【表紙】(写真)
みんなで「十」の字をもじってポーズ!
元八百屋さんを改修した地域の居場所「笹塚十号のいえ」。
この日も世代を問わず、さまざまな人たちでにぎわっていました。
偶然、隣に座った人同士が、何気ない会話でつながる。そんな温かで安心できる空気がここには流れています。
―笹塚十号のいえ 渋谷区―
p.2 ●社会福祉NOW
身寄りのない人への支援
p.4 ●み~つけた
商店街の元八百屋さんを活用したふらっと立ち寄れる地域の居場所
笹塚十号のいえ(渋谷区)
p.5 ●連載 若者の孤独・孤立のいま【第2回】
それぞれの「声」を否定せず、受け止めることのできる社会へ
NPO法人自殺対策支援センターライフリンク
p.6 ●Focus on!
本人部会支援委員会
東社協知的発達障害部会
【目次】
1社会福祉NOW
2み~つけた
3連載 若者の孤独・孤立のいま 第2回
4Focus on!今、こんな動きがあります
5Information(社福のオモイを地域に届ける! つつまる便/マンスリーニュース/ 東社協トピックス)
6くらし今ひと
--1【社会福祉NOW】
身寄りのない人への支援
一人暮らしの高齢者が増える中、身寄りのない人を対象とした、入院・入所時の身元保証や死後の葬儀を代行するサービスに注目が寄せられています。これらのサービスを必要としている高齢者は、どのような状況にあるのでしょうか。
地域の権利擁護センターの窓口に寄せられている声から考えます。
身元保証サービスをめぐる経緯
権利擁護センターでは、『入院時の保証人を依頼できるのか』『死後の身辺整理を今から頼んでおけないか』など、身寄りがないことに伴う身元保証についての相談が目立っています。
身元保証は近世に由来する習慣ですが、今日では民法上の連帯保証人をはじめ、返済義務を負わない慣習的な保証まで幅広い意味を含みます。特に後者では、緊急時の連絡の取りやすさを理由に、家族や親族に身元保証を求めることが珍しくありません。その家族自体が「福祉における含み資産」といわれてきたように、入退院時の身元保証人や死後の手続きも、家族の役割として考えられてきました。
ところが核家族化や高齢化がすすみ、保証人を家族に頼むことができない人が増えてきました。これに応じるように、身元保証や葬儀等死後に生じる手続き(死後事務)を代行するサービスが、民間企業や非営利法人により提供されるようになりました。その内容はさまざまですが、国の資料によれば、「高齢者等終身サポート事業」として下記の表の例があげられています。
民間のサービスが増えるにつれて、説明が不十分なまま高額の料金を請求される消費者トラブルが浮上します。2014(平成26)年には、契約時に支払った預託金を不正流用した非営利法人の破綻が社会問題になりました。昨年5月には、総務省による初の調査が行われると、重要事項説明書の不備や、判断能力が低下した場合の規程がない事業者の実態があきらかになりました。
このような事態を受けて、今年6月には、国は「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」をまとめ、契約時のチェックリストを示しました。しかし、事業者に対する認証制度が今後の検討課題として挙げられるものの、法的な規制はないことから、ガイドラインも事業者の自主的な取組みに委ねられているのが現状です。
身寄りのない高齢者が求めるもの
都内の社会福祉協議会(以下、社協)では、身元保証や死後事務へのニーズの高まりを受けて、表にあるサービスを基本とした身元保証サポート事業に取り組む例が徐々に増えています。いずれの場合も、判断能力が不十分な人への福祉サービス利用援助事業(地域福祉権利擁護事業)や成年後見制度の利用相談と連携しているのが特徴です。
墨田区社協では、日常的な支援ができる親族がいない、区内の一人暮らし高齢者を対象に「すみだあんしんサービス」を実施しています。申込み時に判断能力のある状態での契約が必要で、契約後は定期的な安否確認の見守りサポート、判断能力が低下した場合に社協が任意後見人として支援を行う任意後見サポート、公正証書遺言の作成や死後事務を代行するエンディングサポートを行っています。
すみだ福祉サービス権利擁護センターの大倉祐子さんは、利用者には「初回相談の時点で、インターネットを使って企業などのサービスを詳しく調べている人が多い」と話します。身寄りについては、遠い親類はいるものの、身の回りのことを頼めるほどの関係ではない場合が多いそうです。その一方、地域とのつながり自体は多い傾向にあることから、「身寄りがなくても、地域で孤立しているとは限らない」と指摘します。
