好きなことをこれからも
今回は、就労継続B型の施設で働いている、小室健一さんにお話をお伺いしてきました。
小室さんは知的障害があって、日中は大田区の就労B型施設で働き、GHで生活をされています。
自己紹介
聞き手)小室さん、本日はインタビューを受けてくださりありがとうございます。では、自己紹介をお願いします。
小室さん)小室健一と申します。現在は、大田区のGH、若葉荘で過ごしています。
お金の管理は、GHにしてもらっています。
お小遣いは、月曜~金曜で世話人さんからもらっています。
旅行に行くのが好きで、先日北海道に行ってきました。北海道では、札幌や旭山動物園にいきました。
聞き手)GHで生活をされているんですね。くすのき園に入る前は、どんなお仕事をされていたんですか。
小室さん)大崎で40年程働き、その後新宿でビルの清掃やはがきの整理をしていました。
生活の変化について
聞き手)GHにはいつから過ごされているんですか。
小室さん)くすのき園に入る前から入っていました。現在の若葉荘は紹介してもらい、過ごしています。随分と前から過ごしています。
聞き手)それ以前は、どこで過ごされていたんですか。
小室さん)千葉の学園→目黒恵風寮→池上→若葉荘の順番になります。
聞き手)場所が変わることで大変な事はありましたか。
小室さん)千葉の学園にいた時は仕事がなく、喧嘩等のトラブルが多かったです。そのため、学園の職員から仕事を探さないかと話しがありました。
聞き手)詳しく聞いて良ければですが、喧嘩については、小室さんが誰かとなったんですか。
小室さん)他の人に言われてイライラしてしまい、それで喧嘩になったりしました。職員さんにもそのことを伝えました。
聞き手)そういった経緯もあり、場所も変化してきたんですね。今まで生活や仕事が変わっていくなかで、一番大変だったことはなんですか。
小室さん)新宿の清掃の仕事が大変でした。
聞き手)ビルの清掃は体を使うので大変ですよね。
くすのき園について
聞き手)くすのき園ではどんな作業をされていますか?
小室さん)くすのき園では、ボールペンの組み立てや紅茶の箱の組み立て、部品の仕分け、清掃をしています。仕事も慣れてきました。ただ、補聴器の関係で、清掃は夏と冬の時期は行かないようにしています。
聞き手)くすのき園には毎日通えていますか。
小室さん)通っています。
休みの日について
聞き手)お休みの日はどう過ごされていますか。
小室さん)電車やバスで色々な所にいきます。最近は、横浜のみなとみらいが楽しかったです。他にも、バスで羽田空港に行ったりします。
聞き手)電車やバスで出かけるのも楽しいですよね。他にはされていることはありますか。
小室さん)絵を描いています。毎週土曜日にアトリエに通っており、色々な絵を描いています。現在飯田橋の展示会に出しています。10月には、深川の展示会に飾ってもらうことになっています。作品は、1枚の絵を1年位かけて仕上げています。お母さんや家族のことを描くと人気があって、欲しがる人がたくさんいます。
聞き手)1年間かけて制作する作品は凄いですね。
小室さん)他には、日曜日に区役所で実施しているまなビバというところで、字の練習をしています。前の会社にいた時には、字を書けるようになるとよいと言われたので練習しています。区役所の人からもお勧めと言われました。日曜の13時~16時でしています。
困っていることについて
聞き手)日頃の生活の中で困ることはありますか。
小室さん)GHは、3人が高齢者なのでトイレの数が少ないので、朝の準備に時間がかかります。お風呂にも時間がかかるので、時間を変えてもらったりしています。
聞き手)朝の時間は、準備があるので忙しくなりますよね。他には、お金が足りないと感じることはありますか。
小室さん)特に困ったりはしていないです。
今後してみたいこと
聞き手)今後してみたいことやサービスを受けたいということはありますか。
小室さん)楽しいことや色々な所に行ってみたいです。バスで出かけたりできると良いです。買い物に行ったときに間違えることがあったり、足とかを怪我して病院で何か書くときに分からないので、そういった時に付いて来てくれる人がいると嬉しいです。
聞き手)今後話しをしていくことができると良いですよね。
この記事を見てくれた人に伝えたいこと
聞き手)小室さんの方から皆さんにメッセージはありますか。
小室さん)今の生活を引き続き継続させていきたいです。職員の人達は色々と教えてくれてます。
聞き手)小室さん、本日は貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。
今回小室さんへのインタビューをさせていただく中で感じたのは、ライフステージの変化があっても、その変化を受け止め、柔軟に生活をされてきたということです。
最初の仕事は40年勤務されたということでしたが、インタビューの中では、淡々とお話してくださいました。
ただ、40年という期間の中では、色々なことがあったのではないかと感じました。また、小室さんの描かれる絵が人気があるというお話では、小室さんの人柄や絵画に対する気持ちがとても感じられました。
お話を聞いている中で、サポートしていた人や支援者の名前も色々な話しの中で出ていました。
そういったことを聞いたと時に、これまで色々な人が一緒に関わってきたからこそ、小室さんの充実した生活が成り立っているのだと感じました。改めて支援者として、支援者の関わり方や支援の仕方で、その人の生きがいや充実感は変わってしまうと思いました。
小室さん、今回は素敵なお話を聞かせていただきありがとうございました。
知的発達障害部会副部会長 利用者支援研究会副会長 小菅康浩
インタビューを通じて、小室さんの生活や思いに触れることができました。
仕事や住環境の変化を経験しながらも、前向きに生活を楽しみ、特に時間をかけて描かれる作品や展示会への挑戦は、熱意を感じさせられました。また、グループホームでの生活や日常の悩み、そして周囲からのサポートの大切さについても考えさせられました。
小室さんが語った「今の生活を引き続き継続させていきたい」という言葉には、日常の安定や安心感への思いが込められているように感じ、私たち支援者一人ひとりが、利用者の方々の声に耳を傾けて向かい合っていくことが大切だと改めて感じました。
小室さん、インタビューへのご協力と貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
知的発達障害部会 監事 菅藤将