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福祉広報 2024年9月 788号 テキストデータ

【表紙】(写真)
ある夏の日の「日本語学習支援教室ひまわり」(国立市)のイベントはスイカ割り。
子どもたちとボランティアの学生の笑顔の一コマ。
子どもたちが人とのつながりの中で、自分らしく安心して暮らせることをめざして。
―日本語学習支援教室ひまわり 国立市―


p.2 ●社会福祉NOW
罪を犯した人の背景にある生きづらさに寄り添い、支える地域社会に向けて

p.4 ●み~つけた
外国ルーツの子どもたちと、一緒に考え、自分らしくいられる居場所を
日本語学習支援教室ひまわり(国立市)

p.5 ●連載 福祉施設が取り組む広報活動【第6回】
正解のない中で、探り続ける広報活動
社会福祉法人 聖光会(武蔵村山市)

p.6 ●Focus on!
里親制度支援委員会
東社協児童部会

【目次】

1社会福祉NOW
2み~つけた
3連載 福祉施設が取り組む広報活動 第6回
4Focus on!今、こんな動きがあります
5Information(学びを現場のチカラに! 研修室だより/マンスリーニュース/ 東社協トピックス)
6くらし今ひと


--1【社会福祉NOW】
罪を犯した人の背景にある生きづらさに寄り添い、支える地域社会に向けて

生きづらさが、さまざまな背景の中で時に犯罪につながり、事件となって表出してしまうことがあります。
今号では、生きづらさから罪を犯した人が、地域社会に戻る際の、罪からの立ち直りを支えるしくみや地域で支える支援者の想いを紹介します。

犯罪の背景にある生きづらさを支える

2003年ごろから、刑務所をはじめとする矯正施設に収容されている人や、繰り返し罪を犯してしまう人の中に、高齢者や障害のある人が多い状況にあることが明らかになってきました。そこで、高齢や障害などを理由に福祉的な支援が必要な人が矯正施設から退所する際に必要な支援(出口支援)を行うため、2009年に「地域生活定着支援センター」が各都道府県に設置されました。それ以降、矯正施設内に社会福祉士が配置されるなど、司法と福祉の連携が徐々にすすめられ、犯罪の背景にある一人ひとりの生きづらさに少しずつ目が向けられてきました。
一方で、罪を犯し、逮捕後に不起訴となってそのまま釈放される人も多くいます。このような人たちは、何らかの生きづらさが犯罪という形で表出した可能性がある場合にも、地域生活定着支援センター等の支援につながらないまま、孤立や生きづらさの中で、罪を繰り返してしまうこともあります。そうした潜在的な対象者が少なくない状況を受け、2012年ごろからは、被疑者・被告人段階での入口支援の必要性が認識されるようになりました。
また、再犯者率の上昇をふまえ、2016年に再犯防止推進法が施行され、国をはじめとして都道府県および市町村でも再犯防止推進計画の策定がすすめられてきましたが、2022年の再犯者率は47.9%と依然として高止まり傾向にあります。そして、65歳以上の高齢者が2年以内に再び刑務所に入る割合は2020年で20.7%と、出所者全体の15.1%に比べて高くなっており、罪を犯した人の立ち直りや背景にある生きづらさを福祉の視点から支えることが求められています。

立ち直りを支える司法と福祉の連携

東京社会福祉士会の司法福祉委員会では、司法福祉に関する公開講座の実施や情報発信などの活動とともに入口支援の一つの方策として、2014年から弁護士会と社会福祉士会が連携して、高齢や障害などを理由に福祉的支援が必要な被疑者・被告人を支援する刑事司法ソーシャルワーカーの養成を開始しました。現在、80名ほどが登録しています。
刑事司法ソーシャルワーカーの活動は、弁護士からの依頼により支援が始まります。本人と面会し、今後の支援への同意を確認した上で、関係者への情報収集などから、本人の抱えている生きづらさや事件の背景を分析します。この分析に基づいて「更生支援計画書」を作成。計画書には、対象者が地域に戻った際に安心して暮らしていくために必要と考えられる支援内容を具体的に記載していきます。例えば、住まいや生活、就労、福祉サービスの利用支援などです。
判決後は、計画書に沿って、刑事司法ソーシャルワーカーと地域の関係機関などが連携・引継ぎをしながら、対象者の生活を支えていきます。

