補助事業の募集があったとき、評議員会が応募するかしないかを決定し、理事会は、応募の準備をする中で問題が出てきたら審議をするのか?

A.

評議員会が決議できる事項は、法第45条の8第2項で法定及び定款規定事項に限定されています。理事及び理事会の権限は、第45条の13、第45条の16及び第45条の17に規定され、法人の業務執行をしていくことになります。
新規事業を行う場合、定款例に基づけば、評議員会は計算書類等の承認として、事後的に関わります。その事業が定款変更を伴うときはその変更は評議員会の決議事項となります。評議員会は今までの諮問機関から、事後的に法人運営を監督する機関となります。理事会は法人の業務執行の決定をしていきます。

 

Q.評議員会と理事会との違いについてⅡ
法第44条第4項第3号で「理事に施設管理者を含まなければならない」と規定され、また、FAQ問39-4で「理事総数に占める職員の割合の制限は廃止することとしている。」と掲載されているので、イメージとして、新制度では、理事会は施設長会議・幹部職員会議、評議員会は現行の理事会ということか。

A.

社会福祉法人審査基準から「施設長等施設の職員である理事が・・・3分の1を超えてはならない」の規定が削られ、法第44条第4項各号に規定のある3人が含まれていれば理事が全員職員から選任されることも可能となりました。評議員は「社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者のうちから・・・選任する」と法第39条に規定されています。

 

Q.評議員の任期の起算点は選任時なのか。
選任時とすると、今年度3月に、選任委員会を開催すれば3月が選任時、2期以降で考えても定時評議員会前に選任委員会を開催するので、その委員会で決議した日となってしまい、旧評議員(定時評議員会の終結の時まで)と被ってしまうかと思うが、どのように考えたらよいのか。

A.

改正社会福祉法の附則第9条で評議員の任期に係る経過措置を規定しています。(以下要約したもの)
施行日(平成29年4月1日)までに新定款で評議員を選任しておかなければならない。
選任は施行日においてその効力を生ずる。任期は施行日以後4年以内
施行日の前日において評議員である者の任期は、同日に満了する。

FAQ問44-6「評議員及び役員の任期の始期は選任日」とあり、新法の第2期以降の評議員については、選任・解任委員会で選任されて就任していない期間が存在することとなります。
選任日と就任日、承諾日が異なることはあり得ます。

 

Q.本則7人以上、経過措置4人以上の評議員人数を本則の人数にするため、評議員選任委員会を開催し、決議すれば、何時でも評議員を選任して増員することは可能か。

A.

評議員の経過措置の人数が4人以上と規定している場合は随時、本則の人数とすることは可能と考えます。ただし、増員する評議員の任期は、選任される会計年度が異なると当初に選任された評議員のものとは異なることになります。

 

Q.評議員の報酬は、定款上、どのように規定するのか。

A.

評議員の報酬は、定款で年間の総額等を規定する必要があります。
法第45条の8第4項で一般社団法人法第196条を準用しています。その内容は「評議員の報酬等の額は、定款で定めなければならない」となっています。

 

理事関係

Q.理事会の回数について、定款で4月を超える間隔で年2回以上でも大丈夫とあったが、年度で2回のみの開催でもいいのか。
6月の定時評議員会前と3月の事業計画・予算とを考えている。

A.

6月と3月とに2回だけ理事会を行うことは、3月と6月とは4月を超える間隔ではありませんが、会計年度が異なるため、問題ありません。
法第45条の16第3項ただし書「ただし、定款で毎会計年度に4月を超える間隔で2回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない」

 

Q.副理事長や常務理事などの名称は使えるのか。
また、理事長を会長などと称することはできるのか。

A.

法律上、理事の中で理事長と業務執行理事は規定されています。それと法人で使用する名称が異なる場合は、定款で法律上の名称とどのような関係にあるのか、規定しておく必要があります。(定款例第15条の備考)

 

Q.理事・監事の任期は旧役員が定時評議員会終結の時まで、新役員は選任時(選任決議をした時=定時評議員会)とすると、定時評議員会の日に新旧重複してしまうのではないか。

A.

役員の任期は、定時評議員会の終結の時点で、切り替わると考えられ、当該終結時点を1日としてみれば新旧役員は重複するようにみえます。

 

社会福祉充実計画

Q.社会福祉充実残額の計算を行った結果、残額が発生したら、この計画による事業の実施は誰が行うのか。また、いくら以上の残額が発生した場合に計画策定が求められるのか。

A.

社会福祉充実計画については未定な部分もあります。
社会福祉充実計画に基づく事業は、当該法人が行うことになります。残額が原則1万円以上の場合は計画作成しなければならない予定です。(11月11日付事務連絡「社会福祉充実計画の承認等に係る事務処理基準(案)」の3(2))

 

Q.平成28年度決算で社会福祉充実計画を作成しなければならない状況だが、2年間の事業とした場合、29年度、30年度も同計画を作成しなければならないのか。

A.

社会福祉充実計画については未定な部分もあります。
社会福祉充実計画の実施期間中は新たな計画作成は不要と思えます。平成29年度から2年の実施期間であれば、平成29年度決算での計画作成は不要ですが、実施期間の満了する平成30年度の決算で社会福祉充実残額が生じた場合には、平成31年度以降を実施期間とする計画を作成することが求められると思います。(法第55条の2第1項、事務処理基準(案)4の(4))

 

地域における公益的な取組

Q.地域における公益的な取組の責務が法律で規定されたが、これまでも育児相談等実施してきており、さらに何をやればよいのか分からない。

A.

各法人・事業所サービス実施の中で把握している地域ニーズに対して、専門性を活かした取組を検討いただくとよいと思います。地域公益活動に関する事例を掲載したHPや冊子があるので参考にしていただければと思います。

 

Q.複数の施設を運営しているが、赤字の事業所も地域における公益的な取組を実施しなければいけないのか。

A.

地域における公益的な取組は充実残額の有無にかかわらず社会福祉法人に責務として求められるものであります。個々の法人や事業所だけでは実施が難しい場合には、区市町村の社会福祉法人のネットワークで連携をするなどにより実施することもできます。

 

公表資料

社会福祉法における一般的な備置き及び公表する書類一覧

2016年12月13日
主な書類 備置き 閲覧等 公表 根拠規定
主事務所 従事務所 評議員 債権者等 社会福祉法 施行規則 その他
定款 ネット 34条の2 2条の3、4、5  
評議員会の議事録 ネット   45条の11 2条の15、3、5  
評議員会のみなし決議     45条の9 2条の15、3 一般社団法194条
理事会の議事録     45条の15 2条の17、3 ※法同条第3項
会計帳簿       45条の25 2条の3 ※法45条の26
計算書類等           45条の32 2条の3、5  
貸借対照表 ネット      
収支計算書 ネット      
事業報告 ネット      
附属明細書 ネット      
監査報告書 ネット      
財産目録等           45条の34 2条の3、5  
財産目録 ネット      
役員等名簿 ネット ※住所ナシ ※住所ナシ ※同条第4項    
報酬支給基準 ネット 45条の35 2条の42  
事業概要 ネット   2条の41  
社会福祉充実計画 ネット   2条の41  

 

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