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福祉広報 2021年5月 748号 テキストデータ

【表紙】

千葉県 南房総市
春の陽射しを浴びてくつろぐ老夫婦おもわず声をかけるととびきりの笑顔で応えてくれた

社会福祉NOW
「東京らしい 包摂・共生型の地域社会づくり」をめざして
~生きづらさや孤立に苦しむ人たちを包摂する地域社会のあり方~報告書
(東社協地域福祉推進委員会 地域福祉推進検討ワーキング)

トピックス
ユニバーサルスポーツを通じて人と人との関係を築く
葛飾区教育委員会生涯スポーツ課
でたでたデータ
新型コロナの影響下、安心して運動ができる場の充実を
~東京都オリンピック・パラリンピック準備局
令和2年度障害者のスポーツに関する意識調査より~
【連載】コロナ禍でも日常を守るために
~緊急事態宣言期間を中心とした福祉施設・事業所の取組み~
コロナ禍における在宅サービスが抱える課題への対応を模索する
〜社会福祉法人秋川あすなろ会 あすなろみんなの家(あきる野市)
コロナ禍でも食を通じ人と人とのつながりを支える
〜特定非営利活動法人支え合う会みのり(稲城市)

 

 

 


【NOW】

「東京らしい 包摂・共生型の地域社会づくり」をめざして
〜生きづらさや孤立に苦しむ人たちを包摂する地域社会のあり方~報告書
(東社協地域福祉推進委員会 地域福祉推進検討ワーキング)
東社協の地域福祉推進委員会では、平成31年度から令和2年度までの2年間において、「生きづらさや孤立に苦しむ人たちを包摂する地域社会のあり方」をテーマに検討を重ねてきました。そして、平成31年3月に取りまとめた「東京らしい“地域共生社会づくり”のあり方について」の進化形として、「東京らしい 包摂・共生型の地域社会づくり」のあり方を令和3年3月に提起しました。今号ではその概要をお伝えいたします。

「『東京らしい 包摂・共生型の地域社会づくり』をめざして~生きづらさや孤立に苦しむ人たちを包摂する地域社会のあり方~報告書」全文は、下記の東社協ホームページをご覧ください。https://www.tcsw.tvac.or.jp/chosa/index.html
調査・提言ページ

