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福祉広報 2026年5月 808号 テキストデータ


【表紙】(写真)
三井住友銀行が手掛ける子どもの放課後の居場所、アトリエ・バンライ-ITABASHI-。この日は「怪盗マネーからの挑戦状」プログラムを取材しました。「怪盗マネー」からのミッションをクリアしながら、お金の使い方や銀行の役割などをゲーム感覚で学びました。
Photo by:管 洋介 Yosuke Suga

p.2 ●社会福祉NOW
“身寄り”があってもなくても安心して暮らせる社会へ
p.4 ●み~つけた
子どもたちの未来が広がる放課後の居場所
アトリエ・バンライ-ITABASHI-(板橋区)
p.5 ●連載 身寄りのない人を受け止められる社会に【第1回】
東社協総合企画委員会からの“協働”による取組みの提案
ルーテル学院大学名誉教授/ 東社協総合企画委員会委員長 市川 一宏先生
p.6 ●福祉のおしごと通信~つなぐ眼差し~
型にとらわれない福祉人でありたい
社会福祉法人黎明会 救護施設あかつき 課長 山﨑 拓郎 さん
p.7 ●Information
マンスリーニュース/フクシロウレター/ 東社協トピックス/ 東社協の本
p.8 ●くらし今ひと
にじ色の個性をもつ子どもたちをサポートしつづけたい
にじっ子サポーターズ 代表 小園 桂さん


【目次】
1社会福祉NOW
2み~つけた
3連載 身寄りのない人を受け止められる社会に 第1回
4福祉のおしごと通信 ~つなぐ眼差し~
5Information(マンスリーニュース/フクシロウレター/ 東社協トピックス/ 東社協の本)
6くらし今ひと


--1【社会福祉NOW】
“身寄り”があってもなくても安心して暮らせる社会へ
「令和7~11年度 東社協中期計画」で掲げる“協働”をキーワードに、(社福)豊島区民社会福祉協議会と東京都社会福祉協議会との共催により「単身化社会を考える地域フォーラム-ひとりを、みんなで支える」を開催しました。豊島区で活動するさまざまな分野の専門職を中心に80 名を超える参加者が集まり、“身寄り問題”へのアプローチを考える契機となりました。
厚生労働省は、“身寄りのない高齢者等への対応” を論点の一つとする「地域共生社会の在り方検討会議」の中間とりまとめを2025 年5月に公表しました。同年12月には社会保障審議会福祉部会報告書を公表し、「日常生活自立支援事業」の拡充・発展による新たな事業の創設が提起されました。高齢者等終身サポート事業者数も増え、同事業のガイドラインの整備がされるなど、国を挙げて“身寄り問題”に取り組む施策がすすめられています。
高齢者人口に占める単独世帯の割合が日本一の豊島区では、単身高齢者の暮らしを支えるさまざまな取組みが行われています。本フォーラムで“身寄り問題”をテーマに関係者が集まる場を設けることで、豊島区でどんな課題が生じていて、自分たちの取組みをどう展開できるか考える第一歩をめざしました。


第1部 基調講演
~私たちは「身寄り」をどうとらえるか―「身寄り力」への着目~
(写真)
第1部は沢村 香苗さん(㈱日本総合研究所 シニアスペシャリスト)による基調講演でした。沢村さんは“身寄り問題”が注目されている現状を次のように分析します。「私たちの日常生活は、できないと困るけど、お金を払って専門職にお願いするほどでもない“ささいな用事”が大半です。そして、判断・意思決定するだけでなく、それを実行しなければなりません。例えば、光熱水費を払おうと思ってコンビニで振り込んだり、栄養を取るために料理したりというようなことです。そもそも、高齢期以降は支援が必要な場面が多々生じます。これまで家族や若い世代が自然とサポートしてきた役割を、誰が担うのか考えなければならない転換点に来ているのです」。国民生活基礎調査(2024年)によると、65歳以上の者のいる世帯の内訳として最も多いのが単独世帯(32.7%)、次いで夫婦のみの世帯(31.8%)です。一方で、複数人世帯であっても一人の変化により全員が困難に陥る可能性がある世帯もいます。このように考
えると、“身寄り問題” はすべての人にかかわる問題だと考えられます。
こうした背景から、沢村さんは「身寄り力」という考え方を次のように提案します。「いまや、親族がいれば頼れるという時代ではありません。身寄りがある・ないではなく、どんな人が自分にとって必要なのかを具体的に考える必要があると思っています。例えば次の2つの視点①支援者の身寄り力-親族や友人が持つ「身寄り力」はどの程度なのか②個人の身寄り力-個人にとって「側にいる人」や「信用できる人」など、どの程度頼れる人がいるのかから、『この人の身寄り力はどのくらいか』と考えてみるのもいいと思います」と話します。


