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東京都社会福祉協議会

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福祉広報 2026年8月 811号 テキストデータ

【表紙】(写真)
旧社員寮を活用したぶんじ寮は、家賃を低額に抑える代わりに、住人同士が得意なことやできること、苦手なことも持ち寄りながらともに暮らすことを大切にしています。イベントの開催や居場所として地域にひらいていることも特徴のひとつ。写真は住人と地域に住む子どもたちとの夕食風景。


P.2 ●社会福祉NOW
障害のある方の“主体的な働き方の選択”

P.4 ●み~つけた
大人も子どもも持ち寄って暮らす“まちの寮”
ぶんじ寮(国分寺市)

P.5 ●連載 身寄りのない人を受け止められる社会に【第4回】
地域で育む「若者が頼れる関係」
特定非営利活動法人キーアセット 東京国分寺事務所

P.6 ●福祉のおしごと通信 ~つなぐ眼差し~
「自分のかたちでいいんだ」と思える園にしたい
社会福祉法人八晃会 宝光保育園 主任保育士 岡村 浩充 さん

P.7 ●Information
社福のオモイを地域に届ける! つつまる便/マンスリー/ 東社協トピックス

P.8 ●くらし今ひと
子どもらしく過ごせる居場所づくりをめざして
杏林大学保健学部健康福祉学科教授/NPO法人居場所づくりプロジェクトだんだん・ばぁ理事長 加藤 雅江 さん

 

【目次】

1社会福祉NOW
2み~つけた
3連載 身寄りのない人を受け止められる社会に 第3回
4福祉のおしごと通信 ~つなぐ眼差し~
5Information(つつまる便/マンスリー/ 東社協トピックス)
6くらし今ひと

 


--1【社会福祉NOW】
障害のある方の“主体的な働き方の選択”

障害者総合支援法の一部改正(2022年)に伴い、新たな障害福祉サービスとして「就労選択支援」が2025年10月から実施されています。この制度の概要をふまえた上で、都内の事例を通じて“障害のある人もない人もともに働く社会”の実現について考えます。

「就労選択支援」の創設まで
就労選択支援は、就労アセスメント*1 の手法を活用して障害者本人が就労先や働き方についてよりよい選択ができるよう支援するものです。就労選択支援の創設は、障害者雇用促進法の一部改正(2019 年) にかかる法案審議における附帯決議がきっかけでした。ここで“雇用施策と福祉施策の一体的展開”が盛り込まれ、2020年には「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」*2 が設置されました。検討会では、現状の課題として
● 就労系障害福祉サービスの利用希望者の就労能力や適性を評価し、具体的な支援に活用する手法等が確立されていないこと
● 就労継続支援の利用が始まると固定化されやすいこと
● 本人の立場に立ち、次のステップを促す支援者がいるかどうかで、職業生活、人生が大きく左右されること
などがあげられました。就労選択支援は、障害者本人が自身の働き方を考えるサポートをするとともに、就労継続支援の利用者へは、就労移行支援の利用や一般就労等への選択の機会を適切に提供することをめざしています。具体的には、本人への情報提供等をしながら、【①作業場面を活用した状況把握(アセスメント)→②多機関連携によるケース会議→③アセスメントシートの作成→④事業者等との連絡調整】というフローですすめる想定です(表参照/標準1か月)。

*1 就労系障害福祉サービスの事業所が行う、利用意向がある障害者との協同による就労ニーズの把握や能力・適性の評価および就労開始後の配慮事項等の整理
*2 「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会報告書(所管:厚生労働省)」がまとめられています

