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福祉広報 2026年1月 804号 テキストデータ

【表紙】(写真)
東京都立青梅総合高等学校の定時制にて、社会保障制度をカードゲームで学ぶ授業が行われました。授業に参加した生徒からは「社会保障制度をもっと学びたい」「知ることで自分や身近な人も助けられると思った」などの感想を話してくれました。

 

p.2 ●社会福祉NOW
災害時こそ「ひとり」の声を大切に~2025年の災害を振り返る~

p.4 ●み~つけた
人生の最期まで、自分らしく過ごせるあたたかな家 
みたか多世代のいえ(三鷹市)

p.5 ●連載 これからを生きる次世代へ【第4回】
社会保障制度を身近に感じてもらうために
Social Change Agency/東京都立青梅総合高等学校

p.6 ●Focus on! 今、こんな動きがあります
地域のセーフティネットとして、誰一人取り残さない地域共生社会づくりを
東社協 救護部会

p.7 ●Information
年頭所感/ 東社協トピックス/ 東社協の本

p.8 ●くらし今ひと
住むからにはこのまちを豊かに
宮里 耕太さん

 

【目次】

1社会福祉NOW
2み~つけた
3連載 これからを生きる次世代へ 第4回
4Focus on! 今、こんな動きがあります
5Information(年頭所感/ 東社協トピックス/ 東社協の本)
6くらし今ひと

 


--1【社会福祉NOW】
災害時こそ「ひとり」の声を大切に
~2025年の災害を振り返る~

2025年は東京都内で複数の災害が発生した年でした。
今後東京でもさまざまな災害が起きることが想定されるなか、災害が起きた後の被災者の「いのち」と「くらし」を守るため、福祉施設・事業者、民生委員、ボランティア・NPO関係者、そして社協は何ができるのか、昨年の災害への取組みから振り返ります。


声を出すことが困難な被災者がいる
近年、災害関連死(以下、「関連死」)がクローズアップされています。東日本大震災では3,800人を超える関連死が発生し、2004年新潟県中越地震や2016年熊本地震、2024年能登半島地震では、直接死を圧倒的に上回る関連死が確認されています。助かった「いのち」がその後の対応によって亡くなってしまうこの事実は、福祉関係者にとって、市民の「いのち」と「くらし」を守れなかったという意味で非常に重く受け止めなければなりません。
被災地支援の関係者の中では、関連死を防ぐための方法の一つに「声を出すことが難しい方々へのアプローチ」が指摘されています。

9月:23区南部地域での豪雨災害
9月11日に23区南部地域を中心とした大雨により、世田谷区、品川区、大田区、目黒区等にて浸水被害が発生しました。短時間豪雨のためか、少し窪んだ場所や半地下のある家などに及んだ被害が見えにくい災害となったのが大きな特徴です。また、浸水被害は福祉施設にも及び、介護サービスの提供に支障がでたケースもありました。
この豪雨災害では、世田谷区、大田区でボランティアによる被災者支援活動が行われました。災害ボランティアセンターが常設化されている(社福)世田谷ボランティア協会では、行政の地域窓口であるまちづくりセンターと連携し、まちづくりセンターから罹災証明書の申請があった地域を教えてもらい、そこに災害ボランティアセンターがアウトリーチして被災状況や困りごとを把握していきました。地域住民からは「罹災証明書がないと支援が受けられないなんて初めて知った」「ボランティアが助けてくれるなんて思いもしなかった」などの声が聞かれたといいます。世田谷ボランティア協会の松下洋章さんは「こうした災害では、福祉サービス支援が普段から入っていない世帯が埋もれてしまう可能性があるので、できるだけ被災者に近いところで情報を把握することが重要だった」と振り返ります。
また、隣接する大田区では、行政が被害の最も大きかった東雪谷地区内に出張窓口(簡易テント)を設け、住民からの相談にあたっていました。社会福祉協議会でも被災者の支援活動を行うため、行政のテント内に席を設け、被災者からの困りごとを地域福祉コーディネーターがアウトリーチして聞き取りました。被災者からは「罹災証明のことで区役所に行かなければならないことを知らなかった」という声や「隣近所で対応するので大丈夫」という支援を遠慮する声も聞かれました。(社福)大田区社協の廣瀬元気さんは「ウェブサイトに載せていた電話番号にはほとんど電話がなかったが、現場に出ると住民から助けてほしいという声が多く入った」と話します。
別の区では「区の消毒業者」を名乗る不審な訪問もありました。被災者が孤立し、情報が分からない中で、詐欺被害にあわないよう、福祉専門職や行政、社協、地域住民、ボランティア等が連携し、被災者の状況を把握していくことが求められます。

