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福祉広報 2022年6月 761号 テキストデータ


【表紙】
佐賀県 唐津市
海と山に囲まれた自然豊かな唐津、
おいしい水からもっちり甘味あるブランド米が生まれる。
田んぼの緑と微笑ましい通りすがり。
社会福祉NOW 
継続性と一貫性のある里親支援に向けて~都内におけるフォスタリング機関事業の取組み状況~
トピックス 
みんなが主役となり、災害に強い地域をつくる江戸川みんなの防災プロジェクト(EMIMBO)
【連載】地域における多文化共生のいま⑪ 
どんな相談も断らない、一緒に解決の道をめざす
一般社団法人OCNet/一般社団法人レガートおおた
福祉のおしごと通信 
母子に寄り添い、安心感を与えられる存在になりたい
社会福祉法人目黒区社会福祉事業団 目黒区みどりハイム 篠﨑 絵里さん



【NOW】
継続性と一貫性のある里親支援に向けて~都内におけるフォスタリング機関事業の取組み状況~
2016年の児童福祉法改正により、都道府県が行うべき包括的な里親支援業務(フォスタリング業務)が明記されました。東京都では、20年10月から多摩児童相談所を皮切りにフォスタリング機関事業が開始されています。
今号では、フォスタリング機関事業が必要とされる経緯と受託している施設の取組みを紹介します。
フォスタリング機関事業とは
2016年の児童福祉法改正により、子どもの家庭養育を優先する原則が明記され、より質の高い里親養育を実現するために、都道府県が行うべきフォスタリング業務が具体的に位置づけられました。
フォスタリング業務とは、里親のリクルート(開拓)やアセスメントをはじめ、里親への研修、児童と里親家庭のマッチング、未委託時および里親家庭への委託前後の支援、自立後のアフターケア等、一連の里親支援事業のことを指します。
東京都では、20年10月から多摩児童相談所、22年度からは、立川および江東の両児童相談所でフォスタリング機関事業が開始されています。
委託児童をチームで育てる
これまで、里親への支援は児童相談所を中心に、児童養護施設や乳児院に在籍する里親支援専門相談員等と役割分担して行われてきました。特に東京都では、18年1月から『チーム養育体制』として、委託児童を養育するチームの一人に里親を位置づけ、地域の多機関で支援するしくみをすすめてきました。都福祉保健局少子社会対策部育成支援課里親調整担当課長代理の三角瑞穂さんは「これまでは重層的な支援ができる一方で、里親目線では誰に何を相談したら良いか分かりづらかったり、多機関での情報共有が行き届かない部分があったりした。フォスタリング機関事業は、チーム養育体制をさらに強化し、一つの機関が一貫性と継続性を持って対応することができることが特徴」と、フォスタリング機関の強みを話します。
必要とされる継続的で一貫性のある支援
19年度時点で、何らかの事情により実親による養育が困難な子どもは都内に約4千人おり、そのうち、里親やファミリーホームに委託される子どもの割合(里親等委託率)は14・3%といいます(※1)。東京都社会的養育推進計画では、里親等委託率を29年度までに37・4%に引き上げることを目標としています。
より多くの子どもが家庭的な環境で過ごすために、「里親制度の普及や、里親への興味、意欲のある方を登録につなげていくこととあわせ、登録された里親が児童の委託を受け、委託児童に応じた適切な養育ができるようになることも重要」と、三角さんは話します。委託児童の中には、障害や発達特性のある子どももいるため、里親が養育にあたって不安を感じることがあります。また、家庭復帰をめざしている事例では、実親交流への里親自身の抵抗感や、交流により不安定になる委託児童のケアなどに心的負担を感じる里親は少なくないといいます。
同課里親調整担当課長代理の関口麻美さんは「フォスタリング機関を利用した里親へのアンケートでは、『これまでは都全体で研修が行われていたため、会場が遠いこともあったが、会場が近くなったことで参加しやすくなった』『同じ職員に継続的に相談にのってもらえることで安心する』『里親・委託児童、両者に役立つ進学や就職に関わる学習会が定期的にあったため、情報を得やすく不安が解消された』といった肯定的な声が多く、手応えを感じた」と話します。
三角さんは「地域に根ざしたフォスタリング機関によって包括的かつ継続的な関わりができることで、里親と伴走しながら委託児童にとってより良い環境を整えていけるだろう」と期待を話します。
里子、里親のため工夫して伴走する~多摩児童相談所フォスタリング機関二葉学園(調布市)~
都内で初めて設置された多摩児童相談所のフォスタリング機関は20年10月に東京都から社会福祉法人二葉保育園に委託され、児童養護施設二葉学園が業務を行っています。
統括責任者の丸山隆康さんと里親リクルーターの青木貴志さんに、取組みや思いを伺いました。
里親支援の工夫した取組み
もともと法人として地域支援、里親支援に力を入れてきた歴史もあり、フォスタリング機関を受託することにしました。
多摩児童相談所フォスタリング機関二葉学園(以下、たまふぉす)の職員は8名で、多摩児童相談所と二葉学園に分かれて勤務しています。物理的に離れているため、毎朝や週に1回、オンラインも活用しながらミーティングを行い、密な情報共有を心がけています。
たまふぉすでは、多摩児童相談所管内の児童養護施設、里親支援専門相談員、学校、保育園、市役所、子ども家庭支援センターなどとも連携、情報共有し、チームで里親支援にあたっています。
設置から約1年半が経過し、たまふぉすではより良い里親・里子支援のため、日々試行錯誤を続けています。オンラインや各市で開催する制度説明会では、参加者にリアルな声を届けるため、里親に実体験を話してもらっています。
また、これまでは里親に仕事を調整して時間をつくってもらうことが多くありましたが、支援機関として可能な調整をするようにしました。例えば、通常、平日に児童相談所で行われる実親交流を、たまふぉすでは施設の部屋を活用することで土日祝日も今後は対応していき、これにより、より家庭に近い雰囲気の中で実施することが可能になると思われます。
そして、有効な手段となっているのがLINEを使ったアフターケアです。「今の若い世代は電話やメールでの相談はハードルが高い。LINEは使い慣れているし、書き方が分からない書類を写真で送ってすぐに自立支援相談員に相談ができる。通知が鳴ることも多く、夜間帯等を除いて相談員も迅速に対応するようにしている。措置解除後の7~8割の子どもがLINEでつながることができている」と青木さんは話します。
フォスタリング機関の意義
これまで、里親からは児童相談所以外にも支援機関があると良いとの声があがっていました。また、措置解除後の子どもたちへの対応は制度化されていなかったことなど、里親制度に関する課題があります。
これに対し、フォスタリング機関の強みを「里親・里子にとって身近な支援機関ができたこと、里親登録からマッチングまで一貫性、継続性のある里親支援が可能になったこと、スピード感のある対応ができるようになったことだと思う」と丸山さんは話します。青木さんは「児童相談所とは異なる立場から、時には里親の愚痴や相談を受けつつ、里親と共に子どもの成長を見守り伴走する機関として意義がある」と話します。
ほかにも、たまふぉすでは、二葉学園の資源を活用して育児家事援助事業を実施しています。施設職員も里親と接する機会が増え、施設全体にも地域支援の取組みが広がりつつあります。
青木さんは「『子どものために』ということを常に心がけている。里子の安心のためには里親の安心も欠かせない。そのため、児童相談所と互いの強みを生かした協働のシステムづくりを行っていくことが今後の課題だと思っている。また、時代のニーズの変化にあわせ、『地域の子育て支援の一環としての里親』という社会的意義を伝えていきたい」と話します。

