【表紙】(写真)
台東区にあるIRODORI caféでは、フレンチプレスコーヒーと、季節のドリンクや焼き菓子を用意。
コーヒーのドリップやお菓子の陳列など、メンバーそれぞれが役割を担い、地域に開かれたカフェの運営にチャレンジしています。
―IRODORI café(イロドリカフェ) 台東区―
Photo by:木内 博 Kiuchi Hiroshi
【目次】
1社会福祉NOW
2み~つけた
3連載 福祉施設が取り組む広報活動 第3回
4福祉のおしごと通信
5Information(学びを現場のチカラに! 研修室だより/マンスリーニュース/ 東社協トピックス)
6くらし今ひと
--1【社会福祉NOW】
なぜ「女性」支援なのか、社会へ問い続ける
2024年4月1日に「困難な問題を抱える女性の支援に関する法律(以下、新法)」が施行されました。旧売春防止法の「保護・更生」の視点から脱却し、「人権の尊重・擁護」や「福祉の増進」「男女平等」が基本理念として明確化されたほか、民間団体との協働等が示されています。
女性支援の枠組みが大きく動いた今、 東社協女性支援部会の施設長の皆さんにこれまでを振り返りながら女性支援についてお聞きしました。
東社協女性支援部会
(社福)ベテスダ奉仕女母の家 いずみ寮 横田 千代子さん
(社福)慈愛会 慈愛jiai 熊谷 真弓さん
(社福)救世軍社会事業団 救世軍新生寮 熊田 栄一さん、室 孝子さん
(社福)恩賜財団 東京都同胞援護会 自立ホームいこい 田代 秀之さん
新法が施行されるまで、長きにわたり公的な女性支援(婦人保護事業)の根拠であった旧売春防止法。売春のおそれのある女性を「要保護女子」と称し、保護や更生を目的に1956 年に制定されました。この法律の背景には、戦後の国民の窮状、国による慰安所設置が大きく関係しています。横田さんは、幼少期に米兵と歩く女性の姿を目にした一人。後に女性支援に関わり色々な情報に触れる中で、当時の状況を理解していったといいます。「終戦後、占領軍による性暴力から日本の女性を守る名目で国が設置した慰安所。当時最も貧しくて、生きるのに必死だった女性たちがそこを求めていきました。貧困状態にあった日本、決して裕福でなかった私の母も子どもを養う母として、その手段を選んでいたかもしれません。そういう意味で日本が犯してきた売春問題はとても罪深いと感じました」と話します。
そんな横田さんの意識は、施設で「売春婦」と呼ばれた女性たちと出会い、支援する中で強くなり、後の婦人保護部会の取組みの原動力にもなっていきます。「今でいう困難な課題を抱える、または困難な状況に社会的に置かれてきた中で生きるしかなかった女性たちを目の前に、なぜこの女性たちが『売春婦』と呼ばれ、差別的な眼差しで見られなければいけないのかと思いました。利用者の置かれた状況と制度の乖離、そして売春防止法が生んだ独特な偏見と差別を目の当たりにして、女性支援の枠組みそのものに強い問題意識を抱くようになりました」と振り返ります。
一歩ずつ積み重ねてきたもの
旧売春防止法を根拠に設置されていた婦人保護施設は、新法制定を機に、「女性自立支援施設」になっています。都内全5つの女性自立支援施設で構成される「女性支援部会(以下、部会)」はこれまでは婦人保護部会として、旧売春防止法に基づく女性支援の限界や時代に即した女性支援の枠組みの必要性について、早期から社会へ発信し続けてきました。2004年からは3年間にわたり「婦人保護施設あり方検討会」を設け、都内における女性支援の実態を明らかにするほか、冊子にまとめて実態を広く周知するなど、女性をとりまく社会構造上の課題を社会化することをめざしています。その後も、実態調査を続けながら、都内や全国の女性支援を担う関係者との意見交換を積み重ねてきた当部会。女性支援関係者をつなぐハブ的な役割も担ってきました。