前期ワーキングで提起した
「東京らしい"地域共生社会づくり"のあり方について」
東京の地域特性に応じた地域共生社会づくりに向けて、前期ワーキングでは、区市町村ごとに3層の圏域(小地域・中圏域・区市町村圏域)を基盤とした包括的な支援体制を構築すること、さらに中圏域に地域福祉コーディネーター等(※1)を配置し、住民主体の地域活動を支援することや、民生児童委員協議会、社会福祉法人の地域公益ネットワーク、地域福祉コーディネーター等が協働体制をつくる「東京モデル」等を提起し、東京都地域福祉支援計画(平成30年3月策定)への意見反映を図りました。その後、多くの区市町村において、地域福祉コーディネーター等の配置が進行するなど、各地域の状況に合わせた地域共生社会づくりがすすめられています。
一方で、前期報告書の提起では、「生きづらさ」や「孤立」に苦しむ人たちへの対応や手法を明確にすることはできませんでした。この間、国の検討はさらにすすめられ、生活困窮者の支援を通じた地域共生社会の実現をめざすことを明確化した「生活困窮者自立支援法」の改正、「相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」を一体的に推進する「重層的支援体制整備事業」を定めた社会福祉法改正等が行われました。
”生きづらさや孤立に苦しむ人たち”を取り巻く「問題の所在」と「対応の方向性」
こうしたことを背景に、今回の後期ワーキングでは、「生きづらさや孤立に苦しむ人たちを包摂する地域社会のあり方」をテーマに全10回の検討を行いました。日本大学文理学部社会福祉学科教授の諏訪徹さんを座長に、民生児童委員、ひきこもり家族会、子ども・高齢・障害の施設、社協、教育関係者、学識経験者等の14名の委員構成です。まず、「生きづらさ」や「孤立」に苦しむ人たちに対応しきれていない施策の現状を把握するために、7つのテーマ(1.ひきこもり 2.不登校 3.触法障害者等 4.いわゆる80―50問題等、複合課題のある世帯 5.ひとり親家庭 6.児童虐待と社会的養護 7.生活困窮者)で、現状と課題、取組み等について、委員やゲストスピーカーからヒアリングを行いました。そして、それをふまえて「問題の所在」と想定される「対応の方向性」を整理しました。
4つに整理した「問題の所在」の1つ目は、ニーズが見過ごされ、適切な支援がなされないことが本人の自己肯定感や意欲の低さにつながり、個人や家族が孤立していることです。この問題への対応の方向性として、地域や社会生活の多様な場面でニーズを発見する機会の確立や、相談しやすく、受援力を高める当事者や家族のネットワークづくりがあげられました。
2つ目は、本人に複数の課題がある場合や家庭内に課題がある当事者が複数いる場合など、縦割りの支援では有効に対応できない状況があげられました。これに対応する方向性として、多分野・多機関の協働体制を構築するための制度的なしくみやツールの開発、地域福祉コーディネーター等の配置、専門職のネットワークづくりなどがあげられました。
3つ目は、現状の支援は事後的対応が中心で予防的取組みが不十分な点です。「生きづらさ」に対する専門職や住民等の理解不足が予防的な取組みの促進を阻んでいる面もあります。これには、専門職による予防的取組みの強化とともに、住民等による発見とつなぎ、見守り機能の確立の必要性があげられました。
4つ目は、これらの課題は緊急的な対応だけでは解決せず、ライフステージを通じた寄り添い、見守りや継続的なケアが必要な点です。これに対応するためには、専門職だけでは困難であり、専門職と地域関係者からなる地域の新たなプラットフォームをつくって連携し、緩やかな見守り、専門的なケア機能も備えた寄り添う体制を構築することの必要性があげられました。
「包摂・共生型の地域社会づくり」をめざす7つの提言
こうした問題の所在を整理した上での今後の対応の基本的な考え方として、社会全体が誰も取り残さず、すべての人が社会や地域で安心できる居場所を見出し、ウェルビーイングを高めつつ、尊厳を持って、自分らしく参加、活躍できる「包摂・共生型の地域社会づくり」をめざすこととし、今後の取組みの視点とあり方について、7項目で提言しています。
1.「きずな再生・寄り添い重視モデル」の確立
日本の福祉制度は、専門分化し、課題解決中心に発展してきましたが、課題解決モデルだけでは対応できないことが、「生きづらさ」や「孤立」につながっています。誰もが生涯の中で「生きづらさ」や「孤立」の課題に直面する可能性があります。ライフサイクルに応じた継続的な支援、誰ひとり取り残さないしくみが必要であり、課題解決モデルに加え「きずな再生・寄り添い重視モデル」の確立を提起しています。
2.当事者本位の徹底と予防的アプローチの重視
従来、「支援する側」「支援される側」という固定概念の下で支援が提供されてきましたが、当事者のことをよく知らないために「支援される側」の人を偏見や差別の目で見てしまう人もいます。また、複合的課題に対する制度や支援は未整備であり、家族を含めた視点や家族への支援も必要とされています。こうしたことをふまえ、当事者がほかの人を支援する立場で地域に関わる機会を設けることや、家族自身に寄り添うことも含めて、当事者本位を徹底することが重要です。
また、当事者・家族ならではの力を専門職や専門機関による支援や地域の活動等に活かしていくことにより、支援や活動の充実が期待できます。特に予防的な観点からエンパワメントを図ることで当事者を支えるとともに当事者の知見を支援や活動の充実に活かすことにもつながり、「予防重視の相互エンパワメントアプローチ」として推進することを提起しています。
3.3つのネットワークの強化と重層型プラットフォームの確立
東京は、狭いエリアにニーズや資源が凝縮しており、一機関が多分野のあらゆる相談支援に対応することは現実的でも効果的でもありません。これをふまえ、3つのネットワークの強化・協働の重要性をあげています。顕在化した個別ニーズに対し、専門性による緊急的な課題解決に強みがある「専門職・機関のネットワーク」。地域の福祉課題を受け止め、早期発見、予防、寄り添い、見守りに強みを発揮する「地域関係者のネットワーク」。そして、当事者や家族の癒しや学びの機会とともに、ニーズを顕在化して、必要な施策や活動を有効に機能しやすくすることも期待できる「当事者・家族のネットワーク」。これは、「専門職・機関」と「地域関係者」の2つのネットワークを接合する重要な位置にあるとしています。
この3つのネットワークの強みを活かし、弱みを補い、つなげることは、多様な分野やフォーマル・インフォーマル、行政区域を超えて連携していくための土台となる「分野横断・重層型プラットフォーム」を構築することになります。これを前回の報告書「東京らしい"地域共生社会づくり”のあり方」で提起した「東京モデル(民生児童委員協議会、社会福祉法人の地域公益ネットワーク、地域福祉コーディネーター等、三者の協働体制)」の発展型として提起しています。
4.「〇〇発・地域参加型ミーティング」の開催
潜在する支援課題が見過ごされ、理解がすすまずに深刻な問題へと発展した後、時に特定の分野のみの専門機関による対症療法的な対応に陥り、さらなる無理解や偏見につながる悪循環に陥ることがあります。これを断ち切るために、ライフサイクルの中で、あらゆる生活場面に関わる多様な機関等が支援課題を見過ごさず、必要な人たちと共有し、対応や支援を検討できる場を用意し、つなげられるようにすることが重要です。そこで「〇〇発・地域参加型ミーティング」の開催を提起しています。○○発とは、学校の先生や、コンビニ店主、民生児童委員等、当事者や身近な人など誰でも気づいた人が心にしまい込まずに発信するということで、小圏域を中心として、関わりのある人がミーティングの場を持ち、次の行動につなげていくことを想定しています。これは、3.であげた「分野横断・重層型プラットフォーム」の下で、個別ケースに応じて開催し、予防、つながりを重視した緩やかで包括的な支援につなげるものです。ミーティングを開催することにより、地域のさまざまな人たちの顔の見える関係性をつくることとなり、それ自体が地域づくりであり、むしろそのための提案ともいえます。
5.学びと広報の推進
このしくみが地域で活用されるためには、「〇〇発・地域参加型ミーティング」で明らかになった課題や実情を「分野横断・重層型プラットフォーム」で分析し、分かりやすく広報、発信し、住民と専門職・機関の相互の学びの場をつくることが必要となります。
また、当事者自身が自分の力に気づき、自信をつけ、力を発揮できるよう支える、エンパワメント・アドボカシー型(力づけ、権利擁護を図る)の学びの機会の提供や、そのためのプログラムの導入、実施が求められます。当事者の立ち直りや意欲の向上をめざすとともに、専門職・機関が当事者の想いや願いを学ぶ機会としても捉えることを重要な視点にあげ、提起しています。
6.多様な居場所と継続的なケアの拠点機能の確立
小さな出来事を誰かに話す中で、自分の行動を決めたり、困りごとに気づくことがあり、大きな問題になる前に支援につながるなど、結果としてそれが予防となる場合があります。そのために、気軽に立ち寄れる場所、知られたくないから離れた場所、家から出にくいからオンラインなど多様な形で、それぞれの人が安心でき、話を聞いてくれる人がいる居場所をつくることを提起しています。
また、寄り添いによる見守りと合わせて、必要に応じて食事や一時的な住まい等の緊急的な支援や専門的なケアの提供が重要であるとして、「困った時に助けを求められる拠点機能」を整備することを提起しています。
7.効果的で効率的な生産性の高いネットワークの運営
地域で活動や支援を広め、定着させていくには、多くの時間と労力が必要です。オンライン会議の活用やアセスメントツールの開発、可視化しやすい記録のデータ化等、ICTの活用を図り「効果的で効率的な生産性の高いネットワーク」を推進し、地域づくりにおいて手間や時間をかける必要があることに集中的に力を注げるようにすることが重要であると提起しています。
令和3年4月からスタートした重層的支援体制整備事業等、包括的支援体制の構築に向けて
国においては地域共生社会推進検討会(座長:宮本太郎中央大学教授)の「最終とりまとめ」(※2)が令和元年12月に公表され、「具体的な課題解決を目指すアプローチ」と「つながり続けることを目指すアプローチ(伴走型支援)」の2つのアプローチを支援の両輪とし、「相談支援」「参加支援」「地域づくりの支援」を一体的に実施する新たな事業創設の方向性が示されました。これに基づく「重層的支援体制整備事業」は、各自治体の任意事業として、令和3年4月から取組みの早い自治体で開始されています。また、令和4年度以降の実施に向けた移行準備事業も含め、各自治体が社協や地域関係者と共に検討や準備をすすめていく大切な年です。この提言による「分野横断・重層型プラットフォーム」や「○○発・地域参加型ミーティング」は、重層的支援体制整備事業の意義や利点を積極的に取り込み、有効に活かしつつ、さらに地域における多様な主体や取組みを総合的に推進するために提起するものです。
誰も取り残さず、包摂される社会をめざしてこそ、真の地域共生社会づくりといえます。それぞれの地域という舞台で主人公である住民を中心に据えた包括的支援体制を構築していくことが重要といえるでしょう。その際に本ワーキングによる提言も参考にしていただければ幸いです。