(※1)東京都「東京都社会的養育推進計画」(令和2年3月)
多摩児童相談所
フォスタリング機関二葉学園のロゴマーク
学習会の様子
体験発表会の様子




【トピックス】
みんなが主役となり、災害に強い地域をつくる
▼ 江戸川みんなの防災プロジェクト(EMINBO)
大規模水害などの災害リスクに備える市民による防災プロジェクト
江戸川みんなの防災プロジェクト(EMINBO)は、江戸川区東部地区の瑞江を拠点とする自立生活センターSTEPえどがわのスタッフや区民有志が「災害時、誰一人取り残されないための防災」の輪を広げることを目的として、2018年に立ち上げたボランティアグループです。
主なメンバーは、障害当事者をはじめ、防災や建設のコンサルタント、福祉や医療の専門職です。メンバーでSTEPえどがわ事務局長の土屋峰和さんは「ヘルパーを派遣する事業者であると同時に、江戸川区で暮らす一人の車いす利用者として、水害時にどうしたらいいのか、何ができるのかを考えている」と話します。
EMINBOでは「みんなが助かる、みんなで助ける」をコンセプトに、防災について楽しく学び、交流できる場づくりや、防災ツールの開発・普及、障害当事者による広域避難検証などに取り組んでいます。プロジェクトマネージャーの高橋聖子さんは「地域には多様な人がいて、災害の影響もさまざま。災害時の困難さを知る当事者や当事者に近い人たちの意見を聞きながら、『みんなが助かること』を願う人を増やしていきたい」と取組みのねらいを話します。
広域避難や避難生活をめぐる課題
江戸川区を含む東京東部は海抜ゼロメートル地帯です。台風や豪雨などにより荒川や江戸川が氾濫した場合、ほとんどの地域で浸水し、2週間以上水が引かない地域もあると想定されています。そのため、墨田・江東・葛飾・足立・江戸川の各区で構成する江東5区広域避難推進協議会は、巨大台風の接近など水害の危険性が高まることが予想される場合には、あらかじめリスクの高い地域から安全な地域に移動する早期の広域避難などを呼びかけています。
東日本を中心に甚大な被害をもたらした令和元年台風19号が接近した際、STEPえどがわでは練習も兼ねて広域避難を検討しましたが、三連休の初日だったため避難先が確保できず断念したといいます。メンバーでSTEPえどがわ介護事業責任者の市川裕美さんは「避難をしようにも課題が多く、自宅に留まらざるを得ない人も多かった」と振り返ります。
たとえ建物の上階に垂直避難ができたとしても、浸水が長期間にわたればその間は自宅で「籠城」することになります。ライフラインの状況が見通せない中、水や食料の備蓄が大量に必要になるだけでなく、ヘルパーの派遣も困難になることが予想されます。それは、日常的にヘルパーを利用している当事者にとって生活が成り立たないことを意味します。こうした点も大きな課題です。
発災を想定した広域避難訓練を実施
これらの状況をふまえ、EMINBOではSTEPえどがわを中心に、車いす利用者の広域避難の実際を検証してみることにしました。発災時を想定し、リフト付き車両ルートと公共交通機関ルートに6人ずつ分かれ、山梨県内のバリアフリーペンションへ向かいました。その結果、特に公共交通機関の移動において、窓口での車いす指定席の購入に時間がかかることや、車いすスペースの狭さ、利用人数制限などさまざまな課題があることが分かりました。
参加したメンバーの星野渉さんは「半分旅行気分で出発しながらも、実際には広域避難のルートを辿っており、楽しみつつ防災について学び、具体的な課題が見えてきた」と話します。検証結果や課題は区の所管課と共有していますが、まだ具体的な動きにはつながっていないといいます。
EMINBOの議長で、STEPえどがわ代表の今村登さんは「『水害時にここにいてはいけない』というその先をどうするか。当事者だけでは解決できないし、行政も簡単には答えが出せない。行政に対して何とかしてということではなく、自分たちも一緒に考えていきたいと働きかけているが、なかなか連携できていない」と現状について話します。大規模水害時の事前対策にはまだ課題が多いことから、22年6月に50人規模の広域避難訓練を予定しています。
市民の主体的な取組みを後押しする
EMINBOが当初から実施している「防災ふらっとカフェ」は、気軽に防災について語り、地域で顔をつないでいく取組みです。こうした場では障害を前面に出さずとも、ファシリテーターを障害当事者のメンバーが担うことで、自然と関わりが出てくるといいます。今村さんは「『障害者のために』ではなく、『みんなが助かる』の中に障害者がいるのを忘れないでね、という感じ」と関わりのスタンスを説明します。
カフェは単独開催のほか、子育てサークルや精神障害の事業所等を運営する社会福祉法人、助産師会、ろう者協会など、さまざまな団体と協働実施してきました。これまでの取組みを通じて、市民の防災行動を阻害する要因の理解や、防災ツールの作成、区内のネットワーク構築などがすすんできたといいます。今後はカフェの主体的な担い手を増やし、EMINBOは企画のサポート等の伴走支援に力を入れていくといいます。
20年からは、自らの防災対策を他の人に伝える「防災アンバサダー」を増やす取組みにも着手しました。高橋さんは「大事なのは一緒に何かをやること。新型コロナが収まったらさらに広げていきたい」と話します。
今村さんは「この活動を通していろいろな人と地元でつながりができた。行政も一緒になって、インクルーシブをキーワードに、より具体的で実効性のある防災対策に取り組みたい」と今後の展望を語ります。
2019年の広域避難訓練の様子
防災ふらっとカフェで地域のつながりをつくる




