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東京都社会福祉協議会

ホーム > 購読のご案内 > 福祉広報テキストデータ > 福祉広報 2025年2月793号 テキストデータ

福祉広報 2025年2月793号 テキストデータ

【表紙】(写真)
墨田区内の福祉作業所と地元のクリエイター、町工場が一緒にものづくりをするプロジェクト「すみのわ」。さまざまな人が関わり商品価値を高め、障害のある人の工賃向上もめざす。多くの商品を展示販売する区内の「一軒家カフェikkA」での一枚。
―すみのわ 墨田区―


p.2 ●社会福祉NOW
思いを乗せた寄附をつないで60年
~東京善意銀行の取組みから~

p.4 ●み~つけた
墨田らしい地域連携で、福祉作業所の生産品をさらに魅力あるものに
すみのわ(墨田区)

p.5 ●連載 若者の孤独・孤立のいま【第5回】
若者が安心して生きていく基盤をつくれる社会を
特定非営利活動法人サンカクシャ(豊島区)

p.6 ●福祉のおしごと通信
一人ひとりを尊重する気持ちを忘れず、利用者の生活を見守り続ける
社会福祉法人 村山苑 さつき荘 大坂 友美さん

【目次】

1社会福祉NOW
2み~つけた
3連載 若者の孤独・孤立のいま 第5回
4福祉のおしごと通信
5Information(社福のオモイを地域に届ける! つつまる便/マンスリーニュース/ 東社協トピックス/ 東社協の本)
6くらし今ひと

 

--1【社会福祉NOW】
思いを乗せた寄附をつないで60年
~東京善意銀行の取組みから~

昭和37年5月、徳島県社会福祉協議会に発足した「善意銀行」は、「助けてほしい」と「役に立ちたい」という双方のニーズを結び付ける役割を担うしくみとして始まり、全国に広がりました。
東京では、昭和39年10月に設立され、令和6年で60周年を迎えたことを機にその取組みを振り返ります。

財団法人として設立し 東社協へ移管して20年
東京オリンピックの開幕を控え、東海道新幹線が開通した昭和39年10月1日、「財団法人 東京善意協会」が設立しました。都知事を名誉会長、銀行頭取や企業の会長、大学総長等を理事とする役員体制のもと、相互扶助の精神を社会に広げ、社会奉仕の具体的活動の推進を目的にスタートしました。「ボランティア」という言葉も広まっていなかった当時、「労力、技術、金品等の預託を受け、社会福祉施設等に供与する事業」を行うとともに、「タクシー内への募金箱設置」「誕生日献金」「老人ホーム等に老眼鏡を贈る運動」「献血・献眼・献体運動」など、広く都民に呼びかける運動を推進してきました。
昭和45年10月1日に「財団法人 東京善意銀行」に名称を変更し、翌年、目的を「社会福祉に対する助成」とし、「現金」「物品」「招待」「ボランティア活動」の寄附の預託を受けてきました。平成17年4月1日に東京都社会福祉協議会に事業移管され、現在に至りますが、都内各地区でのボランティアセンターの設置・活動の広がりを受け、平成21年度末でボランティアの新規登録・紹介を終了し、現在は、「現金」「物品」「招待」の3つのかたちで寄附をお預かりし、東京の社会福祉施設への橋渡しを行っています。

