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福祉広報 2021年10月 753号 テキストデータ


【表紙】
新潟県 十日町市
快晴の秋の空
親子三代力を合わせて実りの収穫、
日本の農家の美しい姿に出会った。
社会福祉NOW
課題にも地域福祉活動や福祉施設を支える共同募金
トピックス
ピアサポーターの役割と校内居場所における『ななめの関係』
〜NPO法人ピアサポートネットしぶや
【連載】地域における多文化共生のいま③
防災を通じて、まちの中でのつながりや誰もが共に助け合える関係をつくる
〜KUNIBO(くにたち地域外国人のための防災連絡会)
福祉のおしごと通信
毎日やりがいを感じられる仕事に出会えた
〜東京都保健生活協同組合 千石にじの家 介護職員 須貝健さん


【NOW】
コロナ禍での課題にも対応~地域福祉活動や福祉施設を支える共同募金
10月1日から75回目の赤い羽根共同募金運動が始まります。多くの方の善意を地域に活かす民間の取組みとして昭和22年に始まった共同募金は、子どもや障害者、高齢者をはじめ、その時代の社会的な課題に応じたさまざまな福祉活動を応援してきました。東京では、赤い羽根共同募金は主に福祉施設へ、地域歳末たすけあいは主に地域福祉活動へ活用されています。
今号では、コロナ禍における共同募金の新たな取組みや施設への配分の活用事例を紹介し、共同募金運動の意義について考えます。
「地域で集めて地域で使う」循環をめざして
~(社福)東京都共同募金会〜
共同募金運動の募金実績額は全国的に漸減傾向にあります。東京都の令和2年度の募金実績額は約10億3千500万円で、前年比4・5%減でした。一般募金では、地区募金が25%減、街頭募金(職域含む)は35%減、法人募金は6・5%増となっており(図)、マスクや消毒液等の物品寄付を含む直納寄付金が270%を超える増でした。
前年度の状況について東京都共同募金会事業部長の近江信孝さんは「新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ご寄付者や募金活動ご協力者をはじめ皆様の安全、健康を第一として、自粛や募金活動時の衛生的配慮をお願いするなど制限の多い中での共同募金運動となった」と振り返ります。
コロナ禍における新たな取組み
新型コロナの影響が長期化する中、全国の共同募金会が連携し、地域の福祉活動を支援する全国キャンペーンなどの新たな取組みを始めています。これらは共同募金運動で得たノウハウを活かして、新型コロナで顕在化した課題に即座に対応する取組みとしてすすめられています。
令和2年3月から6月には中央共同募金会が中心となり寄付を呼びかけ、「臨時休校中の子どもと家族を支えよう 緊急支援」として子ども食堂や学習支援など、孤立防止につながる取組みへの助成事業を実施しました。同年5月からは都道府県共同募金会が「赤い羽根 子どもと家族の緊急支援 全国キャンペーン」を開始し、新型コロナの影響を受けるさまざまな福祉活動に対して助成を行っています。
また、令和2年度は共同募金の配分においても例年にない対応を行いました。それは、配分決定後のコロナ禍の影響による事業変更を特例的に認めたことです。コロナ禍で計画通りに活動ができない状況と、今手当が必要な課題への対応ができるよう考慮したものでした。
近江さんは「新型コロナという緊急的な課題に対し、地域の方の意見が集まる配分推薦委員会のしくみを通じて、柔軟かつ機動的に対応できたことの意義は大変大きい。使いみちの柔軟化と全国キャンペーンは、共同募金会のコロナ禍における特徴的な取組みだった」と話します。
「つながりをたやさない」社会をつくる
令和3年度の共同募金運動の共通テーマは「つながりをたやさない社会づくり」です。現在、ワクチン接種やマスクの着用、三密を避けるなどの感染症対策はすすんでいますが、新型コロナの影響はまだまだ先が見通せない状況です。
近江さんは「地域の福祉課題は社会状況の変化に遅れて外に現れてくる。コロナ禍をきっかけに、社会的な孤立や貧困、居場所や行き場を失うことでの不安や精神的不調、高齢者のフレイル(※)など、さまざまな課題が足元ですすみ、深刻化しているのでは」と懸念しています。また「地域には新たな福祉課題にいち早く気づき、模索しながら、つながりをたやさない活動に取り組んでいる人たちがいる。共同募金はそうした草の根的な活動の価値を社会に発信していくとともに、それらの団体に対しては共同募金が活用できる可能性があることも伝えていかなければならない」と話します。
そして「共同募金は、地域に必要性や使途を知らせ、お寄せいただいた寄付金を地域のために役立てる循環が原点となる。今はクラウドファンディングなども広がり、寄付先が多様化しているが、地域の福祉課題への支援先として『困った時はお互い様』から始まった共同募金にご協力をお願いしたい」と幅広い募金運動への参加を呼びかけています。
活動に不可欠な空調設備の新調
~(社福)福生市社会福祉協議会生活介護事業所れんげ園~
れんげ園では、空調設備の新調に配分金が活用されました。施設が建ってから30年が経ち、令和2年には空調設備が一斉に壊れてしまいました。
れんげ園の利用者の中には、心疾患を持つ方や、暑さ寒さを自分から発信できない方もいます。ストレスから利用者の自傷や他害につながったり、通所してきた利用者が熱中症になっていた時にも、すぐに涼めなかったり、さまざまな困りごとが起きていました。課長代理の遠藤潤子さんは「早急に環境を整えなければいけなかったが、法人の資金で賄える金額ではなく、資金調達に困っていた」と当時を振り返ります。
そこで「数年前、東京都共同募金会から福祉車両の助成を受けたことがあり、今回も相談してみようとなった。丁寧に話を聞いてもらう中で、全国キャンペーンに申請することができ、配分金を受けて、令和3年4月に館内の空調設備を整えることが叶った」と話します。
以前は、館内の密集を避け、利用者の通所日を分散していましたが、今は換気を行いながらでも室温を適温に維持することができ、全員が一堂に通える環境になりました。遠藤さんは「利用者の『涼しい!』という反応はもちろん、利用者の顔色や汗の状態を見ても、快適に過ごせていると実感する。利用者の家族にとっても、安心な環境が整えられたと思う」と話します。
