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東京都社会福祉協議会

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福祉広報 2023年2月 769号 テキストデータ

【表紙】
北海道 名寄市
体と心をはぐくむ
「はだしの教育」で有名な中名寄小学校。
昼休み、雪いっぱいの校庭で走って転んで、走りまくる。


社会福祉NOW 
コロナ禍で顕在化した地域課題への対応方策

トピックス 
小さく生まれた子どもとその家族の思いを支える
みらいbaby

【連載】防災・減災に向けた地域の取組み⑥ 
防災への意識を高め、顔の見える関係性を築く
― 「やさしい日本語」による外国籍住民への防災訓練の取組み

福祉のおしごと通信 
企業で培った感覚も忘れずに、利用者の「働く」をサポートする
NPO法人わかくさ福祉会 障害者就業・生活支援センターTALANT(タラント)
就業支援担当者 深川 薫さん


【NOW】
コロナ禍で顕在化した地域課題への対応方策

コロナ禍で、これまで把握されていなかった新たな地域課題が顕在化しています。これらの課題は複雑化、複合化しており、解決に向けては、地域住民や地域における多様な機関、関係者の連携が不可欠です。今号では、東社協が実施した「コロナ禍で顕在化した地域課題への区市町村社協の取組み状況アンケート調査」の結果から、コロナ禍で顕在化した地域課題とその解決に向けた取組みについてお伝えします。
東社協では、2022年9月に、都内の区市町村社協に対して標記調査を実施し、全62社協から回答を得ました。この調査は、21年度に実施した「重層的支援体制整備事業にかかわる取組みおよびコロナ禍における地域課題に関する状況 区市町村社協アンケート」の結果より明らかになった4つの地域課題①コロナ禍の日常生活の長期にわたる変化に伴う高齢者、障害者、子どもたちへの今後の影響、②これまでは把握されていなかったが、コロナ禍で顕在化した新たな地域課題、③地域活動の担い手と今後の活動のあり方への影響、④情報格差への対応のうち、②と③の課題について、現在の具体的な状況と主な取組みを把握し、共有することを目的に実施しました。

1 これまでは把握されていなかったが、コロナ禍で顕在化した新たな地域課題
〈外国籍の居住者に関する課題〉

生活福祉資金特例貸付の申請等を通して、地域に多くの外国籍住民がいることを把握しました。外国籍住民には、在留資格によって公的支援に限界がある上に、日本語の理解や、母国にない制度や支援のしくみの理解が難しく、「サービス利用や資源の活用につながりにくい」、「地域のコミュニティとのつながりが不足している」などの課題があります。また、そのために、特に外国にルーツを持つ子どもたちの学習面、生活面の課題が浮き彫りになりました。そこで、自治会・町会とつながりをつくる取組みなどが始まり、外国にルーツを持つ子に対しては、孤立の解消も視点においた学習支援も実施しています。

〈生活困窮者支援や生活福祉資金特例貸付を通じて把握した課題〉
生活困窮者支援や生活福祉資金特例貸付への相談の中には、経済的困窮以外の複合的な課題を抱えているケースも多く見られます。貸付だけでは生活の立て直しが困難な人や、相談や支援に自らたどり着けない人、支援を拒否する人もいて、食支援や貸付などの対処療法的な支援だけでは、根本的な解決につながらないことがあります。学生の生活困窮のように、潜在化していて把握が難しいケースもあり、さまざまな手段での支援が必要です。例えば、「フードパントリーと相談をセットで展開する」、「食支援の申込書に困りごとを記入する」などの工夫が見られます。自立相談支援機関や、生活福祉資金の担当と地域福祉コーディネーター等(CSWを含む)の連携も必要です。

〈子育て家庭や子ども・若者分野の課題〉
親族等からの手助けが求めにくくなったことや外出自粛の影響による生活様式の変化により、子育て家庭の孤立感や負担感は増しています。ひとり親家庭を中心に生活困窮の世帯も多く見られます。休校やオンライン授業、多くの行事や体験の機会の喪失などにより、不登校や他者と上手く関われない子どもも増えました。特に、小学校高学年から中高生など高年齢の子どもや、若者を対象にした居場所や相談窓口が不足しています。地域では、見守りも兼ねた食支援や大学生と地域の子どもがつながる学習支援など、孤立を防ぐ取組みが広がっています。

〈複合的な課題を抱える家庭に関する課題〉
コロナ禍による孤立や困窮が課題をより複雑にし、さらにサロンなどの対面で課題を発見する機会が減少したことで、顕在化した時には深刻になっているケースも増えています。また、複数の課題を抱えた世帯が支援を拒否することも多く、その対応に苦慮している様子も見られました。このような課題は、単一の機関で解決することは困難であり、関係機関の連携が必要です。地域福祉コーディネーター等がつなぎ役となったり、重層的支援体制整備事業の活用により、解決に向け、取り組み始めた地域もあります。

