【表紙】(写真)
障害がある人の買い物や移動などを支援するガイドヘルパー。
この日は、利用者が通う地域活動支援センターへ。住み慣れた地域で安心して生き生きと暮らすために、ガイドヘルパーは障害のある人の「行きたい」に寄り添い続けます。
―NPO法人はちくりうす ガイドヘルパー 斎藤朝美さん―
p.2 ●社会福祉NOW
福祉職場での研修を推進するために
~ 東社協研修室から~
p.4 ●み~つけた
保育園と地域の人たちがともにつくり上げる子ども食堂
まどか保育園「まどか食堂」(武蔵村山市)
p.5 ●連載 若者の孤独・孤立のいま【第6回】
校内の一室で開かれる、自分が自分を認められる場所
東京都立五日市高等学校「五高カフェ」(あきる野市)
p.6 ●Focus on!
災害対策検討委員会
東京都高齢者福祉施設協議会
【目次】
1社会福祉NOW
2み~つけた
3連載 若者の孤独・孤立のいま 第6回
4Focus on!今、こんな動きがあります
5Information(学びを現場のチカラに! 研修室だより/マンスリーニュース/ 東社協トピックス/ 東社協の本)
6くらし今ひと
--1【社会福祉NOW】
福祉職場での研修を推進するために
~ 東社協研修室から~
福祉施設・事業所における人材育成の意識は高まり、多くの職場で研修が実施されています。
東京都福祉人材センター研修室(以下、研修室)で実施している事業から見えてきた、福祉施設・事業所における職場研修についての課題や取組みをお伝えします。
職場研修について施設・事業所が抱える課題とは
研修室では、「令和4~6(2022~2024)年度 東社協中期計画」の重点事業の一つとして、2023年度より「新任職員の定着・育成入門研修」を実施しています。人材の定着・育成を組織として考える立場にある管理職員やチームリーダーなどを対象とし、職員の定着・育成には多様で幅広い課題があることを、講義・個人ワークを通じて学びます。組織として取り組むべき課題を可視化するワークでは、自らの事業所の課題の整理を行うと、多くの受講者から、優先度の高い課題として「職員の育成体制が整っていない」が挙げられます。
福祉施設・事業所での人材育成の課題を、職場研修の実施状況から考えてみます。研修室では、 東社協研修受付システム「けんとくん」に登録のある施設・事業所を対象に、おおよそ隔年のペースで「研修ニーズ調査(以下、調査)」を実施しています。2022年度の調査では、施設・事業所における職場内研修の実施状況について、96.0%が「実施している」と回答した一方、その多くが研修を実施する上で図1のような課題を感じていることが分かりました。多忙な業務の中、シフト等の都合により研修時間がとりにくいとの回答が65.7%と特に目立ち、研修実施に苦慮している実態が想像されます。また最近では、運営基準等により実施が必須とされている研修が数多くあり、計画的な実施が事業運営上も求められています。
収録型WEB研修で限られた時間を有効活用
研修室で実施する研修形態の一つに「収録型WEB研修」があります。2024年度は20種類以上の研修をこの形態にて実施しました。もともとは、新型コロナの影響で、感染症防止対策をとりながら研修機会を提供するために2020年度より急遽始まった方法でした。
2024年度の調査では、「講義を中心とした研修の場合」には半数以上が「収録型WEB研修」を希望しています。その理由としては、「勤務時間と研修時間の調整がしやすい」、「研修参加に要する時間の短縮」などが目立ち、感染症対策の一環として始まった方法が、現在では時間を有効活用できる点で支持されていることが分かります。「業務の合間やすきま時間に、動画を分割して視聴している」、「島しょ部のため、容易に集合型研修に参加できないが、動画の研修だと気軽に受講できる」などのご意見もありました。
一方で、集合型研修は「受講者同士の交流・情報交換ができる」、「講師に直接質問ができる」などのメリットがあります。研修内容やテーマと合わせて、効果的な実施形態を選ぶことは、職場研修を考える上でのポイントの一つといえます。
研修実施を後押し! 登録講師派遣事業
小・中規模事業所の研修実施のハードルを下げる
研修室では、東京都の委託を受け、小・中規模の福祉・介護施設や事業所に対し、養成施設の教員等を講師として派遣する「登録講師派遣事業」を実施しています。