第2部 パネルディスカッション
~身寄りのない方への支援の現状と必要とされる連携とは~
第2部では、冨永 忠祐さん(弁護士/冨永法律事務所所長)をコーディネーターとして迎え、現場での“身寄り問題”について多様な分野からの報告と課題についての提起がありました。
〈パネリスト〉
介護 榎本 秀治さん(豊島区介護支援専門員連絡会会長)
医療 局 勇輝さん((医) 日心会総合病院一心病院 医療連携室 主任)
民間 黒澤 史津乃さん((一社) 全国高齢者等終身サポート事業者協会 理事長)
法律 三上 早紀さん((弁) 東京パブリック法律事務所 副所長兼事務局長)
社協 小林 純子さん((社福) 豊島区民社会福祉協議会地域福祉課長)
(写真 榎本さん、冨永さん)
(写真 小林さん、三上さん、黒澤さん、局さん)
榎本さんはケアマネジャーのシャドウワークに触れ、利用者の身寄りがないために本来業務を超えた対応をしており限界が来ていること、その人のキーパーソンを見つける社会システムの構築が求められていると話します。局さんからは、身寄りのない方の受診や入院を断らないとしながらも、特に意思決定支援が困難な方は本人の意思を推測して対応をせざるを得ない難しさがある現状、そのためにまだ元気なうちから今後の生き方を考えていけるきっかけをつくれたらという提案がありました。日々現場で“身寄り問題”に対峙する2名の発言をふまえ、黒澤さんからは自分たちのような事業者がいることで切れ目のない支援が可能になること、監督機能を整備し信頼してもらいながら関係者と役割分担をしていきたいという発言がありました。三上さんは弁護士の立場から、現在の成年後見制度の改正案*にも言及しながら支え続けられるつながりをどう地域でつくれるか、関係者とのネットワークが受け皿になれたらと話します。小林さんからは社協で実施する終活に関する事業の重要性と継続するための課題があること、さまざまな関係機関をつなげていくことも社協の役割のひとつと考えているという話がありました。最後に、「単身化社会における地域での取組みについて大事なポイントは?」という冨永さんからの投げかけに対し、次のようなキーワードが出されました(一部抜粋)。
*今後のことを当たり前に話せるように
*自分でもできることがあると気づく
*地域に暮らす人として互いに出番を
*医療・福祉に最後まで関われる地域を豊島で
パネリストからの報告を受けて、沢村さんからは「ルールや制度が整備されるまでは混沌とするでしょうが、いろいろな意見があるのは悪いことではないです。権利擁護や意思決定支援という視点を忘れずにしたいですね。行政や社協が音頭をとりつつ、地域とともにサポート体制を考えていけたら」とコメントがありました。最後に冨永さんから、「身寄りがあることが前提の社会のしくみを変えることが喫緊の課題です。今日をきっかけに“身寄り問題”を各地域で受け止め、自分たちの問題だと思えるよう取組みをすすめていきましょう」というまとめがありました。終了後は名刺交換の時間を設け、本フォーラムを受けて参加者同士が闊達に意見交換をする姿が見られました。
今回は“高齢者の身寄り問題” がメインテーマでしたが、沢村さんの講演にあるとおり誰しもに関わる問題です。 東社協では、各部室や種別部会等で2026年度に“身寄り問題”にどう取り組んでいけるか検討をすすめています。 東社協のネットワークを活かし、“身寄り”の有無にかかわらず、誰もが自分らしく安心して暮らせる地域社会を共に創り出していきたいと考えます。
*それぞれの立場や業務において、“身寄り”に関して今後取り組もう、地域で取り組んでいけたらということ(参加者アンケートより)*
◎ 一事業所・一個人ですべての個別ニーズに対応することは不可能、どうやってスムーズに支援をつなげていくか考えたい(区民後見人・生活支援員)
◎ 訪問看護の利用者に地域の資源を紹介したり、先を見据えた支援ができるよう情報提供をしたりしたい(医療関係者)
◎ 後見制度につながれない高齢者や障害者と制度をつなげられるよう、ケアマネジャー等の専門職との連携を深めたい(法律の専門職)
◎ 費用面でもさまざまな支援があると知ったので活用したい(介護・福祉関係者)
◎ 信託会社として、終活+信託でできることがあると感じる。社協と連携していきたい(金融機関)
* 民法等の一部改正案 2026年4月3日閣議決定