2 地域活動の担い手と今後の活動のあり方への影響
〈コロナ禍で停止した地域活動の再開に関する課題〉

コロナ禍で、多くの地域活動が従来どおりの方法では実施できなくなり、いまだに停止したままの活動もあります。停止期間の長期化で活動者のモチベーションが低下し、解散したり運営ノウハウが引き継がれないという課題も出てきました。新型コロナに関しては、考え方や意識に差があるため、再開については一番慎重な意見に合わせている様子もうかがえます。担い手側に再開の気持ちがあっても、活動場所の確保が難しい場合もあります。そこで、社協では活動者同士の情報交換やアンケートを通して、活動の工夫を共有したり、新しい層を地域活動に取り込む支援を実施しています。

〈地域活動への若手の参加や大学、企業等との連携に関する課題〉
コロナ禍前に学生と連携していた活動については、学校側の課外活動の制限や活動そのものの中止により、これまでの取組みが引き継がれず、地域と学生のつながりの再構築が必要になっています。もともと入れ替わりのある学生の活動は、継続性に課題がありましたが、コロナ禍で活動の存続がより困難になっています。企業との連携は食支援などを通じてすすんだ面もあります。これらに対して、地域活動と大学、企業をコーディネートし、それぞれの得意分野を活かしてもらえる活動を創出したり、企業同士、学生同士をつなげたりする取組みも見られました。

〈小中高生等の次世代育成や福祉教育に関する課題〉
小中高生のボランティアや福祉教育の機会が減少しています。座学は再開しても体験の場がなかったり、地域と連携することなく、教員が教えるケースが増えました。また、地域のお祭りなども中止となり、世代を超えた交流の機会も減っています。次世代教育や福祉教育については、以前から期間限定のイベントや単発のものが多く、継続性のある取組みへの展開が課題でしたが、コロナ禍を機にオンラインの活用や学校教育の変化に対応したプログラムを開発する取組みが見られました。
                                                                                                                          
これらの顕在化した地域課題に対して、社協では、地域福祉コーディネーター等による取組みを中心に対応しています。しかし、多くの課題は複雑化、複合化しており、社協だけでの解決は困難です。各自治体で整備がすすめられている重層的支援体制整備事業や社会福祉法人のネットワークによる取組みを活用するなど、多様な主体と課題を共有し、連携・協働していくことが求められています。 

コロナ禍で顕在化した地域課題への対応方策
~コロナ禍で顕在化した地域課題への区市町村社協の取組み状況アンケート結果報告書~

【トピックス】
小さく生まれた子どもとその家族の思いを支える
▼ みらいbaby

現在、日本では約10人に一人が、低出生体重児(2,500g未満で生まれた子ども)として生まれています。小さく生まれると合併症や発達の遅れの可能性等のリスクがあり、家族にはさまざまな不安や悩みが生まれます。
小さく生まれた子どもとその家族が暮らしやすい社会をめざして東京を中心に活動を行う「みらいbaby」代表理事の羽布津碧さんと副代表の櫻田智子さんにお話を伺いました。

当事者の不安や悩みは幅広い
みらいbabyは、低出生体重児の母親である羽布津さんの経験がきっかけとなって、2021年5月に立ち上げられました。ダウン症や心臓病の子どもの家族会などはある一方で、「小さく生まれた」子どもの家族同士が話せる機会は少なく、居場所がないと感じていたからです。
櫻田さんはSNSで羽布津さんの活動参加の呼びかけを知り、参加を決めました。櫻田さんも子どもを2,500g未満で出産しました。「NICU(新生児集中治療室)では生死に関わる状況のお子さんもいるため、気軽に声をかけにくい。心のうちを話せる居場所がない」と話します。
小さく生まれた子どもを持つ家族が抱える悩みや不安は、幅広くあります。例えば、未熟性の高い子どもの多くはNICUに入院しますが、入院中、家族は面会に通わなければなりません。現在はコロナ禍でもあり、その時間は制限されています。また、早産で産まれた赤ちゃんのためには母乳が必要ですが、搾乳機で母乳を絞り冷凍して毎日のように病院へ運ぶことは、心身共に回復していない産後の体では大変な苦労があります。そのような状況が続くと「私は何をやっているんだろう。本当に子どもを生んだんだっけ?」と感じる人もいると言います。
「小さく生んでしまったことで自分を責めるママも多い。その気持ちから回復したい、自分の子どもを自分でお世話したいのにできないと話す人もいる」と羽布津さんは言います。標準的な体重・週数で生まれた子どもの子育てには当てはまらないこともあり、情報が集めにくいことも大きな課題です。