生きづらさが犯罪につながらないように

司法福祉委員会の委員長を務める小林良子さんは、自身も刑事司法ソーシャルワーカーとして、また、福祉や犯罪に関する相談を受ける団体「早稲田すぱいく」の代表理事として、さまざまな活動に取り組んでいます。
小林さんは、罪を犯した人の立ち直りを地域で支えることの大切さに触れながら、継続した息の長い支援の課題について提起します。「以前、私が担当した人は、知的障害があることが分かり、療育手帳を取得しました。取得後、さまざまな制度につながりやすくなったものの、本人は福祉的な支援への拒否感があり、地域とのつながりも薄いままでした。こうした状況にある人や家族をどのように地域で支えていくことができるのか、考え続けていかなければならないと感じます」。さらに、「生きづらさを抱える人やその家族が自ら相談窓口に行くことは少ないのではないでしょうか。“相談の輪の中に入ってこない人”が社会の中で取り残されないように、生きづらさが犯罪につながらないように、関係機関の皆さんとこれからも模索していけたらと思います」と話します。

立ち直りを決意した人の気持ちに寄り添う

保護司は、罪を犯した人や非行に走る人の立ち直りを支える民間のボランティアで、約4万7,000人が全国で活動しています。保護司として大田区内で活動する生駒友一さんは、社会福祉士としておおた社会福祉会の会長を務め、さらには区内の商店街にある老舗大学芋専門店の店主でもあります。幼少期から、店で両親がお客さんや地域の人と関わる姿を見ていた生駒さんは、大学で社会福祉を学びました。「身近にあった、お客さんとの何気ない会話や時間が、同じ空間にいる一人ひとりの“心のよりどころ”や“居場所”になっていることがあると知りました」と、ご自身の経験からの想いを話します。
生駒さんは、日ごろの活動の中で大切にしている姿勢について、「本人が立ち直ろうと思った時に支援するのが自分の役割だと思います。『こうあるべき・こうしなさい』と押し付けるのではなく、本人が今後どういう生き方をされたいのか、対話をしながら一緒に整理をしていくことを大事にしています。『こうしたい』と自分の力で一歩を踏み出した時に、これまでの犯罪や非行とは違う方向に歩けるようにサポートをしていければと考えています」と言います。

一歩踏み込んだサポートを社会全体で

一方で、非行に走ったり、罪を犯した人の問題だけではないことも常に意識しているそうです。「保護司として担当する人の中には、これまで過酷な経験をしてきている人が多くいます。事件が起こる前に、本人へのもう一歩踏み込んだサポートや周囲からの理解、つながり先があれば、事件を起こすことはなかったかもしれないと感じます。極端な話ですが、事件が起きなければ被害に遭う人もいないわけで、誰もが安心して暮らせる地域、社会に近づいていくのではないでしょうか」と、生駒さんは話します。
そして、誰もが安心して暮らせる地域づくりには、社会福祉士などの専門職だけではなく、地域で暮らす人同士が集まって話し合い、考えることが不可欠です。おおた社会福祉士会では、毎月1回、勉強会を企画しています。会員の社会福祉士に限らず、テーマに関心のある人は誰でも参加することができます。これまで、非行・犯罪をはじめ、地域で暮らす障害やさまざまな生きづらさを抱えた人たちの孤立を防ぎ、互いに支え合う社会をめざして活動してきました。また、大田区内の地域活動や区民活動を知ることができるテーマの会なども開催し、生駒さんは「勉強会に関心を持って参加してくれた人にとって、大田区という同じ地域で暮らす人々のことをちょっと考えてみるきっかけや何かのヒントになるといいなと思っています」と話します。
最後に、生駒さんは「さまざまな理由で生きづらさを抱えている人には、より手厚いサポートや丁寧な関わりが必要なことがあります。しかしそれは特別扱いをするという意味ではなく、目が悪い人がめがねをかけるように、人それぞれ生活する上で必要なものに違いがあるからです。今の活動を続ける中で、そういったメッセージも発信していきたいと考えています」と、活動への想いを語ります。