事業所は、登録されている講師および科目の一覧から講師派遣を希望するものを申し込み、決定すれば、講師が各事業所に出向き(オンライン含む)、研修を実施するというしくみです。本事業の講師は、介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・保育士の養成課程を有する大学等や指定養成施設にて1年以上の教歴のある方など、一定の登録要件があり、2025年2月時点で約50名の登録があります。それぞれの講師の専門分野を活かし、約470もの科目を講師が企画しています。
講師謝金等の負担なく利用できることもあり、人員や予算面などから、研修の企画や講師の確保等が困難な小・中規模の事業所に向けた支援策として活用されています。
2024年度の調査では、すでに本事業を利用したことのある事業所の9割以上が、「今後も利用を希望する」と回答し、その理由は「無料で利用できるから」(89.1%)、「科目の数が豊富だから」(75.6%)などでした(図2参照)。
また、実際に利用した事業所からは、「講師探しに苦慮していた。この事業は信頼できる講師と研修内容がリスト化されているのでテーマごとに探せて良い」「小さな団体だと、講師探しから企画立案、依頼、打合せ、実施まで、なかなか時間や人員を割くことが難しい。この事業の利用によりその流れの何割かは短縮できることは大きい」「人員的に職員を外の研修に出す余裕がないが、外部からの講師に施設内で研修をしてもらえることは、多くの職員が研修を受ける機会になり助かる」などの意見がありました。
事業所によっては、登録講師派遣事業利用後に、事業所の状況に応じた内容の研修を講師に個別に依頼するなど、その後の職場内での研修の定着につながったケースもあります。
本事業の効果は単発の研修機会の提供だけに留まりません。事業利用を契機に職場研修のしくみづくりがすすみ、それぞれの職場で研修実施が定着すること、その結果として福祉サービスが向上することをめざしています。
ユニット型の活用で地域のネットワークづくりにも一役
また、本事業は個別の事業所を対象とした「単一型」と、複数事業所(異なる法人の2事業所以上)が合同で研修を行う「ユニット型」という2つの形態があります。ユニット型の活用例として「社会福祉法人の地域ネットワークで会員施設の職員に研修を実施」、「近隣エリアのケアマネジャーの集まりで研修を実施」などが挙げられます。ユニット型で研修を実施した事業所からは、「他施設との交流の場ともなり、同じ悩みを抱える方々と同じ視点で学ぶ機会として重宝している」、「地域の中で共通のテーマに一緒に取り組む(参画する)機会として、今後もこの事業を活用したい」などの声が聞かれています。
ユニット型の活用により複数事業所がともに学び合い、つながりを深める機会は、事業所職員の資質向上だけでなく、各職員の視野が広がり、近隣エリアの事業所同士の地域に向けた取組みのための連携のきっかけになるなど、社会福祉法人の地域公益活動の推進、ひいては、地域共生社会の実現にもつながるものとして期待されます。
図1 2022年度研修ニーズ調査「職場内研修実施上の課題」
図2 2024年度研修ニーズ調査「登録講師派遣事業の利用を希望する理由」
研修室では2025年度もさまざまなテーマで研修を実施予定です。詳細は 東社協研修受付システム「けんとくん」をご覧ください。(けんとくんへの登録、および研修の参加には要件があります)
けんとくん 検索
QRコード けんとくん
注 小・中規模の福祉・介護施設や事業所
利用者の定員が、施設サービスで110人、在宅サービスで50人以下の事業所等
--2【み~つけた】
保育園と地域の人たちがともにつくり上げる子ども食堂
帰宅後の夕食の悩みを少しでも減らしたい
社会福祉法人三宝会のまどか保育園では、2019年から子ども食堂「まどか食堂」を実施しています。園長の嶺岡里花子さんは「園の保護者から『帰宅後に食事をつくるのが大変』など夕食の悩みを多く聞いていて、その負担を軽くしたいと思っていました」と話します。保育士でまどか食堂代表の二見知宏さんは「園の中で支援が必要そうな家庭が何件かあり、帰宅後の生活も気がかりだったので、月1回、栄養士がつくる栄養たっぷりな夕食を園で提供することにしました」と振り返ります。