表:厚生労働省「就労選択支援に関する案内用リーフレット」に基づき 東社協作成


 福祉事業センターの取組み
(社福)村山苑の福祉事業センターは、2026年4月1日から指定就労選択支援事業所として利用者を受け入れています。センター長の臼田誠寿さんと就労移行支援のサービス管理責任者である日比野渉さんは、就労選択支援事業所の指定を受けるまでの経緯を次のように話します。「指定を受けるに至った理由は大きく2点あります。
1点目は、従来の就労アセスメントに対する課題意識です。東村山市所定のアセスメントシートは作業場面での様子を客観的かつ多角的に把握し、本人の強みや必要な配慮、希望する働き方を整理するうえでは有用でした。しかし、アセスメント結果を今後の選択肢の検討や支援方針に十分つなぎきれないこともありました。就労継続支援B型を希望する方に対しては、『本人が希望しているので』ということで、本人希望を最優先としたアセスメント結果を出すことが多く、就労継続支援B型以外の就労選択になることはまれでした」。従来の就労アセスメントが法令上明確に位置づけられていなかったこともあり、支援の中で継続的に活用されにくいという制度上の課題も感じていたそうです。

(写真 アセスメントで利用するための訓練・作業室)

2点目として、施設がある東村山市主導で就労選択支援に向けた動きがあったこともきっかけに。「就労支援における現状把握のため市内の就労移行支援事業所を対象にした連携会議が開催された以降、東村山市障害者自立支援協議会*3 の中の就労支援部会・相談支援部会等との連携が構築され、地域全体で就労選択支援の実施のため前向きにすすめていく機運が高まっていきました。法人としても、地域の障害福祉サービスを担うものとして取り組んでいこうと当初より話をしていました。こうした現状に後押しされ、市内初の就労選択支援事業所として運営を開始しました」と臼田さんはいいます。
なお、就労選択支援は特別支援学校等*4 のキャリア教育や進路指導においても有用であると考えられるため、在学者は1 年次から利用可能であり、在学中に複数回実施することも可能です。「従来はすでに進路が決まっていた高校3年生に対して、卒業前に“確認の手続き” として就労アセスメントを行っていた一面もありました。今後はどの時期に就労選択支援を実施するのかという点や、何よりも本人や家族の意向、そして学校や行政、障害福祉サービス事業所がそれぞれどう捉えて、この制度を有効活用していくのか、それぞれの立場は違えど目線や方向性をそろえていくことが大切だと思います」と今後の展開について日比野さんはいいます。


これからを見据えて
指定就労選択支援事業所として就労アセスメントを開始してはいますが、まだまだ福祉事業センターも関係機関も手探りとのこと。密に関わる計画相談支援事業所をはじめ、引き続き利用者に対しても、関係機関に対しても就労選択支援の説明や周知を続けていく必要性を2人は感じています。
最後に、今後の展望や期待、社会福祉法人としての考えを伺いました。「就労選択支援の目的は、本人と協同で強みや特性、可能性を把握し、納得して働き方を選べるよう伴走型で支援するということだと思います。そういった意味では、これまで活用法に課題のあった就労アセスメントが法令上明記されたことは一歩前進ですし、支援サービスの中でアセスメントを活用するという視点を持つことが重要です。また、利益優先の“囲い込み” が発生することがないよう、当施設としては地域とのつながりの中で適切な就労選択支援をする役割があると考えています。事業を継続するためにどう回していくかという視点は必要ですが、目の前の利益ではなく、社会福祉法人の責務として当施設や地域の資源を生かし、一人ひとりの強みを引き出し、可能性を広げる“真の自己実現” に尽力したいです」と、臼田さんと日比野さんは口をそろえていいます。
就労選択支援は一般就労の可否を判断するためでも、就労系障害福祉サービスの振り分けをするためでもありません。すべての段階で利用者本人の参加を重視し、本人との協同による就労先や働き方の意思決定を支援するサービスであるという就労選択支援の理念を理解した上で実施することで、本人の特性や意向等に応じた就労の選択を支援する制度に育っていくことが望まれます。

*3 協議会 障害者等への支援の体制の整備を図るために必要な事項について情報共有等を行う(障害者総合支援法第89 条の3)
*4 特別支援学校高等部、高等学校、中等教育学校の後期課程

(QRコード 就労選択支援実施マニュアル(厚生労働省))

