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福祉広報 2023年6月773号 テキストデータ

【表紙】(写真)

やわらかい風は若々しい葉の香りを運んでくれる
すくすくと育つ稲を見守る表情は実に心穏やかだ

【目次】

1 社会福祉NOW
2 Topics
3 連載 ネットワークを活かした地域公益活動(2)
4 東社協発
5 福祉のおしごと通信
6 くらし今ひと

「*見出しの頭には「--(半角で2つハイフン)」の記号が挿入されているので、検索機能を使って頭出しをする際にご利用下さい。また検索の際、目次でご紹介した数字を続けて半角で入力すると、その項目に直接移動することができます。
(例)1をご希望のときは、「--(ハイフンハイフン)1(すべて半角)」と入力。」

--1【社会福祉NOW】

大学生のボランティア活動と地域のつながり ~コロナ禍を経ての現在地

コロナ禍による活動の縮小や休止は、多くのボランティアや団体にとって、活動の意義を改めて確認する機会にもなったといいます。今回は地域に根ざした活動を行う大学生のボランティア活動に着目し、活動を支援するボランティアコーディネーターや地域の方の視点も交えて、コロナ禍を経ての地域での活動について伺います。

コロナ禍で悩みながらの活動
2016年に発足した学生団体C-plantは、日野市内を拠点に子どもの居場所づくりに取り組む学生有志のボランティアサークルです。空き家を活用した子ども食堂の活動を経て、19年からは市の施設「カワセミハウス(注)」で月に1回、小中学生と大学生が交流する居場所「まるっと」を開催しています。基本的なプログラムは、子どもたちの勉強を見守り、途中でおやつをつくって食べ、最後に外で遊ぶこと。これらを通して、子どもたちと楽しく笑い合える時間をつくっていましたが、新型コロナの感染拡大により、20年2月以降は活動の休止や縮小を余儀なくされました。
第6期共同代表を務めた中央大学4年の手塚咲来さんは、「20年はほとんど活動できず、21年からは2か月に1回くらい開催できたらいいよねという感じで、緊急事態宣言の様子を見ていた」と振り返ります。コロナ禍の先が見えない状況で、中央大学では全ての学生に対して活動の自粛を要請していました。中央大学ボランティアセンター(VC)では、その大学方針に基づき、公認団体に対して対面の課外活動を控えるよう伝えていました。しかし、C‐plantは大学の方針をふまえた上で自己責任で活動していたといいます。手塚さんは「21年は特に悩んだ。感染している学生も多く、宣言の状況にかかわらず、何を基準にして開催の判断をするかが難しかった」と話します。
それでも「まるっと」の再開に向けて、感染予防対策用品や学習テキスト、市販のおやつの購入費用を調達するためにクラウドファンディングに挑戦するなど、活動は継続していました。「資金調達だけでなく、もっと居場所の活動を知ってほしいという思いで2回実施し、どちらも目標額を達成できた。匿名なので想像になるが、『いつもお世話になっています』といったコメントをいただいたので、お子さんの親御さんが寄附してくれたのかも」と感謝しています。

地域住民の声に応えて「まるっと」を再開
休止していた「まるっと」を再開したのは20年9月。きっかけは地域住民から「やらないの?」と声をかけてもらったことでした。カワセミハウス協議会副会長の中村康子さんは「C‐plantの活動は毎月の行事として定着していて、子どもたちも学生と遊ぶことをとても楽しみにしていた」と当時の状況を話します。
そもそもC‐plantがカワセミハウスで活動するようになったのは、中村さんとの出会いがきっかけでした。発足当時の活動場所が使用できなくなった時期に、日野市地域協働課を介して顔がつながり、施設利用に至りました。その後、中村さんの声かけで協議会に参加するようになり、現在は団体として副会長を務めています。協議会は3か月に1度開催されるため、コロナ禍でもつながりが途切れることはありませんでした。手塚さんは「活動できない期間も気にかけてくださり、またカワセミハウスに帰ってもいいんだと思えた」と話します。
再開時には保護者から感謝の気持ちを伝えられたり、再開を待ち望んでいた子どもたちからは「次はいつやるの?」と聞かれたりしたことで、この交流が地域に求められていたことを実感したそうです。手塚さんは「子どもたちも笑顔だったし、何より大学生が楽しんでいて、自分たちが元気をもらえる場だと思った。月イチでも続けることに意義がある活動だと感じた」と言います。新型コロナ以降、長期間にわたってオンライン授業を強いられていた大学生たちにとって、「まるっと」は貴重な「リアル交流」の機会となりました。