食材のほとんどが地域の方からの寄附によるもので、補助金も活用しています。二見さんは「市の広報誌でまどか食堂のお知らせをしたのですが、それを見た地域住民や園の保護者のつながりから、『食材を寄附したい』という申し出をたくさんいただきました。本当にありがたいです」と反響を話してくれました。
しかし、スタートして1年ほどでコロナ禍に突入し、「まどか食堂」は一時休止することに。嶺岡さんは「保育園で何かできることがないか全家庭に聞いたところ、多くの家庭から出たのが『食事が大変』『食費がかかる』といった悩みでした。そこで、まどか食堂を会食形式ではなく弁当形式にして再開することにしました」と話します。現在、まどか食堂は月1回、隣にある長円寺の斎場を借りて開催され、予約制でお弁当が買えるようになっています。保護者からも大好評で、園児も「今日はまどか食堂の日だよ!」と楽しみにしているそうです。
二見さんは「Instagramを見た地域の商店街の方から『まどか食堂の日に出店したい』と申し出があり、そこから今では、パンやクッキー、お豆腐、総菜などのお店が5~6件ほど出店してくれています。開催日はマルシェのようににぎわっています」と話してくれました。
保育園がやるからこそ意味がある
まどか食堂を始めて6年。新しい試みを始めています。二見さんは「買ったお弁当を隣の斎場で食べる場合は、おまけでスープやデザートを付けています。居場所のような側面も強めていけたら」と話します。嶺岡さんは「夕食時の親の負担を月に1回でも減らして、親子でゆっくり過ごしてほしい。これからも“まどか保育園らしい”子ども食堂を続けていきたい」と語ってくれました。
まどか食堂
場所:武蔵村山市本町3-40-1 長円寺斎場
開催日:Instagramにて発信
開催時間:16:30~18:00 予約制・数量限定
参加費:子ども弁当 100円 小学生以下対象
問合せ先:電話042-560-1855(まどか保育園)または「まどか食堂」Instagram
QRコード まどか食堂 Instagram
(写真 まどか保育園「まどか食堂」 武蔵村山市)
--3【連載 若者の孤独・孤立のいま 第6回】
校内の一室で開かれる、自分が自分を認められる場所
東京都立五日市高等学校「五高カフェ」(あきる野市)
他者との違いや自分自身への意識が高まる10代。家と学校が日々の中心で、多様な視点や選択肢に触れる機会が少ないことから、息苦しさを覚えたり、孤独や孤立を感じたりすることも。今回は、家でも教室でもない、“第三の居場所”として校内に「ごこうカフェ」を設けた五日市高等学校の取組みを聞いています。
毎週火曜日の放課後に都立五日市高等学校で開かれる「五高カフェ」。卒業生の松本優菜さんが店長を務めるその場には、15名前後の生徒が足を運びます。取組みは2024年9月からで、教諭の思いから生まれたもの。その背景には学校や家庭に自分の居場所がなく、孤独を覚え、孤立している生徒の存在があります。提案者である進路指導部主任の中村俊佑さんは校内に居場所カフェのような場の必要性を強く感じていた一人。「自分の居場所がなく、学校を辞めてしまう生徒もいます。家に帰りたくない子もいて、夜までの解放は難しいけれど、放課後だけでも安全な環境で安心できて、自分自身を否定されない空間があればと考えました」と経緯を話します。同じく進路指導部で当初から関わる田中和歌子さんは「カフェであれば、そこに来る理由を求められないですよね。気軽に立ち寄れてちょっと喋れる、そんな場所が校内にある意義は大きいと感じました」と話します。教諭が前面に出ないという方針の下、進路指導部の先生に相談に来ていた卒業生の松本さんが店長として運営に加わることになり、3人が中心となって形にしていきました。
他者の価値観に触れ、自分自身と向き合える場所へ
五高カフェのあり方は最初から固めすぎずに、訪れる生徒の話を聞いたり、個々に勉強をしたりするような、それぞれが思い思いに過ごせる空間として始まりました。訪れる生徒が増えていく中で、皆で利用ルールを考えるほか、生徒自身からも主体的に場の価値やあり方について声が上がるようになってきました。スタートから4か月が過ぎた今では、卒業生や地域住民、フードバンクの活動者などカフェに関わる人も増え、生徒発案のイベントや、他者から学びを得るような企画も始まっています。