遠藤さんは「これまで街頭募金にも参加していたが、実際に配分を受け、共同募金運動の意義を改めて感じた。これからもれんげ園を含めみんなで集めた募金が必要なところや困っているところにつながり、役立ってほしい」と共同募金運動の輪の広がりを期待します。
行き場のない女性の安心と安全を守る
~(社福)ベテスダ奉仕女母の家婦人保護施設いずみ寮~
いずみ寮では、施設入口門扉の電気錠整備に配分金が活用されました。DV被害者をはじめ保護が必要な女性が利用しているため、その安全と安心を守ることが重要です。近年、施設周辺の都市化により人通りが増え、施設のインターホンを執拗に鳴らすいたずらや不審者が建物内をのぞきこむことがあり、防犯設備の必要性が高くなっていました。
施設長の横田千代子さんは「人感センサーの導入検討や民間警備会社の契約、警察への巡回依頼といったさまざまな手立てを講じてきたが、利用者の安心が脅かされることが度々あった。事件を未然に防ぐための策として電気錠の導入をしたいと考えた」と切迫した状況を振り返ります。
令和3年5月に電気錠を設置してからは、利用者、職員の安心感も大きくなったといいます。
横田さんは「新型コロナによる影響で、DV被害を受けて入所する方も増えている。これまで居場所や行き場がなかった方たちにとって、自分らしくいられる住環境はとても大切。しかし、公的な予算だけでは予備費はほとんど捻出できない。小規模法人は今回のような防犯設備の増強への経費や施設の修繕費を積み立てることも厳しいため、民間の助成金に頼らざるを得ない」と厳しい状況を明かします。
これまでにも、ある日突然傾いてしまった浴槽の修繕費や利用者の喫煙室の設置費用、女性支援活動に必要な資金等さまざまな場面で共同募金運動の配分金が役立っています。
横田さんは「婦人保護施設は社会の理解と評価を得にくいが、活動の意義を理解していただき、共同募金運動に支えてもらっている。皆さんの善意が困難な状況にいる女性たちにも伝わっている」と話します。「今後も施設のバザーでの募金運動等を通じて、少しでも恩を返していきたい」と共同募金運動への感謝をこめた思いを話します。
いずみ寮施設長横田千代子さん
れんげ園課長代理遠藤潤子さん
東京都共同募金会事業部長近江信孝さん
(※)加齢により心身のはたらきが低下してきた状態。
予防には、栄養や身体活動、社会参加が有効とされる。




【トピックス】
ピアサポーターの役割と校内居場所における『ななめの関係』
▼ NPO法人ピアサポートネットしぶや
渋谷区にあるピアサポートネットしぶやは、平成21年2月に設立された団体です。都内を中心に、不登校をはじめ、困難や生きづらさを抱える子どもと若者、その家族の自立を、相談事業、アウトリーチ(訪問支援)、居場所・フリースペース等を通して支援する活動を主に行っています。利用者からの利用料や、地域からの寄付等を受け運営しています。
理事長の相川良子さんは、中学校での教員時代を振り返り「学力や偏差値などの競争社会の中で、学校は偏差値を上げることを重視する傾向が強くなった。子どもたちにとって学校が居心地の良い場所ではなくなり、それが校内暴力や不登校につながっていった。教員の立場を離れたら、子どもたちのために居心地の良い場所をつくろうと決めていた」と設立の思いを語ります。
ピアサポートとピアサポーター
ピアサポートネットしぶやでは、ピアサポーターの募集や研修等も実施しています。
「ピアサポート」とは「仲間同士の支え合い」の意味であり、ピアサポートネットしぶやでは、「若者」と「親・家族」を表しています。「ピアサポーター」は、ピアサポート活動の担い手として、本人と直接会い、1対1での対応を行っており、上下の関係ではなく対等な関係での支援を大事にしています。
ピアサポーターは、ピアサポートに興味や関心があり、やってみたい意欲がある18歳以上の方であれば、どなたでも応募することができます。書類と面接による選考を経て、座学や実習・面談等の研修を行い、修了証を受けた方が登録されます。大学生など若い世代からの応募が多いのですが、最近は就労移行の作業所の利用者からピアサポーターになりたいという問合わせも増えてきています。
統括リーダーの石川隆博さんは「ピアサポートネットしぶやに寄せられる相談は、不登校やひきこもり状態にある方の家族からが大半で、ひきこもりの期間が長いという特徴がある。相談機関に不信感を抱いている人も多いため、対等な関係で支援するピアサポーターの役割に期待があり、不信感を払しょくする上で重要な存在になっている」と話します。相川さんは「ひきこもりの場合は親子関係を再構築するケースがあり、親の立場からではなく、本人である子どもの立場に立って、意見をアドボケイト(代弁)してあげることがピアサポーターの大切な役割となっている」と語ります。
校内での居場所活動と『ななめの関係』
新型コロナの感染拡大の影響により、令和2年度には多くの学校が休校になりました。コロナ禍の終息が見えない中、ピアサポートネットしぶやの相談受付、フリースペース利用等の人数制限や時間短縮等、試行錯誤しながら運営を続けていました。石川さんは「どうやったら居場所を開放することができるかを理事長と共に考えた。長期休暇後は不登校や自ら命を絶つケースが増加する傾向がある。休校明けはそれに対する懸念があった」と当時の緊張感を語ります。
そんな中、他事業を通して関わりがあった区内の中学校に生徒の紹介を依頼したところ、「ぜひお願いしたい。感染リスクが心配なので、学校内で活動してほしい」という言葉を頂き、校内での居場所づくりを検討し、同年10月から、同中学に通う1年生を対象に、放課後の空き教室を利用した「校内での居場所活動(以下、校内居場所)」を試行的に開設しました。宿題や塾の課題に取り組んだり、絵しりとりやゲームを楽しんだり、一人ひとりが自由に自分の時間を過ごせる場所になっています。
スタッフは大学生のピアサポーターや地域の大学生のボランティア等に声をかけて参加してもらい、生徒の学習支援のほか、生活に関する相談相手等を担っています。各クラスの担任から、気になる生徒に声をかけてもらい、保護者の同意を得た生徒が校内居場所を利用しています。
