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福祉広報 2024年1月 780号 テキストデータ

【表紙】(写真)

多くの白鳥で賑わう最上川河口、
シベリアから飛来して庄内平野の落穂を食べて育つ
―山形県 酒田市 ―

【目次】

1社会福祉NOW
2連載 次世代リーダーを育てる①
3福祉この一年
4TOPICS
5福祉職が語る
6 東社協発
7くらし今ひと
8年頭所感

「*見出しの頭には「--(半角で2つハイフン)」の記号が挿入されているので、検索機能を使って頭出しをする際にご利用下さい。また検索の際、目次でご紹介した数字を続けて半角で入力すると、その項目に直接移動することができます。
(例)1をご希望のときは、「--(ハイフンハイフン)1(すべて半角)」と入力。」

 

--1【社会福祉NOW】
多様な団体や住民が関わり、国籍問わず誰もが暮らしやすい地域づくり
~北区桐ケ丘地区「TOMONI」

地域には国籍を問わずさまざまな住民が暮らしており、また、多様な団体や個人が活動をしています。“外国籍住民の暮らしの中での困りごと”をきっかけに、地域住民と団体や保育園、学校など多岐にわたる機関がつながり、地域での生活を支え合う場「TOMONI」の発足に至った北区桐ケ丘地区を取材しました。

北区桐ケ丘地区の地域課題の把握と共有
「TOMONI」は、2023年5月に北区桐ケ丘地区で発足した地域での暮らしを支え合い、交流する場です。ここでは、学校や自治体から届く日本語で書かれた手紙の内容が分からない時に気軽に聞くこともできます。北区社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカー(CSW)で桐ケ丘地区を担当している野呂尚暉さんは、立ち上げの段階から関わっているメンバーの一人です。
野呂さんと、桐ケ丘地区を一緒に担当している地域活動推進員(注1)の板谷奈緒美さんは、外国人が地域の公園で集まっている様子を見かけたり、地域に住む外国籍の人に個別に関わる機会がありました。そこでは「学校がハラル食(注2)に対応しておらず、毎日のお弁当づくりが大変」といった困りごとを聞きました。また、児童館館長からは「お母さん同士のコミュニティはあるが地域とはつながっていないようだ」という話を、都営桐ケ丘団地の自治会長からは「バングラデシュの人が団地で号棟長をしている」といった話を聞くことがありました。
そこで、地域の状況をより詳しく把握するため、22年9月に、児童館館長と団地の号棟長を務めているというカシェムアブルさんのほか、地域で子ども食堂を開いている人に、普段の生活の中で感じていることなどをヒアリングすることにしました。
さらに情報収集を続ける中で、社会福祉法人つぼみ会が運営する認可保育園「LIFESCHOOL桐ケ丘こどものもり」がハラル食に対応していることを知り、野呂さんは園長の赤倉健さんとつながることができました。
LIFESCHOOL桐ケ丘こどものもりでは外国籍、特にムスリムの園児が増えてきていました。そのような状況の中で、「子どもたち一人ひとりを大切にする」という法人理念に基づき、イスラム文化やハラル食への理解を深めるとともに、安心して給食が提供できるよう、ハラル認証の取得に至りました。
また、園児やその家族に向けた支援だけでなく、国籍問わず誰もが暮らしやすい地域づくりに貢献したいという思いもあり、この思いが後の「TOMONI」につながりました。赤倉さんは「北区社協の野呂さんと出会って、地域のさまざまな団体や人とつながることができ、日々感じている課題を共有できるようになった」と話します。つぼみ会理事長の中嶋雄一郎さんは、「地域の社会福祉法人として、困りごとを抱えている目の前の一人ひとりに寄り添い、解決していくことを大切にしている。このことは私たち職員自身の成長にもつながっていると感じている」と言います。

立ち上げから実際の活動が始まるまで
22年12月ごろから、これまでのヒアリングで把握した地域課題を共有することを目的に、つぼみ会を交え、共有の場が開催されるようになりました。野呂さんは「CSWは、個別に把握した困りごとを地域のニーズとして捉え、地域課題を住民自身が解決できるようにするための新たなしくみやサービス、ネットワークなどの社会資源開発の援助をする。そのため、この地域課題も地域住民の方々と共有し、みんなで考えることができればと思った」と話します。この場が「TOMONI」立ち上げのきっかけです。開催にあたっては、ヒアリングで話を聞いたカシェムさんをはじめ、民生委員や地域で活動する団体、同じ北区にある東洋大学の先生や学生、日本語学校の教師、弁護士など、多岐にわたる分野の人からの参加がありました。地域課題についてはもちろん、それぞれが普段どのような活動をしているのかお互いのことを知り、生活の中での困りごとや思いを共有できる場となりました。共有の機会や立ち上げの段階での関わり方について、野呂さんは「関わっている人同士がコミュニケーションをとり、お互いを知ることができるように意識した。その上で、桐ケ丘地区にはどんな地域課題があるのか、この活動では何をめざすのか、みんなで共通認識を持つことを大切にしていた」と振り返ります。
地域課題の共有の場を重ね、「TOMONI」を立ち上げることが決まりました。名称には「〝暮らしやすさ〟や〝共生〟をめざす」という思いが込められています。23年5月に1回目を実施し、以降は毎月第4日曜日に活動しています。1回目は参加者同士の交流の時間を中心に、2回目以降は手紙の内容を相談するブースや日本語が学べるブースなどに分けたり、ハラル食を体験できるBBQを行ったりと、参加者からの声を反映し、毎回工夫をしながら交流を深めています。立ち上げから関わっているカシェムさんは「イスラム文化や食事などをみんなに知ってもらいたい。私たちも同じ地域の住民としてコミュニケーションをとりたいと心から思っていて、今みんなで頑張っている。TOMONIのような活動が桐ケ丘から広がってくれたら嬉しい」と、思いを話します。