--2【み~つけた】
子どもたちの未来が広がる放課後の居場所
板橋区 アトリエ・バンライ-ITABASHI-
体験格差に着目し、居場所づくりを構想
板橋区中台にある子どもたちの放課後の居場所、アトリエ・バンライ-ITABASHI- (以下、バンライ)。三井住友銀行の出張所を改装し、2025年4月に子どもの居場所としてオープンしました。(株) 三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)社会的価値創造推進部の大萱亮子さんは次のように話します。「SMBCグループの前中期経営計画では“次世代への貧困・格差の連鎖を断つ”ことが重点課題の一つとして掲げられました。私たちは子どもの体験格差に着目し、子どもたちに多種多様な体験の機会を提供することで、好奇心や想像力が育まれ、自分で人生を切り拓く力になる。それがやがて貧困・格差の連鎖を断ち切る一手になるのではないかと考えました」。
こうして、銀行の遊休施設を活用する形で、子どもたちの居場所と体験の場が生まれたのです。


好奇心をくすぐる空間やプログラム
解放感のある吹き抜けの1 階にはカラフルなイスや机が並び、足を踏み入れた瞬間にワクワクした気持ちが広がります。スタディステーション、リラクゼーションゾーンといったゾーニングも工夫され、子どもたちが思い思いに過ごし、リラックスできる空間です。
壁一面に並ぶ学習本や小説、マンガなどの約4000冊もの蔵書は、「これからのこと」などのテーマごとに並べられ、子どもたちの興味関心を広げるよう配置されています。
スクリーンを設置したメインホールでは、企業・団体が主催する体験プログラムを週2 回ほど開催。お金や音楽、科学など多様なプログラムを提供し、すべて無料で参加できます。
かつて社員食堂として使われていた2階は「バンライ・カフェ」と称して、企業・団体主催の食育プログラムや地域のこども食堂を主催する団体に月2回、無償で貸し出しています。


体験という資産で子どもの未来を豊かに
バンライでは、定期的に子どもたちへアンケートを行っています。「アンケートでは『苦手なことでも挑戦してみたい』とか『お金のことをもっと知りたい』など前向きな感想が寄せられています。何かを頑張ってみようとか、知らない事でもチャレンジしたいという気持ちは、子どもたちの資産になります。そうした気持ちが育まれていることをとても嬉しく思います」と大萱さんは話します。
現在、のべ利用者数は5000人を超え、合計90回以上のプログラムを開催するなど、地域に定着しているバンライ。
今後も、“体験”という資産を蓄え、好奇心や想像力を育む場所として、バンライはこれからも子どもたちの未来をつくっていきます。
アトリエ・バンライ-ITABASHI-
場所:板橋区中台3-27-7 サンシティ内
開館時間:毎週月・火・木・金曜日14:00~17:30
アトリエ・バンライ-ITABASHI- ホームページ
(QRコード アトリエ・バンライ-ITABASHI-)

