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東京都社会福祉協議会

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福祉広報 2021年4月 747号 テキストデータ

【表紙】

社会福祉NOW
新型コロナウイルス感染症拡大下、
水害時の要配慮者支援・防災対策の
充実に向けて
~「新型コロナウイルス感染症等の感染症リスク下での
自然災害に対する福祉避難所の備えと取組みに関する調査」結果概要~

【連載】コロナ禍でも日常を守るために
~緊急事態宣言期間を中心とした福祉施設・事業所の取組み~
クラスターへの対応からさらなる対策へ
〜認知症高齢者グループホームサンライズホーム(江東区)
「たすけあい」で地域での生活を支える
〜特定非営利活動法人 東京山の手まごころサービス(新宿区)
福祉のおしごと通信
相手の思いを汲み取ることを大切に
社会福祉法人春和会 わんぱく乳児院 里親支援専門相談員 佐々木理恵子さん


兵庫県 たつの市
桜の名所として有名な龍野公園
武者の格好をした人たちが街を練り歩く龍野武者行列は
龍野桜祭りのハイライトだ

 

 

【NOW】

新型コロナウイルス感染症拡大下、
水害時の要配慮者支援・
防災対策の充実に向けて
〜「新型コロナウイルス感染症等の感染症リスク下での
自然災害に対する福祉避難所の備えと取組みに関する調査」結果概要〜
近年、被害規模が甚大な水害が全国各地で発生しています。また、令和2年に入り、日本でも新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)が感染拡大し、人々の生活に多大な影響を与えています。
これらの背景から、災害対策においても、従来の地震等を中心としたものに水害対策、感染症対策を加えることが求められます。また、災害時に要配慮者を受け入れる福祉避難所については、多くの自治体で福祉施設が想定されています。現在、福祉施設では、徹底した感染症対策を行い、利用者支援にあたっています。水害対策、感染症対策をふまえた福祉避難所の運営が求められています。
東京都社会福祉協議会では、令和2年9月~10月にかけて、東京都共同募金会の配分を受け、都内62自治体を対象に標記調査を実施しました。本調査は、各自治体における福祉避難所の整備状況および感染症や水害への備えの状況等を把握し、その知恵や課題、工夫を共有することで東京における要配慮者を守る防災対策の充実につなげることを目的としています。
今号では、本調査結果の概要をお伝えします。
※調査結果報告書を4月中旬頃、東社協ホームページに記載する予定です。
https://www.tcsw.tvac.or.jp/chosa/index.html

調査のあらまし
本調査は、令和2年9月23日~10月16日の期間、東京都内62自治体を対象に、実施しました。各自治体の防災主管課を通じて配布し、関係部署への協力を依頼しました。多いところでは4部署を通じて回答がありました。回収率は100%でした。
以下、調査結果の主な内容を紹介します。

1 福祉避難所の整備状況
〔(1) 福祉避難所の指定状況〕
はじめに、福祉避難所の指定状況を尋ねました〈図1〉。「福祉避難所を指定している」と回答したのは、55自治体(88・7%)でした。一方「指定していない」と回答した自治体のほとんどは、条件の厳しい島しょ部でした。このことから、島しょ部を除くほとんどの自治体で福祉避難所を指定していることが分かりました。
次に、福祉避難所の指定先を尋ねたところ、高齢者福祉施設が49・0%と、全体の約半数を占め、次いで、障害者福祉施設、児童福祉施設と続きました〈図2〉。福祉避難所に指定される施設の約85%が福祉施設という結果でしたが、これは平成28年度に本会が行った調査(※)(以下、平成28年度調査)から変化はありませんでした。このほかには、特別支援学校や小中学校などがありました。

〔(2) 福祉避難所についての周知方法〕
福祉避難所の住民への周知方法を、複数回答で尋ねました〈図3〉。約半数の自治体で「防災マップ、防災ハンドブック」、約4割の自治体で「ホームページ」を活用して周知していることが明らかになりました。一方で「二次避難所として位置づけているなどのため、積極的に周知していない」と回答した自治体も約3割あることが分かりました。その理由として、自由回答から「対象でない避難者の避難の助長の恐れから、積極的な周知が難しい」「周知することで、直接避難するケースが発生し、混乱する恐れがある」などがあげられました。このほか、課題として「福祉避難所自体の周知が不足している」「周知の必要性は感じているものの、混乱が生じないようにどのような方法で周知するかが課題」などがあげられています。
これらの回答からは、福祉避難所の場所だけでなく、その役割や開設のタイミングなどを合わせて周知する必要があると考えている自治体が複数あることが分かります。

〔(3) 福祉避難所の設置・運営に関する協定の締結状況〕
「福祉避難所を指定している」と回答した自治体に、「民間の福祉施設と1か所以上、設置・運営に関する協定を締結しているか」を尋ねました〈図4〉。「締結している」との回答は50自治体(92・6%)と、福祉避難所を指定している自治体のうち、約9割の自治体が協定を締結していることが分かりました。