地域に溶け込めるような場所をめざして
毎月「TOMONI」を開催することで、同じ地域に暮らしていても関わる機会が少なかった外国籍の人の顔が見えてきたり、活動団体同士の新しいつながりができたりと、広がりが生まれてきました。赤倉さんも「この活動を通じて、多くの人や団体と知り合えた。TOMONIがハブとなり、施設や団体同士のつながりができ、地域に溶け込んでいけたら良い。制度や社会全体が変わっていくには時間がかかるが、地域のつながりの中で必要な人に必要な支援が行き届くようになると良い」と言います。
その一方で、多岐にわたる分野の人が関わってすすめているので、振り返りや意見交換の機会を頻繁に設けることの難しさもあります。野呂さんは「交流や手紙支援を通じて『ハラル食のことや文化について学校に理解してほしい』といった要望も聞かれている。今後、このようなことについても関係者みんなで考える時間があっても良いかもしれない」と感じています。そして「新しい活動を増やしたいというよりは、今ある活動の幅が半歩でも広がったら良いと思っている。例えば、編み物サロンの活動をしている人たちがTOMONIを知り、『新しいことは始められないけど編み物なら一緒にできるよ』などと声をかけてくれたら嬉しい」と、地域に対しての思いを語ります。
● ● ●
桐ケ丘地区では、住民をはじめ地域のさまざまな団体と地域課題を共有したことで「みんなで暮らしやすい地域をつくる」という思いやつながりが生まれました。地域共生社会の実現に向けた取組みの広がりが今後も期待されます。

(注1)地域活動推進員:北区社協において、CSWと一緒に地区を担当する職員。社会福祉士などの資格は持たず、より住民に近い目線で地域に関わっている
(注2)ハラル食:「ハラル」はイスラム教の教えにおいて「許されている」という意味のアラビア語。例えば、魚介類や野菜・果物などはハラル食にあたる。適切な処理が施されている肉類(牛肉や鶏肉等)も食べられるが、豚肉は禁じられている

(図 ヒアリングで聞かれたこと)

(写真 1回目の「TOMONI」の様子。交流を楽しんだり、少し離れたところでは学生ボランティアと子どもたちが遊ぶ様子も)

(QRコード 「TOMONI」の毎月の活動の様子は、北区社協Facebookよりご覧いただけます!)

(QRコード(社福)つぼみ会ホームページ)


--2【連載 次世代リーダーを育てる①~福祉人材の確保・育成・定着に向けた取組み~】
2022年度に 東社協が実施した福祉人材の確保・育成・定着に関する調査では、多くの福祉職場で、主任やリーダー層の人材育成に問題意識を持っている現状が明らかになりました。この結果から、東社協では、主任やリーダー層の育成に取り組んでいる施設・事業所へのヒアリングを行い、冊子としてまとめ、取組み事例を広く発信することを予定しています。本連載では、冊子の内容の一部を先行してご紹介します。

事例1 職員一人ひとりが、自分事として課題を考えられるような職場に
~調布市知的障害者援護施設なごみ

◆事業課題を自分事として捉えるための定例会を実施
なごみは、調布市社会福祉事業団が運営する知的障害者の入所施設です。母体である(社福)調布市社会福祉事業団は、1999年の設立から調布市民の福祉サービスへのニーズに応えるべく、障害児通所施設や子ども家庭支援センターなど事業を拡大してきました。事業拡大に伴いリーダー層の人数も増えましたが、職務に対しての認識に個人差があったり、負担に感じたりする職員も多く、リーダー層の育成をしようにも職務に必要なスキルなどを学ぶ機会が少ないという問題を抱えていました。
そこで、今までのように法人の管理職中心で事業をすすめるのではなく、リーダー層の職員一人ひとりが自分事として事業方針を捉え、現場を巻き込みながらイニシアチブを持って課題解決をすることが必要と考え、年1回管理職や主任が集まっていた「定例会」の内容を再編し、事業所を超えて共通課題を話し合うことができるようにしました。