制度解説
就労継続支援…一般企業等への就労が難しい人に働く場を提供するとともに、知識および能力の向上のために必要な訓練を行う(A 型=雇用型、B 型=非雇用型)。
就労移行支援…一般企業等への就労を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識および能力の向上のために必要な訓練を行う。


--2【み~つけた】
大人も子どもも持ち寄って暮らす“ まちの寮”
国分寺市 ぶんじ寮

お金に頼るのを半分にする暮らし
国分寺市の閑静な住宅街の中にあるぶんじ寮。もともと社員寮だった場所を活用し、“まちの寮”として2020年11月に生まれ変わりました。ぶんじ寮が生まれた背景について、運営メンバーであり住人でもある富本蒼さんはこう話します。「今の世の中って、お金に依存しすぎていて格差がすすみ、現実問題として、生活へのコストが上がり続けている。そこで、生活コストの中でも多くを占める『固定費=家賃』を下げることで、安心して生活が送れ、自分らしく生きるための“冒険” ができる場をつくりたいと考えたのが始まりです」。

“持ち寄って”暮らすこととは
ぶんじ寮の家賃は近隣の平均的な家賃の半分程度の3万(共益費別14,000) 円です。内装はエアコンや食器棚など社員寮だった当時の設備をできるだけ残しています。また、住民の得意不得意なことすべて“持ち寄って”暮らすことがコンセプトのひとつ。掃除や庭の草取り、寮の修繕など実際の運営に必要なことから、悩みや困り事も持ち寄ってつくることで、お金に頼るのを半分にした暮らしをつくっています。
もうひとつのコンセプトは、ここでは入居時の審査もなければ門限、食事や掃除などの当番やルールもないこと。富本さんは「誰でもここに来ていいし、居ていい。だから住んでいる人たちのできること、できないことはそれぞれです。ルールがなくても、何かあれば都度、みんなで対話をし、ともに考える場として住民ミーティングを生活の中で大切にしています」と話します。月2 回開催される住人ミーティングでは原則、住人は全員参加して日々の困り事ややってみたいことなどをみんなで考えたり、寮の収支や決算報告もこの場で行ったりしています。

まちの寮として地域にひらく
ぶんじ寮を“まちの寮” としたもうひとつの背景について、運営に関わる横澤咲穂里さんは「国分寺の中で大人も子どもも安心して楽しめる場の必要性を感じていました。ここをまちにひらくことで、地域に住む一人ひとりの居場所になったらいいなと思ったのです」と話します。1階のフリースペースや屋上は地域に開放し、定期的にイベントを開催していて、近所に住む大人や子どもでにぎわっています。イベントでは住人が企画や運営に加わることも多く、地域の人と住人がゆるやかにつながる場づくりを行っています。
オープンして5 年。富本さんは“安心と冒険” “持ち寄る暮らし” というコンセプトの大切さを改めて感じています。「お金に頼らなくても安心して生活でき、自分らしく生きられるという選択肢を示したい。大切な軸にいつでも立ち戻りながら現状維持でやっていきたい」と話します。横澤さんは「その時々の住人により考え方や在り方が少しずつ変わるので、このままでいることの難しさを感じつつも、変化も楽しみながら関わり続けていきたい」と話します。
安心を担保し、冒険できると思えるきっかけを与えてくれる場所。ぶんじ寮はこれからも地域に在り続けます。

(QRコード ぶんじ寮 Instagram)


--3【連載 身寄りのない人を受け止められる社会に 第4回】
地域で育む「若者が頼れる関係」

特定非営利活動法人キーアセット 東京国分寺事務所 加藤 薫さん 久保 志保さん 木島 広明さん
(写真(左から) 里親リクルーター 加藤 薫さん 前自立支援相談員 久保 志保さん 区市町村連携コーディネーター 木島 広明さん)