学生が地域で活動する意義
大学VCや地域住民は大学生による地域活動の意義をどのように捉えているのでしょうか。
中央大学VCでボランティアコーディネーターを務める開澤裕美さんは、①多様な価値観にふれることができる、②座学と体験がつながり学びが深まる、③この時期にしかできない経験が次につながる、の3点を挙げています。
「大学では年代や学力、生きてきた過程などが似通った人たちが集まってくる。地域の中で年代や背景、考え方などが異なる方と交わる機会があることは、これから社会に出ていく学生にとって大きな刺激になる」と説明します。「地域は自分の学びを体現できる場。大学で学んでいることが『授業で習ったのはこれか!』とリンクして、良い循環が生まれる」と言います。そして「学生時代に地域の方と関わった経験があれば、また地域で活動しようという人も出てくるのでは」と、その後の生き方にも影響する可能性にもふれます。
中村さんは、「自治会も地域団体も高齢化しているが、若者の意見には聞く耳を持っている印象。柔軟な発想にも『こういう考えをしているのか』と新鮮さを持って受け止めており、良い刺激を受けている。若者の力は明るい日差しのようなもので、自分たちの活動も活性化されるのではと思っているように感じる」と、学生が地域で活動することを歓迎しています。

学生と地域をつなぐ際に必要なサポート
中村さんのような地域のキーパーソンとなる方がいる場合には、学生と地域をスムーズにつなぐことができますが、そうでない場合はさまざまな調整が必要になるといいます。
開澤さんは「例えば地域のイベントなどで活動時間が朝6時から夜8時までといった話が来ても、地域の方と違って学生は近所に住んでいるとは限らないので、やりたい気持ちがあってもできないことがある」と言います。「そういう時は、学生の参加時間を8時からにしてもらったり、時間帯を3つに分けたりする工夫が必要。基本的にはお互いがうまくいくように見守り、必要な時には間に入るというスタンスで、意見のすり合わせや情報の整理などをできる範囲でサポートしている」とコーディネートの姿勢を説明します。
中村さんは「地域で活動する際には、住民や関係機関とつながりがあり、情報をたくさん持っている地元のVCの力が必要になってくる」と話します。開澤さんも「地域での受入れ状況などは詳しく分からないので、地域の方からの情報があるとありがたい」と期待を寄せます。
手塚さんは「これまで大学VCと地域の方からたくさんの情報をいただき、大学生の経験値だけでは補えない点や、地元在住者以外には分からない点をサポートしてもらった。そういったつながりがあったからこそ、コロナ禍があってもこの活動を続けられている」と話します。
現在「まるっと」では、カワセミハウスの開設当初に来ていた小学生のうち2人が高校生となり、勉強を教える側として活躍してくれているといいます。手塚さんは「こうした居場所における循環を、C‐plantを起点につくっていけたら」と今後の活動を展望しています。

(注)日野市立カワセミハウス
2017年、JR中央線豊田駅近くにオープンした市立施設。集会室やオープンキッチン、芝生広場などを併設し、誰もが気軽に立ち寄れる居場所をめざす。地域住民や事業者、利用団体等で構成する協議会を設置し、事業を推進している。
(写真 左から 開澤裕美さん、手塚咲来さん、中村康子さん)
(写真 勉強とおやつの後は屋外で思いきり遊ぶ)
(写真 子どもたちの勉強や宿題などを見守る)


--2【Topics】

悩みを聞く若者たちを支援する大切さを多くの人に知ってもらいたい
―特定非営利活動法人Light Ring.