(写真 出張窓口のようす)

10月:八丈島での台風災害
台風22号・23号により八丈島では大きな被害が発生しました。家屋被害は11月20日時点で表のとおりとなっています。風による家屋の損壊、末吉地区の土砂災害などで当初は約200名の避難者が発生したほか、複数の浄水場が被災したことから、島内の多くが断水となり、島民は厳しい避難生活を強いられました。
(社福)八丈町社協では、被災者を支援するため10月15日に八丈島ささえあいセンター「あすなろ」を設置し、自力で水を確保することが難しい世帯に対し、ボランティアとともに給水場所から水を運ぶ活動を始めました。家屋等に損壊がなくても、慣れ親しんだ島の姿が変わったことによる“精神的な被災”が心配とあすなろでは考え、島民一人ひとりが「何かできることを」と、島民同士の支え合いに向けて提案した活動でもありました。また、島内の福祉施設・事業者とも連絡会議を開催し、現状や課題を共有。職員が施設での業務をいったん中止して在宅で福祉サービスを受けている人に水を届けていたものを、あすなろと連携し、ボランティアが届ける取組みも行われました。
あすなろでは、二次避難先のホテルで暮らす避難者や在宅避難生活を送る方を対象に、サロン活動も実施しています。サロンの参加者からは「これからのことを考えると、ひとりでどうしてよいかわからず、頭がおかしくなりそうだった」「少し話しただけでも気が晴れた」といった声が聞かれています。一見、緊急性がないように見えますが、こうした声に寄り添っていくことが孤立・孤独の解消、ひいては自死や関連死の防止につながります。民生委員からは「『他の人を支援してあげて』と自分の支援を遠慮する高齢者がいる」との声も入りました。
11月17日からはDWAT*が八丈島での活動を開始し、八丈町役場で把握している罹災証明発行世帯の情報をもとに個別世帯を訪問して生活・介護ニーズの聞き取りをしました。DWATの取組みについても、社協と同じ場所に事務拠点を置くように調整し、毎日、社協、役場、保健所と情報共有を行いながら、取組みをすすめました。

(表)八丈島 台風22号・23号 家屋被害情報(11/20時点)
分類(件数)
全壊(18)
大規模半壊(10)
中規模半壊(26)
半壊(21)
準半壊(78)
一部損壊(435)

(写真)


被災者の近くに行き「声」を聞く
両災害から分かることは、災害時には、さまざまな事情から、声を出せない/出さない人が多くいるということです。支援制度を知らない、他人への遠慮、あきらめなど、さまざまな要因があります。このような声を出せない被災者がそのまま放っておかれると、必要な支援を受けられず、場合によっては関連死につながってしまう恐れがあります。
そうならないために、あすなろで取り組んでいるサロンのような被災者と会う場づくりや世田谷区や大田区で取り組んだアウトリーチを行い、被災者の近くに行き、暮らしの様子や困りごとを聞くことが求められます。

多様な関係者との連携・協働
被災者の近くで声を聞くためには、平時からの行政・多様な関係者との連携・協働のしくみが欠かせません。また、被災者の近くに行くためには被災者の所在を把握することが重要です。罹災証明書のデータや避難行動要支援者名簿といった個人情報を共有できるしくみを、行政と連携し災害が起きる前に作っておくことが求められます。
もう一つは多様な団体との連携です。八丈島でも、福祉専門職はリスクの高い方々への支援に専念せざるを得ない中で、福祉関係団体で情報を共有し、地域住民やボランティア・NPOが給水活動や物資配布、サロン活動などを行い、協働による要配慮者支援につながりました。このように関係者が信頼関係をもって連携できるネットワークを平時から構築することが求められます。