〔(4) 福祉避難所の設置・運営に関する役割分担の状況〕
民間の福祉施設と福祉避難所の設置・運営に関する協定を締結している自治体に(以下、(5)も同じ前提条件で尋ねています)、設置・運営に関する役割分担の状況について、主に想定される役割ごとに尋ねました〈表1〉。
区市町村が担い手として多く想定されているのは「必要となる物資の調達・手配」50自治体(100・0%)、「福祉避難所の受入れ避難者の調整」48自治体(96・0%)、「一般避難所から福祉避難所への移送」42自治体(84・0%)となっています。平成28年度調査でも同様の項目を調査していますが、特に「一般避難所から福祉避難所への移送」を、「区市町村」が担うと回答した割合は、平成28年度調査の48・3%から84・0%と、35・7ポイント増えています。
施設が担い手として多く想定されているのは「福祉避難所の設置に必要なスペースの提供」45自治体(90・0%)、「福祉避難所における介護・見守り」34自治体(68・0%)、「食事の提供等日常生活維持のための支援」30自治体(60・0%)でした。
「現時点で役割分担はしていない」との回答で最も多かったのは「介護・福祉等の専門職ボランティアの手配」11自治体(22・0%)でした。平成28年度調査では同項目は25・9%と、今回の結果と大きく変わりませんでした。
東京では、平成29年度から「東京都災害福祉広域支援ネットワーク」ができています。発災時、区市町村からの要請に基づき、ネットワークを通じて専門職が派遣されることが想定されており、この活用が期待されます。
なお、平成28年度調査では、各役割ごとに「現時点で役割分担はしていない」との回答の割合が、最も低い「福祉避難所の設置に必要なスペースの提供」で10・3%、最も高い「一般避難所から福祉避難所への移送」で32・8%でした。平成28年度調査とは母数が異なるため、単純な比較はできませんが、全体としては約3年で役割分担がすすんできていることが窺えます。

〔(5) 設置・運営のために事前に取り組んでいること〕
選択肢から複数回答で尋ねました〈図5〉。
全体に回答が過半数を超える選択肢はなく、最も多く取り組まれていたのが「設置・運営に関するマニュアル等を整備している」で24自治体(44・4%)でした。一方で、今回調査において回答が少なかった項目は「福祉避難所を運営するための人材の確保に関する協定等を結んでいる」5自治体(9・3%)でした。今後「人材確保」に対する独自の取組み、工夫の共有が期待されます。

2 災害時の要配慮者支援における
感染症、水害への備え
〔(1) 福祉避難所における協定内容、施設数・定員数の見直し状況〕
今回の調査では、新型コロナ感染拡大の影響や近年多発する水害に対する備え等を調査するため、感染症対策としての協定内容や、運営等の見直し状況について尋ねました。なお、2では、福祉避難所を「指定している」と回答した自治体に尋ねています。
感染症対策をふまえ、協定の内容の見直しを「行っていない」と回答した自治体は35自治体(63・6%)と、6割強でした。一方、協定内容の見直しを「検討予定」と回答した自治体が16自治体(29・1%)と約3割であることが分かりました〈図6〉。
感染症対策をふまえて、福祉避難所の設置か所数、定員数の見直しを「行った」との回答は6自治体(10・9%)でした〈図7〉。見直し内容の自由回答からは「定員数が減少した」「新たに福祉避難所を増やした」等の記載がありました。全体では、見直しを「行った」6自治体のほか、「検討中」21自治体(38・2%)、「その他」の回答5自治体のうち2自治体が「検討中」の内容の回答でした。したがって、29自治体(52・7%)と、約半数の自治体が今後定員数を見直す方向で検討をすすめていることが分かります。

〔(2)感染症対策や多発する水害をふまえた災害時における要配慮者支援上の課題〕
自由回答で尋ねました。「感染症対策のため、収容可能人数の減少や福祉避難所の不足とそれに伴う新たなスペースの確保」「浸水区域や浸水の危険性がある立地に福祉施設があるため、避難場所や避難が可能か検討する必要がある」「二次避難の難しさ」などがあげられました。災害時の要配慮者支援において、新たに感染症対策を追加したり、水害への対策を見直したりした結果、これまでとは異なった対応をする必要があると認識している自治体が多いと考えられます。

3 各地域の関係機関・福祉施設等の
ネットワークづくり
地域により、民間の福祉施設等が、さまざまなネットワークをつくり、活動に取り組んでいます。それらのネットワークや活動と自治体が接点を持っているかを尋ねました。回答は「把握していない」が最も多く、36自治体(63・7%)でした。一方「接点を持っている」と回答したのは16自治体(25・8%)でした〈図8〉。
「接点を持っている」自治体に、具体的な連携先を自由回答で尋ねたところ、高齢や障害などの種別や職種ごとの連絡会などがあげられました。接点の内容としては「連絡会や研修会の定期的な開催」「福祉避難所運営訓練等の実施を通して、情報共有や意見交換を行っている」という回答のほか、「社会福祉法人の区市町村ネットワーク」との回答(2自治体)も見られました。
災害時には平時からの連携、顔の見える関係が重要と言われており、自治体と福祉施設をはじめ、社会福祉協議会や民生児童委員など、地域の関係者同士の一層の連携が求められます。さらに、コロナ禍においては、福祉避難所の運営・要配慮者支援には感染症対策のため医療との連携も不可欠です。医療も含めた、行政と民間の協働による災害対応のためのネットワークづくりも期待されます。
● ● ●
今回の調査により、福祉避難所の設置・運営のための人材確保、平時からの関係機関とのネットワークづくり、感染症や水害をふまえた対策強化の必要性などの課題が明らかとなりました。
今後、東社協では本調査から得られた課題をもとに、災害時の要配慮者を守る防災対策の充実に向けた提言を行う予定です。

※本会が平成28年度に実施した「大都市東京の特性をふまえた災害時における要配慮者のニーズと支援対策に関する区市町村アンケート」調査。配布62自治体、回収58自治体(回収率93.6%)

 

 