(※1) 地域福祉コーディネーター等…コミュニティ・ソーシャルワーカーや生活支援コーディネーター、ボランティアコーディネーター等

(※2) 「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」(地域共生社会推進検討会)最終とりまとめ(令和元年12月26日)

 

 

【マンスリー】2021年3月26日 - 4月25日

4月1日
「地域共生社会のポータルサイト」が公開
厚労省は、地域共生社会の推進を目的とした「地域共生社会のポータルサイト」を公開。地域共生社会の実現をめざした全国の取組み事例の紹介や、地域共生社会の実現に関する施策情報などを分かりやすく紹介している。
〈地域共生社会ポータルサイト〉
https://www.mhlw.go.jp/kyouseisyakaiportal/

3月29日
「外国人材と働くためのハンドブック」を作成
都産業労働局は、中小企業における外国人材の活躍促進に向けて、採用に当たって必要な手続きや留意すべき事項をまとめたハンドブックを作成。

3月30日
新しい「東京都高齢者保健福祉計画」を策定
都福祉保健局は、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、都がめざす基本的な政策目標を定め、実現に向けて取り組む施策を明らかにすることを目的に「東京都高齢者保健福祉計画」を策定。計画期間は令和3年度から令和5年度の3年間。

4月16日
生命(いのち)の安全教育のための教材および指導の手引きを作成
文科省と内閣府は「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」をふまえ、子どもたちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう、生命(いのち)の安全教育のための教材および指導の手引きを作成した。児童生徒の発達段階や学校の状況をふまえ、教育課程内のさまざまな活動を通じて使用できる教材となっている。

4月25日
3度目の緊急事態宣言を発出
政府は、新型コロナの感染を減少傾向に転じさせるため、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に「緊急事態宣言」を発出。期間は5月11日まで。

 

 