注 矯正施設
刑事施設(刑務所・少年刑務所・拘置所)、少年院、少年鑑別所を指す

(写真 小林良子さん)
(写真 生駒友一さん)


--2【み~つけた】
外国ルーツの子どもたちと、一緒に考え、自分らしくいられる居場所を

ボランティアとつくる外国ルーツの子の居場所

毎週水曜日、国立市の富士見台第一団地の一角で開かれる「日本語学習支援教室ひまわり」には、外国ルーツの子どもたちとボランティアの市民や学生が集まってきます。元気に挨拶する子、静かに入室する子、学生を兄や姉のように慕い、母語で話すことを目当てに来る子も。玄関には、地域の保護司さんからのお土産のおやつが積まれています。子どもたちは和室に並んだ長机に向かい、ボランティアと一対一で学習をすすめます。時ににぎやかに、笑顔もあふれる優しい時間が流れます。
国立市社会福祉協議会(以下、社協)の伊藤真理子さんによると、活動のきっかけは地域の方からの「外国ルーツの子どもたちの学習の場が少ない」という社協への声。当時、市内にそうした小中学生対象の居場所などもなかったため、国際交流のボランティアグループや民生児童委員、学生団体と連携し、説明会と日本語学習支援ボランティア養成講座を開き、2021年9月に「ひまわり」を開設しました。現在は、活動に共感した市民や、近隣の大学の学生など約30名が活動を支えます。
ひまわりに集まる子は、小中学生を中心に、さまざまな国をルーツとする約20人。日本で育った子、家族に呼び寄せられた子など、背景も多様です。社協が校長会等で活動を説明し、民生児童委員やスクールソーシャルワーカーらが家庭に働きかけ、利用につながっています。

自分を知る人がいて、ありのままでいられる場として

開設当初からのボランティアで、市内の学校で日本語指導員をするともなり久恵さんは「生活言語に比べ学習言語の獲得は難しく、学習能力が低いと誤解される子もいます。ありのままの姿に寄り添い、学校で話せないことも話せ、ほっとできる場にしたいです」と語ります。一橋大学4年生で、自身も台湾にルーツを持つ樋口ゆうきさんも「子どもに孤立してほしくない」という思いで当初から活動する一人です。「年齢が近く、親しみを持ってもらっていると感じます。受験のことなど、自身の経験から教えられることもあります。ひまわりは自分にとっても居場所です」と言います。
月1回、日本文化や季節行事を体験するイベントも開催しており、7月は「スイカ割り」。団地の中庭に「もっと右!」「前だよ!」と声が響き、心を許せる関係性がうかがえます。伊藤さんは「自分を知る地域の人がいて、いつでも来たくなる場、ボランティアも子どもも、安心して自分を出せる場にしたいです」と語ります。

日本語学習支援教室ひまわり
開催日程:毎週水曜日 [小学生]15:30~17:00 [中学生]17:10~18:40
開催場所:国立市富士見台1-7 1-2-10 富士見台第一団地内「くにたち福祉会館分室」
問合せ先:(福)国立市社会福祉協議会 国立市ボランティアセンター 電話042-575-3223

(写真 日本語学習支援教室ひまわり 国立市)


--3【連載 福祉施設が取り組む広報活動 第6回】
正解のない中で、探り続ける広報活動

社会福祉法人 聖光会(武蔵村山市)

