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東京都社会福祉協議会

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福祉広報 2024年4月 783号 テキストデータ

【表紙】(写真)
誰もが気軽に立ち寄れる小さな図書館「えんがわ文庫」。
好きな本について語り合う時間には、思いもよらない発見や出会いが。
―えんがわ文庫 調布市―


【目次】

1社会福祉NOW
2み~つけた
3連載 福祉施設が取り組む広報活動 第1回
4福祉のおしごと通信
5Information(東京の寄附のカタチ/マンスリーニュース/ 東社協トピックス)
6くらし今ひと


--1【社会福祉NOW】
新型コロナ特例貸付 ~貸付の記録と今後~

新型コロナ感染症が5類感染症になり、2024年5月で1年になります。
コロナ禍の出来事が過去のものになり、人々の記憶から薄れつつある中で、東京都社会福祉協議会では、2年半にわたり実施した「新型コロナ特例貸付」に関する調査を実施しました。

2020年3月、新型コロナの感染拡大に伴い、「生活福祉資金貸付制度」の特例貸付が実施されることになりました。
生活福祉資金の歴史は古く、平常時の生活支援のほか、地震や豪雨による災害が発生した際に、特例貸付として被災者(世帯)に対する支援を実施してきました。現在も、2024年1月1日に発生した能登半島地震の被災者を対象に、特例貸付が行われています。
しかし、新型コロナによる特例貸付は、これまでの特例貸付とは異なっていました。全国の都道府県で一斉に実施されたこと。住民税非課税世帯は償還免除になり得ることが制度開始から広報されたこと。加えてコロナ禍が長く続いた結果、60万を超える申請を受け、貸付決定することになりました。
東社協では、この過去に類を見ない制度がどのように実施されたのか、 東社協および区市町村社協がどうやってこれを乗り切ったのか、どのような借受人、世帯が利用したのかなど、記録に残す必要があると考え、調査を行い、報告書にまとめることにしました。

膨大な申請への対応
2020年3月25日の受付開始後、申請の第1ピークとなったのは4月~6月の3か月でした。この間、東社協では局内応援を実施したほか、4月末からは東京都からの応援職員、派遣職員、アルバイトなどにより増員を図り、週7日体制を組んで対応しました。また、膨大な事務処理のための場所や機材の確保など、貸付をすすめるためのハード面を整える必要もあり、担当職員は制度運用や相談対応のほかにも、さまざまな事務に当たる必要がありました。
区市町村社協の当時の状況については、アンケート調査と、一部ヒアリングを実施して情報を収集しました。
その結果、多くの地区がピーク時には、応援職員や派遣職員の雇用などにより増員して対応していました。しかし、担当職員は窓口対応に加え、業務の指揮・切り出しなどの必要もあり、負担は少なくありませんでした。また、徐々に社協業務が平常に戻る中で迎えた、再貸付開始の第2ピークでは、応援が望めず、少ない担当職員で対応せざるを得なかった地区もありました。また、相談や業務スペース、書類保管場所の確保も、制度が長期化することで困難になるなど、内部調整が必要な場面が多くありました。
いずれの社協もさまざまな工夫をし、未曽有の事態に当たっていましたが、結果的に、職員はオーバーワークせざるを得ない状況だったことが分かりました。さらに、クレームなどの対応で疲弊し、体調を崩す職員も少なくありませんでした。
今後起こり得る首都直下地震などの災害は、長期間続いたコロナ禍とは異なると予想されますが、共通する状況も多いと考えられます。そのため、特例貸付の対応を、災害時に向けた事前調整や準備などに生かす必要があると認識しています。