サービスの契約に結びついても、「定期的な見守りを続けながら、判断能力や体調に応じて任意後見契約へ移行していく形をとっているため、支援は数年に渡る」といいます。このような継続的な支援が、身寄りがないことへの不安に寄り添うことにつながっています。
府中市社協の「あんしん支援事業」は、支援できる親族がいない市民を対象としています。訪問による見守りサービスを基本に、日常的な金銭管理や入退院時の支援などを行う日常支援サービス、入退院時の保証人に準じる支援や、死後の葬儀や埋葬の手続きを代行する保証機能サービスを行っています。なお判断能力が不十分な場合は、地域福祉権利擁護事業や成年後見制度の利用支援を行います。
権利擁護センターふちゅうの中山圭三さんによれば、「親族との関係が疎遠な人からの相談が多い」といいます。相談時点では介護保険などの高齢者向けサービスを利用していない場合も多いことから、「契約後の見守りでは、生活上の困りごとをうかがうとともに、必要なサービスにつなげる役割もある」と話す通り、月1回の訪問では、近況をたずねることにしています。福祉サービスを必要とする前から関わりをつくることができるのは、社協がこの事業に取り組む意義でもあるといえます。
本人の意思を尊重した支援を
取材を通して、不測の事態への不安を少しでもなくそうと、体調や生活に余裕がある時に備えておこうとする高齢者の意向が浮き彫りになりました。一方、現状ではインターネットで情報を集めることができる人の相談が目立つことから、今後は、情報の検索が苦手な人や、介護や低所得などの理由で余裕がない人にも必要な情報が届くようにしていくことが課題になりそうです。また、預託金やサービス利用料が負担で身元保証会社の利用が難しい人がいることも見逃せません。
高齢社会に応じた身元保証のあり方も問われています。権利擁護センターにおける相談には、身元保証等サービスを利用していても、例えば高齢者向け住宅への申込みの時に、保証人を家族に限定している場合があるため利用できなかったり、身元保証会社や成年後見制度の利用をすすめられたという例もあります。
身寄りのない人への支援が制度となりつつある中、人によって生活上の課題が生じる時期や程度が異なることをふまえると、本人の意思決定が最大限尊重されることは欠かせません。その上で、長期的な支援を続けていくことが事業者に求められています。
表 高齢者等終身サポート事業の例
図 高齢者等終身サポート事業のイメージ
注 図表とも、総務省行政評価局(2023)『身元保証等高齢者サポート事業における消費者保護の推進に関する調査結果報告書』および内閣官房等(2024)『高齢者等終身サポート事業者ガイドライン』をもとに作成
--2【み~つけた】
商店街の元八百屋さんを活用したふらっと立ち寄れる地域の居場所
困りごとや不安を気軽に相談できる街に
笹塚駅北口の十号通り商店街をすすむと「笹塚十号のいえ」があります。「屋根のある公園」をコンセプトに、ちょっとした休憩ができたり、地域のイベント等を開催したりと、地域に住む多世代の人たちが集う居場所です。「笹塚十号のいえ」を運営する(一社)TEN-SHIPアソシエーション代表理事の戸所信貴さんは、渋谷区内の福祉施設や地域包括支援センターで勤務していた時に、生活上の困りごとや不安を抱えているにも関わらず、誰かに打ち明けたり相談することができないまま、「希望」を少しずつ諦めてしまい、課題が深刻化してしまったり、孤立・孤独状態に陥ってしまうケースをたくさん見てきたといいます。そこで、地域の住民同士がつながり合い、顔見知りやゆるやかなつながりをつくることで、相互に見守り、相談できる拠点をつくりたいと思い「笹塚十号のいえ」プロジェクトを立ち上げました。
同じころ、商店街で長く愛されてきた八百屋が閉店することになり、「笹塚十号のいえ」の拠点として再活用したいと店主に相談したところ、快く受け入れてくれたそうです。こうして2024年2月に「笹塚十号のいえ」がオープンしました。
住民同士が見守り、助け合う居場所
「笹塚十号のいえ」は、週3回、地域にひらかれた居場所として運営しています。商店街の買い物ついでにひと息ついたり、隣に座った人とおしゃべりしたり、誰でも自由に過ごせます。フードパントリーや福祉作業所でつくる製品の販売会など各種イベントも開催され、さまざまな人でにぎわっています。