◆年代別グループ編成から生まれる多様な視点からの課題やアイデア
「定例会」は年3回実施され、法人に所属するすべての施設長および主任50名ほどがA~Dの年代別のグループに分かれ、課題や意見の共有を行っています。年齢層が最も高く、再雇用のメンバーも多いAグループからは「高齢になっても働き続けられるためのハンドブックのようなものがほしい」という意見や、若手中心のCグループからは、人材確保の面で「各事業所の魅力をまとめてデータ化して発信したらどうか」など、年代ごとに異なるアイデアや課題が出されているといいます。「定例会」で出された課題やアイデアは、解決・実現に向けた具体策をメンバー内で検討し、実践へとつなげています。
施設長の今宮麗子さんは「定例会で出た課題や意見を自分事として捉え、どう解決していくかといったリーダー層の意識の変化が見られるようになってきた」と感じています。また、同じ年代同士で課題や悩みを共有し、コミュニケーションをとることで横の連携が生まれ、モチベーション向上にもつながっているといいます。

◆主体性を持った職員が増え、リーダーシップが発揮できる職場へ
リーダー層の育成のための取組みは「定例会」だけでなく、研修体系や人事評価制度にも及んでいます。これまでの研修委員会では、施設長数名が中心となって企画していたため調整が難しい面がありましたが、さまざまな階層の職員が参加できるようにし、年間で研修をスケジューリングしていきました。また、全研修において、グループワークを多く取り入れることで同じ職域同士のコミュニケーションの機会が増えました。
22年からは、人事評価の一環として「目標管理シート」の作成を始めています。「目標管理シート」とは、事業計画に基づいて、リーダー層が具体的に何に取り組むかを記載するものです。上半期と下半期に1回ずつ施設長等と面談を行い、自身の振り返りや達成度を測定することで、各事業所の課題解決の取組みがスピーディーかつ具体的にすすむようになってきました。
主任の石垣和輝さんは「定例会や研修を通じて、職員同士で話し合う機会が増えたことで、今まで以上に各職員が意見を上げてくれるようになった」と言います。今宮さんは「指導的立場の職員に大切なのは、主体性とリーダーシップ。主任層の職員が、事業目標から自分事として課題を抽出し、部下をまとめながらその課題を検討していくことで、職員全員で組織を良くしていこうという風土ができあがっていくと良い」と、思いを話します。

(写真(左から)施設長 今宮麗子さん 主任 石垣和輝さん)

事例2 求められる人材像を明確にし、みんなが次のステップをめざせるしくみづくり
~障がい者地域生活支援施設スクラムあらかわ

◆組織が求める資質・能力を可視化
障がい者地域生活支援施設スクラムあらかわは、荒川区で障害福祉サービスや地域生活支援事業を行う複合施設です。運営する(社福)すかいは、栃木県日光市と東京都荒川区を拠点に、障害と高齢の福祉サービスを展開しています。スクラムあらかわには、開設当初から目標管理制度や研修体系は存在していましたが、施設長の村田裕彦さんが就任した約4年前は、キャリアアップの目標設定について、組織側と職員一人ひとりの認識にずれがあったといいます。「当時、各職員から目標成果シートが送られてきたが、組織が期待する能力スキルと、職員が設定した目標の方向性にギャップがあると感じた。そこで、組織が求める人材像を明確にし、職務階層別に求められる能力やスキルが一目で分かる『資質・能力一覧』をつくろうと考えた」と話します。そして試行錯誤を経て、2023年に完成したシートを職員全体に共有しました。
「資質・能力一覧」を作成するにあたり、最も大切にしたことは法人の理念です。法人の理念をもとにすべての階層に「あるべき姿」を落とし込み、それに対して求められる能力やスキル、到達目標を明示しました。次のステップをめざす時に、組織がその階層に対して何を求めているか、それを実現させるために習得すべきスキルは何かが明確になっているため、目標設定がしやすいといいます。主任の森川博子さんは「指導的立場になるまでは、プライベートとキャリアの両立に悩んだこともあったが、今の自分に何が必要か一目で分かるようになり、自身のキャリア形成にも役立っている」と言います。

◆職員みんなが部下を指導するスキルを身に付けるために
さらに研修についても年間計画を作成し、「資質・能力一覧」と掛け合わせることで、誰にどの研修が必要かが分かりやすくなり、リーダー層の職員が部下を指導するときに活用できているといいます。主任の小池久志さんは「それまで、研修の進捗状況をなかなか管理できていない状況があったが、シートがあることで具体的に把握・指導しやすくなったと実感している」と話します。内部研修では、月ごとに主任レベルの職員が交代で企画を検討することで、リーダー層の指導スキル向上にも一役買っているといいます。
また、指導的立場の職員にあえて若手を起用する取組みも行っています。約1年間、新入職員「フレッシャーズ」に中堅以下の職員がマンツーマンで付き、困りごとをフォローしながら育成しています。村田さんは「ベテランの職員以外にも直接、若手を育てるという楽しみを感じてもらいたいという意図がある」と話します。