自分たちの保育を顧みながら、組織全体で広報活動に注力し続ける聖光会に取材し、これまでの取組みから感じたことや大切にしていることをお聞きしました。

積み重ねてきたものを伝えていく

都内4か所の保育園を運営する社会福祉法人聖光会。そのルーツとなる保育園の設立は75年前の戦後に遡ります。年月を経て培ってきた伝統的な保育の手法を大切にしながら、社会の変化に応じた保育のあり方を問い続けてきた当法人。保育園を取り巻く環境が大きく変わり始めた7~8年前、法人や各園が積み重ねてきたことを外へ発信していく必要性をこれまで以上に強く感じたといいます。
各園のウェブサイトをつくり直すことからスタートした聖光会の広報活動は、時代の移り変わりとともにその対象も変化していきました。「広報に注力し始めた頃は、自分たちの保育への考えや取組みを広く知ってもらうことが目的でした。ただ、近年で保育分野でも人材確保が課題になり、広報活動の中でも取り組む必要性が出てきました」と、法人理事長の石川雅昭さんは振り返ります。
現在は法人や各園のウェブサイトに加え、コロナ禍以降はSNSによる広報を本格的に展開。法人ウェブサイトには各園のブログや、保育に関する一問一答などのコンテンツが設けられ、保育に対する組織の姿勢がさまざまなかたちで表現されています。SNSでは写真や動画から日々の園の雰囲気を垣間見ることができ、求人活動につながる側面も強くなっているといいます。

「自己満足」で終わらない広報活動へ

こうした日々のブログやSNSの運営は職員が持ち回りで担い、組織全体で取り組むことを大切にしてきました。「特定の職員だけでなく現場を巻き込むことで、よりリアルな考えや雰囲気を表現できています。また、広報活動を通じて、職員が自身や組織を顧みることや、外部とのつながりを再認識するなど、近視眼的にならないためのきっかけにもなっています」と、石川さんはその意義を話します。
一方、「広報においては素人である」という前提に立ち、当初から広報のプロを外部から伴走者として招き、なんとなくではない、根拠に基づく広報活動がすすめられてきました。石川さんは「ウェブサイトを制作して終わりといった、広報をやること自体に意義を覚える状況は非常にもったいない。『自己満足』な広報ではなく、届ける相手を明確にしたり、効果を検証しなければ広報の意味がないと考えます。その点でも、自分たちだけでなくプロと組んで広報を考えることは有効でした」と強調します。

探りながら、自分たちの保育を表現していく

試行錯誤で広報活動をすすめてきた聖光会ですが、まだまだ課題はあるといいます。良かれと思って発信した情報が相手の求めていないものだったり、新たな商品ではなく「保育」を広報で扱うことだったり。石川さんは「保育や福祉はある種、感覚的なものを表現していかなければなりません。だからこそ、定期的に数字やプロの目線から広報を振り返ることが重要であり、自分たちのどこに光を当てて伝えていけばいいのかを探り続ける必要があります」と話します。正解はなく、取組みを積み重ねる中で実を結ぶ広報活動。聖光会は環境の変化に対応しながら、広報のあり方を問い続けていきます。

QRコード 聖光会Instagram
QRコード 聖光会ウェブサイト
(写真 社会福祉法人 聖光会 理事長 石川雅昭さん)
(写真 園のブログやインスタグラムでは、職員が日々感じたことや思いを発信することを大切にしている。)