熊田さんはこうした取組みを振り返り、“部会”について次のように話します。「都内5施設が集まっていることがソーシャルアクションのうねりになっていました。今回の新法も取組みが実ったものであると思うし、支援現場から社会へ声を上げていくきっかけとして、部会の存在はとても大きかったと感じます。やっと女性福祉も社会福祉としての緒に就いた。支援現場の私たちがどれだけ具現化していけるかが問われています」。続けて、熊谷さんは「部会で積み重ねてきたことが少しずつ目にみえるかたちになってきたといえます。私たちは売春防止法ができる前から、社会福祉事業をやるためにできた法人。都内5施設しかないけれど、社会福祉法人として自負を持って女性支援に取り組んできました」と話します。
つながりを大切に、支援を考えていく
新法が定義する支援の対象は、「性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係性その他の様々な事情により日常生活又は社会生活を円滑に営む上で困難な問題を抱える女性(そのおそれのある女性を含む)」。年齢や抱える課題、現在に至る背景も異なる女性一人ひとりと向き合い、最適な支援を考えることが女性支援施設には求められています。
そうした支援現場に一層大切なこととして、“支援力の養成”と“横のつながり”を施設長の皆さんは挙げます。田代さんは「目の前にいる利用者から日々学んでいく姿勢が職員のスキルアップにつながると思います。一方で、これまでどんな歴史や背景を経て、今の女性支援があるのかを職員に伝えていく必要があります。職員の育成において部会が欠かせません」と話します。また、女性たちの背景や抱える問題は女性支援を担う者だけでなく、他分野にもつながることであり、支援を考える上で 東社協児童・女性福祉連絡会をはじめとした関係機関との連携が今後も重要だといいます。
社会の一人として、女性支援を問い続ける
旧売春防止法が制定されてから68年の月日が経ち、動き出した「女性」に特化した新たな支援の枠組み。長い歳月において女性が差別され、その人権が軽視されてきた社会があり、今もなお、性暴力や雇用格差、経済的困窮をはじめとした、「女性」であることで困難な課題に陥りやすい状況が私たちの社会に存在しています。室さんは、近年「トー横」をはじめとした若者が巻き込まれる性被害の増加に触れながら、「新法は、社会で起きていることを自分事として捉え、女性支援を考えていくことを私たちに求めているように思います。今の社会において、なぜ『女性』に対する支援が必要なのか。私たちは考え続け、社会へ伝えることが問われているのではないでしょうか」と繰り返します。
これまで女性支援の新たな枠組みの必要性を発信し続けてきた部会ですが、2024年度は新法の学習会や関係者との意見交換会など、女性支援の歴史を振り返りながら、これからの女性支援のあり方を考える取組みを予定しています。長きにわたり支援現場から声を上げ続けた横田さんは、「私の入職時、40年前を思い出します。新たな法律ができたことを一番に伝えたいのは、旧売春防止法の保護・更生の名の下に置かれ、差別の色濃い時代、施設で一緒に過ごしてきた古き仲間の利用者の方々です。これからの女性支援に向けてこれまでを振り返る作業が必要ですし、新法が急に生まれたのではなく、歴史が積み重ねられてできたということを私たちは社会へ伝えていかなければなりません」と、新法への想いを話してくれました。
注1 東社協女性支援部会
福祉施設や事業者による業種別部会の一つ。東京都内の女性自立支援施設5施設で構成され、新法が制定された2022年度までは「婦人保護部会」の名で活動
注2 東社協児童・女性福祉連絡会
児童・女性福祉に関連する 東社協5部会が参加し、直面する課題について情報を共有し、種別間の連携を図ることを目的としている
(写真 部会では支援現場の課題意識や実態をさまざまなかたちで発信)
QRコード 2022年の新法成立時に女性支援部会(当時は婦人保護部会)へ取材した記事はこちらからお読みいただけます
QRコード 新法や事業の詳細は厚労省ホームページに掲載されています
--2【み~つけた】
誰でも何度でもチャレンジができる社会をこの場所から