その一つである「卒業生と語る会」は、ゲストの卒業生にこれまでの人生を話してもらうもの。同じような境遇にある生徒が自身の可能性や選択肢を広げるだけでなく、自分の気持ちを明かす場にもなっています。中村さんは、多文化に背景のある生徒が増えていることに触れながら、「ゆくゆくは生徒が自分のことを開示できる、話しても認められるのだと思えるような空間をつくっていきたいです。地域の人や卒業生に話をしてもらい、多様な価値観に触れることで世界を広げ、自分自身を振り返ることのできる場にしたい」と今後の思いを明かします。店長の松本さんは「まず私が楽しむことを大切にしながら、来ている皆も楽しければいいなと思います。カフェではとにかく自分のやりたいことを我慢しないで追求してほしい」と後輩にメッセージを送ります。
学生と地域とがつながるきっかけに
在校生に向けて取り組まれてきた五高カフェですが、この場が卒業生にとっても大切なものになると田中さんは考えています。「卒業生が仕事の相談等で学校に来るのですが、教諭の異動がある中でもカフェが続いていれば、卒業生の居場所もできると思います。卒業が近い生徒にカフェのボランティアスタッフをお願いするといった、つながりを持ち続けてもらうような動きも生まれています」と話します。また、五日市高等学校には複雑な家庭環境にある生徒もいて、梶原さんは「五高カフェを起点に地域とつながって安定したサポートを生徒にしていけたら」と地域と協働する必要性を感じています。生徒に身近な場所で放課後から始まる五高カフェ。さまざまな人の思いが重なり合いながら、生徒が自分を認められる、他者を介して自分と向き合える、そんな場所をめざしていきます。
(写真 東京都立五日市高等学校 全日制課程 副校長 梶原敏幸さん、外部指導員 五高カフェ店長 松本優菜さん、主幹教諭 進路指導部主任 中村俊佑さん、進路指導部 主任教諭 田中和歌子さん)
(写真 生徒だけでなく、教諭も足を運び、教室とは違った関わりや空気感が生まれている。)
QRコード 五高カフェ Instagram
--4【Focus on!今、こんな動きがあります】
災害対策検討委員会
東京都高齢者福祉施設協議会
災害時における業務継続の実践性を強化
東京都高齢者福祉施設協議会(高齢協)は、都内約1,200の高齢者福祉施設・事業所で構成される部会です。今年度の事業計画の重点目標の一つに「感染症・災害対策の推進」を掲げ、これまでの感染症への対応や自然災害対策で得た知見を活かし、大都市東京における高齢者の多様な生活の場の安全と安心のために取り組んでいます。高齢協では「災害対策検討委員会」を2010年度に設置し、2017年度からは常設の専門委員会として、現在、各地域ブロック選出の委員等、約20名の施設長が活動しています。
介護施設・事業所においては、2024年4月に事業継続計画(BCP)の策定が完全義務化されました。現在、災害対策検討委員会では、各施設・事業所での、発災時の業務継続の実践性・実効性を高める取組みに力を入れています。委員長の中村正人さんは「委員会と研究機関が共同実施した調査の結果からも、災害に関する研修への参加が、職員の意識向上につながると考えています。BCPがあっても、それを職員一人ひとりが読んで理解しているか、また、災害時に確かに実践できるかというと、難しいのが実際です。各施設で職員の意識を高め、災害時を想定した実践を積み重ねることが大切です」と語ります。
施設内研修で活用できるツールを普及啓発
そこで、委員会では、災害やBCPへの関心を高める施設内研修の実施と、その研修ツールとして、避難所運営ゲーム「ハグ社会福祉施設バージョン」の普及啓発に取り組んできました。ゲーム一式を会員施設に貸し出し、委員を研修ファシリテーターとして派遣しています。昨年度は延べ13施設、今年度は12月までに8施設で実施され、好評を得ています。
今後はさらに、福祉施設等のBCP策定支援を目的とした災害想定ゲーム「キズキ」の普及啓発も予定しています。「KIZUKI」には「通所(デイサービス)ver.」「障害者施設ver.」「保育施設ver.」などさまざまな種類があります。制作元のNPOと日頃から情報交換を重ね、2024年11月に、中村さんが所属する羽村市特養施設長会の監修で「震災編 高齢者介護施設夜勤汎用ver.1」が完成しました。
2025年1月には委員会内で、これを体験する「KIZUKI研修会」を開催しました。委員からは「発災時がイメージでき、職員の関心が深まるきっかけになる」「施設内の備品の見直しにつながる」などの感想が聞かれました。来年度には、委員を中心に各地域で「KIZUKI」等の研修を実施し、各施設へ広げる取組みのほか、KIZUKI「水害編」の作成に向けたワーキンググループの設置などを予定しています。