情報交換できる場としての交流会
みらいbabyでは月2回程、オンラインと対面にて交流会を行っています。子どもが入院中の方から2歳の子を育てる方を中心に、子どもが小学生になる方や自身が小さく生まれた方など、都内外から幅広く参加があります。羽布津さんは「例えば出産したばかりで今は誰とも話したくない方でも、そのうち話せる場があると思えるだけでも気持ちが楽になると思っている」と、定期的にこの交流会を開催することを心掛けています。
交流会では、例えば在宅酸素を載せるベビーカーはどれが良いか等、当事者ならではの具体的な質問が出ます。開催後のアンケートでは「同じような境遇の人に初めて会った」「当事者の方と会って話せたことが嬉しかった」という声が多く聞かれます。

医療、行政と手を取り合って一緒に地域で育てていきたい
櫻田さんは「赤ちゃんが退院してからでないと産後ケアを受けられなかったり、障害児枠で保育園に入園できるかどうか地域によって対応の差が大きかったりする課題もある」と言います。そうした状況では、特に母親の仕事復帰が難しかったり、本当は2人目が欲しいのに諦めてしまうことにつながってしまいます。「子どもが小さく生まれても仕事を継続したいママや、『私が小さく生んでしまったから自分が一生面倒見なければいけないし、仕事なんてしてはいけないんだ』と思うママもいる。こういう気持ちをまずは知ってほしい」と羽布津さんは言います。
櫻田さんは「医療、行政と当事者が一緒になって、その地域でその子を育てるものだと思うので、同じ方向を向けたら有難い」と話します。
羽布津さんも「家族会があればすべてOKではなく、私たちも限界がある。同じように医療にも行政にも限界があると思うので、地域で子どもたちが楽しく生きていけるように一緒に手をつなぎませんか?」と語りかけます。
医療・福祉関係者には、家族の気持ちに配慮した対応や、小さく生まれた子どもも含めて色々な子どもがいることを視野に入れることが大切です。
リトルベビーハンドブックというサポートブックが発行されている自治体もあります。今後、羽布津さんは当事者のニーズ調査から始め、リトルベビーハンドブックの形を含めた支援ツールの作成を検討しています。

みらいbaby代表理事 羽布津碧さん 副代表 櫻田智子さん

「みらいbaby」ホームページ



【マンスリー】2022.12.26 - 2023.1.25
12/26
「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」を公表
厚労省は、全国の母子世帯4,105世帯、父子世帯1,329世帯、養育者世帯123世帯を対象として実施した「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」を公表。母子世帯の母の平均年間就労収入は増えているものの、236万円にとどまる。父子世帯の父の平均年間就労収入も増えており、496万円となっていることが明らかになった。
12/23
こども家庭庁の概要を発表
内閣官房こども家庭庁設立準備室は、4月に発足するこども家庭庁の概要を発表した。長官官房、こども成育局、こども支援局(仮称)の1官房2局を置き、国立の児童自立支援施設も合わせて430人体制になる。
12/23
高齢者虐待の判断件数は739件で、
過去最多を更新
厚労省は、令和3年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果を公表。高齢者虐待と認められた件数は、養介護施設従事者等によるものが739件(前年度比24%増)で過去最多となった。虐待の発生要因は「教育・知識・介護技術等に関する問題」が56.2%で最も多い。家族等の養護者による虐待件数は1万6,426件(前年度比5%減)で、高止まり傾向にある。
1/13
「令和4年度民生委員・児童委員の一斉改選結果」を公表
厚労省は、全国の民生委員・児童委員について、令和4年11月30日に3年間の任期が終了し、12月1日に一斉に改選された結果を公表。定数は24万547人で、前回改選時の令和元年は23万9,682人。委嘱数は22万5,356人で、前回改選時の令和元年は22万8,206人。そのうち、新任委員は7万2,070人(32.0%)、再任委員15万3,286人(68.0%)となっている。




【連載】防災・減災に向けた地域の取組み6
今号では「地域を知る、災害を知る」という視点から、防災・減災意識の向上と外国人の多く住む地域の活性化を目的とした取組みをお伝えします。