【マンスリー】2021.2.26 - 3.25

3/5
「災害対策基本法等の一部を改正する法律案」が閣議決定
災害時における円滑かつ迅速な避難の確保および災害対策の実施体制の強化を図るため、「災害対策基本法等の一部を改正する法律案」が閣議決定された。法律案では、避難勧告・指示の一本化や、個別避難計画(仮称)の作成を市町村に努力義務化する等が盛り込まれている。

2/24
「公共交通事業者等に向けた
接遇ガイドライン(認知症の人編)」を
作成
国交省は、接遇を通して認知症の人や家族がいきいきと暮らしていける地域社会を実現していくことを目的に「公共交通事業者等に向けた接遇ガイドライン(認知症の人編)」を作成。ガイドラインには、認知症の特性や、交通モードごとの具体的な接遇のあり方についてが盛り込まれている。

3/5
女性の悩み相談サイト
「TOKYOメンターカフェ」を開設
東京都は、悩みや不安を抱える女性と、同じような経験を持つ都民をつなぐ掲示板サイト「TOKYOメンターカフェ」を開設した。
〈TOKYOメンターカフェ〉
https://www.mentor-cafe.metro.tokyo.lg.jp/

3/15
社会福祉士国家試験・精神保健福祉士国家試験の結果を公表
(公財)社会福祉振興・試験センターは、社会福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験の結果を公表した。社会福祉士は10,333人、精神保健福祉士は3,955人が合格した。

4/1
港区子ども家庭総合支援センターを
開設
港区は「港区子ども家庭総合支援センター」を開設。センターには、子ども家庭支援センター、児童相談所、母子生活支援施設が入っている。子どもと家庭のあらゆる相談に迅速、丁寧に対応し、妊娠期から子育て期、思春期、そして児童の自立まで、一貫した支援を行う方針。

4/1
都立高校で通級による指導が開始
学校教育法施行規則の改正により、高等学校および中等教育学校後期課程においても通級による指導ができるようになったことを受けて、東京都教育委員会は令和3年度より都立高校で通級による指導を開始。通級による指導を希望する場合は、在籍校(中学生の場合、入学後)に相談。

 

 

【連載】9

コロナ禍でも日常を守るために
~緊急事態宣言期間を中心とした福祉施設・事業所の取組み~

新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大の影響により、福祉施設・事業所には利用者の命・生活、職員の安心・安全を守るため、これまで以上に厳しい感染症対策が求められています。特に国による緊急事態宣言および東京都による緊急事態措置期間中(令和2年4月7日~5月25日)は、各施設等において新たな感染症に配慮しつつ、利用者の日常をいかに守るか苦心し、工夫を重ねていた時期でした。令和3年に入ってもなお感染拡大の状況が続き、東京では1月8日から3月21日まで2度目の緊急事態宣言期間となりました。
本連載では、令和2年4、5月の1度目の緊急事態宣言期間を中心に、福祉施設・事業所が未知の感染症にどのように向き合い、利用者の生活を守る工夫や取組みをしてきたのかを発信していきます。今回は、認知症高齢者グループホームと、住民参加型の「たすけあい」でさまざまな人の在宅生活を支える団体について取材しました。
*今回、紹介する事例のさらに詳しい内容は、本会の「ふくし実践事例ポータル」でご覧になれます。
(http://fukushi-portal.tokyo/)


クラスターへの対応から
さらなる対策へ〜認知症高齢者グループホームサンライズホーム(社会医療法人社団 順江会:江東区)

認知症高齢者グループホームサンライズホームは、介護保険制度の地域密着型サービスとして、共同生活による小規模で家庭的な生活環境のもと、認知症高齢者にサービスを提供しています。7階建ての建物の1階がサンライズホームで、上の階には同じ法人が運営する介護老人保健施設が入っています。1ユニットの利用者は9名で、2ユニット計18名の方が利用しています。利用者の平均要介護度は3・1。一人ひとりのペースや自己決定を尊重し、できること分かることを大切にした【有する能力に応じた】ケアにより日常生活を支援しています。
コロナ禍で利用者の日常生活が変化
コロナ禍以前には、利用者は職員と共に外食や外出をしたり、近所のスーパーに買い物に行き、みんなで料理をする日常生活を過ごしていました。町内清掃や町会の行事にも積極的に参加していました。
しかし、新型コロナの影響での外出自粛等により、日常生活が一変しました。感染症対策を徹底する中、ホーム内での生活が中心となり、家族等の気軽な訪問や買い物など当たり前の生活ができなくなりました。
職員の感染からクラスターの発生へ
令和2年8月に入り、1つのユニットの職員2名が新型コロナに感染していることが判明しました。同じユニットの他の職員と利用者は濃厚接触者となり、保健所からの指示で職員はその日から2週間の自宅待機となりました。併せて、建物内のゾーン分けを行い、他のユニットや併設事業との接点を無くしました。
その後、8月中旬から同じユニットで新たに利用者1名と職員2名の感染が判明し、このユニットによるクラスター(集団感染)と認定されました。利用者には、自室(個室)で1日中過ごしてもらい、食事も自室でとってもらいました。一方で自室でずっと過ごすことができない利用者への支援の難しさも感じました。
職員体制の再構築
ユニットの職員全員が自宅待機となったため、法人内で調整して人員体制の再構築を行いました。余裕のない人員体制で運営している中、未感染ユニットや併設施設にも影響が出ることになってしまいました。
保健所と区に連絡を入れると、すぐに大量の防護服などが送られてきました。ユニットでは職員は必ず防護服を着ることになり、猛暑の8月、クーラー設定をしていても汗だくになりながらの業務が続きました。一度使用したフェイスシールドや防護服は医療廃棄物として処理します。これまで経験したことのない業務や新たな知識が必要となり、職員の負担となっていきました。
職員のメンタルヘルス
勤務を継続する職員は、自身も感染するのではないかという不安や過酷な勤務状況下で疲労困ぱいしていました。療養中や自宅待機の職員は、管理者の佐藤利弘さんとメールで連絡を取り合いました。佐藤さんは「メールを読むと、職員の責任感や自宅待機のうしろめたさが伝わってきた。深夜に不安を訴える職員、メールの内容が気になる職員もいた。職員のメンタルヘルスにも気配りが必要だった」と話します。
8月下旬になって、自宅待機の職員が出勤できることになり、感染していた利用者の体調も回復し、フロアに利用者が集い、賑やかな日々が戻ってきました。
クラスターで感じた福祉サービスの弱点
佐藤さんは「今回のクラスター対応で福祉サービスの弱点を思い知らされた」と言います。一つは【人員体制】の問題です。「福祉サービス全体が慢性的な人材不足の中で、今回のように複数の職員が同時に自宅待機等で人員に欠員が生じると、サービスの継続に大きな危機が生じる。大規模災害等さまざまな場面を想定したマンパワーの確保を真剣に考えなくてはならない」と話します。
もう一つは【学びの不足】です。佐藤さんは「コロナ対応の知識不足が混乱に拍車をかけた」と言います。感染症対応と福祉サービス提供を両立するため、専門家による支援や学びの場が必要になっています。
今後も、得られた気づきを活かして対策をすすめていく予定です。