「誰かを頼る」が苦手な若者たち
里親家庭からの措置解除後、多くの若者は進学や就職を機に一人暮らしを始めます。しかし、その中には「一人で夜を過ごすことに耐えられない」など戸惑う若者が少なくないそうです。生活に困窮すれば公的なセーフティネットにつながることはできます。しかし、制度だけでは埋められない「寂しさ」や「孤立感」が残るケースは少なくありません。「身寄りがあるかないかというより、彼らには『人を頼ることが苦手』という傾向があると感じている」と前自立支援相談員の久保志保さんは話します。また、幼い頃から里親家庭で育った場合と、高校生など高年齢で委託された場合とでは、「元里親への頼り方」にも差が出てくるといいます。幼い頃から里親家庭で生活した子どもは、里帰りをするような感覚で里親家庭を訪ねることができます。一方、高年齢で委託された子どもの場合、そのように頼ることができず、一人で抱え込んでしまうことがあります。
キーアセットでは、学校の学生支援センターやアフターケア事業所、障害を持っている方の場合は、障害福祉サービスなど、地域のさまざまな社会資源につないでいます。「若者たちには、“信頼できる大人=地域の応援団を一人でも増やしてほしい”と伝えている」と久保さんはいいます。
また、本人との適切な距離感も一人ひとり異なります。「少し心配な子には、ややしつこいくらい連絡することもある。返信がなくても、『あなたのことを気に掛けている人がいる』というメッセージになるため」と話します。一方で、本人がフォスタリング機関からの支援や関わりを望まないこともあります。そのような場合でも、里親や関係機関と連携しながら、いつでもつながれる関係を維持できるよう意識しています。


若者を支える「地域の応援団」を増やす
措置解除後の若者は、経験不足ゆえに生きづらさを感じるケースもあります。キーアセットでは、こども家庭センターや社協、企業、商業施設など、地域のさまざまな人や団体とつながりながら、その地域の社会資源を生かした支援の形を模索しています。里親リクルーターの加藤薫さんは「例えば、商業施設で販売体験を行ったり、子ども食堂でボランティア活動をするなど、若者が地域の人とつながる機会を創出している。そうした経験の積み重ねが社会とのつながりを育み、“自分も誰かの役に立てる”という自信になる」と話します。
一方で、支援の場があっても、そこにつながること自体が難しいこともあります。例えば、フードバンクから「取りに来てくれれば提供できる」と言われても、外に出ること自体が難しい場合もあります。そのため、支援につなぐだけではなく、その若者がどのような背景を抱えているのかを地域の人にも知ってもらい、受け止めてもらえる関係を少しずつ築いていくことが大切だといいます。
フォスタリング機関で関わることができるアフターケアはおおむね10年までといわれています。その間にめざしているのは、支援機関だけに頼るのではなく、地域の中に「困ったら相談できる人」や「気に掛けてくれる人」を増やしていくことです。久保さんは、「頼ることも一つの力です。その練習を重ねながら、自分の応援団を少しずつ増やしていってほしい」と話します。


「身寄り」を地域の中で育むために
里親家庭で育った若者がめざしてほしいのは、「自分一人で生きていくこと」ではなく、困ったときに誰かを頼れるようになることです。そのためには、福祉や行政だけでなく、学校や企業、地域住民など、一人ひとりが少しだけ他者に関心を寄せることが大切です。そうしたつながりを一つひとつ育んでいくことが、若者が孤立しない地域や社会につながっていくのではないでしょうか。

*1 フォスタリング機関:東京都から委託を受け、里親制度の普及・啓発や里親登録前の相談・研修、子どもと里親のマッチング、委託中の支援、措置解除後のアフターケアまで、子どもと里親を継続的に支援する機関

(QRコード 特定非営利活動法人キーアセット 東京国分寺事務所)


--4【福祉のおしごと通信~つなぐ眼差し~】

宝光保育園で、入職以来ずっと子どもの育ちを見守ってきた岡村浩充さんに、仕事をする中で大切にしていることや保育園を取り巻く環境の変化、次の世代へのメッセージをお聞きしました。