石川さんは校内居場所について「クラスでは大人しいと聞いた生徒が、校内居場所で元気に活動している様子を見ると、その生徒にとって、居心地の良い居場所になっていると感じる」と話します。続けて「学校では『ピアサポート学習』と呼ばれており、生徒だけでなく、保護者や先生からも大変好評いただいている。校内居場所をつくったことで、先生が生徒の様子を見に来たり、先生に利用生徒のクラスでの様子を聞いたり、連携が取りやすくなった」と話します。
同年11月からは正式に開設し、現在は週に1回を基本としながら、状況を見て柔軟に実施しています。対象者は昨年度からの参加者に加え、今後は新入生も参加できるようにする予定となっています。
校内居場所に参加するピアサポーターやボランティアなどの大学生について、相川さんは「同世代の兄や姉のような『ななめの関係からの支援』は、生徒にとって大きな居心地の良さを生んでいる。『ななめの関係』になれる大学生等の若い人を地域と学校の間に置いて、つなげていくことに大きな価値を持って校内居場所に取り組んでいる」と言います。石川さんは「大学生も私たちも、生徒から学ぶことが多く、お互いにとって良い相乗効果が生まれている。学習支援の場面では、勉強の苦手な生徒がいたら、みんなで伝え方や教え方を考えていくので、大学生にとっても学びの幅が広がっていく」と話します。
心を休める隙間のような居場所をつくる
現在、ピアサポートネットしぶやでは、多くの学校が集中する渋谷区の強みを活かして、中学校、高校、近くの大学が連携しやすい地域の学校内に拠点を増やし、「放課後自習教室」として居場所活動を広げていこうと考えています。
石川さんは「どうにかしてでも学校に行かなきゃいけないと思い、苦しんでいる生徒が、校内居場所には多い。そういった生徒がピアサポーターの大学生と会話することで、気持ちが和らぎ、前向きになれる場所を増やしたい」と言います。相川さんも「不登校やひきこもりに寛容になり、心を休めることができる隙間のような居場所をつくり、気持ちに寄り添える存在とつながることができる場が地域社会には必要」と活動の意義を語ります。
NPO法人ピアサポートネットしぶや
(右から)
理事長 相川良子さん
統括リーダー 石川隆博さん
校内居場所で絵しりとりを行っている様子




【マンスリー】2021.8.26 - 9.25
8/31
「ひきこもりに係る支援の充実に向けて」提言を公表
都福祉保健局は、学識経験者や関係機関等からなる「東京都ひきこもりに係る支援協議会」において提言を取りまとめた。ひきこもりに係る支援の充実に向け、相談窓口の明確化と当事者・家族への効果的な情報発信、身近な地域における相談体制の充実と適切な支援機関の紹介、地域における連携ネットワークの構築などの方向性を示している。
8/30
多文化共生事例集(令和3年度版)を公表
総務省は、地方公共団体や地域国際化協会、NPO法人等の団体における多文化共生に資する優良な取組みをまとめた「多文化共生事例集(令和3年度版)」を作成。従来の事例集に掲載されている事例のうち、直近の状況をふまえて更新した事例のほか、「ICTの活用」、「感染症流行時における対応」等の取組みを新たに追加し、合計97事例を取りまとめた。
9/6
東京都社会福祉審議会が公開研究会をオンラインで開催
都社会福祉審議会は、「福祉分野における新型コロナウイルス感染症の影響と今後の課題」をテーマとした公開研究会を、9月6日と9月24日の2回にわたり、オンラインで開催。新型コロナが各福祉分野に及ぼした影響や課題、今後の展望等について、各分野の専門家からの発表をふまえ、委員等による意見交換を行った。研究会で得られた知見は、今期の審議会の検討課題の設定や意見具申に向けた議論に活かしていく方針。
9/7
「労働者協同組合法」令和4年10月1日施行が閣議決定
政府は、労働者協同組合法の施行日を令和4年10月1日からとすることを閣議決定。組合員が出資し、組合員自らが事業に従事することを基本原理とする「労働者協同組合」の法人格をつくり、地域における介護・福祉・困窮者支援等の課題を解決することや、多様な就労の機会の創出をめざす。




【連載】3
地域における多文化共生のいま
~東京で暮らす外国にルーツのある方たちをとりまくさまざまな活動・現状と課題~
日本に住む外国にルーツのある方は、言葉や文化、生活習慣の違いなどから、普段の暮らしや地域住民との関係の中でさまざまな困りごとを抱えています。これを解決するために、都内では日本語教室や学習支援、相談支援、外国にルーツのある方と地域住民が相互理解を深めるための交流など、多くの取組みが行われています。
本連載では、同じ地域に暮らす一員である彼らの日常生活のサポートや住民同士の交流を深める取組みを紹介し、多文化共生をすすめる各地域での活動から見える現状や課題を発信していきます。
今号では、地域の中で、「防災」をテーマに多文化共生をすすめる活動を行う団体の取組みを紹介します。
防災を通じて、まちの中でのつながりや誰もが共に助け合える関係をつくる
KUNIBO(くにたち地域外国人のための防災連絡会)
東京都国立市において、「防災」をツールに多文化共生を考える活動を行う任意団体。発災時、同じまちに暮らす人たちが、国籍などの背景に関わらず、命を守り、共に助け合えるよう、日頃からの防災意識の向上と顔見知りの関係づくりをめざし、公民館の協力のもと活動している。
KUNIBO 代表山崎由紀子さん
KUNIBO(くにたち地域外国人のための防災連絡会)は、「防災」で多文化共生をすすめる団体です。国籍や年齢、性別等を問わず、国立市に暮らす誰もが参加できる、社会教育の視点での活動を行っています。
KUNIBO設立の経緯
国立市内には一橋大学があり、早くから中国や韓国など主にアジア諸国の留学生を受け入れてきました。1970年代半ば頃からは、国の政策の下、さらに多くの国と地域から来た留学生が一橋大学で学び、市内で生活するようになりました。90年代に入り、仕事や日本人との結婚のためなど、留学生とは違う層の外国人も増えていきました。