借受人の実態と課題
区市町村窓口からの相談や申請書類により、特例貸付の借受人は、従来の生活福祉資金とは層が違うという印象がありました。それらのことが、貸付データやアンケート調査によって、明確になりました。
貸付データで目を引くのは、外国籍の借受人の存在です。外国籍の借受人は全体の約2割を占め、地区によっては4割に及んでいます。従来の資金に比べ、若年層(20代)の借受人が多いことも特徴的ですが、外国籍の借受人が割合を押し上げていたことも分かりました。この中には貸付をきっかけに、区市町村社協で関わりが持てるようになった世帯もありますが、在留資格の期限が短く、移動を繰り返す借受人も多く、償還期間中の支援の課題となっています。
アンケート調査で印象的だったことの一つは、コロナ前後の仕事の状況です。コロナ前後で雇用形態が変わった、と回答した借受人は、2023年7月現在で約3割が無職、約2割がパート・アルバイトと回答していました。
次に、特例貸付以外の借金を尋ねた項目です。アンケートでは、「月収20万円未満」「特例貸付を除く借金が100万円以上」「月の返済額が5万~10万円」と答える借受人が一定数見られました。貸付データからまとめた債務整理関連の結果でも、借り入れ前から多重債務状態であった借受人が多く存在したことが分かりました。
特例貸付は、要件に該当すれば償還免除になる可能性がありますが、特例貸付が、就労の不安定な人や多くの借金を抱える人にさらに最大で200万円、合計12年間の償還期間を課したということは事実です。

新型コロナ特例貸付が残したもの
新型コロナ特例貸付は前述のとおり、従来の制度だけでなく、これまでの特例貸付とも全く異なる制度でした。特に、コロナ禍に対応するために原則郵送で、迅速に貸付決定することを求められた結果、ほとんどの借受人に、個人として関わることができませんでした。「生活福祉資金貸付制度は相談支援前提の貸付である」という前提が崩れたことで、多くの職員が特例貸付を社協が担う意味を疑問に思いながら、粛々と遂行してきました。一人ひとり相談支援をしながら貸付することは事実上不可能でしたが、区市町村社協アンケートから、償還期間に入った現在、その影響を強く感じます。
しかし、特例貸付によって、社協の認知度が上がったことも、多くの職員が感じています。特例貸付をきっかけに、初めに相談する先として社協を頼るようになった人もいます。また、今までの社協活動では見えていなかった、外国人や若年者、生活困窮者の課題が顕在化したことも、制度を実施したことで得たものといえます。
特例貸付の申請期間が終了してから1年以上が経ち、今やコロナ禍についてほとんど語られなくなりました。しかし、特例貸付の担当では現在も、貸付を利用し、生活困窮状態が続く人からの相談を受け続けています。また、特例貸付により顕在化した地域の課題にどう取り組んでいくのか。今後再びコロナ禍のような事態が起こった際に、どうすべきなのかなど、多くの課題が残されています。
今回作成した報告書により、改めて特例貸付のことを思い出し、東社協をはじめ、それぞれの立場の今後の活動・検討に役立てられると良いと考えています。

棒グラフ 申請数の推移
円グラフ コロナ前後で雇用形態の変化「あり」と回答した人の現在の雇用形態(回答件数725人)


--2【み~つけた】
まちの人が集まり、つながりが生まれる小さな図書館

みんなで運営し、育てていく交流の場
調布市市民活動支援センター入口のひときわ目立つ看板が印象的なえんがわ文庫。誰もがふらっと立ち寄れる明るい図書館で、2021年秋にオープンしました。きっかけは、センターをもっと使いやすくするためのプロジェクトが、調布市市民活動支援センターの運営委員会で立ち上がったこと。本を置くスペースとして活用する構想がありましたが、本の寄贈を募るだけだと継続的な交流につながらないため、1人1箱、自分だけの本棚を持つ「みんとしょ」スタイルを取り入れました。本棚のオーナーを「棚主」と呼び、棚主はえんがわ文庫の場づくりや運営にも主体的に関わります。
本棚はりんご箱を再利用し、自分たちで一つ一つ丁寧にやすりがけを行い、みんなで力を合わせてオープンに向けて準備をしました。えんがわ文庫を象徴する看板も手作りです。