防災への意識を高め、顔の見える関係性を築く
―「やさしい日本語」による外国籍住民への防災訓練の取組み

災害時の不安を取り除き、顔の見える関係づくりに向けて

中野区鷺宮西住宅は19棟に約686世帯が暮らす団地で、約4分の1がネパールや中国をはじめとする外国籍住民です。近くに日本語学校があるため、若年層が多く、ほとんどが子育て世帯です。一方、もともとそこに住む日本人の世帯は高齢化がすすんでいます。
また自治会への加入は310世帯まで減少し、そのうち外国籍世帯はわずかです。鷺宮西住宅自治会副会長の濵田勝江さんは「このままでは、自治会運営が難しいので、多くの外国籍住民に自治会の運営に関わってもらい、一緒に地域コミュニティを構築していきたい」と話します。
自治会では、これまで外国籍住民と十分なコミュニケーションが取れていないことを懸念しており、「防災」をきっかけに交流の機会をつくりたいと考えました。そこで、中野区社協の支援を得て、NPO法人HATI JAPANが開催する「やさしい日本語」の勉強会を自治会役員のメンバーで行いました。
さらに、高齢化がすすむ自治会のあり方を検討している時に、中野区役所の地域支えあい推進部の支援を得て、(一財)東京都つながり創生財団の「町会・自治会応援キャラバン(※)」事業を知りました。この事業は、町会・自治会の困りごとの解決をめざして、具体的な対応策の提案から事業実施までを密にサポートしています。同自治会では、この事業を活用して「住民の高齢化、自治会加入者が減少していること」や「外国籍住民と共に、防災訓練を行うことで交流を深めたい」といった相談をしました。つながり創生財団は、外国籍住民目線での企画を取り入れた事業提案書を自治会に提出し、具体的な段取りやサポートを行い、外国人でも分かりやすい「やさしい日本語」を使ったチラシを作成。事前に配布され、外国籍住民へ防災訓練の周知につながりました。自治会は、これまでもつながっていた野方警察署や中野区社協などの協力を得て防災訓練「防災ミニトレーニング」の実施に至りました。

多くの外国籍住民が楽しんで参加
2022年9月25日、鷺宮西住宅中央児童公園で防災訓練が行われました。地域の外国人など、およそ220人が参加し、団地に住む外国籍住民は137人が参加しました。野方消防署や警察署立会いのもと、起震車や水消火器の体験、災害時のトイレの使い方の解説、家具転倒防止クイズなど、地域住民へ防災体験や啓発活動が行われました。中野区国際交流協会により派遣された通訳のボランティアをはじめ、日本語教室のスタッフが、外国人のサポートを行ったほか、「やさしい日本語」でのアナウンスとともに、防災品の使い方を解説した看板も置かれました。参加した外国籍住民からは「自治会に興味がわいたので、参加したい」「もっとこうした機会があったらいい」「いろいろな防災対策があり、楽しかった」など、アンケートには好意的な声が多く集まり、防災に関心を持つきっかけとなったことがうかがえたといいます。濵田さんは「どうすれば外国籍住民にも防災に興味を持ってもらえるか考えていたが『やさしい日本語』を活用することで、彼らにも日頃の防災対策や地震などの緊急時の対応を学んでもらうことができた」と振り返ります。

多文化共生の観点からの防災対策と自治会の活性化
今回の防災訓練の企画から実施まで濵田さんをサポートしてきた、つながり創生財団共助推進課課長代理の湯田元子さんは「外国人だけでなく、多くの住民に働きかけることで自治会の担い手不足を解消するサポートをすることが事業の目的。日頃から顔の見える関係性を築き、支援を続けて町会・自治会の活性化のお手伝いをしたい。周囲の企業・団体、地域の組織同士でも顔の見える関係になるように意識している」と話します。
多文化共生課課長代理の江坂静子さんは「外国籍住民は、災害時や新型コロナの蔓延など危機的状況になると途端に弱い立場になってしまう。平常時から、お互いを理解する関係づくりが大切だと思うので、〝外国籍〟ということを過度に意識せず『やさしい日本語』を使い、外国籍住民と向かい合うことができればより良い関係が築けるのでは」と話します。

ちょっとした心遣いで災害に強いまちづくりを実現する
今回、災害時の外国人支援という共通の目的で、さまざまな団体が協力して防災訓練の実現に至りました。
江坂さんは「多様性に配慮して、誰でも参加できる地域づくりをめざすことで、災害に強いまちになる。地域住民一人ひとりがお互いにちょっと気を遣うことで『やさしいまちづくり』が実現すると思う」と話します。
今回の防災訓練をきっかけに、外国籍住民からは自治会の中の取組みである「防災会」への加入を希望する声が出ています。一方、自治会からは外国籍世帯へ分かりやすい日本語で積極的に働きかけていこうとの意見も出てきました。濵田さんは「今回の防災訓練で外国籍住民に『防災』の重要性を今まで以上に伝えることができた。防災は地域の取組みが必要。日常的に顔の見える関係が災害時には役立つ。そのために、外国籍住民と地域でつながることが、より一層求められる。一回だけでなく継続してこの課題に取り組みたい」と語ります。