◆利用者を尊重しながら職員も大切にする職場づくり
「資質・能力一覧」や研修体系を整備することで、リーダー層が部下のキャリア形成に対してフォローしやすくなり、闊達なコミュニケーションも生まれ、職場には少しずつ変化が見え始めているといいます。「『資質・能力一覧』ができてまだ日は浅いが、部下のキャリアに対して主任がシートをもとに一緒に考えられる体制ができつつある。実際に部下とは密なコミュニケーションをとるようになった」と小池さんは話します。
村田さんは「もともと、この施設は区や関係団体から求められて開設されたという背景を持っているため、地域と連携し、利用者の支援を一番に考えることはもちろんだが、それを支える職員の職場環境も大切。利用者を尊重しながら、職員一人ひとりのキャリアも大切にして、働きやすい環境をさらにつくっていきたい」と語ります。

(写真 (左から)主任 森川博子さん 施設長 村田裕彦さん 主任 小池久志さん)

--3【福祉この一年】

〈1月〉
全国の動き
●厚労省は、令和4年12月の民生委員・児童委員一斉改選の結果を発表。定数に対する充足率は93・7%で、前回改選時よりも1・5ポイント減少(13日)
●総務省は「外国人の日本語教育に関する実態調査」の結果を公表。令和4年6月に在留外国人は296万人と過去最多となり、今後も増加が見込まれる中、 個々の外国人等のニーズを把握しているのは、調査を実施した20市町村のうち4市町村だった(20日) 
都内の動き
■政策企画局は「都民生活に関する世論調査」の結果を公表。暮らし向きの変化については、約41%が「苦しくなった」と回答(令和4年より11ポイント増)(27日)
■子供政策連携室は、都政の政策全般を子ども目線で捉え直し、子ども政策を総合的に推進した「こども未来アクション」を策定(30日)


〈2月〉
全国の動き
●厚労省は、介護や保育などの福祉施設や医療機関が人材紹介会社とトラブルになった際に相談できる「『医療・介護・保育』求人者向け特別相談窓口」を、各都道府県労働局に設置(1日)
●厚労省は「人口動態統計速報(令和4年12月分)」を公表。出生数は79万9728人で、1899(明治32)年の統計開始以来初めて80万人を下回り、過去最少(28日)
都内の動き
■福祉保健局は、医療的ケア児の家族が子どもの成長に応じて必要な情報が得られる「東京都医療的ケア児支援ポータルサイト」を開設(14日)
■子供政策連携室は、子どもと子育て世代の悩みに寄り添うウェブサイト「東京都こども・子育てお悩み相談室」公開(17日)
□東京ボランティア・市民活動センターは「市民社会をつくるボランタリーフォーラムTOKYO2023」を開催。テーマは「Think・Act・Smile」(10~12日) 

〈3月〉
全国の動き
●警察庁の自殺統計(確定値)に基づく厚労省のまとめから、令和4年の小中高生の自殺者数が、過去最多の514人になったことが分かった (14日)
〇全国社会福祉協議会は「運営適正化委員会事業のあり方に関する検討会報告書」を公表(31日)
都内の動き
■福祉保健局は、関係機関が連携し、ヤングケアラーに早期に気づき、具体的な支援につなげるための「ヤングケアラー支援マニュアル」を作成(27日)
□「質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・育成・定着に関する調査2022」結果のポイントを掲載(28日)

〈4月〉
全国の動き
●少子化や児童虐待、子どもの貧困などに取り組む総理大臣直属の機関として「こども家庭庁」が発足(1日)
●文部科学省は「令和4年度外国人の子供の就学状況等調査」の結果を公表。令和4年5月時点で住民基本台帳に登録されていた学齢相当の外国人の子どもの数は、13万6923人。そのうち不就学の可能性があると考えられる子どもの数は8183人(22日)
都内の動き
■産業労働局は「男女雇用平等参画状況調査」の結果を公表。管理職に占める女性の割合は1割後半、育児休業取得率は、男性が 26・2%、女性 が94・1%(3日)
□東京都高齢者福祉施設協議会デジタル推進委員会は「令和4年度デジタル機器(介護ロボット・ICT 機器)等の導入及び活用に関する実態調査報告書」を発行(5日)

〈5月〉
全国の動き
●新型コロナウイルス感染症の位置づけが「新型インフルエンザ等感染症(2類相当)」から「5類感染症」に変更(8日)
●総務省は、令和5年4月1日時点の子どもの数(15歳未満人口)を公表。子どもの数は1435万人で、42年連続の減少(4日)
●石川県能登地方で最大震度6強の地震が発生(5日)
●「孤独・孤立対策推進法」が成立(31日)
都内の動き
■総務局は「首都直下地震等対処要領」の改定および南海トラフ地震を想定した「南海トラフ地震対処要領」を新規策定(22日)
□「令和4年度地域公益活動の状況等調査報告書」を掲載(9日)
□「重層的支援体制整備事業実践事例集~実施7区市の区市町村社協の取組みより~」発行(12日)