【トピックス】

ユニバーサルスポーツを通じて
人と人との関係を築く
▼ 葛飾区教育委員会生涯スポーツ課

東京都が令和3年2月に公表した「障害者のスポーツに関する意識調査」によると「障害のある都民(18歳以上)の週に1日以上のスポーツ実施率」は31・9%と、令和元年調査の37・0%から減少しました。東京都は「東京都スポーツ推進総合計画」(平成30年3月策定)において「令和3年までに40%」の達成指標を掲げています。現在も新型コロナの影響が続く中、東京都では障害がある方が安心してスポーツや運動ができるための取組み、また関心をもってもらうための取組みをすすめています。今号の「でたでたデータ」では本調査を取り上げています。
「トピックス」では、令和3年7月から東京オリンピック・パラリンピック大会の開催が予定される中、平成10年から障害者スポーツの普及啓発活動に取り組む葛飾区の実践を紹介します。
障害のある方にスポーツの機会を
葛飾区は、平成10年度から初級障害者スポーツ指導員(※1)養成講習会を実施しています。葛飾区教育委員会事務局生涯スポーツ課事業係長の張替武雄さんは「東京都障害者スポーツ協会(以下「都障協」)が実施していた講習会を区の事業として実施した。当時、自治体主催としては珍しい取組みだった」と話します。それまで、葛飾区内で実施していた障害者スポーツの振興事業は単発の水泳教室と、風船バレーや輪投げなどを楽しむ複数種目の教室のみで、都障協から指導員を派遣し、その指導員がスポーツ指導にあたる形をとっていました。張替さんは「年に数回の単発的な教室だったにも関わらず、障害のある方、そのご家族から好評だったと聞いている。それを受け、区として指導員を養成し、障害のある方のスポーツの機会を増やしたいと思ったのが取組み推進のきっかけ」と話します。
年間を通して教室を実施、指導員の活動の場としても
現在、多くの自治体が初級障害者スポーツ指導員養成講習会を主催しています。事業係主事の妹尾舞さんは「葛飾区では平成10年以来、毎年開催しており、多い時は15名程度の参加がある。令和2年度も、コロナ禍の中ではあったが、15名の参加があった。感染防止対策をしながら、より多くの方に参加していただけるよう、開催期間を短縮したり、内容を凝縮するなど、工夫した」と話します。受講者の年齢は幅広く、その背景には「もともと障害者スポーツに携わっていた」「定年を迎えたため、新たな活動の場としたい」などさまざまです。
現在、障害者スポーツ振興事業の一環で葛飾区が実施する障害者スポーツ事業は「ボッチャ教室」、「フロアホッケー教室」をはじめ、15教室あります。張替さんは「障害のある方が年間を通してさまざまなスポーツに取り組むことができるようスケジュールを組んでいる。また、活動の場が増えることで指導者の実践の場にもなり、指導者の育成にもつながっている」と話します。
このほか、葛飾区では38年前から区独自で「葛飾区公認スポーツ指導員」制度を導入しています。これは、スポーツ指導の専門的な技術や知識を有した指導員を養成し、地域住民の要望に応じてスポーツの機会を提供する制度です。前述の講習会を修了し、教育委員会の審査で適任と認められると、認定・登録という流れになります。この制度に、以前は障害者スポーツの種目は含まれていませんでしたが、平成26年度からボッチャ、平成28年度からフロアホッケーが追加されました。区で実施するボッチャ教室やフロアホッケー教室は、この制度で専門の資格を持つ方が指導にあたっています。
障害の有無にかかわらず一緒に楽しむ”ユニバーサルスポーツ”の推進
障害者スポーツ教室を開催するにあたっては、指導員をはじめ、葛飾区内のさまざまな運営団体が携わっています。その一つに30年以上前から障害の有無にかかわらずスポーツ活動を実践してきた「きさらぎジュニア」があります。区との関わりは、5年前に、区のスポーツセンターでフロアホッケーの全国大会が開催されたことからでした。以降、区内でもフロアホッケーを普及するきっかけとなり、現在まで関係が続いています。令和2年1月から実施している障害者スポーツ開放事業「のびのびユニスポ広場」は、きさらぎジュニアの関係者より「障害のある方が定期的に身体を動かす機会と場所がない」と要望があったことから開始された事業です。”ユニスポ”は、障害の有無にかかわらず誰もが一緒に参加し、活動を楽しめるスポーツ”ユニバーサルスポーツ”の略です。現在、毎週火曜日の16時~17時半の一時間半スポーツセンターを開放し、きさらぎジュニアのスタッフが運営主体となりフロアホッケーやボッチャなどの活動を実施しています。張替さんは「今は障害のある方の身体を動かす場として開放しているが、利用者が増え、事業が定着してきたら、障害の有無にかかわらず、一緒にスポーツを楽しめる場所にしていきたい」と話します。ユニバーサルスポーツは、区で実施する15の障害者スポーツ教室の中でも複数実施しており、区として広める取組みをすすめています。妹尾さんは「毎回、教室を楽しみにしてくださっている方がいる。特に昨年は”コロナ禍の中、外出が大幅に減ってしまったが、外に出るきっかけにもなった”という声が聞かれた」と話します。張替さんは「指導員の方からは”一緒に活動に取り組むことを通じて、障害のある方の理解がすすんだ”という声を聞く。回を重ねるごとに人と人とのつながりが深まっていることを実感する。今後も続けていきたい」と言います。
利用者、指導員、関係団体と共に活動を作り上げていく
活動を継続、発展させるためには、指導員の育成と場の提供だけでなく、利用者、特に必要とする方に情報を届けるしくみが必要です。葛飾区では、2年前から区内約40か所の障害福祉関係施設に対し次年度の障害者スポーツ教室の日程とチラシを配布しています。事業係主事の長井緋香里さんは「毎年2月の時期は、来年度の予定を組み始める時期。時間帯が合えば福祉施設の活動の一環として参加してくださることもあり、周知を始めてから教室全体の参加者が増えた」と話します。また、妹尾さんは「葛飾区が長く障害者スポーツの普及啓発活動に取り組むことができているのは、利用者、指導員の協力はもちろん、運営に携わる区内の関係団体の尽力があってこそ。今後は、団体同士の横の繋がりを深めていきたい」と話します。張替さんは「葛飾区は、東京パラリンピックブラインドサッカー日本代表の合宿地となることを契機として体験会なども予定している。体験会後は教室の活動に組み込むなど、今後も提供する内容を充実させたい」と話します。

(※1) 障害者のスポーツ参加のきっかけづくりを支援する指導員。健康や安全管理に配慮した指導を行い、スポーツの喜びや楽しさを伝える役割を担う(公財)日本障がい者スポーツ協会の認定資格。

(写真右から)
葛飾区教育委員会事務局生涯スポーツ課事業係
事業係長 張替 武雄 さん
主事 妹尾 舞 さん
主事 長井 緋香里 さん

 

 

【でたでたデータ】

新型コロナの影響下、安心して運動ができる場の充実を
~東京都オリンピック・パラリンピック準備局 令和2年度障害者のスポーツに関する意識調査より~

東京都は、令和3年2月4日に「障害者のスポーツに関する意識調査」の結果を公表しました。この調査は、都内に居住する18歳以上の障害者を対象にスポーツに関する意識を調査し「東京都スポーツ推進総合計画」に達成指標として掲げる「障害のある都民(18歳以上)の週に1日以上のスポーツ実施率(令和3年までに40%)」の達成状況等を把握することを目的として、平成30年より毎年実施されています。
また、今回は新型コロナの影響下での障害者のスポーツ・運動の実施状況などが調査されています。
過去1年間にスポーツや運動を「行った」と答えた人が感じた影響・変化は「感染の懸念から外出を控えたため、スポーツ・運動の機会が減った」(37.5%)が最も高く、次いで、「特に変化はない」(28.9%)、「感染の懸念から、一緒にスポーツ・運動していた仲間との集まりを控え、スポーツ・運動の機会が減った」(16.9%)、「スポーツ施設等において、休止や利用制限が設けられたことで、スポーツ・運動の機会が減った」(16.5%)でした。
新型コロナの影響下でスポーツや運動を行う際に必要だと考える支援については、必要な支援があると回答した中では「感染防止策が講じられ、安心してスポーツ・運動ができる場の確保、またはその充実」(22.6%)が最も高く、次いで「自宅でもできる、障害に応じたスポーツ・運動を指導してくれる支援、またはその充実」(14.1%)、「スポーツ・運動をするうえで、個人でできる感染防止策の情報提供、またはその充実」(13.3%)、「リモートにより、障害に応じたスポーツ・運動を指導してくれる支援、またはその充実」(7.3%)、「コロナ禍における、スポーツ・運動活動に関する相談窓口の設置、またはその充実」(5.6%)という結果でした。
「新しい生活様式」が浸透していく中で、障害者スポーツにおいても、コロナ禍に応じた運動の機会や情報の提供が求められています。