今後、想定される大規模災害での関連死を減らすために、 東社協では関係部署による情報共有の場を設ける取組みをスタートしました。今後、部署間での連携をさらに深め、各地域・広域において、福祉施設・事業所、専門家、民生委員、ボランティア・NPO、社協、当事者等が平時から連携できる取組みを提案していきます。

* DWAT(災害派遣福祉チーム)…昨年7月に災害救助法のメニューに新たに位置づけられた「福祉サービスの提供」の具体的な支援の1つ。複数の福祉専門職がチームになって被災地に派遣される。

 


--2【み~つけた】
人生の最期まで、自分らしく過ごせるあたたかな家
三鷹市 みたか多世代のいえ

高齢者の生きがいを育む「終の棲家」
三鷹市にある住宅型有料老人ホーム「みたか多世代のいえ」には、高齢者だけでなく若者や子育て世代も一緒に暮らしています。ここをつくったのは在宅医療や緩和ケアに15年以上関わる医師の村野賢一郎さんです。村野さんは訪問診療に携わる中で、うつ病や不安感などメンタルヘルスに課題がある高齢者が多いことを実感してきたといいます。高齢者に人生の最期まで自分らしく過ごしてもらうにはどうしたらいいか、村野さんは思いを巡らせました。「お年寄りがポジティブな感情が持てるような日常的に続く環境って何だろうと考えた結果、幅広い世代が一緒に住む“家”をつくったらどうだろうと思ったのです」。想いに共感したシェアハウス運営会社とともに準備をすすめ、2025年6月に三鷹市に「みたか多世代のいえ」が完成しました。
大きな特徴が、在宅緩和ケアを専門とする医師である村野さんが大家兼、住人として共に暮らしていること。生活を一緒にしているからこそ小さな異変や不安に気づき、万が一の時にはすぐに対応できる安心感が最大の強みです。
もうひとつの特徴が、1階にある多世代コミュニティスペースです。シェアキッチンが設置され、カフェの営業や各種イベントなどに利用できます。窓を開放すれば縁側として使え、定期的にマルシェを開催するなど、地域にひらくための構造やしかけが施されています。また、多世代コミュニティスペースの一角にある「みんなの図書館とまりぎ」は、一人一箱のオーナー制の私設図書館です。図書館という場所を使って地域の人たちと居住者がつながることができるのは、めざしていた形の一つだと村野さんは話します。

共に住むことで生まれる信頼関係と役割
多様な人たちが住む環境では、お互いが得るものがあるWin-Winの関係性や助け合いが生まれ始めています。「ある時、軽度の認知症の方が重度の認知症の方のお手伝いをしてくれたことがありました。ケアを提供されるだけではない、立場が変わればケアを提供できる側にもなり、その方の生きがいにつながっていくというのは、ここでしか生まれないことだと思います」と村野さんは想いを話してくれました。
オープンして約半年。今考えているのは「共通通貨」をさらに活用すること。たとえばここに住む若者がシニアの散歩の手伝いをすると「共通通貨」がもらえ、これを円で換算し、家賃や食事代に充当できるというもの。村野さんは「関係性促進の目的でつくったすでにあるしくみですが、さらに活用できたら面白いシナジーが生まれそうです」と最後に展望を明かします。
最期を迎えるその時まで自分らしく過ごせることをめざして。多様な人たちとの関係性を育む居場所であり、今までにない「新しい老人ホーム」として、地域に在り続けます。

みたか多世代のいえ
場 所:三鷹市上連雀4-10-14
問合せ先:https://tasedai.or.jp/contact/
(QRコード みたか多世代のいえホームページ)

 


--3【連載 これからを生きる次世代へ 第4回】
社会保障制度を身近に感じてもらうために

NPO法人Social Change Agency
社会保障ゲーム運営チーム 統括ファシリテーター 日下 竹彦さん
東京都立青梅総合高等学校 定時制課程 教諭 田久保 宏征さん

(写真)