(左から)
つながり創生財団多文化共生課
課長代理 江坂静子さん
鷺宮西住宅自治会
副会長 濵田勝江さん
つながり創生財団共助推進課
課長代理 湯田元子さん

(※)「個別相談会」で町会の課題や悩み事を聞き取り、事業の企画から実施までトータルに伴走支援する事業。2022年度は中野区・三鷹市・町田市と連携して実施。
起震車に乗って震災時の揺れを体験
「やさしい日本語」を用いて消火方法を説明
目標物に向かって水消火器を放つ体験


【東社協発】

福祉の仕事就職フォーラムのご案内
福祉系合同就職説明会「福祉の仕事就職フォーラム」を東京国際フォーラムにて開催します。福祉の仕事に興味がある方は多くの法人に出会う機会ですので、特設サイトをご確認の上、ぜひご参加ください。
《イベント概要》
日 時 3月5日(日)12時~17時
出展数 85法人(都内の福祉関係施設・事業所運営法人)
会 場 東京国際フォーラム地下2階ホールE1
《主な内容》
①法人の事業案内や仕事内容、採用についての説明を直接聞くことができるブースや、専門の相談員に福祉の仕事・資格について相談ができるブースなどを予定しています。
②特設サイトで福祉業界や就活について学べるセミナー動画や出展法人の詳細情報の配信を予定しています。
東京都福祉人材センターキャラクターフクシロウ
就職フォーラム公式LINEアンケートに答えるとスマホ用壁紙プレゼント!!

令和4年度 地域福祉フォーラム東京力×無限大のご案内
東社協では、小地域福祉活動の推進を目的に、「令和4年度 地域福祉フォーラム 東京力×無限大」を開催します。
今年度は「これからの地域を担うわたしたちができること」をテーマに、山崎亮さん(株式会社studio-L代表)の基調講演と登壇者によるシンポジウムを行います。詳細は東社協ホームページをご覧ください。
▽日 時 2月19日(日)10時~12時30分
▽方 法 オンラインと会場(東社協12階会議室 ※会場定員30名)
▽参加費 無料
▽対 象 地域福祉に関心のある方は誰でも
▽参加申込 左記QRコードから申込み
▽問合せ先 地域福祉部地域福祉担当
皆さまのご参加をお待ちしています。


「保育園における働き方改革と保育業務の実態」報告書を発行しました。
東社協保育部会では、保育業務の現状と課題を把握し、提言内容を広く伝えることを目的に、2022年10月に、本調査報告書を出版しました。
19年4月から「働き方改革関連法」の施行されていますが、保育現場に求められる業務は年々増加しており、「働き方改革」に取り組むことの困難さを感じている園も多くあります。『ワークライフバランスを整えながら、保育現場がより長く働き続けることのできる職場となるにはどのようなことが求められるのか』を問いに、検討をすすめました。
調査の実施は、コロナ禍に直面していた、21年2月〜3月でしたが、800を超える会員保育所から回答(回収率56.8%)が寄せられました。そこでは、現在の配置基準への課題意識などの意見とともに、何よりも子どもたちの健全な成長を願い、日々の保育にあたる熱い思いが多く語られていました。
保育士という職業への理解が、評価に結びつき、保育士のモチベーションや広い意味での保育士の働く環境の改善へとつながります。この報告書が、保育現場の「働き方改革」にもつながれば幸いです。 
好評販売中!ご注文はこちらから
TEL:03-3268-7185(総務部企画担当図書係)
東社協ホームページ「福祉の本」

「福祉広報」読者アンケート実施結果
社会福祉施設・事業者をはじめ、自治体、社協、教育機関、市民活動団体の皆さまからたくさんの貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。
アンケート結果の一部をご報告させていただきます。
調査概要 実施時期:2022年11月~12月
調査方法:インターネットとFAXによる回収
アンケート回答者数:193人
皆さまの声を誌面のさらなる充実のため、活かしてまいります。
これからも福祉広報をよろしくお願いいたします。

訃報
本会副会長柴山義光氏が2022年12月18日に逝去されました。
ここに謹んで哀悼の意を表し、お知らせいたします。

【寄附のカタチ】東京善意銀行への寄附をご紹介します。(不定期掲載)