「たすけあい」で地域生活を支える〜特定非営利活動法人 東京山の手まごころサービス(新宿区)
「東京山の手まごころサービス(以下、まごころサービス)」は、地域で暮らす方の在宅生活を支援し、介護保険事業、居宅介護保険事業、障害者総合支援事業、区委託事業のほか、公的制度外の自費サービス等を提供する団体です。昭和63年創設で、「介護の社会化」をめざして立ち上がった「民間ホームヘルプサービス」「有償家事援助サービス」等を行う団体の先駆けの一つです。中高年の女性を中心に、学識者と一からつくった介護の勉強会からスタートしました。利用者、活動者が共に会員になり、「会員同士のたすけあい」でサービスが提供されています。
まごころサービスの強みは、その方の生活を「丸ごと」支えることです。多くの方が制度に基づくサービスと、自費サービスの「わくわくマイプラン事業」を組み合わせて利用しています。自費サービスでは、生活を豊かにするための外出支援、家族に代わるケアや家事援助、子どもの送迎等を行っています。対応可能な制度がない頃から、行政や医療機関等と連携し、精神障害者の地域生活移行や重度障害者の地域生活の支援、病児や難病の方への支援等も行ってきました。現在、利用会員は約200人で、事務所スタッフのほか、ヘルパー(活動会員)は74人います。
利用者に正確な情報を伝える
令和2年2~4月頃は、マスクや消毒液等の衛生用品の不足に悩まされました。加えてトイレットペーパー等も不足したことで利用者にも不安が広がり、ヘルパーが手分けして利用者分を購入するなどしました。
また、多くの利用者にとって新型コロナによる世の中の変化への理解が難しく危機感を持ちづらいことが、支援上の大きな課題でした。マスクの着用や換気、手洗い等の対応や、不要不急の外出自粛の必要性が認識しづらい方もいました。そこで、まずヘルパーに毎月の「協力会員だより」や通信研修により、正しい情報や団体の方針、支援時の感染対策等を伝えました。それをふまえ、利用者へは利用会員向けの「まごころだより」のほか、ヘルパーから必要な情報を正確に伝えることを心がけました。非常時の中の活動であることへの理解を促しながら、徐々に状況に慣れていただくようにしました。
「たすけあい」の精神で活動継続
2年3月頃より利用者の状況に応じ、サービス内容の変更や短時間化を行いました。その上で、365日24時間の電話対応等、生活や生命に直結するサービスは可能な限り継続しています。副代表理事の西野智子さんは「ヘルパーは『たすけあい』の精神のもと活動継続を受け止めてくれており大変心強い」と言います。
ただし、スタッフやヘルパーは自身が利用者への感染源にならないよう細心の注意を払い、日々緊張感を抱えて活動しているため、その不安の解消や健康管理が重要です。体力維持のための短時間勤務や在宅勤務を導入し、直行直帰型の活動に切り替え、スタッフがヘルパーの相談に乗る等フォローを心がけています。
一方、長く続くコロナ禍での影響が蓄積され、最近体調を崩す利用者も増えています。デイサービスに行けず閉じこもりがちになり精神的に落ち込んだり、フレイルがすすんだり、慢性疾患が悪化したりする方が見られます。近所の方と話す機会が少なくなり、ヘルパーがその週の唯一の話し相手という方も少なからずおり「来てくれて心強い」という声も聞いています。身体面、精神面共に支えていく必要を感じています。
地域の方への体験講座の実施を検討
多くの地域の方の参加と協力を得て開催していた地域交流サロンは休止しています。代わりに、介護や活動に関心がある中高年男性からの問い合わせが増えている状況をふまえ、地域の方を対象に、料理等の家事や生活支援に必要な内容に関する体験講座の開催を計画中です。在宅生活を支えるヘルパー等の人材不足は深刻ですが、仕事には臨機応変な家事能力や生活支援力が必要であり、自身の資質向上や適性の見極めのため、まず体験が重要だと考えています。
西野さんは「コロナ禍で、安心して働ける職場づくりが必要だと一層実感した」と言います。「身体介護だけでなく家事援助も生活全体を支える重要な仕事。医療同様、最先端にいるヘルパーの働きが社会に正しく評価される必要がある。今後も、団体同士が連携して発信し続けることが必要だ」と語ります。