私たちが生きていく上で困難やピンチに陥った時、セーフティネットになるものが「社会保障制度」です。中高生が遊びながら社会保障を学べるカードゲームを開発したSocial Change Agency(ソーシャル チェンジ エージェンシー)と、授業でこのゲームを採用した東京都立青梅総合高等学校に取材しました。


社会保障制度をカードゲームで学ぶ
現在、社会保障制度やそれにまつわる相談窓口は400ほど存在するといわれています。しかし、必要な人たちに適切に届いていないことで、生活や生命が脅かされてしまう人たちも多く、社会的な課題のひとつになっています。この課題に対して、福祉と教育、ITによるアプローチで取り組んでいる団体がSocial Change Agency(以下、SCA)です。社会保障ゲームの運営チームに所属し、統括ファシリテーターを務める日下(くさか)竹彦さんは、その原因の一つに制度を利用することへの心理的障壁があると話します。日下さんは「恥ずかしい、誰かに知られたくないと思ってしまう“スティグマ”が働くことで、利用することを阻んでしまうのです。この現状を変えるためにも、中高生の早いうちから社会保障制度を知る機会をつくり、制度を利用することは“権利”であることを知ってもらう必要があると考えました」と話します。
そこで考案したのが「社会保障ゲーム」というカードゲームです。12人の架空のキャラクターに起きる困り事やピンチを想像し、その手助けとなる社会保障制度を考えることで実践的に社会保障が学べるというもの。2024年に試作版をリリースし、2025年6月から正式版がスタートしました。現在までに全国で16校がゲームを授業で採用したといい、好評を得ています。

(写真)

グループワークで学ぶ社会保障~授業の現場から~
2025年11月に、東京都立青梅総合高等学校でこのゲームを使った授業が行われました。定時制課程教諭の田久保 宏征さんは、授業でこのゲームを用いた背景を次のように話します。「生徒の中には、社会的なピンチをすでに経験している、またはサバイブしようとしている子もいます。そういった子たちにとって、社会保障制度を知ることはこれからの人生を生きる上での武器になると思いました」。自分で人生を切り拓く力だけではなく、制度や誰かを頼るスキルも自立のひとつであるということを、生徒に感じてもらいたいという想いを話します。
実際の授業では複数のグループに分かれ、架空のキャラクターを選び、そのキャラクターに起こりそうなピンチを付箋に書いていきます。さまざまな社会保障制度の内容が書いてあるカードをピンチに応じて選び、解決方法を考えていきます。ゲームに参加した生徒からは「社会保障を学ぶことで、自分だけではなく身近な人たちも助けられると思いました」という意見や「大人になって自分に何ができるのか考えるきっかけになりました」と話す生徒もいました。

(写真)

「知る」ことが「生きる力」になる
最後に、日下さんは「ある生徒さんから『こんなに助けてくれる制度があるなら、これからの人生なんとかなるかもしれませんね』という感想をもらった時は嬉しかったです。性別や年齢、子どもや大人、国籍問わず、誰もが利用できるのが社会保障制度です。何か困ったことがあったら『そういえば授業で学んだな』と思い出してもらうことで、自分から行動するきっかけの一つになればいい」と想いを明かします。田久保先生もうなずきながら「これから社会に出て人生を前向きに生きていくために、ピンチに直面しても頼れるところはたくさんあるということを知ってもらいたい」と話します。
SCAでは、2026年度末までに5,000人に社会保障ゲームを届けることを目標に、オンラインでのゲーム開発もすすめながら参加者の拡大をめざしています。社会保障制度をより身近な存在にするために。さまざまなアプローチで種まきを続けていきます。

(QRコード Social Change Agency「社会保障ゲーム」 HP)

 


--4【Focus on! 今、こんな動きがあります】
地域のセーフティネットとして、誰一人取り残さない地域共生社会づくりを

今号では、 東社協中期計画の取組みの柱Ⅰ「つながり、支え合う地域づくり」に基づく救護部会の取組みについてお届けいたします。

東社協 救護部会
部会長 手塚 真一さん((社福)村山苑 村山荘 施設長)
副部会長 富澤 達也さん((社福)アゼリヤ会 優仁ホーム 施設長)
地域勉強会担当 高橋 正隆さん((社福)救世軍 自省館 施設長)