--3【連載 身寄りのない人を受け止められる社会に 第1回】
東社協総合企画委員会からの“ 協働”による取組みの提案
(写真)
市川 一宏先生
ルーテル学院大学名誉教授
東社協総合企画委員会委員長※
※ 総合企画委員会… 東社協会長が諮問機関として政策提言・広報等の機能を総合的に発揮するために設置
『“身寄り”問題へ取組み』詳細はこちらから
(QRコード “身寄り”問題へ取組み)

“ 身寄り”の問題は、今や高齢期に限らない大きな問題となっています。今号からの連載では“ 身寄り”の有無にかかわらず、自分らしく安心して暮らせる地域社会を共につくるために、「身寄りのない人」の現状・背景と課題、そして今後必要とされる取り組みについて考えます。 東社協総合企画委員会では昨年度、身寄りの問題をテーマに提案を行いました。その内容について今号では、 東社協総合企画委員会の市川一宏委員長に寄稿いただきます。

総合企画委員会からの“ 協働” による取組みの提案『“ 身寄り” 問題への取組み』(令和7 年11 月26 日)が目指したい
ことを申し上げたいと思います。
1.どうして、今、身寄り問題なのでしょうか。
2040年には65歳以上世帯に占める単独世帯は半数を超え、以降増加することが予想され、高齢により、生活する能力は次
第に衰えていく一方、家族の扶養能力が低下しています。また、厚生労働省の調査によると、2023 年度に身寄りがなく自治体が火葬などを行った引き取り手のないご遺体は、全国で約4万2,000 人に上り、単身世帯の増加にともない増えていくことが予想されています。
老いることは、誰もが直面することで、自分らしく生きたいと葛藤し、人間としての誇りを生きる糧とし、安心できる心の拠り所をもって、老いの坂を一歩一歩登っていくことは、それぞれに与えられた権利です。そのため、家族がいない場合においては、日常生活支援、身元保証、死後事務というサービスが必要となります。
なお、高齢者の問題について述べましたが、身寄り問題は高齢期だけのものではありません。
2.そもそも“ 身寄り”問題とは何ですか?
本提案は、“ 身寄り” 問題を、高齢期だけの問題でなく、知的障害のある方の親亡き後の問題や、虐待等により親を頼ることができない子ども・若者の問題、家族による暴力から逃れている単身女性の問題と考えています。すなわち生まれてから一生を終えるまでの人生の各段階で起こった生活を揺るがすような困難に直面しても、孤立することなく問題を解決できる社会、“身寄り” の有無を問わない社会づくりをめざします。言葉をかえれば、子どもが生まれて「おめでとう」と言われ、そして自分が亡くなる時に世話になった方々へ「ありがとう」と言う人生をおくることができる社会を目指したいのです。
3.“ 身寄り” 問題への取組みとは?
このような状況に対応し、厚生労働省社会保障審議会・福祉部会は、頼れる身寄りがいない高齢者等への対応、成年後見制度の見直しへの対応について検討し、新たな事業の創設を報告書にまとめ、これを受けて社会福祉法等の一部を改正する法律案が国会に提出されています。
また、東京都では、区市町村を実施主体とした単身高齢者等の総合相談支援事業が開始されています。
そもそも、 東社協は、区市町村社協、高齢者福祉施設協議会、身体障害者福祉部会、知的発達障害部会、保育部会、児童部会等の19の業種別部会、東京都民生委員児童委員連合会等の幅広い関係者で構成されており、本提案の発表後、複数の部会や委員会で課題共有がなされ、取組が検討されています。今までに実績を含め、討議されていることを、多くの部会等の関係者が委員となっている 東社協総合企画委員会のテーブルに挙げて検討され、合意がなされ、協働した支援となることを願っています。
4.私が期待していること
東京都内には、62 の区市町村があり、人口も世田谷区の約950,000 人から、1,000 人未満の村まで多様です。また借家に住む住民の割合も高く、住民の流動性が高いことから、地縁に基づく人と人のつながりが薄く、コミュニティ形成が難しいと指摘されています。他方、大学、企業、医療機関、社会福祉施設、ボランティア、NPO 等の数は多く、今回の“ 身寄り”問題に関わる法律の専門家、成年後見を担当する社会福祉士等の人材の数が区部で多いという現状もあります。
ですので、今後の取組で留意することは、第一にサービスの利用支援の強化、第二に多様な関係者や地域とのネットワークの中で、地域の実状に応じた取組の創出、第三に“ 身寄り”問題に対する共通認識の醸成、第四に住民の多様性の認識と排除しない社会づくりという目標と達成方法の明確化、第五に地域にある「人材」、施設、機関、サービス等の「もの」という資源間の役割を確認し、協働していくこと、を望みます。
一本の木を植えなければ、砂漠の緑化はできないのであって、一つひとつの実践を尊重していきましょう。