今年度は、熊本県で2024年10月に開催された「ぼうさいこくたい2024」に委員が参加し、活動内容をポスター展示し、反響を得ました。また、東京管区気象台と協働し、地域ブロックでの防災気象情報の利活用説明会の開催もすすめています。中村さんは「災害時に高齢者施設が“弱者”になるのではなく、地域への役割を担えるよう、各施設での実践力を高める取組みを今後も推進していきます」と語ります。
(写真 高齢協 災害対策検討委員会 委員長 社会福祉法人亀鶴会 特別養護老人ホーム神明園 園長 中村正人さん)
(写真 委員会内研修会の様子)
(写真 KIZUKI震災編 高齢者介護施設夜勤汎用ver.1 特養での深夜帯の地震発生を想定し、夜勤の職員体制のもと、次々発生する事態への対応を判断するゲーム。チーム対戦方式で、被災時の行動を体験的に学べる。)
--5【Information(学びを現場のチカラに! 研修室だより/マンスリーニュース/ 東社協トピックス/ 東社協の本)】
学びを現場のチカラに! 研修室だより
「育成面談研修」を実施しました!
東京都福祉人材センター研修室は、2025年1月16日~3月6日に育成面談研修を収録型WEB研修にて実施しました。研修の目的は、単なる職員面談ではなく、多様な職員のモチベーションを高める面談のポイントを実践的に学ぶことです。研修を通じて面談のイメージが湧きやすくなるよう、良い例と悪い例の「再現動画」を制作し、研修室職員が脚本から出演、撮影までを行いました。再現動画は初めての試みでしたが、受講者からは「具体的で分かりやすかった」「無意識的な自分の振る舞いや態度が相手に与える印象が大きいことを理解した」など好評のお声をいただきました。2025年度も再配信にて実施予定ですので、ぜひ受講をご検討ください。
(写真 「再現動画」の撮影風景)
詳細は、東社協研修受付システム「けんとくん」をご確認ください。
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マンスリーニュース
2025/1/26 ~ 2/25
ピックアップ
(1/29)2024年の自殺者数暫定値、若者の女性に増加傾向
厚生労働省は2024年の年間自殺者数(暫定)を2万268人と公表。23年より1,569人減少した。19歳以下の自殺者は800人と前年より若干減少したが、うち女性では増加がみられた。また、小中高生は527人で、前年より14人増加した。
(1/31)2024年10月末時点の外国人労働者数、過去最多の約230万
厚生労働省のとりまとめによると、2024年10月末時点の外国人労働者数は、前年比約25万4千人増の230万2,587人で過去最多となった。最も多い国籍はベトナムで、全体の24.8%を占め、次いで中国、フィリピンとなっている。
(2/6)災害ボランティアをしたいと回答した都民は33.5%
東京都は「令和6年度都民のボランティア活動等に関する実態調査」結果を公表。ボランティア活動に関心がある人は前回比4.4ポイント減の28.0%だった。また、今回初めて「災害時に災害ボランティア活動をしたい人」を調査し、結果は33.5%。
東社協トピックス
企画担当ではさまざまな情報発信をしています! ぜひご活用いただけましたら幸いです。
メールマガジン(毎週金曜日配信)
東社協の最新情報に加え、国や東京都の福祉に関わる情報も掲載。1週間単位での情報収集にご活用いただけましたら幸いです。
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助成金・イベントセミナー情報ページ
社会福祉関係団体・機関や社会福祉法人などが実施する、福祉に関わる「助成金」や「イベントセミナー」の情報を一覧で掲載しています。
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ふくし実践事例ポータルサイト
福祉施設や区市町村社会福祉協議会、地域の方々など多様な主体による福祉に関わる実践事例を発信。「福祉広報」の紙面には載せきれなかったエピソードも掲載中です。