【マンスリー】2022.4.26 - 5.25
5/25
「首都直下地震等による東京の被害想定」報告書を取りまとめ
東京都は、東日本大震災をふまえ策定した「首都直下地震等による東京の被害想定(平成24年公表)」および「南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定(平成25年公表)」を10年ぶりに見直し、「首都直下地震等による東京の被害想定」報告書として取りまとめた。今後、地域防災計画を修正し、必要な対策を推進することで、東京の防災力向上をめざす。

4/26
「生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理」を公表
厚生労働省に設置された「生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理のための検討会」は、論点整理を公表した。この論点整理をふまえ、今後、社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会において、制度改正に向けた具体的な検討をすすめる。

5/19
「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が成立
「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が、衆院本会議において全会一致で可決、成立した。一部を除き、令和6年4月に施行される。新法では、「女性の福祉の増進」や「民間団体との協働」、「人権の擁護」等が基本理念として盛り込まれ、都道府県に対しては施策実施に関する基本計画の策定等を義務づけている。




【連載】11
地域における多文化共生のいま~東京で暮らす外国にルーツのある方たちをとりまくさまざまな活動・現状と課題~
日本に住む外国にルーツのある方は、言葉や文化、生活習慣の違いなどから、普段の暮らしや地域住民との関係の中でさまざまな困りごとを抱えています。これを解決するために、都内では日本語教室や学習支援、相談支援、外国にルーツのある方と地域住民が相互理解を深めるための交流など、多くの取組みが行われています。
本連載では、同じ地域に暮らす一員である彼らの日常生活のサポートや住民同士の交流を深める取組みを紹介し、多文化共生をすすめる各地域での活動から見える現状や課題を発信していきます。
今号では、主に外国人相談や日本語教室の活動などを行う団体の取組みを紹介します。
どんな相談も断らない、一緒に解決の道をめざす
一般社団法人OCNet
1992年設立。大田区で、外国人からの相談や外国人への日本語教室などを行う団体。
*ホームページURL:http://www.ocnet.jp/ja/
一般社団法人レガートおおた
OCNetなどの大田区で活動する複数の団体の人が集まり、2010年に設立された。一般財団法人国際都市おおた協会からの委託事業のほか、翻訳・通訳派遣や高校生の支援などを行っている。
*ホームページURL:http://legatoota.jp/