--4【福祉のおしごと通信~つなぐ眼差し~】
救護施設あかつきで、日々障害がある人たちと関わり、自立を支援している山﨑拓郎さんに、福祉の世界を志したきっかけや、“ 福祉人” としてのモットーや次の世代へのメッセージなどをお聞きしました。
「継続は力なり」がモットー。
社会福祉法人黎明会 救護施設あかつき
課長 山﨑 拓郎さん
(写真)
型にとらわれない福祉人でありたい
いつの日からか福祉を意識するように
小学校低学年のころに父が大病を患い、右半身麻痺の重度障害が残ってしまいました。今振り返ると、そこから徐々に福祉が身近になっていったように思います。
福祉を職業にしたいと考えるようになったのは高校2年生のころです。はじめは高齢者施設で働きたいと思っていたのですが、とある障害者施設へボランティア活動に行ったときにさまざまな衝撃を受け、障害者施設で働くことに興味がわき、障害者支援施設(当時の知的障害者入所更生施設) に入職しました。新規立ち上げの法人・施設だったこともあり四方八方に駆けずり回る日々でしたが、ゼロからのスタートを経験できたことはもちろんのこと、多くの困難や課題に直面したことやそこでの人との出逢いは、今の私が在ることの必然だったのかもしれません。
4年半勤務したあと、現在の社会福祉法人黎明会へ転職。12年間は障害者支援施設で従事し、その後、救護の舞台へ異動、今年で10年目を迎えました。現在の業務は、入所相談をはじめとした、各関係機関(行政や病院等) との連絡調整、施設運営といった間接業務がメインです。


救護施設をもっといろいろな人に知ってもらいたい
救護施設は、生活保護法に基づく施設です。精神保健医療福祉分野を中心にあらゆる福祉の業種がチームで動くので、その業務内容は多岐にわたります。もちろん、大変なこともたくさんあります。人手不足で業務がうまく回らない時もありますし、利用者の急激な感情の変化への対応は日常茶飯事で、時には心ない言葉を投げかけられることも。しかし、この仕事を辞めたいと思ったことは一度もありません。支援者と利用者ではなく“人と人” として寄り添う姿を基本に、明確なゴール設定のもとで向き合い続ける。一筋縄ではいきませんが、そうすることで利用者も心を開いてくれると信じていますし、必ず何らかの変化が出てきます。理解し合えたと思った瞬間はたとえようもない喜びがあります。救護施設ではあらゆる関係機関を活用しながら、インクルーシブなサポートを日常業務として行う素敵な仕事だなと常々感じています。とはいえ、救護施設の認知度はまだまだ低いので、もっとたくさんの人たちに知っていただきたいですね。
生来、ポジティブな性格もあってか、忙しいこと=楽しいと感じるタイプで、目の前の課題は「自分自身の栄養素」として前向きにとらえています。型にはまった福祉ではなく、いろいろな視点を取り入れながらいつまでも柔軟な姿勢を忘れないようにしたいです。この仕事は一人ではできません。これまでいろいろな人たちにたくさん助けられて今の自分がいます。今、管理職という立場になり、運営側と現場のギャップにジレンマを感じることもありますが、うまくバランスを取りながら楽しく、働きやすい職場づくりのために尽力していきたいです。
人とのつながりと出会いの大切さを感じられるのが福祉の世界。私は、歴史あるこの施設で働けることを誇りに思っています。初心を忘れず、人との縁を大切にしながら、利用者と向き合い続ける。その先には、きっと計り知れない達成感が待っているはずです。
(書籍画像)