 

 

【連載】10

コロナ禍でも日常を守るために
~緊急事態宣言期間を中心とした福祉施設・事業所の取組み~

新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大の影響により、福祉施設・事業所には利用者の命・生活、職員の安心・安全を守るため、これまで以上に厳しい感染症対策が求められています。特に国による緊急事態宣言および東京都による緊急事態措置期間中(令和2年4月7日~5月25日)は、各施設等において新たな感染症に配慮しつつ、利用者の日常をいかに守るか苦心し、工夫を重ねていた時期でした。令和3年に入ってもなお感染拡大の状況が続き、東京では1月8日から3月21日まで2度目の緊急事態宣言期間となりました。
本連載では、令和2年4、5月の1度目の緊急事態宣言期間を中心に、福祉施設・事業所等が未知の感染症にどのように向き合い、利用者の生活を守る工夫や取組みをしてきたのかを発信していきます。今回は、通所介護サービスと、食を通じた在宅生活の支援を行う団体について取材しました。
*今回、紹介する事例のさらに詳しい内容は、本会の「ふくし実践事例ポータル」でご覧になれます。
(http://fukushi-portal.tokyo/)

コロナ禍における在宅サービスが抱える課題への対応を模索する〜あすなろみんなの家~(あきる野市:社会福祉法人秋川あすなろ会)

あすなろみんなの家は、多摩地区西部のあきる野市で単独型の通所介護サービスを提供している事業所です。在宅で介護を必要とする高齢者の方たちに、生活リハビリや趣味活動、入浴・食事サービス等を提供しています。利用者の登録数は約100名、一日当たりの定員は40名で運営しています。同一敷地内と車で10分ほどの場所には、同法人が運営する2つの保育園があり、子どもたちと年中行事を通した交流や四季の変化に応じた日常を提供しています。利用者一人ひとりの気持ちを大切に、それぞれのペースで過ごしてもらえるよう心がけています。
新型コロナ感染拡大時の初期対応
新型コロナが感染拡大していった令和2年2月から、社会福祉法人秋川あすなろ会では、全ての利用者と家族、職員に向けて、これまで以上にこまめに「お知らせ」や「お願い」を文書で発信しました。国からは、学校への休校要請、緊急事態宣言が出され、日々刻々と状況が変わる中、法人としてその時々で必要な判断と方針を示し続けました。利用者、家族、職員がばらばらに判断することによる不安の増幅を避けるためです。
事業継続可能かどうかを判断するために、子育て中や介護で出勤できない職員が何人くらいになるのか、職員全員に緊急の調査も行いました。少人数の職員体制で何ができるか、自分たちの感染対策に問題はないか、専門家の助言を受けながら情報を精査し、サービス提供の方針を共有するため情報発信を続けました。
利用者には、可能な方は利用自粛のお願いをしたり、送迎の乗車人数を減らして便数を増やすなど多くの変更がありました。入手困難なマスクや除菌アルコールを事業所でまとめて用意するための手配等、これまでとは違う動きも増えました。住宅地にある事業所なので、風評に配慮して外出の機会を減らし、保育園の子どもたちとの交流も中止しました。
利用控えから生じた問題点
2年4月の緊急事態宣言後は、自粛のお願いをした事もあり、利用者、家族からの利用自粛の申し出も増え、一日の利用者数はそれまでの60~70%となりましたが、自粛の難しい方々の受け入れを続けながら事業を継続しました。利用控えが増える中、新たな問題点も生じました。施設長の私市真彦さんは「利用者は、利用控えと外出自粛により自宅で過ごす時間が増え、体力・筋力や日常生活能力の低下が顕著になってしまった。また、日中、家族が介護することで、家族の方の仕事にも影響が出たり、自宅で入浴介助ができず入浴回数が減る、などの問題がでてきた」と話します。家族からの「早く以前のようなペースで利用できるよう戻してほしい」との要望を受けて、必要な方にはサービス量を戻して提供してきました。
さらに私市さんは「我々の事業所では利用者数が減ったため、収入減少が続き、経営の悪化に直面している。小規模事業所にとって、利用控え等による収入減の影響は大きい」と苦慮しています。
在宅サービスが抱えているリスク
理事長の今裕司さんは、コロナ禍で在宅サービスが抱えているリスクの大きさに警鐘を鳴らしています。「在宅で介護サービスを利用している方たちは、複数のサービスを組み合わせて生活している方が多くいる。こういう方たちが感染すると、場合によっては、いくつものサービスが同時に停止せざるを得なくなり、その地域の高齢者にとって深刻な状況になる。地域の在宅サービスの事業所が連携して、官民一体で感染症に関する情報共有のしくみと対策を考えることが急務」と話します。
大規模な法人・事業所では、職員が出勤できなくなった時には併設の事業所等からの応援で対応することが可能ですが、小規模法人や単独型のデイサービスではそのようなことは期待できません。今さんは「福祉サービスの中でも、特に小規模の在宅サービスの分野はコロナ対応に係る支援体制の構築が遅れている印象が強い。このような状況だからこそ利用者と家族にとって、在宅介護サービスの継続はとても重要になっている。事業継続のために必要な支援を訴えていきたい」と話します。