そうした中で、外国人への無料の日本語講座を手厚いプログラムで実施する国立市公民館には、外国人だけでなく多くの日本人が集い、外国人へのボランティア活動が熱心に行われました。活動の柱は「日本語ボランティア」「生活相談」「文化交流」「国際理解と交流」「ホストファミリー」などでした。一団体としては大所帯となってきたため、約20年前、活動別にそれぞれの団体に分かれました。しかし数年経つと、互いの活動が見えづらくなってきました。
そこで、地域の共通テーマである「防災」を中心に、多文化共生に関わる団体間の連携を取り合う団体として、平成22年4月に「KUNIBO」が設立されました。
日本の文化「防災」でつながる
KUNIBOが「防災」を活動の柱にしたのは、現代表の山崎由紀子さんらが、当時の公民館長から、館長のご両親の阪神淡路大震災での被災経験を聞いたことがきっかけです。市の防災計画の中で、公民館が「外国人の防災の情報の拠点」と位置づけられた時期でもありました。山崎さん自身は、長く留学生等の支援や日本語ボランティアに関わってきました。「災害が起こっても、国立市は外国人を含め誰もが差別されることなく命を守れる地域にしたい」という思いで、公民館と共に、日頃の地域活動に外国人の視点を取り入れ、災害時にも助け合う関係性をつくるよう、各団体に連携を呼びかけました。協議や研修で防災の取組みへの理解を深め、活動を開始しました。
KUNIBOでは、隔月に一度、多様な企画を行っています。例えば「家具転倒防止器具の取り付け方体験」「段ボールトイレづくり」「風呂敷活用術」など、日本独自の防災対策の講座です。外国人にはなじみのない、防災に活用できるグッズ等の知識を伝え、一緒に体験しています。「ポリ袋クッキング」「避難所での健康管理」は毎年、好評な企画です。各国の言語での説明と「やさしい日本語」での日本語訳のついた防災ステッカーや防災マップづくりも行っています。
また、地域の自治会の方が講師となり、防災活動を伝えて交流する企画等も実施しています。作業や簡単な防災食の試食を一緒にすることで、関係が深まります。山崎さんは「参加者同士は対等な関係。参加者のできること、役割を引き出すようにしている」と言います。
どの企画にも、市内に住む方は誰でも参加できます。日本人参加者にとっては防災への学びになる上、地域で暮らす外国人の戸惑いや困りごとに気づき、外国の生活や文化等に触れる機会にもなっています。山崎さんは「自然災害の多い日本では、『防災』も一つの文化。普段にも活かせる学びを提供したい。また、人と知り合い、いざという時、助け合える関係づくりにつながる企画を意識している」と語ります。
文化や習慣の違いがすれ違いを生む
KUNIBOでは月一回、公民館の「にほんごサロン」の運営にも協力しています。公民館の「生活のための日本語講座」の受講者の多くは、まだ、あまり日本語が話せない方で、主にその人々を対象にしています。テキストを離れてさまざまな人との会話と交流を楽しむ場、また、自国の料理や文化を日本語で紹介する、言い換えれば、日本語を発話する場でもあります。多方向から、生きた日本語を体験することが目的です。
サロン参加者には子育て中の女性が多く、ごみの分別等、日常の疑問が話されます。また「学校のおたよりが読めない」と持参する人もいます。「風薫る季節に…」という時候の挨拶から一つ一つ辞書を引き、意味を調べながら読むため苦労している、という話もありました。同じ紙面内に日本特有の縦書きと横書きが交じり、読解に苦労する方もいます。
ほかにも学校生活については、さまざまなエピソードがあります。入学式には親子ともきちんとした服装で出席することを知らず、普段着で出席し、気まずい思いをした方がいます。また、水泳の授業用に、キャラクター柄の水着を用意した方もいます。その方には、無地に近い水着を用意することをアドバイスし、学用品を売る店の情報を伝えました。
山崎さんは「参加者の話から、必要なのは言葉の支援だけでないと、強く実感できた」と言います。「日本人にとって、文化や習慣として『当たり前』のことは、わざわざ説明されず、すれ違いが起こる。単に知らないだけで、非常識な人だと避けられ、差別につながる可能性もある」と語ります。そのため「外国人や外国ルーツの子の家庭へは、まず学校や行政等による配慮が必要。加えて、気になった時に少しふみ込んで声をかけたり、困ったことを気軽に聞ける関係があることが大切」と、顔見知りの関係の重要性を語ります。
コロナ禍ではオンラインで活動継続
例年4月には、KUNIBOと市防災安全課、公民館との三者が呼びかけ、一橋大学の新規留学生対象のオリエンテーションで「外国語支援ボランティア」の登録を募ってきました。長期滞在予定で日本語堪能な留学生が登録し、団体の企画や市で通訳が必要な時、活動しています。しかし新型コロナが影響し、この2年間は新規留学生がほぼ来日できず、登録の呼びかけができませんでした。
現在、KUNIBOでは、コロナ禍で人が集まることが難しい中でも、公民館の協力で、月1回、オンラインでこれまで実施してきた企画を開催しています。参加者には、コロナ禍での行動が批判されないよう、特に気をつけて自粛生活を送っている方たちもいます。その精神・身体面への影響も考慮し、太極拳、お弁当づくりなど楽しい企画の「にほんごサロン」に加え、防災企画としてコロナ禍での健康講座、在宅避難を学ぶ企画などを実施しています。令和3年2月には恒例の「ポリ袋クッキング」を行い、30人弱が自宅等でサラダチキンなどを調理しました。山崎さんは「オンラインの活動は、コロナ禍で外出を躊躇する、また思うように外出できない高齢者等の地域参加にも有効だ」と考えています。
外国人支援に必要なこととして、「すべてを草の根の活動で担うのは困難。常設で、どんな相談でもまず受け止める窓口が必要。そこから各団体等につないでもらえれば、できる範囲で必要な支援を担える」と山崎さんは語ります。KUNIBOでは、今後も防災をツールに、地域の中で多くの人が知り合い、つながり合える機会をつくっていく予定です。
「ポリ袋クッキング」での炊飯袋の説明と体験
「段ボールトイレを作ってみよう」




【東社協発】
コロナ禍で顕在化した地域課題