認知症高齢者グループホーム
サンライズホーム
管理者
佐藤利弘さん

グループホーム内のすべての作業は、このように防護服をつけて行いました。

NPO法人
東京山の手まごころサービス
副代表理事
西野智子さん

 

 

【東社協発】

令和3年度 東社協事業計画・予算

令和3年度は「東京の多様性を活かした"地域共生社会づくり"」をめざす今期東社協中期計画の3年度目となります。引き続き6つの柱で各事業を推進します。


1 安全・安心と権利擁護、
自立生活支援の推進
○地域福祉権利擁護事業における「意思決定支援」を重視した研修
○「地域と家裁の連携による成年後見制度の新たな選任・利用支援のしくみ」の推進
○福祉サービス利用に関する適切な苦情解決と区市町村苦情対応機関との連携した取組みの推進
○小規模事業者等における苦情解決や権利擁護の取組みの強化
○生活福祉資金貸付事業等の国等の関連施策改正・見直しへの適切な対応と適正な運営
○新型コロナの影響をふまえた緊急小口資金および総合支援資金の特例貸付の実施
○東日本大震災発災後10年をふまえ、地域への移行を視野に入れた都内避難者への支援事業の実施
2 福祉水準の向上を支える
基盤の強化
○研修や規程集の発行を通じた経営支援事業による社会福祉法人の経営全般に係る支援の充実
○専任相談員や弁護士、公認会計士等による社会福祉法人・福祉施設の経営に関する相談事業の実施
○東京都福祉人材センターによる、未経験者等の求職者への福祉業界の情報発信と、オンライン等の手法を活用した丁寧なマッチング等職業紹介機能の強化と実施
○身近な地域での多様な人材確保に向けた「地域密着面接会」の開催
○介護現場におけるハラスメント対策事業等による福祉職場従事者への支援の促進
○求職者のニーズ対応のための新たな修学資金貸付事業の着実な実施
○次世代や未経験者に向けた福祉の魅力の普及啓発
○収録型WEB研修やeラーニング化等による新型コロナに対応したさまざまな自主・委託研修の運営
○従事者共済会での退職共済事業の安定した資産運用と効率的運営の確保
3 ネットワークの構築・協働と
幅広い参加の促進
○東社協の機能強化に向けた会員、ネットワークの充実と拡大
○東京都地域公益活動推進協議会による3か年ビジョンに基づく事業推進と、令和4年度の全法人加入に向けた取組み
○東京都災害福祉広域支援ネットワーク推進委員会による広域連携訓練や人材育成のセミナーの開催
○会員施設等の被災情報把握システムを活用した支援体制の検討
○新型コロナ感染発生施設への応援職員の派遣調整
○部会と連携した障害者支援施設等支援力育成派遣事業の実施
○各種業種別部会を通じた(1)人材の確保・育成・定着(2)災害時の福祉支援(3)地域公益活動等の推進
○「東京版活動強化方策」に基づく民生児童委員、民児協の活動の推進と、民生児童委員活動の普及啓発、研修等の実施
○東京ボランティア・市民活動センターによる情報提供機能の強化と、ボランティア活動の地域定着、東京都災害ボランティアセンターについての協議およびアクションプラン推進会議の新団体設置の検討
○東京善意銀行における寄附文化醸成および寄附者と配分施設の交流促進
4 地域の取組みの
支援と普及
○「東京らしい地域共生社会づくり」、「包摂・共生型の地域社会づくり」に向けた「包括的支援体制づくりにおける社協戦略会」等の協議・検討
○地域づくりをすすめるコーディネーターの育成と社会福祉法人・民生児童委員等との地域福祉の協働体制(東京モデル)の推進に向けた取組み
○生活支援体制整備事業での事業運営アドバイザーや情報交換会の実施
5 情報発信と
提言
○転職者等の未経験者の確保・育成・定着に資する検討とツールの作成
○福祉の魅力可視化に向け、中学生の職場体験等の場面で活用できる冊子、および連動した動画の作成と特設ページの充実
○「東社協における広報戦略」に基づく情報発信体制の強化
○ホームページや「ふくし実践ポータルサイト」の活用による地域の課題解決力を高めるための情報発信
○出版事業の体制整備と推進
○地域福祉推進委員会のもと、令和2年度の地域福祉推進ワーキングにて取りまとめた報告書に基づく提言と普及啓発や推進
6 東社協法人基盤の
強化
○役員会の構成の見直しと総合企画委員会との関係整理等の検討
○令和3年度までの「中期計画」の推進評価、および令和4年度からの新たな「東社協中期計画」の策定
○本会による「地域における公益的な取組み」の実施
○東社協職員育成のための研修体系の検討、情報セキュリティ基盤、IT環境、WEB会議実施スペースの整備等の諸課題への対応


令和3年度 WEB研修の受付を開始しました!