カフェのコンセプトとこだわり
IRODORI caféは、台東区の「障害者施設浅草みらいど」内にある「就労継続支援B型事業所ルーツ」が運営するカフェで、2021 年にオープンしました。
「誰でも何度でもチャレンジができる場所」をコンセプトに、ルーツの利用者たちが、支援員と一緒に、接客やコーヒーのドリップ、お菓子の製造、日当たりのいい店内の温度管理など、さまざまな役割を担っています。こだわりは「My(まい)日(にち)Sweets」として打ち出している日替わりのスイーツ。体にやさしい素材を使い、1つ1つ丁寧につくっています。管理栄養士の資格を持つ支援員とともに、利用者もレシピ研究や試作に携わり、新しいメニューの開発に取り組んでいます。
IRODORI caféの運営メンバーで支援員の松川容子さんは「ハンディキャップのある人たちを地域で支えていくことをこの場所から実現できればいいと思いました。誰もが立ち寄れるカフェとして、地域に向けた発信を大切にしています」と言います。台東区の支援事業を活用し、自分たちの強みや伝えたいことを整理しながら、ブランディングをすすめていったそうです。
開かれた場所であることを大切に
スイーツのラッピングには同じ施設内の生活介護を利用する方々のアート作品を使うこともあります。魅力をより広く伝えるために企業とのコラボや外部イベントへの出店にも取り組んでいます。カフェの定休日にはオープンスペースとして開放し、地域に開かれた場所であることもIRODORI caféが大切にしていることです。
浅草みらいどの施設管理者の中本祐介さんは「ハンディキャップのある人たちのことを知らないがゆえに不安に感じる人もいる。“ 知る”ことで双方の安心につながると思います。共生社会が当たり前となるよう、福祉に携わっている人だけに限らない発信や広がりを大事にしています」と話してくれました。松川さんも「ハンディキャップのある人がつくった商品として購入してもらうのではなく、質・デザインが良いから買う。その商品の後ろに利用者がいる。そんな“ふつう”を叶えたいです」と、想いを語ります。
カフェは2024年で3周年を迎えました。個性という“イロドリ”を持つメンバーが、地域の日常に“イロドリ”を届け、人と人とのつながりを“イロドリ” 豊かなものとしていけるよう、チャレンジを続けます。
IRODORI café(イロドリカフェ)
オープン:月~金10:30~16:30/定休日 第2・4水曜日、土日
場所:台東区今戸2-14-3(浅草駅北口から徒歩15分)
注 台東区の支援事業
台東区が実施する「福祉作業所等工賃向上支援事業」の一環で、福祉作業所等とデザイナー・クリエイター等をマッチングし、福祉作業所等が製作・販売する自主製品のパッケージ改良や商品デザイン改良などの支援事業
QRコード IRODORI café(イロドリカフェ) Instagram
(写真 IRODORI café(イロドリカフェ) 台東区)
--3【連載 福祉施設が取り組む広報活動 第3回】
大学生や企業・地域住民と共につくり上げる広報誌
社会福祉法人 千代田区社会福祉協議会 ちよだボランティアセンター(千代田区)
今号では、学生や地域の人たちと協働して広報誌を制作している、千代田区社会福祉協議会ちよだボランティアセンターの取組みを紹介します。
広報力強化のために誌面をリニューアル
千代田区社会福祉協議会が運営するちよだボランティアセンター(以下、ちよだボラセン)では、広報誌『Volunteer/Chiyodaボラ』を2か月に1回発行し、ボランティアの募集やイベント、助成金などボランティアにまつわるさまざまな情報を発信しています。4年ほど前に大幅に誌面リニューアルを行った背景について、ちよだボラセンを所管する千代田区社会福祉協議会地域サポート課の菅晏奈さんは、「コロナ禍の前からボランティアの活動に参加する人をさらに増やすためにはどうしたらいいか検討してきましたが、広報力強化の一環として、情報をもっと多くの人たちに届けるために誌面のリニューアルを決めました」と話します。