本を通じて広がる出会い
棚主は、中学生から90歳くらいまでと非常に幅広く、センターのことを知らなかった人も、えんがわ文庫をきっかけに関わりを持ち始めています。棚主になった経緯はそれぞれで、「調布市の広報誌でえんがわ文庫のことを知って参加しました」という方もいれば、「このような活動を前から探していて、無料でできるのがいいなと思って」と話してくれた方も。また、「年齢や趣味嗜好がバラバラな人たちが集まっていて、普段の生活では経験できない出会いがある場」と、えんがわ文庫の魅力を笑顔で教えてくれました。
コミュニティスペースとして開放するほか、好きな本(イコール 推し本)を持ち寄って紹介し合う会や、棚主による読み聞かせをするおはなし会など、交流イベントも定期的に開催しています。
イベント以外では、棚主それぞれが空いた時間に棚の整理をしたり、家でつくった飾りを持ってきたりと、来られる人が来られるときにできることをしています。「気軽にふらっと立ち寄れる場所になっていて、ほっとする感じがします」と棚主の一人は話します。
現在は、本の貸し出しはしていませんが、立ち寄った人は気になる本を手に取ったり、ベンチに腰掛けたりと思い思いに過ごすことができます。えんがわ文庫は、市民にとっても棚主にとっても居心地の良い居場所となっています。

えんがわ文庫
本を通じて人や地域につながるための民設図書館で、本好きもそうでない人も楽しめる空間。
場所:調布市市民活動支援センター内(京王線国領駅から徒歩1分)
問合せ先:調布市市民活動支援センター 電話042-443-1220

(写真 えんがわ文庫 調布市)


--3【連載 福祉施設が取り組む広報活動 第1回】
組織横断型の広報委員会を設置し、若手を中心に取組みを推進

社会福祉法人 村山苑(東村山市)

この連載では、福祉施設がさまざまな工夫や試行錯誤をしながら取り組んでいる広報活動を取材します。今号では、法人全体の広報について検討する広報委員会を立ち上げた村山苑の取組みをお伝えします。
2023年度から若手メンバーが中心となって法人の魅力を改めて振り返りながら、発信に向けた準備をすすめています。

若手メンバーによる広報委員会を設置
村山苑は、東村山市を中心に、生活保護・生活困窮、高齢、保育、障害などの各種事業を行っている法人です。広報活動については事業所ごとに広報紙やウェブサイトによる情報発信を行ってきましたが、今回はそれらとは別に、法人内の部門を超えた広報委員会を設置しました。
集まったのは、前述の4部門と法人本部の一般職員たちに担当施設長を加えた6名。おおよそ在職10年未満で30代の職員を中心に兼務しています。2023年5月の第1回委員会では、村山苑および社会福祉法人の魅力を発信しブランド力をつけ、働く人や利用者の確保のほか地域貢献につなげていくこと、そして福祉や村山苑の当たり前にとらわれないで、新しい発想で取り組むことという法人の方針が示されました。そのため、担当施設長はサポートに徹し、委員が主体となってすすめていくことを確認するとともに、当面のテーマを人材確保にすることを決めました。