「大人も全力で楽しむ!」がモットー。

社会福祉法人八晃会
宝光保育園
主任保育士 岡村 浩充 さん

(写真)

「自分のかたちでいいんだ」と思える園にしたい

入職したころから持ち続けているマインド
高校で進路を考える時期に、仕事につながることをしたいなと思っていたら、友人から保育士になると聞きました。根っからの子ども好きというタイプではないのですが、「そういう道もあるんだ」と興味をもち、短大で保育を学びました。その後、新卒で就職した保育園にずっと勤務しています。日の出町の自然豊かな環境の中、子どもたちと山道を散歩したり、川遊びをしたり、のびのびと楽しく保育をしてきました。もちろん子ども同士のトラブルや、子どもの発達や心のことで保護者の方が悩んでいて、といったことも日々あり、そんなときは職員間で話し合います。ただ、深く感情移入してしまうとバランスのよい判断ができなくなってしまうので、マインドとしては「年長さんとはいえ、まだ生まれて5年とかだもんな」と考えていたり、そういう一歩引いた視点があるから続いているのかなと思います。


職員の得意を生かし、地域にオープンな園にする
副主任や主任になってからは、園の考えと現場の考えをうまく抽出して、みんながいきいきと仕事できるようにフォローしたいと思ってきました。現場の保育士が改善したいところ、やりたいことをボトムアップで実現できるようにと意識しています。若い職員が子どもたちに向けて企画したダンスのイベントを実際にやってみたり、ものづくりが得意な職員が、保護者向けに「大人の工作」的なイベントを実施して、保護者の方に子育てからちょっと離れて没頭する時間が持てたと喜んでもらえたりしました。「やりたい」という保育士の気持ちを大切に、それぞれの得意分野を生かしてもらっています。
地域に向けた取組みも大切にしています。園でベビーマッサージや運動遊びのイベントを開いたり、地域の産業まつりへの参加などもしています。「保育園って通っていなくても行っていいのかな」という声もありますので、地域に向けて積極的に発信することで、園を利用していない方でも子育てについて気軽に相談できるのではないかなと思います。そうやって子育て家庭の頼れる先を少しでも増やせたらと思います。

「自分の子育てでいいんだ」 と思ってもらうために
20年以上同じ保育園で働いていますが、情報過多な時代になってきて、保護者の方がSNS などを見て「こういう子育てじゃなきゃ」と不安になっているのを感じます。なので、園から日頃のやり取りの中で「こんな風に育っているから、大丈夫ですよ」と子どもの様子を伝え、「自分の子育てでいいんだ」と自信をもってもらいたいんです。子育て中は本当に忙しくて大変なことも多いですが、頑張っている姿を誰かが見てくれていると感じてもらいたい。保護者の方を孤立させず、子育ての楽しさを伝えていけたらと思います。

次世代の保育士へ伝えたいこと
仕事の原動力は、月並みですが、「楽しむ」に限る!と思っています。例えば子どもたちと遊ぶとき、僕も生き物が大好きなので全力で探して、「ほら見てみ!」って見せつけちゃいます。保育士にも日々いろいろあるけれど、園に来たときはスイッチを入れ替えて、保育士自身が楽しみ、その姿を見せるのが大切だと思います。
一歩引いた視点が必要という話もしましたが、一人のお子さんのことや、一つひとつのことに悩む保育士もいて、僕はそういうことで悩めるのは素晴らしい強みだと思うんです。だから「それでいいんだ」って自分自身を認めてあげてほしいです。保育園にはいろいろな子どもがいて、同じようにいろいろな保育士もいて、だからこそいい。周りの保育士もそういう気持ちを持ちながら、チームで仕事してもらいたいです。