2022年の日本全国の自殺者数は2万1,881人で、前年に比べて874人増加しました。小中高生の自殺者数は514人で、これまで最多だった20年の499人を上回り、過去最多となりました。また、21年の20〜39歳の死因の1位は自殺となっています。このような状況の中、若者の自殺対策事業などに取り組む特定非営利活動法人Light Ring.(ライトリング)にお話を伺いました。

代表理事自身の経験から法人設立に至る
ライトリングは、10年に設立、12年に法人化されました。設立のきっかけは代表理事の石井綾華さん自身の経験です。石井綾華さんが初めて「死」を意識したのは、摂食障害で入院した小学5年生の時です。その後、高校3年生には家族をアルコール依存症で亡くしました。生きづらさや「何もできなかった」という思いを抱えて過ごしてきました。勉強をしていく中で、世界の国々と比べて日本の自殺率が高いことなどを知り、石井綾華さんはその要因の一つに、当事者を専門家だけが助けるという日本の社会構造があるからではないかと考えました。「医師やカウンセラーなど専門家の支援があることに加え、理解してくれる身近な人がいることで支援が続いていき、自死や孤立の予防を可能にするしくみができていく」と話します。
石井綾華さんは「私自身、助かったと思えたのは、母親からの声かけや、退院して学校に戻った時の同級生からの『おかえり』といった何気ない一言だった。身近な人の影響力や可能性はとても大きいと感じている」と言います。

ゲートキーパー育成後の支援を大切に
ライトリングでは、身近な支え手を増やすことを目的に、ゲートキーパーの養成講座を実施しています。
ゲートキーパーとは、自殺の危険を示す変化に気づき、話を聞き、必要な支援につなげることのできる人を指し、特別な資格は必要ありません。小学生から大学生、さらには教職員を対象に、依頼のあった全国の教育機関に出向き、講演を行っています。石井綾華さんは「講演では、自身の精神疾患や障害を公言している芸能人などに触れ、若者の文化や価値観に沿った導入をするよう意識している。関心を持ってもらい、精神疾患や自死への違和感や偏見をなくしてもらうことを心がけている」と話します。約10年間の活動で、育成したゲートキーパーの総数は2万人に上ります。
そして、育成後のゲートキーパーを支援する取組みとして支え手居場所事業「ringS」を、オンラインで開催しています。「ringS」は2部構成で、ゲートキーパーの負担を減らすために必要なセルフケアの大切さなどを伝える講義と、お互いの悩みを共有して意見交換ができる座談会の時間を設けています。年6回開催し、22年度は延べ60〜70人ほどの参加があり、その全員が39歳以下の若者で、約7割が20代でした。また、参加者のうち、すでに身近な誰かを支えている人は約6割、さらに身近な人が「死にたい」という気持ちを抱いている希死念慮者である割合は約2割でした。この状況に対して、石井綾華さんは「ここは『死にたい』気持ちを覚えるほど深刻な状態の人を支えている人が集う居場所になっている。私たちとしてもこの活動を大切にしている」と強調します。
養成講座や「ringS」のほかに、24時間365日ゲートキーパーの悩みを受け止める「オープンチャット」を行い、「自分が支えになれているのか分からない」「支えることがしんどくなってきている」といった相談を受け止め、寄り添っています。公認心理師として活動に関わる石井辰彦さんは「支え手は、どうしても『相手の方が辛いはずなのに』と思ってしまうが、『辛い』という感情を持つことはおかしなことではない。セルフケアの大切さを伝えるようにしている」と言います。続けて「支えている側への支えが必要であることを多くの人に知ってもらいたい」と話します。