OCNetが行う日本語教室の様子
OCNetの活動内容
一般社団法人OCNetは「言語や文化、習慣などさまざまに異なる人たちと、普段の暮らしの中で交流できる場をつくり出し、広げていくこと」を目的に設立されました。活動の原点は、外国人からの生活・労働相談です。在留資格や教育、労働、住宅、医療などの生活全般の相談を、多言語で、年間2000件程度受けてきました。そのほかにも、生活のさまざまな場面で問題を抱える外国籍の方と共に考え、解決の道をめざし、日本語教室や学習会、講座の開催などの活動を続けています。
日本語教室は「にほんごのひろば」と「子ども日本語クラス」の2つを開講しています。「にほんごのひろば」は大人が対象で、平日に実施しています。当初は、日本語初心者のための教室として、学校のようにプログラムを組んでいました。現在は、参加者の日本語のレベルがさまざまであったり、参加人数が毎回異なったりするため、スタッフがそれぞれのレベルに合わせてクラスを編成し、日本語を教えています。2004年頃から、「子どもに日本語を教えてほしい」という問合せが増えたことを受け、小中学生向けに「子ども日本語クラス」を始めました。OCNetのスタッフの天明尚子さんは、「最近、以前に日本語教室に参加していた方から『孫にも日本語を教えてほしい』などの連絡があった。地域で長く活動を続けているからこそのこと」と話します。
09年には、大田区から、大田区中国帰国者センターの運営・管理を受託しました。中国残留邦人で日本に永住帰国してきた方たちへの生活相談や日本語教室などの支援全般を行っています。同じくOCNetのスタッフの葵佐代子さんは「中国帰国者センターや相談の活動を通して、読み書きできない人が一定数おり、特に女性に多いことを実感した。そういった人の存在を忘れてはいけないと思う」と言います。
OCNetの喫緊の課題はスタッフ不足です。天明さんは「主に60~80代のスタッフが中心となって活動しており、若い世代の確保が難しい。ただ、コロナ禍で『国際交流など何か自分にできることはないか』という30代からの問合せが増えた。新型コロナによる活動への影響はあるが、このような問合せが増えたことは嬉しい」と話します。続けて、活動や日頃の思いについて「『国籍関係なくみんな一緒、何も変わらない』という気持ちを持って過ごすことが大切」と話します。
レガートおおたの活動内容
10年に、OCNetをはじめ、大田区内で国際交流や日本語教室などの活動をしている複数の団体の人が集まって設立されたのが、一般社団法人レガートおおたです。現在、レガートおおたでは国際都市おおた協会から3つの事業を受託しています。一つ目は「多言語相談窓口」です。年間2500~2600名ほどの相談を受けており、日本語教室の紹介や子どもの学校のこと、いじめ、翻訳など多岐にわたります。レガートおおたの代表理事の石井さわ子さんは「新型コロナの影響で、生活困窮やDV、失業などに関する相談が増え、内容が複雑化し、難易度が上がり、より深刻になっている。外国籍の方が使える制度は限られており、在留資格によっては何もできないケースもあるが、とにかく何でも聞く姿勢で活動している」と話します。
レガートおおたの相談の強みは「伴走支援」です。「この相談はここでは受けられないからほかの機関に行ってほしい」と対応するのではなく、つなぎ役となり、問題の解決をできるところまで一緒にすることを大切にしています。
二つ目は「おおたこども日本語教室」です。大田区立の小中学校に入る前の外国籍の子ども向けに行っています。通年で受入れをしており、スタッフがマンツーマンに近い形で教えています。
三つ目は「翻訳・通訳派遣事業」です。証明書等の翻訳や、大田区内の小中学校や保育園、福祉事務所などへの通訳派遣を行っています。
委託事業とは別に自主事業も行っています。日本語教室では、初級からビジネスレベルまで、目的に応じたクラスを土日に開講しています。そのほか、有償での翻訳・通訳派遣も行っており、児童相談所や高校からの依頼を受け、派遣をします。
18年からは、OCNetや他団体の有志、高校教員、弁護士などと共に、高校支援プロジェクトにも取り組んでいます。都内の高校からの要請に応じて、日本語授業や学科授業のサポートをしたり、在留資格についてなど、さまざまな相談を受けたりしています。
新たな取組みにも挑戦
「多言語相談窓口」には、「学校や役所からお知らせが来たが、何が書いてあるか分からない」という相談が非常に多く寄せられています。また、外国人相談や多文化共生に関する取組みが少ない区市町村もあり、大田区外からの相談は約2割を占めています。委託事業の多言語相談窓口として受けられない内容などにも広く対応しています。石井さんは「外国人相談の場合、関係機関や事務所などに相談員が一緒に行くことによって、うまくすすむことが多いと感じる」と言います。
そして、22年4月に新たにオンライン相談を開始しました。書類を送ってもらい、オンラインでその場で翻訳や説明をします。ほかにも、外国籍の家庭と学校との面談の際にはオンラインで同席し、通訳を行います。今後、活動を広げていく予定です。
石井さんは「オンライン相談には限界があるが、相談できる場所がない地域で暮らしている方々の入り口になりたいという思いで行っている。入り口にすら立っていない人に何とか情報を伝えたい」と話します。OCNetのスタッフでもあり、レガートおおたでも活動をしている葵さんも「オンラインのメリットはもちろんある。しかし、人と人とが直接会って話すことはこれからも大切にしていきたい」と話します。
伴走支援を通して、ありのままを受け入れ合う
今後の活動への姿勢について、葵さんは「部屋で相談を受けて話すだけでなく、『一緒に歩く』ことを、これからもできる限り続けていきたい」と言います。
石井さんは「活動の中で『もし私がこの人(相談者)の立場だったら』という気持ちを忘れないようにしている。みんな平等で、一人ひとり身近にいる人のことを大切にし、つながることが大切。また、DVに関する相談が多く寄せられているが、多文化共生の分野でもジェンダーの視点を取り入れた取組みが増えてほしい。私自身もその視点を大事にし、活動を続けていきたい」と、思いを語ります。
OCNetが行う日本語教室の様子。
参加者それぞれのレベルに合わせ、日本語を教えている。