--4【Focus on!今、こんな動きがあります】
里親制度支援委員会
東社協児童部会

社会的養育をめぐり転換点に立つ里親制度

社会的養護(保護者がなかったり、保護者に監護させることが適当でない場合、公的責任で社会的に養育し、保護するしくみ)が必要な子どもを実際に養育する「社会的養育」。1947年の児童福祉法制定時からその役割を中心的に担ってきたのは児童養護施設や乳児院などでした。里親制度も規定されましたが委託児童数は施設養育と比べ、圧倒的に少数でした。
しかし、1989年の国連「子どもの権利条約」で、児童の家庭での養育優先がうたわれると、1994年日本はこれに批准。2002年には専門里親・親族里親を創設するなど大きな里親制度改定をしました。その後も、法改正を重ね、2016年の児童福祉法改正では、施設養育より家庭養育優先の理念を明確に規定、里親への委託拡大の方針を打ち出しました。
そういった流れの一つに、2012年、児童養護施設や乳児院と里親をつなげる専門職である里親支援専門相談員の配置という制度改正があります。 東社協児童部会の「里親制度支援委員会」はその少し前より、里親制度の推進・発展、里親と里子への支援の充実、里親宅との連携強化などを目的として設立されました。制度の発足当初、里親支援専門相談員は家庭訪問や里子支援ができないなど業務が制限されていたので、東京都へ制度充実に向けて働きかけを行っていました。

さらなる里親制度の発展のために

2017年、東京都が「チーム養育」体制となると、里親支援専門相談員の業務内容の制限が撤廃され、家庭訪問などができるようになりました。現在、委員会にはフォスタリング機関の職員、「NPO法人東京養育家庭の会」などが加わり活動しています。50名ほどで月1回の全体会議と、4つのワーキンググループに分かれての意見交換を行っています。
チーム養育体制での支援では各機関が連携し課題解決に取り組むことをめざす一方、委員長で品川景徳学園施設長の髙橋朝子さんは「里親にとって困りごとを相談するということは、委託解除につながるのではという不安もあり、依然として難しい点が多い」と言います。段階的な相談体系、里親が安心して相談できる場をつくることが求められています。
また、2024年4月には「里親支援センター」が創設され、東京都がどのように取り入れていくのか検討段階にあります。委員会としても新たなチーム養育体制のあり方を視野に入れ、本当に必要な支援とは何か、引き続き議論を深めていきます。

「都への要望」グループ
フォスタリング機関も参加して、児童部会で提出している都への要望書に反映させる内容を話し合う。また、チーム養育についての意見交換など行う。
「業務全般」グループ
里親支援専門相談員の業務を整理して共有している。例えば、里親宅に訪問する際や実習に関するしおりをつくるなど。また、他施設の里親支援専門相談員に業務に関する相談ができる場としても機能している。
「調査・研究」グループ
施設から里親に委託する件数および委託解除となって施設に戻る件数の調査を10年継続している。また、近年は措置延長についてや里親支援専門相談員自身に関するアンケートなども行っている。調査データをもとに制度への提案や要望につなげている。
「学習会」グループ
委員会内でアンケートを行い、多く関心の寄せられたテーマについて講師を招いて学習会を開く。また、元里子(ユース)の話を聞く会の企画運営。乳児部会とともに学び合う場となっている。2024年度は子どもの権利擁護についての学習会を予定している。

注1 チーム養育
里親がチームの一員となって行政・施設など関係機関と連携して子どもの育ちを支えるしくみ
注2 フォスタリング機関
里親養育包括支援機関。里親制度の広報から登録後の支援まで継続的なサポートを行う


今回お話しをお聞きした皆さん
(イラスト 東社協児童部会 里親制度支援委員会 委員長 品川景徳学園 施設長 髙橋朝子さん)
(イラスト 里親制度支援委員会 副委員長 第二調布学園 施設長 杉浦準一さん)
(イラスト 東社協児童部会 里親制度支援委員会 里親支援専門相談員 至誠大地の家 小林倫子さん)
(イラスト 東社協児童部会 里親制度支援委員会 里親支援専門相談員 西台こども館 岡 麻紀子さん
(写真 全体会議の様子)

 