身近にいる人ができること
現在、さまざまなSNSやオンラインツールがあり、使い方も多様化しています。石井辰彦さんは「ツールが増え、自分の気持ちを表現しやすくなっているが、身近にいるからこそ察知できるような仕草や日常の変化、言語化されていない気持ちもあると思う。ちょっとした声かけや一緒に過ごす時間が自殺や孤立の予防につながってくる」と言います。
今後について、石井綾華さんは「身近にいる人と専門家が連携して、悩みを抱える人を支援する体制を構築していくことが、自殺や孤立の対策の課題だと捉えている」と話します。石井辰彦さんは「ゲートキーパーに限らず、相談を受けたり支援をしている対人援助職の方々には、自分自身のケアを大切にしてほしいと強く願っている。支え手側も相談して良いということを忘れないでほしい」と、思いを語ります。

(写真 代表理事 石井綾華さん)
(グラフ 厚生労働省自殺対策推進室・警察庁生活安全局生活安全企画課「令和4年中における自殺の状況(令和5年3月14日)」をもとに作成)
(写真 公認心理師 石井辰彦さん)
(QRコード 特定非営利活動法人 Light Ring.ホームページ)


--3【連載 ネットワークを活かした地域公益活動】

きよせの社福で踏み出す 地域に向けた新たな一歩(清瀬市)

清瀬市内の社会福祉法人が連携して、地域に向けて取り組む「清瀬市社会福祉法人 社会貢献事業協議会(以下、きよせの社福)」。今回は、新型コロナによる活動への影響や新たに取り組み始めた「はたらく相談会」等について、事務局を担う清瀬市社会福祉協議会(以下、清瀬市社協)にお聞きしました。

◆地域に掲げる4つの役割
清瀬市内の22の社会福祉法人が連携して地域公益活動を推進する「きよせの社福」は2017年に発足しました。地域へ4つの役割を掲げ、これまで必要な取組みを模索してきました。その一つである相談支援は、約30か所の福祉施設や病院が「ひとまず相談窓口」を設け、身近な相談先の一つとして市民の多様な思いを受け止めることをめざしています。また、地域に取組みが浸透していくよう広報・情報発信にも注力しながら、福祉教育や地域活動の応援などをすすめてきました。「設立当初より、多くの法人にネットワークに関わってもらうこと。そして、各法人がすでに持っている機能を地域に還元していける方法で取り組むことをめざした」と事務局次長の星野孝彦さんが話すように、それぞれの法人が強みを活かしながら主体的に関わっていけることを事務局としては大切にしてきました。

◆課題やニーズを共有することから
発足以降取り組んでいた活動は、新型コロナにより一定期間活動を中止せざるを得ない状況に至ります。地域福祉係長の富田千秋さんは、「先が見えない中、どの法人も利用者をどう守るか、本来事業をどう継続していくかが最優先の課題であった。そんな状況下で、横のつながりが一体どうやってできるのかを模索していた」と当時を振り返ります。そのため、オンラインの整備状況に関するアンケートを実施し、20年8月にはオンラインと会場を併用し顔を合わせる場を実現。きよせの社福として20年度は無理に動かず、情報共有の場をゆるやかに継続していくことを第一としました。
法人間の情報共有や清瀬市社協が実施していた特例貸付により、これまで把握できていなかった経済的不安を抱えている人や長期的に就労につながっていない人等がみえてきたといいます。浮き彫りになった地域課題を前に、きよせの社福として何ができるのか。代表者会を中心に、ニーズや課題の共有を継続しながら、各法人に取組みに関するアンケートを行い、具体的な検討を21年度はすすめました。結果、「生活困窮者への支援」と「災害等の有事の際の相互協力体制づくり」の2テーマを設定し、新たに部会を立ち上げて取り組んでいくことになりました。
この間、ネットワーク全体の動き以外にも、児童養護施設の若者を特別養護老人ホームがアルバイト雇用で受け入れるほか、法人協働によるフードドライブ等も実施されました。ネットワークで築いてきた顔の見える関係だからこそ、施設の種別を超えてコロナ禍のニーズや課題に対応することができたといいます。