重複障害があったり、路上生活をしていたり、DV被害者であったり―。さまざまな障害や何らかの生きづらさにより日常生活を送ることが困難な人が、その人らしく生きることができるように支援に取り組んできた救護施設。1950年制定の生活保護法に基づく入所施設として、障害や年齢、背景等を問わず、支援を必要とする人を受け入れ、居住支援を基礎とした生活支援をはじめ、地域移行を見据えた居宅生活訓練など、その人の状況に応じた生活の場を支えてきました。また、地域で暮らす人の一時入所や相談など生活困窮者等の支援にも取り組み、「地域のセーフティネット」を担ってきた救護施設の役割は、血縁や地縁が弱体化し、一人ひとりの問題が多様化する現代においてますます大きくなっているといえます。
全国救護施設協議会からも地域のセーフティネット施設として機能するために、関係機関との連携による地域支援を目標とした行動指針が出されているほか、2024年には国から個別支援計画の制度化が示され、地域との連携が一層求められている状況があります。こうした動きを受け、都内10か所の救護施設で構成される 東社協救護部会は2025年度の重点的な取組みとして「施設の専門的な機能を活かした地域づくり」を掲げ、関係機関や地域住民等に施設を理解してもらうことから始めています。部会長の手塚真一さんは、「関係機関をはじめ、福祉を勉強する学生や地域住民にも救護施設がまだまだ知られていない現状があります。支援が必要な人につながるには、まずは救護施設のことを地域に知ってもらわなければ」と取組みの背景を話します。

自分たちの取組みや思いを多様なかたちで伝えることから
救護施設は一体どんなところなのか―。まずは都内10施設の特徴や取組みをまとめたパンフレットや、職員のインタビューを交えたPR動画などを部会として作成し、広く知ってもらうことをめざしてきました。また、こうしたメディア発信に加え、利用者の地域移行を担う職員間の情報交換を目的とした地域勉強会を、近年は「拡大勉強会」として参加対象を都内福祉事務所や更生福祉施設にも拡大。今年で3回目となる勉強会の担当者である高橋正隆さんは、「事例を共有して意見交換をすることで、救護施設の役割や機能に対する理解がすすむとともに、顔のみえる関係性が築かれることを意図しています」と話します。続けて副部会長の 富澤達也さんは、「一施設だけでは伝わりにくいことも、複数の施設の話を通じて、関係者の理解が深まることを実感しています」と改めて部会として場を持つ意義に触れます。そのほか、部会外の場で事例発表をしたり、民生児童委員の見学を受け入れたりと、多様な切り口から施設を知ってもらうことをすすめています。

誰一人取り残さない、地域のセーフティネットであり続けるために
「地域のセーフティネット」として地域の生活困窮者等に向けて取り組んできたそれぞれの施設。これまでの取組みを継続しながら、地域に対してどんな取組みをしていくべきなのかを常に模索していると皆さんはいいます。法人として生活相談所を立ち上げ、地域で暮らす人の相談を受けてきた手塚さんは、「生活保護を受給できないけれど経済的に厳しい世帯とか、8050世帯とか、制度の狭間にあって支援が必要なのに手が届いていない人が多くいることがこの間みえてきました。救護施設はそうした人にどうやって支援をしていけるか。もちろん救護施設だけではできないし、地域の多様な関係者とともに考えていかなければなりません。そのためにも救護施設のことをまずは知ってもらい、理解してもらう。それが施設の専門性を活かした地域づくりへの大きな一歩では」と改めて強調します。地域で暮らす人の命と生活を支える「地域のセーフティネット」であり続けるために何ができるのか―。都内10施設はこれからも向き合い続けていきます。

パンフレットや動画は部会ページからご覧いただけます。
(QRコード 救護部会ページ)

 