当時は、ボランティア募集やイベント、助成金などの情報のみ掲載していましたが、それだけでなく、実際にボランティアに参加した人の活動レポートや、千代田区内のおすすめスポットを紹介するコーナーなどを新しく加えました。そして、一部の誌面では、千代田区内に在学する大学生や在勤者・地域住民に記者として携わってもらうようにしました。
広報誌の両面を表紙にして、それぞれに違うタイトルをつけたのも大きなポイントです。「Volunteer」というタイトルの表紙は、現在ボランティア活動をしている人向けに情報誌のイメージを前面に打ち出しています。一方で「Chiyodaボラ」の表紙は、今までボランティアに興味がなかった人や若い人をターゲットにし、タウン誌のような手に取りやすいデザインにしています。
読者からの反響は大きく、広報誌を見てボランティアに参加したいという人や、記者として広報誌づくりに加わりたいといった問合せが増えているといいます。
活動の様子をレポートするコーナーが好評
リニューアルを機に新しくつくられたコーナー「今回のVolunteer Spot」は、大学生に「ボラダー」としてボランティアに参加してもらい、その様子をちよだボラセンの職員が記事にするという構成です。活動終了後には、千代田区内のカフェやリラックススポットにも取材をし、その情報を掲載しています。「ゆくゆくは大学生に取材先の選定から記事作成、撮影にも関わってもらいたいと考えています」と、菅さんは話します。
このほか、「ホッとニュース」や「REPORT」、「ボランティア記者レポート」コーナーでは、ホームページで記者を募集し、選出された人が記事を作成しています。記者は、千代田区内の在学・在勤者であれば誰でも応募できます。
中学・高校生にも活動を広めたい
今後取り組んでいきたいのは、より若い世代にボランティアの輪を広げること。そのために、中学生・高校生に広報誌を通じたアプローチを考えています。菅さんは「ボランティア活動を知ってもらう入口として、例えば広報誌制作のワークショップを開き、記者として広報誌づくりから参加してもらうことも考えています。そこから『難しそう』といったボランティアに対するイメージから変えていきたいです」と、今後の展望と想いを話してくれました。
(写真 左の「Chiyodaボラ」の表紙から開くと、学生がボランティアを体験する「今回のVolunteer Spot」のコーナーがあります。右の表紙「Volunteer」からは、ボランティア情報などがすぐに読めます)
(写真 社会福祉法人 千代田区社会福祉協議会 地域サポート課 菅 晏奈さん)
--4【福祉のおしごと通信】
利用者のより良い生活のために福祉用具ができることを考え続けたい
介護用品・福祉用具を取り扱う会社で、福祉用具専門相談員として働く菅野亜由美さんに、仕事へのやりがいや想いなどをお聞きしました。
大学卒業後、福祉用具を扱う会社へ
中学生くらいから漠然と高齢者の力になれる仕事がしたいと思っていました。福祉系の大学で社会福祉士の資格を取り、卒業後は介護施設などで働くことも考えたのですが、ご縁があってフランスベッド株式会社に入社し、今年で12年目になります。
現在は、営業兼、福祉用具専門相談員としてケアマネジャーと大田区にお住まいの個人宅に訪問し、身体や住環境に応じた介護用品・福祉用具のレンタルや購入のご提案をしています。
利用者の立場でより良い提案を心がける
介護用品・福祉用具の営業は、製品をただ納品するだけではなく、多職種の方々と協働しながら、利用者一人ひとりの身体の状態や生活環境などに寄り添って提案・納品する仕事です。納品したら終わりではなく、利用者の状態は変化し続けるので、モニタリングや定期点検など、関わりは続いていきます。人生の最期に関わることもあり、「提案した用具ひとつで利用者の生活が変わる」というプレッシャーをいつも感じながら、責任感をもって一人ひとりに向き合っています。また、私たちの扱う介護用品・福祉用具は、オーダーメイドではなく既製品なので、利用者に100%合うものが見つかるとは限りません。だからこそ、足りない部分を工夫してご提案をしたり、それでも難しい場合は利用者が納得してもらえるように傾聴したりして「できないことをできないで終わらせない」ことを心がけています。