人材確保をテーマに検討を開始
取組み方策案として、広報紙やウェブサイトのリニューアル、イベント等外部へのアウトリーチなどが挙がりましたが、学生や求職者への訴求力を考慮してコンサルタントを入れたSNS動画の強化に取り組むこととしました。
9月には内部向け広報としてメンバーの自己紹介を兼ねた「広報委員会だより」を発行。在職中の職員が村山苑に就職しようと思った決め手を探るため、QRコードから簡単に回答できるアンケートを掲載し、法人を知ったきっかけや、村山苑にしかない魅力、強みや弱みのほか、動画作成協力の可否についても聞きました。
アンケート結果について委員長の鈴木野生さんは、「『入職する前には分からなかったけれど、実際に働いてみると結構良いよね』といった回答が印象的でした。フォローし合える職場の雰囲気や福利厚生、休暇の取りやすさなどの『働きやすさ』や、長く働ける職場であることをいかに学生や求職者に伝えていくかが重要だと感じています」と話します。
11月から2024年2月にかけては、委員会をそれまでの月1回から月2回の開催に増やしました。コンサルタントの助言を得ながら、法人の魅力を改めて言語化したり、分野ごとのターゲットの明確化(ペルソナの設定)をしたり、SNS動画の企画づくりをすすめたりしています。SNS動画の企画案では、職員一人ひとりを「ムラヤマン」と呼んで、利用者との日常的なやりとりやケアの工夫などを発信していくことを予定しています。
鈴木さんは「どんなことが発信のネタになるのか分からないこともありますが、コンサルタントやメンバーと話す中で、『お、それいいじゃん!』と気づくことがあります。『ムラヤマン、がんばってるね!』といった感じで、楽しく発信していきたいです」と話します。

組織全体の取組みをめざして
課題は、いかに組織的にすすめていけるか。1月、鈴木さんは広報委員会の取組みについて「今これをやらなければ村山苑は人材を確保できない」と題する文章を、法人全体の広報紙に寄せました。法人内には広報委員会を応援する温かい声がある一方、まだ十分に存在が認知されていない状況もあります。「委員会だけではなし得ない、法人全体の取組みなので、応援するだけではなくて、みんなで一緒にすすめていくことを伝えようと思いました」とねらいを話します。
鈴木さんは、「採用者増という結果がいつ出るかは分かりませんが、それでも今、スピード感をもって広報活動をすすめることが大切。2023年度は花を開かせるための準備期間に充てたので、これから本格的に発信していきたいです。今踏ん張って、次の世代につなげていかないと」と意気込んでいます。

(写真 特別養護老人ホーム 第2ハトホーム 生活相談員 鈴木 野生さん)
※肩書は取材当時のもの。2024年4月1日より副施設長

 

--4【福祉のおしごと通信】
一人ひとりが望む社会生活のために
根気よくサポートし続けたい

宿泊型自立訓練施設「葛飾通勤寮」で生活支援員として働く村上 翔さんに、福祉業界に入ったきっかけややりがいなどをお伺いしました。

大学在学中に進路を変え福祉の世界へ
小学校教員免許と特別支援学校の教員免許取得をめざして、大学は教育学の道へすすみました。しかし学んでいくうち、自分には教員よりもチームで支援する福祉職の方が合っているのではないかと思い始め、大学3年生から福祉関連の進路へシフトチェンジしました。2019年に葛飾通勤寮へ入職し、勤務しながら実務経験を積み、2022年に介護福祉士の資格を取りました。
葛飾通勤寮では生活支援員として、軽度の知的障害のある方を対象に洗濯や家事、金銭管理など自立生活に必要な知識や生活習慣を身に付けていただくための支援をチームで行っています。普段は、13時ごろ出勤し、事務作業や関係各所との連携を取っています。16時~17時ごろから利用者さんが就業先等から戻ってくるので、金銭ノートの管理や健康状態の把握、昼間の仕事での悩みや困ったことなどについて相談に乗っています。

自立の大事な一歩、金銭管理の大切さ
自立をする上で重要なポイントになるのが、金銭管理です。葛飾通勤寮では働いた給料をいったんお預かりし、そこから1週間決まった金額を現金で渡して、やりくりをしてもらっています。金銭ノートには毎日出費を記載してもらい、手元に残った残金と支出が合っているか一緒にチェックしています。
ある利用者さんとの印象的なエピソードがあります。その方は、1週間の決まった予算内でのやりくりができず、残金をすべて使ってしまったことがありました。そこでまず、将来かかるお金のことや、光熱費や物価が上がっている昨今の状況を説明し、時には厳しく接しながら、毎月のやりくりの重要さについて根気よく寄り添い続けました。このことをきっかけに、その方が自分なりの答えを見つけ出せたのは嬉しかったです。