さまざまな体験の機会を企業と共に実現!
読売巨人軍 × 東社協児童部会 × 東京善意銀行~新たなコラボのカタチ~
読売巨人軍と東社協児童部会および善意銀行が手を組み、ジャイアンツアカデミーのコーチが、児童養護施設の子どもたちを対象に「野球教室」を開催し、野球の楽しさを体験してもらう機会を提供しました。
「企業団体×東社協×善意銀行」コラボの新たなモデルケースとして、今後も善意銀行では、体験が少なくなりがちな施設の子どもたち、また外出の機会が持ちにくい高齢者、障害者の余暇活動を広げることを目的に「体験寄附」の活動にも力をいれていきます。
ジャイアンツアカデミーコーチから野球の基本練習を教えてもらう子どもたち
※写真提供 読売巨人軍
東京善意銀行では、社会福祉施設等への寄附のご相談を承っております。

いただいた寄附や福祉施設等への配分についてTwitterで発信しています。


【福祉のおしごと通信】
企業で培った感覚も忘れずに、利用者の「働く」をサポートする
一般企業を経て、現在は障害がある方の就業のサポートを担当する深川薫さんに、福祉の業界に入って気づいたことや意識していることを伺いました。

福祉の仕事に就いたきっかけ
現在、タラントで働いて5年目になります。タラントでは、主に精神障害や知的障害がある方への就業支援として、実習の斡旋や就職前、就職後のサポートを企業と利用者の間に立って行っています。
タラントに就職する前は、紙の卸売りをする会社で営業や財務などの部署で働いていて、福祉との関わりはほとんどありませんでした。新卒から15年勤めた会社を退職した後は、アメリカで造園業を営む父の友人のもとで数か月働きました。数着の服しか持っていなかった私に、袋いっぱいの古着を譲ってくれたり、仕事終わりに一緒にお酒を飲んだり、同僚だったメキシコ人たちには、自然と手を貸す姿勢や、人種や境遇を越えて人を受け入れる姿勢を教わりました。彼らと汗水流して働く中で、これまで見失っていた「働く」という感覚を取り戻すこともでき、私の働く原動力となっている経験です。
日本に戻ってきて求人サイトで偶然今の法人を見つけました。人のこれまでの人生を聞くことが好きで、仲間内で半生を聞き合う会を開いていた私に合っていると思い、興味を持ったのが今に至るきっかけです。

利用者が努力できる環境をコーディネートする
福祉の業界に入り、知識面や、職場での服装、仕事のすすめ方など、業界ならではの文化に驚いたり苦労したりしたことも少なくありません。5年目になり、だいぶ馴染んだ実感はありますが、今でも気を付けているのは「待つこと」です。連絡には早めに返事をするようにどうしても急かしてしまうことがあります。それが理由で利用者から担当を変えてほしいと言われたこともありました。これまでの経験で当たり前と思っていましたが、今は利用者のペースに合わせることも意識したやりとりを心掛けています。
また、就職が上手くいくと「深川さんのおかげです」という言葉をもらうことがあります。ただ、私ができるのは利用者とその方が努力できる環境を結び付けることで、本人の努力があってこそのことだと思っています。
だからこそ、仕事が上手くいっている方にも声掛けと困っていることがあれば早めにサポートしたいと考えています。その思いの一方、実際には、上手くいっていない方への支援に手一杯になり、順調に頑張っている方へのサポートまで思うようにできていないのが、今感じているジレンマです。

支援する側、支援される側と固定して捉えないことを大切に
福祉の仕事をして感じるのは、障害者と健常者という境目は思っていたよりも曖昧ということです。私にも特性がありますし、ある日事故に巻き込まれて障害が残ることもあるかもしれません。なので、あまり自分を「支援する側」、利用者を「支援される側」と固定して捉えないようにしています。しくみとしても、利用者が時には支える側になることがあっても良いと思います。支援する側も、支援しているという感覚が強くなるほど、つい相手を自分の良いと思うレールに乗せたくなってしまいます。もどかしくても「その人の人生」と思って、あくまでその方が努力できる環境をコーディネートすることを意識しています。

働きやすい職場もめざして
最近、前職の関係者に会った時、「充実した顔をしている」と言われ、自分では意識していなかったものの楽しんでいるのだなと感じました。利用者や企業の担当者、作業所の担当者などさまざまな立場の人とやりとりをすることも人と話すことが好きな自分の性格に合っているのだと思っています。
とはいえ、やりがいだけで続けられる仕事ではないと思っているので、新任職員や若手職員がバーンアウトせずに定着できる職場の環境も考えていきたいです。

深川 薫さん Kaoru Fukagawa
NPO法人わかくさ福祉会障害者就業・生活支援センターTALANT(タラント)
就業支援担当者




【アンテナ】2月1日(水)時点の情報です。詳細は各団体にお問合わせください。この他にも東社協ホームページに各種情報を掲載しています。
東社協ホームページ「福祉に関する情報について」
https://www.tcsw.tvac.or.jp/info/index.html
※今号よりURLを変更しています。