--5【Information(年頭所感/ 東社協トピックス/ 東社協の本)】

年頭所感 地域共生社会を“共に創る”
東京都社会福祉協議会 会長 川澄 俊文

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は、東京において複数の自然災害が発生しました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。特に台風が襲った八丈島では、家屋の被害や断水の長期化などがありました。本会では、東京都とともに「東京都災害ボランティアセンター」を開設し、八丈町社協が設置した“八丈島ささえあいセンター「あすなろ」”へ、区市町村社協のご協力のもと、応援職員を派遣しています。また、災害救助法等の改正を受け、在宅避難者支援のため、「東京都災害派遣福祉チーム」を派遣し、訪問調査活動などを実施しました。取組みを通じて、改めて災害時における地域の支え合いやそのための平時からのつながり、多様な主体が連携・協働して被災者支援に取り組むことの重要性を、強く痛感したところです。
こうした災害に備えた福祉的支援体制も含め、国の社会保障審議会福祉部会では、昨年12月、2040年を見据えた報告書をとりまとめました。地域共生社会の更なる展開や身寄りのない高齢者等への支援、介護人材の確保などについても今後の方向性が示されています。 東社協として、社会の変化に機敏に対応しながら「東京らしい多様性を活かした地域共生社会」をビジョンに、誰もが地域とのつながりの中で“自分らしく”生きることができる地域共生社会を、皆様と共に創っていきたいと考えております。今年も皆様のご協力をお願いいたします。

(写真 東京都社会福祉協議会 会長 川澄 俊文)


東社協トピックス
● 第74回東京都社会福祉大会を開催
2025年12月19日(金)に東京都、東京都共同募金会、東京都社会福祉協議会の共催により、東京都社会福祉大会を開催しました。当日は、東京の社会福祉の発展に功績のあった458名41団体に、表彰状・感謝状が贈呈されました。

● 「Session!TOKYO2025」を開催しました
東社協知的発達障害部会では、障害者週間にあわせて、2025年11月27日(木)~29日(土)の3日間にわたり、「Session!TOKYO2025」を開催しました。当日は、障害者施設の自慢の商品販売や作品の展示を実施し、多くの方にお越しいただきました! イベントは終了しましたが、特設サイトでは当日の様子を掲載しています。QRよりぜひご覧ください。
(QRコード)

● 「市民社会をつくるボランタリーフォーラムTOKYO2026」開催のご案内
私たちの暮らしに関わるさまざまな社会問題に焦点をあて、私たちにできることを考えるイベントです。今年度のテーマは、「これからを変える、挑戦を。~Action&Imagination~」。市民一人ひとりが社会課題に対して「挑戦」し、未来を想像しながら行動につなげていこうという意味が込められ、21の分科会を企画しました。みなさんのご参加をお待ちしています。
日 時:2026年2月7日(土)・8日(日) 
参加費:1分科会:1,000円 学生または18 歳未満の方は無料 会場参加・フィールドワークの3分科会以上は 一律3,000円
会 場:飯田橋セントラルプラザ及びオンラインほかで開催
参加申込:QRコードよりお申込ください。
問合せ先:東京ボランティア・市民活動センター ボランタリーフォーラム担当 TEL: 03-3235-1171
(QRコード)


東社協の本
ご注文は 東社協図書係まで  電話03-3268-7185

新刊 母子福祉部会 紀要 No.18(令和6年度)社会的養護の担い手としての母子生活支援施設の役割と課題
母子生活支援施設が、母子分離せずに生活できる施設として培ってきた支援内容と現状について、調査結果を数値化するとともに、より地域に必要とされる施設としての機能をどのように展開できるか議論した委員会活動報告、会員施設の紹介など掲載しています。
◆規格 A4判・100頁
◆発売 2025.10.29
◆定価 2,200円(本体2,000円+税10%)

介護等体験マニュアルノート 2024年11月改訂版
介護等体験に対する理解を助け、主体的な学習を促進することを目的に作成。近年の社会福祉関係の法改正を反映し、その他の内容やワークシートも最新版に更新されています。介護等体験の事前・事後の学習にぜひお役立てください。
◆規格 A4判・66頁(ファイル付き)
◆発売 2024.11.05
◆定価 1,100円(本体1,000円+税10%)

「保育現場における配置基準の見直し ~見直すことで、こんな風に変わっていける!~」調査報告書
保育業界全体の質の向上や保育士のライフワークバランス実現など、配置基準の見直しの一助としてご活用ください。
◆規格 A4判・242頁
◆発売 2024.09.30
◆定価 1,320円(本体1,200円+税10%)