コロナ禍でも食を通じ人と人とのつながりを支える〜特定非営利活動法人 支え合う会みのり(稲城市)
「支え合う会みのり」は、在宅生活の支援や居場所づくり等を通し、高齢者等が住み慣れた地域で生き生きと暮らし続けられるための活動を行う、昭和58年設立のNPO法人です。会食会や配食サービスのほか、ミニデイサービス「たまりば」や居場所づくり「カフェいしださんち」、市委託事業等を実施しています。利用者も活動者も共に会員になり、支え合いの活動等を行っています。
配食サービスは衛生管理と感染症対策を徹底して継続
配食サービスでは、月~金曜日の平日、旬の食材を使い、栄養バランスの取れた夕食を調理ボランティアがつくり、配達ボランティアが利用者宅に届けています。一日平均110名が利用し、コロナ禍でも中断せずサービスを継続しています。
日頃から食中毒や感染症の予防対策には注力していますが、理事長の中村陽子さんは「コロナ禍では手洗い、マスク着用、密を避けるという3原則の徹底と従来以上に念入りな清掃、消毒を行っている」と言います。約2年前に活動拠点を移転し、新たな厨房を備え、衛生管理を強化していたことも強みとなりました。
普段、配達では利用者宅を訪問し、健康状態や安否を確認しながら、利用者の身体状況に応じ、室内等で直接食事を手渡しています。この時間が唯一、人と話す時間だという利用者も少なくないため、交流の時間としても会話を大切にしています。
しかし令和2年4月頃からは、特に配達時の感染を避けるため、試行錯誤で対策してきました。配達前に使い捨て手袋を着用して小型のボックスにお弁当を入れ、受け渡しの際は利用者に直接取り出してもらうようにしました。受け渡し場所を変更することを希望した方もおり、一時は会話も最低限にする、代金も封筒を介して受け取る等、対応しました。
活動継続の判断については、2年5月頃アンケートを取りました。「配食サービスは利用者の食生活を守るものだ」といったボランテイアからの回答があり、副理事長の石田惇子さんは「活動を前向きに、使命感を持って捉えてくれたことで継続できている」と言います。利用者からは「買い物に外出しづらい中で感謝している」と手紙も届きました。
利用者について、配達・会食会ボランティアの田中春江さんは「動作に時間がかかるようになった方が増えた」と気遣います。石田さんも「フレイルがすすみ、入院・入所された方が普段より多かった」と言います。一方、買い物に行けずケアマネから紹介された新規利用者が増えました。
会食会は一時休止し、徐々に再開
会食会は、市内の公共施設等の計9会場で、月に述べ11回開催しています。ボランティアも参加者も近くに住む地域の方々です。提供する食事のメニューや体操、イベント等の活動内容は各会場のボランティアが決めています。調理した昼食を参加者と共に食べ、交流しています。
2年2月頃より市の方針で公共施設での会食を伴う活動が中止となったことをふまえ、会食会は休止としました。6月、まず会場ごとにどのような形で再開するか、ボランティアが話し合うことから始めました。参加者を半数ずつ分けるなどの方針が決まった会場では、6月半ばから食事を伴わない形で順次活動を再開しました。早い会場では7月から方法を工夫し会食を再開し、10月までに全ての会場で活動が再開できました。参加者は「数少ない外出と交流の目的を持って出かける場」として参加を楽しんでいます。
3年1月からの2回目の緊急事態宣言下で再度会食が休止となりました。しかし桜餅やおはぎなどの手作りのお土産をお渡しする形にするなど、工夫して実施しました。
今後に向けて
会の活動はボランティアで成り立ち、副理事長の藤森良子さんは「口コミや友人の紹介で長く続けている方が多い」と言います。今は気軽に体験ができず新たなボランティアが確保しづらいことが課題です。
中村さんは「食事は命の源。人と一緒に食べると食欲が増し、交流も生まれる」と言います。石田さんも「私たちは『食事でつながる』団体。対面しおいしい食事を通じて会話が広がることが大切」と活動の価値を語ります。今後も工夫を重ねながら、命とつながりを支える食を通じた活動に取り組んでいく予定です。


理事長
今裕司さん(右)
施設長
私市真彦さん(左)

午後のレクリエーションの様子
全員マスク着用、各テーブルの上には感染予防のアクリル板があります。

NPO法人支え合う会みのり
(右から)
田中春江さん
石田惇子さん
中村陽子さん
藤森良子さん

 

 

【東社協発】

冊子「見てみよう、聞いてみよう
未来を拓く福祉のしごと」を作成しました!
東社協では、中期計画の重点目標に基づく事業として平成29年度から「福祉の魅力可視化プロジェクト」を設置しています。福祉施設・事業所自身が、身近な地域での福祉の理解と参加を広げるために、福祉の魅力を発信できるよう支援することを目的としています。
この事業の一環として、中学生頃の福祉施設等での「職場体験」や「ボランティア体験」が、その後の福祉への関心を高めるきっかけになることから、中学生の職場体験に着目し、充実した学びの機会となるようツールの作成等に取り組んできました。
令和2年度には、中学生の職場体験の事前・事後学習の場面において福祉の仕事の魅力を伝えることができるツールとして、冊子「見てみよう、聞いてみよう 未来を拓く福祉のしごと」を作成しました。福祉施設などで働く方の姿や思いをまとめたページや、高校や大学で福祉を学び、どのような仕事に就けるかを示したイメージ図、中学生からでも取り組める活動や情報の集め方などの内容を盛り込みました。
また、新型コロナの影響で体験の機会が減少していることをふまえ、冊子と連動する内容の動画も作成しました。施設で職場体験を実施することが難しい今だからこそ、動画を通じて仕事をしている方々の空気感などを伝えたいと考えています。作成した動画は東社協ホームページ内の特設サイトに掲載しており、今後のさらなる充実をめざします。
福祉への関心を高めるきっかけの1つである中学生の職場体験やボランティア体験の場面で、福祉の魅力を伝えるツールとしてぜひこの冊子や動画をご活用ください。
▼冊子や動画は東社協ホームページ内の特設サイトからご覧いただけます。
https://www.tcsw.tvac.or.jp/fukushi/index.html

 

 

東社協 新会員のご紹介

▽東京都高齢者福祉施設協議会
スマイルホーム西井堀/特別養護老人ホーム プライムガーデンズ高円寺/特別養護老人ホーム ハートテラス中野弥生町

▽東京都介護保険居宅事業者連絡会
有限会社 使命事業所

▽知的発達障害部会
狛江市児童発達支援センター/ますかっと/くるるえびす

▽保育部会
御蔵島村保育園/そらまめ保育園 お花茶屋駅前/そらまめ保育園 すみだ横川/麻布十番ちとせ保育園/椎名町ちとせ保育園/しんまち保育園/品川大和保育園/みなみまごめ保育園/かほる保育園/上水ハイジ保育園/まことたかいど保育園