--5【Information(学びを現場のチカラに! 研修室だより/マンスリーニュース/ 東社協トピックス)】
学びを現場のチカラに! 研修室だより

ご存じですか? 研修室の「職場研修実施サポート」

東京都福祉人材センター研修室では、研修開催だけではなく、「職場研修実施サポート」を行っています。職場で実施したい研修テーマに合った講師の紹介など、無料でご相談をお受けしています。
「研修を実施したいけど方法が分からない」という事業所には、「職場研修アドバイザー」が職場研修推進の基本的な手順や、効果的な研修実施方法など幅広くご相談に対応します。(小中規模の事業所が対象)
「職場研修アドバイザー」は、「職場研修担当者研修会(全社協中央福祉学院)」を受講・修了し、職場内での研修実施を支援するため、研修の運営実務に関する知識および技術の習得に努めています。

詳細は、 東社協研修受付システム「けんとくん」内「職場研修実施サポート」のバナーからご確認ください。
けんとくん 検索
QRコード けんとくん 東社協研修受付システム
(写真 研修室職員も日々勉強です! )

マンスリーニュース
2024/7/26~8/25 ※対象期間外のニュースを掲載させていただくこともあります

ピックアップ
(7/19)カスタマーハラスメントへの対策、福祉施設も義務化へ
厚生労働省は19日の「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」で、顧客による迷惑行為「カスタマーハラスメント」から、従業員を守る対策を講じるよう、企業、病院、学校、福祉施設などに義務付ける方針を示した。

(7/30)障害年金の特例措置の適用が10年延長に
障害年金受給の特例とは初診日の前々月までの1年間に未納期間がなければ納付要件を満たすとするもの。厚生労働省は、未納者救済のため、この措置の適用を2026年3月末以降も10年間延長して行う方針を明らかにした。

(8/2)2023年中の保育所等の事故件数が過去最多を記録
こども家庭庁は、2日の「子ども・子育て支援等分科会」にて2023年の保育所等などで発生した重篤な事故について集計結果を公表。報告件数は2,772件と前年より311件多く、過去最多を更新した。

東社協トピックス
地域公益活動実践発表会2024 part.1の開催について

社会福祉法人がそれぞれの地域の課題やニーズに応じて取り組んでいる活動を、広く発信する場として、東京都地域公益活動推進協議会では毎年、実践発表会を開催しています。法人からの実践発表と、発表法人によるパネルディスカッションを予定しています。ぜひこの機会に、社会福祉法人の各地域での取組みを知っていただけましたら幸いです。

実践発表法人(予定)
・中野区内社会福祉法人等連絡会(北部子育て応援プロジェクト)
・葛飾区社会福祉法人ネットワーク
・(社福)志正会 大久野保育園
【日時】2024年10月2日(水)14時~16時半(13時半受付開始)※参加申込:9月25日(水)まで
【会場】研究社英語センター 大会議室(新宿区神楽坂1-2)
【定員】150名(先着順)【参加費】無料
QRコード 東京都地域公益活動推進協議会ホームページ


10月1日から赤い羽根共同募金運動が始まります!

共同募金へのご寄付金は、高齢者や障がい者、子どもなどを対象とした民間の社会福祉事業を通じて地域社会福祉の充実に活用されています。
本年も赤い羽根共同募金運動にご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
QRコード 東京都共同募金会ホームページ


東社協の本
ご注文は 東社協図書係まで 電話03-3268-7185

New
生活困窮者支援の“いま”と“これから”~地域でささえる社協の役割~
都内5つの社協が集まり、開催した“生活困窮支援における地域支援”を考える座談会の様子などを収録しています。
B5判/48頁
発売日2024.9.2
定価880円(本体800円+税10%)
(写真 生活困窮者支援の“いま”と“これから”~地域でささえる社協の役割~ 表紙)

【DVD】今すぐ役立つ! 感染症予防
福祉施設等におけるノロウイルスなどの集団感染を防ぐための手順や対応をドラマと特殊映像で分かりやすく説明しています。
収録時間 基礎編:約13分30秒/対応編:約13分
発売日2017.9.29
定価1,320円(本体1,200円+税10%)