現金・物品・招待の3つの寄附のかたち
「現金寄附」には、主に個人・企業・団体の皆様からの預託と、不特定多数の方からの「ともしび募金箱」への募金があります。そのまま現金を配分するのではなく、設立当初から一貫して「社会福祉施設等の希望する物品として配分する」方針を継続しており、現在は、主に「福祉サービス利用者の生活を維持向上させる備品・器具等」を申請の上、配分を決定して送金し、購入してもらいます。寄附者の思いを具体的なかたちにして届けていることが特色です。
長期間継続して寄附してくださる方もいますが、社会情勢の変化の中で1回あたりの寄附額は減少傾向にあります。リーマンショックの影響で大きく減少した平成20年度以降は横ばいですが、配分を希望する施設数は多く、同じ施設には7~8年に1度しか助成金を配分できない状況です。
また、「物品寄附」として、電化製品や食料品、衣料、雑貨類、書籍、ランドセル等、幅広い物品の寄附があります。令和元年度までは、年間10~20万点の物品数でしたが、翌年度から急増し、令和5年度は190万点に達しました。コロナ禍の福祉施設への応援としてマスクや消毒液等の寄贈のほか、中古のパソコンやオフィス家電、短時間使用済みの乾電池など、SDGsの理念の普及により、企業などからの寄贈が増えています。廃棄せず寄附につなげる取組みは、「環境保護×社会貢献」として、推進していきたい分野の一つといえます。
「招待寄附」は、スポーツ観戦やコンサート、博物館や美術館の鑑賞などへの招待、チケットの寄附など、令和5年度は3,383件でした。コロナ禍でのイベントの縮小もありましたが、再度増加しており、施設利用者の社会経験を豊かにし、生活に彩をもたらすものとして感謝されています。

継続した支援とニーズへの対応
東京善意銀行の継続した取組みの一つに児童養護施設の児童への支援があります。昭和45年度から、高校や専門学校へ進学する子どもへの進学祝いに腕時計を贈る取組みが始まり、平成8年度からは商品券、平成15年度からは退所し自立する際に現金2万円を贈るかたちに変更し、支援を続けています。
令和5年度には、新たな手法で寄附者層を広げるため、「東京の児童養護施設や里親から巣立つ若者にエールを!」を合言葉にクラウドファンディングに挑戦しました。161名から目標額を上回る257万9,000円の寄附があり、若者に贈ることができました。
東京善意銀行は、その時代に応じた運動や配分をすすめてきました。最近では、コロナ禍により、人と人の交流が制限された状況をふまえ、感染の落ち着きとともに交流再開を後押ししようと、令和4年度から「利用者の交流活動促進のための経費助成事業」を開始しました。令和6年度は、1施設につき3万円を50か所に助成する計画で実施し、外出やお祭り、ゲーム大会などの費用の一部として活用され、利用者同士や地域の方と楽しく交流する様子が笑顔の写真とともに報告されています。

施設が求められる新たな取組みを推進
最近の傾向として、将来、自分が亡くなった後、財産を寄附したいとして、「遺贈」の相談を受けることが増えています。人生の終末を見据え、最後まで自分らしく生きようと準備される方が増えていると考えられます。
このような中、令和6年8月に遺言執行人である弁護士を通じて、約9,300万円の遺贈による寄附をいただきました。この寄附は、故人のお名前をつけた「かみつぐ助成金」として、施設に助成することとしました。遺言執行人の弁護士からは「利用者に直接届くしくみと信頼感から、遺言書に記された故人の思いを実現できると考え、東京善意銀行を選んだ」というお言葉をもらいました。
東京善意銀行では、この貴重な機会を有効に活かしたいと考え、「利用者の生活を維持向上させる備品・器具等の購入」に加えて、今、施設に求められている「地域に向けた取組み」の推進に資することを検討しました。その結果、「地域生活課題に対応するための事業費」としても助成し、施設が所在地域における、ひきこもりや社会的孤立、生活困窮等、制度の狭間の課題等に対応する取組みの推進を支援していくこととしました。
東京善意銀行の新たな寄附配分のかたちとして、この助成金により施設がどのような取組みを地域で展開されるのか、情報発信することにより 東社協としても、地域共生社会の推進につなげていきたいと考えています。