▽情報連絡会員
キッズナーサリー吉祥寺園/ベビーキッズナーサリー大泉学園/キッズナーサリー大泉学園/キッズナーサリー浦安園/キッズナーサリー浦安分園/キッズナーサリーあざみ野園/キッズナーサリー宮前平園/株式会社KNホールディングス/ちいさな鈴/日野市立五小学童クラブ/大泉第三小ねりっこクラブ/どんぐり保育室/定期利用保育施設高井戸/こばと寮/ボーナビール二本松ケアセンター/立野学童クラブ/花菖蒲/やまだこどもサポート室/クリヴェール日の出/文京区 本富士生活あんしん拠点/ふくし・生活の相談and/わらべ細谷戸保育園/多摩市永山小学童クラブ/メゾン・ド・ファミーユ/グループホーム ひまわり/中央本町第1/そらまめ 東あずま駅前園

 

 

【アンテナ】4月26日(月)正午時点の情報です。感染症拡大防止のため、イベント等が中止になる可能性があります。詳細は各団体にお問合わせください。

助成金
ビジネスパーソン
ボランティア活動助成
5月25日(火)消印有効 社会福祉の推進に役立つボランティア活動を行うビジネスパーソン(会社員、団体職員、公務員、経営者・個人事業主)が80%以上のグループ※NPO法人を含む 原則10万円 所定の申込書に必要事項を記入の上、郵送 (公財)大同生命厚生事業団 〒550-0002 大阪府大阪市西区江戸堀1-2-1 大同生命大阪本社ビル内
06-6447-7101
http://www.daido-life-welfare.or.jp/
配食用小型電気自動車寄贈事業
6月4日(金)必着 次の3つの条件を満たす団体1.高齢者を対象に1年以上継続して週1回以上、調理・家庭への配食・友愛サービスを一貫して行っていること2.非営利の民間団体3.配食用の車両が不足していること 配食用小型電気自動車1台 都または区市町村社協、あるいは全国食支援活動協力会のいずれかより推薦を受けた上、申請書類一式を送付 (公財)みずほ教育福祉財団 福祉事業部 〒100-0011 千代田区内幸町1-1-5
03-3596-4532
http://www.mizuho-ewf.or.jp/
障がい者福祉助成金
6月7日(月)必着 原則障がい者支援を行う非営利の民間団体であり、グループホーム、地域活動支援センター、就労継続支援A/B型などの社会福祉事業、またはそれに準じた事業を行う、規模の小さな団体やNPO法人等の団体(※加齢に伴う障がい(高齢者)を除く)なお団体所在地は関東地区1都6県に限定 上限25万円 所定の書類を郵送 (社福)木下財団 事務局 〒104-0042 中央区入船3-2-7 第二明治ビル6F
03-6222-8927
http://www.kinoshita-zaidan.or.jp
清水基金2021年度助成事業
(1)NPO法人助成事業
4月時点でNPO法人になって3年経過し、開設後1年経過した事業所で、2019年度以降、当事業の助成を受けていない障害者の福祉増進を目的として運営しているNPO法人
50~700万円
(2)文化芸術活動特別助成事業
4月時点で開設後1年経過した社会福祉法人または4月時点でNPO法人になって3年経過し、開設後1年経過したNPO法人であり、2020年度の当事業の助成を受けていない法人 30~200万円
(1)(2)共通
6月30日(水)必着 所定の申込書を6月21日(月)までに郵送または窓口で請求の上、申請※郵送受付のみ (社福)清水基金 助成事業担当:中井 〒103-0027 中央区日本橋3-12-2 朝日ビルヂング3階
03-3273-3503
https://www.shimizu-kikin.or.jp/

講座・シンポジウム
第44回医療・福祉フォーラム
6月11日(金)13時~17時 日本赤十字社2階 大会議室 10,000円 ※テキスト代等を含む 「介護報酬改定と社会福祉法人の連携」をテーマに基調講演、シンポジウム 電話、FAX、メールにて フォーラム事務局(北隆館)
03-5720-1161 03-5720-1166
care@hokuryukan-ns.co.jp
http://www.hokuryukan-ns.co.jp
2021年度成年後見制度講演会
6月12日(土)14時~16時 町田市民フォーラム 3階ホール 無料 86名(申込順、座席指定)※第一部:車椅子席有、第二部:車椅子席、手話通訳、要約筆記の用意可 第一部:高齢の認知症の母と、母を支える父の姿を追ったドキュメンタリー映画、第二部:成年後見人等の役割や制度等に関する講演 ホームページまたは、はがきにて (社福)町田市社会福祉協議会 福祉サポートまちだ 〒194-0013 町田市原町田4-9-8 町田市民フォーラム4階
042-720-9461
https://www.machida-shakyo.or.jp/
第73期
キーボードを使わないIT講習会
6月~8月 ※受講日はクラスごとに異なるためホームページ参照 春日会場、駒込会場 受講料:無料(教材・事務費:各クラス1,200円) 各クラス10名(定員を上回った場合の補欠は障害者・高齢者・初心者を優先) 事務局に電話で申込 きゅりっと
03-6672-7012
https://npo-it.jp/

 

 

【資料ガイド】

会議資料
■「令和2年度地域運営組織の形成及び持続的な運営に関する調査研究事業報告書」(総務省/3月)
■「令和2年7月豪雨災害を踏まえた高齢者福祉施設の避難確保に関する検討会」とりまとめ(厚生労働省・国土交通省/3月)
■第九期東京都障害者施策推進協議会提言(都福祉保健局/4月)
調査結果
■避難行動要支援者名簿の作成等に係る取組み状況の調査結果(総務省/3月)
■令和元年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果)(厚生労働省/3月)
■令和元年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)(厚生労働省/3月)
■令和2年度 有料老人ホームを対象とした指導状況等のフォローアップ調査(第12回)結果(厚生労働省/3月)
■「男女平等参画に関する世論調査」結果(都生活文化局/3月)
■インターネット福祉保健モニター第2回「高齢期における地域活動等の意向」及び第3回「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う健康意識等への影響」アンケート結果(都福祉保健局/3月)
■令和2年度東京都福祉保健局基礎調査「高齢者の生活実態」結果(速報)(都福祉保健局/3月)
その他
■「外国人労働者の人事・労務に役立つ3つの支援ツール」(厚生労働省/3月)
■「やってみよう!登下校見守り活動ハンドブック」(文部科学省/4月)
■社会福祉法人の設立相談(都福祉保健局/4月)
■指導検査実施要綱・実施方針・検査基準・自己点検票(都福祉保健局/4月)