助成金
2023年度 地域福祉振興助成
3月14日(火) 障がい者等を支援する福祉活動、ボランティア活動に取り組む団体・グループの、2023年9月1日から2024年8月31日までに完了する次の事業。(1)講習会・講演会・イベント・広報・調査研究・出版等の企画開催、新設や増設・改修等の工事、備品等の物品購入(2)車両購入 ※法人格・活動期間は問わないが、個人での申込は不可 (1)上限100万円(2)上限200万円 ※(1)(2)ともに、助成率は助成対象費用の80%以内 ホームページにて、内容の入力および必要書類をアップロード (公財)木口福祉財団 〒659-0051 兵庫県芦屋市呉川町14-10
0797-21-5150 0797-35-4500
josei@kiguchi.or.jp
https://kiguchi.or.jp

講座・シンポジウム
メンタルヘルスの集い(第37回日本精神保健会議)
3月4日(土)10時30分~16時(開場10時) 有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン11F) 「情報とメンタルヘルス~SNSの負の側面と適切な利用を考える~」をテーマにした講演とシンポジウム。SNSを通じて発信されるさまざまな情報がメンタルヘルスや社会全体に与える影響や問題について議論し、適切な利用方法を考える 一般市民、教育関係者、精神医療・保健・福祉関係者 無料 500名 ホームぺージまたはFAX 3月2日(木) (公財)日本精神衛生会
03-3518-9524
z-seisin@dc4.so-net.ne.jp 
https://www.jamh.gr.jp

令和4年度女性活躍推進事業「働く女性のメンタルヘルス講演会」
3月4日(土)14時~15時40分 ※Zoomウェビナーによるライブ配信 講座(1)「働く女性が対人関係でストレスを感じがちなのはなぜ?」講師:田中遥氏(医療法人ベスリ会ベスリクリニック院長)、(2)「私も相手も大事にする職場コミュニケーション」講師:森田汐生氏(NPO法人アサーティブジャパン代表理事) 働いている女性、テーマに関心のある方など 無料 ホームぺージ 2月28日(火)正午まで 「働く女性のメンタルヘルス講演会」事務局(株式会社ディヴォーション内)
03-6804-6583
mental@devotion-japan.com
https://req.qubo.jp/mental/form/VZdvbUsD

第201回 国治研セミナー
3月11日(土)10時~12時30分 ※Zoomオンラインセミナー 「生活とコミュニケーション能力を高める包括的支援」をテーマにしたセミナー。脳神経科医師、支援者、父親として自閉症の方と接してきた大屋滋氏による「コミュニケーションと子育て」や「社会の中にいるたくさんの味方」と題した講義 保護者、児童指導員、保育士、児童相談員、特別支援教育教職員、放課後等デイサービス職員、医師、看護師、作業療法士、臨床心理士、公認心理師、研究者など児童発達支援関係者 4,000円 ※条件により料金の変更あり 70名 ホームぺージ、電話、メール、FAX 3月9日(木)18時 (一社)チャイルドライフ 教育研修部
042-641-5901 042-641-5902
edu@childlife.gr.jp  
https://childlife.gr.jp/education/

その他
【無料電話相談会】遺言・相続110番
3月16日(木)10時~15時 無料 遺言・相続関係について、弁護士による30分程度の電話相談 第一東京弁護士会 業務推進第二課 〒100-0013 千代田区霞が関1-1-3 弁護士会館11~13階
03-3595-1154(遺言センター)
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【資料ガイド】
会議資料
第4回「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会(オンライン開催)」資料(厚生労働省/12月)
困難な問題を抱える女性への支援に係る基本方針等に関する有識者会議(第4回)資料(厚生労働省/12月)
第7回「障害児通所支援に関する検討会(オンライン開催)」資料(厚生労働省/1月)
成年後見制度利用促進専門家会議 第1回総合的な権利擁護支援策の検討ワーキング・グループ 資料(厚生労働省/1月)
第213回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料(厚生労働省/1月)
東京都子供・子育て会議 第25回全体会議 資料(都福祉保健局/12月)

調査結果
令和3年社会福祉施設等調査の概況(厚生労働省/12月)
令和3年介護サービス施設・事業所調査の結果(厚生労働省/12月)
令和3年度母子保健事業の実施状況等(厚生労働省/1月)
令和3年度子供の学習費調査の結果(文部科学省/12月)
学校施設のバリアフリー化に関する実態調査 調査結果(文部科学省/12月)
特別養護老人ホームへの入所申込等に関する調査の結果(都福祉保健局/12月)
その他
介護職員の働く環境改善に向けた政策 パッケージ(厚生労働省/12月)
「虐待・権利侵害の根絶に向けた行動宣言」(全国社会福祉協議会/1月)