◆それぞれの関わり方でつくる〝はたらく〟相談会
生活困窮者への支援を検討する部会では、関係機関からも相談動向等を共有してもらい、必要な取組みを考えていきました。富田さんは、「検討をすすめる中で、支援には『はたらく場・食や生活支援・相談』の3つが必要と考え、これまで取り組んできた『ひとまず相談』の機能に〝はたらく場〟をプラスした『はたらく相談会』の開催につながった」と話します。
21~22年度にわたり準備をすすめ、23年2月に「はたらく相談会」を開催。各法人は事前の広報や当日の相談対応・運営など可能なかたちで関わり、当日は行政やハローワーク等の関係機関と協力して運営しました。生活困窮や不安定な就労状況、就労や社会経験が乏しい方等を対象とし、ひとまず相談窓口や体験相談コーナー等(注)が設けられました。相談者は20代~70代で、就労機関や職場体験につながったケースもありました。当日相談を受けた星野さんは「相談者をみると、何らかの背景を抱えている方が多数。相談者は10名であったが、一定の成果があったのではないかと捉えている。また、関わった社会福祉法人が取り組む意義を感じてもらえたのではないか」と話します。分野を超えて交流できる場ともなり、参加スタッフからは「地域に一歩出て、相談を受けることは良かった」との声も聞かれました。

◆コロナ禍での取組みをもとに、地域へ取り組んでいく
今回の相談会を通じて、「同じ人をみていても、分野で着目するポイントが違うと感じた。1つの事業所で完結せず、他分野がつながることが強みになる。そうした強みを活かした取組みを広げていければ」と、富田さんは協働して取り組む大切さを再認識しています。また、これまでの取組みを経て、「社協として各法人とゆるやかに関わりがあったが、社会貢献というテーマを中心に据えてネットワークを形成したことで地域の取組みに対して声かけがしやすくなり、反応も良くなってきた。きよせの社福を通じて、法人が地域に対して取り組むという意識が潜在的に推進されたのではと思う。少しずつネットワークの取組みをすすめることで、地域のかたちができつつある」と星野さんは実感しています。
一時は中止となっていた定例会等も現在は再開し、はたらく相談会の次回開催や法人同士での学び合う場の検討などがすすめられています。今年度は顔を合わせる機会を大切に、きよせの社福は地域に向けて動き続けています。

(写真 左から 清瀬市社会福祉協議会 地域福祉係長 富田 千秋さん、 事務局長 新井 勘資さん、事務局次長 星野 孝彦さん)
(QRコード 「きよせの社福」の立ち上げ時にも取材しています!(ポータルサイト))
(QRコード 地域公益活動推進協議会HPでは「きよせの社福」の取組みを随時掲載中です)
(注)「はたらく相談会」当日のレイアウト
(写真 はたらく相談会当日は施設紹介のブースも設けられました)


--4【東社協発】

『夏の体験ボランティア』キャンペーン2023 参加者大募集!!

『夏の体験ボランティア』キャンペーン(通称『夏ボラ』)は、ボランティア活動に関心があるけれど、普段なかなか〝きっかけ〟がないという方々のために、7月から9月の夏の期間を利用して、子どもやご高齢の方、障がいのある方との交流や、国際協力、環境保護など、さまざまなボランティア活動の中から、自分に合いそうなものを選んで参加できる企画です。
今年は、4年ぶりに全都的なキャンペーンとして都内の区市町村ボランティア・市民活動センター(以下、センター)と実施します。新しい出会いや気づき、学び、感動、そして、たくさんの笑顔が、皆さんの今年の夏を特別なものにしてくれるはずです。ぜひご参加ください!
▽参加対象
初心者・経験者を問わず、ボランティア活動を体験してみたいと思う方は、どなたでも参加できます。
各センターや活動先によっては、対象年齢やその区市町村に在住・在学・在勤の方に限定するなど、参加条件がある場合があります。
▽参加方法
『夏ボラ』は、2通りの参加の方法があります。両方に参加することも可能です。
1.身近なセンターの『夏ボラ』
住んでいる地域や働いている地域など、身近なところで活動したいと考えている方は、地域のセンターに連絡してください。センターがたくさんの活動をご用意しています。
2.東京ボランティア・市民活動センター(TVAC)の『夏ボラ』
福祉・環境・国際協力などのさまざまな分野や都内外の活動、親子で参加できる活動、自宅やオンラインでできる活動(リモート・ボランティア)もご用意しています。

詳細は、東京ボランティア・市民活動センターのホームページにある『夏ボラ』特設サイト(QRコード)をご覧ください。(6月15日頃公開予定)

『ふくし実践事例ポータル』では、地域の多様な主体による取組みを発信しています!