~重層的支援体制整備事業にかかわる取組みおよびコロナ禍における地域課題に関する状況 区市町村社協アンケート結果報告~
東社協地域福祉部では、令和3年6月に、都内の区市町村社会福祉協議会(以下、社協)に対して標記調査を実施し、全62社協から回答を得ました。ここでは、調査から見えてきた、コロナ禍における地域課題や地域活動の状況と、地域課題を解決するためのしくみである重層的支援体制整備事業の取組み状況を紹介します。
◆コロナ禍で顕在化した地域課題
8割を超える区市町村社協が、顕在化した地域課題があると回答しました。あげられた課題は大きく4つに分けられます。1つ目は「日常生活の長期にわたる変化に伴う今後の影響」で、高齢者のフレイルや認知の低下、障害者の交流機会の減少、親以外の大人との交流が減った子どもなどが課題となっています。2つ目は「これまで把握されていなかった新たな地域課題」で、ギリギリで生活していた世帯の不安定な状況やその世帯が抱える複合的な課題、親族の手助けが不可欠な子育て世帯、外国籍の居住者の実態、相談が苦手な人の多さなどがあがりました。3つ目は「地域課題の担い手と今後の活動のあり方への影響」で、地域活動停止による活動者のモチベーション低下、地縁関係や一体感の希薄化、中高生のボランティア活動の機会の減少、日中、地域にいる人は増えたのに地域活動につながらないことなどが課題として見えてきました。4つ目が、デジタルスキルの世代間の差や外国籍居住者の言葉の課題に代表される「情報格差への対応」でした。
◆課題把握の方法や継続的な支援
地域課題を把握したきっかけとして多いものは、「特例貸付の相談を通じて」「地域福祉活動を通じて」「民生児童委員から」でした。ほかにも、特例貸付の貸付終了者への調査、小地域活動や拠点での地域課題の調査、フードパントリーでの困りごと調査などのアンケート調査、通いの場の代表者による参加者への安否確認、子ども食堂連絡会を契機とした困窮家庭の把握など、さまざまな課題把握の方法が見られました。
また、新たな地域課題を把握した区市町村社協のうち、9割近くが継続的な関わりや支援があると回答しています。区内の社会福祉法人と連携した相談支援付きの食料支援、企業の協力を得て実施したスマホ講座から派生した住民による相談会やサロン、地域の企業や大学等の連絡会と連携した食の支援、ZOOM井戸端会議やサロン同士の情報交換など、さまざまな取組みが実施されています。
◆必要と思われる地域福祉活動
顕在化した地域課題を継続的な関わりや支援につなげていくために必要と思われる取組みについては、次の4つがあがりました。
1つ目は、地域福祉コーディネーターによるアウトリーチの強化、関係機関との連携、住民の力を中心とした取組みなどの「地域と連携した継続的な関わり」です。2つ目は、外国人コミュニティなどの新たな課題の実情を把握し、住民や社会福祉法人などの地域の関係機関と地域課題として共有することです。3つ目は、地域活動へ意欲がある方への効果的な情報発信、IT支援ボランティア、新しい形のつながりづくり、大学や企業との連携、動画等を活用した地域活動など、新たな担い手づくりと活動の再開・継続支援です。4つ目は、情報格差を生まないさまざまな媒体による情報発信や外国人に対する「やさしい日本語」の活用などです。
◆重層的支援体制整備事業の活用
顕在化した課題へ継続的に関わり、地域におけるつながりを高めていくために、重層的支援体制整備事業の活用が考えられます。これは、地域における既存の取組みを束ねつつ、「相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」を一体的に推進する事業で、既存の相談支援や地域づくりの事業の活用に加えて、「参加支援」「アウトリーチ等を通じた継続的支援」「多機関協働」を実施するものです。
都内では、20の自治体が令和3年度から本事業または移行準備事業を実施する予定です。実施予定の自治体に共通していることは、社協に地域福祉コーディネーター(CSW等を含む)が配置されていることです。本事業の財源を活用し、地域福祉コーディネーターが増員された社協もあります。
現在、想定・検討されているしくみは、地域福祉コーディネーター事業や地域の拠点など、従来から社協で行っている取組みを発展させていくものが多いようです。地域福祉コーディネーターや自立相談支援事業、権利擁護センター機能を活かして一体的に取り組むしくみなどもありました。
◆重層的支援体制整備事業実施に向けた課題と今後に向けて
アンケートでは、重層的支援体制整備事業を実施するにあたっての課題も寄せられました。
「相談支援」や「ニーズ発見」については、アウトリーチできる地域福祉コーディネーターの配置、ニーズ発見のために地域ネットワークをいかにつくるか、支援につながるまで時間をかけた丁寧な関わりなどが課題です。
「多機関協働」については、どの機関がイニシアティブをとるのか、従来の会議体の整理、調整機能と情報共有のための連携のしくみの構築、長期にわたる支援の進捗管理、個人情報の取扱いなどが課題としてあげられました。
「参加支援」については、新たな社会資源、ニーズと既存の社会資源がマッチングしない際の新たな地域づくり、居場所づくりや就労支援、学習支援、居住支援等との連携、活動の創出への当事者参加などが課題となっています。
そして、これまでの事業との連続性に関する課題として、補助事業が委託事業に変わることの影響、これまで蓄積したネットワークや取組みの発展の必要性、既存の会議体の見直しや相談支援体制の強化などがあがりました。
事業実施予定自治体では、これらの課題に対する協議も含めて準備をすすめています。また、自治体にて実施予定のない社協でも、地域福祉コーディネーターの配置を工夫し、包括的な支援体制をめざしているところもあります。
コロナ禍で顕在化した課題を社協だけで解決することは困難です。重層的支援体制整備事業を活用するなどして、関係機関で課題を共有し、地域全体で継続的に関わりながら、地域生活課題として解決に取り組むことが必要です。




【寄附のカタチ】東京善意銀行への寄附をご紹介します。(不定期掲載)
パエリアのもつ家庭の味を子どもたちにNPO法人全日本パエリア連盟とパエジェロたち