【くらし】
若年性認知症と打ち明け、人とのつながりのあたたかさを感じられた

野口恭子さんは、約10年前に夫の俊雄さんが若年性認知症と診断されました。当時の気持ちや、生活について伺いました。

 55歳で「若年性認知症」に
主人が若年性認知症と診断されたのは、2012年11月でした。後から聞いた話ですが、その半年ほど前に、仕事の予定や約束を忘れることが多くなっていた主人を、「様子がおかしい」と感じていた会社の上司が、病院を調べて一緒に受診をしてくれたそうです。そこでは「次はご家族と一緒に」と言われ、翌月病院に行きました。その時は「少し様子を見よう」ということになり、しばらくしてから再度受診をし、若年性認知症と診断されました。
診断後も、3年ほどは会社に在籍していましたが、以前と同じような仕事は全くできず、資料整理などの作業をしていたようです。退職の際には、会社の皆さんから「お力になれずすみません」と言われました。きっと他にもたくさんの迷惑をかけていたと思いますが、主人を見守ってくれたことにとても感謝しています。私もパートの仕事を辞め、毎日の2人での生活が始まりました。

人との出会いで暗かった生活を変えることができた
当時は、近所の人にも病気のことを気づかれないように過ごしていました。言っても理解されないからというよりは、私自身が主人の状況を受け入れられていなかったのだと思います。この間まで会社にも通勤していて、「普通」だったからです。電車に乗って動物園や浅草に出かけてみたりしていましたが、誰ともつながっていない2人だけの生活は、やはりだんだんとしんどくなってきました。
知り合いに、若年性認知症に特化したデイサービスがあると聞き、利用することにしました。障害年金や家族会があることなど、本当にたくさんのことを教えてもらい、そこからさまざまな出会いにつながったと思います。地元の足立区の家族会や、若年性認知症家族会・彩星(ほし)の会を知り、参加をしてみました。特に、彩星の会に初めて参加した時は衝撃を受けました。皆さんがとても明るくて、楽しそうにおしゃべりをしていたからです。その後も何回か参加するようになり、「知り合いが増えるって嬉しい」ということを知りました。
しばらくして、主人が足立区のデイサービスに通うことになりました。家の前まで送迎があったので、近所の人に事情を説明すると、「気にしなくていいよ」「うちも実は母親が認知症で……」と言ってくださいました。そこから、主人との散歩中に挨拶をしてくれるなど、コミュニケーションが増え、「全然心配することはなかったんだ」と思えるようになりました。今では、主人がデイサービスに行っている間に私が一人で歩いていると「あれ、ご主人は!?」と心配されます(笑)。

今と変わらない生活をこれからも
若年性認知症は、知る機会がなかなかないので、本人やその家族に対してどんな風に接したら良いのか分からないと 戸惑う人は多いと思います。当事者のご家族も、自分たちの状況を誰にも話せない人もきっといて、どれだけ苦しんでいるのだろうと心が痛くなります。少しでも気持ちを解放できる場や機会につながってほしいです。
主人は、食事や着替えなど、一人でできないことが増えて、私のことも「よく隣にいる人だな」くらいにしか分かっていないと思います。それでも、穏やかに、できるだけ自宅で一緒に生活をしていたいです。

なるほどWord
若年性認知症
65歳未満で発症する認知症のこと。仕事でのミスや精神症状の出現に周囲が気づき、受診につながることが多い。
約束を忘れたり、日付や自分のいる場所が分からなくなったり、人によって症状はさまざま。


【本】
YOSUGA
~リアルな声から見えてくる介護の現場~
日々邁進している現役の介護職員が、自分たちの言葉で、介護の仕事の魅力を伝えます。
◆規格 A5判/60頁 ◆発売日 2022.04.04
◆定価 495円(本体450円+税10%)

高齢者福祉施設におけるサービスマナー実践テキスト~施設の理念を具体化する方法~
本書が、福祉の現場で働く方々に広く活用され、サービスを受けるすべての利用者の生活の質の向上に資することを期待します。
◆規格 A4判/124頁 ◆発売日 2013.06.27
◆定価 1,572円(本体1,429円+税10%)

困りごとから探せる介護サービス利用法〈改訂版〉
介護サービスの種類ごとに、制度を利用するための相談窓口や利用できるサービスの内容・費用・手続きなどについて、利用される方の目線に立って、分かりやすく説明しています。
◆規格 A5判/194頁 ◆発売日 2017.05.01
◆定価 1,980円(本体1,800円+税10%)

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