〈6月〉
全国の動き
●厚労省は「令和4年人口動態統計月報年計(概数)の概況」を公表。合計特殊出生率は1・26と平成17年と並び過去最低(2日)
●令和5年台風第2号の影響により、全国各地で土砂災害や浸水被害等が発生(2日~)
●「認知症基本法」が成立(14日)
●「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が公布・施行(23日)
●梅雨前線に伴う大雨により、全国各地で土砂災害や洪水被害等が発生(29日~)
都内の動き
■教育委員会は「児童・生徒のインターネット利用状況調査」の結果を公表。一日のインターネット利用時間の新規調査では、動画視聴の時間は「1時間程度」が最多だった一方で「6時間を超える」は全体の4・5%となった(5日)
□「地域福祉推進に関する提言2023」として、「提言Ⅰ 福祉人材の確保・定着・育成の促進」「提言Ⅱ コロナ禍に顕在化した地域課題と重層的支援体制整備事業」を掲載(30日)

〈7月〉
全国の動き
●厚労省、国交省、法務省では3省合同による「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会」を設置し、第1回を開催(3日)
●厚労省は「令和4年国民生活基礎調査」の結果を公表。児童のいる世帯は991万7千世帯と、調査開始以降初めて1千万世帯を下回った(4日)
●厚労省は「外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会」を設置し、第1回を開催(24日)
都内の動き
■福祉保健局を再編し、福祉局と保健医療局が発足(1日)
■生活文化スポーツ局は「都民等のボランティア活動等に関する実態調査」結果を公表。直近1年間にボランティア活動をした人の割合は21・2%。コロナ禍前(平成30年度)は27・5%(19日)

〈8月〉
全国の動き
●総務省は、全国初の調査「身元保証等高齢者サポート事業における消費者保護の推進に関する調査」を実施し、結果を公表(7日)
●厚労省は、令和4年「雇用動向調査」の結果を公表。平成16年以降、初めて医療・福祉産業の離職率が入職率を上回り、離職超過状況となった(22日)
〇全国社会福祉協議会は「社会福祉協議会基本要項検討委員会」第1回を開催(7日)
都内の動き
■総務局は、関東大震災から100年を契機に自助・共助の促進を図るため、都民の災害への備えを促す防災ブック「東京くらし防災」と「東京防災」をリニューアル(25日)
□東京都災害ボランティアセンターアクションプラン推進会議が、令和4年12月から実施していた「関東大震災100年とこれからの市民防災」をテーマにした連続勉強会の全6回が終了(17日)

〈9月〉
全国の動き
●こども家庭庁は、令和3~6年度までの4か年計画「新子育て安心プラン」の集計結果を公表。6年度末までに 、約14万人分の保育の受け皿を確保する見込み(1日)
●こども家庭庁は「令和4年度 児童相談所における児童虐待相談対応件数(速報値)」を公表。件数は21万9170件で、過去最多(7日)
●令和5年台風13号の影響により、福島県、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、静岡県の6県で浸水などによる被害が発生(8日〜)
都内の動き
■福祉局は、都独自に児童発達支援事業等を利用する第2子以降の保護者の自己負担を、第1子の年齢や世帯収入に関わらず、令和5年10月1日から無償化すると公表し、申請受付を開始した(14日)
□東京都高齢者福祉施設協議会では「2023年度 つながれひろがれちいきの輪 in TOKYO」を、4年ぶりにコロナ禍前と同様のキャンペーン形式で実施(1日)

〈10月〉
全国の動き
●市町村社協法制化40周年(1日)
●文部科学省は「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表。小・中学校における不登校児童生徒数は、29万9048人で過去最多(4日)
〇全国社会福祉協議会は、虐待・権利侵害根絶取組事例紹介サイト「気づくことで、傷つけない未来へ」を公開(15日)
都内の動き
■保健医療局は、自死遺族等が直面するさまざまな問題について、死別の直後から相談ができる「とうきょう自死遺族総合支援窓口」を開設(1日)
■都市整備局は、現地への液状化対策アドバイザーの派遣費用を無料化(2日)
□平成25年伊豆大島土砂災害から10年が経ち、東京ボランティア・市民活動センターは、5年ぶりに復興交流プログラムを実施(21~22日)

〈11月〉
全国の動き
●厚労省は「令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要」を公表。収支差率は全サービス平均ではプラス2・4%だったものの、特養などの施設系サービスはマイナス1%程度と、本調査開始以来、初の赤字を記録(10日)
●厚労省は「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」結果の概要を公表。令和4年度の各サービスの収支差率は、令和元年度比0・3ポイント増の5・3%(15日)
都内の動き
■福祉局は、令和4年度東京都福祉保健基礎調査「東京の子供と家庭」の結果を公表。小学校4年生~中学校3年生本人に対する調査を初めて実施した(29日)
□東京善意銀行は、東京の児童養護施設等から退所し、進学や就職をする若者にお祝い金を贈呈するため、クラウドファンディングを実施(16日~)
□東社協知的発達障害部会は「Session! TOKYO2023」を、これまでより出展数を増やして開催(26~28日)