ここで生まれた何気ない会話からやがて顔なじみになり、信頼関係が生まれていく。顔を見なくなると「あの人どうしてる?」「家が近いから様子を見てくるよ」と他人事にせず、利用者同士が声を掛け合い、見守る雰囲気が醸成されてきているといいます。とどころさんは「オープンして1年も経っていませんが、地域の人たちにとってここが安心できる“安全の基地”であり、生きがいや活躍の機会も創出できる存在でありたい」と話します。
2024年10月には、この取組みが評価され「2024年グッドデザイン賞」を受賞しました。「笹塚十号のいえ」は、これからも地域に根づき、誰ひとり取り残さないあらゆる人の居場所として地域の人たちを温かく迎え入れ、見守り続けます。
笹塚十号のいえ
場 所: 渋谷区笹塚2-41-18(笹塚駅から徒歩5分)
オープン: 火・木・土 11:30~18:30
QRコード Instagram
QRコード Facebook
(写真 笹塚十号のいえ 渋谷区)
--3【連載 若者の孤独・孤立のいま 第2回】
それぞれの「声」を否定せず、受け止めることのできる社会へ
NPO法人自殺対策支援センターライフリンク
G7で唯一、10代の死因第1位が「自殺」である日本。2023年は513人の小中高生の命が自殺によって失われています。若者がさまざまな理由で追い込まれたとき、それでも「生きていてもいい」と思える社会には何が必要なのか。今回は、SNS相談やWeb空間を通じて、子ども・若者の「消えたい」「死にたい」という声に向き合うNPO法人自殺対策支援センターライフリンク(以下、ライフリンク)に取材しました。
誰もが自殺に追い込まれることのない「生き心地の良い社会」の実現を目的に、2004年に設立されたライフリンク。当初は自殺対策の枠組みづくりに向けた取組みが中心でした。相談事業を始めるきっかけは、2017年の座間9人殺害事件。SNSに投稿された行き場のない若者の「声」が利用され、命が相次いで奪われました。SNSを通じて若者が犯罪に巻き込まれることやネット心中につながる前に、その「声」を受け止めることができないかと、2018年に厚生労働省が自殺対策として初めてSNS相談事業を開始した際に、ライフリンクも「生きづらびっと」を始めています。
SNSを入り口に、つながりを生かした「生きる支援」を
「生きづらびっと」には毎月1万人前後から相談が寄せられ、そのうち20代以下が過半数を占めます。虐待やいじめ、進路、家族、仕事など若者が相談に至る背景はそれぞれですが、8割以上が自殺念慮を抱え、相談の受け皿不足の現状や、相談をためらう気持ちも共通してみられるといいます。副代表の根岸親(ちかし)さんは「相談を受ける側として、相談者の『死にたい』『消えたい』という気持ちに向き合うことに躊躇しないことを意識しています。そうした気持ちを解消する立場ではなく、気持ちを抱くこと自体を受け止め、想像力を持ちながら対話することを大切にしています。やりとりを介して相談者が気持ちを表出したり、自らと向き合ったりする中で、結果として生きる道を選択することにつながっていれば」と想いを明かします。
寄せられる相談はさまざまな分野の専門家等が連携して受け止めるだけでなく、本人の状況や緊急性をふまえ、その背景に介入することもライフリンクとして注力してきました。生活困窮や若者向けの地域の窓口、民間団体など、相談者に応じた地域への“つなぎ支援”も行っています。2022年からは「連携自治体事業」を全国展開するなど、地域と連携した「包括的な生きる支援」へ取組みがすすめられています。
一時的に“かくれる”という選択
2024年3月からは、SNS相談に加え、生きづらさを抱える子どもや若者に向けて新たなWeb空間「かくれてしまえばいいのです」が設けられました。その背景には、これまでの取組みでは行き届いていない層の存在や、限られた体制下ではSNSに寄せられる相談すべてに対応できていない実情があります。“かくれが”がコンセプトの空間は、しんどい気持ちを抱えながら、安心できる場に一時的に避難することで、「生きていてもいいのかも」と思ってもらえることを意図しています。自分の気持ちと向き合う、やり過ごすことにつながるようなコンテンツが用意され、24時間匿名・無料で利用できます。安心・安全な場であるために、仕様や運営面でのリスク管理が図られ、毎日5万前後のアクセスがあります。これまでを振り返り、根岸さんは「今は大丈夫な人でも、ふとしたきっかけで追い込まれてしまう現代。広い層に知ってもらうきっかけづくりが大切になってきます」と話します。