【東社協発】
「経営相談室」では、社会福祉法人・福祉施設のご相談をお受けしています!
東京都社会福祉協議会「経営相談室」では、東京都内の社会福祉法人や社会福祉施設からの相談を受けています。
昨年度は、1千60件の相談が寄せられ、そのうち、弁護士、公認会計士、社会保険労務士、税理士による専門相談は64件でした。
新型コロナによる影響
昨年度は、新型コロナウイルス感染症拡大により、クラスターが発生した法人が多数ありました。そのため、濃厚接触者となった職員の労務や人員体制、補助金等に関する相談が多数寄せられました。また、採用活動がオンライン中心となったことで、求職者と法人のミスマッチが増え、内定後の辞退者が多くなったという悩みも聞かれました。職員からの紹介による採用を制度化し、紹介者の職員に給与等で優遇するといういわゆるリファラル採用を導入する法人も出てきています(経営相談室だより№151参照)。
法人運営に関する多様な相談
その他、特徴的な相談としては、役員改選や理事会・評議員会運営、事業所の閉鎖・統合に関する会計処理、電子帳簿保存法改正への対応やインボイス制度導入、改正個人情報保護法に関する規程、社会福祉法改正による役員賠償責任保険契約(更新)の際の理事会決議、2020年4月施行の民法改正による利用契約書の保証人見直しの要否、などが寄せられました。
■相談メールアドレス
fukushi-soudan@tcsw.tvac.or.jp
■専用電話番号
03(3268)7170(9時~17時)
■ホームページ(経営相談室)
https://www.tcsw.tvac.or.jp/activity/keieisien.html
※社会福祉法人の経営に参考となる情報や「経営相談室だより」を掲載しています。
守秘義務厳守、相談無料 お気軽にご相談ください!!
※できるだけメールでのご相談をお願いします。
経営相談室
経営相談室だより


東京善意銀行からのお知らせ
2021年度、東京善意銀行では下図の通り個人・企業・団体より1,231件の現金、物品、招待の寄附をいただき、社会福祉施設等に配分しました。引き続きご協力をよろしくお願いいたします。
現金寄附
(ともしび募金※含む) 物品寄附 招待寄附
1,008件 159件 64件
(金額)
27,328,604円 (総数)
959,507点 (招待人数)
4,094人
(※)都庁、区役所をはじめ都内信用金庫・信用組合等のご協力を得て、募金箱約600台を設置
最近のトピックス
1クレジットカードによる
現金寄附の受付を始めました
・東京善意銀行ホームページの専用フォームに必要事項を入力いただくと、決済が完了します
・決済手数料はかかりません
・税制上の優遇措置(所得控除または税額控除、損金算入)を受けることができます
詳細は東京善意銀行の
ホームページをご確認ください
2東京善意銀行広報
キャラクターができました
名前はともしびちゃん。
旅をしながら、寄附者の心にともった善意を都内の福祉施設につないでいます。
東社協東京善意銀行では、社会福祉施設等への寄附のご相談を承っております。
●千代田区神田駿河台1-8-11 東京YWCA会館3階
☎03-5283-6890 zen-i@tcsw.tvac.or.jp
ホームページ https://www.tcsw.tvac.or.jp/zengin
いただいた寄附や福祉施設等への配分についてTwitterで発信しています。

2022夏のリモート・ボランティア+(プラス)
リモート・ボランティアは在宅やオンラインでできるボランティア活動です。
東京ボランティア・市民活動センターでは、1980年より都内各地のボランティア・センターと連携して『夏の体験ボランティア』キャンペーン事業を実施してきましたが、2年前からの新型コロナ感染症の拡大に伴い、キャンペーンという形ではなく、それぞれのセンターができる形で実施することになりました。
本センターでは『夏のリモート・ボランティア』として、高齢者施設に暑中見舞い状を送ったり、オンラインで交流したり、障害のある人たちや子どもたちの施設に夏らしいアート作品を贈ったり、環境保護のオンライン・セミナー等を開催しました。昨年度は31の多彩なプログラムに、1千174名の方の申し込みがありました。リモートという参加のしやすさから、例年より参加者数が大幅に増え、在宅勤務をしている人とその子どもたちや、入院患者の方、障害のある方もボランティアとして参加してくださいました。
ボランティアを受け入れてくださった福祉施設やNPOからは「利用者さんの笑顔を増やすことができた」「地域の方との新しい関わり方や交流のアイデアにつながった」といった感想をいただいています。
さて、今年はコロナ禍も3年目となり、「Withコロナの時代」に対応すべく、対面でのボランティア活動にも感染防止対策をしっかりして取り組みたいと考えています。題して、『2022夏のリモート・ボランティア+(プラス)』。多くの方のご参加をお待ちしています!
※詳しくは、本センターのホームページをご参照ください。
東京学芸大学アカペラサークルInfiniの所属バンド紅碧と高齢者施設の利用者の方々が交流しました。(東京英和会 なぎさ和楽苑)
子育てひろばに遊びに来る親子のために、ボランティアが作った「海のなかまたち」を飾り、施設の廊下が「海のトンネル」になりました!(武蔵野会 リアン文京 子育てひろば江戸川橋)