〈12月〉
全国の動き
●法務省は「令和5年版犯罪白書」を公表。非行少年の幼少期の逆境体験を初めて分析し、全体の約6割が「家族から、殴る蹴るといった体の暴力を受けた」と回答したことが判明(8日)
●厚労省は「診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定について」を公表。それぞれの改定率は、+0・88%、+1・59%、+1・12%(20日)
都内の動き
■福祉局は、「心のバリアフリー」の定義や場面ごとの配慮のポイント、学校の授業等で活用できる動画などの情報を一元的に発信する「心のバリアフリー」の専用ホームページを開設(15日)
□「第72回東京都社会福祉大会」を開催(22日)


--4【TOPICS】
25年前に立ち返り、未来の市民社会をともに描く
ーNPO法25周年記念フォーラム

特定非営利活動促進法(以下、NPO法)の成立から25年が経ち、NPO法人は人々の生活を支えるインフラの一部となり、全国各地で多様な取組みやプレイヤーが生まれ続けてきました。成立当時に比べ、課題が多様で複雑化する社会において、その役割、そして期待は日々高まり続けています。施行から四半世紀の節目となる2023年12月1日。社会におけるNPOの存在を改めて俯瞰し、これからの市民社会を考える場として、NPO法人セイエンとNPO法人日本NPOセンターの共催で「NPO法25周年記念フォーラム」が開かれました。

自分たちだけではなく、他者とともに取り組む
「NPO法の理念から、目指す市民社会を考える」をテーマとしたトークセッションでは、NPO法の立法等に大きく寄与してきたNPO法人協力アカデミー代表の松原明さんほか、これまで活動を続けてきた市民活動団体が登壇し、それぞれの視点や経験から課題や思いが共有されました。
その中で、松原さんからは「活動をする団体を支えることを通して、〝多くの人が社会のために、自由に参加できる社会〟を理念として描いていた。25年経った今もその理念は変わらないが、多くの課題に対して他者と結びつき、協働していくことが求められている」との発言がありました。また、登壇者からは共通して「参加ハードルの高さ」が課題として挙げられ、国内だけでなく世界ともつながれる時代において〝自分たちの活動に対し、いかに関わりたいと思ってもらうか〟を考えることが大切になってくるといいます。
トークセッションの後は、各地の実践者が活動内容や展望を1人5分で話すリレートークを実施。取り組むテーマや活動歴の異なる一人ひとりが、活動に至った背景や思いをつないでいく時間となりました。

世代や立場を超え、これからの市民社会をともに考える
フォーラムの最後には、「これからの市民社会づくりへの提言」と題し、再びトークセッションの場が設けられました。それぞれの登壇者が経験から感じることを伝え、その一人であるNPO法人WELgee代表理事の渡部カンコロンゴ清花さんは「ほっといても参加する人はする。どこまで人を巻き込めるかが重要。色々な人が参加できるように、私たちは多様な選択肢を残せているのか」と会場に問いかけました。
こうして幕を閉じたフォーラムでは、参加者同士が考えや思いを共有する時間が設けられたほか、終了後には交流会も開かれています。NPO法施行から四半世紀が過ぎる今、理念として描いた社会に近づくために何が求められているのか。世代や立場を超えて、ともに考える一日となりました。

(写真 フォーラムには全国から約200名が参加した)

(写真 それぞれの思いを伝えたリレートーク)

(なるほどword
特定非営利活動促進法
特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等で、市民の自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進することを目的とする。
1998年3月19日に成立。)

(QRコード 登壇者をはじめ、フォーラムの詳細な情報はホームページのプログラムよりご確認いただけます)


--5【福祉職が語る】
時代の変化を敏感に察知し、社会のニーズに応えていく
社会福祉法人東京都共同募金会 理事 加納高仁(Takahito Kanou)

大正大学文学部社会学科を卒業後、社会福祉施設職員等を経て、1978年に社会福祉法人東京都共同募金会に入職。1995年~2005年まで、都内の複数の専門学校・大学で非常勤講師として「地域福祉論」等を担当。2007年に事務局長、2016年から2023年6月まで常務理事・事務局長を兼任。現在、東京都共同募金会理事、同配分委員のほか、社会福祉法人シルバーウィング理事を務める。

◆寄付者の意志を社会につなげる
「共同募金」は、一般市民である寄付者と福祉実践者として資金を活用する者(受配者)の橋渡しを目的とする事業です。寄付を募る方法や配る範囲等は社会福祉法で定められています。
一般的な福祉の仕事で対象にするのは福祉的な支援を必要としている方ですが、共同募金の「寄付を集める」という仕事においては、一義的に対象にするのは一般市民です。ここが他の福祉の仕事と最も違う点です。
寄付の呼びかけをしていると、共同募金の意義を理解してくださる市民もいれば、集め方等を理由に拒否される方、あるいは社会福祉なんて対岸の火事だという感じでまったく興味を示されない方もいます。このような状況で私が最も大切にしてきたのは、寄付者の意志と、寄付を受ける側である社会福祉団体にとっての有効性が一致する配分を行うことです。千円の寄付がその金額以上の価値となって活かされること、それは双方にとって最も重要な視点だろうと思います。