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東社協の本
ご注文は 東社協図書係まで 電話03-3268-7185
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10/62 もっと知りたい 東京にくらす
―10社協の取組み・東京都内62区市町村社協―
都内62区市町村社協にアンケートを実施し、そのうち10社協の詳しい取組み内容をヒアリングし、まとめました。
A5判/68頁
発売日2024.5.15
定価770円(本体700円+税10%)
生活困窮者支援の“いま”と“これから”~地域でささえる社協の役割~
都内5社協による「生活困窮支援における地域支援」を考える座談会の様子などを収録。
B5判/48頁
発売日2024.9.2
定価880円(本体800円+税10%)
重層的支援体制整備事業 実践事例集 Vol.2
2023年度に重層的支援体制整備事業が本格実施となった5つの自治体の区市町村社協にヒアリングを行い、それらの内容をまとめました。
B5判/98頁
発売日2024.5.13
定価770円 (本体700円+税10%)
--6【くらし今ひと】
夢とともに歩んできた人生。
実現のために一歩一歩すすんでいく
障害がある人の外出を支援するガイドヘルパーとして活躍し、パラスポーツ指導員や手話の通訳者などさまざまな顔ももつ斎藤朝美さんに、これまでの経験や夢についてお話を伺いました。
パラスポーツ指導員から福祉の世界へ
小さい頃から、障害のある子が身近にいて、障害があっても得意分野を活かし、たくましく生きる姿を見てきたせいか、いわゆる“障害者に対する差別や壁”のようなものを感じずに育ちました。幼いころから水泳が大好きで、学生時代は水泳部に所属していました。マリンスポーツに熱中する社会人生活を送り、結婚を機に会社を退職。しばらく育児に専念していましたが、妊娠中に通っていたマタニティスイミングのコーチに誘われ、スイミングスクールのコーチになりました。ある時、手が不自由なお子さんが入られたのを機に、パラスポーツ指導員の資格を取りました。思えば、私が福祉の世界に入ったきっかけは、この出会いだったように思います。その後、水泳だけでなくマラソンや空手などあらゆる障害者スポーツの競技の支援をするようになり、目黒区の手話通訳者養成講座を受講し、区の登録通訳者にもなりました。スイミングスクールを退職後は、幼稚園や小学校で障害児担当の支援員として働きました。体力勝負で大変でしたが、とてもやりがいがありました。同じ時期に、ボランティアで携わっていた知的障害児のサーフィンスクールの仲間から、知的障害児・者の福祉施設のスタッフに誘われ、支援員として入職することに。障害のある方のお出かけを支援するガイドヘルパーの仕事を知ったのもこの頃です。
ガイドヘルパーは天職だと思うほど楽しい
現在は、NPO法人はちくりうすのガイドヘルパーと、夏季はシュノーケリングのインストラクターをしています。人と関わることやおしゃべりが大好きなので、ガイドヘルパーの仕事は性に合っていると思います。ヘルパーをやっていると「人が変わる瞬間」に出会えます。ある利用者さんとの話ですが、必要以上に買い物をしてしまう方がいて、決まった予算の中で優先順位を付けて何を買うか一緒に決めるようにしたら、だんだんと予算を把握する力が身につくようになりました。こういう瞬間にいくつも立ち会うことができるので、とにかく仕事が楽しくてしょうがないです。仕事をする上で大切にしているのは「利用者ができることを取り上げず見守る」こと。先回りしすぎず、できるまでじっと見守る。それが私のモットーです。
“インクルーシブな海の家”をつくりたい
振り返ると、福祉の世界に入って20年近くが過ぎました。ここまで続けてこられたのは、20代のころから持ち続けている「障害のあるなしに限らず、誰もが安心して楽しめる海の家」をつくる夢があるから。実現までにまだまだ時間がかかりそうですが、今まで培ってきた経験を糧にして、さらに福祉の世界への造詣を深め、これからも自分らしく楽しみながらすすんでいきたいです。
(写真 NPO法人はちくりうす ガイドヘルパー 斎藤朝美さん)
ガイドヘルパーの傍ら、パラスポーツの指導員や、夏季限定でシュノーケリングのインストラクターも務める。また福祉関連の研修講師も担う。
以上で、福祉広報2025年3月号を終わります。