思いを乗せて寄附を届けることに価値
「楽しめる機会を提供したい」「社員に会社への誇りを持ってもらいたい」「施設で利用者や職員から聞いた話が心に残り社員教育としても貴重な機会」……。これらは寄附してくださる企業の皆様の言葉です。さまざまな思いを抱きながら、寄附をしていただいています。
長年、東京善意銀行の運営委員を務める、日本フィランソロピー協会理事長の髙橋陽子さんは「お金や物のやりとりだけでなく、寄附者の思いを乗せて届けていることで価値を高める。これが善意銀行の価値であり、本質」と言います。東京善意銀行にいただいた寄附は、どなたの寄附がどの施設につながったのか分かるようマッチングし、寄附者と施設に伝えています。施設の利用者や職員から寄附者に贈る「ありがとう」のメッセージやお礼状は、写真や絵が添えられているものもあり、生の声や気持ちが伝わります。髙橋さんは、今後の東京善意銀行の取組みについて、「東京都も支援しているという信頼性、分かりやすい“善意”という言葉を打ち出し、寄附者に寄附の成果を情報提供し、つないでいくことが大切です」と強調します。「寄附者のストーリーを伝え、かっこいい姿を見せてはどうか」と、情報発信のアイデアもいただきました。
寄附者の「役に立ちたい」というニーズと施設の「応援してほしい」というニーズの双方をつなげ、さまざまな人の思いを乗せた寄附が双方の幸せにつながるように、また、それを多くの人に広げていけるよう、今後も「東京善意銀行」の歩みを続けてまいります。

図 現金・物品・招待の3つの寄附のかたち
(写真 公益社団法人 日本フィランソロピー協会 理事長 髙橋 陽子さん)

 

--2【み~つけた】
墨田らしい地域連携で、福祉作業所の生産品をさらに魅力あるものに

墨田ならではの福祉の輪を広げていく
「すみのわ」は、障害を持つ人が日中通う墨田区内の福祉作業所と、地元のクリエイターが一緒にものづくりを行う、墨田区の呼びかけで2014年に始まった地域連携型プロジェクトです。革や繊維、紙、ガラスなど日用品の製造業が盛んな地域性を生かし、町工場から出る品質の良い端材を使った「すみだらしい」商品づくりが特徴です。
企画・コーディネートに携わるクリエイターの三田大介さんは「各作業所に出向き、できることやできないこと、設備や人員を知るところから始まりました」と話します。商品開発を担うせき真由美さんも「最初の頃は商品提案後に必ず作業現場へ行き、一人ひとりの作業の得意・不得意や、作業手順をどう伝えると良いかなど確かめていきました」と振り返ります。こうした過程を積み重ね、徐々に安定した商品づくりにつなげています。
主な販路は、ポップアップイベントや美術館での販売。ほかにも、地域とのつながりやご縁でカフェとコラボ商品をつくったり、区内の製造工場のオリジナルブランド品と一緒に販売するなど、地域と一緒に広げています。
地域のカフェに商品を展示すると、商品づくりに関わった利用者と家族がよく見に来てくれると言う三田さん。「利用者の方にとって商品が社会との接点になっていて、その場を家族と見られるのはとてもいいなと。商品を注文する・納品するだけの関係ではない、対等なパートナーとしてできる仕事のあり方を増やしていきたいです」と話します。

商品づくりだけではないつながりも
ほかの地域との連携もすすみ、墨田区と台東区の連携プロジェクトに、2024年8月より江東区内の福祉作業所などが参加した「こう・すみ・たいプロジェクト」も始まりました。それぞれの商品の発信はもちろん、普段と違うメンバーが顔を合わせて企画を考えたり、SNS発信の仕方を相互に学ぶことは刺激になっています。
地域を越えたつながりで、障害を持つ人の選択肢が広がることも。「本人がカフェをやっている作業所で働きたくても近くにない場合、つながりがあることで、本人の希望に沿った作業所を地域を越えて紹介ができるそうです。商品づくりだけでなく、働き方や生き方の広がりにもなっています」と、三田さんは活動の意義を語ります。

すみのわ
ギフトやノベルティのご注文はホームページから、開催中のポップアップイベント情報はInstagramからご覧いただけます。

QRコード すみのわ ホームページ
QRコード すみのわ Instagram
(写真 すみのわ 墨田区)