それぞれの「しんどさ」を受け止められる社会へ
地域にまだまだ若者の居場所は少なく、家庭や学校以外に接点を生み出しにくい状況があります。根岸さんは、“かくれが”のような場が色々なかたちで増えていく必要性を挙げながら、「子どもや若者自身、周辺の大人が、一人ひとりの『しんどさ』を比べることのない眼差しを持つことが大切です。そうすることで、早い段階で誰かに話せるなど、子どもや若者を取り巻く環境が変わってくるのではないでしょうか」と最後に話してくれました。「しんどい」気持ちを抱えながらも、生きる道を選択できる社会には、私たち一人ひとりのあり方が問われています。
(写真 NPO法人自殺対策支援センターライフリンク 副代表 根岸 親(ちかし)さん)
(写真 絵本作家のヨシタケシンスケさんの協力により生み出されたWeb 空間)
QRコード 「かくれてしまえばいいのです」 ホームページ
注 連携自治体事業
都道府県または基礎自治体単位で協定を締結し、自治体とライフリンクが連携して具体的支援を行い、相談者が地域で安心して生活できる環境を整えることをめざす
--4【Focus on!今、こんな動きがあります】
本人部会支援委員会
東社協知的発達障害部会
当事者本人の声を部会活動の中心に
約490の知的障害児・者の支援施設等で構成される知的発達障害部会。事業計画の冒頭で「利用者主体の支援」を重点目標として掲げています。それを体現しているのが「本人部会」であり、その活動をサポートする「本人部会支援委員会(以下、支援委員会)」です。当事者本人の意見を部会活動や施策提言に反映していくという方針の下、2010年に発足しました。
「本人部会」は特別委員会として位置づけられ、本人自らが主体的に動いて参加・主張していくことを目的に活動しています。メンバーは、自宅やグループホーム・入所施設で生活する方、企業で就労している方や就労継続事業所の利用者などさまざまで、年10回の定例会議には毎回15名前後が参加しています。支援委員会は次第や議事録作成、議題の細かな中身の説明を担い、場の調整役として“しゃべっていいんだ”という空気感を大切にしながらサポートしています。
たくさん話したい方、その場にいることで満足される方など、各自のペースを大事にしつつ、言葉に出すことが難しくても○×での意思表示や、写真付きの資料を見ながらの選択など、多様な参加のあり方を工夫しています。今後は医療的ケアが必要な方など、自主的に集まれる方に限らない、“参加”を更に広げていくことも考えています。年1回、外出イベント等も行っていますが、今年度は本人委員の「部会らしく真面目な勉強会をやりたい」との意見を受け、「お金のこと・暮らしのこと」をテーマに開催予定です。
支援委員会の活動のもう一つの大きな柱は、部会総会(年3回)や東京大集会での本人部会による意見表明のサポートです。支援委員会委員長の松下功一さんは「総会での意見表明は10年以上続けていますが、大勢が集まる場で当事者本人が壇上で話すことは、当初は支援者も想像していない場面でした」と振り返ります。支援委員のひとりの髙橋加寿子さんは「障害特性上の難しさもありますが、発言の機会があり、経験を積み重ねる中で本人委員は力をつけていきました。本人が語ってくれる“自分のこと”は支援者の学びであり、本人の存在や暮らしが見えているかを私たちに問いかけてくれます」と、本人の声を聴く意味を語ります。
真の“本人主体”を実現するために
多様なメンバーの経験や考えを共有する本人部会は、意思決定支援における意思形成や意思表出支援の実践の場でもあります。支援者はつい先回りして考えがちですが、支援委員の提案が最善と捉えられ、本人委員が考えることを阻害してしまわないよう、常に原点の「みんなで話し合って決める」に立ち返ることを意識しています。松下さんは「知的障害のある人はよく分からなくても信用してしまうこともある。その危うさも意識しながら誠意をもって応えていかなくてはならない」と話します。髙橋さんは「こちらが本気で向き合っているのかを本人委員は見ている。これまでの関わりの中で認めてくれているのかなとは感じています」と微笑みます。