東京都福祉人材センター研修室(以下、研修室)では、「収録型WEB研修」の受講受付を開始いたしました。

〈4月募集のラインナップ〉
職‥スタッフ向け 管‥管理者向け
【職】スタートアップ研修(※1・※2)
【職】リスクマネジメント研修
【管・職】ファシリテーション研修
(※1)「字幕」付きも選択可能。
(※2)令和2年度の〔再〕配信動画。

その他、WEB研修として、ハラスメント、メンタルヘルス、リーダーシップ、会計入門、職員採用などをテーマに実施予定です。

視聴期間は、研修により異なり、6月から順次開始いたします(事前申込制)。研修動画は東社協研修受付システム「けんとくん」上の「収録型WEB研修特設サイト」から見ることができます。
研修室が開催する集合型研修と併せてご活用いただき、福祉現場の組織力アップにお役立てください。

≪前年度のアンケート結果より≫
★時間・場所を問わず、自分のペースで ★時間を効率的に使用 ★業務と両立 ★分からない箇所を繰り返し見られる ★交通費もなく経費削減 ★コロナウイルス感染症防止 ★在宅勤務に最適

【お問合せ】東京都福祉人材センター研修室
TEL:03-5800-3335

 

 

【寄附のカタチ】

プロ野球読売巨人軍
今村信貴選手と子どもたちのオンライン交流会

プロ野球読売巨人軍・今村信貴選手より児童養護施設で暮らす子どもたちにランドセルが贈られました。これにあわせてオンライン交流イベントを開催。会話は弾み、最後には今村選手より「これからもたくさんランドセルを贈れるように頑張りたい」とのコメントがありました。施設の職員からは「コロナ禍で外出が制限される中、久しぶりのイベントで子どもたちや職員の笑顔を見ることができた」との声をいただきました。

今村選手(左上)から寄贈されたランドセルを背負う子どもたち(右下)
(出典)読売巨人軍 http://www.giants.jp/G/gnews/news_
3915638.html

東京善意銀行では、社会福祉施設等への寄附のご相談を承っております。
●千代田区神田駿河台1-8-11 東京YWCA会館3階
☎03-5283-6890 zen-i@tcsw.tvac.or.jp

 

 

【おしごと通信】

相手の思いを汲み取ることを大切に
社会福祉法人春和会 わんぱく乳児院で里親支援専門相談員として働く
佐々木理恵子さんにお話を伺いました。

佐々木理恵子さん
Rieko Sasaki

ZOOM面会の様子。
画面越しの家族と目が合うように子どもに声かけをしている様子を再現。

現在の仕事に出会うまで
私の小さい頃はとても消極的で、特にこれといってやりたいことがありませんでした。そんな中、親戚が集まった時に「小さい子はあなたに一番懐くね」と言われたことがあります。そこから、子どもと関わる仕事がしたいと思うようになりました。学校で保育士の資格を取得、卒業後は保育園に就職し、5年ほど働きました。ですが、園児の親御さんと関わる中で、まだ子育て経験のなかった自分の未熟さを感じ、転職を考えました。やりたいことは何か迷いましたが、漠然と「人の役に立つ仕事がしたい」という気持ちがあり、医療業界を考えました。保育士として働きながら医療事務の資格を取り、転職をして、小児科クリニックに20年ほど勤めました。病気の子どもを先生に診てもらうために来院する方がほとんどですが、その子の世話をする親御さんも身体的にも精神的にも大変です。そのような方に「寝られていますか?」などとちょっとした声かけをするようにしていると、子育てなどの相談をされるようになりました。自分自身も結婚、出産、子育てを経験したので、お話を聞く中で「子どもたちとその親の力になりたい」と思い、相談援助に興味を持ちました。そのため、働きながら社会福祉士の資格を取り、現在は里親支援専門相談員として乳児院で働いています。
乳児院は、さまざまな事情によって家庭で暮らせない0歳から就学前までの子どもたちが生活をする施設です。私は、施設にいる子どもたちが家庭的な環境で成長できるように、児童相談所などの機関と相談をしながら、里親との面会や交流を調整し、里親に委託をすることを手伝っています。地域の里親家庭も支援していて、定期的に様子を見に行ったり、子育てについての相談を受けたりしています。
悩んだ時は「どう乗り越えるか」を
常に考えている
里親支援専門相談員として働き始めてまだ1年目なので、戸惑うこともあります。「子どもと里親の相性は良いのか」「このまま里親委託をすすめて良いのか」と悩むこともあります。その時は、一人で考え込むよりも、職場のいろいろな職種の人の考えを聞いたり、他の乳児院の里親支援専門相談員に子どもと里親の交流方法などを相談したりして、双方にとって良い方向で里親委託がすすむように調整しています。周りに相談することで、自分一人では1つしか思い浮かばない解決方法も2つ3つと出てきて、さらに、別の視点から自分では思いつかないようなことも見つけることができます。
相手の思いを汲み取ろうとしてきた
改めて振り返ると、小さい子どもたちが懐いてくれたのは、その当時は意識していませんでしたが、相手の思いを汲み取ろうとして接していたからではないかと思います。この部分は今も変わらず、これまでの仕事や現在にも通ずるところで、自分の基軸となっています。
子どもは自分が思ったことのすべてを上手に言葉にすることはできません。だからこそ「今何を求めているのか」といった相手の思いを汲み取ろうとすることを大切にしています。それは子どもと接する時に限ったことではなく、仕事をする上でも常に意識していることです。乳児院には、保育士や看護師、心理士や家庭支援専門相談員など、さまざまな職種や仕事内容があるので、一緒に仕事をしている人が今どんな気持ちなのかを考えるようにしています。子どもたちを含めて、人間関係は大切にしています。
里親制度を多くの人に知ってほしい
里親支援専門相談員は、頑張ったことがすぐに目に見えて出るわけではありませんが、とてもやりがいのある仕事です。乳児院内で子どもと里親が交流する様子を近くで見てきて、里親家庭に委託が決まった後に家庭訪問に行くと、子どもの顔つきがその家庭に馴染んでいるのが分かります。その瞬間に「委託をすすめてきて良かった」と感じます。
今後については、先のことかもしれませんが、里親と里子という関係が一般的になればいいなと思っています。家庭的な環境を必要とする子どもたちがいること、里親制度があることを多くの人に知ってほしいです。里親家庭が、一般家庭と同じような生活ができる社会になることを信じて、里親制度の啓発活動や仕事に取り組んでいきたいです。