 

--3【連載 若者の孤独・孤立のいま 第5回】
若者が安心して生きていく基盤をつくれる社会

特定非営利活動法人サンカクシャ(豊島区)

身近な大人を頼れない若者たちがいます。彼らの多くは貧困や虐待などの環境にいたことで安心できる居場所を持てず孤立しています。一緒に楽しむことを大切に、若者が生活の基盤をつくり、一歩ずつふみ出すことを支援する、特定非営利活動法人サンカクシャにお話を伺いました。

孤立し困窮した若者たちとつながる所
サンカクシャでは、さまざまな理由で社会から孤立している、主に15~25歳の若者を対象に、居場所・仕事・住まいの3つの「生きていくための基盤」の支援に取り組んでいます。2019年の設立以降、支援する若者のニーズを捉えながら活動を拡大し、相談や支援の件数も増加しています。
居場所事業マネージャーの早川智大さんは、関わる若者のほとんどが虐待と貧困の経験者だと言います。「幼少期に家庭が子どもに与える力は大きい。多くは身近な大人から関心を向けられず、否定的な人間関係の中で過ごしてきています。そのため他者への信頼感や生きる意欲自体が低く、人間関係でつまずくと修復できずに諦めてしまうなど、自ら立ち直る力も弱いと感じます」と、若者の様子を語ります。コロナ禍を経て、現在、相談の約4割が住まいに関する内容です。孤立し困窮した若者が「ネットカフェで寝泊まりしている」「所持金が数十円」と自ら連絡してつながることが増えています。

安心できる居場所や住まいで回復し、意欲を取り戻す
サンカクシャにつながった直後の若者は、疲弊し生活することへの意欲が薄い状態にあります。彼らが安心して過ごせる“居場所”として、週3回開放する「サンカクキチ」があります。企業から提供された家具が配置され、ボードゲームや本、テレビなどもあり、思い思いに過ごせ、夕食も提供される相談・交流の拠点です。室内にあるゲーミングPCを複数台備えたeスポーツができるコーナーや、ここで月2回実施する深夜の居場所「ヨルキチ」などの特徴的な活動も、若者がサンカクシャを知り、つながるきっかけになっています。また、一緒に外出して、楽しい体験をすることも“居場所”の一つと捉え、暮らし方や過ごし方を広げることにも力を入れています。
“住まい”の支援としては、シェアハウス「サンカクハウス」4棟と、短期滞在型の「サンカクシェルター」を用意し、行政機関や病院に同行するなど、生活を立て直すために寄り添った相談支援をしています。
また、“仕事”の支援では、体験プログラム「サンカククエスト」等を提供します。協力企業や個人から依頼された仕事を大人の見守りの中で体験します。つまずくことも多くありますが、徐々に経験を積んで自信をつけていきます。
サンカクシャのスタッフは約30人。若者一人ひとりの支援を皆で考えサポートしています。事務局次長の塚本いづみさんは「彼らの状態に合わせた支援のステップを重視しています。心が落ち着く安心な居場所や住まいを得て、楽しい経験や時間を共有する中で徐々に生きる意欲が回復していきます。そこから働くことへと気持ちが向き、働く体験が自信につながり自立に至る。そこまで約3年必要です」と語ります。