東社協中期計画レポート1~東京の多様性を活かした“地域共生社会”を一歩前へ
東社協では、今年度から「令和4~6(2022~2024)年度東社協中期計画」に取り組んでいます。
今号から、新たな中期計画の特徴や「重点事業」の取組み状況をお知らせしていきます。今回は、中期計画の視点や重点事業の考え方をお伝えします。
新たな中期計画は、次の3つの視点で策定しました。
引き続き、東京の「多様な地域」がもつ地域特性を大切にしながら、東京らしく「多様な価値観」を認め、「多様な主体」が活躍することによる「東京の多様性を活かした地域共生社会づくり」を推進する。
現状や課題意識をふまえ、長期・短期の「取組みの方向性」と、特にこの3か年を通じ到達目標に向けて取り組む「重点事業」を設定する。
「東社協の役割を果たす人材の育成・活用と環境の整備」「マネジメント力を高める組織運営基盤・方法の強化」の2つの柱で「法人基盤の強化」に取り組む。
また、国および東京都の施策や東社協内外の関連の計画・事業等の動向、現状の課題意識もふまえ、6つの「取組みの方向性」に合致し、3年後の到達目標を設定できる15の事業を「重点事業」としました。
事業実施にあたっては、部署間や事業間の協働や、東社協内外のネットワークの活用を意識してすすめます。
次回は、重点事業の計画や進捗状況についてお伝えします。




【福祉のおしごと通信】
母子に寄り添い、安心感を与えられる存在になりたい
母子生活支援施設「目黒区みどりハイム」で働いて5年目になる篠﨑絵里さんに、現在のお仕事に就くまでの経緯や利用者、職場の方々との関わりへの思いなどについて、伺いました。
病院勤務から福祉の仕事へ
私が心理学を学んだのは、読書の影響が大きいと思います。いろいろな本を読んで、心の奥深さに関心を持ちました。
大学・大学院では心理学を専攻し、卒業後は精神科病院で数年間、臨床心理士として働いていました。
引越しを期に、別の分野での仕事にも挑戦したいと思っていた頃、学生時代の恩師から母子生活支援施設の仕事を紹介してもらい、病院を退職しました。
母子生活支援施設には、さまざまな事情で入所されたお母さんと子どもが自立のための支援を受けながら生活しています。その中には、心の傷を抱えた方も少なくありません。このような方々を支え、また幼少期の子どもたちのケアを行うことで、母子に寄り添い、安心感を与えられる存在になりたいという思いから、今の仕事に就く決心をしました。
一人よりもみんなでやれば大きな力に
施設に心理療法担当職員が私一人しかいなかったため、初めの1年間は怒涛の日々でした。自分の言動や振る舞いが直接利用者の生活の支援に直結するため、支援の難しさや責任を感じていました。
しかし、職員が常に連携して支援をしていく中で、不安定な状態だった利用者が「ちょっとやってみようかな」と立ち上がっていく姿を見ると「この仕事を選んで良かった」とやりがいを感じます。
また、利用者自身の意思で「心理療法の時間はもうやめてもいいかな」という声を聞くと、良い意味で自分の存在が不要になったのだという達成感と、チームで利用者を支えることができた安心感から感動が生まれます。
施設の規模も小さく、一緒に働く仲間が団結して支援することが必要とされるので、日頃から、職場の風通しが良くなるよう職員同士で納得するまで話し合い、意見を言い合える今の環境は、とても良いと思っています。常に職員全員が、利用者にとって最善を尽くせるように支援の方法を考えています。
女性福祉の活動を広く広めたい
母子生活支援施設では、利用者のペースを守りながら、利用者が今どういう課題と向き合えるのか、支援を模索しています。その中で、心理療法担当職員は支援の段階を踏んで、その方のニーズに合わせてオリエンテーションから始めます。立場上、必要以上に利用者の生活場面には入らないように気を付けながら、心の傷を抱えたお母さんと子どもたちの心理療法や心のセラピーを行っています。
母子分野の現場で働いていると、日々いろいろな気持ちが沸いたり、心が揺さぶられます。しかし、利用者一人ひとりのニーズや取り組んでいることが、今どのような状態なのか、常に職員間で確認し合うことで、チームで支援していくことが実感できます。日頃から、ストレスを溜めないよう心掛け、より良く働けるためにどうすれば良いか考え、行動を起こすことが大事だと思います。良い環境になるように周りに提案をしていくことで、利用者にもその思いが伝わり、互いに気持ちよく過ごすことができると思います。
利用者を地域福祉につなげるコンサルテーションの役目を担う女性福祉分野の活動が社会にさらに広がっていけばと思っています。
どんな辛い体験も自分の資源となる
施設で働き始めたばかりの頃は、地域の関係機関との連携を意識することと、目の前の利用者のニーズを大事にすることとのバランスをうまくとることができず、利用者への対応を誤り、後悔したこともありました。前職の先輩や、施設の同僚、上司、家族などに相談して助言を受けました。恩師から「どんな辛い体験もあなたの資源として活きる時がくるよ」という言葉を受け、悩んでいる時もその言葉を思い出し、乗り越えてきました。
どんな仕事にも大小さまざまな困難や壁があると思いますが、楽しいことや辛いこと、いろいろなことを経験することでさらに自分自身が成長するのではないでしょうか。一人で抱え込まずに、仲間と共に困難や壁に挑戦して、自分の『資源』にしてほしいです。