 

 

【アンテナ】3月31日(水)時点の情報です。感染症拡大防止のため、イベント等が中止または延期になる可能性があります。詳細は各団体にお問合わせください。

助成金
東京ウィメンズプラザ
配偶者暴力防止等民間活動
助成事業
4月30日(金)必着 都内に事務所又は活動拠点を有している民間団体(事業内容によっては個人でも申請可) (1)自主活動・施設の安全対策等への助成(事業費経費の1/2以内で限度額100万円。DV被害者への同行支援事業については限度額150万円)(2)アドバイザー派遣 所定の申請書と必要書類を郵送 東京ウィメンズプラザ 事業推進担当 配偶者暴力防止等民間活動助成事業担当 〒150-0001 渋谷区神宮前5-53-67
03-5467-1980 03-5467-1977
http://www1.tokyo-womens-plaza.metro.tokyo.jp/
ニッセイ財団 高齢社会助成
「地域福祉チャレンジ活動助成」・
「実践的課題研究助成」
(1)5月31日(月)(2)6月15日(火)いずれも消印有効 「共に生きる地域コミュニティづくり」を基本テーマに、活動や研究を行う団体・個人に助成 (1)地域福祉チャレンジ活動助成:地域包括ケアシステムの展開や深化につながる5テーマのいずれかの活動にチャレンジする意欲があり他と協働で行う団体(法人格の有無は問わない) (2)-1「実践的課題研究助成」:高齢者、認知症等の4分野での実践的研究を行う研究者または実践家 (2)-2「若手実践的課題研究助成」:4つの分野の中のテーマに対する課題を明確にした研究を行う45歳未満の研究者または実践家 (1)年間上限200万円(2年間)、(2)-1 年間上限200万円(2年間)、(2)-2 上限100万円 所定の申請書類に必要事項を記入し郵送 (公財)日本生命財団 〒541-0042 大阪府大阪市中央区今橋3-1-7 日本生命今橋ビル4階
06-6204-4013 06-6204-0120
http://www.nihonseimei-zaidan.or.jp/

講座・シンポジウム
【オンライン】性暴力被害者支援
研修・セミナー
5月15日(土)15時~17時 200名 2,200円 米国で性暴力被害に遭ったフォトジャーナリスト・大藪順子氏によるセミナー「立ち上がる選択―性暴力被害者と支援者のために」 ホームぺージ、メール、Peatixにて※追ってZoomのURLを送付 5月12日(水) (一社)人権問題研究協議会 事務局:加藤
03-6869-6365
info@humanrights-ra.com 
https://www.humanrights-ra.com
その他
第2回福祉・介護のおしごとフェア
4月24日(土)14時~16時半 東京消防庁スクワール麴町3階「錦」 無料 都内7つの社会福祉法人のしごと説明・面接会 不要 特別養護老人ホーム博水の郷 担当:佐藤、田中、片桐
03-5491-0340
https://ameblo.jp/tokyofukushi-shinjidai/
犯罪お悩みなんでも相談
4月1日(木)~令和4年3月31日(木) 火・木曜日(祝日・年末年始を除く)9時~17時 無料 社会福祉士や精神保健福祉士による犯罪の悩みに関する電話相談(TEL:050-3138-2009) 都内在住の、万引きなどの犯罪行為をしてしまうご本人、そのご家族または関係者の方など 不要※来所相談を希望する場合、電話にて要相談 東京都 都民安全推進本部 総合推進部 都民安全推進課
03-5388-2265
https://www.tomin-anzen.metro.tokyo.lg.jp/chian/anshinanzen/saihan-boushi/hanzai-sodan/index.html

 

 

【資料ガイド】

会議資料
■第4回障害者の就労能力等の評価の在り方に関するワーキンググループ(資料)(厚生労働省/2月)
■生活保護基準の新たな検証手法の開発等に関する検討会のとりまとめ(厚生労働省/3月)
■「社会保障教育モデル授業等に関する検討会(第1回)」資料(厚生労働省/3月)
■「職場適応援助者養成研修のあり方に関する研究会」報告書(厚生労働省/3月)
■第1回「外国人雇用対策の在り方に関する検討会(オンライン開催)」資料(厚生労働省/3月)
■第4回「障害者の就労支援体系の在り方に関するワーキンググループ」資料(厚生労働省/3月)
■令和2年度全国児童福祉主管課長会議資料(厚生労働省/3月)
■令和2年度全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(厚生労働省/3月)
■障害保健福祉関係会議(厚生労働省/3月)
■成年後見制度における市長村長中立に関する実務者協議資料(4回目)(厚生労働省/3月)
■「共生社会におけるトイレの環境整備に関する調査研究」報告書(国土交通省/3月)

調査結果
■地域社会の暮らしに関する世論調査(内閣府/2月)
■令和2年度保健師活動領域調査(領域調査)の結果について(厚生労働省/3月)
■被保護者調査(2019年度)確定値(厚生労働省/3月)
■令和元年度母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況(厚生労働省/3月)
■令和元年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果及び高齢者虐待の状況等を踏まえた対応の強化について(通知)(厚生労働省/3月)