身近な大人に頼れない若者を包括的に支える社会を
若者を支える社会のしくみはまだまだ不十分で、若者に過度な自己責任が問われているのが現状です。特に18歳以上への公的支援はほとんどありません。住まいの支援制度は、DVやシングルマザー等の要件に該当しないと、ほぼありません。また、困窮した大学生は生活保護が受給できません。
早川さんは「身近に頼れる大人がいない若者が生活の基盤をつくるには包括的な支援が必要です。住まい等の最低限の保障のしくみは自治体ベースで整えられるべきです。また、現在は“就労”のみが支援の出口として捉えられていますが、彼らが負担感なく社会に参画できる、より多様な選択肢があっていいと感じます」と語ります。こうした問題意識から、2025年4月にはカフェやショップスペースと作業スペースを備えた「サンカクオフィス」を新設し、若者が社会や街の人たちと多様なつながりをつくる場とする予定です。
また、サンカクシャでは、支援を必要とする若者とつながるには「サンカクシャ=若者支援団体」と広く認知されることが大切だと考え、SNSでの情報発信にも注力しています。
早川さんは、活動を始めた数年前に比べて、最近は若者支援への理解が広がりつつあるとも感じています。「今後も地域や企業等とよりつながりを広げ、若者が安心して生きられる社会に向け活動していきたいと思います」と語ります。

(写真 特定非営利活動法人サンカクシャ 事務局次長 塚本 いづみさん、居場所事業マネージャー 早川 ともひろさん)
(写真 「サンカクキチ」の一角)

 

--4【福祉のおしごと通信】
一人ひとりを尊重する気持ちを忘れず、利用者の生活を見守り続ける

生活保護法に基づき、障害や経済的問題などの理由で日常生活を営むことが難しい方が生活する救護施設。さつき荘で主任相談員として働く大坂友美さんに取材しました。

予備校の事務員から福祉の世界へ
さつき荘は、心身の障害や経済的理由などで日常生活が困難な方を対象にした生活保護法に基づく救護施設です。さつき荘に入職する前は、社会人向けの公務員試験予備校で事務員として働いていました。当時、私と同年代の生徒さんが仕事をしながら勉強に向き合っている姿に刺激を受け、「頑張る人たちのためになる仕事がしたい」と思うようになりました。ある時、予備校の先生から、福祉関連の資格が取得できる専門の大学があることを教えてもらいました。「この先どうしようか」と思っていた矢先だったので、勢いでその大学へ入学し、2004年に社会福祉士の資格を取得しました。同年に社会福祉法人村山苑が運営する救護施設の村山荘に入職しました。村山荘では、利用者の身の回りのサポートをする援助員として4年間勤務し、2008年にさつき荘に異動になりました。現在は主任相談員として、利用者からの相談や自立に向けた援助計画の作成、病院や介護施設といった外部施設との連絡調整など、中長期的な視点で利用者の自立をめざして支援しています。
利用者の生活を間近で見ていると、何らかの障害があっても洗濯や調理などの日常生活を工夫しながら過ごされていて、その姿にいつも励まされています。支援する側とされる側ではなく、人として相手を尊重し、それをきちんと言葉や態度で示すように心がけています。例えば、体調や今日できたことなどを毎日細かく記入する自立のための取組みのノートがあるのですが、こちらが「やって当たり前」という気持ちでいると利用者に伝わりますし、「やらされ感」が残ってしまいます。なぜ記入が必要かをきちんと説明し、提出していただいたら精いっぱい感謝の言葉をかけるなど、真摯な姿勢で向き合うことが大切だと思っています。

働きやすい職場のためにできることを考えたい
主任になってまだ日は浅いのですが、職員みんなに前向きに働いてもらいたいと思っています。職員が元気で働きやすい職場でないと、利用者を支えることができません。利用者と一対一で関わり、自立や成長を目の当たりにできるやりがいのある仕事ですが、一方で体力的・精神的に厳しい仕事でもあります。心身の調子を崩す職員を一人でも減らすために、悩みやSOSを気軽に打ち明けられるしくみをつくれないか模索中です。
救護施設には、社会福祉士だけでなく介護福祉士、栄養士などさまざまな専門職が集まっています。それぞれの職能を最大限発揮できる環境のために、主任として自分ができることは何かを考え続けていきたいです。

(写真 社会福祉法人 村山苑 さつき荘 主任相談員 大坂 友美さん)
(写真 香りのあるハンドクリームや化粧品で癒されています。気に入った香りのものがあるとつい買ってしまうので、自宅にはいろいろな香りのアイテムがあちこちに。気持ちが落ち着く香りが好きです。)