◆アカウンタビリティと情報リテラシーの重要性
昔、こんなことがありました。日雇いのアルバイトをしている青年が事務所に現れ、「たいした額ではないけれど、路上生活をしている人に定期的に寄付をしたい」と熱っぽく語り、なにがしかのお金を置いていかれました。その後も不定期ではありましたが、1年ほど振込が続いたのです。
ある程度金額が貯まった段階で、路上生活者支援を行ういくつかの団体の中から本人に配分先を選んでもらいました。いわゆる「目に見える配分」です。寄付者ご本人の意志に沿った配分はとても喜んでもらえました。
共同募金にはアカウンタビリティ(説明責任)が強く求められています。このエピソードに表れているようなお気持ちを大切にする責任が共同募金にはあります。すべての寄付に対して、直接的に目に見える形で対応できるわけではありませんが、思いを形にして役立てるしかけができると良いと思います。
もちろん、寄付がどのように活かされたかだけでなく、私たちはこういう福祉社会をつくりたいんだということを世間にしっかり伝えることも重要です。
また、情報リテラシーも大切です。社会の変化によって社会福祉が対象とする方々の課題が変化すれば、当然それに対応する社会福祉活動も変化するので、時代の変遷には敏感でなくてはなりません。寄付者の意志も時代の風潮や思潮に左右されるものです。こうした受配者の状況と寄付者の声を十分に聞きながら、福祉社会の実現にとって何が本当に有効な助成になるのか。これらを判断できるバランス感覚も意識してきました。
アカウンタビリティや情報リテラシーの重要性。これが、長い間、共同募金に携わってきて気づいた大きな点です。

◆社会の声に耳を傾け、ニーズに応えていく
私は大学では社会福祉ではなく社会学を専攻し、ライト・ミルズ等のアメリカの社会学者の著作に大きな影響を受けました。大学での学びから得た知識が、特に東京の共同募金を実施するにあたって、社会や時代の声を理解することの基礎になりました。また、福祉業界特有の考え方から物事を判断していないか、一般市民の視点や判断こそ大事なのではないかと感じて、そのようなスタンスで仕事に携わってきました。
私が福祉職として関わりを持ち始めた約半世紀前と比べて、現在の日本は社会経済の情勢も福祉関係法令の整備も格段に豊かになりました。同時に、時代が要求する福祉課題はますます多岐にわたり、複雑化し、増大化していると感じます。
人が暮らしていく限り、社会がどのように変わっていっても、福祉関係者の存在は社会にとって欠かせないものです。次世代を担う皆様には、時代のニーズを敏感に察知して、活動されていくことを期待しています。

--6【 東社協発】
「令和5年度 地域福祉フォーラム東京力×無限大」開催のご案内
 東社協では、小地域福祉活動の推進を目的に、「令和5年度地域福祉フォーラム 東京力×無限大」を開催します。実に5年ぶりの会場開催です!
今年度は「ここから ふたたび 地域づくりの1歩を踏み出す」をテーマに、基調報告・対談と2つの分科会を行います。詳細は 東社協ホームページをご覧ください。みなさまのご参加をお待ちしています。
▽日 時 2023年1月27日(土)13時~16時
▽会 場 飯田橋レインボービル
▽参加費  500円
▽対 象 地域福祉に関心のある方は誰でもOK
▽問合せ先 地域福祉部地域福祉担当 03ー3268ー7186

(QRコード 開催の詳細と参加申込みはこちらから▼)

第72回東京都社会福祉大会を開催
2023年12月22日(金)に東京都、東京都共同募金会、東京都社会福祉協議会の共催により、東京都社会福祉大会が開催されました。当日は、東京の社会福祉の発展に功績のあった492名56団体に、表彰状・感謝状が贈呈されました。
 東社協会長表彰・感謝の受賞者名と功績概要は本会ホームページよりご覧いただけます。

(QRコード 第72回東京都社会福祉大会開催報告ページ)


市民社会をつくるボランタリーフォーラムTOKYO2024を開催します
多様なテーマで20の分科会を実施します。今、社会で起こっているさまざまな課題を取り上げ、その解決に向けて、わたしたち市民にできることを一緒に考えるイベントです。
▷日時:2023年2月9日(金)~11日(日)
▷申込み・問合せ先:東京ボランティア・市民活動センター TEL 03-3235-1171

(QRコード フォーラム特設サイト▶)