--5【Information(マンスリーニュース/フクシロウレター/ 東社協トピックス/ 東社協の本)】

マンスリーニュース 2026.3.26 ~ 4.25
(3/27)厚労省、第3期アルコール健康障害対策推進基本計画を閣議決定
重点課題では、新たに「当事者及びその家族(子どもなど) への支援」が盛り込まれた。当事者及びその家族がより円滑に適切な支援に結びつくよう、相談支援体制を構築する。また、アルコール依存症当事者の家族への支援に係る事例を収集し、相談支援のガイドラインを作成する。
(3/30)東京都、ひとりぐらしの高齢者約3割に
東京都は、令和7 年度東京都福祉保健基礎調査(高齢者の生活実態) の結果(速報)を公表した。その中でひとりぐらしの高齢者の割合が29.1%で、5 年前の調査(22.2%)と比べて6.9 ポイント増加していることが分かった。世帯人員の平均は2.1 人で、昭和55年度の調査開始以来、減少を続けている。
ピックアップ
(4/3)社会福祉法等の一部改正案を政府が閣議決定
政府は、社会福祉法等の改正案を閣議決定し国会に提出した。頼れる身寄りや親族がいない高齢者等への支援を強化するため、日常生活上の困りごとへの対応に加え、入退院時や死後の葬祭の手続き等も含めたサポート事業を創設する他、地域の実情に応じた包括的な支援体制の拡充を図る。政府は今国会での成立を目指す。

「福祉人材確保への取組み」フクシロウレター
(写真)
安心して働き続けるために…「福祉のしごとなんでも相談」のご紹介
東京都福祉人材センターでは、福祉人材定着・離職防止のための事業も実施しています。「福祉のしごとなんでも相談」は、都内の福祉職場の職員のための、仕事や職場環境などの悩みの相談ができる窓口です。入職後半年未満の方からの相談が多く、人間関係や職場環境、入職前に考えていた仕事像とのギャップなどの悩みに、専門の相談員が日々耳を傾けています。
(フクシロウ画像)
東京都福祉人材センターの取組みやイベント情報については、随時ホームページでお知らせをしております。
(QRコード 東京都福祉人材センター)
東社協トピックス
若者向けのふくしサイト「わたしとふくしと」を公開しました!
東京都社会福祉協議会では、これまで中学生を主な対象としていた「ユースページ」をリニューアルし、10代後半の若者を対象としたふくしサイト「わたしとふくしと」を開設しました。自分の将来を考える時期にある若者に、多様な考えや価値観、生き方、選択肢があることをさまざまなコンテンツを通して触れてもらいたいという思いで作成しています。今後もコンテンツの充実をはじめ、一人でも多くの若者に情報が届くような多様なアプローチを考えていきます。ぜひサイトをご活用ください。
(画像)
(QRコード わたしとふくしと)
東社協の本
ご注文は 東社協図書係まで  ☎03-3268-7185
保育園給食の個別対応事例29
(書籍画像)
東社協給食研究会の長い歩みの中で積み重ねられてきた知見や、現場の実践者が大切にしてきたポイントが詰まった1 冊です。本書が、子どもたちの安全で豊かな食の時間を支える一助となれば幸いです。
◆規格B5 判/ 132頁
◆発売日2026.03.30
◆定価 770円(本体700円+税10%)
改訂版社会福祉法人会計の実務 第1編 月次編
本書は、令和2 年9 月に発行された「令和2 年版 社会福祉法人会計の実務」(月次編)の改訂版です。会計担当者の疑問や不安の解消にお役立ていただき、同時により適正な会計データの作成ができることで、社会福祉事業の円滑な経営にご活用ください。
◆規格A4判/ 607頁
◆発売日2025.06.30
◆定価7,700円(本体7,000円+税10%)
ふくしのしごとがわかる本 2026年版
この冊子は、主に福祉職場への就職を目指している方を対象に、福祉の仕事にはどのようなものがあり、仕事をする上でどのような資格や要件が必要なのか、就職活動をどのように進めたらよいのかについてまとめたものです。
◆規格B5 判/116 頁
◆発売日2025.11.10
◆定価1,100円(本体1,000円+税10%)