 

--5【Information(社福のオモイを地域に届ける! つつまる便/マンスリーニュース/ 東社協トピックス/ 東社協の本)】

社福のオモイを地域に届ける! つつまる便 ~あなたの地域のやさしい居場所 社会福祉法人~

「介護」だけではない、地域共生活動への取組み
社会福祉法人 青芳会 特別養護老人ホーム今井苑

社会福祉法人青芳会では、コロナ禍で介護教室・相談ができなくなった代わりに、「青梅の玄関口をきれいにしよう」をテーマとし、毎月第3木曜日に、青梅インター周辺の清掃を始めています。今までは専門知識の提供が主な役割と考えていましたが、このような初歩的な活動を開始したことにより、新たなボランティアの方々との交流や、協力いただける方とも出会うことができました。
(写真 青梅インター周辺の清掃活動)

詳しい取組み内容は、東京都地域公益活動推進協議会のホームページからご覧いただけます。
東京 地域公益 検索
QRコード 東京都地域公益活動推進協議会 ホームページ


マンスリーニュース
2024/12/9 ~ 2025/1/25

ピックアップ
(12/12)担い手不足のケアマネ、受験資格要件を拡大へ
厚生労働省は「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」中間整理をとりまとめた。担い手不足が課題のケアマネについて、ICT活用等で負担軽減を図るとともに、受験要件に新たな資格追加、実務経験年数の見直しなどを行い、拡大等を図る。

(12/18)民生委員・児童委員の選任要件「居住者から選任」を維持
厚生労働省は「民生委員・児童委員の選任要件に関する検討会」による「議論の整理」を公表。選任にあたっての居住要件の緩和は見送られた。例外的に、民生児童委員が任期途中で転居した場合に、意向に応じ残りの任期での継続を認めることとした。

(12/25)介護職員数が統計開始以来初の減少
厚生労働省は「令和5年介護サービス施設・事業所調査」の結果を公表。2023年10月1日時点での各サービスの介護職員数の集計は約212万6,000人。2000年の統計開始以来、初めて減少した。


東社協トピックス
東社協 新会員のご紹介
保育部会
品川区立八潮北保育園/学校法人東村山町田学園 天王森保育園/幼保連携型認定こども園 ミナパもくせいのもり
知的発達障害部会
コラボいなぎ 放課後等デイサービス
身体障害者福祉部会
キッチンさかえ
東京都高齢者福祉施設協議会
大田区地域包括支援センター平和島/特別養護老人ホーム 誠心園/特別養護老人ホーム奉優の家/特別養護老人ホーム目黒中央の家/星風会デイサービスセンター保木間
東京都介護保険居宅事業者連絡会
居宅介護支援事業所 てんじん/生活協同組合パルシステム東京デイサービスセンター/訪問介護事業所 ヘルパーほほえみ/介護相談ケアサポートさかえ/レエンデ敬愛
情報連絡会員
ユースタイルケア西東京 重度訪問介護/グループホームみずほ/放課後等デイサービスつばさ/メゾン・ド・ノア日野台/新町第二ハイツ/ UZUケアステーション/中町内科医院/わんぱくクラブ三軒茶屋/わんぱくクラブ駒沢/幼児グループわんぱく/ひかり/生活支援わんぱく/まいぷれいす@にこにこ/足立区障がい福祉センター自立生活支援室/ひよこ教室


東社協の本
ご注文は 東社協図書係まで 電話03-3268-7185

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ふくしのしごとがわかる本 2025年版
~福祉の仕事と就職活動ガイド~
分野ごとの仕事内容をはじめ、福祉の資格や福祉業界の求人の現状や傾向、就職活動の方法、就職に関わる情報源などを幅広く紹介しています。
B5判/118頁
発売日2025.1.31
定価1,100円(本体1,000円+税10%)