篠﨑 絵里さん
Eri Shinozaki
社会福祉法人目黒区社会福祉事業団目黒区みどりハイム
インタビュー中の篠﨑さん




【アンテナ】6月1日(水)時点の情報です。詳細は各団体にお問合わせください。このほかにも東社協ホームページに各種情報を掲載しています。
東社協ホームページ「各種福祉情報の提供」
https://www.tcsw.tvac.or.jp/about/
keyword/kakushu.html
助成金
太陽生命厚生財団2022年度社会福祉助成事業
(1)事業助成〈NPO等が行う事業への助成〉
NPO等が在宅高齢者または在宅障がい者等に対し、福祉活動や文化活動を行うために必要な費用または機器、機材、備品等を整備するための費用(2023年3月末日までに完了するもの)に対する助成 地域福祉活動を目的とするNPOおよびボランティアグループ等(在宅高齢者等への地域公益事業・生活支援事業を行う社会福祉法人を含む) 1件10~50万円で合計1,700万円
(2)調査研究助成〈高齢者保健・医療、生活習慣病または高齢者福祉に関する調査研究への助成〉
社会福祉法人または民間機関等が実施する高齢者保健・医療、生活習慣病に関する研究または高齢者福祉に関する調査または研究(2023年12月末日までに完了するもの)に必要な費用に対する助成 非営利の民間団体等および個人 1件30~50万円で合計300万円
(1)(2)共通
6月30日(木)必着 所定の申込書に必要事項を記入の上、郵送 (公財)太陽生命厚生財団 事務局 〒143-0016 大田区大森北1-17-4 太陽生命大森ビル
03-6674-1217
http://www.taiyolife-zaidan.or.jp/
令和4年社会福祉法人松の花基金 助成金
8月末日必着 知的障害児(者)の福祉向上を目的とした事業に対する助成 原則として社会福祉法人、公益法人 年間総額500万円 所定の申請書と必要書類を添付して郵送 (社福)松の花基金 事務局 〒103-0004 中央区東日本橋1-7-2 長坂ビル
03-5848-3645 03-3861-8529
http://matsunohana.jp/
社会福祉法人清水基金
2022年度助成事業
(1)社会福祉法人助成事業
7月31日(日)消印有効 ※郵送受付のみ 障害者の福祉増進を目的として運営されている第一種または第二種社会福祉事業において、利用者に必要な機器・車輌・建物(新築、改修、増改築)等で、そのほかの条件を満たすものへの助成 2022年4月時点で開設後1年経過した事業所かつ、2020年度以降、当事業において助成を受けていない社会福祉法人 1法人あたり50~1,000万円 7月20日(水)までに、郵送または窓口で申込書を請求の上、申請
(2)海外研修事業
7月31日(日)消印有効 アメリカ・シカゴでの10日間の合同研修等 社会福祉法人・NPO法人に所属し、障害福祉サービス等に従事しており、海外の障害者福祉等から学ぶべき課題を持ち、意欲的に挑戦する方。原則、実務経験5年以上で年齢25歳~60歳。所属法人代表者の推薦を得た方 3ヶ月コース(3名)1人あたり200万円、1ヶ月コース(3名)1人あたり100万円 所定の申込書および添付書類を郵送
(1)(2)共通
(社福)清水基金 〒103-0027 中央区日本橋3-12-2朝日ビルヂング3階
03-3273-3503
https://www.shimizu-kikin.or.jp/
公益財団法人ユニベール財団
2022年度 特定活動助成
7月29日(金)午後5時必着 心のケアのための傾聴ボランティアとして活動している団体(自然災害の被災者をはじめコロナ禍で困難な状況にある人等を傾聴)への助成 上記団体のうち、以下の2つの要件を満たす団体。(1)応募に際して地元社会福祉協議会の推薦を得ること(2)団体として、すでに1年以上の活動実績があること 最長3年間。上限は年50万円 所定の申請書に必要事項を記入の上、郵送 (公財)ユニベール財団 〒160-0004 新宿区四谷2-14-8 YPCビル5階
03-3350-9002 03-3350-9008
info@univers.or.jp
https://www.univers.or.jp/index.php?
civilactgrant
講座・シンポジウム
第46回医療・福祉フォーラム
6月20日(月)13時〜17時(開場12時30分) 日本赤十字社2階大会議室(港区芝大門1-1-3) 10,000円 「地域共生社会の構築~社会福祉分野における取組の深化~」をテーマに基調講演、シンポジウム FAX、メール フォーラム事務局(北隆館)
03-5720-1161 03-5720-1166
care@hokuryukan-ns.co.jp
http://www.hokuryukan-ns.co.jp/
第30回日本社会福祉士会
全国大会・社会福祉学会 東京大会
7月2日(土)、3日(日) ホテルイースト21※ハイブリッド開催 2,000名(参集800名、Web1,200名) 都道府県社会福祉士会・日本精神保健福祉士協会・日本医療ソーシャルワーカー協会・日本ソーシャルワーカー協会の会員9,000円/一般10,000円/学生4,000円 「ソーシャルワークを紡ぐ~一人ひとりがつながりを実感できる社会への変革と社会的包摂の実現~」をテーマに行政講演、基調講演、社会福祉士学会(分科会)、記念講演ほか 社会福祉士会会員、一般、学生 7月1日(金)12時まで HPより (公社)東京社会福祉士会
03-5944-8466
https://www.pac-mice.jp/tokyo-csw/