--6【くらし今ひと】
にじ色の個性をもつ子どもたちをサポートしつづけたい
子どもの不登校に悩み、「にじっ子サポーターズ」を仲間とともに立ち上げた小園さん。活動する中で「日頃のつながり」の大切さを実感したといいます。この活動に至った背景や、現在の活動と今後の目標についてお話を伺いました。
にじっ子サポーターズ 代表
小園 桂さん
目黒区に拠点をおき、居場所づくりや余暇活動を通じて発達障害や不登校の子どもと家族が支援者とつながり、元気になれる活動「にじっ子サポーターズ」を運営している。
現在は婚礼や婚礼衣装に関わる仕事に復帰し、仕事と活動を両立しながら過ごしている。
(写真)
困り果てた先にあったつながり
次男が小学校低学年の頃から学校に行かなくなり、「どうしたらいいのか」とあちこち駆けずりまわっていた時、子どもの発達の多様性と受容を学び合う「発達サポーター育星講座(目黒区主催)」を友達に紹介してもらいました。コロナ禍でオンラインでの受講でしたが、最終回に対面で受講した際に、講師から「一人では変えていけない。一人だけでも誰かとつながってね」と言われ、その場で声をかけ合い、数名の知り合いができました。その後、同じような悩みを抱える仲間やサポーターが増えていきました。
LINEグループを作ったあと、仲間で月1回のおはなし会(のちの「にじカフェ」)を開催したことが「にじっ子サポーターズ」の最初の活動でした。自分の悩みを伝えて、困っていることを相談し合う場です。ここには否定も押しつけもなく、聞かれたときにそっと応える。そんな温かい関係が自然と生まれています。また人から人へと紹介の輪が広がっていく、つながりが自然とできています。


誰にでも輝ける場所がある
にじっ子サポーターズのLINEグループは今や140人。地域の大人と子どもがゆるやかにつながり、互いを支え合い、共に育ち合える関係を大切にしています。活動の柱は月1回の「にじカフェ」で、毎週開催している居場所や不定期開催のイベントなど活動は多岐にわたり、メンバー数やイベントも増えています。その中で、誰でもイベントの講師になれるのが「にじのバトン」です。第1 回の「昆虫のイベント」では昆虫の知識が豊富な子どもが講座を運営し、スライドづくりからクイズまで子ども自身が行いました。内容も素晴らしく、予定されていた1時間をぴったりで終えたことにも感心しました。それに感化された他の子どもたちから「自分もやりたい」と手があがったのです。どんな子にも、その子らしくいられる場所がある――。そう確信しました。そして、「ありがとうね」「サイコー」と言われることは子どもたちの自信につながり、学校に行くきっかけにもなるかもしれません。安心できる場所があれば、何かあっても戻ることができます。だからこそ、私たちはこの活動をこれからも大切に続けていきたいと思っています。


一歩踏み出すことで、ご縁やつながりができる
(写真 活動の様子)
不登校の渦中にいる時は「子どもをなんとかしないと」とばかり思っていて、自分のことがおろそかになっていたこともありました。しかし、活動を行ううちに自分自身のこともケアしなくてはならないし、私自身、困っていたとき「何かをすれば変われるのでは」「何かを身につければ良くなるのでは」と、外に答えを求めて探し続け、いろいろなことを試してきました。だからこそ、今の気づきにつながったのだと思います。
振り返ると「はじめの一歩」を踏み出したことが大きな転機でした。一歩前に出ることで自分の足元から景色が広がり、「ご縁」や「つながり」が生まれていきました。今の世の中には安心できる人やコミュニティ、場所が大切だと思います。ここで生まれたつながりを細く長く続けて、日常の中で自然につながれるコミュニティを育てていきたいです。もし、同じように悩んでいる方がいたら、一人で抱えずにふらっと来てもらえたらうれしいです。
にじっ子サポーターズ
(QRコード にじっ子サポーターズ)
最新情報はInstagram、Facebook をご覧ください
以上で、福祉広報2026年5月号を終わります。
 

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