--5【Information(つつまる便/マンスリー/ 東社協トピックス)】

社福のオモイを地域に届ける! つつまる便
~あなたの地域のやさしい場所 社会福祉法人~
(社福) 多摩同胞会 特別養護老人ホームかんだ連雀(千代田区) では、買い物に不便を感じる高齢者を支える「すみれ会(買い物ワゴン)」の取組みを20 年以上続けています。ボランティアが買い物に同行し、荷物運びなどを手伝いながら、地域の方との交流の時間も大切にしています。この活動を支えているのは、施設職員だけではありません。地域住民や企業ボランティア、社協など多様な主体が「地域のためにできることを」と力を寄せ合っています。小さな支援の積み重ねが、地域共生社会の実現に向けた取組みにつながっています。

詳しい取組み内容は、東京都地域公益活動推進協議会のホームページからご覧いただけます

(QRコード <東京 地域公益>)

公式キャラクター つつまる

マンスリーニュース 2026.6.26 ~ 7.25
(6/29)地域包括支援センターにリハビリ職も含め配置(厚労省)
2027年度から3年間の第10期介護保険事業(支援)計画の基本方針案を社会保障審議会介護保険部会に提示し、おおむね了承された。この中で、地域包括支援センターの業務量や業務内容に応じた人員配置の観点から、従来の3 職種以外にリハビリテーション専門職や事務職の配置も含め必要な体制を検討し、確保に取り組むとした。

(7/3)地域医療構想で指針「介護施設も受け皿に」(厚労省)
高齢化と人口減少が進む中、2040 年を見据えた医療提供体制をつくるためのガイドライン(指針)を公表した。慢性期医療の需要が増えるという前提に立ち、受け皿について「療養病床、在宅医療および介護保険施設を一体的に検討することが必要だ」とした。都道府県はこれに基づいて2028年度までに地域医療構想を策定する。

(7/13)「防災庁」設置法が成立、11月に発足へ
防災・災害対応で国の司令塔となる「防災庁」の設置法が13日、参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。2026年11月の発足をめざす。防災庁は平時の備えから災害時の対応、復旧・復興までを総合的に担う。また、南海トラフ地震の被害想定地域などに地方拠点「防災局」を置くほか、「防災大学校」の設置も可能となった。

東社協トピックス
第65回関東ブロック母子生活支援施設研究協議会を開催
7月10日(金)に関東ブロック母子生活支援施設協議会、 東社協母子福祉部会との共催により、関東ブロック母子生活支援施設研究協議会を開催しました。当日は、「これからの母子生活支援施設のあり方と存在意義について考える」をテーマに基調講演やシンポジウムが行われ、全母協ビジョン2026 や母子生活支援施設の課題と今後の展望、多機関連携の大切さなどについて共有・発信されました。参加者からは、「多様な視点から今後を考える機会となった」「実践事例や他施設の取組みが参考になった」との意見・感想が寄せられました。

東社協 新会員のご紹介
保育部会
こだちの詩保育園/ 「こころの花」ほいくえん小岩駅前/練馬区立貫井保育園/広尾ちとせ保育園/ゆずりは春江の森保育園/上石神井保育園/かんかんもり保育園/しせい太陽の子保育園

児童部会
テリマカシ/自立援助ホーム ソレイユ/和笑

知的発達障害部会
知的障害者施設ハートポートこもれび/江東区東砂福祉園/北区立たばた福祉作業所/訪問介護・居宅介護事業所ENISHI / Seamless Support Labs 原宿

身体障害者福祉部会
ケアコミュニティみちふの森

東京都高齢者福祉施設協議会
介護老人福祉施設ラペ日野/特別養護老人ホーム ピオーネ足立

東京都介護保険居宅事業者連絡会
訪問介護事業所 さんた(杉太)

情報連絡会員
KN 蒲田園/ KN久が原園/かつしかプラス白鳥小学校/ハウオリ/社会福祉法人三祉会 本部事務局/まんまるちとせ南流山/ KN 蒲田駅前園/渋谷区障がい者基幹相談支援センター/特別養護老人ホーム カメリア(法人本部)/メルディアライフネスト浦和