  東京都社会福祉協議会「ふくし実践事例ポータル」では、社会福祉にかかわる施設や事業所、そして区市町村社会福祉協議会、地域の方々などによる先進的な福祉にかかわる実践事例等を発信しています。さまざまな主体による実践事例を蓄積することを通じて、地域で活動する方々が、今後生じる類似課題への対応や、新たな実践の参考として活用いただけることをめざしています。
毎月4~5本の記事を定期的に掲載し、現在600以上の事例を掲載しています。「防災・減災に向けた地域の取組み」や「重層的支援体制整備事業」等のテーマごとに取組みをまとめており、関連性の高い記事を幅広くご覧いただけます。また、各記事には「地域公益活動」「居場所」「子ども」といったタグをそれぞれ設定しているので、タグを用いた検索やフリーワードでの検索も可能です。
そして、福祉広報では載せきれなかったお話や写真も掲載しておりますので、福祉広報と合わせて「ふくし実践事例ポータル」もお読みいただくと、それぞれの取組みについてより理解を深めることができます。本サイトが皆様にとって、地域課題やさまざまな主体による地域に向けた取組みを知る場、また地域に向けた新たな取組みへの一助となるよう今後も引き続き情報発信をしてまいります。

問合せ:総務部企画担当 TEL:03-3268-7171

企画担当では各媒体で情報発信しています!

メールマガジン
毎週金曜日配信。東社協の最新情報に加え、国や東京都の福祉に関わる情報もあわせて掲載しています! 1週間単位での情報収集にご活用いただけますと幸いです。
(QRコード メールマガジン購読)

Facebook
週2回を目安に、東社協の各事業のタイムリーな情報や、福祉広報の取材時のメモ等を投稿しています! 投稿へのリアクションやページのフォローお待ちしています。
(QRコード 企画担当Facebook) 

【寄附のカタチ】東京善意銀行事業のご案内 ~福祉施設への助成について~

皆様からいただいた寄附金は、福祉施設に助成をするために活用しています。各施設では助成金で車いすや家電製品などを購入し、利用者の支援に役立てています。令和4年度は初めての試みとして、コロナ禍で減少した施設利用者の交流活動費の助成も行い、全体では計139施設に2,431万6,034円を配分しました(注)。
東京善意銀行では今後も福祉施設を利用する方の生活が豊かなものとなるよう、寄附の協力者を増やせるよう取り組んでまいります。

(注)助成対象となる施設には条件があります。
(写真 助成金を活用し、音楽療法士によるレクリエーションを実施した高齢者施設。利用者が皆でハンドベルを演奏し、音を合わせて楽しまれたそうです。)

東社協中期計画レポート4 ~東京の多様性を活かした“地域共生社会”を一歩前へ~

「令和4~6(2022~2024)年度東社協中期計画」の中から、重点事業「新任職員の育成・定着促進のための研修の実施」の取組みについてお伝えします。
【取組みの方向性2】
 福祉人材の確保・育成・定着の推進
① 転職者等の未経験者を福祉職場に積極的に導く取組みを推進する。
② 誰もが働きやすい職場環境づくりを推進する。
東京都福祉人材センター研修室(以下、研修室)では、今年度、中期計画の重点事業として各事業所が組織として新任職員の育成および職場への定着に取り組めるように、事業所を対象とした新たな研修を実施します。
この研修は、人材の定着・育成を組織として考える立場にある管理職員やチームリーダーの方、新任職員の定着・育成に関する業務(採用/人事/職場内研修/OJT等)の担当者を受講対象としたプログラムになっています。「新任職員の定着・育成入門研修」として、職員の定着・育成に取り組む際に直面する幅広い課題や、自組織の課題を整理するための手法を学ぶことを目的に収録型WEB研修で行います。
研修室では本研修を加えた新たな研修体系を構築して、誰もが働きやすい職場環境づくりを推進します。