YOSUGA ~リアルな声から見えてくる介護の現場~
現役の若手介護職員が、自分たちの言葉で介護の仕事の魅力をお伝えします。
A5判/60頁
発売日2022.4.4
定価495円(本体450円+税10%)


--6【くらし今ひと】
絵本の読み聞かせをして30年。
自分が楽しみながら相手も笑顔になるのが嬉しい

武蔵野市の子育て支援施設や障害者デイセンターで、絵本の読み聞かせなどの活動を行っている酒井慶子さんに、読み聞かせとの出会いや想いについてお話を伺いました。

絵画教室の先生との出会いに魅了されて

出身は富山県です。進学のため上京し、短大で幼稚園教諭と小学校の教員免許を取りました。幼稚園教諭として3年ほど働いた後、結婚を機に辞めました。夫は転勤の多い仕事で、各地を転々とする生活が15年ほど続いたのですが、2回暮らした仙台で現在の活動のきっかけになる出会いがありました。
仙台にいたころ、子どもを連れて絵画教室に出かけました。そこは絵画教室でもあり不思議な空間で、絵を書いたり粘土で遊んだり自由に楽しんだ後、先生が最後に絵本の読み聞かせをしてくれていました。一人ひとりの子どもの考えをすべて認め、受け入れる先生の方針にカルチャーショックを受けたのを覚えています。先生とその教室のファンになった私は子どもを連れて通い続け、そこでママ友もでき、とても充実した忘れられない時間になりました。
その後、埼玉に転勤になり、3年後にまた仙台に戻りました。絵画教室の名前や形態は変わっていましたが、先生やママ友との交流も再開し、そのつながりで当時、仙台市が子育て支援として運営していた親子向けのワークショップのお手伝いをすることになりました。ワークショップの準備や絵本の読み聞かせをするようになり3年が過ぎたころ、東京へ転勤が決まり、武蔵野市へ引っ越しました。

読み聞かせや託児、子育てグループの監修も

東京へ転勤になった1992年に、0才からの子育て広場「0123吉祥寺」が武蔵野市に開設されました。そこで、幼稚園教諭の資格と仙台で経験したことを活かしたいと思い、託児のアルバイトをすることにしました。「こんぺいとう」の活動をし始めたのも同時期です。「こんぺいとう」は、音楽と朗読を組み合わせて表現活動を行うボランティアグループで、私は絵本を読んでいます。武蔵野市やその他近隣の保育園や幼稚園などに行き、絵本の世界観に合った音楽と一緒に朗読をしています。
「0123吉祥寺」のスタッフの紹介で、障害者デイセンターでは個人で絵本を読んでいます。それまでは子どもを対象にしていたので、寝たきりの方や車いすの方などいろいろな境遇の方の前で絵本を読んで「伝わっているかな」と心配になる時もありましたが、ある時「とても楽しそうでしたよ」、「今度は猫の絵本がいいと言っていました」とスタッフを通じて参加者の声が聞けたことがあり、本当に嬉しかったです。

新たな視点が見つかるのが読み聞かせの魅力

仙台での人との出会いから子育て支援施設でいろいろとお手伝いをしているうちに、いつからか絵本を読むことがライフワークになり、約30年が経ちました。絵本を自分で読むのではなく、読んでもらうことで違った視点を持つことができ、物語の見方が変わり、その物語をさらに好きになる。これが読み聞かせの魅力だと思います。だからこそ、読み聞かせの活動を長く続けてこられました。何より、自分が好きな本を自分が楽しみながら読んで、喜んでもらえることは幸せなことです。
これからも私を待ってくださる方がいる、絵本を読んで喜んでくださる方がいる限り、少しでも長く活動を続けていきたいと思っています。

(写真 酒井 慶子さん)
音楽と朗読の表現活動を行うユニット「こんぺいとう」で朗読を担当。個人でも絵本の読み聞かせや子育て支援活動を行う。

 

以上で、福祉広報2024年9月号を終わります。

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