--6【くらし今ひと】
子どもらしく過ごせる居場所づくりをめざして

三鷹市に子ども食堂「だんだん・ばぁ」を立ち上げ、子どもがその子らしく過ごせる居場所づくりに取り組んできた加藤雅江さん。地域全体で子どもを育てるためのヒントについて、活動に込めた子どもたちへの思いとともに伺いました。

加藤 雅江さん
杏林大学保健学部健康福祉学科教授 NPO法人居場所づくりプロジェクトだんだん・ばぁ理事長
大学卒業後大学病院で30 年間ソーシャルワーカーとして勤務。子どもの虐待防止やDV 対策、自殺未遂者支援を中心にソーシャルワークを行う。
(写真)

「大人を頼ってもいいんだよ」を伝えたくて
私がソーシャルワーカーを志したきっかけは、小学生の時に観た映画『翼は心につけて』です。骨肉腫で亡くなる女の子のお話なのですが、その子がソーシャルワーカーをめざしていました。彼女の遺志を継ぎたいと思ったことが、ソーシャルワーカーをめざした原点です。資格取得後、救命救急センターに勤務し、自殺未遂やDV被害者の方たちが搬送されてくることもありました。その方たちの生活史に触れると、子どもの頃に子どもらしく安心して過ごせる環境がなかった方が少なくないことに気づきました。また、大人が抱える困りごとによって子どもが困難な状況に置かれてしまう場面にも多く遭遇し、ソーシャルワーカーとして、子どもたちに対して申し訳ないという思いを感じました。そうした経験から子どもたちに、「大人は敵じゃない」「大人を頼ってもいいんだ」と思ってもらえるような居場所をつくりたくて、2016年に「だんだん・ばぁ」をスタートしました。

変わらないでいつもそこにあることが大事
はじめのころは、子どもたちを飽きさせないようにさまざまなイベントを考えました。しかし、尊敬する児童精神科医の先生に「子どもにとっては、変わらないでいつもそこにあることが大事」と言われ、そこから肩の力が抜けました。いつもと同じ時間にみんなと過ごす安心感を育むことが、子どもにとっては大切だということに気づいたのです。「だんだん・ばぁ」の名前の由来ですが、「だんだん」は“ゆっくり、あったかく”という意味と山陰地方の言葉で“ありがとう”という意味があります。「ばぁ」は“場所”という意味と飲み屋の“バー”を掛け合わせています。訪れた子どもたちが大人になって、一緒にお酒を飲める場所にしたいという思いを込めて名付けました。2026年でオープンして10年になりますが、当時来てくれていた子どもたちが大学生くらいになった今も顔を出してくれます。時間をかけて関係を築けたことによって、彼らにとって安心して帰ってこられる居場所に育ってきたのだと思うと嬉しい気持ちでいっぱいです。

多世代の人たちとみんなで過ごすために
近年は子どもがいる家庭が少なくなり、子育てが地域にとって遠い話になってきているように感じます。コロナ禍で、子どもたちが家で過ごす時間が長くなり、コロナが収束して子どもたちの声が地域に戻ると、「騒音」として受け止められるような反応も見られるようになりました。地域で子どもを育てるという感覚が弱まり、子育ての責任は家庭が持つものという風潮が一気に高まったように感じます。子どもと関わる機会も減ってしまったことで、子どもとのコミュニケーションの取り方が分からない大人も増えたのではないでしょうか。
私は「だんだん・ばぁ」に来るすべての子どもたちと関わりを持って、関係を築きいざというときに動ける状況をつくりたいです。ここに来る子どもたちは、困りごとがあるからではなくて、楽しいから来ています。ここで出会ったおじさん、おばさんたちと顔見知りになることで、いざというときに頼れる関係を築いています。「だんだん・ばぁ」に参加されている地域の方には、それぞれのできることや好きなこと、得意なことを介した関わりを通して子育て支援にご協力いただいています。子どもと大人がともに集える交流の機会をこれからも生み出していきたいと思っています。


以上で、福祉広報2026年8月号を終わります

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