本人部会の存在やその場の雰囲気を知らない施設職員も多く、まずは知ってもらうこと、そして「自分の施設の利用者には参加は難しい」と考えず、つなげる意識を持つ職員を増やしていくことが望まれます。髙橋さんは本人委員に、2月に開催する福祉マラソンにボランティアとして参加することを提案しています。「本人が中心にいることを広く浸透させる機会だと考えています。楽しそうに活動している本人や支援者の姿が、部会活動のあたりまえになってほしい」と話します。“つながりを増やすことが本人の暮らしを豊かにする”。この想いも共有しながら、支援委員会はこれからも真摯に本人と向き合います。
今回お話しをお聞きしたお二人
(写真 委員 たんぽぽ 施設長 髙橋加寿子さんと、委員長 は~と・ピア2 施設長 松下功一さん)
注1 東京大集会
障害関係6団体で開催。真の共生社会の実現をめざして、多様な立場からの問題提起や施策提言を行っている。ここ数年の大きなテーマは「暮らしの場」。
注2 2月に開催する福祉マラソン
会員施設の利用者や職員等が参加して毎年開催。2025年2月で37回を迎える。
--5【Information(社福のオモイを地域に届ける! つつまる便/マンスリーニュース/ 東社協トピックス)】
社福のオモイを地域に届ける! つつまる便 ~あなたの地域の やさしい居場所 社会福祉法人~
地域公益活動実践発表会Part.1を開催しました
2024年10月2日に地域公益活動実践発表会Part.1を開催し、2つの法人ネットワークと1つの社会福祉法人から実践事例の発表を行いました。会場には60名を超える参加者が集まり、ネットワークを活かした公益活動の実践や、法人の得意分野を活かした活動の報告に耳を傾けていました。
当日の様子は公式YouTubeチャンネルにて見逃し配信中です! ぜひご覧ください!
実践発表会の当日の様子をぜひ動画でご覧ください。
東京 地域公益 検索
QRコード 東京都地域公益活動推進協議会 ホームページ
マンスリーニュース
2024/9/26~10/25
ピックアップ
(9/26)2023年度介護費用が約11.5兆円で過去最高に
厚生労働省は「令和5年度介護給付費等実態統計」の概況を公表。介護予防サービスおよび介護サービスの費用は総額で11兆5,139億円。対前年比で3,227億円(2.9%)の増加となり、過去最高額となった。
(10/3)保護司制度の見直しに関する最終報告書がまとまる
保護司制度の見直しについて議論してきた法務省の有識者会議が最終報告書を取りまとめ。保護司の安全対策や新たな人材確保策が盛り込まれた。報酬制導入は見送られ、実費弁償を拡充することに。早くて2025年中の保護司法改正がめざされる。
(10/4)東京都でカスタマー・ハラスメント(カスハラ)防止条例が成立
全国で初めて、東京都議会でカスハラを防止する条例が可決、成立。社会全体でカスハラの防止を図り、防止にあたって顧客等と就業者とが対等の立場において、相互に尊重することを基本理念としている。2025年4月1日施行。
東社協トピックス
『福祉広報』アンケートご協力への御礼
8~9月にかけて実施しました、本誌リニューアルに関するアンケートへのご回答、ありがとうございました。「デザインが良くなった」「横書きになって読みやすくなった」というお声をいただいた一方、「もっとボリュームがほしい」などのご意見も寄せられました。今回のご意見は、今後の誌面制作への参考にさせていただきます。
本誌に対するご意見やアイディアは、QRコードおよび8ページの下部QRコードからも引き続き受け付けていますので、ぜひお送りいただけましたら幸いです。
QRコード 「福祉広報」 アンケートフォーム
助成金情報、イベント・セミナー情報ページのご案内
社会福祉関係団体・機関・社会福祉法人などが実施する福祉に関わる「助成金情報」や「イベント・セミナー情報」の一覧は、本会ホームページに掲載しています。ぜひご活用ください。
東社協 福祉情報 検索
QRコード 東京都社会福祉協議会 ホームページ
令和6年9月奥能登豪雨に対する支援金・義援金情報
以下の通り受け付けています。詳細は受付団体のホームページをご確認ください。このほかにもさまざまな団体が実施しています。
支援金(被災地で活動するボランティア団体等を支援)
◇中央共同募金会[ボラサポ・令和6年能登半島地震]
※豪雨災害の被災地域が重なっていることから、豪雨により被災された方を支える被災地支援活動も助成対象に含めて、本助成事業を実施
義援金(被災者を支援)
◇石川県共同募金会[令和6年能登豪雨災害義援金]
◇日本赤十字社[令和6年9月能登半島大雨災害義援金]
東社協の本