 

 

【くらし】

子どもにとっても大人にとっても
大切な居場所でありたい
調布市にあるお寺、覚證寺では平成28年から「こども食堂かくしょうじ」を開いています。
住職の細川真彦さんにお話を伺いました。

こども食堂を開いたきっかけ
平成23年に、息子の担任の先生が学習支援の活動場所を探していたので、本堂の下のホールを使ってもらうようになりました。その時に、妻がポテトや唐揚げなどの簡単な食事を出すと、子どもたちが大喜びで食べてくれて、その姿がとても印象に残りました。
その後、6年ほど続けていましたが、勉強しに来たり遊びに来たりする子どもたちを見ていて、学習支援以前に「みんなでご飯を食べる」などの家庭的な体験を増やす必要があるのではないかと感じ、「食堂のようなものができたら・・・」と思うようになりました。その頃、テレビでこども食堂のことを知り、調布市社会福祉協議会に地域福祉コーディネーターが配置された時に話をしてみたところ「ぜひやりましょう」と後押しをしてくださったのが、動き出したきっかけです。
当時のPTA関係者や民生児童委員、保護司の方、中高生向けの児童館のスタッフなど、地域の子どもに関わっている人たちに声をかけ、活動を始めました。その際「ひとり親家庭など、生活が大変な家庭をターゲット層にしつつ、誰もが気軽に来られる場所にしよう」とみんなで話し合いました。
コロナ禍での活動内容
月2回の開催で、1年目は毎回平均40人の子どもたちが来ました。その後、子ども同士の口コミなどで広まり、2年目、3年目には60人、80人と増えていき、多い時には100人を超える子どもとその親が来ていました。子どもたちにとっては、食事ができるというだけでなく、安心して友だちと遊べる楽しい場所だったのですが、新型コロナの影響で、会場で一緒に食事をする活動は休止せざるを得なくなりました。
小学校の一斉休校が始まった当初、お弁当を配った際には、情報を届けられず利用が少なかったので、LINEの公式アカウントをつくりました。今ではそれを上手く活用して、近所の飲食店と協力して食事券を配ったり、お弁当や食品を配るフードパントリーの活動を継続しています。
ただ、食事券の配布やフードパントリーだけだと、子どもの居場所にはなりません。そこでスタッフと相談をして、密を避けながら遊べる縁日などの遊び場も始めました。やはり子どもたちと実際に会えると嬉しいですし、様子も分かります。
食べ物を受け取った子に「美味しかった?」と後日聞くと「弟は食べたけど僕は食べていない」という答えが返ってきたことがありました。本当に大変な家庭への支援の届きづらさを痛感しました。
子どもも大人も交わる居場所
こども食堂では、さまざまな大人の自然な姿を、子どもたちに見せることができます。自分の親や学校の先生以外の大人と関わることのできる大切な場所です。さらに子どもだけではなく、大人のスタッフやボランティアの中高生、大学生にとっても居場所になっていると、実際に活動をしている中で感じています。スタッフやボランティア同士の新たなつながりが生まれ、彼らが刺激を与え合ったり、今までとは違った見方ができるようになったりすると思います。子どもと接することで大人側が元気をもらうことも多いです。
自分にできることを精いっぱい
今後については、いつか中高生の居場所をつくりたいと考えています。こども食堂は小学生が多く、賑やかなので、中高生には敬遠されてしまいます。また、小学生までを対象にした支援と比べると、中高生に対する支援は少ないのが現状です。「小学生が集まる日とは別の日の少し遅めの時間に、中高生がふらっと立ち寄れるカフェみたいなものができればいいな」と想像をしています。
今は、すでに活動していることだけで手いっぱいですが、自分に何ができるかを考え続けて、できることがあれば精いっぱい動きたいですし、何をするにしても楽しんで取り組む気持ちを忘れずにいたいです。

 

 

【本】

私たちが中学生に伝えたい福祉の魅力
~福祉施設における中学生の職場体験 受入れハンドブック
東社協では「福祉の魅力可視化プロジェクト」で、中学生の職場体験が福祉への関心を高める機会になるよう、福祉施設が職場体験受入れの際に使えるツール等を開発しました。本書を活用し、福祉の魅力を伝えられる職場体験を企画し、みなさんの大切な思いや価値観、福祉は人と深く関わる魅力ある仕事であることを伝えていただければ幸いです。
◆規格 B5判/37頁 ◆発売日 2019年4月15日
◆定価220円(本体200円+税10%)
ふくしのしごとがわかる本 2021年版
本書は、福祉の仕事の内容、福祉の資格、就職活動の実際、就職に関わる情報等を分野別に紹介しています。福祉の仕事を詳しく知り、今後の就職活動等にお役立てください。
◆規格 B5判/114頁 ◆発売日 2020年11月25日
◆定価880円(本体800円+税10%)
成年後見制度とは…〔改訂第3版〕
本書は、成年後見制度を分かりやすく解説した小冊子です。制度の背景や理念をはじめ、「補助」「保佐」「後見」のそれぞれの内容や活用事例、Q&A等をまとめました。「成年後見制度利用促進法」「成年後見制度利用促進基本計画」にもふれています。制度の概要を理解するため、また、地域や学校での学習会等の資料にぜひご活用ください。
◆規格 A4判/32頁 ◆発売日 2018年5月30日
◆定価440円(本体400円+税10%)

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