東京都福祉人材センター研修室 TEL:03-5800-3335
東社協研修受付システム【けんとくん】
(QRコード 研修案内&受講申込みのページ)
「新任職員の定着・育成入門研修」6/29(木)まで申込受付中


--5【おしごと通信】

一人ひとりとの関わりを大切に、子どもたちの成長を見ていきたい

ひばり保育園で保育士として働いて6年目となる長谷川載莉子さんに、保育士を志したきっかけや、子どもたちと関わる上で大切にしていることを伺いました。

子どもたちの成長を見られるのが大きなやりがい
幼い頃、自分が通っていた保育園が同じ法人の豊川保育園でした。母にはよく「あなたは保育園に育てられたようなものよ」と言われていて、私にとっても保育園は楽しい思い出の場所でした。
昔から子どもが好きで、中学時代の職場体験では保育園に行きました。自然と保育士になりたいという思いが湧き、大学は保育系の学部で学びました。新卒からひばり保育園で働いて、今年で6年目になります。
昨年度までは年長クラスを担当していました。年度初めは、子どもたちがお互いのことに関心を持つ様子があまり見られず、他の子が泣いていても気にかけていないことなどが気になっていました。もう一人の担任と相談しながら、どうすればクラスの仲間意識が芽生え、仲の良い子以外にも目が向くか考えました。そして、一つの試みとして当番活動を取り入れてみました。子どもたちが毎日交代で、その日のクラスの人数を確認して事務所の大人に伝えたり、今日の献立をみんなに発表する等、それまで担任がやっていたことを、〝小さなミッション〟として行っていくことにしたんです。すると、責任感が出てきたのか「丸丸くんと丸丸くんがけんかしていたから僕が止めて話を聞いたんだよ」と、友達のことを気にかける様子が見られるようになりました。ほかにも、友達の良いところを見つけてみんなに伝えたり、当番ではない日もお互いを気にかけて行動する姿が増えていきました。そんな子どもたちの変化を保護者の方と共有して、嬉しさを分かち合えることに、保育士としてやりがいを感じています。

先生同士、支え合っているから頑張れる
昨年度は特に、1年を通して周りの職員にとても支えられました。もう一人の担任とは、二人とも年長クラスの担当は初めてでしたが、同じ立場だからこそ協力し、フレッシュな気持ちで新しいことに挑戦できたと思います。何より、ひばり保育園の職員は、後輩職員のことを常に気にかけてくれるので、分からないことや悩みがあれば気軽に相談できます。クラスの運営がうまくいかない日や、周りの先生たちと比べて落ち込むようなことがあっても、先輩が「失敗したっていいんだよ」と力強く声をかけて、心を軽くしてくれます。そんな雰囲気の良い職場だから、続けてこられたのだと思います。みんなが気持ち良く働くにはどうしたら良いか日々話し合いながら、働きやすい環境をつくっています。

長く続けることで得られたもの
新人の時は、とにかく全員が怪我なく1日を終えられるようにということで頭がいっぱいでした。6年目になった今、ようやく少しは周りを見て働けるようになってきたと思います。命を預かる仕事なので常に気は張っていますし、大変なこともあります。でも長く続けていると、卒園していった子が私を覚えていて、散歩中に会うと声をかけてくれたり、保護者の方に「先生が担任でよかった」と言ってもらえたり、そんな嬉しい瞬間にも出会えます。また、いろんな年齢のクラスを担当して、以前より1年の見通しが立つようになり、経験を積んだからこその視点が持てるようになりました。何十人もの園児を同時に見ているので、つい目の前の業務に追われてしまいがちですが、子どもたち「一人一人との関わり」は大切にしたいと思っています。子どもたちから聞かれたことは、どんなに小さな疑問でも、ただ答えを提供するのではなく、一緒に考えてみる。そんな姿勢を忘れずにいたいです。