手すりを導入することで利用者が立てるようになったり、歩行器にしたら一人で買い物に行けるようになったりなど、利用者の生活の質が上がり、喜んでいただけた時は心の底から「この仕事をしてきて良かった」と思います。利用者だけでなくご家族が笑顔になるのも、とても嬉しいです。
「菅野さんにお願いしたい」と言われるために
利用者は高齢者だけではなく障害のあるお子さんなどさまざまです。それぞれ身体の状態や生活環境、価値観も異なる中で、人として向き合い、どうやったら信頼を得られるかを考え続けてきました。人間力が試される仕事でもあると感じています。主任として、後輩や部下にも「ものを売るのではなく、自分という“ 人間”を売るんだよ」と伝えています。「フランスベッドの製品がほしい」ではなく「フランスベッドの菅野さんにお願いしたい」と言ってもらえるように、これからも利用者のQOL(クオリティ オブ ライフ)向上の一助になるよう努めていきたいです。
(写真 フランスベッド株式会社 メディカル大田営業所 主任 菅野 亜由美さん)
(写真 愛猫「ちくわ」(8歳・女の子)が毎日の癒しです。実は7年前に営業所の室外機に挟まって鳴いていたのを私が保護しました。ちくわの顔を見れば、疲れも吹き飛びます!)
--5【Information(学びを現場のチカラに! 研修室だより/マンスリーニュース/ 東社協トピックス)】
学びを現場のチカラに! 研修室だより
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コロナ禍の副産物として、WEB研修が急速に普及しました。職場や自宅で受講できるため、移動時間を節約できるのがメリットです。「労働基準法等研修」は、「アーカイブ」配信があることが特徴です。昨年度、受講者の約5割の方は、当日の研修を受講した後、さらに「アーカイブ」でもじっくり学ばれたようです。
研修室では、今年度も多様な研修を計画しています。皆さまの積極的な受講申込みをお待ちしています。一緒に学んでいきましょう。
東京都福祉人材センター研修室では、年間を通じて、階層別、テーマ別、専門等の研修を開催しています。詳細は、東社協研修受付システム「けんとくん」をご確認ください。
けんとくん 検索
QRコード 東京都社会福祉協議会 ホームページ
(写真 専門スタジオからZoomウェビナーで配信を行いました。)
マンスリーニュース
2024/4/26~5/25 ※対象期間外のニュースを掲載させていただくこともあります
ピックアップ
(4/19)高齢者等終身サポートガイドライン(案)を提示
内閣府は、第1回孤独・孤立対策推進本部を開催し、病院・介護施設等への入院・入所の際の手続き支援や、死後の財産処分などの死後事務等を行う事業者向けのガイドライン(案)を初めて提示した。
(4/26)歌舞伎町における若者向け総合相談窓口を開設
東京都は、「トー横」問題をはじめ、さまざまな悩みを抱える青少年・若者を対象とした総合相談窓口「きみまも@歌舞伎町」を設置。社会福祉士等の資格を有する相談員が対応し、一人ひとり
に寄り添ったきめ細かな支援を行う。
(5/4)子どもの数は1,401万人、43年連続の減少
総務省によると、2024年4月1日現在における15歳未満の子どもの数は1,401万人と、1982年から43年連続の減少で、過去最少だったことが明らかになった。総人口に占める子どもの割合は50年連続の低下で、11.3%となった。
東社協トピックス
企画担当ではさまざまな媒体で情報発信をしています!
◎メールマガジンを毎週金曜日に配信しています。 東社協の最新情報に加え、国や東京都の福祉に関わる情報もあわせて掲載しています!