スペイン東部・バレンシア地方発祥の料理、パエリア。香ばしい風味がお馴染みでもあるこの料理の醍醐味は、大きな丸い鍋を皆が囲んで食べること。家庭の雰囲気を、福祉施設で暮らす子どもたちに味わってもらいたいと、パエジェロ(パエリア職人)の結城優さんたちによってパエリアが振る舞われました。皆が集まり、食べることの大切さを添えたご寄附をいただきました。
大きな鍋を、たくさんの人が輪になって囲むのがパエリアの楽しみ方。コロナ禍に伴い、今回はあらかじめ取り分けた上でいただきました。
東社協東京善意銀行では、社会福祉施設等への寄附のご相談を承っております。
●千代田区神田駿河台1-8-11 東京YWCA会館3階
☎03-5283-6890 zen-i@tcsw.tvac.or.jp
【赤い羽根】
10月1日より赤い羽根共同募金が始まりました
今年も10月1日から赤い羽根共同募金運動が始まりました。共同募金に寄せられるご寄付金は、民間の社会福祉施設、地域のボランティアグループ、NPO団体、社会福祉協議会などが行うさまざまな社会福祉活動、コロナ禍で顕在化する福祉課題に役立てられます。
赤い羽根共同募金運動にご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
共同募金運動期間10月1日~令和4年3月31日
*東京都共同募金会ホームページ
http://www.tokyo-akaihane.or.jp/

【お知らせ】
福祉広報9月号に掲載しました「西脇基金チャリティコンサート2021」は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、開催中止となりました。参加を予定されていた皆さまに、深くお詫び申し上げます。
チケットの払い戻し等に関するご相談は下記窓口にお問い合わせください。
西脇基金を支える会 (TEL)03-3256-3674




【福祉のおしごと通信】
毎日やりがいを感じられる仕事に出会えた
定員29名の看護小規模多機能型居宅介護事業所で働く須貝健さんに、お仕事の魅力を伺いました。
全く知らない業界への挑戦
学校を卒業後、芸能人のマネージャーやコンビニの店員などのさまざまな仕事をしてきました。40歳を前に腰を落ち着けて働けるような安定した仕事への転職を考えるようになりました。そんな時に「千石にじの家」の求人募集を同じ法人で働いている義母から聞き、応募しました。「介護職員就業促進事業」を利用して、令和2年5月から非常勤職員として勤務し、介護職員初任者研修資格を取得しました。その後、令和3年4月からは常勤職員として働いています。
福祉の業界は初めてで「自分にできるだろうか」と思うことばかりでした。右も左も分からず、ゼロからの状態でスタートしたので、毎日が学びです。「もっと若ければ知識面でも実務面でも早く吸収できたのに…」と思うこともありますが、介助の仕方や利用者との接し方など、少しずつ仕事を覚えています。
利用者からの「ありがとう」
現在は、利用者の送迎や入浴介助、一緒に体操やレクリエーションを行っています。事業所に来られない方の自宅を訪問することもあります。
この仕事を始めて少し経った頃、送迎をした際に利用者から「ありがとう」と言われたことがあり、とても驚きました。例えば、コンビニの店員は商品を購入したお客さんに対して「ありがとうございました」と言いますが、今の仕事では利用者の方々から「ありがとう」と言われます。同じ「人」に接する仕事でも「この仕事は感謝される仕事なんだ」と嬉しく感じたことを今でも覚えています。
この仕事に就く以前は、「福祉」というと、人手が少なく、大変というイメージを漠然と抱いていましたが、このように「ありがとう」と直接言ってもらえることや嬉しいこともたくさんあり、イメージしていたものとは全く違いました。また、利用者の方々と話していると勉強になることがとても多いです。
利用者は人生の大先輩
これまでの生活では、親戚以外の高齢者と接する機会があまりありませんでした。なので、働き始めた当初は、利用者の方とどのように話したら良いのか分からず悩みました。特に認知症の方との言葉のキャッチボールが上手くできず、コミュニケーションを取ることが難しかったです。しかし、職場の先輩が会話をしている姿を見るなどして学び、徐々に慣れていきました。
利用者の方々と接する時には、特に言葉遣いに気をつけています。これは、かつて所長から「人生の大先輩である利用者の方々への敬意を忘れてはいけない」と言われたことがきっかけです。所長はいつ見ても丁寧できれいな言葉遣いや振る舞いをしていて、「自分もそうなりたい」と感じます。日々利用者の方々と接する中で関係性を築き、親しくなっていきますが、敬意を持って接することを心がけています。
緊張感のある毎日にやりがい
どんな仕事においても、集中力や緊張感を持つことは大切だと思いますが、この仕事に就き、そのことをより実感しました。風呂場のマットの敷き方や、歩行の際の補助の仕方を誤ると大きな事故につながることがあります。1つのミスが利用者の生死に関わるということを知りました。
常に気を張って仕事をしており、緊張感のある毎日ですが、とてもやりがいがあります。どんな仕事でも人の役に立つものではあると思いますが、この仕事は特に「人のために」という部分が大きいと感じています。そして、さまざまな利用者の方と接するので、毎日違うことが起こり、刺激的で楽しいです。
今後について
まだまだこれからではありますが、今の目標は、さまざまな研修を受けて知識をつけ、実務経験を積みながら、介護福祉士の資格を取得することです。
また、利用者の方やそのご家族に「須貝さんに介護してもらえて良かった」と思ってもらえるような介護をしていきたいです。
須貝 健さん
Ken Sugai
東京都保健生活協同組合
千石にじの家
介護職員




【アンテナ】9月30日(木)時点の情報です。感染症拡大防止のため、イベントが中止または延期になる可能性があります。詳細は各団体にお問合わせください。
助成金
令和4年度キリン福祉財団助成金
(1)「キリン・地域のちから応援事業」