それぞれの人生と向き合いつつ並走する
利用者ごとに年齢や成育歴、特性などが異なり、それぞれライフストーリーがあってとても興味深いです。同時に、利用者の数だけ課題や支援方法もさまざまなので、一人ひとりにどれだけ向き合い、寄り添えるかが、社会生活を自立して送ってもらうためにも重要だということをひしひしと感じています。上司や先輩は信頼できる人ばかりで、困ったことや悩みを相談するといろいろな意見をもらえたり、時には軌道修正していただいたりと、毎日学ぶことが多いです。これからも、利用者の方々へさらにきめ細やかな支援ができるよう、成長し続けたいと思います。

(写真 社会福祉法人 原町成年寮 葛飾通勤寮 生活支援員 村上 翔さん)
(写真 コーヒーや紅茶、アロマなど、香りで癒されるものが好きです。休憩中には、自分の好きなお茶やお菓子でリフレッシュしています。)


--5【Information(東京の寄附のカタチ/マンスリーニュース/ 東社協トピックス)】
東京の寄附のカタチ
ドールハウス・ミニチュアづくり体験
~初めてのドールハウスに子どもたちが挑戦!~

日本ドールハウス協会は、ミニチュアの家「ドールハウス」の普及・発展のため、各地で展示イベントやワークショップを開催しています。
今回は、講師が児童養護施設を訪れ、小中学生を対象に、“自分だけの”ドールハウス制作体験を行いました。

東京善意銀行では社会福祉施設等への寄附のご相談を承っております。

(写真 制作体験終了後には、子どもたちから「楽しかった! またやりたい!」という声が聞かれました。)

マンスリーニュース
2024年2/26~3/25

ピックアップ
(2/27)子どもの出生数、過去最少を更新
厚生労働省は、人口動態統計速報(2023年12月分)を公表。2023年に生まれた子どもの数は、8年連続の減少で75万8,631人と、過去最少であることが明らかになった。

(2/26)高齢者の通いの場への参加率5.5%
厚生労働省は「介護予防・日常生活支援総合事業等(地域支援事業)の実施状況(令和4年度実施分)に関する調査結果」を公表。通いの場は全国で14万5,641か所、主な運営主体が住民団体や個人の通いの場への高齢者の参加率は5.5%だった。

(3/6)生活保護申請件数は約25万件
厚生労働省は、被保護者調査(令和4年度確定値)の結果を公表。2023年1月~12月の生活保護申請件数は、25万5,079件と、現行の調査方式になった2013年以降で最多であることが明らかになった。


東社協トピックス
2024年度の 東社協事業計画・予算が決定しました
2024年3月19日の理事会および、3月28日の評議員会にて、2024年度の 東社協事業計画・予算が承認されました。2024年度は、「 東社協中期計画」の3年目で、最終年となります。「東京の多様性を活かし、それぞれの地域生活課題を主体的に解決できる地域共生社会」をめざし、事業を推進していきます。
内容の詳細は、ホームページからご覧いただけます。

QRコード 東社協ホームページ 事業計画・予算


研修受付システム「けんとくん」への登録はお済みですか?
東京都福祉人材センター研修室では、都民を対象とする事業所の職員を対象として、さまざまな研修を実施しています。収録型やライブ型、集合型など、研修内容に合わせた形態で実施予定です。研修を受講する際には、研修受付システム「けんとくん」にて事業所登録を行う必要がありますので、ぜひこの機会にご登録ください!
研修によって、参加対象や参加要件、申込み時期などが異なりますので、ホームページにて、2024年度の「年間研修予定一覧」をご確認ください。
【お問い合わせ先】東京都福祉人材センター研修室 電話03-5800-3335