1週間単位での情報収集にご活用いただけましたら幸いです。
QRコード 東京都社会福祉協議会 ホームページ
◎週2回を目安に、Facebookで 東社協の各事業のタイムリーな情報や、福祉広報の取材時のメモ等を定期的に投稿しています!
投稿へのリアクションやページのフォローお待ちしています。
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◎「ふくし実践事例ポータル」では、福祉施設や事業所、区市町村社会福祉協議会、地域の方々などによる先進的な福祉にかかわる実践事例等を発信しています。現在700を超える事例を掲載しています。このサイトが、地域課題や多様な主体による地域に向けた取組みを知るツールに、また、地域に向けた新たな取組みへの一助になりましたら幸いです。
QRコード ふくし実践事例ポータル
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--6【くらし今ひと】
理容師は地域に根っこを張り感謝されるやりがいのある仕事。技術と魅力を伝えたい
理容師として腕を磨き、東京都域の講師なども務めながら、現在は理容師の組合の目黒支部長として、目黒区内施設での理髪ボランティアや「ケア理容」の技術などを広める取組みも行う、岡則夫さんにお話を伺いました。
仲間と施設の理髪ボランティア活動を実施
埼玉県の大宮の出身です。実家は髪結いの時代から8代続く理髪店で、幼少期から自然と理容師をめざしました。結婚後、同じく理容師である妻の実家が約90年前から営む、目黒区の都立大学駅近くの理髪店を継ぎました。34歳で東京都理容生活衛生同業組合の講師会の講師にもなり、多くの理容師に技術を伝えてきました。同組合副会長として、東京オリンピックに向けた新ヘアスタイルを提案するプロジェクト等にも携わりました。
目黒では戦後の混乱期の1947年から、若手理容師の勉強の場という位置づけで、区内の養護老人ホーム白寿荘で月1回、理髪ボランティアの活動を行っています。最近は人手不足もあり、若手ではなく店主を中心に10~15名が参加しています。私も組合の目黒支部長就任をきっかけに約10年間、毎月参加しています。
施設を利用する方には多様な背景があるようですが、お店に来る高齢のお客さんとの違いは感じません。さっとカットを仕上げると「ありがとう、さっぱりした」と言われるのが嬉しく、いい仕事をしているなと感じます。
「ケア理容」の技術等で地域に貢献
家族で3,4代と続けてお店に通ってくれても、高齢になるにつれ通えなくなる方もいます。そのため都組合独自の「ケア理容師認定制度」があります。例えば寝たきりの方が自宅のベッドに横になったままでも、安全で快適にカットできる技術と、介護(介助)に関する基礎知識や体験等を兼ね備えた理容師を認定する制度です。
目黒支部でも2006・2017年に、区の協賛と区社会福祉協議会の後援を受け、高齢者疑似体験も併せた認定講習を行いました。誰もが安心して施術を受けられるよう、皆が技術と知識をもつことが重要と考えています。
このほか、目黒区も含む城南ブロックでは、夏に各店がポスターを貼り、熱中症予防のためいつでも店内で休めるように呼びかける活動をしており、「人涼みアワード啓発活動」の賞をいただいたりもしました。地域に根を張った商売として、こうした活動も続けたいと思います。
若者に理容師の魅力や技術を伝えたい
理容師は、人柄にお客さんがついてくれて喜ばれる上に、十分な収入が得られ、技術を磨いて長く働ける素晴らしい仕事です。理容師をめざす若者が減っていますが、やりがいや魅力を発信し、成り手を増やし、社会に必要な仕事として確かな技術を伝えていきたいです。
(写真 東京都理容生活衛生同業組合 目黒支部 支部長 岡 則夫さん)
「オカ Hair Fashion & Beauty」店主。普段は家が仕事場のため、気分転換ができるドライブや旅行が趣味。
(写真 白寿荘の講堂で行う理髪ボランティアの様子)
以上で、福祉広報2024年6月号を終わります。