連絡責任者が令和4年4月1日現在満20歳以上で、4名以上のメンバーが活動する地域における障害児・者、高齢者、子どもの福祉向上に関わる幅広いボランティア活動を実施する団体・グループ 上限30万円
(2)「キリン・福祉のちから開拓事業」
連絡責任者が令和4年4月1日現在満20歳以上で、10名以上のメンバーが活動する障害者福祉、高齢者福祉、児童・青少年健全育成、地域社会福祉分野等のボランティア活動を全国や広域にまたがり実施しているまたは活動しようと考えている団体・グループ 上限100万円
(1)(2)共通
10月31日(日)※消印有効 所定の申請書類に必要事項を記入し郵送 (公財)キリン福祉財団事務局(北村・太田) 〒164-0001 中野区中野4-10-2中野セントラルパークサウス
03-6837-7013
https://foundation.kirinholdings.com/subsidy/
愛恵福祉支援財団2021年度助成事業
11月15日(月) 非営利団体等が実施している福祉事業のうち、比較的小規模な施設の事業充実、障害者支援等で財政的な裏付けの少ない先駆的な事業活動 上限20万円※大学生、地域等の任意団体が実施する萌芽的事業は上限10万円 ホームぺージ (公財)愛恵福祉支援財団
03-5961-9711
http://www.aikei-fukushi.org/
講座・シンポジウム
FCレーヴ発足記念講演会「知的障がいにおけるスポーツ療育のあり方」
11月6日(土)10時~11時50分 富士森体育館第2・第3会議室 30名 無料 知的障がいを抱える児童の保護者、特別支援学校(学級)教職員、放課後等デイサービス職員、研究者、スポーツ療育に携わる方など 澤江幸則氏によるアダプテッドスポーツの特徴や取組み、知的障がいにおけるスポーツ療育に関する講義ほか ホームぺージ、FAX 11月4日(木)18時 (一社)チャイルドライフ 教育研修事業部
042-641-5901 042-641-5902
http://childlife.gr.jp/education
【オンライン】第3回地域共生社会
推進全国サミットinかまくら
11月18日(木)10時半~16時、19日(金)9時半~14時半 ※録画配信12月4日(土)~19日(日) 1500名※先着順 無料 「いざ、共生・共創〜安心して自分らしく暮らせるまちをともにつくる〜」をテーマとした基調講演、パネルディスカッションほか 大会専用ホームぺージ 11月10日(水) [参加申込に関する問合](株)日本旅行藤沢支店内 第3回地域共生社会推進全国サミットinかまくら窓口
0466-22-7411
[サミットに関する問合]第3回地域共生社会推進全国サミットinかまくら実行委員会事務局(鎌倉市共生共創部地域共生課内)
0467-23-3000
https://chikyo-summit-kamakura.jp/
第8回清水基金国内研修事業
10月18日(月)〜11月19日(金)※必着 社会福祉法人・NPO法人において、障害児・者の処遇等に従事している方。原則、実務経験3年以上で上限年齢は40歳程度の方。 45名程度 2022年2月24日(木)~25日(金)の間、障害理解、権利擁護などを学ぶオンライン研修を実施 無料 所定の申請書類に必要事項を記入し郵送 (社福)清水基金 〒103-0027 中央区日本橋3-12-2朝日ビルヂング3F
03-3273-3503
https://www.shimizu-kikin.or.jp/about_business/domestic/
【オンライン】第16回ソーシャルワーク研究所シンポジウム
12月12日(日)13時~17時半 100名 3,500円 「社会福祉制度の狭間に埋もれる人びとにソーシャルワーク専門職が果たす役割~命と権利と人権の擁護に向けてなすべき支援のあり方~」をテーマに講演、討論、グループディスカッション ホームぺージ 11月19日(金)※定員になり次第締切 ソーシャルワーク研究所
047-704-8007
http://www.meijigakuin.ac.jp/~kitagawa/
【オンライン】
家族・地域支援セミナー2021
12月18日(土)13時~16時半 200名※先着順 1,000円 「子どもにやさしいまちづくり 子ども・若者フードサポート」をテーマに熊木正人氏による基調講演、コミュニティミーティング ホームぺージ 12月1日(水)16時 白梅学園大学・白梅学園短期大学子ども学研究所
042-313-5990
http://daigaku.shiraume.ac.jp/openlecture
その他
【オンライン・会場】
第18回ゴールドコンサート決勝大会
11月6日(土)15時半開演 東京国際フォーラム ホールC ※当日インターネット生配信有(無料) 障害について多くの方に理解していただくために開催する、障害者による音楽コンテスト チケットぴあ(0570-02-9999 Pコード:201-717)より全席指定 (NPO)日本バリアフリー協会
03-5215-1485
https://gc.npojba.org




【資料ガイド】
会議資料
コミュニティ・スクールの在り方等に関する検討会議中間まとめ(文部科学省/8月)
多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導に関するワーキンググループ(第1回)配付資料(文部科学省/9月)
特別児童扶養手当等の認定(眼の障害)に関する専門家会合(第1回)(厚生労働省/9月)
第203回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料(厚生労働省/9月)
調査結果
「令和2年度使用者による障害者虐待の状況等」結果(厚生労働省/8月)
「令和2年度 医療費の動向」(厚生労働省/8月)
令和元年度 介護保険事業状況報告(年報)(厚生労働省/8月)
学校基本調査―令和3年度(速報)結果の概要―(文部科学省/8月)
満足度・生活の質に関する調査報告書2021(内閣府/9月)
令和2年度「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」(厚生労働省/9月)