 


--6【くらし今ひと】
住むからにはこのまちを豊かに
八潮という地域を愛し、面白がりながら魅力あるまちをめざし静かに熱く活動を展開する宮里耕太さん。その話からは自分も何かできるかもしれない、そう思えるヒントが散りばめられています。

宮里 耕太さん
品川区八潮生まれ八潮育ち、今も八潮で子育て中。幼稚園勤務の経験や自身の得意を生かしながら八潮の可能性を信じ、まちづくりに奔走している。日本ダンゴムシ協会会長の父親のもとで育つ。

関心の原点は
品川区の八潮は都会だけど都会らしくない、自然豊かなまちです。子どもの頃はそんな環境のなかで秘密基地をつくったり木登りをしたり、よく外で遊んでいました。児童館の児童厚生員だった父と幼児教育に携わっていた母の影響を強く受けたのか、自然と“子ども”とか“あそび”が自分の軸になっていったのかなと思います。大学では幼児教育や子どもの育ちについて学び、教員免許を取得し、卒業後は幼稚園教諭として働き始めました。
自分にとって大きな転換点となったのが2011年の東日本大震災。ボランティアをするのも大事だけど、自分の足元は誰が支えるのか、と思いました。そこから自治会活動に参加するようになり、先輩方と一緒に地域の祭りで焼き鳥を焼いたりしましたね。当時24歳くらい、楽しかったですよ。コミュニティをつくってきた人たちの存在が非常時には心強いんだろうな、と思いましたね。

八潮団地の変化を住民として感じて
八潮団地ができて40年くらいです。その当時移り住んできたファミリー層は「みんなでこんなまちにしよう」という思いで運動会や清掃活動など精力的に活動していました。そこから月日が経ち、いろんな考えを持つようになった住民のあいだで“ねじれ”が生じてきたというか。高齢化になって活動を辞める人もいたり、上の世代と若い子育て世代がうまく交われなくなったりして、まちとしての力が弱くなってきたんだろうなと感じていました。そんな状況を経て何かできないかなと思い、別のイベントで知り合った同じ八潮に住む町田崇洋さんと2021年に任意団体「やしおぼーず」を立ち上げました。といってもどちらかというと裏方でいたい2人ですので(笑)、「このまちを変えてやるぞ!」というより、「とりあえずできることからやってみよう」ということで、僕はものづくり、町田さんは料理と、それぞれが得意なことを八潮で暮らす人たちと一緒にやっていくという団体です。そこから仲間集めをしながら、少しずつ活動を展開しています。

仕事もまちづくりもシームレスに
“淡く、濃く”を大切にするやしおぼーず。人それぞれ関わり方には濃淡があっていいし、活動に参加できなくても自分の居場所があると感じてもらえたら、と思います。活動には僕たちと同じ子育て世代の参加が多いですが、年齢を限定した活動にはしたくないですね。縁側のようにふらっと立ち寄れて、いろんな人が混ざり合うような場にしたいです。上の世代の方々は子どもたちと触れ合って元気になるし、子どもたちは上の世代から学ぶことが多々あります。例えば八潮周辺の森を散策する「やしお森っこ」は未就園児親子が対象ですが、ボランティアで上の世代に関わってもらうなど、どう混ざり合うか工夫しています。
幼稚園勤務の経験ややしおぼーずの取組みも生かして昨年(株)えんのしたを設立。品川区と連携して「こども素材センター」をオープンしました。まちづくりは、仕事や家庭に比べると、どうしても優先順位が下がりがちです。けれど、「そもそも自分は何のためにまちづくりをしているんだろう」と、ずっと問い続けてきました。家庭と仕事、そしてまちづくりが分断されていることこそが課題なのではないか。そう考え、本気でまちづくりに向き合うために、生業として成り立つ形をつくろうと決めました。埋め立て地の八潮には、いろいろなところから移り住んできた人がいます。いろんな“素材”が集まってできた八潮で取り組むことは、きっと意義があるだろうなと思っています。


(QRコード やしおぼーずHP)
(QRコード (株)えんのしたHP)


以上で、福祉広報2026年1月号を終わります。

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