ご注文は 東社協図書係まで 電話03-3268-7185
New
介護等体験マニュアルノート【2024年11月改訂版】
教員免許取得希望者の介護等体験に対する理解を助け、主体的な学習を促進することを目的に刊行している「介護等体験マニュアルノート」の最新改訂版です。
A4判/68頁(ファイル付)
発売日2024.11.5
定価1,100円(本体1,000円+税10%)
(写真 介護等体験マニュアルノート【2024年11月改訂版】 表紙)
児童養護施設の現場でいきる心理職 2022年度版 ~東京都における児童養護施設心理職の取り組みから~
児童養護施設の心理職としてさらに経験を積み、施設内での協働をより有効に行えるよう実践を分かりやすくまとめたものです。
B5判/160頁
発売日2023.4.3
定価2,750円(本体2,500円+税10%)
成年後見制度とは…〔改訂第4版〕
成年後見制度について、図表を交えて分かりやすく解説しています。
A4判/32頁
発売日2023.5.31
定価550円 (本体500円+税10%)
--6【くらし今ひと】
ボランティアで学んだ手と手を取り合うことの大切さ
幼少期から高齢者に食事を届ける配食サービスのボランティアを続けてきた富田果蓮さんに、活動を通じて学んだことや将来についてお話を伺いました。
子どもの頃、祖母と行ったボランティア活動がとても楽しかった
祖母が、稲城市を中心に高齢者の食事支援などを行う「NPO法人支え合う会みのり」で活動していたこともあって、物心つく頃からボランティアや地域活動に縁がありました。幼少期には祖母のボランティア活動について行くのが楽しみで、高齢者の方々にとてもかわいがってもらいました。そのうちにボランティアとして参加するようになり、高齢者の自宅にお弁当を届ける配食サービスや、公共施設で行う会食会の料理をつくるなど、今でもボランティアを続けています。最初は、年が離れているので利用する方々との関わりに不安がありましたが、通ううち徐々に心を開いてくれて、今ではお孫さんやペットのお話などを嬉しそうにしてくれます。会食会では、提供する食事をボランティアの皆さんと一緒につくります。季節や旬を活かした献立づくりや調理のコツなども学べてとても勉強になります。
「支え合う会みのり」では、「句会たまりば」という句会を開催していて、会報誌に会員から投稿された俳句を掲載しています。幼い時に興味本位で一句つくってみたら意外と楽しく、今でも趣味のひとつとして投稿を続けています。日常で起こった出来事や思い出を日記のように表現できるのが好きで、各種コンクールにも応募したりしています。
“支え合う心”が、さらに多くの人に芽生えたらいい
今までボランティア活動を続けてこられたのは、何より「話すのが好き」、「人が好き」だからだと思います。些細な話題でも高齢者と笑いながら楽しく食事や会話をしていると、じんわりと心が満たされ「人と人とのつながりっていいな」と思います。一方で、「高齢者の孤立・孤独」を身近に感じることがあります。これまでの活動から、パートナーが亡くなられて地域や人との接点が少なくなってしまった方や、さまざまな事情から社会と関わることができない方など、一人暮らしの高齢者が多いことを知りました。高齢者の孤立・孤独をなくすしくみがさらに整備された社会になればいいなと思います。また、私たちのような活動がもっと多くの地域で活発になれば、一人ひとりの心の中に“ 支え合いの心”が芽生え、助け合うきっかけになるのではないでしょうか。
ボランティアを続けながら将来の道を探っていきたい
“支え合う心”の大切さを考えるようになったのは、高校2年の時に、公共の場でトラブルに巻き込まれたことがきっかけです。「助けて」と叫んでも周りにいた人は誰も助けてくれませんでした。この経験から、少しでも一人ひとりが当事者意識をもち、困った人に手を差し伸べられる社会になればいいと思うようになりました。
今は高校3年生で進路を考える時期です。社会福祉学や社会学、心理学を学びたいと思っています。また、視野を広げるため、いつか国際ボランティアにも参加できたらいいなと思っています。文章を書くことも好きなので、ジャーナリストなどの職業にも興味があります。ボランティア活動を続けながら、いろいろなことにチャレンジして、自分のすすむ道を考えていきたいです。
(写真 富田 果蓮さん)
都内在住の高校3年生。受験勉強の合間にドラマを見るのが日々の楽しみ。
以上で、福祉広報2024年11月号を終わります。