その他
「社会的養護関係施設が担う役割・機能に関する検討会」報告書および関連要望書(全国社会福祉協議会/9月)
「2021社会福祉の手引」(都福祉保健局/9月)




【くらし】
自分が「福祉」と感じるものごとにデザインを取り入れていきたい
デンマークにある工房「Vilhelm Hertz(以下、ヴィルヘルム・ハーツ)」でつくられる杖を広める取組みをしている宮田尚幸さんに、福祉との出会いや、ものづくりに込める想いについて伺いました。
私は、フリーランスのデザイナーとして商品のデザインやブランディングを行うかたわら、「風と地と木合同会社」を設立し、ヴィルヘルム・ハーツの一員として、杖を広める取組みをしています。この杖は、愛着を持って長く使うことを意識して素材にこだわり、デンマークの職人の手によって一つ一つ丁寧につくられています。私は、日本の窓口として、ユーザーの身体の状態や杖に込める想いを丁寧に確認し、理学療法士や作業療法士と連携しながら採寸やモデル選びのお手伝いをしています。
私がものづくりにおいて大切にしていることは、ユーザーが使っていて心地良いと思える工夫を施すことです。
環境に配慮し、長く愛着を持ってもらえるものをつくりたい
大学卒業後は量販店向け文具雑貨のデザイン開発に4年間携わっていましたが、次第に大量生産、大量消費に疑問を感じていました。次に3年間勤めたのは、環境に配慮し、ユーザーに長く使ってもらうことを大切にした革小物製品の会社で、ものづくりと真剣に向き合うきっかけとなりました。これらの経験を経て、平成30年に「尚工藝」を立ち上げました。
ものづくりの視点から、「福祉」に携わりたい
これまで海外生活を2回経験しました。1度目は、革小物製品会社に入社前、「海外文化に触れてみたい」という思いでイギリスに語学留学をしました。ここでは〝ありのままの自分〟を自然と受け入れてくれる環境がありました。私は幼い頃から、人前で話すことが苦手で、人の顔色ばかりを窺い、自分の意見を後回してきました。そんな自分に劣等感を感じていましたが、ありのままの自分を受け入れられるようになりました。
2度目は、革小物製品会社を退職後、日本のものづくりから一旦離れたいと思い実行したデンマークでの一年間のワーキングホリデーでした。デンマークの、代々家具を引き継いで使う国の文化、高福祉といわれる社会に、なにか芽生えた思想の芽を育てるヒントがある気がしたんです。最初の半年間は「エグモント・ホイスコーレ(以下、エグモント)」という、障害の有無に関係なく共同生活を行う全寮制の学校に入学しました。〝せっかく行くなら今までにない経験をしたい〟と思いこの学校を選択しました。同時期に入学した日本人の車椅子ユーザーのヘルパーも任されました。
エグモントでの学びや彼と日常を共にする中で、どうやったら障害の壁がなく生活が送れるのかを、身をもって体験することができました。例えば、彼が行きたいお店に階段があったとしたら、どうやったらお店に入れるかを工夫します。少しの工夫(デザイン)を施すことで目的が達成でき、幸せになる。「国民一人ひとりの幸せ=福祉」という広義の意味での「福祉」を知ったと同時に、ものづくりにおいての考え方と似ているものを感じ、自分が得意とするものづくりの視点から「福祉」に携わりたいと思うようになりました。デンマークの国際福祉機器展で出会ったヴィルヘルム・ハーツはまさに私の理想とするものでした。後半の半年間は直談判して工房で住み込みで働き、職人の杖に込める思想や大きな愛を学びました。帰国直前「日本で広めることはお前に任せた」という職人の言葉から、日本の窓口の道が開けました。
生きづらさを感じる人が、デザインを通して心理的な安心安全を感じ、前向きになるように
現在は、「福祉」と感じるものごとにデザインを取り入れることを意識して仕事をしています。例に、保湿しながら手が洗えるハンドクレンジングのブランディングに携わったことがあります。これは、工場作業員の手荒れに気づいた社員の声により開発されました。手荒れという「生きづらさ」が軽減されるという意味で私にとって「福祉」です。これからも、ものづくりを通して生きづらさを感じる人が少しでも前向きになれるきっかけをつくれたら良いと思います。
尚工藝、風と地と木合同会社
代表 宮田尚幸さん
機能と意匠をデザインし、人の尊厳を大切にするヴィルヘルム・ハーツの杖
◀「尚工藝」
https://www.facebook.com/naokogei
◀「Vilhelm Hertz Japan」
https://www.vilhelm-hertz-japan.jp/




【本】
災害時要援護者支援ブックレット7
『災害に強い福祉』要配慮者支援活動事例集Ⅱ
東社協「災害に強い福祉」推進プロジェクトで実施したヒアリングをもとに、全国各地の要配慮者支援の実践事例をまとめた7巻目です。事業所再開や一般避難所での要配慮者支援の事例を掲載しています。
◆規格 A5判/249頁 ◆発売日 2018.4.27
◆定価:1,100円(本体1,000円+税10%)
災害時要援護者支援ブックレット6
『災害に強い福祉』要配慮者支援活動事例集
本書は災害時要援護者支援ブックレットの6巻目です。「平成27年9月関東・東北豪雨」「平成28年熊本地震」などにおける要配慮者支援の実践事例の数々を紹介しています。また、都内の区市町村が取り組む災害対策の事例も掲載しています。
◆規格 A5判/269頁 ◆発売日 2017.3.31
◆定価:1,100円(本体1,000円+税10%)
高齢者福祉施設におけるBCP
(事業継続計画)訓練ガイドライン
東社協高齢者福祉施設部会・センター部会大規模災害対策検討委員会では、平成24年にさまざまな場面を想定した実践的なBCP訓練を実施しました。本書はその内容および結果をふまえ、訓練の実施方法等について体系的に整理し、6つの訓練の事例を紹介するとともに訓練で使用したシナリオや資料をとりまとめたものです。
◆規格 A4判/64頁 ◆発売日 2013.2.22
◆定価:1,047円(本体952円+税10%)

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