福祉職場の新任職員・未経験者は何に悩んでいる? 施設長・先輩職員のための定着応援ハンドブック
職員定着に向けた取組みを振り返る機会にご活用いただきたい、福祉施設の施設長や先輩職員の皆様に向けた一冊。
B5判/52頁
発売日2022.4.4
定価440円(本体400円+税10%)

質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・育成・定着に関する調査2022報告書
2016年の調査結果をふまえながら、福祉人材の現況を明らかにしています。
A4判/186頁
発売日2023.5.29
定価1,760円(本体1,600円+税10%)

 

--6【くらし今ひと】
毎日忙しく頑張っている人へ。
本のある安らぎのひとときを届けたい

国立市の商店街にある本屋「書店有給休暇」店主のナカセコ エミコさんに、本との出会いから書店の開業、これからのことについてお伺いしました。

幼少期から本が大好きだった
本や絵本が大好きな子どもで、中学・高校では、学校の図書館へよく行きました。そこの若い女性司書の方が居心地の良い場所づくりがとても上手で、次第に「彼女のような司書になりたい」と思うようになりました。
大学在学中に司書の資格を取りましたが、学校司書の求人に空きがなく、ひとまず地元の銀行へ就職することに。1年ほど経った頃、公立図書館で司書の求人に空きが出たため、銀行を退職し、念願の司書になることができました。一般企業とのダブルワークという形で3年ほど働いたのですが、思い描いていた仕事とのギャップを感じるようになり、会社で東京への異動の話が出たことを機に、思い切って司書を辞めることにしたのです。

会社員を辞め、本に携わる事業を展開
東京に異動してからは毎日忙しい日々が続き、大好きだった本を楽しむ気力も体力もないほどでした。主
任、係長、支店長など管理職も経験し、40歳を迎えた頃、「新しいことをするには今しかない!」と一念発起し、会社を辞めて大好きな本に携わる事業をしようと独立。1年間、個人事業主を経験した後、株式会社FILAGE(フィラージュ)を立ち上げました。しばらくはライター業や書評の仕事をしていましたが、会社員時代を振り返り、「あの頃の私のように忙しい女性向けに本のサブスクがあったらいいな」と思い立ち、オンラインの選書サービスを始めることにしました。ジャンルは絵本をはじめ、女性の生き方や働き方、衣食住にまつわるものなど、季節に合わせて、癒される読後感の良い本を選んでお届けしています。
2023年4月には、クラウドファンディングで本屋「書店有給休暇」をオープンしました。本や雑貨の販売のほか、読書会やワークショップも開催しています。店名には「自分のための時間をここでゆっくり過ごしてほしい」という想いを込めています。私にとって中学・高校時代に過ごした図書館が自分らしくいられる居場所だったように、「書店有給休暇」がそんな本屋になれたらと思って始めました。母親のプレゼントを買いに来た小学生や、幼稚園に置く絵本を選びに来た理事長の先生など、幅広い年齢層の方に来ていただいています。本好きの高校生と読書談義に花を咲かせたり、時には人生相談を受けたりすることも。会社員時代には出会わなかった人たちとの一期一会の出会いがあり、毎日が新鮮です。

頑張る人の心安らぐ居場所であり続けたい
勉強や仕事、育児や介護など、現代の人たちは何かと忙しいですよね。毎日頑張っている人たちにとって、ここが自分のための時間をゆっくり過ごせる場所のひとつになれたら嬉しいです。誰もが肩の荷を下ろせ、本がある心安らぐ空間づくりをこれからも続けていけたらと思っています。

(写真 株式会社FILAGE 代表取締役 書評家/絵本作家 ナカセコ エミコさん)
「書店有給休暇」、ネット書店「働く女性のための選書サービス季節の本屋さん」を運営。キャリアカウンセラーの資格も持つ。
QRコード 書店有給休暇 ホームページ

以上で、福祉広報2025年2月号を終わります。

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