ゆめ応援ファンド助成募集中
都内におけるボランティアグループ、市民活動団体を対象とした活動資金助成。

▷助成金額:上限50万円(2024年4月1日以降に支払う費用が対象)
▷申込方法:申請書を記入の上、必要書類を添付し郵送
▷募集期間:2023年12月1日(金)~2024年1月24日(水)(消印有効)
▷申込み・問合せ先:東京ボランティア・市民活動センター TEL 03-3235-1171

(QRコード 申込み詳細はこちら▶)


--7【くらし今ひと】
住職として、当事者として人と暮らしに寄り添う場づくり

家族写真撮影や移動水族館など、障害をもつ子どもとその家族の交流の場「くつろぎば」をお寺で開催する勝林寺の住職、窪田充栄さんにお話を伺いました。

◆「神も仏もない」と嘆く日々
物心ついた頃から、将来は住職になりお寺を継ぐものだと思っていました。大学卒業後は、埼玉県の平林寺で3年間修業した後に僧侶となり、結婚して2年後に長男が、3年後に次男が生まれました。次男は、出産時のトラブルが原因で脳性麻痺となり、四肢不自由の障害を抱えてしまいました。さらに、お寺の改築や父の闘病、長男の発達障害も重なり、「なぜ私だけこんな目に遭うんだ」、「僧侶という職業でありながら、この世に神も仏もないのか」と精神的にひどく落ち込み、悲観ばかりしていました。次男と公園に出かけた時が一番つらくて、楽しそうに遊ぶ家族を見ることができず、次第に公園を歩けなくなってしまいました。しかし、次男の看護生活は待ったなしで続きます。訪問看護ステーションの看護師さんや区の保健師さんなどと接する中で、少し先の未来を教えていただきながら、だんだんと前向きになっていきました。
同じころ、妻から誘われた講座で「グリーフケア」を知りました。「グリーフ」とは、失った人や物に対して生まれる心や体の反応を表します。それを忘れたり、乗り越えたりしようとするのではなく、抱えやすくするのが「ケア」の考え方です。学んでいくうち、次男が生まれる前に抱いていた「楽しいであろう子育て」から一気に突き放されたと感じることも「グリーフ」なんだと気づかされました。
次第に、僧侶であり障害をもつ子どもの親でもある自分が、お寺という環境を生かして同じ境遇の方たちと思いを共有する場をつくりたいと思い、2016年12月に障害をもつ子どもとその家族が交流する場「くつろぎば」を始めました。

◆悩みや不安を吐き出す場づくり
「くつろぎば」では、まず自己紹介をして、お昼を食べながら会話をし、催し物で楽しむという流れになっています。大切にしていることは「話す時間」です。日々の不安や思いを吐き出してもらい、みんなで分かち合いながら、「一人じゃない」と感じてもらいたいと思っています。子どものための場でありつつ、その家族も笑顔にしたいという思いがあります。
催し物は、流しそうめんや家族写真撮影をはじめ移動水族館など、多岐にわたります。どれも、自分の子どもに経験させてあげられなかったことを同じ境遇の方々と一緒に体験したいという思いで企画を考えています。参加者からは「来て良かった」「ゆっくり食事ができた」などと言っていただき、その言葉が何よりの救いです。

◆お寺を生活に身近な存在にしたい
これからも、「くつろぎば」を細く長く続けていければいいなと思っています。同じ取組みを広めたいというより、例えば子ども食堂に熱心に取り組んでいるお寺や、貧困に対して支援をしているお寺といったように、それぞれのお寺に特色があってもいいのかなと思います。コンビニよりもたくさんあるお寺が、何かひとつ社会の問題に取り組めたら、さらに良い世の中になるんじゃないでしょうか。

(QRコード 「くつろぎば」ホームページ)


--8【年頭所感】
東京都社会福祉協議会会長
木村 惠司

誰もが安心して暮らすことのできる地域共生社会づくりをともにすすめる

新年あけましておめでとうございます。
昨年は、新型コロナウイルス感染症が五類に移行し、アフターコロナ元年となりました。経済活動が本格的に再開し、我が国の経済基調は回復に向かい、活況を呈しています。
一方、長期に渡ったコロナ禍で孤独・孤立などの問題は顕在化し、また、すべての団塊世代が後期高齢者となり社会保障や労働力確保等に大きな影響を与える「2025年問題」も目前に迫っています。
そのため、本年は制度改革の節目の年として、介護保険法や障害者総合支援法の改正、女性支援法の施行が予定されています。また、重層的支援体制整備事業を活用した地域における取組みも着実にすすめられていきます。
本会といたしましても、令和6年度が最終年度となる「 東社協中期計画」に基づき、こうした制度・施策の実効性を高め、誰もが安心して暮らすことのできる地域共生社会の実現に向けて、関係者の皆様とともに考え続け、取組みをすすめてまいりたいと存じます。
長引く円安に伴う物価高、資源高の影響により福祉を取り巻く環境は非常に厳しい状況でありますが、本年が辰年にふさわしく、困難を克服し、飛躍する一年となりますよう心より祈念しております。

 

以上で、福祉広報2024年1月号を終わります。

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