その他
■感染症や災害等の非常時にやむを得ず学校に登校できない児童生徒に対する学習指導について(通知)(文部科学省/2月)
■禁煙啓発リーフレット「自分のために。家族のために。タバコ、やめませんか? 禁煙でみんな幸せに」(都福祉保健局/3月)

 

 

【くらし】

絵本を通じ、さまざまな事情の中にいる
子どもたちを応援
「NPO法人 ぷるすあるは」は、親の精神障害をはじめ、さまざまな事情の中で頑張っている子どもたちを、絵本や情報コンテンツなどを通して応援する活動をしています。精神科医と看護師の二人の活動から始まりました。そのうちのお一人、主に絵本制作を担当する看護師の細尾ちあきさんにお話を伺いました。

「ぷるすあるは」のはじまり
さいたま市の精神保健福祉センターで同僚の北野陽子医師らとアディクション(依存症)の親を持つ家庭の子どもの心理教育プログラムで紙芝居をつくりました。そこでの"伝わった手応え"が活動のきっかけです。また、こうした媒体が国内で見つからず「だったらつくってみよう」と"精神障害の親を持つ子どもの応援"をテーマに活動をはじめました。
待合室で親を待つ子どもたち
精神科病棟での勤務経験を経て、地域に密着した精神科クリニックに勤めた経験が今につながっています。待合室には小さい子を連れた患者さんや、親を心配して付き添う子どもたちがいました。『患者さんの向こうには家族がいて生活がある』当たり前のことに気づきました。
私自身も落ち着かない家で育ちました。子どもたちには「いつでも来ていいよ」と駄菓子や漫画を置き、待合室はこうした子どもたちがほっとできる居場所になっていきました。「ちあき、家に来てよ」と言われることも多く、時には、家に行って一緒に行方不明の紅白帽を探したり、ご飯の炊き方を教えるなどもしながら、親子のサポートもしていきました。夏休みの宿題をしながら、「書く思い出の材料がない」などの言葉には、「じゃあ、出かけたことにしちゃおう!私もそうだったよ」などの声かけをしたこともあります。
子どもたちに伝えてきたのは、『あなたのせいじゃないよ、話していいよ、一人じゃないよ』というメッセージです。今も絵本や制作を通して伝えています。また、"対等な目線で届ける"ことを大切にしています。
見えにくいヤングケアラー
今、『ヤングケアラー』が注目され、国も調査を開始するなどの動きがあります。一方で、一人ひとり、体験も家族の歴史も違います。特に精神疾患は見えにくく、子どもが親の感情面のケアをしているというのは外からは想像がつきにくいところです。家のことを知られたくない子どもたちもいます。そうした子どもたちが取り残されないよう発信をしていく必要を感じています。
子どもたちの頑張りを認めつつ、負担になりすぎているところを引き受けていくのが大人の役割だと思います。
子どもが安心できる大人、例えば、先生や近所のおばちゃんなどが、子どものSOSを聞いて、交通整理をしてその支援先までつなげてくれるようになるといいなと思います。専門職にはぜひ対象者の向こうの家族のことも視野にいれてほしいです。また、親が他の大人を頼る姿を子どもに見せることもプラスになります。その大人には、家のことを秘密にする必要がなくなります。さらに、誰かに頼って良いことを子どもたちが学ぶ機会にもなるからです。
夢や未来をあきらめさせない
家族のケアのために子どもたちに将来の夢や未来をあきらめてほしくありません。私は、早く自立しましたが、結果として自分にも家族にも良かったと感じています。
今、学校と家しか知らず、しんどい子どもたちには届きにくいかもしれません。でも、まず、大人側が子どもたちには未来が広がっていることを絶えずイメージして接していくことが、子どもの未来や自立への後押しにつながっていくのではないかと思います。

絵本「生きる冒険地図」より
学苑社 刊
(著:プルスアルハ、文と絵:細尾ちあき)

◀「ぷるすあるは」の
活動はこちらから
(子ども情報ステーション)

 

 

【本】

福祉施設にできる災害時の利用者と
地域の高齢者・障害者・子どもたちへの
支援は…?
~「都内福祉施設・事業所における災害時の利用者ならびに 地域の高齢者・障害者・子ども等への支援に関するアンケート調査」結果~
本書は、東社協が平成30年度に実施した災害発生時の要配慮者支援に関するアンケート調査やヒアリング調査をまとめたものです。第一章に「調査結果をふまえた11のポイント」、第二章に「調査結果の概要」、このほか資料編を掲載しています。
◆規格 A4判/110頁 ◆発売日 2019.6.11
◆660円(本体600円+税)
障害者総合支援法とは・・・〔改訂第3版〕
本書は、障害者総合支援法について解説した小冊子の改訂第3版です。法改正のポイントを含め、制度について、分かりやすく図表を交えて解説しています。2020年7月時点の内容を掲載しています。
◆規格 A4判/32頁 ◆発売日 2020.10.1
◆550円(本体500円+税)
高齢者や障害者などへの
サポートマニュアル〔改訂第2版第7刷〕
本書では、地域における高齢者や障害者に対する支援方法を分かりやすく掲載しています。本書を通じて、高齢者や障害者に対する正しい知識や適切な接客・接遇技術を学ぶことで、すべての人々が住みやすい社会をつくる一助となることを願っています。
◆規格 A5判/85頁 ◆発売日 2008.3.1
◆1,047円(本体952円+税)

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