QRコード 東社協ホームページ 東京都福祉人材センター研修室


東社協の本
ご注文は 東社協図書係まで 電話03-3268-7185

福祉職場の新任職員・未経験者は何に悩んでいる?
施設長・先輩職員のための定着応援ハンドブック

新任職員のよくある困りごととその解決のためのヒント、施設の取組み事例等の情報をまとめています。
B5判/52頁
発売日2022.4.4
本体440円(本体400円+税10%)

(写真 定着応援ハンドブック 表紙)


社会福祉法人のための規程集 役員会等運営の実務編
役員会等の運営において実務担当者が迷いやすい点を整理しました。
A4判/380頁
発売日2020.9.2
定価4,400円(本体4,000円+税10%)


令和4年度改正法施行対応版 社会福祉施設・事業者のための規程集
社会福祉施設・事業者で対応が必要なものを整理し、その解説と改正する規程を例示しました。
A4判/132頁
発売日2022.7.21
定価2,200円(本体2,000 円+税10%)

 

--6【くらし今ひと】
相手を思いやり
きめ細かな支援をずっと続けていきたい

瑞穂町社会福祉協議会の有償家事援助サービスの協力会員として、約24年間、地域住民の暮らしをサポートしてきた今保 祐子さんにお話をお伺いしました。

子育て中も心に秘めていた「社会とつながっていたい」という想い
栃木県で生まれ、就職を機に上京しました。結婚、第1子の出産を経て瑞穂町へ引っ越してきました。子育てをしていた時期はとても忙しく、特に第3子を出産した後は夫の親の介護も重なり、心身ともに疲弊していました。また、専業主婦としての立場にも引け目を感じ、「社会とつながっていたい」という気持ちを持ち続けながら、子育てに没頭する日々が続きました。子育てが落ち着いてきた頃、趣味だった洋裁を本格的に学ぼうと思い、立川市にある洋裁学校へ入学しました。洋裁学校で、ボランティアとして高齢者福祉施設に行きバザーのお手伝いをしたことがあったのですが、その施設でホームヘルパー2級(現 介護職員初任者研修)講座を開催することを教えてもらい、受講してみることにしました。それから瑞穂町の社会福祉協議会で2000年に有償家事援助サービス「ふれあいサービス」ができたことを知り、「自分にも何かできることはないか」という想いで協力会員になりました。

相手をよく知り、よく話を聞く大切さに気づかされる
協力会員になってから約24年間、子育て世代から高齢者まで、家の掃除や買い物、料理など、家事援助を中心にお手伝いをしてきました。地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)の生活支援員としても10年ほど関わらせていただいています。
忘れられないエピソードがあります。当時、協力会員としてスタートしたばかりの頃、一人暮らしの高齢男性の暮らしのサポートをさせていただくことになりました。その方に「マグロの刺身を買ってきてほしい」と頼まれ、何も考えずスーパーへ買い物に出かけたのですが、いざ刺身売り場に行くと、切り身や柵、マグロの種類や部位がたくさんあり、金額もさまざまで、どの刺身を買ってきたらいいのか手が止まってしまったのです。そこで、買い物ひとつとっても利用者さんがどんなものを望んでいるのか、細かいことを聞いてから行動するべきなのだと気づきました。そして、もう一度利用者さん宅へ戻り、希望のものをしっかり聞いてから再度スーパーで買い物したことがありました。この経験から、サポートに入る前には予算や好み、状態など、利用者さんの要望をとことん聞くようにしています。

相手を思いやる心を忘れず
理解しようとする気持ちが大切
協力会員になって感じるのは、「相手を思いやること」の大切さです。いろいろな価値観や生き方があるので、相手の話をよく聞き、理解しようとする気持ちを持つことが大切だなと思います。これからも私の力が及ぶ限り、協力会員としてサポートを続けていきたいです。
趣味の洋裁や合唱、水泳はこれからも楽しんでいきたいです。特に洋裁は長く続けている趣味のひとつで、実は今日着てきたジャケットとパンツは自分で仕立てたんですよ。

(写真 今保 祐子さん)


以上で、福祉広報2024年4月号を終わります。

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