【資料ガイド】
会議資料
生活困窮者の自立支援対策に関する行政評価・監視<結果に基づく勧告>(総務省/4月)
第43回社会保障審議会生活保護基準部会 資料(厚生労働省/4月)
第118回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)(厚生労働省/5月)
第93回社会保障審議会介護保険部会資料(厚生労働省/5月)
第13回成年後見制度利用促進専門家会議(web)会議資料(厚生労働省/5月)
調査結果
ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)結果(厚生労働省/4月)
「都民の生活実態と意識(福祉のまちづくり等)」の結果(速報)(都福祉保健局/4月)
「市町村における災害復旧事業の円滑な実施に係る支援方策のあり方」(国土交通省/5月)
第11回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)の概況(厚生労働省/5月)




【くらし】
私だからできる「美容」を通じた社会へのアプローチ
「障がい×美容が当たり前の社会をつくる。」をビジョンに、美容を通して障がい者の可能性や選択肢を広げ、持続可能なバリアフリー社会をめざす株式会社accessibeauty代表の臼井理絵さんにお話を伺いました。
「美容」がすべてのはじまり
私が過去に「美容」に背中を押されたように、すべての人に美容がもたらす感動や人生の変化を味わってほしい、そんな思いが活動のベースにあります。
高校2年生の時に心身に不調をきたし、その後思い描いていた人生を送れないことへ憤りを感じる日々を過ごしました。
転機は20歳の時。将来を見据え、自宅でも仕事ができ、美容への憧れを叶えられる仕事を考え、ネイリストを志しました。数年後、美容業界をめざす障がいのある女性と出会い、障がい者にとって、「美容」が閉ざされたところにあることを初めて知りました。ネイルサロンの多くは小規模テナントで展開され、美容業界を志すにも専門学校やサロンのバリアフリー化はすすんでいません。障がい者が「美容を楽しむ」「美容業界での就労を夢にする」上で、自分ではどうすることもできない壁がある社会に違和感を覚え、障がい者専門ネイリスト養成スクールを開校しました。
ただ目の前のできることを
ネイリスト養成スクールを始めてみて、美容を学ぶ場以上に、その先の活躍する場が閉ざされていることを痛感しました。そんな社会環境を変えていくために、2020年8月、株式会社accessibeauty(アクセシビューティー)の設立にいたりました。
当初はネイル教室が中心の事業展開でしたが、当事者のニーズと社会のバランスを考慮し、障がい者専門の芸能マネジメントやウェブマガジン運営に注力しています。最近ではバリアフリー環境や障がい者雇用に取り組む企業へのアドバイジングも始めています。
設立からもうすぐ2年ですが、事業内容は日々変化し続けています。自分のアイデアを大企業に渡せばすぐに形にはなるのかもしれませんが、当事者一人ひとりの本当の可能性に気づくことができるのは、目の前の彼女たちと正面から向き合う私たちです。同じ未来をめざす企業や団体と力を合わせながら、二人三脚で、自己実現できる環境を広げようと走り続けていきます。
障がい×美容、それから
「ここにいると障がい者であることを忘れる」、関わりの中でよく耳にする言葉です。私を含め一緒に働くスタッフは福祉の知識や経験はありません。だからこそ、障がいに配慮はしますが、彼らに遠慮は一切しません。それが心地良い関係性につながっているのではないでしょうか。福祉の知識を学ぶことも当然必要ですが、福祉に偏りすぎず、あくまで「美容」という面からアプローチをしています。
美容やファッション、エンターテイメントへの挑戦をきっかけに、障がいをコンプレックスと捉えていた子が前向きになり、人生を切り開いていく様子を目の当たりにしています。障がいの有無を問わず、バリアフリーに美容の力を感じてほしい。そんな当事者の姿を通して、障がいに対する社会のイメージが変化し、誰もが自分らしく選択のできる未来が定着してほしい。そのために、同じ思いを持った人たちと共に社会を巻き込み、自分ができることに取り組み続けたいです。
臼井 理絵さん
さまざまな障がいのモデルたちが社会参加を叶える
レッスン中のひとこま。オンラインも
同時開催
障がい者モデルオーディションイベントでの1枚




【本】
令和2年版社会福祉法人会計の実務
/第1編月次編
2018年3月および2019年5月の厚生労働省令改正並びに関係局長通知および課長通知の改正をふまえた内容です。会計担当者の疑問の解消、適正な会計データの作成にお役立ていただき、社会福祉事業の円滑な経営にご活用ください。著者:宮内忍氏(公認会計士)、宮内眞木子氏(税理士)
◆規格 A4判/548頁 ◆発売日 2020.9.25
◆定価 6,600円(本体6,000円+税10%)
令和2年版社会福祉法人会計の実務
/第2編決算編
2019年9月に社会福祉法人の組織再編等の合併および事業譲渡に関し、社会福祉法人会計基準省令および運用上の取扱い局長通知が一部改正されました。本書はこれらを反映した内容となっています。著者:宮内忍氏(公認会計士)、宮内眞木子氏(税理士)
◆規格 A4判/460頁 ◆発売日 2021.1.25
◆定価 4,400円(本体4,000円+税10%)
社会福祉法人のための規程集
役員会等運営の実務編
本書では、社会福祉法人の役員会等の運営において実務担当者が迷いやすい点を整理しました。
コロナ禍の今だからこそおさえておきたい【役員会の召集手続の省略】や【決議の省略】についても分かりやすく解説しています。
◆規格 A4判/380頁 ◆発売日 2020.9.2
◆本体 4,400円(4,000円+税10%)
ここにテキスト

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