(写真 長谷川  載莉子さん Noriko Hasegawa 社会福祉法人豊川保育園 ひばり保育園 保育士)


--6【くらし今ひと】

子どもたちの未来、親たちの未来が笑顔あふれるものに

ひとり頑張るお父さん、お母さんたちが親子で実りのある人生を送るために、さまざまな活動を続ける立川市ひとり親家庭福祉会「立川みらい」会長の篠原輝美さんにお話を伺いました。

◆縁もゆかりもない場所での新たな出会いが、今の私につながる
子どもが小学校に上がる前の一月に夫の激しい暴力で生死の危機にさらされ、保護され縁もゆかりもない立川市に移り住みました。二か月しか通わなかった保育園の卒園式で偶然二人のシングルマザーと知り合い、何かと助けてもらいながら子育てをしました。二人がいなければ、今の私たちはどうなっていたのかと思います。
急な残業で22時まで、一年生の子どもを一人で留守番させ、お腹を空かせて机の下で眠るのを目にする日々。27年前の話です。友人たちがコンビニ弁当を届けてくれたり、遊びに連れて行ってくれたり、孤独で不安で押しつぶされそうな時を支えてくれました。そんな中、立川市の母子会「立川みらい」の前身である立川マザーズに、知人に誘われて入会したのが今に至るきっかけです。

◆一人で悩みを抱えるひとり親の助けになりたい
当初は何となく同じ立場で子どもを連れて楽しく過ごせると良いなぁというくらいの気持ちで会に参加していました。その頃は自分の生活に追われ、他者を構う余裕などなかったのです。途中で退会したこともありました。再度知人に誘われ出戻り、いろんなお母さんたちとの交流や、母子会存続の問題にも関わることで、会への意識も変わってきました。そうして運営にも携わるようになり、副会長となった時期に立川市で母子の孤独死事件があり、マスコミでも大きく報じられました。立場は違えど私も、DVで逃げ隠れして誰も手を差し伸べてくれなかったら、孤独死の親子は自分だったかもしれないと強く衝撃をうけたのです。
同じ悩みを持つ親子はいる。きっとつながりたい親子はいる。一度は会員がいなくなり潰れかけた会ですが、「絶対に必要な居場所」だと思い、先代の会長に色々と教えてもらいながら、ひとり親に認知してもらうことをめざしてきました。会長になった際は、自分に務まるだろうかと不安でしたが「ひとり親のお父さん、お母さんが幸せにならないと子どもは幸せにならない。みんなが笑顔になれる団体にしたい」、その思いで会長を引き継ぎ、務めてきました。
会の活動は口コミでも広がり、現在は母子家庭122世帯、父子家庭8世帯の130世帯が会員に登録してくれています。電話やLINEを通じたひとり親のメンタルケアや、会員同士の交流の場づくりなど幅広く活動を展開しています。また、現在、約70世帯に向けた月2回の食品配布や無料学習塾「立川みらい塾」の開催、ひとり親の情報交換の場である「おしゃべりカフェ」の開催など幅広く行っています。

◆お互い様、おかげ様の気持ちで支え合う
当団体には、自立しキャリアを伸ばしていく人、子どもの発達や自身の発達に悩みを抱えている人、外国のルーツを持つ人、さまざまな方たちが会員になっています。仲間として互いの違いを理解し合い、お互い様だからとみんなが手伝ってくれる様子を見ていると、この活動に未来を感じます。子どもたちが大きくなり、親子が団体から離れてしまっても、思い出の中で「ふるさと」のような温かい場所であればいいな、と思っています。「『立川みらい』で過ごした時間は楽しかった」とか「辛いことも多かったけど、『立川みらい』で救われたな」と思ってもらえるようにすすんでいきたいです。

(写真 学習支援として行う、無料学習塾「立川みらい」)
(QRコード ポータルサイトでより詳しい取組み内容や思いについて掲載しています!)

以上で、福祉広報2023年6月号を終わります。

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